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法人だより 平成27年 賀詞交歓会 平成27年1月5日(月) 、 有山登記念館講堂において賀詞交歓会が開催されました。 理事、評議員、教授の方々をはじめ、大学教職員、同窓生、学内外の関係者 約 450 名が出席する中、小川秀興理事長による年頭所感が述べられ、新たな年の スタートが切られました。また、 小川理事長のご挨拶の後には、 センチュリータワー 19 階会場において懇親会が行われ、和やかな歓談の場が設けられました。 本号では、小川理事長の年頭のご挨拶の詳細についてお知らせします。 年 頭 所 感 理事長 小川 秀興 平成 27 年 1 月 5 日 有山登記念館講堂 皆様、明けましておめでとうございます。平成 27 年賀詞交歓会に先立ちまして、年頭の ご挨拶を申し上げます。学校法人順天堂の伝統として、理事長が過去と現況を総括し、新年に 向けての目標や展望、理念をお話するのが本会の主旨であります。 1.天皇・皇后両陛下の御親臨 日本医学教育歴史館開館披露及び順天堂創立 175 周年記念式典 平成 26 年 4 月 10 日(木)、順天堂大学有山登記念館講堂に於いて「日本医学教育歴史館 開館披露及び順天堂創立 175 周年記念式典」を執り行いました。 式典には、この日ご成婚 55 周年をお迎えになられた天皇・皇后両陛下のご親臨を仰ぎ、 日本医学教育歴史館では西洋医学教育の歴史を伝える展示をご覧戴きました。また、当日は Ju n te n d o 1 No.2 7 9 法人だより ご来賓として森喜朗元内閣総理大臣・東京オリンピック・パラリンピック競技大会組織委員会 会長、髙久史麿日本医学会会長・医学教育振興財団前理事長、河野洋平元衆議院議長・日本陸上 競技連盟名誉会長、野依良治理化学研究所理事長・ノーベル化学賞受賞者、横倉義武日本医師会 会長など各界を代表する方々にお越し戴き、ご招待者、教職員関係者等多数の方々にも 「順天堂創立 175 周年記念式典」にご出席戴きました。 また、175 周年の記念としてアルバム『写真で見る順天堂史』も編纂致しました。 日本医学教育歴史館開館披露及び順天堂創立 175 周年記念式典の様子 2.キャンパス・ホスピタル再編事業 進行中 ○本郷・お茶の水キャンパス キャンパス・ホスピタル再編事業は現在進行中です。本郷地区においては平成 21(2009)年に 取得したノーマン・フォスター卿設計のセンチュリータワーを『新大学本部・教育棟』として 位置づけ、これから再編を予定している 7・8・9 号館の敷地に新たに建設する建物と 10 号館を 『新研究棟群』、現在再編中の 2・3・4・5・6 号館と 1 号館を『新病院棟群』として整備を 進めていきます。開学以来日本の医療をリードしてきた順天堂が次世代に誇れる近未来的な キャンパスとして大変革します。再編事業は着々と進んでおりますが先人達の思いや歴史を大 切にし、C 棟は 「旧佐藤達次郎記念館」、新研究棟群内の講堂は 「旧有山登記念館講堂」 と いうようにモニュメント的な形や名称を何らかの姿で後世に残す計画です。 新教育・研究棟 計画案 横断歩道 完成予想図 Ju n te n d o 2 No.2 7 9 法人だより また、新教育・研究棟の低層部分には、明治時代に 「シンガポール以東で最もモダンな 病院」 と言われた順天堂医院の当時の姿を再現したいと考えています。工事中も休みなく本郷の 病院群を稼働させることにより、財政面での健全運営と再編事業の実現を両立させ、本郷キャン パスは本郷・お茶の水キャンパスと名称を変えて拡大を続けています。現在の敷地面積は 昭和 62 年当時と比較すると実に 1 .8 倍となっており、再編事業が完成する平成 28 年にはおよそ 2 倍にまで拡大します。これは有山登先生、懸田克躬先生、宮崎寛明先生、石井昌三先生など 歴代の理事長・学長そして名誉教授の先生、OB・OG などの諸氏にご苦労戴いたお陰とも 言えましょう。再編事業は本郷・お茶の水キャンパスだけに留まらず、全てのキャンパス・ 附属病院で計画していますが、本日は浦安病院、静岡病院、さくらキャンパスについて紹介します。 ○浦安病院 浦安病院は昭和 59(1984)年、東健彦理事長、宮崎寛明学長の時代に開院し、初代院長は 小酒井望先生です。開院時の病床数は 250 床でしたが、徐々に規模を大きくし、平成 14(2002) 年には文部科学省の「私立大学ハイテク・リサーチ・センター整備事業」として環境医学研究所の 設立が認可され、小職が初代センター長に就任しました。浦安には自然豊かな素晴らしい 干潟がありましたが、埋立てが進み、環境が激変しました。環境の変化が人間に与える影響、 性別や年齢が異なることによる病気の違い等を研究テーマとする、時流を先取りした研究所と なり病院も 153 床の増床が認められました。 こうした臨床と研究の成果が認められ、浦安 病 院 は 新 た に 3 号 館 を 建 設( 平 成 29 年 完 成 予定) 、更に 132 床を増床し、785 床の病院に なります。これは国立大学の附属病院などに 匹敵する病床数です。研修医や看護師用の寮 も 充実させ、延床面積は平成 9 年当時と比較して 約 2 倍となっており、平成 29 年には 2.4 倍になる 予定です。 新たに誕生する浦安病院の 3 号館 ○静岡病院 静岡病院は伊豆半島の喉首のところにある、僅か 10 数床で開業した伊豆長岡町立病院と して始まりました。順天堂から医師を派遣し地域医療を支えていましたが、昭和 42(1967)年に 順天堂大学医学部の附属病院となり、平成 17(2005)年に静岡病院と名称を変更しました。 献身的な地域医療への貢献が認められ、市や企業からの土地の提供等の協力があり、そして歴代 院長の菊池貞徳先生、廣瀬俊一先生、前田稔先生、そして現在の三橋直樹先生をはじめとする 関係者の大変なご苦労によって静岡病院は大きな飛躍を遂げました。