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世界エイズ研究予防財団 日本事務所 通信 World Foundation Aids

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世界エイズ研究予防財団 日本事務所 通信 World Foundation Aids
World Foundation Aids Research and Prevention
世界エイズ研究予防財団 日本事務所 通信
World Foundation Aids Research and Prevention
Messages from WFARP
世界エイズ研究予防財団理事長 リュック・モンタニエ博士
世界エイズ研究予防財団は、ユネスコの協賛によ
り設立され、発展途上国のエイズ患者への支援を
中心に活動しています。私どもの日本事務所は予
防教育に大変力を注いでおり、この活動が広がっ
ていくことを心より希望しています。
Prof. Luc MONTAGNIER
HIV(エイズウイルス)発見者
フランス医学アカデミー会員
フランス化学研究センター研究部長
ルイ・パスツール研究所教授(∼1997)
ニューヨーク大学クイーンズカレッジ
分子生物学センター教授兼部長(∼2001)
世界エイズ研究予防財団理事長(1993∼)
- 受賞暦‐
CNRS銀メダル
ガン医学ローゼン賞
レジオン・ドヌール・ナショナル勲章
2008年 ノーベル医学生理学賞
1932年8月18日生まれ。パスツール研究所の共同研究者を率い、1983年、
世界に先駆けて後天性免疫不全症候群(エイズ)の病原体であるヒト免疫
不全ウイルス(HIV)を発見し、HIV研究の糸口を開きました。
1986年、モンタニエ博士のグループは、第2のエイズウイルス HIV Ⅱ を
新たに発見。1991年には、彼の研究チームによってHIV感染者の体内で
Tリンパ球が消失するメカニズムがアポトーシス(プログラムされた細胞死)
であることが突き止められました。
パリユネスコ本部
エイズの爆発的な増加を危惧したモンタニエ博士は、1993年、当時ユネスコの総裁であったフェデリコ・マヨール氏
と共に、パリのユネスコ本部に世界エイズ研究予防財団を設立しました。そしてエイズの被害の最も大きい地域で
あるアフリカに予防や治療の新たな発展の成果を導入するためコートジボアールの首都アビジャンにエイズ研究
センターを開設しました。多くの診療所や病院が近年の状況に苦しむ中、センターにはますます多くの患者さんが
つめかけています。また、カメルーン共和国のヤウンデに、財団による二番目のエイズ研究センターが平成18年
2月23日新設されました。現在、モンタニエ博士は、高価でずっと服用が必要である現在のエイズ治療法に代わる
免疫を高める食品と治療用ワクチンの開発に取り組んでおり、臨床試験に向けて日夜研究を続けています。
News Topics
World Foundation Aids Research and Prevention
モンタニエ博士2008年ノーベル医学生理学賞受賞!
日本事務所設立10年目の節目に、私たち
の財団の理事長である リュック・モンタニエ
博士がノーベル医学生理学賞を受賞!と
の非常に嬉しいニュースが飛び込んできま
した。このニュースは、翌日の読売新聞、朝
日新聞、岐阜新聞、中日新聞でも大きく取
り上げられました。
左からモンタニエ博士、バレシヌシ博士、ハウゼン博士
今年のノーベル医学生理学賞は、エイズを引き起こす
HIVを発見したリュック・モンタニエ博士とフランソワー
ズ・バレシヌシ博士、そして子宮頸がんを引き起こすパ
ピローマウイルスを発見したドイツのハラルド・ツア・ハ
ウゼン博士の3名に贈られました。これらのウイルスの
発見により、病気の感染の仕組みや診断法、治療法
の開発、病気の予防につながったことが高く評価され
ました。エイズの最初の患者が発見されたのが1981
年、そしてその原因がHIVであることが付き止められ
たのが1983年。HIV感染者の生存率は著しく上昇し、
私たちが今、この病気の予防法を知ることができるの
もモンタニエ博士らのおかげと言えるでしょう。
受賞講演を行うモンタニエ博士
これを機会に、モンタニエ博士の希望である
予防教育活動を地道に続けることの重要性を
スタッフ一同改めて感じています。12月10日
に行われたノーベル賞授賞式には、ノーベル
財団から招待を受け、日本事務所代表の林も
出席し、喜びを分かち合いました。
授賞決定直後ユネスコのWFARオフィスにて
Messages from WFARP
World Foundation Aids Research and Prevention
日本事務所代表 林 幸泰
厚生労働省の発表によりますと、2007年度の
新規HIV感染報告では、20∼30代の若い感
染者が755人と全体の約7割を占め、10代の
感染者も14人報告されており、女性の場合は
特に若年層の割合が高くなっています。また、
