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アンケート調査に基づく分析

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アンケート調査に基づく分析
日本におけるバイオ医薬品開発
−アンケート調査に基づく分析−
政策研レポートNo.5
2003年7月
医薬産業政策研究所
日本におけるバイオ医薬品開発
−アンケート調査に基づく分析−
政策研レポートNo.5
2003年7月
成田喜弘
(医薬産業政策研究所 前主任研究員)
本稿の内容や意見は、筆者個人に属し、日本製薬工業協会や医薬産業政策研究所の公式見解を示すものではない。
連絡先:
日本製薬工業協会 医薬産業政策研究所
103-0023 東京都中央区日本橋本町3−4−1トリイ日本橋ビル5F
TEL:03-5200-2681、FAX:03-5200-2684
<目次>
Ⅰ.はじめに ..................................................................... 1
Ⅱ.バイオ医薬品開発の現状...................................................... 2
Ⅲ.バイオ医薬品の上市数予測 ................................................... 3
Ⅳ.日本のバイオ医薬品に関する基礎データ ...................................... 4
1.薬効別分類
2.開発経験の有無
3.製品起源
4.優先審査等の有無
5.ブリッジング試験の有無
6.日本における開発期間
Ⅴ.バイオ医薬品の開発履歴に関する分析 ........................................ 7
1.新 GCP 施行前後での比較
2.開発経験の有無による比較
3.製品起源別(自社起源と他社起源)の比較
4.開発領域別の比較
5.希少疾病用医薬品指定の有無による比較
Ⅵ.非バイオ医薬品との比較...................................................... 13
1.製品起源別(自社起源と他社起源)の比較
2.開発領域別の比較
Ⅶ.まとめ ........................................................................ 19
【謝辞】
【資料:バイオ医薬品に関する調査票】
日本におけるバイオ医薬品開発−アンケート調査に基づく分析−
医薬産業政策研究所 前主任研究員 成田喜弘
Ⅰ.はじめに
医薬品市場におけるバイオ医薬品の割合は、今後ますます大きくなることが予想される
1)。バ
イオ医薬品は、より難治性の疾病への適応が期待されるがゆえに患者リクルートが難しく、非バ
イオ医薬品と比較して一般的に開発期間が長くなるとの見方がある。一方、対象患者が少なく、
難病など重篤な疾病を適応とするために希少疾病用医薬品の指定(オーファンドラッグ指定)を
受けたり、希少疾病用医薬品以外でも当該疾病の医療分野において、構造又は薬理作用が明らか
に新規である場合が多いために優先審査の対象品目となるなど、逆に承認までの開発期間として
は短くなっているとの見方もある。
米国タフツ大学・CSDD(Tufts Center for the Study of Drug Development)は 1980 年以降、
米国で承認された新有効成分全体の臨床開発期間(フェーズⅠ∼フェーズⅢ)の平均とその内の
バイオ医薬品だけの臨床開発期間の平均とを比較している 2)。同調査は 1980 年以降を 6 つの期間
に分けて両者を比較しているが、いずれの期間においてもバイオ医薬品の臨床開発期間の平均は
全体の平均を下回っていると指摘している。しかしながら、米国における治験実施環境や体制・
制度は日本とは大きく異なっている。また、日本では 1990 年の旧 GCP 施行、さらには 1997 年
の新 GCP 施行など、1980∼90 年代において治験実施環境が大きく変化してきた。
本報告書では、アンケート調査に基づいて日本のバイオ医薬品の基礎データや開発履歴に関す
るデータを整理し、特に新 GCP 施行以降の品目を中心に分析を行った。また、開発期間について
は、非バイオ医薬品との比較も行った。なお、本アンケート調査は、1990 年から 2002 年末まで
に日本で承認された全バイオ医薬品(35 品目)のフェーズ毎(前臨床、フェーズⅠ、フェーズⅡ、
フェーズⅢ、申請)の期間や希少疾病用医薬品指定・優先審査の有無等について、該当品目の開
発企業を対象に実施した。また、非バイオ医薬品の開発期間については、2000 年末に当医薬産業
政策研究所と山田武助教授(千葉商科大学)との共同研究で実施した新薬開発実態調査
したデータを利用した。
1) 医薬産業政策研究所「バイオ医薬品の上市数予測」政策研ニュース No.7 2002
2) Tufts Center for the Study of Drug Development「OUTLOOK 2001、2002」
(http://csdd.tufts.edu/InfoServices/OutlookReports.asp)
3) 医薬産業政策研究所「医薬品開発における期間と費用−新薬開発実態調査に基づく分析−」
リサーチペーパー・シリーズ No.8 2001
-1-
3)で収集
Ⅱ.バイオ医薬品開発の現状
バイオ医薬品は「バイオテクノロジーを用いて生産される医薬品」という意味で、一般的には
理解されている。特許庁ホームページ(http://www.jpo.go.jp/shiryou/index.htm)の「バイオテ
クノロジーの医療分野への応用に関する技術動向調査」によると、「バイオ医薬品とは遺伝子組換
え技術、細胞融合技術、細胞培養といった 1980 年代からこれまでに開発された技術により生産
された医薬品」と定義されており、これまでに日本で開発された具体的な医薬品としては、イン
ターフェロン、インスリン、成長ホルモン、組織プラスミノーゲン活性化因子(TPA)
、インター
ロイキン 2、顆粒球コロニー刺激因子(G-CSF)、エリスロポエチン、ソマトメジン、グルカゴン、
ナトリウム利尿ホルモン、血液凝固第Ⅷ因子、遺伝子組換えワクチン、モノクローナル抗体など
が該当する。
バイオ医薬品を広義に解釈すれば、製造工程においてバイオテクノロジーを用いた医薬品の全
てを含む非常に大きな概念としてとらえることも可能である。しかしながら、これまでに厚生労
働省の承認を得た医薬品の中でバイオ医薬品とされているのは、遺伝子組換え技術あるいは細胞
培養技術を用いて製造されたポリペプチドあるいはタンパク質を有効成分とする医薬品である。
1990 年以降 2002 年末までに日本で承認されたバイオ医薬品の一覧を図表 1 に示す。
図表 1 バイオ医薬品(新有効成分)一覧
承認年月日
品目名
一般名
1990年1月 エスポー
エポジン
1991年3月 アクチバシン、グルトパ
プラスミナー
オルソクローンOKT3
10月 トロンボリーゼ