平成 18 年にはドクター Ju n te n d o 3 No.2 7 9 法人だより ヘリ用の屋上ヘリポートが完成したこともあり、静岡病院は静岡県東部地区における地域医療の 発展に非常に大きな役割を担っています。 特筆すべき点は、OB の寺門敬夫先生(昭和 41 年卒)が地域医療のコアとなる働きをされつつ、 伊豆の国市と協議され、広大な隣接地の無償提供を受けたことです。 ○さくらキャンパス さくらキャンパスでは 2020 年の東京オリンピック・パラリンピックに向け選手育成のための 再整備を計画しており、既にバリアフリー化を進めていることはご存知だと思います。また、 地方自治体からの誘致も考慮しつつ、体操競技部のための体育館の建設や国際的に通用する グランドの整備を早急に進めております。そして将来の学生定員増を視野に入れて他地域での 用地の確保を含めて、キャンパス全体の拡充を図っていきます。大学や病院は地域の振興にも 寄与することから地方公共団体・自治体からの誘致なども考慮しつつ、キャンパス全体を国際 記録として認可される競技場、国際的な行事にも対応できるキャンパスへ拡充していきます。 3.医学部教員+臨床研修医+大学院生、看護師 etc. 組織や施設の発展・拡充は先に述べたとおりですが、そこに集う人も増えています。例えば 本学の臨床研修医は現在 217 名、大学院生(医学研究科博士課程)は 422 名です。この数は 私立医科大学では最大の人数です。本学の教育内容は学ぶ側の意見を取り入れ常に改善が 図られていること、学閥が無いという点も学内外から優秀な人材が多数集まる要因だと思います。 また、大学院には多様なニーズに対応できるコースや制度を設定しています。 附属病院で活躍する看護師の数も増加しています。求められる知識・技術が高度化しており、 専門看護師や認定看護師などの資格取得に対応した医療看護学研究科の学位修得者も増加傾向に あります。アスリートの世界でも実績のある人は技能・技術・知識に見合った学位を取得し、 スポーツ界を牽引し指導者や教育者になる方もいます。スポーツ健康科学研究科では、そうした ニーズに対応し優秀なアスリート出身の大学院生が増加することを期待しています。 Ju n te n d o 4 No.2 7 9 法人だより 4.研究・教育費 : 科研費、その他研究費の推移 平成 26 年度文部科学省科学研究費補助金の採択数は 421 件、配分額は 9 億 1,871 万円でした。 私立大学は 約 550 校ありますが、健康総合大学である順天堂大学は 5 位に位置しております。 日本は教育立国を目指すと言われていますが、学問・教育にも経済力が不可欠です。様々な 助成金や補助金がありますが、不本意ながら国立と私立の差は非常に大きいのが現実です。 本学の教育は全国の国公私立大学中、トップクラスの自己資金の調達力が支えています。 5.スポーツ健康科学部の活躍 近年のスポーツ健康科学部の存在感は大きいと思っています。 昨年 10 月に開催された第 45 回世界体操選手権大会(中国/南寧)において、本学から 加藤凌平(3 年)、野々村笙吾(3 年)、OB の田中佑典(平成 24 年卒)の 3 選手が男子団体 総合に出場し、日本チームがみごと銀メダルを獲得しました。また、男子種目別平行棒では、 加藤選手が銅メダルを獲得しました。 同 じ く 10 月 に 開 催 さ れ た イ ン チ ョ ン 2014 ア ジ ア パ ラ 競 技 大 会( 韓 国 / 仁 川 ) で は、 本学職員の宇城元選手(さくらキャンパス事務部会計課)がパワーリフティング競技の 日本代表として出場し、80kg 級で 5 位入賞しました。バリアフリーに関しては日本は極めて 残念な状況ですが、宇城選手のような障害があっても能力のある人たちを職員として受け入れ、 大いに活躍して戴きたいと思います。 第 17 回アジア競技大会(韓国/仁川)には、山本凌雅選手が三段跳びで出場したほか、 髙瀬慧(平成 23 年卒)、髙平慎士(平成 19 年卒)、鈴木雄介(平成 22 年卒)、山﨑勇喜 (平成 18 年卒)、伏見大和(平成 26 年卒)、加瀬加奈子(平成 15 年卒)など本学の卒業生が 多数選手として出場しました。 箱根駅伝は惜しくもシード権を逃しましたが捲土重来、来年に期待したいと思います。 加藤凌平選手 野々村笙吾選手 Ju n te n d o 5 No.2 7 9 宇城 元選手 法人だより 6. 順天堂の格付け(国内評価) 順天堂の格付けや評価についてグラフや表を示しながら説明致します。 小職が医学部長に就任した平成 8 年頃には借入金は 約 450 億円にも上り、退職金積立金 200 億円も不足しておりました。この危機的状況を打開すべく、その年のうちに医学部長 諮問会議を、学長に就任した平成 12 年には全学的規模の「学長室 20 の特別プロジェクト 委員会(現:大学運営連絡協議会)」を発足しました。全学挙げての取り組みによって本学に おける学部・大学院・附属病院の連携が強固なものとなるとともに、帰属収支差額は増加し、 現在、借入金額は大幅に減少しました。現在行っているキャンパス・ホスピタル再編事業や、 MRI、放射線治療装置(リニアック)、内視鏡手術支援ロボットのダ・ヴィンチ等の最新医療 機器の導入もこうした収支改善の結果行えているのです。負債を増やすことなく総資産を 増やすことで順天堂は充実への途を辿っています。 Ju n te n d o 6 No.2 7 9 法人だより 次の表は、国からの私学助成金で設立した研究施設の一覧です。リーダーは、自ら範を示す 必要があります。小職が専門とする分野で設立したアトピー疾患研究センターから始まり、 浦安病院の環境医学研究所、さくらキャンパスのスポーツ健康医科学研究所、スポートロジー センター、ゲノム再生医療センター、女性スポーツ研究センターなどが次々と設立され、 これらセンターが順天堂の研究の中核を担っています。 