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超高速光エッジノード技術の研究開発
超高速光エッジノード技術の研究開発 ICTイノベーションフォーラム2012 2012年10月2日 日本電信電話株式会社 日本電気株式会社 富士通株式会社 三菱電機株式会社 100G-Project Confidential 講演内容 1. 100ギガビット光通信技術の研究開発概況 2. デジタルコヒーレント信号処理集積回路 3. コンセプトプルーフ評価実験 4. 実現要素技術 5. 今後の展望 6. まとめ 1 研究開発の目的と概要 超高速光エッジノード高速化に必須となるクライアント信号収容技術、100Gbps級光送受 信技術、及び宛先切替技術の確立を目指す。これら技術の確立によりネットワークの効率 化、低消費電力化を可能とし、国民生活の利便性向上や地球温暖化対策に貢献する。 課題[3] 宛先切替技術の 研究開発 クラウドコンピューティン グネットワーク データセンタ 光 ADM光 光 ADM 課題[2] 100Gbps級 光送受信技術の研究開発 光 ADM ADM 100G 超高速光エッジノード 100G 送受信器 宛て先切替部 100G 送受信器 100G クライアント信号 収容部 LAN 課題[1] クライアント 信号収容技術の研究開発 1GbE/10GbEthernet, FibreChannel, SDH,… 2 研究開発フォーメーション 超高速光エッジノード技術の研究開発 課題[1] クライアント信号収容技術の研究開発(富士通) 課題[2] 100Gbps級光送受信技術の研究開発 課題2-ア 100Gbpsデジタルコヒーレント信号処理方式の研究開発 課題2-イ 100Gbpsデジタルコヒーレント光送受信技術の研究開発 2-イ-1 光送受信技術の研究開発 2-ア-1 デジタルコヒーレント信号処理方式の研究開発 2-イ-1-1 受信フロントエンド技術の研究開発(NTT) 2-ア-1-1 デジタルコヒーレント信号処理技術 (NTT) 2-イ-1-2 モジュレーション技術の研究開発(NTT) 2-ア-1-2 デジタルコヒーレント波長分散補償技術 (NEC) 2-イ-1-3 光トランシーバ技術の研究開発(富士 通) 2-ア-1-3 デジタルコヒーレント偏波処理技術 (富士通) 2-ア-1-4 デジタルコヒーレント軟判定FEC技術 (三菱電機) 課題2-ウ 100Gbpsデジタルコヒーレント光伝送方式評価 技術の研究開発(NTT) 2-ア-3 デジタル信号処理統合検証技術の研究開発 (NTT) 2-ウ-1 クライアント信号処理部評価技術 2-ウ-2 システム評価技術(伝送実験等) 課題[3] 宛先切替技術の研究開発(富士通) 3 100ギガビット光通信技術研究の位置付け System capacity (bps) 1 P Digital Coherent Transport & DWDM 100 T 10 T 8Tb/s/fiber WDM & Optical Amplification 1T 100Gb/s/ch 100 G 10 G Electrical TDM 1 G 100 M 1980 1990 2000 2010 Digital Signal Processor 2020 Year of commercialization brings them reality. The development of concept‐proof 2nd gen. DSP is supported in part by the "R&D on High Speed Optical Transport System Technologies" of the Ministry of Internal Affairs and Communications of Japan. 4 デジタルコヒーレント信号処理集積化技術 【課題2-ア-3関連】 機能モデル/RTL統合モデルによる統合検証を行い、各技術課題にフィードバックを実施。各技術 を統合して試作を行い、統合リアルタイム動作検証を実施し、良好な特性を確認した。 14 Realtime Theory diff.