グラン
ノイトロジン
1992年3月 セロイク
イムネース
ビオガンマ
1993年7月 ソルクロット
コージネイト
1994年4月 ノイアップ
pre-S2含有rHBワクチン「タケダ」
10月 ソマゾン
1995年1月 ハンプ
1996年1月 グルカゴンG
4月 リコネイト
沈降B型肝炎ワクチン「明乳」
ミライザー
1998年3月 セレザイム
4月 クリアクター
12月 ソリナーゼ
2000年3月 ノボセブン
9月 ベタフェロン
2001年4月 ハーセプチン
フィブラスト
6月 リツキサン
ヒューマログ
10月 ノボラピッド
アドバフェロン
2002年1月 レミケード
シムレクト
シナジス
エポエチン・アルファ
エポエチン・ベータ
アルテプラーゼ
シルテプラーゼ
ムロモナブ−CD3
ナサルプラーゼ
フィルグラスチム
レノグラスチム
セルモロイキン
テセロイキン
インターフェロンガンマ-1a
デュテプラーゼ
オクトコグアルファ
ナルトグラスチム
B型肝炎ワクチン
メカセルミン
カルペリチド
グルカゴン
ルリオクトコグアルファ
沈降B型肝炎ワクチン
ナテプラーゼ
イミグルセラーゼ
モンテプラーゼ
パミテプラーゼ
エプタコグアルファ
インターフェロンベータ-1b
トラスツズマブ
トラフェルミン
リツキシマブ
インスリンリスプロ
インスリンアスパルト
インターフェロンアルファコン-1
インフリキシマブ
バシリキシマブ
パリビズマブ
-2-
これからのバイオ医薬品開発は、新たな活性タンパク質を探し出し、それを医薬品とする発展
方向だけでなく、既に承認されているバイオ医薬品の投与経路や製剤技術の開発(苦痛を伴う静
脈内注射から経皮・粘膜吸収への改良など)にも重点が置かれると思われる。さらに広義な意味
でのバイオ医薬品に含まれる遺伝子治療製剤
4)の研究開発が、これからの技術開発の焦点になる
とも言われている。
Ⅲ.バイオ医薬品の上市数予測
1990 年から 2001 年における日本でのバイオ医薬品の実際の承認品目数を 3 年単位で集計した
実績(バイオ医薬品数/新有効成分全承認数)と、2010 年までの予測比率を合わせた結果を図表
2 に示す。2003 年以降の予測については、2002 年時点での日米の開発品目数を検索し、フェー
ズ毎の成功確率や開発期間を考慮した、日本でのバイオ医薬品の上市数予測に基づいたものであ
る 5)。これまでの約 10 年間はバイオ医薬品の割合は 10%前後で推移してきたが、2010 年頃には
29.8%と約 3 倍の水準まで上昇することが予想される。
世界におけるバイオ医薬品の開発動向については、2002 年 6 月にトロントで開催された「BIO
2002−International Biotechnology Convention & Exhibition 」において、英国の調査会社
Pharmaprojects 社が、全世界で開発中の 6,409 種の新薬のうち、約 25%をバイオ関連医薬品が
占めていると発表している。1996 年の調査時では 15%を占めていたに過ぎなかったものがここ 6
年間で急増しているとの調査結果である 6)。バイオ医薬品の割合の上昇は、世界的に日本と同じ、
あるいは日本を上回るペースで進んでいると言えよう。
図表2
図表2 承認医薬品に占めるバイオ医薬品の比率
35%
28.3%
30%
実績
29.8%
予測
25%
20%
17.6%
14.3%
15%
11.7%
10.0%
7.8%
10%
5.5%
5%
0%
19901992年
19931995年
19961998年
19992001年
2003年
2005年
2008年
2010年
4)現在の遺伝子治療製剤には脂質膜に遺伝子を封入したリポゾームやウイルスの殻の中に遺伝子を封入したウ
イルスベクター、あるいは DNA そのものを投与する方法などがある。
5)医薬産業政策研究所「バイオ医薬品の上市数予測」政策研ニュース No.7 2002
6)日経バイオテク・オンラインニュース(2002 年 6 月 12 日)
-3-
Ⅳ.日本のバイオ医薬品に関する基礎データ
1990 年から 2002 年末までに日本で承認されたバイオ医薬品 35 品目について、該当する開発
企業を対象として開発情報に関するアンケート調査を実施した(巻末の「バイオ医薬品に関する
調査票」参照、実施時期:2002 年 12 月∼2003 年 1 月、対象会社 28 社、回収率 100%)
。調査は
化合物起源、同種同効薬でのそれまでの開発経験、ブリッジング試験の有無、優先審査等の有無、
主に日本における前臨床開始から承認までの開発履歴などの項目について実施した。
なお、Ⅴ章での開発期間の比較は、特に新 GCP 施行以降に承認された 14 品目について詳細に
実施しているため、本章では 35 品目全体のデータとともに新 GCP 以降の 14 品目のデータも併
せて以下に示す。
1.薬効別分類
日本標準商品分類に基づき薬効別分類を行った(図表 3-1、3-2)
。
図表 3-1 薬効別分類一覧(全体:35
薬効別分類一覧(全体:35 品目)
薬効分類番号
210番台
230番台
240番台
260番台
330番台
390番台
420番台
620番台
630番台
(
薬効別中分類
循環器官用薬(1)
消化器官用薬(1)
ホルモン剤(4)
外皮用薬(1)
血液・体液用薬(3)
その他の代謝性医薬品(10)
腫瘍用薬(2)
化学療法剤(1)
生物学的製剤(12)
薬効別大分類
個々の器官系用医薬品(7)
代謝性医薬品(13)
組織細胞機能用医薬品(2)
病原生物に対する医薬品(13)
)
:品目数
図表 3-2 薬効別分類一覧(新 GCP 以降:14
以降:14 品目)
薬効分類番号
230番台
240番台
260番台
390番台
420番台
620番台
630番台
(
薬効別中分類
消化器官用薬(1)
ホルモン剤(2)
外皮用薬(1)
その他の代謝性医薬品(3)
腫瘍用薬(2)
化学療法剤(1)
生物学的製剤(4)
)
:品目数
-4-
薬効別大分類
個々の器官系用医薬品(4)
代謝性医薬品(3)
組織細胞機能用医薬品(2)
病原生物に対する医薬品(5)
2.開発経験の有無
調査対象のバイオ医薬品の開発以前に、該当品目と同じ、又は関連した薬効領域での開発
経験を「開発経験なし」、
「開発経験あり」で集計した(図表 4-1、4-2)
。
図表4 - 1 開発経験の有無
( 全体: 3 5 品目)
14
21
図表4 - 2 開発経験の有無
( 新GCP 以降: 1 4 品目)
開発経験
あり
40%
開発経験
なし
60%
開発経験
あり
43%
6
8
開発経験
なし
57%
3.製品起源
製品起源を「自社起源」と「他社起源」に分類し、集計した。なお、海外親会社の開発品
目を日本において開発する場合は全て「他社起源」として集計した(図表 5-1、5-2)
。
図表5 - 2 製品起源
( 新GCP 以降: 1 4 品目)
図表5 - 1 製品起源
( 全体: 3 5 品目)
12
23
自社起源
34%
自社起源
14%
2
12
他社起源
66%
他社起源
86%
4.優先審査等の有無
「希少疾病用医薬品指定」
、「希少疾病用医薬品指定以外の優先審査」、「優先審査なし」に
