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リヨン(仏)の環境街づくり:都市交通政策と Velo`v

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リヨン(仏)の環境街づくり:都市交通政策と Velo`v
リヨン(仏)の環境街づくり:都市交通政策と Velo'v
生活の足を支える公共交通政策第 3 回 連続講演会
リヨン(仏)の環境街づくり:都市交通政策と Velo'v
Keroum
SLIMANI
(大リヨン圏道路網課自転
画や、Velo'vの実施と評価、新しいサービス導
車交通政策担当)
入などに従事。リヨン国立応用科学研究所、リ
2006年5月より、リヨン都市
ヨン技術大学研究所卒業後、リヨン都市圏にて、
圏道路網課自転車交通担当。
地方分権化計画チーフ、インフラ・下水システ
歩行者自転車交通新基本計
ム計画チーフを経て、現職
1.
リヨン都市圏について
リヨンは、フランスの第二の都市とい
われ、二番目に人口が多い都市です。
南北方向にみれば、ヨーロッパの中心
に位置しており、ヨーロッパの南北方
向の移動において、中継地点としての
役割を果たしています。高速列車網が
密に形成され、TGV でパリから 2 時間、
もうすぐ、バルセロナーリヨン間が 3
時間となります。リヨン都市圏には 57
のコミューンが 57 あり、都市圏全体で
人が 120 万人です。一日につき、390 万
トリップの移動量があります。一日一
人あたり、3 から 4 トリップです。車の
台数も多く、一家に約 1 台所有してい
ます。ただし、車を所有しているから
といって、皆が車を使用するわけでは
ありません。リヨンは、2 つの川、ロー
ヌ川とソーヌ川が合流したところにあ
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リヨン(仏)の環境街づくり:都市交通政策と Velo'v
ります。フランスの富士山といえるモ
ンブランも、天気がよければ見えます。
もう少し、中心部を拡大した写真です。
リヨンの主な地区を見ることができま
す。この 2 つの川の真中の半島は、旧
市街で商店街となっています。右側は
パール・ディユ地区と呼ばれるビジネ
ス街で、左側には、ワインの産地とし
て知られるボジョレーが見られます。
1.
交通部門の統計データ
リヨン都市圏の管轄下にあるのは、駐
車場、道路整備、交通信号整備、自転
車走行空間の整備、公共交通の整備で
す。リヨン都市圏を構成する各コミュ
ーンについては、路上の駐車、走行速
度、交通規制、公共空間の活用に関し
て、管理の一部を担っています。これ
は、リヨン都市圏と各コミューンの間
には交通に関して協力関係があります。
3.
リヨン都市圏の道路ネット
ワーク
総延長距離は、3000km 以上にもなりま
す。自転車道、自転車レーン等の整備
区間が、310km にのぼります。すなわち、
道路空間の 10%の部分が、自転車専用
道として整備されていることになりま
す。これは、決して高い数字では有り
ません。というのも、ヨーロッパでリ
ヨンと同等規模の都市では、20%くら
いまであがるからです。
リヨンでは、10年ごとに、住民の移動
手段を知るために、様々な資料を使っ
て、住民アンケートをとっています。
こちらは、1995年と2006年の数値を比
較したものです。車は、依然、主な交
通手段ですが、はじめて車による移動
が減り、50%以下となりました。全体
の移動量もまた、減少しています。つ
まり、住民の一日の移動量が減ってい
るということです。一方で、自転車に
よる移動が増加しています。もっとも10
年前は、高い数字ではありませんでし
たが、この10年で2倍に増加しました。
そして、このアンケートの結果をもと
にヴェロヴの開始となったわけです。
2.
