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13価肺炎球菌ワクチン(プレベナー13) - So-net

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13価肺炎球菌ワクチン(プレベナー13) - So-net
★ プレベナー(肺炎球菌結合型ワクチン)予防接種について
肺炎球菌は、子どもの細菌性髄膜炎、菌血症、肺炎、中耳炎などの主要な原因菌の一つです。WHO によると、世界では肺炎球
菌感染症により毎年約 100 万人の乳幼児が死亡しています。2007 年には WHO は、すべての国において小児用肺炎球菌結合型
ワクチンを定期接種に優先的に導入するよう推奨しています。日本国内においても肺炎球菌は、インフルエンザ菌(おもに b 型)と
ならび小児期の重症感染症の主要な原因菌であり、抗菌薬に対する耐性をもつ耐性菌が増加していることから、ワクチンによる
予防がきわめて重要視されています。日本は小児用肺炎球菌結合型ワクチンを承認した 98 番目の国であり、世界ではすでに 40
の国や地域で定期接種されています。プレベナーは海外ではすでに 10 年に及ぶ臨床経験を有し、3 億万本が投与され、多くの
国々で標準的に接種されています。
なお、従来からのニューモバックス(23 価肺炎球菌多糖体ワクチン)は 23 個の血清型の莢膜(肺炎球菌を覆う糖の膜)多糖体を
含むワクチンで、おもに高齢者を対象とした接種が推奨されています。プレベナーとは免疫の付き方が違うので子供には適して
いません。
プレベナーは、肺炎球菌の 13 種類の血清型を含む乳幼児用の肺炎球菌ワクチンです。不活化ワクチンですから、体内で増えた
りはしません。肺炎球菌による細菌性髄膜炎、菌血症、血液培養陽性の肺炎などを予防します。日本ではプレベナーに含まれる
13 種類の血清型で侵襲性肺炎球菌感染症の 70~80%を、急性中耳炎の約 60%をカバーしています。細菌性髄膜炎は、小児用
肺炎球菌結合型ワクチンと、ヒブワクチンを接種することで、約 80%を防ぐことができます。
標準として、初回免疫を 2 カ月齢以上 7 カ月齢未満で開始し、27 日間以上の間隔で 3 回接種します。
追加免疫は通常、12~15 カ月齢の間に 1 回接種します。合計 4 回の接種です。
この時期に接種を開始できなかった接種もれ者には、次のようなスケジュールで通常接種します。
7 ヵ月齢以上 12 ヵ月齢未満の場合:初回免疫を 2 回、27 日以上の間隔で接種したのち、
60 日間以上あけて追加接種を 12 ヵ月齢後に 1 回接種します。
12 ヵ月齢以上 24 ヶ月齢未満:60 日間以上の間隔で 2 回接種
24 ヶ月齢以上 9 歳以下:1 回接種
主な副反応
接種後 2-3 日程度の間、接種部位の腫れ・痛み・しこりなどがあります。また、熱も数%にあります。
プレベナーは製造工程で健康なウシの乳および胆汁に由来する成分を使用していますが、現在までに BSE・TSE・狂牛病などに
関わる病気の発生は報告されていません。
【侵襲性肺炎球菌感染症とは】
細菌性髄膜炎、菌血症、血液培養陽性の肺炎など、通常無菌的な部位に肺炎球菌が感染した重症感染症を侵襲性肺炎球菌感
染症と総称します*4 。乳幼児と高齢者で発症頻度が高く、特に 2 歳未満でリスクが高いといわれています*5 。
【細菌性髄膜炎について】
日本において毎年約 1,000 人の子どもが細菌性髄膜炎に罹患しています。主な原因としてインフルエンザ菌 b 型(ヒブ)が約 60%、
肺炎球菌が約 20%を占めます。細菌性髄膜炎は早期の診断が困難な病気で、肺炎球菌による細菌性髄膜炎に罹患すると約
7%が死亡、約 40%に後遺症が残るという報告があります。細菌性髄膜炎は、小児用肺炎球菌結合型ワクチンと、ヒブワクチンを
接種することで、その多くを防ぐことができます。
【菌血症について】
菌血症とは、通常細菌が検出されない血液中に細菌が入りこんだ状態で、細菌性髄膜炎や敗血症など重症な細菌感染症の前
段階となることがあります。細菌性髄膜炎と同様に肺炎球菌とヒブがその原因の多くを占め、70%が肺炎球菌が原因で発症しま
す。
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