分類し集計した(図表 6-1、6-2)
。
図表6 - 1 優先審査等の有無
( 全体: 3 5 品目)
医薬品指定
23%
希少疾病用医
1
希少疾病用
8
図表6 - 2 優 先審査等の有無
( 新GCP 以降: 1 4 品目)
薬品以外の優
1
薬品以外の優
先審査
希少疾病用医
先審査
7%
3%
26
7
優先審査なし
74%
希少疾病用医
薬品指定
50%
-5-
6
優先審査なし
43%
5.ブリッジング試験の有無
「ブリッジング試験あり」に該当するのは、ブリッジング試験が実際に成立し、日本での
臨床試験の一部がスキップできた場合のみとし、最終的にブリッジング不成立の場合は「ブ
リッジング試験なし」として集計した(図表 7-1、7-2)。
図表7 - 2 ブ リッジン グ試験の有無
( 新GCP 以降: 1 4 品目)
図表7 - 1 ブ リッジン グ試験の有無
( 全体: 3 5 品目)
ブリッジング
試験あり
17%
ブリッジング
試験あり
43%
6
29
6
8
ブリッジング
試験なし
83%
ブリッジング
試験なし
57%
6.日本における開発期間
前臨床試験については、探索的な基礎試験期間は含めず、開発候補品が絞り込まれた時期、
あるいは開発番号の決定や毒性試験の開始を前臨床試験の開始時期として調査した。前臨床
開始から承認までの開発期間による集計を図表 8-1、8-2 に示す。
表8 - 1 開発期間別の品目数
( 全体: 3 5 品目)
図表8 - 2 開発期間別の品目数
( 新GCP 以降: 1 4 品目)
1
12年以上
9年以上~
9年以上~
8
12年未満
6年以上~
16
9年未満
3年以上~
3
6年未満
3
0
4
9年未満
3年以上~
7
6年未満
3
12年未満
6年以上~
3年未満
1
12年以上
3
3年未満
5
10
15
20
0
5
10
15
20
国内企業が自社開発品を海外において開発している場合には、その海外での開発期間について
も調査したが、該当データが 3 品目しか得られなかったために分析対象としなかった。
-6-
Ⅴ.バイオ医薬品の開発履歴に関する分析
1.新 GCP 施行前後での比較
1997 年 4 月に新 GCP(Good Clinical Practice:医薬品の臨床試験の実施の基準)が完全
施行され、その前後において日本の治験環境は大きく変化した。バイオ医薬品全 35 品目を
97 年 4 月以前に承認された 21 品目とそれ以降に承認された 14 品目に分類し比較を行った
(図表 9)
。なお、データの集計に際しては、フェーズⅠ/Ⅱ試験、フェーズⅡ/Ⅲ試験とし
て実施されているものは、フェーズ毎の平均には含めていない。前臨床開始から承認までの
期間については、フェーズ毎の平均期間を積上げた数値と各々の品目の開発に要した実期間
の平均値を記載している。また、
( )内の数字は前臨床試験を実施しなかった品目を除外し
た集計である。積上げと実平均とで差が見られる原因は、フェーズⅢを実施していない品目
やフェーズⅠ/ⅡあるいはフェーズⅡ/Ⅲとして実施されたデータが、フェーズ毎の平均値
に反映されていないことが影響している。なお、表中の数値の単位は全て年である。
図表 9 新 GCP 施行前後での比較
バイオ医薬品全体
(35 品目)
新 GCP 以前承認分
(21 品目)
新 GCP 以降承認分
(14 品目)
前臨床
PⅠ
PⅡ
PⅢ
1.1
(1.7)
1.5
(1.7)
0.5
(1.5)
0.7
2.1
4.5
1.7
3.8
2.9
5.9
1.7
←
0.5
←
1.1
←
申請
→
1.6
→
1.9
→
2.3
2.5
2.0
前臨床∼承認
積上げ
実平均
7.9
7.6
(8.5)
7.8
7.6
(8.0)
8.4
6.8
(9.4)
開発期間毎に、新 GCP 施行前後での差について考察を述べる。
(1) 前臨床試験期間
新 GCP 以前承認分と以降承認分とでは、前臨床試験期間がそれぞれ 1.5 年、0.5 年と差
が認められている。しかし、前臨床試験が実施されていない品目が、新 GCP 以前承認分で
は 21 品目中 2 品目(10%)しか存在しないのに対し、新 GCP 以降承認分については、14
品目中 9 品目(64%)で前臨床試験が実施されていない。
そこで、前臨床試験が実施されていない品目を除外すると、新 GCP 以前に承認された品
目の平均(1.7 年)と新 GCP 以降に承認された品目の平均(1.5 年)の間には差は見られ
なくなる。そもそも新 GCP は臨床試験に関する規制であり、やはり新 GCP 施行の前後で
前臨床試験期間に差はないと考えられる。
(2) フェーズⅠ期間
新 GCP 以前承認分と以降承認分とでは、フェーズⅠ期間がそれぞれ 0.5 年、1.1 年と比
-7-
較的大きな差が認められているが、この要因の1つとして新 GCP 以降承認分にブリッジン
グ試験実施品目が含まれていることが挙げられる。一般的に、ブリッジング試験実施品目
においては、海外データとの類似性等を検討するためのフェーズⅠ試験で、必要となる試
験数が品目毎に大きく変化することがある。本調査において、新 GCP 以前承認分にはブリ
ッジング試験成功品目が全く含まれないが 7)、新 GCP 以降承認分には、ブリッジング試験
成功品目が 14 品目中 6 品目(43%)含まれる。このブリッジング試験成功品目において、
フェーズⅠに 4 年弱の期間を要しているものが 1 品目存在しており、これが新 GCP 以降承
認分の平均値の長期化に影響している。この 1 品目を除外した場合、新 GCP 以降に承認さ
れた品目の平均は 1.1 年から 0.8 年となり、新 GCP 以前に承認された品目の平均値(0.5
年)との差は小さくなる。よって、新 GCP 施行の前後でフェーズ 1 試験期間にあまり差は
ないと考えられる。
(3) フェーズⅡ期間
新 GCP 以前承認分と以降承認分とでは、フェーズⅡ期間がそれぞれ 1.7 年、2.9 年と大
きな差が認められている。新 GCP 以前承認分に関しては、旧 GCP 施行(1989 年 10 月通
知、1990 年 10 月から実施)以前にフェーズⅡ試験を終了している品目が 21 品目中 19 品
目(91%)存在する。旧 GCP 施行以前に実施されている治験に関しては、当時の規制等の
状況からも治験を短期間に終了させることが可能であったとも考えられる。すなわち、旧
GCP 以前には現在のような治験審査委員会(IRB)が存在しなかったことから、医療機関
との手続き等で治験開始までに時間がかかることも少なく、また治験が開始されてからも
厳密なインフォームド・コンセントが必要とされていなかったことから、患者リクルート
もある意味では容易であったことが想像される。旧 GCP 施行以前における日本の治験に関
しては、治験の質の問題を除けばスピードの面では速かったと言える。よって、旧 GCP 以
前に試験が実施された品目が多く含まれるという理由で、フェーズⅡ期間は新 GCP 以前承
認分のほうが短くなっていると考えられる。
(4) フェーズⅢ期間
新 GCP 以前承認分と以降承認分とでは、フェーズⅢ期間がそれぞれ 1.6 年、1.9 年とあ
