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大腿骨頚部骨折 人工骨頭置換術
これか ら 手 術・治 療 を 受け られる 方へ 疾患と治療の説明書 だい たい こつ けい ぶ こっ せつ 大腿骨頚部骨折 人工骨頭置換術 じん こう こっ とう ち かん じゅつ 前方進入法 ◎あなたの名前を書 いてください 済生会熊本病院 脊椎・関節外科センター 「大腿骨頚部骨折」 と診断された患者さんへ この「大腿骨頚部骨折 人工骨頭置換術 疾患と治療の説明書」は、 大腿骨頚部骨折 人工骨頭置換術の疑問に対して理解を深めると同時に、 私たち病院のスタッフが患者さんやその家族に 知っておいて欲しいことをお伝えするためのものです。 説明を聞き、あなた自身でメモをとったり、医師が書き込みをすることで、 あなただけの説明書になります。 病状について 1.現在どのような状況にあるのか 足の骨(太ももの骨=大腿骨)が骨盤につながるところで骨折していることを大腿骨頚部骨折と いいます。 9割は転倒により起きています。女性に多く、高齢者ほど多くみられる骨折で、痛みに より歩行障害を引き起こします。治療法は保存的療法と手術的療法に分かれます。 2.なぜ、このようになったか 外部からの衝撃 (転倒・転落・尻もち) を受けたことによりおこります。 3. これからどうなるか 骨が折れたままだと痛みがあり歩行することが出来なくなり、寝たきりの生活となります。 寝たきりの生活が続くと様々な合併症 (肺炎・床ずれ) がおこる可能性があります。 4. どこまでなおるのか 受傷前の状態に近い状態まで快復することが出来ますが、 リハビリが必要です。 ワーファリンやパナルジンなどの抗凝固・抗血栓薬を服用中の方は、 入院時にお申し出ください。 1 大腿骨頚部骨折 疾患と治療の説明書 治療方法 保存的治療 保 存 的 療 法は、牽 引という足を引っ張る治 療で、 2∼3ヶ月の 安 静 が 必 要です。また、体 幹 部 から骨折した足全体にかけて固定を必要とします。しかし、関節内骨折であるために骨癒合が得 られる確率は非常に低く、歩行不能で車イス生活となる場合が多くなります。さらに高齢である ことから、長期入院臥床によって床ずれや認知症の発生の恐れが高くなります。また肺炎や膀胱 炎 などの 合 併 症 が 起こりやすくなり、全 身 状 態 が 悪 化 することで死 亡 することもあり得ます。 骨 折が治癒しても長期間を要することから、全身の筋肉の萎縮により寝たきり状態となる可能 性が高くなります。 手術療法 手術療法では手術に伴う危険性や合併症が起こることがあります。 しかし強力な固定が可能なことから早期離床が可能となります。合併症を併発しなければ車 椅 子 座 位 、歩 行 訓 練とリハビリをすすめることができ、約1ヶ月で自立 歩 行は可 能となります。 当院では約99%の方が手術を受けられています。 手術の方法 まず、股関節前面を約6∼8cm切開します。筋肉を分けて股関節包を切開して骨折した骨頭 を摘 出し、金 属 で 作 成された 人 工 骨 頭に置 換します。人 工 の 機 材 が 体 内に置 換されますの で 感染には充分に気をつけます。 そ の ために、本 院 では 手 術 後 は 個 室 管 理 とさせ て 頂 い て おります の でご 了 承ください 。 足に入っていた管が抜けてからは大部屋でも可能となりますので、ご希望の方は医療スタッフ までお申し出ください。 手術後の写真 2 治療成績 当院におけるこの疾患の平成19年の手術件数は99件です。約99%の方が手術を受けられて います。 手術後の合併症 手術に伴う危険性・合併症および予後見込みについて ①麻酔、出血によるショック (心不全や呼吸不全)の発生 ②手術創の感染 ③肺塞栓の発生 ④骨頭の脱臼の発生 ⑤人工骨頭のゆるみや折損の発生 ⑥深部静脈血栓症 ⑦以上のほかに高齢による全身各臓器の予備能の低下から、術中および術直後に予期しない 合併症を併発して死亡することもあり得ます。 *もし合併症が発生した場合には、その症状により最良の方策を行います。 深部静 脈 血 栓 症とは 病 態 対 策 3 足を動かせない状態等が長く続くと、体の深い部分の静脈に血の塊(血栓)が 出来ることがあります。これが深部静脈血栓症です。さらに、血栓が肺や心臓に 運ばれ突然の呼吸困難になることを、肺血栓症といいます。 これは大腿骨頸部骨折の合併症の一つであり、当院での発生頻度は0.08% 程度です。 未然に防げるように当病棟等でも様々な予防法を行っています。患者さん それぞれに応じた処置を行いますのでご了承下さい。 処置を行う場合は主治医より説明を行い同意書の記入をお願い致します。 ベッド上で寝ているときは足首の運動を積極的に行いましょう。 骨折していない方の足は自由に動かしてください。特に足首の曲げ伸ばしは 予防に効果的です。 入 院 後 早 期に静 脈 血 栓 症 が 有るか ,無 い か の 検 査 を 行 います( 下 肢 血 管 エコー)。症状に応じて処置を施行いたします。 また、入院時より弾性ストッキングを装着し予防を行います。術後3ヶ月程度 の装着となります。 大腿骨頚部骨折 疾患と治療の説明書 セカンド・オピニオンについて 今回の治療について他の医師の意見をお聞きになることができます。 ご希望であればお申し出下さい。 入院中の生活について 高齢者の特性 1.運動能力が低い 足の筋力が低下したり視力が落ちたりしている場合が多く、わずかな段差でもつまずいて 転倒しやすくなります。一旦転倒・転落すると骨がもろいため容易に骨折します。 2.抵抗力が弱い 全身の免疫力が低下しているため抵抗力が弱く、風邪などのいろいろな感染症にかかりやす くなります。 3.話が伝わりにくい 耳が遠く聞き間違いが起こりやすくなります。また新しい記憶があいまいになって、患者さ んと医療スタッフとの意思の疎通が十分にできないことがあります。 4.気兼ねが多い 高齢者の多くが「他人に迷惑をかけたくない」 という気持ちが強く、周囲に気兼ねをして独り でトイレに行こうとして、つまずいて転倒することもあります。 5.環境の変化に適応しにくい 緊急入院された方は病院環境に適応できず、時として不 穏状態になったり、認知症の症状が現れたりすることがあり ます。 以上のことから入院中予期せぬ事故が起こる可能性があ ります。私たち医 療スタッフはそ れらを十 分ふまえて患 者 さんの気持ちをくみとり治療および看護にあたりたいと思 います。 4 手術をうけられる方へ・ ・ ・手術が決まったら ●手術は 年 月 午前・午後 時の予定です。 手術前 健康管理に心がけ、喫煙されている方は禁煙に努めてください。 禁 煙 当院は全館禁煙になっています。手術は麻酔をかけて行われるため 気管の痰を出す力が弱くなります。痰が多い方は術後に肺炎を起こす 危険性があります。禁煙することで、痰の量が減り肺炎がおこりにくくな ります。また喫煙によって創部感染の危険性が高くなります。禁煙でき ない場合は手術を延期したりお断りしたりすることがあります。 骨折した足の骨のずれがひどくならないよう、また、痛みが増強しないよう、手術まではベッド 上で安静となります。 ◎食事 の時は痛みのない範囲で体を起こすことができます。 ◎排泄 は、ベッド上で尿器や便器を用いて行います。 ◎清潔面 では、看護師が毎日体を拭き、着替えも同時に行います。医師の許可があれば、 手術部位の清潔保持のために、寝たままの入浴(エレベートバス) に入ることもあります。 何か不都合なことがあれば、いつでもお手 伝い いたします。また、足 の 痛 み が 強くなったり、 しびれが出てきたりする場合は看護師へお伝えください。 ベッド上安静によって筋力が低下するのを防ぐために、足首や足の指、折れていない側の足は 積極的に動かしてください。 