約10年間 HIV感染を知らず、病気が発症し
病院で初めてエイズだとわかるケースが全体
の約3割を占めています。日本は今もってHIV
感染者・エイズ患者が毎年増加している国なの
です。また、この年、世界で新たにHIVに感染し
た人たちの40%以上が15歳から24歳の若者
でした。
HIVから身を守る最大のワクチン、それが予防
教育です。一人でも多くの子供たちを守れたら
と、私は思っております。
世界エイズ研究予防財団 日本事務所
代表 林 幸泰
世界エイズ研究予防財団 日本事務所は、山と緑に囲まれた自然の豊かな岐阜県揖斐郡大野町に1998年
に設立されました。財団では「エイズの最良のワクチンは教育である」 という考えに基づき、地元大野町を
中心に、小中学校やPTA等のご理解のもと、対話を通じた草の根エイズ予防活動に努めております。
又、地方レベルでのエイズ予防教育に加え、
チャリティーコンサートの開催といった音楽と
エイズ予防教育を組み合わせた独自の活動も
展開しています。
スタッフ一同、ひとりでも多くの人が正しい知識
を持ち、エイズにかからないよう、エイズ予防活
動に努めて参りますので、今後とも暖かいご支
援の程宜しくお願い申し上げます。
世界エイズ研究予防財団 日本事務所
News Topics
World Foundation Aids Research and Prevention
レッドリボン贈呈式:バラで広がるエイズ予防の輪!!
財団では、エイズに苦しむ人々への理解と支援
のシンボルである“レッドリボン”と同じ名前のバラ
を大切に育てています。その花びらは真紅のベ
ルベットのような肌触りで、そこからレッドリボンと
呼ばれるようになったそうです。最初は小さな
弱々しい苗木だったのが、毎年たくさんの花を咲
かせるまでに成長しました。
そして今年ようやくその接木が成功し、5月上旬
エイズ予防教育の広がりを期待し鉢植えを手渡す林代表
かわいらしい花を咲かせ始め、この苗木を大野町
内の全小中学校に贈呈することになりました。
大野中学校、揖東中学校、大野小学校、大野北
小学校、大野西小学校、大野東小学校、大野南
小学校の校長先生と各校の生徒代表が贈呈式
に参加しました。林代表は児童生徒のひとりひと
りに鉢植えの苗木を手渡し、代表で大野中学校
の生徒がお礼の言葉を述べました。バラの苗日
本一の大野町で、レッドリボンが育ち多くの子供
たちの目に触れる機会を得て、大きな輪が広がっ
ていくことを期待して
います。
大野中代表の生徒さんと
贈られたレッドリボンの苗木たち
贈呈式の前に参加者の皆さんと
新聞社の取材を受ける林代表
World Foundation Aids Research and Prevention
Current Situation of HIV/AIDS
世界のHIV/AIDS流行状況
(2007年末現在 UNAIDS/WHO発表)
西ヨーロッパおよび
中央ヨーロッパ
東ヨーロッパおよび
中央アジア
76万人
160万人
北アメリカ
東アジアおよび
太平洋地域
中近東および北アフリカ
130万人
80万人
38万人
南アジアおよび東南アジア
西インド諸島
23万人
400万人
ラテンアメリカ
サハラ以南アフリカ
2,250万人
160万人
オセアニア
7.5万人
*上記の数字は、入手可能な最良のデータを基にして算出された推計値です。
2007年末の世界のHIV感染者およびエイズ患者は推定3320万人と、2006年の推定値3950万人
から大きな変化が見られました。これは、それぞれの国がより広い範囲でデータを集められたこと
と、これらのデータに適用するHIVの流行の推計方法が進歩したことによります。大きな理由とし
ては、インドのHIVの流行分析を集中して行ったことが挙げられ、このためにインドのHIV感染者
数の推計は大きく下方修正されたことが挙げられます。インド以外に推定値に大きな変化があっ
たのは、サハラ以南アフリカです。しかし、HIVの流行が深刻であることや、それが及ぼす影響は
ほとんど変わりません。HIV関連疾患による死亡者数も以前の調査結果とは大きく異なっていま
すが(2006年推定値:290万人、2007年推定値:210万人)、この違いも推定値算出の手法改良
によることころが大きくHIVの流行全体の変化ではありません。
(2007 AIDS EPIDEMIC UPDATE参照)
World Foundation Aids Research and Prevention
Current Situation of HIV/AIDS
日本のHIV感染者・エイズ患者報告数累計推移
2007年末現在
HIV感染者
数
9392人
エイズ患者
数
4034人
平成19年1年間の新規HIV感染者報告数は初めて1,000件を超え1,082件、(平成18
年952件)新規エイズ患者報告数は418件(平成18年406件)でした。
その合計は、1,500件(1日あたり約4.1人)で、昨年までと比較して過去最高値を 記録
しました。この数字は、世界の他の国と比べれば少ない数字かもしれませんが、 この数字