まり差が認められない。また、新 GCP 以前承認分の中でも、旧 GCP 以前に申請されてい
る品目(12 品目)と旧 GCP 以降に申請された品目(フェーズⅢあるいはフェーズⅡの一
部から旧 GCP の影響を受けている 9 品目)に分けて、そのフェーズⅢ期間の平均を比較し
てみると、前者が 1.0 年に対して後者は 2.2 年となる。よって、
「旧 GCP 以前品目」、
「旧
GCP 適用期間品目」、
「新 GCP 適用期間品目」
のフェーズⅢ期間はそれぞれ 1.0 年、
2.2 年、
1.9 年となり、旧 GCP 以降に限っても新 GCP 以前承認分と以降承認分とでは、差があま
りないと言える。
7)ブリッジング試験制度の導入は「外国で実施された医薬品の臨床試験データの取扱いについて(1998.8.11 医
薬発第 739 号)
」の通知以降であり、新 GCP 施行(1997 年 4 月)以前に承認された品目には、ブリッジン
グ試験を実施したものは存在しない。
-8-
(5) 申請期間
新 GCP 以前承認分と以降承認分とでは、申請期間がそれぞれ 2.5 年、2.0 年と、以降承
認分が若干短くなっている。新 GCP 以降承認分については、14 品目中 8 品目(57%)が
希少疾病用医薬品の指定又は優先審査の指定を受けているのに対し、新 GCP 以前承認分で
は希少疾病用医薬品の指定は 21 品目中 1 品目(5%)だけである。また、タイムクロック
12 ヶ月制(2000 年 4 月以降申請分)も期間短縮に結びついていると考えられる。
前述したように、旧 GCP 以前の開発期間とそれ以降の開発期間とを単純に比較することに
は問題があると考えられる。新 GCP 以降承認分の 14 品目に関しては、1 品目だけが旧 GCP
施行の 90 年以前にフェーズⅠを開始しているが、本品目についてもフェーズⅡは 90 年以降
に開始されており、この 1 品目を除外してもほとんど差は認められない(図表 10)
。つまり、
新 GCP 以降承認分の 14 品目は「旧 GCP 以前」の影響を受けていないと考えられる。従って
以降の分析では、新 GCP 以降承認分の 14 品目のデータを用いることとした。
図表 10 新 GCP 以降承認分と
以降承認分と 90 年以降臨床開始分での比較
前臨床∼承認
前臨床
PⅠ
PⅡ
PⅢ
申請
積上げ
実平均
新 GCP 以降承認分
0.5
1.1
2.9
1.9
8.4
6.8
2.0
(1.5)
(9.4)
(14 品目)
← 5.9 →
90 年以降に臨床
0.5
8.4
1.1
2.9
2.0
6.6
1.9
(1.5)
(9.4)
開始(13 品目)
← 6.0 →
2.開発経験の有無による比較
新 GCP 以降承認分の 14 品目について、調査対象としたバイオ医薬品開発以前に該当品目
と同じ、又は関連した薬効領域での開発経験があった 6 品目と開発経験がなかった 8 品目と
に分類し、全体のデータとの比較を行った(図表 11)。
図表 11 開発経験の有無による比較
新 GCP 以降承認分
(14 品目)
14 品目中、開発経
験あり(6 品目)
14 品目中、開発経
験なし(8 品目)
前臨床
PⅠ
0.5
(1.5)
0.3
(0.9)
1.1
0.7
(1.9)
1.2
PⅡ
←
1.0
←
2.9
5.9
2.8
5.6
2.9
6.0
PⅢ
1.9
→
1.8
→
1.9
申請
2.0
1.4
2.5
前臨床∼承認
積上げ
実平均
8.4
6.8
(9.4)
7.3
5.6
(7.9)
9.2
(10.4)
7.8
開発経験の有無により差が生じているのは前臨床試験期間と申請期間の 2 つである。前臨床
試験期間に関しては、開発経験ありの 6 品目のうち前臨床試験を実施しなかったのは 4 品目、
-9-
開発経験なしの 8 品目のうち前臨床試験を実施しなかったのは 5 品目である。このため、前臨
床期間については、開発経験ありの 2 品目と開発経験なしの 3 品目の平均の比較で個々の値が
大きく影響しており、数値の差についてはあまり意味がないと思われる。
申請期間に関しては、開発経験ありの品目においては最長期間が 2.2 年であるのに対し、開
発経験なしでは 3 品目が 3.7∼4.8 年の期間を要しており、全体の平均値が長期化している。
希少疾病用医薬品指定等の有無に関しては、開発経験あり(6 品目中 3 品目が希少疾病用医薬
品指定)
、開発経験なし(8 品目中 4 品目が希少疾病用医薬品指定、1 品目が優先審査品目)と
もにほぼ同じ割合であり、平均値の比較において特に考慮する必要はないと判断された。以上
のことから、申請期間については、該当領域での申請資料作成のポイントや申請後の行政側と
の折衝ポイントなど、開発経験に基づくノウハウが期間短縮に影響していることが示唆される。
ゆえに、当該分野での開発経験は、申請期間についてのみ、期間を短縮させる方向で影響を
及ぼすと考えられる。
3.製品起源別(自社起源と他社起源)の比較
新 GCP 以降承認分の 14 品目を自社起源 2 品目と他社起源 12 品目に分類し、全体のデー
タとの比較を行った(図表 12)
。
図表 12 製品起源の違いによる比較
新 GCP 以降承認分
(14 品目)
14 品目中、他社
起源(12 品目)
14 品目中、自社
起源(2 品目)
前臨床
PⅠ
PⅡ
PⅢ
0.5
(1.5)
0.4
(1.6)
1.1
2.9
5.9
2.8
6.1
3.1
5.6
1.9
1.3
←
1.1
←
1.2
←
→
2.2
→
1.3
→
申請
2.0
1.9
3.0
前臨床∼承認
積上げ
実平均
8.4
6.8
(9.4)
8.4
6.4
(9.6)
9.9
9.8
製品起源の違いにより差が生じているのは申請期間のみである。他社起源品と比較して、自
社起源品の申請期間が長く(1.9 年:3.0 年)なっているが、これに関しては自社起源品が 2
品目だけの平均であり、数値の差について何らかの結論を述べることは困難である。
4.開発領域別の比較
薬効別分類一覧(4 ページ、図表 3-2)の「病原生物に対する医薬品(薬効分類番号 600
番台)
」
、
「個々の器官系用医薬品(薬効分類番号 200 番台)」
、
「代謝性医薬品(薬効分類番号
300 番台)
」に従って、開発領域別の比較を実施した(図表 13)
。
- 10 -
図表 13 開発領域別による比較
新 GCP 以降承認分
(14 品目)
14 品目中、
代謝性医薬品
(3 品目)
14 品目中、
個々の器官系用医
薬品(4 品目)
14 品目中、
病原生物に対する
医薬品(5 品目)
前臨床
PⅠ
PⅡ
PⅢ
0.5
(1.5)
1.1
2.9
5.9
3.1
1.9
→
5.6
→
0.9
(1.3)
1.1
(2.2)
0.1
(0.4)
←
1.2
←
0.8
0.8
5.8
1.9
→
2.7
←
6.4
2.0
1.3
3.1
←
申請
2.9
→
前臨床∼承認
積上げ
実平均
8.4
6.8
(9.4)
2.2
8.7
(9.1)
7.1
2.6
9.5
(10.6)
8.8
1.7
8.2
(8.5)
5.9