-decode Q factor before FEC [dB] 12 10 8 6 機能/RTL統合モデル検証系およびエミュレータ外観 4 試作サンプル MUX LD 10 光変調 12 14 20:4 MUX SFI-S (20-lane) SFI-S (20-lane) OTL-4.10 /SFI-S Mod. X_Q X偏波 Y_I Mod. Y_Q 21lane TIA TIA ADC TIA ADC 光雑音 伝送路 負荷系 負荷系 90-deg. Hyb. 波長分散補償技術 偏波処理技術 軟判定FEC技術 OTL-4.10/SFI-S トレーニング信号処理技術 ADC 18 20 22 OSNR [dB] X_I ADC 16 -1 LO TIA -0.5 Y偏波 1 1 0.8 0.6 0.8 0.6 0.4 0.4 0.2 0 0.2 0 -0.2 0 0.5 1 -1 -0.5 -0.2 0 -0.4 -0.4 -0.6 -0.8 -0.6 -0.8 -1 -1 0.5 1 F.E. 統合リアルタイム動作検証系 試作サンプル外観 統合リアルタイム動作評価結果 5 LDPC FEC encoder De-Framer (LAN/WAN Conv.) 100G Ethernet Digital Signal Processor LSI SD/LDPC FEC decoder Adaptive equalizer MUX IC Framer (LAN/WAN Conv.) 100G Ethernet Training sequence Addition Framing 100G Optical modulator ADC 100GコヒーレントDSPの機能構成 100G Optical hybrid Line estimation Fixed equalizer 40nm CMOS ~100M Gates 6 100ギガビット光通信技術評価技術 【課題2-ウ-2関連】(1/2) ● フィールド敷設ファイバを用いた80ch WDM伝送を実施 ● フィールドWDM伝送に対する100Gデジタルコヒーレント信号処理LSIの適用性を実証 ● 高速波長分散推定技術による経路切り替え時の高速信号復旧動作を実証 100 GE analyzer OTN framer DSP (ENC) 20:4 MUX PDM IQ‐mod. Front‐ end Odd DSP (DEC) OTN framer 100 GE analyzer Sel. L‐band 40ch Even DF B Ich, PN 215‐1 IL IQ‐mod. DF B 2span系 Pol. MUX WSS WSS WSS Miura peninsula Qch, PN 215‐1 NTT‐EAST Yokosuka office DSF 70.4km 23 dB 70.4km 22 dB 70.4km 25 dB 70.4km 22 dB 70.4km 23 dB 70.4km 24 dB NTT Yokosuka R&D Center フィールド伝送評価系 7 100ギガビット光通信技術評価技術 【課題2-ウ-2関連】 (2/2) Real-time (w/o FEC) Offline Relative optical power [5dB/div.] 16 14 Q factor [dB] 12 10 8 6 4 2 0 1569 1574 1579 1584 1589 1594 Wavelength [nm] 1599 1604 80ch WDM伝送特性 8 担当課題 (NTT) 9 高速切替えを可能とする信号処理技術 【課題2-ア-1-1関連】 トレーニング信号を用いた高速波長分散推定のアルゴリズム・回路を開発。試作サンプルを 用いた統合評価により、偏波モード分散、周波数オフセット等の様々な劣化要因がある条件 において、高速・高精度に伝送路の波長分散を推定できることを確認した。 6 span 1,097 ps/nm Signal level [a.u.] Optical input Zero level Recovery time 12 msec Sync. 0 Sync. Error 10 20 30 最大正側ずれ 波長分散推定誤差[ps/nm] 2 span 350 ps/nm 最大負側ずれ 300 200 設計目標(上限) 100 0 -100 OTL lane alignment -200 設計目標(下限) error -300 -6 -4 -2 0 2 Zero 周波数オフセット[GHz] 40 level 4 6 Time [msec] 経路切り替え時の信号復旧 波長分散推定精度の評価結果 10 100ギガビットイーサ接続技術 【課題2-ウ-1関連】 10GbE信号を100Gへ多重化し光伝送フレームへ収容し評価伝送特性を評価するための フレーム処理回路を開発。