手術準備 ■必要物品は バスタオル 2∼3枚 浴衣又はパジャマ 1∼2枚 T字帯 1∼2枚(又は必要に応じてオムツ) 現在服用中のお薬・お箸・コップや楽のみ・スリッパ・洗面用具(歯ブラシ・タオル・石鹸・シャン プー・リンス) ・ティッシュなど。 手術翌日からリハビリが開始となりますのでパジャマ・履きやすい運動靴などが必要です。 *ご不明な点がございましたらお気軽に、病棟看護師にお尋ねください。 5 大腿骨頚部骨折 疾患と治療の説明書 手術前日 ■衛生面について 手 術 創からの 感 染を予 防 する為に、手 術 前に寝た状 態でもシャワーを浴びることができ ます。看護師がお手伝いしますので御安心ください。 ■麻酔について 麻酔科医師と主治医から手術についての説明があります。手術に同意されたら承諾書を提出 してください。 ■食事について 食事は夕食まで普通に食べて下さい。 水分は午前の手術の場合は ( )時まで飲むことができます。 午後の手術の場合は ( )時まで飲むことができます。 それ以後は水分も禁止となります。 ※眠れない場合は、睡眠導入剤をお渡ししますので、スタッフまでお申し出ください。 手術に伴う合併症を予防するために全身の検査を行います。ご協力をお願いします。 手術当日 手 術 前日にシャワー 浴 のできていない 方は、手 術 当日朝にシャワー 浴を行 います。シャワー を浴びることができない方は看護師が体を拭きます。その時点で浴衣または前開きのパジャマ に着替えます。 午後の手術の場合、 ( : )から点滴を開始します。 点滴を始める前に排泄をすませてください。 排泄の際はベッド上で行いますので、ナースコールでお知らせください。 手術の30分前 時 分になりましたら、肩から注射をします。 注射をしたあとはベッドから降りたり起きあがったりせず、横になったままとなります。 何かございましたらナースコールでお知らせください。 ■はずしておくもの 指輪、時計、めがね、ヘアピン、コンタクトレンズ、アクセサリー、化粧、入れ歯、湿布 エレキバンなど 6 手術が終わったら ■創部は 手術後は点滴・心電図モニタ−・尿道留置カテ−テルや、血液を排出する為の管が体に装着さ れています。また、創部はガ−ゼで保護してありますので創部や管を触ったり、抜いたりしない ようにしてください。場合によってはテープやパジャマで保護させていただきます。 ■痛みは 麻酔が覚めるころから痛みが出てきます。 我慢せずに早めに看護師に伝えてください。 痛み止めを使用します。 ■安静は 麻酔後は安静が必要になってきます。 ます。 頭を起こして良い時間は看護師がお知らせします。 ない範囲で体を動かせます。 前方侵入法で手術を受けられた方は、痛みのない範囲で体を動かせます。 長時間のベッド上安静により、床ずれを起こしやすくなりますので、 体の向きを変えたり、足を動かしたりする時は必ず看護師をお呼びください。 脱臼が起こった場合は、手術部位の異常な痛みと左右の足の長さが違ってきます。 このような異常があれば看護師にすぐにお知らせください。 ■食事は 手術後、数時間して腸の動きが確認できれば、まず水分を飲むことができます。気分不快など がなければ食事が開始になります (腸の動きは看護師が確認します)。 自己判断で飲食はしないようにしてください。 ■排泄は 創部への感染を予防する目的で、必要に応じて尿道留置カテーテルが入ってきます。管がぬけ るまではベッド上での排泄になりますので、ナースコールでお知らせください。 7 大腿骨頚部骨折 疾患と治療の説明書 手術のリスクについて 感染 手 術 中 、手 術 後は感 染 予 防 の 点 滴を行 います。創 部に発 赤や 浸 出 液 が みられることが あり ます。感染率は0.94%です。 転倒・転落 手 術 後 の 痛 み や 環 境 の 変 化 により、ベッドからの 転 落 やトイレに 行こうとして 転 倒 さ れる 場 合 が あります 。