リヨン都市圏と周辺自治体
の取り組み
リヨン都市圏とそれぞれのコミューン
との管理分担、分権についてですが、
4. 駐車場と“オートリブ”について)
駐車場のほとんどは、地下にあります。
管理と運営は、官民のパートナーシッ
プによります。リヨン都市圏が駐車場
を計画し、民間は実際に駐車場をつく
り、運営します。この数年間で、リヨ
ンのすべての地下駐車場では、利用頻
度が減少しています。これは、街にお
ける車の利用頻度が減ったということ
です。そこで、駐車場管理会社は、短
時間レンタカーサービスなどの新しい
サービスを提供することになりました。
それは、パリでも同じようによんでい
ますが、オートリブと呼ばれるもので
す。1 年間の結果ですけれども、22 箇
所のデポ、70 台の車を提供しています。
定期利用者は、700 名ほどいます。
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2. 交通に関する法的な枠組み,背景
最初に主な背景ですが、都市の拡大に
対する対応を求められました。この 40
年間で、リヨンの人口は、60%増加し、
都市化された面積は、140%以上増加し
ました。この都市の拡大は、自動車の
利用頻度の増加によっています。2 つめ
には、温暖化対策が求められたという
ことです。そこで、リヨンでは、地球
温暖化対策プランをたてました。まず、
ヨーロッパが掲げた目標を達成するこ
とがあげられました。それは、2020 年
にむけて、温室効果ガスの排出量を 20%
減らすという目標です。これは、京都
議定書で定められた国際議定を遵守す
るということになります。各コミュー
ンの政策は、このプランに基づいて行
われなければなりません。中でも、交
通政策と一体化させることが求められ
ています。
フランスにおける法的枠組みについ
ては、はじめに交通法規というものが
あります。この交通法規では、自転車
をひとつの乗り物と規定しています。
それから、2 つの重要な法律があります。
ひとつは、1982 年に交通の在り方を定
めた法律で、交通権を定めています。2
つ目は、1996 年に定められた、大気の
質を向上させるという大気法です。そ
して、その中に都市交通計画(PDU)が
あります。この大気法において、重要
な 2 つ目は、道路を築造する際に、自
転車レーンの設置を義務づけました。
それは、あらゆる都市圏において、あ
らゆる道路計画に際して、適応されな
ければなりません。それから、フラン
スでは、国の助言もあります。「自転車
環境整備マニュアル」というものがあ
り、フランスの技術者に大変参照され
ています。
都市交通計画(PDU)は、10 年単位で、
都市圏の交通政策を方向付けるもので
す。2 つの目的があり、1 つは、住民の
健康や地球環境の保全・保護と、移動
の必要性との間にバランスをとること、
2 つ目は、あらゆる交通手段の利用を調
整することです。これは、非常に重要
な任務となっています。2 年間かかるこ
ともあります。この調整については、
あらゆる関係者があつまります。政治
家、技術者、住民も関係してきます。
フランスの最初の PDU は、1997 年にリ
ヨンで制定されました。さまざまな調
整を計った末に実現されました。住民
の意見の上に実現したものです。3つ
のシナリオを提案していますが、一番
難しいシナリオを住民は選択しました。
それは、歩行者と自転車という交通手
段、サービスを改善するというもので
す。第一次 PDU の総括を 2005 年にし、
当初の目的は、容易に達成されました。
それは、2006 年のアンケート調査で証
明されています。車の利用が、当初の
予想よりずいぶんと減っております。
PDU の適用状況と道路のネットワークの
ヒエラルキーについては、都市圏の道
路をよりよく利用するために、道路が
さまざまなレベルに分類しました。道
路の状況、役割、ニーズにそって、分
類しています。それによって、より適
した方法での整備が可能となります。
たとえば、第一、第二レベルは、住宅
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街を囲む道路です。車の制限速度を抑
え、その地区を静寂に保たなくてはな
りません。高次の道路は、スムーズに
交通量をさばくものです。
PDU によってもたらされた革新的な歩み
は、企業間交通計画(PDIE)というも
のです。それは、官民のパートナーシ
ップです。移動に関する新しい解決方
法を提示することを目的としています。
マイカー以外のよりよい移動手段を企
業の従業員へ提案しています。たとえ
ば、あいのりというのがあります。こ
ちらは、一事業者のみが行った事業で、
370 社の企業を対象に実施しています。
それから、ウェブサイトやコールセン
ターも提供しています。移動に関する
情 報 を 提 供 す る た め で す 。
3.
