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聖地という ものがある。 本来は宗教上の概念 でキリス ト教における

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聖地という ものがある。 本来は宗教上の概念 でキリス ト教における
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写真:高見沢邦郎
聖地というものがある。本来は宗教上の概念
佐藤俊一さんの「アメリカの住宅地計画に学ぶ」
でキリスト教におけるエルサレムやイスラム教
にも多くの聖地が紹介されている。チャレンジ
のメッカ等大小さまざまな聖地がある。
あるところに聖地あり、であるとすれば日本の
我々“まちづくり屋”にとっても聖地があるだ
住宅地計画の聖地はどこか。そしてそのテーマ
ろう。先号で岩村和夫さんに表紙で紹介してい
は何であるのか。
ただいたオランダのデルフト市、ボンエルフと
ボンエルフもラドバーンも言ってみれば車と
呼ばれる歩車共存道路の誕生の地もその一つで
の折り合いがテーマであろう。このチャレンジ
あろうし、今回の表紙の地、アメリカのラドバ
は、地球規模での環境やエネルギーの制約とい
ーンもその一つであろう。高見沢邦郎さんのコ
う局面をむかえ、まだまだチャレンジャブルな
ラムに書かれているように、ハワードのガーデ
課題として存在しつづけるだろう。
ンシティの理想を継承しつつ、歩車分離という
財団の事業で断続的に試みられているコモン
その一点において“ラドバーン方式”として有名
という手法、概念も大課題である。公と私に分
になってしまった町である。
断された日本の都市空間の中に、如何に“共”と
現在では完全な歩車分離という考え方は否定
か“協”という概念をはさみ込めるか。中間領域
的に議論されることが多いが、我々まちづくり
の必要性が様々な分野で叫ばれて久しいが、そ
屋にとっては、現実に存在する課題に対して挑
ういう中で財団は戸建住宅地研究というフィー
戦する姿勢やともすれば忘れられがちな“理想”
ルドを設定してみた。
の追求という、そのことに感銘をうけ、聖地と
前園百合子さんの「コモンの管理、保全の実態」
呼びたい気持をおこさせるのであろう。
は、そのとっかかりの調査である。コモンの意
蛇足ながら数年前にゴルビジェのマルセイユ
味、その設計技法、不動産としての価値と評価、
のユニテを見たとき、やはり費銭箱でもあれば
etc課題は山ほどありそうであるが、財団が多く
お金を放り込んで柏手でも打ちたい気分になっ
の聖地を生みだしていく母体となるためには是
たものである。いずれ暇になったら聖地巡礼の
非取り組みたいテーマであると考えている。
旅をしてみたいが……。
(大川 陸)
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