はあくまでも『報告数』であり、自分が感染していると気がついていない感染者を合わせると
5倍から10倍になるのではないかとの専門家の意見も聞かれます。
≪厚生労働省 エイズ動向委員会報告参照≫
World Foundation Aids Research and Prevention
Activity Reports
エイズ予防講演
世界エイズ研究予防財団日本事務所では、学校と提携しながら子供たちにとって必要なエイズ予防教育
とは何かをテーマに講演活動を行っております。そのためには、専門知識をただ知るよりも本当に必要な
情報をふれあいを通じて心で感じることが必要ではないかと、試行錯誤しながら取り組んでいます。今後
も、要請があればどこへでも講演活動に行きますので、活動に共感された方や興味を持たれた方は財団
事務所までご連絡ください。
小学生向け講演
財団のある岐阜県大野町のふたつの小学校で
は、熱心な養護教諭の先生の協力や町のバス
送迎のバックアップもあり、小学校6年生の児童
たちが毎年の行事の一環として財団を訪れてエ
イズについて楽しく勉強しています。これまでに
大野北小学校は6回、大野西小学校は2回の授
業を行いました。他の小学校の講演依頼も随時
受け付けています!
World Foundation Aids Research and Prevention
Activity Reports
中高生向け講演
2007年春から2008年末にかけて
山県高校、久瀬中学校、長森南中
学校、本巣松陽高校の生徒さんと
一緒にエイズについて勉強する機
会を持つことができました。どの年
齢の子供たちにもHIVから自分の
身を守るということについては話し
ていますが、特に中高生の皆さんに
は予防の大切さを訴えることが必要
です。講演をきっかけとして、エイズ
を身近な問題として捉えることがで
きるような対話を心がけています。
社会人向け講演
児童擁護施設の「樹心寮」より職員
向けのエイズ予防講話を依頼されま
した。児童擁護施設とは、家庭の事
情で親が養育できなかったり、親によ
る教育が子供にとってよくない場合に、
その子供を養育、自立支援をすると
ころです。岐阜放送のチャリティース
ペシャルを見た職員さんが世界エイ
ズ研究予防財団の日本事務所が樹
心寮と同じ大野町にあると知り、直接
訪ねてきてくれたのがきっかけで今
回の講演が実現しました。
Activity Reports
World Foundation Aids Research and Prevention
HIV検査体験レポート第2弾!
前回の活動報告では、保健所で行われている無料・
匿名のHIV検査(通常検査)についてレポートしました。
しかし通常検査では結果が出るまでに1∼2週間待た
なければならないこともあり、今回は検査を受けた当
※インターネットによるHIV検査の情報
●エイズ予防情報ネット
全国の自治体の相談・検査窓口一覧など
様々な情報が紹介されています。
http://api-net.jfap.or.jp
http://api-net.jfap.or.jp/i
(携帯電話から)
日に結果がわかる即日検査を体験取材してきました。
今回お邪魔したのは岐阜県健康科学センター内にある岐阜保健所
です。予約は電話で行いました。最近は検査を受けに行く人も増え
たためすぐに予約を取ることは難しいそうですが、たまたま希望する
曜日に空きがあり検査をしてもらえることになりました。
検査当日、検査・相談の流れについてパンフレットを使いながら説明
を受け、アンケート票の記入をしました(無記名です)。検査について
の説明、受検の意思の確認が行われた後、約5ccの採血をします。
結果が出たのは約40分後でした(その日込み具合によっても異待
ち時間はなるそうです)。結果が陰性であればHIVに感染していない
とのこと。まずは一安心ですね。結果が陽性であれば、確認検査を
受けましょう。100人にひとりくらい感染していなくても陽性の結果が
出る(偽陽性)場合があるそうで、更に精密な検査が必要だそうです。
岐阜保健所は、きれいな建物で保健婦さんも優しく明るい雰囲気で
した。パンフレットもたくさん置いてあります。現在、即日検査は月に
2回、エイズに関する相談は随時行っているそうです。
World Foundation Aids Research and Prevention
Activity Reports
岐阜放送チャリティースペシャル2008
2008年3月20日(木)、午後1時から3時、岐阜
放送の『チャリティースペシャル2008』で、財団
の活動が紹介されました。チャリティースペシャ
ルでの紹介は今年で4年目となりました。当日
財団代表林と、エイズ予防財団の日本エイズス
トップ基金運営部長の永井頼政さん、大野町立
大野西小学校の長谷川妙子校長、同じく西小
学校の養護教諭である小森あけみ先生、ピア
ニストの大田佳弘さんの5名が、新しいスタジオ
での生放送番組に参加しけました。
コーナーの前半では、財団の活動がVTRで紹介され、引き続いて林代表がインタビューを受け、エイズと