環境にやさしい交通手段
(自転車,
(ヴェロブ),
徒歩)
今日リヨンの都市圏において、移動の 3
分の 1 が徒歩、2%が自転車です。それ
でも、2005 年以来、自転車による移動
は、80%増加し増しました。2005 年は、
ヴェロヴサービスを開始した年です。
3km 以内での移動は、全体の 68%を占
めています。これは、自転車と徒歩が
非常に高い割合で占めていることを意
味し、このくらいの短い移動が、徒歩
と自転車の対象距離となります。また、
自転車道のネットワークは、全長 310km
で、自転車ステーションは、リヨンで
は毎年、500 基新設されています。そし
て、ヴェロヴサービスがあります。
自転車と歩行を巡る交通に関しては、
あるひとつの戦略が必要となります。
リヨンでは、それをやさしい交通計画
と呼んでいます。10年スパンでの交通
計画を定めています。最初のやさしい
交通計画は、2003 年です。こちらは、
行動計画を定めています。質の高い自
転車走行空間をつくるということ、自
転車利用者、歩行者のための様々な取
組みを導入するということ、住民との
コミュニケーションをはかることが含
まれます。
2003 年のやさしい交通整備計画の自転
車レーンネットワーク計画では、10 年
間でどれだけネットワークを広げるか
という計画で、2 つのレベルのネットワ
ークを形成する予定でした。1 つは、緻
密に構成されたネットワーク、2 つめは、
下位レベルのネットワークです。現在、
新しい計画を検討中で、2009 年 2020
年を対象としています。その主な目的
は、自転車の利用量を 2014 年までに倍
増させ、2020 年には、10%に到達させ
るというものです。その目的を達成さ
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せるために、年間 30km の自転車走行空
間を整備するということを考えていま
す。そして、公共空間へ駐輪施設を設
置し続けること、新たなサービスを提
供すること、特に、管理された駐輪上
の新設、長期期間の自転車の貸し出し
サービスを実施するなどです。
左側は 2009 年の現在の自転車道ネッ
トワークで、右側は 2020 年の自転車道
ネットワーク計画です。私たちの目的
は、なるべく広い範囲にこのネットワ
ークを拡大することです。この計画に
は、公共空間に 1000 台の駐輪スペース
を設置します。こちらは、短期間利用
の自転車に適用されます。長期間利用
の自転車については、管理された駐輪
場が必要となります。こうした管理さ
れた駐輪場は、2 万台分予定されていま
す。駅に近いところ、とりわけ、地下
鉄のターミナル駅におかれます。
自転車走行空間の整備については、フ
ランスでは自転車の交通を統合する為
に、3つの方法が実施されています。1
つ目は,混合交通です。とりわけ道路
を整備するというわけではなく、自転
車と自動車が同じ空間を走行します。
これは、ゾーン 30 で行われます。また、
ゾーン 20 というのがありますが、こち
らは、まだはじまったばかりで、歩行
者が優先されます。
2 つめは、分離された共存です。自転車
と自動車が、同じ空間、同じ車道を走
行しますが、自転車は、自転車レーン
として定められた空間を走行します。
真ん中の写真がそれです。昨日松本に
行きましたが、こうした手法は、日本
でも行われていることを知りました。
3つめは、自転車走行空間の完全分離
です。自転車は、自動車とは完全に分
離された空間を走行します。フランス
では、これを自転車道とよびます。 この写真が示しますように、自転車
は、車の走行空間とは完全に分離され
た走行帯を使います。ここでは、双方
向に走行できます。このような整備に
よって、自転車は安全に走行すること
ができます。
混合交通の他の例をご紹介します。
たとえば、バス専用レーンを自転車が
走行できるようにするものです。リヨ
ンでは、バス会社にそれを承諾させま
した。そこで、自転車はバス専用レー
ンを走行できるようになりました。た