本学では企業との共同研究を推奨しており、実に多くの研究者が挑戦して研究資金、 活動資金を獲得しています。医療関係の会社のみならず、ありとあらゆる企業と大学とが知識と 技能を出し合って、新しい技術や製品を開発し、成果を生み出しています。ここで生まれる 成果が社会貢献、国際交流に繋がり、順天堂の運営基盤や研究基盤のみならず、社会的基盤をも 更に堅固なものにします。 順天堂の医師国家試験の合格率は極めて高く、過去 5 年間、10 年間共にトップ 3 の中に 入っています。看護師国家試験では医療看護学部は受験者数 203 名で 98.5%、保健看護学 部は初の卒業生 114 名が 100%合格するという高い合格率でした。 Ju n te n d o 7 No.2 7 9 法人だより スポーツ健康科学部の教員採用試験合格者数と企業就職内定率も高い水準で推移しています。 特に教員採用試験では、法人として教職を目指す学生に対する支援を強化すべく専任職員を 増員しました。平成 25、26 年度は低調でしたが、平成 27 年度(点線棒グラフ)は現役 32 名、 既卒 97 名、合計 129名と多くの学生が教員採用試験に合格しています。今後も「教職の順天堂」の 名を更に高めてくれることを期待しています。ここ 5 年が勝負でしょう。 ㈱格付け投資情報センター(R&I)による評価では、景気低迷などにより日本国や大手 一部上場企業の格付けが格下げとなる中で、本法人の格付は「AA」を維持しています。 Ju n te n d o 8 No.2 7 9 法人だより 7.アジア 100 大学ランキング入り(国際評価) 英教育専門誌、Times Higher Education が、一昨年からアジア地域の大学上位 100 校の ランキングを発表しています。研究論文の引用頻度や外国人留学生の割合など 13 の要素が 評価基準となっており、下表のとおり平成 25(2013)年は、日本から 22 校がランクインし、 このうち私学は 3 校で本学は 3 位でしたが、平成 26(2014)年のランキングでは、日本は 20 校と減少する中、私学は前年同様 3 校がランクインし、本学が私学のトップとなっています。 平成 26(2014)年のランキング数で、日本は 20 校と最多でしたが、中国(18 校) 、韓国(14 校)が 猛追しています。昨年の発表では、インドからのランクインは1校でしたが、本年は 7 校で、たった 1 年でこのようにランキングの変動がありました。この事実から、本学は現状の評価に甘んじる ことなく不断前進していかねばなりません。 8.5番目の学部 国際教養学部 開学以来の伝統として持続し強化している国際性と、学是「仁」の精神に基づいた教育を さらに実践・発展させ、グローバル化時代の国際社会で活躍しうる幅広い教養を身につけた 人材の養成を目的として、第 5 番目の学部である「国際教養学部」を平成 27 年 4 月に本郷・ お茶の水キャンパスに開設します。 Ju n te n d o 9 No.2 7 9 法人だより 国際教養学部では鳥飼玖美子教授、ジョセフ・ショールズ教授を中心とした本学オリジナルの 英語教育を実践します。また、学びを深める『グローバル社会領域』 『異文化コミュニケーション 領域』『グローバルヘルスサービス領域』の 3 領域を整備しています。本学は、理科系、 文科系問わず人間として身につけていなければならない教養を教育する国際的な大学を 目指しています。 9.本郷本院、医学部の国際認証評価の取得と今後の方向性 順天堂医院では代田院長を中心に本年 6 月に JCI(Joint Commission International)の認証を、 医学部では新井医学部長を中心に世界医学教育連盟(WFME)の国際認証評価を受ける準備を 進めています。WFME の国際認証が得られると、本学医学部の卒業生は米国の ECFMG (米国以外の医学部卒業生が米国で医師として働くために必要なテスト)の受験資格を得られる ことになり、本学の医学教育が国際水準以上であることが証明されます。そしてこの日本型の 医学教育、病院の認証こそが国際的にスタンダードな基準とすべきであることを全世界に 発信していきたいと思います。 ◎国際認証を取得することで、 ①本学の卒業生が米国 ECFMG の受験資格を得られる ②本学の医学教育が国際水準以上であると認められる ③推奨されているアウトカム基盤型教育になり質が向上する *④これを契機に日本の、順天堂の、医学教育レベルを世界で冠たるものにする。 Ju n te n d o 10 No.2 7 9 法人だより 10. キャンパス・ホスピタル再編事業、next 本郷 本郷・お茶の水キャンパスに続き各地区の再編事業を進めていきます。さくらキャンパス、 静岡病院、浦安病院については先に述べたとおりですが、浦安キャンパスは、校舎その他を 増やし、数年後には大きくバージョンアップをします。また、三島キャンパスは、定員増を 目指します。越谷病院、順天堂東京江東高齢者医療センター、練馬病院そして浦安・静岡病院でも 増床が認められ着々と準備を進めています。越谷病院については移転も視野に入れ検討中です。 ■順天堂人としての文化・風土 例年申し上げていることですが、本年も諸氏は志を高くして 「順天堂人としての文化・風土」 を 守って戴きたいと思います。今後も伝統ある順天堂の更なる発展に向け、諸氏が着実に取り 組んで戴くことを祈念して、年頭の辞の結びと致します。 Ju n te n d o 11 No.2 7 9 法人だより 本郷・お茶の水キャンパス事務室 事務長事務取扱者 伊藤 嘉章 『国際教養学部』開設 について 順天堂は江戸後期より 176 年の永きに亘り大きな 時代の変化に逸早く対応し、幾多の試練を乗り越え、 日本の近代医学教育普及に尽力して参りました。 