必 要 時 は 、ご 家 族 の 方に付き添 いをお 願 い することが あります の でご 了 承 ください。 早期離床 手 術 後 の 早 期 離 床は、合 併 症 の 予 防に大 切なことです。そ のため、当 院では手 術 後 1日目か らリハビリテーションを開始します。痛みで動くことが困難な方は痛み止めを使用しながら開始 します。痛みを我慢する必要はありませんので遠慮なくお申し出ください。 抗凝固剤 血液が固まりにくいお薬を飲まれている方は手術前に一時期中止します。手術後は主治医の 判断で再開します。詳細については薬剤師・看護師が説明します。 MEMO 8 入院中服用するお薬について 手術前日のお薬 安全に手術に臨むために、次のようなお薬を使用することがあります。 ■睡眠導入剤 眠れないときは睡眠導入剤をお渡ししますので看護師にお申し出ください。 手術当日のお薬 お薬を看護師の説明どおりに服用します。 ■抗生剤 傷口から細菌が入って化膿するのを防ぐため、手術室で抗生剤の点滴を行います。 手術後に病室に戻ってから、もう一度抗生剤の点滴があります。 発疹 (過敏症) や下痢などが起こることがありますので、起こった時はお知らせください。 ■その他 麻酔薬や、体の水分・エネルギーを補うための点滴があります。 手術後のお薬 食事開始になったら痛み止めの飲み薬が始まります。 普段使用されていたお薬も再開となります。 手術後の痛み止めについて 痛みは我慢せずご相談ください。痛み止めの 注射・坐薬を使います。 腸が動き出して、お薬が飲めるようになったら痛み止めの 飲み薬をお渡しします。 腹痛・吐き気 などの副作用が起きることがあります。 症状がみられたらご相談ください。 9 大腿骨頚部骨折 疾患と治療の説明書 アレルギー・副作用について ■お薬を飲み始めて、気になることがあった場合はご相談ください。 ■お薬が体に合わなかった場合、かゆみ・発疹・息切れなどのアレルギー反応 が起こることが あります。 ■お薬それぞれに特有の副作用が起こることがあります。 例)痛み止めを飲んで胃が痛くなる 血圧のお薬を飲んで血圧が下がりすぎる など 上記のような症状を以前経験された方はお知らせください。 薬剤についてご不明な点がありましたら、お気軽に病棟薬剤師または 薬剤センターまでお尋ねください。 10 日 付 入院日 手術前日 手術前 手術後 安静度 手 術 ベッド上で 安静に過ごします ベッド上安静 食 事 朝・昼・夕 通常の食事 夕食まで可 ( )時以降絶食 朝・昼・夕 飲食できません 入浴 体を拭くまたはシャワー 手術部位を清潔に 手術の前にシャワーを浴びます。 入浴できません 看護師がお手伝いします。 リハビリ ベッドの上で足や足関節の 運動をしましょう お薬 現在持っている薬を確認します。 問題なければ現在お持ちの薬を そのまま飲みます。 検査 頭痛や吐き気が ある場合には 看護師に伝えて ください。 痛み止めや吐き気 止めを使います。 説明指導 ①主治医から手術についての 説明があります。 手術の際の 麻酔担当医師から ②看護師から入院中の 過ごし方について説明が 麻酔の説明があります。 あります。 治療処置 11 手術後の痛みがある時 注射・坐薬・内服薬 必要があれば 牽引を行います。 抗生剤の点滴が あります 大腿骨頚部骨折 疾患と治療の説明書 術後1日目 ベッドの端に 腰掛けられます 術後2日目 車イスで動きましょう 術後3日目 術後4日目 車イスで過ごす時間を増やしましょう 朝食より通常の食事 水分をとりましょう 全身をタオルでふきます 端座位訓練 早く回復するために 座位をとりましょう! 手術後の痛みがある時 坐薬・内服薬 起立歩行訓練 介助つきで練習します 処方された薬は 忘れずに飲みましょう 血液検査 血液検査 必要時に検査します 車イストイレを 利用しましょう。 術創に問題がないか 確認します 転院先の医療機関 どこにするか 主治医がご相談します。 