だし、道路の広さによるなど幾つかの
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リヨン(仏)の環境街づくり:都市交通政策と Velo'v
条件はあります。とりわけ、道路の広
さは重要です。そのため、リヨンでは、
バス会社と共同でマニュアルを作成、
発行しております。
もうひとつの混合交通の例です。一方
通行道路における、自転車対面走行を
考えたものです。自転車は、両方向に
走行できますが、車は、一方通行です。
写真をみてください。道路の幅により
ますが、とくに、旧市街では、道路に
制限があります。こうした道路で安全
面に考慮しなければならないのは、自
転車と自動車が対面交通として出会う
場合です。フランスでは、この混合交
通の道路は、30 年前からあり、この方
式は、とても成功しています。
こちらのグラフは、道路の整備方法を
自動車の走行速度と交通量によってど
のように選択すれば良いかを示してい
ます。制限速度が 30km/h では、混合交
通が可能です。制限速度が 30km/h を超
え、交通量が多い場合は自転車レーン
を整備する必要があります。自転車道
が整備しなければならないのは、制限
速度が高く、交通量も多い場合です。
歩行に関しては、2 つの特徴があります。
まず、リヨンでは、歩行者憲章という
ものがあり、交通弱者を考慮した整備
を定めています。リヨンの道路整備で
は、この歩行者憲章を遵守しなくては
なりません。横断歩道部分で、歩道と
車道の境界を少しさげて、横断歩道の
幅を広げます。
2 つめには、ペデイバスというものです。
こどもたちを集団で登校させるという
もので、あらかじめ、通学路と子ども
たちが集合させる地点を定めます。フ
ランスでは、習慣的に親が小さい子ど
もを車で送り迎えをしますので、同じ
時間帯に多くの車が学校の前に集中し
ます。このペデイバスというシステム
を導入することで、学校付近から車を
減らすことができ、さらに、保護者に
とっては、毎日送り迎えする必要がな
くなり、より自由な時間ができること
になります。そして子どもたちも、車
以外の移動手段があることを教えるこ
とができます。今日リヨンでは、70 の
通学路が定められており、3000 人の子
どもたちがそのように通学しています。
次に非常に重要なコンセルタシオン、
パートナーシップ、広報.・コミュニケ
−ションを紹介します。自転車や徒歩
による移動の促進をはかるのならば、
これらは非常に重要なステップです。
まず、自転車団体、歩行者団体とのコ
ンセルタシオン(コミュニケーション)
があります。ここでは、新たに導入さ
れる交通計画について意見交換が行わ
れます。そこには、政治家や技術者な
ど責任者が集まります。コンセルタシ
オンのひとつの例としては、「自転車の
家」というのがあり、ひとつの協会に
よって運営されています。自転車の家
では、自転車利用に関する計画や助言、
提案がなされます。そして、住民にむ
けたキャンペーンも必要となってきま
す。たとえば、ヴェロヴを導入する際
にも行ったのですが、ポスターを通じ
て、キャンペーンするということです。
また、安全面についての情報を提供す
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リヨン(仏)の環境街づくり:都市交通政策と Velo'v
ることができました。様々な交通手段
の道路配分についても情報を提供でき
ました。そして、自転車と歩行者、自
転車と自動車、双方とも、互いに尊重
し合うことの大切さについてもキャン
ペ ー ン し ま し た 。
リヨンのヴェロヴ導入についての条件
や計画の背景についてご説明します。
ヴェロヴは、ひとつの政策で、自転車
利用を促進することをうたっていまし
た。そして、住民にむけたアンケート
をおこない、こうした自転車サービス
についての住民の関心を知ることがで
きました。
2003 年のやさしい交通計画がありまし
た。導入の背景としては、リヨンでは、
