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平成14年度に特許庁が達成すべき目標に対する実績評価について
平成15年11月
経済産業省
Ⅰ.平成14年度実施庁業務遂行にあたっての目標に対する実績評価
1.出願書類の方式審査
【平成14年度の目標】
・オンライン出願書類の方式審査の通常処理期間を受付日から1週間以内とする。
【実績及び評価】
・通常処理期間は5日であり、目標を達成した。
<参考指標データ>
○平成13年度
方式審査通常処理期間
5日
2.産業財産権の登録
【平成14年度の目標】
・移転登録業務の通常処理期間を受付日から15日以内とする。
【実績及び評価】
・通常処理期間は14日であり、目標を達成した。
<参考指標データ>
○平成13年度
移転登録通常処理期間
15日
3.産業財産権に関する審査・審判
(1) 特許・実用新案
【平成14年度の目標】
・特許・実用新案に関する早期審査・早期審理の申出から1年以内に一次審査結果の
発送又は審決を行う。
・巡回面接の機会を拡大し、総対象件数1,000件以上の巡回面接を実施すること。
【実績及び評価】
〔早期審査〕
・一次審査結果を発送した4,024件のうち1年以内の処理件数は、4,018件
-1-
であり、99.9%が目標を達成した。1年を超えた6件のうち5件は、審査す る
ために必要な書類の完備が遅れたことによるものである。残りの1件は、特定分 野
の早期審査の申出が集中したことにより、当該目標期間を数日超過することにな っ
たものである。
・従って、今年度以降においては、特定分野に係る早期審査の申出が集中した場合に
おいても速やかに審査を行うことができる体制の整備に努めることが必要である。
<参考指標データ>
○平成13年度
一次審査結果を発送した2,929件のうち、1年以内の処理件数は、2,88
3件であり、98.4%が目標を達成した。
〔早期審理〕
・審決を行った94件のうち1年以内の処理件数は、81件であり、86.2%が目
標を達成した。申出から審決まで1年以上を要した13件は、請求人の応答を待 っ
ている期間等が長くかかったためである。
<参考指標データ>
○平成13年度
審決を行った62件のうち1年以内の処理件数は、53件であり、85.5%が
目標を達成した。
〔巡回面接〕
・31都道府県において、計1,627件を実施したことから、目標を達成した。
<参考指標データ>
○平成13年度
実施件数
891件
(2) 意匠
【平成14年度の目標】
・意匠に関する早期審査の申出から6ヶ月以内に一次審査結果の発送を行う。
【実績及び評価】
・一次審査結果を発送した37件の全てについて、6ヶ月以内に処理を行い、目標を
達成した。
<参考指標データ>
○平成13年度
一次審査結果を発送した25件のうち、6ヶ月以内の処理件数は24件であり、
96.0%が目標を達成した。
-2-
(3) 商標
【平成14年度の目標】
・商標に関する早期審査の申出から6ヶ月以内に一次審査結果の発送を行う。
【実績及び評価】
・一次審査結果を発送した167件(面接審査を含む)のうち6ヶ月以内の処理件数
は、166件であり、99.4%が目標を達成した。6ヶ月を超えた1件は、出 願
人(代理人)が提出した書類に方式上の不備があり、当該不備が解消するまで早 期
審査の着手を待たざるを得なかったことによるものである。
<参考指標データ>
○平成13年度
一次審査結果を発送した110件の全てについて、6ヶ月以内に処理を行った。
4.特許特別会計の適正な執行
【平成14年度の目標】
・特許特別会計の安定的運営を図るため、一般財源に依存しないよう努める。
【実績及び評価】
・一般財源に依存することなく安定的な運営を行ったことから、目標を達成した。
・なお、歳入に占める一般財源比率は0.01%以下(17,144千円)であるが、
この繰入金は特許特別会計法第7条に基づく登録免許税の納付の確認等の事務に 要
する経費であり、経費の性格上、一般財源への依存の有無とは無関係である。
<参考指標データ>
○平成13年度
歳入に占める一般財源比率
0.02%以下
(一般会計からの繰入額17,296千円)
Ⅱ.産業財産権行政の中・長期的目標に対する実績評価
1.迅速かつ的確な権利付与等
【目標】
・産業財産権行政の最大の使命は、「迅速かつ的確な権利付与」である。審査負担が増
大する中においても、「審査の質」を維持しながら、かつ権利付与の「迅速性」を確
保するという重要な課題に取り組むこと。また、特許庁の行う審判についても、 知
的財産紛争処理の迅速化が求められる中、適切な対応を図ること。
【実績】
-3-
・特許審査官22名の増員及び審査の効率化を図るために審査補助職員の拡充を行う
とともに、先行技術調査等の外部発注を拡大し、「審査の質」と「迅速性」の確保に
努めた。特に先行技術調査等の外部発注については、調査の的確性・効率性の向 上
を実現すべく、特許明細書の内容や先行技術の調査結果を調査実施者が審査官に 対
面で報告する方式を拡充(外注総件数に占める対話件数、平成13年度:56.0%
→ 平成14年度:66.2%)した。
・知的財産紛争処理制度の合理化を図るため、異議申立制度と無効審判制度の統合・
一本化、及び審決等取消訴訟係属中の訂正の機会の適正化といった審判制度改正 を
行った。
・知的財産紛争処理の迅速化を図るため、無効審判制度について、審決送達までのス
ケジュールを策定し、そのスケジュールに沿って審理を進める「計画審理」を推 進
した。
2.先端科学技術分野における権利取得の支援
【目標】
・ 先端科学技術4分野を含む重点8分野における特許取得を支援することは、企業や