近年では“平成の大改革” 、約 10 年にわたる小川秀興 理事長による大学運営連絡協議会(旧学長室委員会) での“20 のプロジェクト”等の全学的な大改革活 動等により、奇跡的な財務改善と教育・研究・診 療体制の強化が着実に推進されたことにより、現在 ではかつてない規模である 4 学部、大学院 3 研究科、6 附属病院からなる国際的「健康総合大学 院大学」へと発展しております。本年、英教育専門誌 Times Higher Education が発表した アジア大学ランキングでは 63 位となり、日本の大学では北大 10 位、九大 11 位、順大 12 位となり、 私立大学では 1 位となりました。このランキングは、世界大学ランキングと同じ評価方法に基づき 「教育」 「国際性」 「産学連携収入」「研究」「論文引用」の 5 項目をそれぞれ評価し、その総合 点により算出されたポイントによりランキングされており、本学の教育研究における国際性の 高さを示しております。 しかし、現在の日本において、社会、経済、文化などの急激な変化は、あらゆる側面に おいて様々な形で影響を及ぼし、将来が予測困難な時代となっております。社会や産業界では 今後の変化に対応するための基礎力と将来に活路を見出す原動力として国際的に活躍できる 能力を持った人材の育成を大学に強く要望しております。このような時代を生き抜く為には、 自立した主体的思考力を伴う協調性、他者の痛みを理解する人間性が最も重要であります。 即ち、これは本学の学是「仁」そのものであり、本学の教育研究活動の基盤となっている 「仁の精神」に対する社会からのニーズの現れといえます。この様なことから、本学は、今般、 開学以来の伝統として持続し強化している国際性を主軸とした教育を更に推進するため、 第 5 番目の学部として『国際教養学部』を 平成 27 年4月、本郷・お茶の水キャンパスに 開設いたします。 【平成 26 年 12 月 18 日付 文部科学大臣認可】 本学の国際教養学部の特徴は、順天堂の 強みを最大限に活かした文理融合系リベラル アーツ教育として、本来、学際的である 国際教養に加え、健康科学等に係る知識の 修得を可能とし、文系のみならず理系の Ju n te n d o 12 No.2 7 9 法人だより 専門性を有する人材の養成を実践して行くところです。文系の学生が理系の知識を獲得し、 理系の学生が文系の素養を身につけるというシナジー効果により、今後ますますグローバル化 する多種多様な分野における人材需要に応えることができます。その実践方法としては、 1 ~ 2 年次にリベラルアーツ科目として外国語教育科目と国際教養科目を学び「考える枠組み」を 醸成し、3 ~ 4 年次では自らの興味や関心、キャリア設計に基づき、①グローバル社会領域、 ②異文化コミュニケーション領域、③グローバルヘルスサービス領域の 3 領域からなる 専門科目を学ぶカリキュラム体系を構築しています。その他、外国語科目における少人数教育、 教員と学生の距離を近づける担任制度、言語学習センターの新設による学生の自発的学習の 促進を図る環境整備、通常の授業に加え更なる語学力の向上を目指す“順天堂国際語学塾”の 導入など、本学が開学以来培ってきた独自の教育方法の英知を結集しております。 専門科目を履修した学生の進路としては、文系学生・理系学生ともに、グローバル企業、 国内の外資系などを含む民間企業、国際交流・援助機関(NPO・NGO を含む) 、中・高等学校教員、 大学等の高等教育・研究機関の職員、国内外の大学院への進学等を想定しており、皆様の期待に 十分応えられるものと確信しております。 入学試験日程等につきましては、既に順天堂ホームページ(http://www.juntendo.ac.jp) 等で公開しております。 Ju n te n d o 13 No.2 7 9 法人だより 国際教養学部では、一般入試、大学入試センター試験利用入試の他に、特別入試として 公募制推薦入試及び AO 入試を行います。ただし、開設年度(平成 27 年度)においては、 一般入試(前期・後期)及び特別入試[AO 入試(前期・後期)]を実施いたします。 全ての入学試験方式に併願が出来ますので是非、チャレンジしてください。 順天堂大学は、常に先取的に学生教育の改革を教職員、そして学生参加の下に進め、日本の 高等教育の指導的立場に恥じない改革を「不断前進」の理念の下に行っています。 本学に入学することで得られる計りきれない付加価値を実感され、自らの夢を本学での 学習と学生生活に重ね合わせつつ、 豊かな感性と教養を自ら進んでアクティブに学んでください。 伝統のある学問の街、本郷・お茶の水で充実した大学生活を過ごせるよう教職員一同、 最大限のバックアップをしていきたいと考えております。 Ju n te n d o 14 No.2 7 9 法人だより 平成 26 年度優良消防用設備等表彰 「消防庁長官賞」 受賞について 順天堂医院 事務部長 尾頭 敏夫 順天堂医院 B 棟高層棟は、平成 26 年 2 月より移転作業を行い、直後より使用を開始して おります。この B 棟高層棟について、平成 26 年度優良消防用設備等表彰として「消防庁長官賞」を 平成 26 年 11 月 4 日(火)に明治記念館で授与されました。 評価の対象となった設備は、B 棟の 10 階から 20 階に採用されている高層病棟避難安全 システムで、①病棟を 2 つのブロックに分割する水平防火区画、②患者を煙から守る加圧 防排煙設備、③火災を早期に検知し、自動で区画閉鎖や防排煙設備の起動を行う「火災フェイズ 管理型防災システム」で構成されます。 水平防火区画によって分割された各ブロックには非常用エレベーターを設置し、火災初期に おける避難誘導に使用します。これは東京消防庁が平成 25 年 10 月に制定した新指導基準 「高層建築物における歩行困難者等に係る避難安全対策」に基づくもので、 “非常用エレベーターの 消 防 活 動 以 外 の 使 用 ” は 順 天 堂 医 院 B 棟 高 層 棟 が 認 可 第 1 号 と な り ま し た。 