開発領域間で差が認められた前臨床試験期間、フェーズⅢ期間、及び申請期間について、
以下に考察を述べる。
(1) 前臨床試験期間
病原生物に対する医薬品が他領域に比べて期間が短くなっているが(0.1 年)、その病原生
物に対する医薬品 5 品目の中には、前臨床試験を実施していないものが 4 品目含まれてい
る。また、前臨床試験を実施した 1 品目も期間が 0.4 年と短いため一部の追加試験を実施
したにすぎないと考えられることから、前臨床試験期間の平均値は他の領域と比較して短
くなっている。代謝性医薬品及び個々の器官系用医薬品においては、前臨床試験を実施し
ていない品目はそれぞれ 3 品目中 1 品目、4 品目中 2 品目であった。
(2) フェーズⅢ期間
病原生物に対する医薬品のフェーズⅢ期間に関しては、ブリッジング試験成立のために
フェーズⅢ試験を実施していないものや、フェーズⅡ/Ⅲ試験として実施されているため
にフェーズⅢ単独の集計には含めていないものが 4 品目含まれており、2.9 年は 1 品目の
実数のため、他領域との比較は困難である。
(3) 申請期間
病原生物に対する医薬品は 5 品目のうち 4 品目が希少疾病用医薬品又は優先審査の指定
を受けているが、代謝性医薬品及び個々の器官系用医薬品では希少疾病用医薬品又は優先
審査の指定がそれぞれ 3 品目 1 品目、4 品目 1 品目と、その比率が低い。そのため申請期
間が他領域と比較して短くなっていると考えられる。
5.希少疾病用医薬品指定の有無による比較
新 GCP 以降承認分の 14 品目に関して、希少疾病用医薬品の指定を受けているもの 7 品目
と指定を受けていないもの 6 品目に分類し、全体のデータとの比較を行った(図表 14)
。
- 11 -
なお、希少疾病用医薬品の指定以外で優先審査 8)の指定を受けている 1 品目については、
どちらの集計にも含めていない。
図表 14 希少疾病用医薬品指定の有無による比較
新 GCP 以降承認分
(14 品目)
14 品目中、希少疾
病用医薬品の指定
あり(7 品目)
14 品目中、希少疾
病用医薬品の指定
なし(6 品目)
前臨床
PⅠ
PⅡ
PⅢ
0.5
(1.5)
1.1
2.9
5.9
3.2
1.9
→
4.8
→
0.4
(2.8)
0.8
(1.2)
←
1.6
←
1.0
6.0
2.0
−
3.1
←
申請
1.9
→
前臨床∼承認
積上げ
実平均
8.4
6.8
(9.4)
1.7
6.9
(9.3)
5.4
2.5
9.3
(9.7)
9.2
稀少疾病用医薬品指定の有無で差が認められた前臨床試験期間、フェーズⅢ期間、及び申
請期間について、以下に考察を述べる。
(1)前臨床試験期間
希少疾病用医薬品の指定を受けた 7 品目の中には、前臨床試験を実施していないものが 6
品目含まれており、2.8 年は 1 品目の実数のため数値の差についてはあまり意味がないと思わ
れる。なお、稀少疾病用医薬品の指定を受けていない 6 品目の中に、前臨床試験を実施して
いないものは 2 品目含まれている。
(2)フェーズⅢ期間
希少疾病用医薬品の指定を受けた 7 品目に関しては、フェーズⅡ/Ⅲ試験として実施され
ている品目や、ブリッジング試験の成立・対象疾患の関係でフェーズⅢ試験が実施されてい
ない品目ばかりで、フェーズⅢ期間としては単独で集計できなかった。
(3)申請期間
希少疾病用医薬品の指定を受けた品目の申請期間に関しては、指定を受けていない品目と
比較して短い傾向が伺える。さらに申請期間が短いことやフェーズⅢが実施されていない品
目が多いことにより、希少疾病用医薬品の指定を受けた品目の前臨床から承認までの実平均
は、指定を受けていない品目の実平均よりも明らかに短いと言える。
8)優先審査は承認申請時に申請者自らが理由書を添付することにより希望するものであり、対象となった品目は
あくまでも審査だけが優先される。
- 12 -
Ⅵ.非バイオ医薬品との比較
前章までは日本のバイオ医薬品に関する基礎データを整理するとともに、開発期間に関して
種々の視点から比較を行った。引き続き本章では、バイオ医薬品と非バイオ医薬品での開発期間
の比較を検討してみることとした。非バイオ医薬品の開発期間データについては、2000 年末に当
研究所と山田武助教授(千葉商科大学)との共同研究で実施した新薬開発実態調査
9)で収集した
データを利用した。バイオ医薬品全体(35 品目)と新薬開発実態調査で集計された自社起源、他
社起源を含む新有効成分全体のデータとの比較を図表 15 に示す。
図表 15 新薬開発実態調査結果との比較
バイオ医薬品全体
(35 品目)
新薬開発実態調査
論文データ
前臨床
PⅠ
1.1
(1.7)
0.7
1.9
PⅡ
←
1.5
←
2.1
4.5
3.0
7.0
PⅢ
1.7
→
2.5
→
申請
2.3
2.7
前臨床∼承認
積上げ
実平均
7.9
7.6
(8.5)
11.6
−
前臨床試験期間に関しては、前臨床試験を実施していない品目の割合が、比較結果に大きく影
響していると考えられる。バイオ医薬品に関しては、自社起源と他社起源の構成が 34%:66%
となっており、他社(親会社も含む)からの導入により前臨床試験を実施しなかった品目が 35
品目中 11 品目(31%)存在している。これに対して新薬開発実態調査では、自社起源と他社起
源の構成が 64%:36%となっており、他社からの導入により前臨床試験を実施しなかった品目
の比率は低いものと考えられる。ゆえに、前臨床試験を実施しなかった品目を含む集計結果との
間では差が認められるが(1.1 年:1.9 年)
、該当データを除外した場合には差が小さくなるもの
と考えられ、バイオ医薬品と非バイオ医薬品との間で前臨床試験期間に差はないとすることが妥
当と考えられる。
臨床開発期間(フェーズⅠ∼フェーズⅢ)全般に関しては、バイオ医薬品の開発期間の方が非
バイオ医薬品の開発期間よりも短い傾向になっている。しかしながら、ここで注意しなければな
らないのは、バイオ医薬品のデータに関しては承認された(成功した)品目だけの平均であるの
に対し、新薬開発実態調査のデータは途中で開発中止した品目についても、フェーズの終了時期
が回答されているものは各フェーズの集計に含まれていることである。すなわち、各フェーズの
終了後、種々検討した末に開発中止を決定した場合、極端な例ではフェーズⅠでの体内動態試験
やフェーズⅡでの用量設定試験のやり直しまで実施したにもかかわらず、結果的に開発中止にな
る場合など、新薬開発実態調査のデータには成功例に比べてフェーズ毎の期間が長期化している
品目が含まれていることが考えられる。そのため、見かけ上の平均値が押し上げられている可能
性があると考えられる。
また、
「致命的でない疾患に対し長期間の投与が想定される新医薬品の治験段階において安全
性を評価するために必要な症例数と投与期間について(1995.5.24 薬審第 592 号)
」の通知によ
り、1997 年 4 月 1 日以降に申請される医薬品については、目安として 6 ヶ月投与 300∼600 例、
9)医薬産業政策研究所「医薬品開発における期間と費用−新薬開発実態調査に基づく分析−」