10GbEクライアント信号を100Gへ多重し、内部で折り返し、1 00G信号を分離した後の信号についてエラーフリー(誤り率10-12以下)伝送を確認した。 LOS検出なし エラー、警報の検出なし(PCS) エラー、警報の検出なし(MAC) ペイロードエラーフリー確認 ペイロード同期はずれなし フレーム処理回路評価系の構成 評価結果例(10Gアナライザ画面) 11 100ギガビット光受信フロントエンド技術 【課題2-イ-1-1関連】 偏波分離を行う石英系PLC、高局発光下で動作する超高速InP PDアレー、制御機能を盛 り込んだInP-HBT TIAを小型集積して高性能な受信器を実現した。 CMRR [dBe] 0 -5 -10 -15 -20 -25 -30 -35 -40 石英系PLCを用いた 光偏波・位相制御 技術 InP/InGaAs PIN-PD を用いた高入力耐 性受光技術 InP HBT ICを用いた 低歪み・制御機能 付きTIA技術 Y-pol 5 10 15 XIn XQp XQn YIp YIn 20 25 30 Frequency [GHz] 14 13 12 11 10 9 8 7 6 OSNR=16dB OSNR=18dB Q‐value (dB) X-pol 0 XIp 集積光受信器 復調された100G-PDMQPSK光信号 -20 -15 -10 -5 Signal Input Power (dBm) 0 12 100ギガビット光モジュレーション技術 【課題2-イ-1-2関連】 優れた光回路機能を持つ石英系PLCと高速なLiNbО3位相シフタアレイを実装して、小型 で高性能な100G DP-QPSK変調器を実現。コヒーレント信号送信動作も良好であること を確認した。 14 13 Q [dB] 12 石英系PLCとLiNbО3素子の基本実装構造 11 10 9 8 7 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 OSNR [dB] (Res=0.1nm) 100G DP-QPSK変調器 変調信号Q値の 光雑音付加耐力 13 担当課題 (NEC) 最大20,000ps/nmの光ファイバ伝送路(約1,000km)で生じる波長 分散歪を受信端でデジタル信号処理により等化する回路を開発する 機能の位置づけ 14 大規模歪補償FDE回路の課題と 解決へのアプローチ 規模縮減する4技術 補償分散量の増大 クロックアップ方式 所定量のオーバーラップ数の確保 FFT構成最適化 面切り替え方式 FFT/IFFTが大規模化 論理セル最適配置 論理セル組み合わせ最適化に より速度劣化なしに電力削減 論理セル 動作速度 漏れ電流 高Vtセル 低速 小 標準Vtセル 中間 中間 低Vtセル 高速 大 13~18% 削減 52~60% 削減 最適に 組合せ 15 長距離光伝送システムにおける 分散補償効果の検証 歪補償により、光雑音限界にほぼ等しい特性 3,350kmファイバ伝送路 送信側 デジタル回路 復調 回路 分散 補償部 100G 光送信部 100G 光受信部 光雑音限界特性 伝送時特性 16 担当課題 (富士通) 光トランシーバ技術 誤り訂正 復号化 処理部 偏波 処理部 100G 光送信部 伝送路 推定部 分散 補償部 偏波処理技術 アナログ デジタル変換部 デジタル信号処理LSI デフレーマ (LAN/WAN変換) 100Gイーサ信号 トレーニング 信号 付加部 多重化部 フレーマ (LAN/WAN変換) 100Gイーサ信号 誤り訂正 符号化 処理部 100G 光受信部 17 デジタルコヒーレント偏波処理技術 【課題2-ア-1-3関連】 目標:・20kHzの高速偏波変動追従性能、50psの偏波分散耐力、2.5GHzの周波数オフセット耐力を有する処 理回路を設計 成果:・フィルタ係数重心最適化によるtap数削減とレーン平均数最適化により目標偏波追従特性を実現 