こ れ ら の システムにより、防火設備の起動等が自動化されるため、病院スタッフは、いち早く入院患者を 一時避難エリア側へ水平避難させ、非常用エレベーターを介して地上階や緊急治療が可能な 階へ避難させることが可能となりました。 ①「火災フェイズ管理型防災システム」の創意工夫性、②全国で初めて病院に設置された点、 ③「高層病棟避難安全システム」を構成する消防用設備等と建築防災設備の総合的に連携した 避難安全システムの構築が、同様の規模・用途の防火対象物への模範性が高いこと、④消防 防災技術の高度化に資するものであること、が評価され、このたびの表彰となりました。 明治記念館での表彰式の様子 (仮称)C 棟の地鎮祭について 大学キャンパス・ホスピタル再編事業事務局 事務局長 小林 忠彦 平成 26 年 12 月 11 日(木)大安吉日の 12 時より、3 号館跡地に建設する(仮称)C 棟の 地鎮祭が執り行われました。湯島八幡宮宮司の取り仕切りにより、工事の安全と建物の 平穏無事を祈念いたしました。 本学からは、小川秀興理事長、木南英紀学長、新井一医学部長、代田浩之院長ほか関係者 23 名 が、 ま た、 基 本 設 計 を 担 当 し た 株 式 会 社 日 本 設 計 か ら は 千 鳥 義 典 社 長、 清 水 建 設 Ju n te n d o 15 No.2 7 9 法人だより 株式会社からは宮本洋一社長ほか多数の関係者が参列しました。 しゅばつ うがちぞめ の ぎ ゆ くわ 神事は、修祓、祝詞奏上、地鎮之儀と厳かに進められ、穿 初 之儀では小川理事長が斎鍬にて 盛土に鍬入れを行いました。その後玉串を奉納し、工事の安全と建物の無事を祈りました。 ( 仮 称 )C 棟 は 地 下 2 階、 地 上 8 階、 最高高さ42 mの建物で、放射線治療部門、 中央採血・採尿室、手術部門、検体検 査 室 な ど が 配 置 さ れ ま す。1 号 館 と は 各フロアで連結され、1 号館の既存機能と 相互に補完されることにより、病院の 更なる高機能化と魅力向上が図られます。 3 号館解体完了後、2015 年 1 月に着工 し、2016 年 5 月下旬に竣工する予定です。 鍬入れをされる小川秀興理事長 C 棟完成予想パース 箱根駅伝再建強化担当理事 宮野 武 第 91 回箱根駅伝を終えて 陸上競技部駅伝監督 仲村 明 陸上競技部部長 佐久間和彦 第 91 回箱根駅伝に際しまして、学校法人順天堂の小川秀興理事長をはじめ、法人理事の皆様、 順天堂大学関係者及び使途指定寄付金にご協賛いただいた皆様、ならびに J 友会の皆様には、 物心両面に渡り多大なるご支援を賜り、誠に有難うございました。2 年連続でシードを逃す 総合 12 位という結果に終わり、皆様のご期待に応えることができず、忸怩たるものがあります。 我が順天堂大学は、9 年前の 2007 年に完全優勝した後、2008 年途中棄権、2009 年予選会を 経て 19 位、2010、2011 年と予選会敗退で箱根路から消えました。これを受け、不肖、宮野が 再建強化担当理事を命じられて仲村明監督、黒田政夫ヘッドコーチ、長門俊介コーチとともに 再建強化に努めて参りました。 その翌年から 2012 年、2013 年は 7 位、6 位とシード権を得ましたが 2014 年には 4 年生メンバー 6 人の穴が埋まらず、山上り西郷の突然の故障離脱もあり 16 位に沈み、今年も選手の底上げ、 山上りの攻略がならず、2 年連続シード権を失う結果となりました。他の上位校の強力な 高速化に水をあけられた感があり、誠に遺憾であります。 これまでの 4 年間で一応箱根の常連校にまでレベルアップすることができたものの、これから シード権を維持し、上位校に進出するためには現場の監督、コーチを中心に選手諸君の格段の 努力が求められます。 以下に監督のコメントを記します。 各区選手への寸評 1 区 松村 優樹(4 年:駅伝主将)<区間 7 位> 体調を崩した花澤(1 年)の代わりに急遽、変更となった。しかし、昨年の経験を活かした 落ち着いた走りで流れを作った。 Ju n te n d o 16 No.2 7 9 法人だより 2 区 田中 孝貴(3 年)<区間 12 位> 他大学のエースが集う区間で自分の目標ペースを淡々と刻み、堅実に走った。順位こそ 落としたが、シード権争いを視野に入れたポジションで襷を繋いだ。 3 区 三宅 隆友(4 年)<区間 17 位> 他大学が流れを作るために準エース級を揃えた区間に急遽抜擢された。準備不足の中、 途中痙攣を起こしながらも最後までベストを尽くした。 4 区 稲田 翔威(3 年)<区間 6 位> 最初から積極的な走りで先行する帝京大、日体大を捉え、悪い流れを断ち切った。今回の 結果から来期はエース級に成長して欲しい。 5 区 松枝 博輝(3 年)<区間 16 位> 練習通りの力しか発揮することが出来なかった。+ αを出せなかったが、難所の 5 区を チームのために最後まで諦めずに走りきった。 6 区 森 湧暉(2 年)<区間 11 位> 夏から不調であったため、6 区起用に踏み切った。スタート後の上り坂で固くなり、タイムを 短縮できなかったが、下りから立て直すことができた。 7 区 西澤 卓弥(2 年)<区間 4 位> スタート直後から積極的な走りをした。後半は先行する大学を次々に捉え、復路の流れを作った 殊勲賞の走りであった。 8 区 栃木 渡(1 年)<区間 15 位> 途中まで区間上位順位で快調に走っていたが、他大学の選手と交錯し、転倒した。腹部を 強打し一時は立ち止まってしまったが、冷静に対応し無事に襷を繋いだ。 9 区 松村 和樹(4 年)<区間 8 位> 8 区のアクシデントに慌てることなく、冷静に走ってくれた。難しいポジションでの襷リレーで あったが、予想より 1 分以上早いタイムで走り切り、10 区に希望を繋いだ。 10 区 聞谷 賢人(2 年)<区間 9 位> 淡々と歩を進め自分の走りに徹し、昨年度より 12 秒早い記録で走ったが、最後は帝京大学に かわされ、総合順位を上げることができなかった。 