ガーゼを交換します 12 日 付 術後5日目 術後6日目 術後7日目 安静度 退 院 車イスで動きましょう 可能であれば歩行器を 使って室内を歩けます 食 事 朝・昼・夕 通常の食事 入浴 手術創の状態により シャワーが可能です リハビリ 起立歩行訓練 介助つきで練習します お薬 処方された薬は 忘れずに飲みましょう 検査 血液検査 説明指導 治療処置 13 術後8日目 室内では歩行器を 使いましょう! 可能であれば ガーゼを除去します レントゲン 大腿骨頚部骨折 疾患と治療の説明書 リハビリについて この手術のリハビリは脱臼をおこさず 順調に歩行訓練が出来るようにすることが目的です。 手術後2日目に足に入れている管が抜けてから 本格的なリハビリが開始となります。 リハビリが開始になるにつれ足の腫れや痛みが出現してきます。 痛みが強くリハビリができないときは 痛み止めの坐薬やお薬で痛みをおさえます。 リハビリをしないと余計に腫れが強くなったり足腰が 弱なったりして立てない状態になります。 リハビリは脱臼を起こさないよう充分な注意を払いながら、 理学療法士が施行いたします。 自分でできるリハビリとは リハビリ室で行うリハビリだけがリハビリではありません。ベッド上で自己リハビリを行いましょう。 ①手術をしていない側の足はいつも動かすことを心がけてください。 方 法 膝の曲げ伸ばしは良い運動になります。 ②足首の運動は両足とも行いましょう。 ③ベッド上で座り、膝を曲げたり伸ばしたりします。 14 術後の注意点 ■ できるだけたたみの生活でなく イスやソファーやベッドでの生活を 行ってください。 ■ 寝るときもベッドを使用してください。 ■ 洋式便器(こしかけ便器) を使用してください。 MEMO 15 大腿骨頚部骨折 疾患と治療の説明書 転院について 手術をされた方は筋力低下などを起こさないように早期にリハビリを開始して、元の生 活に戻れるようにしていくことが大切です。手術後はリハビリが重要ですので、回復期病院 へ転院となります。当病院の予定では手術後3日前後で転院検討を行います。転院先は、か かりつけの病院、自宅近くの病院、御家族が希望される病院などがあります。転院先につい てはいつでも医療スタッフにご相談ください。 手術後、8日前後で転院可能となっています。 今後は回復期病院で、自宅での生活ができるように進めていくことになります。 ※今後の予定としては 手術後8日前後でリハビリテーションを目的に回復期病院へ転院します。 手術後1ヶ月∼3ヶ月で自宅退院、または施設退院となります。 ■最終目標は元の生活状態に戻ることです。 ■目標に向けて、あせらず、 リハビリを頑張りましょう。 16 医療相談室のご案内 安静度 患者さんやご家族の皆さんのかかえる医療だけでは解決の難しい諸問題に対し、福祉の専門 的な知識や技術を用いて皆さんと一緒に考え、必要なお手伝いをしていくのが、医療ソーシャル ワーカー(福祉相談員)の仕事です。 このような時には、医療ソーシャルワーカーにご相談ください。 食 事 リハビリのできる医療機関を知りたい。 入浴 転院に際し、どこに、どのようなリハビリテーション病院があるのか、パンフレットなどを用いて 情報提供いたします。 リハビリ 退院後の在宅介護について知りたい。 在宅での介護に関して情報提供いたします。 ○介護保険の申請の仕方 お薬 ○介護サービスについて など 医療費の制度について知りたい。 検査 70歳以上の方の「高齢受給者医療制度」 「 老人医療制度」、70歳未満の方の「高額療養費制度」 など、判りやすくご説明します。 ※その他、療養生活に関わるご相談や介護保険に関するご相談は、医療ソーシャルワーカーが承ります。 説明指導 ご相談内容や個人の秘密は守ります。 医療相談室のご利用は無料ですので、お気軽にお尋ねください。 