リサーチペーパー・シリーズ No.8 2001
- 13 -
1 年投与 100 例程度の長期投与試験の資料が必要とされるようになった。そのため、新薬開発実
態調査のデータにおいて、本通知に該当する品目はフェーズⅢ期間が通知以前の品目よりも相対
的に長くなっている可能性がある(このような長期投与試験は用法・用量が決定したフェーズⅢ
段階で実施されることが多い)
。本通知によれば、1997 年 4 月以降に申請される品目が対象とさ
れているが、通知公表後の 1995∼1997 年の間に申請された品目についても、多少は影響してい
ることも考えられる。これに対してバイオ医薬品のデータに関しては、1995 年 5 月 24 日の通知
以降の申請品目 13 品目中、本通知に該当すると思われるものは 3 品目存在する。そのうちの 1
品目はブリッジング試験によって海外での長期投与試験を外挿(日本での長期投与試験をスキッ
プ)していることが推察され、実質的に日本で長期投与試験を実施したのは多くても 2 品目だけ
である。
以上から、バイオ医薬品と非バイオ医薬品間でより条件を揃えて比較を行うため、以降の考察
では、新薬開発実態調査のデータから開発に成功した品目だけを抽出し再集計し、非バイオ医薬
品データとすることとした。対象サンプルとしては、調査時に既に承認を取得していた 19 品目
と調査時点でフェーズⅢまでは終了し、申請段階の 21 品目の合計 40 品目とした。ただし、こ
の 40 品目にはバイオ医薬品が 2 品目含まれていたため、非バイオ医薬品に関するデータとして
は 38 品目を再集計した(図表 16)
。また、長期投与試験の有無に関してはバイオ医薬品、非バ
イオ医薬品ともに詳細が不明であるため、本再集計にあたって考慮していない。
図表 16 バイオ医薬品と非バイオ医薬品との全体比較
バイオ医薬品全体
(35 品目)
非バイオ医薬品全体
(38 品目)
前臨床
PⅠ
1.1
(1.7)
1.5
(1.7)
0.7
PⅡ
←
1.0
←
2.1
4.5
2.5
6.2
PⅢ
1.7
→
2.7
→
申請
2.3
2.7 注)
前臨床∼承認
積上げ
実平均
7.9
7.6
(8.5)
10.4
9.5 注)
(10.6)
注)非バイオ医薬品の申請期間、前臨床から承認までの実平均については、承認取得まで至った 19 品目か
ら、バイオ医薬品データの 1 品目を除外した 18 品目での集計である。
さらに、前章のバイオ医薬品開発期間の分析では、新 GCP 施行の 1997 年 4 月以降承認分を
中心に考察した。非バイオ医薬品との比較においても、年代を考慮するために以下の検討を加え
た。新薬開発実態調査は 1990 年以降にフェーズⅠを開始したプロジェクトを対象としているこ
とから、旧 GCP 以前の治験の問題に関しては考慮する必要はない。非バイオ医薬品 38 品目中
で承認を取得していた 18 品目のうち、新 GCP 以前に承認を取得しているものは 2 品目あり、
新 GCP 以降承認のバイオ医薬品 14 品目との比較においては、この 2 品目のデータは除外する
こととした。また申請中の 20 品目のうち、新 GCP 以前に申請されているものは 8 品目あり、
その内訳は新 GCP 施行直前の 97 年 2∼3 月に申請されている品目が 6 品目、95 年 12 月に申請
されている品目が 2 品目であった(97 年 2∼3 月に申請が集中しているのは、前述した長期投与
試験の必要性の問題によるものである)。新 GCP 以降承認分のバイオ医薬品との条件を揃えるに
当たり、非バイオ医薬品に関しては、95 年 12 月申請分の 2 品目は条件的に新 GCP 以降承認(97
- 14 -
年 4 月以降承認)と同等であると判断した(これまでの申請期間の平均値を考慮すると、95 年
12 月に申請されている品目については、承認されたとしても 97 年 4 月以降になっている可能性
が高いと判断したため)。従って、最終的にバイオ医薬品との比較に利用するデータとしては、
新 GCP 以前承認分の 2 品目を除外した 36 品目を用いることとした(図表 17)。
図表 17 バイオ医薬品と非バイオ医薬品との新 GCP 以降承認品目での比較
前臨床∼承認
前臨床
PⅠ
PⅡ
PⅢ
申請
積上げ
実平均
バイオ医薬品
1.1
2.9
1.9
0.5
8.4
2.0
6.8
(1.5)
(9.4)
(14 品目)
← 5.9 →
非バイオ医薬品
10.6
1.5
1.0
2.6
2.7
9.9 注)
2.8 注)
(10.8)
(1.7)
(36 品目)
← 6.3 →
注)申請期間、前臨床から承認までの実平均については、承認取得まで至った品目数での平均
1.製品起源別(自社起源と他社起源)の比較(図表 18)
図表 18 製品起源別による比較
前臨床
1.3
0.4
(1.6)
自社起源(17 品目) 2.2
非バイオ医薬品
0.7
他社起源(19 品目)
(36 品目)
(0.8)
自社起源(2 品目)
バイオ医薬品
(14 品目)
他社起源(12 品目)
PⅠ
PⅡ
PⅢ
申請
1.2
3.1
1.3
3.0
1.1
2.8
2.2
1.9
0.9
2.5
2.6
2.7 注)
1.2
2.7
2.7
2.9 注)
前臨床∼承認
積上げ
実平均
9.9
9.8
8.4
6.4
(9.6)
10.7 注)
10.9
10.2
9.3 注)
(10.3)
注)申請期間、前臨床から承認までの実平均については、承認取得まで至った品目数での平均
バイオ医薬品の自社起源は対象品目数も少ない(2 品目)ため、以下ではバイオ医薬品の他社
起源、非バイオ医薬品の自社起源、非バイオ医薬品の他社起源のデータを中心に考察した。
(1) 前臨床試験期間
自社起源が他社起源と比較して前臨床試験期間が長くかかる理由は明白である。従って、
ここではバイオ医薬品と非バイオ医薬品の他社起源に関して、前臨床試験を実施しなかった
品目を除外した平均値(1.6 年と 0.8 年)での差について考察する。バイオ医薬品では前臨床
試験を実施しなかったものは 12 品目中 9 品目(75%)存在するのに対し、非バイオ医薬品で
は前臨床試験を実施しなかったものは 19 品目中 2 品目(11%)しか存在しない。しかしなが
ら、完全に未実施ではないものの、前臨床試験期間が 0.1∼0.5 年と明らかに前臨床試験の一
部を追加で実施したに過ぎないと判断できる品目が非バイオ医薬品には 6 品目存在する。こ
のように他社起源品に関しては、導入した時点でのデータの整備状況により、追加の前臨床
- 15 -
試験を全く実施しなくてもよいものから、自社起源品とほとんど同程度まで実施しなければ
ならないものまで様々な品目が含まれてくるため、本結果のみからバイオ医薬品と非バイオ
医薬品での差を考察することは困難である。
(2) 臨床開発期間(フェーズⅠ∼フェーズⅢ)
臨床開発期間に関しては、各フェーズともバイオ医薬品と非バイオ医薬品においてほとん
ど差が認められない(品目数が少ないバイオ医薬品の自社起源を除く)。
(3) 申請期間、前臨床試験から承認までの実平均期間
申請期間、前臨床試験から承認までの実平均期間に関しては、バイオ医薬品の他社起源品