このように出場した選手達は、持てる力を発揮したと思います。しかし、結果が全てです。 監督としての目標設定の甘さや他大学のレベルアップに対応していくだけの強化ができなかった という責任を深く感じております。 昨年度の課題であった山対策も選手の底上げも、ともに不充分な上、故障者、体調不良者を 出し、力不足の一言に尽きます。 今年は区切りの 5 年目です。使途指定寄付金のお蔭様で活発化出来たスカウト活動により、 今春から有力な新人の入学も予定されております。監督、コーチは、今年こそは箱根の山攻略と 選手の底上げを実現させ、進退を賭けて出来る限りの努力をして欲しいと強く念願しております。 変らぬご支援をお願い申し上げます。 Ju n te n d o 17 No.2 7 9 法人だより 平成 26 年度 4 キャンパス合同学生部委員会報告 本郷・お茶の水キャンパス 学生部長 長岡 功 平成 26 年 12 月 8 日(月)17 時から、本郷・ お茶の水キャンパスのセンチュリータワー地下 1 階ホールにおいて、平成 26 年度 4 キャンパス 合同学生部委員会が開催され、本郷・お茶の水 キャンパス、さくらキャンパス、浦安キャンパス、 三島キャンパスの 4 キャンパスから、医学部、 スポーツ健康科学部、医療看護学部、保健看 小川理事長のご挨拶 護学部の各学部長と学生部長、学生部委員が 出席しました。また、小川秀興理事長、木南英紀学長にもご出席を頂きました。なお、今回は、 平成 27 年 4 月に誕生する国際教養学部の教員がゲストとして出席しました。 委員会に先立ち、小川先生から、「平成 26 年度 4 学部合同学生部委員会 キーワード」に ついて資料を使ってご挨拶を頂きました。内容は、①学生による授業前後の予習・復習テストの 実施、②学生に発言・プレゼンテーション・Q&A の機会を与える、③学生による教員評価、 授業の改善、FD、④試験問題の改善、⑤到達点を示し、モチベーションを高める目的での 奨学金、⑥国際化による多様な学生の入学、それらの学生に対する細やかな教育・指導という ものでした(次ページの表参照)。 学生部の主な活動は、健康管理・安全対策、学生相談(アドバイザー ・ 担任制) 、クラブ活動・ 自治会活動、寮生活、防犯・交通安全、奨学支援、就職支援、マナー教育ですが、これらは 学生の日頃の勉学と密接に結びついており、学生が生活面で不安を抱えていては勉学に励む ことができません。したがって、小川先生のご挨拶は、教員は不断前進の理念のもと、自身 も評価されながら、常に授業のやり方を工夫し、(試験問題を改善して)正しい尺度で学生 を評価しなければならない、そして、各キャンパス(各学部)の学生部は、学生が生活面で不安 を抱えることなく、アクティブに勉強し、グローバルな人材になるために支援すべきである、 と言うことを訴える力強いメッセージであると思います。 小川先生のご挨拶の後に、各キャンパスの学生部からの活動報告に続き、学生生活実態調査の 結 果 が 報 告 さ れ ま し た。 こ の 調 査 で は、4 学 部 の 学 生 に 対 し て 共 通 の 質 問 を す る の で、 その結果を比較することによって各学部の学生生活の特徴を知ることができます。クラブ活 動、自治会活動、アルバイト、通学時間、睡眠時間、予習時間、復習時間などの項目について、 学部間でいくぶん違いが見られましたが、 「入学から現在までを全体としてみて、貴方の学生 生活は充実していましたか。 」という質問に対しては、各学部で 90%以上の学生が「充実」と 答えていました。 Ju n te n d o 18 No.2 7 9 法人だより 委員会の後、センチュリータワー 19 階ホールで懇親会が行われ、ゆったりとした雰囲気の中で 各学部の学生部委員の間で情報交換が行われ、一同、学生部委員として今後の活動にさらなる 決意をいたしました。 平成 26 年度は、本郷・お茶の水キャンパスが合同学生部委員会の当番でしたが、来年度は さくらキャンパスが当番の予定です。 平成 26 年度 4 学部合同学生部委員会 キーワード ① 学生(記名)による授業前後の予習・復習テストの実施 ⇒ 学 生 が 自 発 的 に 意 欲 を 持 っ て 勉 強 す る よ う な シ ス テ ム や 環 境 を 整 え る こ と。 e-learningや PBL システムの一部導入。 ② 学生に発言・プレゼンテーション・Q&A の機会を与える ⇒授業終了時に、学生に復習や予習内容に関するテーマを与え、次の授業で発表させ、 学生間で Q&A やディスカッションさせてから授業を進める。 ③ 学生(無記名)による教員評価、授業の改善、FD ⇒授業(教育)に対して責任を持つ。授業直後に評価をすぐ見て、次の授業から 改善を実行する。教員は常に情熱と高い目標を持ち続けること。 ④ 試験問題の改善 ⇒正答率 40% を下回る試験問題は適正ではない(医学教育振興財団では、①問題が 間違っているか不適切、②教えていない、③教え方が不十分、として評価対象から 除外) 。授業内容との関連、学生に身に付けさせたい・伝えたい事を明確にし、 正しい尺度で学生を評価すること。 ⑤ 到達点を示し、モチベーションを高める目的での奨学金(奨励・減免) ⇒学生の努力(ハイスコア・ハイディベロップメント)を評価、更に高い目標を掲げ、 意欲を継続させること。 ⑥ 国際化による多様な学生の入学、それらの学生に対する細やかな教育・指導 ⇒多様性を受け入れ、教員・学生共に視野を広げるとともに自己研鑚に励むこと。 スライド・テクニカルターム・病名等に英語を頻用、教材に用いたり、Q&A を 英語で実施する等の努力する。 Ju n te n d o 19 No.2 7 9 法人だより 教授就任 教授就任にあたって 大学院医学研究科消化器内科学(静岡病院)教授 医学部消化器内科学講座教授(併任) 永原 章仁 平成 26 年 12 月 1 日付けで順天堂大学医学部附属静岡病院消化器 内科教授を拝命致しました。 