いう病気の現況を説明し、その後、エイズ予防財団の永井さんが、HIV検査についての説明してくれまし
た。 今回はテーマとして「小学校からのエイズ教育」が掲げられ、世界エイズ研究予防財団で行っている
小学校との連携による予防教育の様子や子供たちが小学校6年生という年齢でもきちんとこの病気を理
解し、自分で自分を守る気持ちを持ち始めているということが、西小学校の先生方へのインタビューを交
えて紹介されました。長谷川校長が、この活動が他の小学校へも広がっていくことを希望していると意見
を述べ、 最後に、4年前のチャリティースペシャルでも財団のホールから生演奏を披露してくれた大田さ
んが、今年はスタジオでドビュッシーの「喜びの島」を演奏してくれました。
World Foundation Aids Research and Prevention
AIDS Prevention Basic Information
エイズはHIVに感染することによって起こりますが
HIV感染=エイズではありません
ヒューマン
イミュノデフィシェンシー
ヴァイルス
Human(ヒト) Immunodeficiency(免疫不全) Virus(ウイルス)
ウイルスの名前です。免疫のしくみの中心となる
CD4陽性細胞や白血球に感染し、からだを病気
などから守っている免疫を徐々に破壊します。
HIV感染者
= HIVに感染しても、エイズを発症していない人
無症候期
約
年
(人により期間は異なります)
アクワイアド
イミュノ
・HIV感染してもすぐには症状は出ません。
・自覚症状がなく他人へ感染させることもあります。
・他の病気に比べて発症まで時間がかかるのが特徴。
デフィシェンシー
シンドローム
Acquired (後天性) Immuno (免疫) Deficiency (不全) Syndrome(症候群)
『生まれたあとにかかる(後天性)
免疫の働きが低下すること(免疫不全)により
生じるいろいろな症状の集まり(症候群)』
という意味、つまり病気の総称(名前)です。
エイズ患者
= エイズという病気を発症した人
World Foundation Aids Research and Prevention
AIDS Prevention Basic Information
HIVの3つの感染経路
HIVは
★ 感染力の弱いウイルスです。
★ 軽い接触による感染・空気感染の心配は
ありません。 下記の「3つの感染経路」を
断てば確実に予 防できます!
★ しかし、感染の危険性は誰にでも あり、
自分の性行動について賢い選択(相手に
不安を感じたら断る、感情に流されない、無防備な性行動はしない等)が重要です。
① 性行為による感染
相手がウイルスをもっていると粘膜や傷口
から感染します
② 血液による感染
注射器の共有(注射の回し打ちなど)
③ 母子感染
妊娠中母体内で、または出産、授乳時に
World Foundation Aids Research and Prevention
AIDS /HIV Q&A
HIVの治療について
Q
HIV感染症やエイズの治療に健康保険は使えるのですか? 治療費はいくら位
かかりますか?何か助成等は受けられないのですか?
A
HIV感染症の治療には健康保険を使うことができます。また、身体障害者手帳
の交付を受ければ、医療費の助成を受けることができます。
高額療養費制度・所得保障制度
治療費はその人の身体の状態や治療方針などによって
異なりますので、一概に数字を示すことは難しいですが、
現在標準的な治療である抗HIV薬の多剤併用療法では、
全額自己負担として、毎月15万∼20万円程度かかると
言われています。健康保険を使うと、国民健康保険も
健康保険も、共に原則3割の自己負担となりますので、
抗HIV薬だけで 毎月数万円の費用がかかる計算となり
ます。実際は、これに再診料や定期的な血液検査などの
諸検査料などが加わります。もし、ほかに何か予防しなければならない日和見感染症等が
あったり、治療を必要とする病気があれば、さらに費用はかかります。ただ、一般の病気と同
様、例えば高額療養費制度などの医療費助成制度や、傷病手当金や生活保護などの所得
保障制度などを利用することが可能です。
身体障害者手帳の交付
HIV感染症は免疫機能障害として、身体障害者手帳の申請も可能です。身体障害者手帳の
交付を受けると、心身障害者医療費助成や更生医療(原則1割負担)などの医療費の助成を
受けたり、その他各種手当の給付や税金の軽減、公共料金の割引、運賃等の割引などの
サービスを受けることができます。しかし、身体障害者手帳の等級や所得の制限を設けてい
るものもあり、市町村によっても受けられるサービスに違いがあります。
( エイズ予防財団HP参照 http://api-net.jfap.or.jp )
AIDS /HIV Q&A
World Foundation Aids Research and Prevention
エイズの症状について
Q
A
HIVに感染したらどのような症状がでますか?