大 学に よる戦 略的 な研究 開発 及び知 的財 産管理 を促 進し、 我が 国の産 業競 争 力 強 化
に 資す るもの であ る。し たが って、 当該 分野に おけ る適切 な権 利保護 に向 け た 審 査
基 準の 整備を 早急 に行う とと もに、 特許 庁の保 有す る特許 情報 の発信 ・普 及 に 努 め
ること。
【実績】
・平成14年度においては、重点8分野のうち「ライフサイエンス」分野において、
タンパク質の立体構造に関する審査基準の整備について検討を行い、平成15年 3
月に、タンパク質の立体構造情報に関連する発明の特許性について具体的判断事 例
を示した審査事例集を作成し、公表した。
・科学技術基本計画における重点4分野を含む8分野の日本の特許出願状況(公開件
数・登録件数)を特許庁ホームページにおいて毎月公表した。
・ より充実した特許情報の発信を図るため、平成14年10月から米国・欧州につい
て も重 点4分 野を 含む8 分野 の特許 出願 状況( 公開 件数・ 登録 件数) をホ ー ム ペ ー
ジで公表することを開始した。
3.国際協調の進展
【目標】
・国外への出願が増大する中で、出願人の負担軽減を図るには、各国の制度調和に加
えて、低コスト化・手続の簡素化に向けた国際的枠組みの構築が課題である。外 国
への出願の際のコストの削減は、我が国産業界が戦略的な出願を行う上での重要 な
基盤であるとの認識の下に、積極的かつ計画的に取り組むこと。
-4-
また、アジア諸国を中心に、模倣品等の知的財産権侵害品の被害が拡大し、我が
国企業の活動に深刻な影響を与えている状況を踏まえ、効果的な二国間協議や欧米
諸国との連携の強化等、産業財産権保護の国際的な実効性確保に取り組むこと。
【実績】
・世界知的所有権機関(WIPO)における議論に積極的に参加することにより、制度の
調和に向けた実体特許法条約に関する議論の進展に貢献した。
・WIPO における特許協力条約(PCT)の改革に関する委員会及びワーキンググルー プ
の会合に参加し、制度の効率化及びユーザーの利便性の向上に関する議論を主体 的
にリードした。
・出願の円滑な権利化とともに、各国特許庁の審査負担の軽減を図るため、先行技術
調査結果・審査結果の相互利用を含む各国特許庁との協力を推進した。特に、日 米
特許庁間において、平成14年6月に共同プロジェクトを立ち上げることに原則 合
意し、先行技術調査結果等の相互利用に関する試行的なプロジェクトを平成15 年
1月に開始した。
・日欧間でも、先行技術調査結果の相互利用に関するプロジェクトの検討を開始した。
・我が国産業及び国民の利益を守るべく、模倣品の被害が深刻な国に対して、二国間
交渉・多国間交渉を通じた働きかけを強化した。特に、中国の中央政府及び地方 政
府に対しては、「国際知的財産保護フォーラム」との連携により、官民合同ミッショ
ンを派遣し、模倣品取締りの強化を要請した。
・WIPO のエンフォースメント協議会の議論に積極的に参画し、模倣品対策の国際的強
化に努めた。
・アジア地域の途上国における知的財産権の保護強化(例えば、模倣品取締能力の向
上など)を図るため、研修生の受入れ(受入実績、平成13年度:212名 → 平
成14年度:230名)やセミナー開催等の人材育成協力を実施した。
4.知的財産権に関する普及啓発
【目標】
・知的財産権に関する普及啓発を強化するため、全国の小中学校、高校、大学等にお
ける知的財産教育の充実を支援するとともに、産業財産権制度等に関する各種の 普
及啓発のためのセミナーの充実を図ること。
【実績】
・児童及び生徒・学生向けのセミナー
(開催回数、平成13年度:142回 → 平成14年度:183回)
・知的財産教育用テキスト配布
(配布部数、平成13年度:71.5万部 → 平成14年度:83.4万部)
・工業所有権セミナー
(開催回数、平成13年度:182回 → 平成14年度:229回)
-5-
・知的財産権制度説明会
(開催回数、平成13年度:93回 → 平成14年度:96回)
5.円滑な手続のための環境整備
【目標】
・出願人等が各種手続を円滑に行い得る環境整備に努めるとともに、産業財産権関連
情報の提供の充実に努めること。また、利用者の満足が得られる相談業務の体制 を
整備するとともに、特許庁の行政サービスに対する利用者の意見を広く求める仕 組
みを整備すること。
【実績】
・特許庁保有データをより利用しやすい形で提供するため、経過情報等のデータにお
いては、その提供媒体を磁気テープから DVD-R に変更した。また、コンピュータ・
ソフトウエア関連の非特許文献の書誌的事項等について、マージナルコストでの 提
供を開始した。
・特許電子図書館において、意匠に係る物品名、意匠権者名等によるテキスト検索の
サービスを新たに平成14年7月から開始した。
【中・長期的目標に対する全般的な評価】
・産業財産権行政に係る中・長期的な課題に対する平成14年度の取組については、
以上のような実績から概ね着実に進展しているものと認められる。
・今後、中・長期的目標の設定にあたっては、可能な限り明確な目標設定をした上で、
その達成に向け、より一層の取組を推進していく必要がある。
《注》産業財産権という用語について
平成14年7月に決定された知的財産戦略大綱において、従来の「知的所有権」
という用語は、「知的財産」、「知的財産権」に、「工業所有権」という用語は「産業財産」、
「 産業 財産権 」に 、それ ぞれ 改める こと となり まし た。今 回の 実績評 価に おいて も、 可 能
な限り新しい用語を使用しています。
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