就任にあたり、小川秀興理事長、木南英紀学長、新井一医学部長、 三橋直樹静岡病院院長、渡辺純夫消化器内科主任教授をはじめ、理 永原 章仁 教授 事会、教授会の先生方に心より御礼申し上げます。また、今日の日を 迎えられたのも、診療、研究でお世話になりました、諸先輩方、同僚、後輩、スタッフの皆様の ご指導、ご協力の賜であり、心より感謝いたします。 昭和 62 年、宮崎医科大学を卒業し、直ちに順天堂医院内科臨床研修医となり、その後一貫して 順天堂大学にお世話になっています。何の迷いもなく消化器内科に入局し、当時の消化管グループの 浜田勉先生、三輪洋人先生より教室の伝統であるバリウム造影、内視鏡検査の手ほどきを受け、 佐藤信紘教授に科学的な物事の考え方をご教授いただき、 米国ミシガン大学への留学の機会も与えられ、 胃酸分泌の研究をさせていただきました。平成 10 年から 1 年間、当時順天堂大学伊豆長岡病院と 呼ばれていた、静岡病院消化器内科に 1 年間勤務し、小川薫先生の下、第一線の医療を学び、 実践する機会に恵まれました。その後、宮﨑招久先生にご指導いただきながら順天堂越谷病院の 内科外来棟の立ち上げに従事しました。帰局後は渡辺教授のご指導の下、ヘリコバクターピロリ菌、 逆流性食道炎を中心とした研究を進めてまいりました。また、渡辺教授就任から 6 年間、医局長として、 医局のマネージメントの勉強をさせていただきました。 なが はら あきひと 再び順天堂大学静岡病院に勤務する機会に恵まれ、 永原 章仁 とても光栄であると同時に、地域医療にしっかりと貢献 【学歴及び職歴】 せねばという重責もひしひしと感じています。消化器 昭和62年 3 月 宮崎医科大学医学部卒業 内科は、前任の市田隆文教授が静岡県肝疾患診療 昭和62年 5 月 順天堂大学医学部附属順天堂医院内科 臨床研修医 連携拠点病院として、講演会、市民公開講座等で 平成 2 年 6 月 同 医学部消化器内科学講座 専攻生 平成 6 年 4 月 同 助手 肝疾患診療を牽引されています。また、胆石、急性 平成 6 年12月 米国ミシガン大学消化器内科 リサーチフェロー 膵炎などの救急例、癌の化学療法など、様々の重症 (~平成8年12月) 患者さんの診療にあたっています。一方、逆流性食道 平成 9 年 1 月 順天堂大学医学部消化器内科学講座 助手(~平成13年2月) 炎や、胃腸に病気がないのに、胃痛、胃もたれのため 平成10年 7 月 同 附属伊豆長岡病院 助手(~平成11年6月) 日常生活が障害される、機能性ディスペプシアという 平成11年 7 月 医学博士号取得 平成13年 3 月 順天堂大学医学部総合診療科学講座 講師(越谷病院) 病気も、じつは多くの患者さんが潜在していることが 平成16年 6 月 同 医学部消化器内科学講座臨床講師 知られています。こうした疾患にも焦点を当て、地域医 平成17年10月 同 講師 療のさらなる充実を目指すとともに、 研修医教育や研究を 平成18年 4 月 同 医局長(~平成24年3月) 平成18年11月 同 大学院医学研究科消化器内科学 講師 通じて人材育成の一翼を担えればと考えております。 もとより浅学非才の身ではございますが、全力を 平成19年 4 月 同 医学部消化器内科学講座 准教授 平成22年 8 月 同 先任准教授 尽くす所存です。今後ともご指導ご鞭撻のほどよろしく 平成26年12月1日より現職 お願い申し上げます。 Ju n te n d o 20 No.2 7 9 法人だより 教授就任にあたって 大学院医学研究科精神・行動科学(静岡病院)教授 医学部精神医学講座教授(併任) 桐野 衛二 この度、平成 26 年 12 月 1 日付けで静岡病院メンタルクリニック教授を 拝命いたしました。就任に際しまして、小川秀興理事長先生、木南英紀 学長、新井一医学部長、三橋直樹静岡病院院長、新井平伊主任教授 桐野 衛二 教授 ならびに理事会、医学部教授会の先生方に厚く御礼申し上げます。 私は平成元年、北海道大学卒業と同時に順天堂大学精神医学教室に 入局し、歴代の教授、飯塚礼二先生、井上令一先生、新井平伊現主任教授に師事致しました。 井上令一先生には臨床の基本と精神生理学的手法による研究について手ほどきを受け、現在の 臨床と研究の礎を作って頂きました。新井平伊先生には研究が更に拡がるべく強く後押しして 頂きました。平成 14 年から静岡病院に赴任し、科長として、児童思春期精神医学と非薬物療法の 充実に努めました。不登校や発達障害など児童思春期患者は近年増加傾向にあります。また成人 患者さんの中にも薬への拒否感の強い患者さんや、薬物・非薬物療法の併用が効果的である 患者さんが潜在的に多くいます。臨床心理士と連携して、認知行動療法・遊戯療法・ソーシャル スキルトレーニング・ペアレントトレーニングなどの非薬物療法の導入を行い、あらゆる年代の 患者さんに広い治療選択 肢を提供できるよう腐心しました。また静岡病院では精神科病床は ありませんが、他 科からのコンサルテーション患者 が 多数います。精神科と他 科との連 携が 「全人的」治療に繋がると考えます。また医学教育においても、精神科医の役割は専門的な知識を 教えることだけではなく、患者さんの痛みを共感・共有できる力を養うことにあると考えます。 全人的診療を実践する臨床家を目の当たりにすることが、学生や研修医のための、本当に身になる 教育と考えています。 きり の えい じ 桐野 衛二 【学歴及び職歴】 維持にあたってきました。静岡病院だけではなく 平成元年 3 月 北海道大学医学部卒業 保 健 看護 学部においても、 メンタル不調の学 生・ 平成元年 5 月 順天堂大学医学部附属順天堂医院精神医学講座 研修医 職員の診療を担当しています。