ほとんどの場合、感染初期には目立った症状はありません。
しかし数週間以内に、熱、発疹、リンパ節の腫れ、
疲労感などさまざまな症状が起こり、数週間続きます。
その後、これらの症状は消えますが、リンパ節だけは腫れが
続きます。感染した場合、症状がなくても、感染力は早い時期から
あります。HIVに感染してからエイズを発症するまでには何年も
かかり、10年以上たってから発症する人もいます。エイズを発症
するまでは、まったく元気な人もいれば、リンパ節の腫れ、体重減少、疲労感、繰り返し起こる発
熱、下痢、貧血、口の真菌感染症(鵞口瘡[がこうそう])など、種々の非特異的な症状が出
る人もいます。
エイズの主な症状は、HIVの感染によって起きる特定の
日和見感染症や癌による症状です。HIVは脳に直接感染
することもあり、記憶障害、脱力感、歩行困難、思考や集中
が困難になる認知症が起こります。一部の人は、明らかな
HIVに感染したT細胞
原因がなくても、エイズ羸痩(るいそう)といって体重が著しく減少することがあり、おそらくHIVが
関与しているものと思われます。エイズの人における羸痩は、連続して感染症にかかったり、
結核のような持続的な感染症を放置したりしていたときにも起こります。腎不全もHIVが直
接原因となって起こりますが、白人より黒人に多い傾向があります。カポジ肉腫は皮膚に
痛みのない赤紫色の隆起した斑点ができる癌で、多くのエイズ患者、特に男性同性愛者に
多くみられます。免疫系の癌(リンパ腫、特に非ホジキンリンパ腫)も発症しますが、初めに
脳に出現すると、錯乱、人格の変化、記憶障害が現れます。女性は子宮頸癌(しきゅうけい
がん)、男性同性愛者は直腸癌にかかりやすくなります。エイズによる死亡は通常、羸痩、
認知症、日和見感染症、癌などの症状が重なったことが原因となって起こります。
( メルクマニュアル家庭版参照 http://mmh.banyu.co.jp )
財団では、エイズ予防の輪がつながっていくようにとの願いを込めて、レッドリボンという名前のバラを
大切に育てています。その花びらは真紅のベルベットのような肌触りで、そこからレッドリボンと名付け
られたそうです。今年ようやく接木が成功し、最初のバラの子供たちも元気に花を咲かせました。
スタッフ一同このレッドリボンとともに、エイズ予防の輪が広がっていくことを期待しています。
* * * 寄付金はこちらまで * * *
口座名義:ユネスコ協賛 (財)世界エイズ研究予防財団 日本事務所
銀 行 名:大垣共立銀行 本店
口座番号:普通 715083
レッドリボン(赤いリボン) は、
ご存知ですか?
レッドリボン
の意味
もともとヨーロッパに古くから伝承
される風習のひとつで、病気や
事故で人生を全うできなかった
人々への追悼の気持ちを表すもので
した。この レッドリボン がエイズのために
使われ始めたのは、アメリカでエイズが社会的な
問題となってきた1980年代の終わり頃でした。
このころ、演劇や音楽などで活動するニューヨーク
のアーティスト達にもエイズが広がり、エイズに倒
れて死んでいく人達が増えていきました。そうした
仲間達にたいする追悼の気持ちとエイズに苦しむ
人々への理解と支援の意思を示すために 赤いリ
ボン をシンボルにした運動が始まりました。この
運動は、その考えに共感した人々によって国境を
越えた世界的な運動として発展しています。
レッドリボンバッジ・オリジナル絵葉書セット (各千円)
今年も皆様から暖かいご協力をいただきありがと
うございました。チャリティーグッズの販売の収益
金および皆様の寄付金は、アフリカ、コートジボ
ワールにあります当財団のアビジャンエイズ研究
センター (1996年4月、コートジボアール政府とユ
ネスコの協力を得て設立)へ治療・研究費として
送金や配布用の小冊子購入に使わせていただ
いております。
世界エイズ研究予防財団 日本事務所
〒501-0501岐阜県揖斐郡大野町稲富1956 Tel: 0585-34-3850 Fax: 0585-34-3858
E-mail: [email protected] Website :http://www.ori-japan.com 内
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