治療処置 17 お問い合せ 済生会熊本病院(代表) 医療相談室:医療・福祉に関すること TEL:096-351-8000 205番 TEL:096-351-1022(直通) 大腿骨頚部骨折 疾患と治療の説明書 入院医療費の目安(大腿骨頚部骨折人工骨頭置換術) 入 院日数 が 1 3日間 の 場 合 の 平 均 的 な 入 院 費 の 目 安です。治 療 内 容や 入 院 期 間によっては 金額が異なる場合があります。 ■全額負担の場合 医療費:約155万円 食事代:1食につき640円(異なる場合もあります。) ■健康保険を使用される場合 負担割合 医療費の目安負担額 70歳未満の方(3割) 約46万円 70歳以上の方(3割) 約 9万円 70歳以上の方(1割) 44,400円 ※手術の材料により金額が異なりますのでお尋ねください。 ※食事代や個室代は別料金になります。 ◇食事代・個室料について 食事代:1 食につき260 円 個室をご利用の方は、 「 個室代」が入院日数分加算されます。 特別個室 一般個室 15,750円(1日あたり) 8,400円(1日あたり) ■高額療養費制度のご案内 健康保険加入者(一部を除く70歳未満)の方は、基本的に 「高額療養費制度」 を利用することが できます。 手続きをされる 場合の注意事項 ※食事代、 個室代、 文書代等の保険外料金は、高額療養費制度の対象となりません。 ※領収証の再発行はいたしておりませんので、 大切に保管ください。 ※詳細については、 ご加入の保険窓口にお問い合わせください。 お問い合せ ご不明な点 がありましたら、お気 軽にお尋ね下さい。 済生会熊本病院 医事室 会計係 TEL:096-351-8375 18 患者さんに知っておいて欲しいこと 私たちは、患者さんとともに疾病に立ち向かい、 安全で質の高い最善の医療を行うため、患者さんの権利を充分に守ると共に、 医療スタッフとしての研鑽に努めています。 1. 十分にご説明します。何でもお尋ねください。 私たちは、患 者さんに、健 康 状 態や疾 患の内容、これからどんな治療が必要になる のか(目的・内容・必要な期間・効果・危険性・副作用など)、当院における治療法の成績、 治る見込み、担当者の名前、他にはどんな治療法があるのか、医療費のことなど十分に ご説明します。 患者さんの方で疑問に思われたことは、何でも私たちにお尋ねください。患者さん には、 私たちから、 ご自分が納得されるまで説明を受けて、 どんな治療法を、 いつ、 どこで、 受けるのか、受けないのか、ご自分で決める権利(自己決定権)があるからです。 2. ご希望や必要に応じ、他の病院でも診察が受けられるようご協力します。 患者さんには、私たちの病院での診察だけでなく他の病院でも診察を受けて、どん な治療法があるのかなどの説明を受ける権利(セカンド・オピニオンを受ける権利)も あります。 他の病院では、当院で実施しない治療法を実施している場合もあります。私たちは、 患者さんが他の病院の医師の診察を受けて、十分納得していただいた治療法とその治療 を受ける病院を決めて頂くことが良いと思っています。そのため、私たちは必要な書類 を準備します。ご希望があれば、そのような病院のご紹介もいたします。何より大切な お体のことですから、何の気兼ねもいりません。どうぞ、私たちに申し出てください。 3. 診療に疑問や不満がありましたら 私たち の 診 療 などに疑 問やご 不 満 が ありましたら、遠慮なく主治医や担当看護師 など医療スタッフにお申し出ください。 4. 患者さん自身の健康に関する情報をできるだけ詳しく教えてください。患者さんの 状態を正確に知っておくことで、最適な検査や治療を実施することができるのです。 5. 病院の中では、病院の規則をよく守り、他の患者さんの迷惑にならないようご注意 ください。 制作・著作 社会福祉法人 恩賜財団 済生会熊本病院 TEL : 096−351−8000 (代表) 脊椎・関節外科センター 初 版 平成17年10月05日 改訂版 平成21年04月15日 [No.0006-2]