2施設ともメンタル 平成 4 年 9 月 同 医学部精神医学講座 専攻生 不調者は少ないとは言えないため、ケアだけでなく、 平成 6 年10月 同 助手 平成 8 年 9 月 郵政省通信総合研究所 共同研究員 予防のための啓蒙活動にも努めてきました。 平成 8 年11月 自然科学研究機構生理学研究所 統合生理研究系 研 究 で は、Yale 大 学・Duke 大 学 で 学 ん だ 感覚運動調節研究部門 共同研究員 平成 8 年12月 医学博士号取得(順天堂大学) functional MRI や事 象関連電位を用いた研究を 平成 9 年 1 月 米国Yale大学医学部脳外科Visiting Scholar 継 続しています。functiona l M R I・脳 波・拡 散 平成10年 1 月 同 精神科Post-doctoral Associate 平成11年 1 月 米国Duke大学医学部Brain Imaging & テン ソル 画 像 の 同 時 測 定 に よる Default Mode Analysis Center, Research Associate Network の検討が最新のテーマです。 平成11年 9 月 順天堂大学医学部精神医学講座 助手 今後も職責を果たすべく、診 療・教育・研究に 平成12年 9 月 同 臨床講師 平成14年 4 月 同 静岡病院臨床助教授、メンタルクリニック科長 全力を尽くして参りたいと考えています。今後とも 平成19年 4 月 同 先任准教授(臨床) 平成26年12月1日より現職 皆様のご指導、ご支援をよろしくお願い申し上げます。 もうひとつの働きとして、職員のメンタルヘルスの Ju n te n d o 21 No.2 7 9 法人だより 主なる人事異動 人事部長事務取扱者 (平成 26 年 12 月 1 日) ※任期更新人事を除く 繁藤 勝 平成 26 年 12 月 1 日付 昇 任 石関 貴衛 大学キャンパス・ホスピタル再編事業事務局 課長補佐 梶原 恭介 総務局企画調査室 課長補佐 池田 浩二 医学部附属浦安病院事務部医事課 課長補佐 米山 桂一 医学部附属浦安病院医療情報センター情報管理室 課長補佐 伊藤 秀治 医学部附属浦安病院医療サービス支援センター地域医療連携室 課長補佐 中澤 武司 医学部附属浦安病院医療安全推進センター感染対策室 課長補佐 池田 浩二 医学部附属浦安病院医療保険室 課長補佐(併任) 池田 浩二 医学部附属浦安病院病院機能管理室 課長補佐(併任) 伊藤 秀治 医学部附属浦安病院事務部医事課 課長補佐(併任) 就 任 永原 章仁 大学院医学研究科消化器内科学 教授 永原 章仁 医学部内科学教室・消化器内科学講座 教授(併任) 桐野 衛二 大学院医学研究科精神・行動科学 教授 桐野 衛二 医学部精神医学講座 教授(併任) 辻村 晃 医学部泌尿器科学講座 先任准教授 川上竜太郎 医学部附属順天堂医院医療サービス支援センター地域医療連携室 課長(併任) 訃 報 ご冥福を祈り、謹んでお知らせします。 森田 一男 殿 体育学部 S47 年卒 平成 26 年 11 月 15 日逝去 南谷 和利 殿 医学部 S36 年卒 平成 26 年 11 月 28 日逝去 長濱 遠 殿 医学部(外) S33 年卒 平成 26 年 12 月 13 日逝去 宇都宮正衛 殿 体育学部 S33 年卒 平成 26 年 12 月 20 日逝去 小林 拓 殿 体育学部 S59 年卒 平成 27 年 1 月 18 日逝去 Ju n te n d o 22 No.2 7 9 法人だより アンケートへのご協力、 有難うございました。 昨年 9 月号と 12 月号で読者の皆様に、今後の『順天堂だより』送付希望のご意向を伺う アンケートを実施させていただきました。多くのご意見、ご要望、ご感想等をお寄せいただき、 誠に有難うございました。ご協力いただきました皆様に対し、心より厚く御礼申し上げますと ともに、頂戴したご意見等は今後の編集業務に生かして参りたいと存じますので、引き続き ご支援、ご協力を賜りますよう宜しくお願い申し上げます。 なお、「今後の送付は不要」とご回答いただいた方々につきましては、3 月号から順次 対応して参りますが、発送事務の関係上 3 月号までお手元に届く場合がございますので、 ご了承くださいますようお願い申し上げます。 また、ハガキに貼り付けていただいたアンケート回答部分が剥がれてしまい、ご連絡先が 不明な方が数名いらっしゃいました。「配布希望と返信したが、6 月号が届かない」という方、 または「今後の送付は不要と回答したが 6 月号が届いた」という方は、恐縮ですが下記の 担当事務局宛てにご一報くださいますようお願いいたします。 本学とのご関係 担当事務局 ①医学部同窓会会員、理事・評議員、教職員、 総務部文書・広報課 ともの会会員、順彩会会員、下記②~④以外の方 [email protected] ②啓友会会員 啓友会事務局 (体育学部・スポーツ健康科学部卒業生、大学院修了者) [email protected] ③看護学部同窓会会員 (看護婦養成学校~医療看護学部、保健看護学部卒業生) ④在学生の保護者 看護学部同窓会事務局 在籍学部(キャンパス)の事務室 (総務部文書・広報課 帯金・井部) お知らせ ●医学部同窓生の方の送付先住所変更等につ きましては右記に記載の文書・広報課まで ご連絡ください。啓友会・看護学部同窓会 の同窓生の方は各同窓会事務局あてにご連 絡ください。 Ju n te n d o 学校法人順天堂 広報誌 「順天堂だより」新春号 279 号(2015.1) ●発 行 学校法人順天堂 http://www.juntendo.ac.jp ●編 集 総務局総務部文書・広報課 〒113-8421 東京都文京区本郷 2-1-1 TEL:03-5802-1006(直通)FAX:03-3814-9100 E-mail:[email protected] ●発 行 日 平成 27 年 2 月 10 日発行 ●印刷・製本 ダイト印刷株式会社 ●発 行 部 数 25,200 部 25 No.2 7 9