バス停とストリートファニチャーとの
契約更新がありました。この契約によ
って、リヨンでヴェロヴサービスを開
始するにあたっての財政面での解決策
を見つけました。こうした背景によっ
て、2005 年にヴェロヴサービス開始と
なりました。2006 年から 2008 年の間に
は、さらにサービスの拡大がはかられ
ました。リヨンは、この規模の自転車
サービスを開始した最初の都市です。
ヨーロッパの他の都市でも同様のサー
ビスがありましたが、これほどの規模
でおこなわれたものはなく、その意味
で、リヨンがはじめてといえます。従
って、サービス開始にはリスクもあり
ました。それは、リヨン都市圏にとっ
ても、パートーナーの JC
DECAUX 社に
とっても大きなものでした。しかし、
そのリスクを負ってでも成功させたい
という意志がありました。
現在のリヨンのヴェロヴは、4,000 台の
自転車と 340 のステーションがありま
す。定期利用者は 6 万人程います。24
時間利用可能なサービスです。このシ
ステムを運営する側にとっては、整備
車両とその作業員の体制が必要なりま
す。利用に関しては、一日平均で、1 万
5 千から 2 万回の貸出利用があり、今ま
での最高記録は 3 万回でした。(この日
は、ストのため公共交通がすべてとま
っていた。)また、一日平均で自転車一
台あたり7回転しています。このシス
テムを導入後、走行距離が 4000 万キロ
に達成しました。2004 年のヴェロヴ導
入以来、自転車の交通量が 80%アップ
しました。
このヴェロヴのシステムは、リヨン都
市圏一部ではあるものの、リヨン都市
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圏の人口の 50%をカバーしています。
ヴェロヴサービスを円滑に運営するに
は、さまざまな装置を必要とします。
自転車それ自体は、この装置の一部で
しかありません。まず、駐輪設備があ
ります。利用操作パネルがあり、この
パネルを利用して、自転車の貸出を行
います。そして、自転車を再配置する
ようなトラックがあります。自転車を
補充したり、移動させたり、回収した
りしています。そして、利用者向けの
コールセンターも設置されています。
ヴェロヴサービスの今日の料金体系に
ついてです。短時間利用用のカードは、
銀行のカードが必要になります。これ
以外は、年間利用となります。基本方
針は、最初の 30 分間の利用は、無料と
いうことです。そして、その 30 分間を
過ぎると利用時間に応じて料金がとら
れます。また、公共交通とあわせて利
用できるカードもあります。これは、
「テセリーカード」とよばれますが、
バスやトラム、地下鉄と一緒に利用で
きます。「ウラ」というカードは、鉄道
とあわせて使うことができます。これ
らのカードをもっていると、ヴェロヴ
の利用が最初の 1 時間、無料となって
います。これらのカードは、自転車を
含む様々な公共交通機関との連携利用
を目的としています。すなわち、公共
交通と利用の連携です。最初の 30 分間
無料という方針は、他の都市でも導入
されていますが、これがこのサービス
が成功した大きな理由になります。私
たちは、ヴェロヴの利用者を対象とし
たアンケートを行いました。このシス
テムは、どのように機能しているのか、
利用者がどのように思っているのかを
知るためです。
@カーフリーデージャパン
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ヴェロヴの利用者の傾向としては,男
性が多く、若い人、就業者が多いです。
とりわけ、自宅と職場との移動に利用
されています。ヴェロヴとその他の公
共交通利用の関係についてですが、ヴ
ェロヴ利用によって、その他の公共交
通が減ったということは出ておりませ
ん。それよりも自転車利用と同時に他
の公共交通も利用しているということ
がわかっています。また、マイカー利
用にどれくらい影響したかを知るのは
難しいのですが、ヴェロヴの利用者は、