の期間が短い。これに関しては、希少疾病用医薬品の指定や優先審査の指定を受けているも
のが 12 品目中 8 品目(67%、希少疾病用医薬品 7 品目、優先審査 1 品目)存在することが大
きく影響している。今回の非バイオ医薬品サンプルの中に、希少疾病用医薬品の指定や優先
審査の指定を受けているものがどの程度存在しているかは明らかではない。しかしながら、
1997 年 4 月以降 2002 年末までの非バイオ医薬品の全承認品目数(新有効成分 159 品目)に
おいて、希少疾病用医薬品の指定を受けている品目は 28 品目(18%)10)しか存在しない(優
先審査の指定に関しては未確認)ことから、今回のバイオ医薬品での割合(67%)よりは明
らかに低いと推察される。そういう意味では、バイオ医薬品はやはり希少疾病用医薬品の指
定を受けるような対象疾患が少ない難病などを対象としたものが多いため、前臨床試験から
承認までの期間は結果的に短くなっていると言える。
2.開発領域別の比較(図表 19)
図表 19 開発領域別による比較
バイオ医薬品
(3 品目)
代謝性医薬品
非バイオ医薬品
(4 品目)
バイオ医薬品
個 々 の 器 官 系 (4 品目)
用医薬品
非バイオ医薬品
(8 品目)
バイオ医薬品
病 原 生 物 に 対 (5 品目)
する医薬品
非バイオ医薬品
(9 品目)
前臨床∼承認
積上げ
実平均
8.7
7.1
(9.1)
前臨床
PⅠ
PⅡ
PⅢ
申請
0.9
(1.3)
1.2
3.1
1.3
2.2
2.3
1.0
2.9
2.0
2.6 注)
10.8
11.1 注)
1.1
(2.2)
0.8
3.1
1.9
2.6
9.5
(10.6)
8.8
2.0
0.8
2.5
2.5
2.8 注)
10.6
10.1 注)
0.8
2.7
2.9
1.7
1.3
2.2
3.5
1.8 注)
0.1
(0.4)
0.9
(1.3)
8.2
(8.5)
9.7
(10.1)
注)申請期間、前臨床試験から承認までの実平均については、承認取得まで至った品目数での平均
10)医薬品副作用被害救済・研究振興調査機構ホームページ(医薬品機構)
(http://www.kiko.go.jp/)
の希少疾病用医薬品一覧から集計。
- 16 -
5.9
7.3 注)
前臨床試験期間に関しては、これまで述べてきたように製品起源の影響が大きく、また各領域
の対象品目数が少ないために、数値の差について考察することは困難である。従って、以下では
臨床開発期間以降の差について考察した。
(1) 臨床開発期間(フェーズⅠ∼フェーズⅢ)
各領域の品目数が少なく、平均値に個々の数値のバラツキが影響していることには留意す
る必要があるが、各領域での開発事情を考慮した上で、臨床開発期間全般に関して検討した。
フェーズⅠに関しては、バイオ医薬品が 0.8∼1.2 年、非バイオ医薬品が 0.8∼1.3 年となっ
ているが、それぞれの領域において期間の長い数品目が平均値を延ばしている傾向が認めら
れ、領域間に差があるとは考えにくい。
フェーズⅡに関しては、非バイオ医薬品の病原生物に対する医薬品の期間(2.2 年)が他領
域と比較して短い。また、バイオ医薬品でも同様に病原生物に対する医薬品が短い傾向にあ
るが、フェーズⅢに関しては逆にこれら病原生物に対する医薬品が他領域と比較して長い傾
向になっている。これらの現象については、対象領域別の治験薬の投与期間と症例数が各フ
ェーズの開発期間に影響していると考えられる。すなわち、病原生物に対する医薬品の中で
代表的な感染症治療薬などは、治験薬の投与期間が 1∼2 週間程度であるのに対し、代謝性医
薬品に含まれる糖尿病治療薬、骨粗鬆症治療薬、また個々の器官系用医薬品に含まれる高血
圧症治療薬、高脂血症治療薬などの場合は、治験薬の投与期間が1ヶ月あるいはそれ以上に
及ぶ事例が多い。そのため、病原生物に対する医薬品領域では、フェーズⅡの用量設定試験
などが他領域と比較して短期間で終了できる可能性がある。しかしながら、感染症治療薬の
場合はフェーズⅢにおいては多診療科における多種の感染症に対して、合計 1000 例以上もの
症例を集積する必要があり、他領域の治験薬と比較すると承認申請に必要な平均的な症例数
は多くなる。その結果、病原生物に対する医薬品領域では、フェーズⅢの期間は他領域より
も長くなっていると推察される。このように、対象領域の違いによる治験薬の投与期間と症
例数がフェーズⅡ、フェーズⅢの期間の差に影響していることが示唆される。
(2) 申請期間
申請期間に関しては、病原生物に対する医薬品領域の期間が、バイオ医薬品、非バイオ医
薬品ともに他領域と比較して短い。バイオ医薬品の病原生物に対する医薬品のうち、5 品目中
4 品目が希少疾病用医薬品又は優先審査の指定を受けており、申請期間に強い影響を与えてい
ると考えられる。これに対して、非バイオ医薬品の病原生物に対する医薬品は、このような
優先的な措置を受けていないにもかかわらず、申請期間が他領域よりも短い傾向にあること
には、何らかの理由があると推察される。
上述したように非バイオ医薬品の病原生物に対する医薬品のほとんどが感染症治療薬であ
る。感染症治療薬では評価方法がある程度確立されており、審査段階での論点となるポイン
トがはっきりとしていることが申請期間短縮の原因の一つと考えられる。
- 17 -
(3) 総開発期間(前臨床試験∼承認)
開発期間全体について見ると、どの領域においてもバイオ医薬品の方が非バイオ医薬品よ
りも開発期間が短い。しかしながら、これまで述べてきたようにバイオ医薬品のうち、14 品
目中 8 品目(57%)が希少疾病用医薬品又は優先審査の指定を受けており、また 14 品目中 6
品目(43%)はブリッジング試験が成立し、フェーズⅢをスキップしているなど、非バイオ
医薬品に比較して開発期間短縮につながる因子が多く含まれている。言い換えれば、バイオ
医薬品であるが故に開発期間が短いのではなく、症例数が少なくても申請可能であることや
優先的に審査を受けられたことが、結果的に総開発期間の短縮に繋がっていると判断される。
また、バイオ医薬品と非バイオ医薬品とも、総開発期間は病原生物に対する医薬品が最も
短く、他の 2 領域では差がなかった。これについてはバイオ・非バイオ間で同様の傾向を示
したことから、開発期間に影響を与える因子としては、前述の臨床開発期間(フェーズⅠ∼
フェーズⅢ)に関する考察の中でも記載しているように、バイオ・非バイオの違いよりも対
象領域の違いによる治験薬の投与期間と全体の症例数の方が、影響が大きいと考える。
- 18 -
Ⅶ.まとめ
これまで日本のバイオ医薬品開発について詳細に調査した研究はみられない。本研究では 1990
年から 2002 年末までに日本で承認された全バイオ医薬品 35 品目(対象会社 28 社)のアンケー
ト調査に基づき、日本におけるバイオ医薬品開発に関して以下の知見を得た。
(1) 35 品目のバイオ医薬品全体の薬効別分類では、代謝性医薬品と病原生物に対する医薬品がそ
れぞれ 13 品目ずつで、この 2 領域で全体の 74%を占めている。しかしながら、新 GCP 以降