自動車の利用回数が減ったと回答して
います。ヴェロヴに関して、リヨンと JC
DECAUX 社との間でかわされた契約の概
要です。リヨンは、JC
DECAUX 社に屋根
付バス停や、屋外広告の設置を許可し
ています。これは 13 年間の契約です。
これに対して、JC
DECAUX 社は、2 つの
方法で応えることを要求されています。
ひとつは、そのうちの一部を、占有料
として支払うこと、もうひとつは、ヴ
ェロヴシステムを運営させるための
様々なサービスを提供することです。
つまり、JC
DECAUX 社によって、ヴェロ
ヴサービスを機能させるための主な経
費が支払われます。この広告料がヴェ
ロヴの運用資金をまかなっているわけ
です。
4. その他の公共交通機関
ヴェロヴが開始して数年経ちますが、
現段階において、以下の通り、ヴェロ
ヴは評価されています。
ヴェロヴは、自転車が便利で確実な
個人利用の公共交通だということを証
明しました。また、市民にそのことを
発見してもらう機会となりました。ヴ
ェロヴのおかげで、自転車の公共交通
機関としての位置づけがなされました。
自転車の交通量の増加にも寄与してい
ます。まちにおける移動の新たな手段
の提供になっています。リヨンは、ま
ちのイメージアップにもつながりまし
た。一方で、この評価におきましては、
課題も残ります。それは、サービスの
質を向上し続けなければならないとい
うことです。盗難対策をたてるという
こともあがっています。
リヨン都市圏では、フランスの他の都
市と同様に、交通当局都市交通事業団
(AOT)が担っています。リヨンでは、
SYTRAL と いう 機 関 が担 っ て いま す 。
SYTRAL は、地域内のすべての交通を計
画する義務があります。地域のあらゆ
る交通事業者とコミュニケーションを
はかるようにしています。PDU を策定す
る主な機関が、この SYTRAL です。リヨ
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リヨン(仏)の環境街づくり:都市交通政策と Velo'v
ンでは、パリに次いで、最大のネット
ワークをもっています。あらゆる公共
交通手段を有しています。地下鉄、ト
ラム、トロリーバス、バスなどです。
リヨンでは、山や丘がありますので、
ケーブルカーもあります。ミクロとマ
クロの路線網が構築されています。様々
な公共交通機関と密なネットワークを
築くことをめざしています。それだけ
でなく、道路ネッワーク、パークアン
ドライドとの連携をはかることを目的
としています。それによって、自動車
利用者には、まちの周縁部で車をおい
てもらい、まちの中心部へは、公共交
通手段を利用するようにしています。
MAGALY という自動運転の地下鉄があり
ます。その距離は、15Km くらいです。
この自動運転は、当然,運転手を必要
としません。それが意味するのは、サ
ービスが間違いなく確実に機能すると
いう事です。というのも、フランスで
は、電車の運転手がしばしば、ストを
おこすからです。
についてです。リヨンでは、ひとつの
カードで、様々な公共交通を利用でき
るようにしたいと考えています。現在
では、ひとつのカードで、ヴェロヴと
公共交通を利用できることになってい
ます。少し前から、鉄道と公共交通と
ヴェロヴのすべてが使えるカードが発
行されました。くりかえし強調したい
のは、異なる公共交通手段の連携をは
かるための措置です。
2 つめは、リアルタイムでマルチモード
なマンナビゲーションシステムの モ
ビヴィル です。携帯を持っている人
が対象ですが、利用者の携帯に、現在
いる位置から、目的地までの交通手段
のガイドを行ってくれます。
公共交通の主要な駅には、パークアン
ドライドが設置されています。公共交
通の利用者は、パークアンドライドの
駐車場の利用料が無料です。このよう
にして、公共交通の利用を促進させて
います。
そして、公共交通の促進のために、料
金システムの改善や相互利用のカード
@カーフリーデージャパン
Fly UP