承認分の 14 品目に限れば、それほど顕著な領域の偏りは認められない。
(2) 製品起源については 35 品目全体では自社起源と他社起源(親会社からの導入を含む)の割合
が 34%:66%と他社起源の割合が高く、さらに新 GCP 以降承認分の 14 品目に関してはその
割合が 14%:86%となっており、最近では特に他社起源品が多い。
(3) バイオ医薬品では、希少疾病用医薬品の指定を受けている割合が非バイオ医薬品よりも高い。
特に新 GCP 以降承認分の 14 品目中、希少疾病用医薬品の指定を受けているものは 50%(7
品目)であるのに対し、非バイオ医薬品の新 GCP 以降承認分での割合は 18%(159 品目中
28 品目)にすぎない。
(4) 治験環境等を考慮した場合の比較可能なデータ数としては、バイオ医薬品が 14 品目、非バイ
オ医薬品が 36 品目となり、個々の数値のバラツキが平均値に影響していることには留意する
必要があるが、バイオ医薬品と非バイオ医薬品との臨床開発期間(フェーズⅠ∼フェーズⅢ)
の比較においては、フェーズ毎の差はほとんど認められない。
(5) バイオ医薬品、非バイオ医薬品とも、開発領域の違いによってフェーズ毎の開発期間に差が認
められる。すなわち、フェーズ毎の開発期間にはバイオ医薬品と非バイオ医薬品の違いよりも、
開発領域の違いによる治験薬の投与期間の差や症例数の差が影響していると考えられる。
バイオ医薬品成分は、遺伝子組換え技術や細胞培養などによって生産される化合物であり、化
学合成することがほとんど不可能、あるいは化学合成できるとしても非常に非効率でしか得るこ
とができない化合物である。ポリペプチドや高分子タンパク質などのバイオ医薬品は、遺伝子レ
ベルで疾患を考えた場合、がんや免疫疾患といった難治性疾患の有望な治療薬となる可能性を秘
めているとも言える。その意味では、世界的にも今後バイオ医薬品の開発がますます活発になる
ことは望ましいことであり、日本においてもより多くの有望なバイオ医薬品が、より早く患者さ
んに使用できるようにならなければならない。
本研究においては、1990 年以降に承認されたバイオ医薬品 35 品目を対象としたが、新 GCP
施行以降の承認品目に限れば 14 品目しかなく、詳細な分析が困難な項目もあった。今後、日本で
のバイオ医薬品開発がさらに促進され品目数が増加すれば、より分析精度の高い研究が可能にな
ると考えられる。なお、本研究では研究開発コストについては何も言及していないが、バイオ医
薬品開発では、いわゆる前臨床試験以前に派生する基礎研究コストや、フェーズⅢから申請段階
で派生すると考えられる特殊な大規模製造設備へのコストなど、非バイオ医薬品と比較してより
研究開発コストがかかることが予想される。よって、今後のバイオ医薬品のウェイトの高まりに
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伴い、非バイオ医薬品と比較したバイオ医薬品のコストの把握が極めて重要になってくるものと
考えられる。
【謝辞】
本稿を策定するにあたり、バイオ医薬品に関する調査に御協力いただいた以下の企業に感謝し
ます。エーザイ株式会社、科研製薬株式会社、協和発酵工業株式会社、麒麟麦酒株式会社、三共
株式会社、ジェンザイムジャパン株式会社、塩野義製薬株式会社、住友製薬株式会社、ゼリア新
薬工業株式会社、全薬工業株式会社、ダイナボット株式会社(現アボットジャパン株式会社)、大
日本製薬株式会社、武田薬品工業株式会社、田辺製薬株式会社、中外製薬株式会社、東洋紡績株
式会社、日本イーライリリー株式会社、日本シエーリング株式会社、ノバルティスファーマ株式
会社、ノボノルディスクファーマ株式会社、バイエル薬品株式会社、バクスター株式会社、藤沢
薬品工業株式会社、マルホ株式会社、三菱ウェルファーマ株式会社、明治乳業株式会社、山之内
製薬株式会社、ヤンセンファーマ株式会社(五十音順)
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【資料】
バイオ医薬品に関する調査票
1 に記載した品目の新有効成分含有医薬品
新有効成分含有医薬品としての初回申請に関する情報につきまして、
新有効成分含有医薬品
2 から 8 の項目の空欄箇所にご記入、あるいは該当する□にチェックをお願い致します。
1. 販売名(会社名):
2. 薬効分類番号(3ケタ)
:
3. 開発経験の有無:□にチェック(
あるいは■)をお願い致します。
あるいは■)をお願い致します。
1 で記載した品目の開発以前に、本品目と同じ、又は関連した薬効領域での開発経験の有無
□開発経験なし
□開発経験あり
4. 起源:□にチェック(
あるいは■)をお願い致します。
あるいは■)をお願い致します。
□自社オリジン
□他社オリジン(導入・獲得先企業名:
5. 優先審査等の有無:□にチェック(
)
あるいは■)をお願い致し
あるいは■)をお願い致します。
)をお願い致します。
□優先審査なし
□優先審査あり→□オーファンドラッグ指定
□オーファンドラッグ指定以外の優先審査
6. ブリッジング試験の有無:□にチェックをお願い致します。
「ブリッジング試験あり」に該当するのは、ブリッジング試験が実際に成立し、日本での臨
床試験の一部がスキップできた場合のみ。最終的にブリッジング不成立の場合は「ブリッジ
ング試験なし」にチェックをお願い致します。
□ブリッジング試験なし
□ブリッジング試験あり
7. 日本、アメリカ、ヨーロッパにおける開発の履歴
ヨーロッパ
アメリカ
(自社開発の場合のみ。
(自社開発の場合のみ) 複数あれば最も承認が
早かった国の情報)
日本
前臨床試験の開始時期
(目安として、開発番号の決定時期)
年
月
年
月
年
月
フェーズⅠの開始時期
年
月
年
月
年
月
年
月
年
月
年
月
年
月
年
月
年
月
申請年月
年
月
年
月
年
月
承認年月
年
月
年
月
年
月
フェーズⅡの開始時期
(PⅠ/Ⅱの場合、PⅠと同年月)
フェーズⅢの開始時期
(PⅡ/Ⅲの場合、PⅡと同年月)
8. 特殊事情:期間遅延に影響があった特殊事情(症例数未達成による治験期間の延長等、
自社自らの理由による期間遅延を除く)等がございましたら、下欄にご記入ください。
(例:治験相談が集中していたために実施できず、約半年間 PⅢ実施が遅れた、あるいは申請
時に追加臨床試験実施の指摘を受け、約 1 年間審査が中断していた等)
・対象時期:□前臨床、□PⅠ、□PⅡ(PⅠ/Ⅱ含む)
、□PⅢ(PⅡ/Ⅲ含む)
、□申請時
・遅延期間:□半年未満、□半年∼1 年未満、□1∼2 年未満、□2∼3 年未満、□3 年以上
・理由概略:
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日本製薬工業協会
医薬産業政策研究所
政策研レポートNo.5
2003年7月発行
〒103-0023
東京都中央区日本橋本町3−4−1
トリイ日本橋ビル5階
TEL 03−5200−2681
FAX 03−5200−2684
無断転載引用を禁ずる
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