4乗法の4倍の周波数オフセット推定範囲をもつPADE法により目標周波数オフセット耐力を実現 ・50kHz偏波変動下での評価で、DGD/SOPMD・周波数オフセット(±2.5GHz)を与えた評価においても 信号品質に影響がないことを確認 偏波処理部評価系 DGD/SOPMD負荷によるQ値劣化量(実測値) 周波数オフセット耐力( 実測値) 18 100キガビット光トランシーバ技術 【課題2-イ-1-3関連】 内容:・ブレッドボード型光トランシーバを作製、基本性能評価とオフライン実験を実施 ・高周波配線技術・実装技術確認用に評価ボードを設計し、受信フロントエンドとCMOS試作回路を 32Gbaudの超高速アナログ配線で接続、特性評価を実施し、高周波配線技術・実装技術の確立を確認 ・上記結果を踏まえて、OIF規格に準拠した形状でオンボード型光トランシーバを実現 成果:・評価ボードを使用して100Gアナライザを信号源としたオンボード型光トランシーバ模擬評価系を構築し、 100Gbpsリアルタイム信号疎通でエラーフリーとなり、高周波配線技術の確立を確認 ・オンボード光トランシーバにおいて模擬評価系と比較して良好なOSNR特性を確認し、オンボード型光トラ ンシーバ技術を確立 ブレッドボード型光トランシーバ オンボード型光トランシーバ 模擬評価系 オンボード型光トランシーバ外観 OSNR特性比較 19 参考: 課題[1]クライアント信号収容技術 課題[3]宛先切替部 -ビルディングブロック構成型 宛先切替技術 成果 クライアント信号収容部、 宛先切り替え部をFPGAに実装 した100Gbps動作の評価 ボードを試作し、パケットスイッ チ比1/4の電力消費量を実 現 HO ODU/LO ODU デマップ(抽出)部 回線 品質監視 信号分岐 挿入制御 OTNフレーム出力 100Gbps ビルディングブロック処理部 OTNフレーム入力 100Gbps ・・ タイムスロット アサインメント処 理部 ビルディングブロック処理部 内容 -LO ODU信号を同一周期を持 つ共通フレームに変換し、複数 フレームを連動させる技術 タイムスロット アサインメント処 理部 (宛先切替部) LO ODU/HO ODU マッピング(収容)部 OTNフレーム出力 100Gbps HO ODU/LO ODU デマップ(抽出)部 LO ODU/HO ODU マッピング(収容)部 OTNフレーム入力 100Gbps クライアント/LO ODUマップ・デマップ ジッタ抑圧 OTNフレーム出力 100Gbps OTNフレーム入力 100Gbps OTU / HO ODU収容部 共通フレーム 信号変換部 ・・ 共通フレーム 信号変換部 OTU / HO ODU抽出部 共通フレーム 信号変換部 共通フレーム 信号変換部 ・・ 共通フレーム 信号変換部 共通フレーム 信号変換部 可変 ODUフレーム処理部 100Gbs動作の超高速光エッジノード 評価ボード LO ODU 収容部 ・・ LO ODU 収容部 LO ODU 抽出部 ・・ LO ODU 抽出部 クライアント 信号受信部 ・・ クライアント信号受信部 クライアント 信号送信部 ・・ クライアント信号送信部 クライアント信号入力 GbEthernet、SDH STM16など クライアント信号出力 GbEthernet、SDH STM16など 課題 [3] 課題 [1] 20 担当課題 (三菱電機) デジタル信号処理LSI デフレーマ (LAN/WAN変 換) 100Gイーサ信号 トレーニング 信号 付加部 2-ウ-1 誤り訂正 復号化 処理部 偏波 処理部 2-アー1、2-アー3 NEC 多重化部 フレーマ (LAN/WAN変 換) 100Gイーサ信号 誤り訂正 符号化 処理部 富士通 100G 光送信部 アナログ デジタル変換部 NTT 三菱電機 100G 光受信部 伝送路 推定部 分散 補償部 2-ア-2 2-イ 21 ⇒・「3重連接FEC」 を考案 ・LDPC 符号を内符号とし、BERの悪い領域 で性能を発揮 ・強力な外符号で BERの良い領域のエラー フロアを取り除く 誤り訂正後 BER ⇒50ビット中1ビットのエラーを訂正する能力 ~10-3 内符号 Payload OTU4V フレーム 外符号 訂正前 BER 13% LDPC 7% 硬判定FEC ネット符号化利得 x ビットレート積 (Gb/s) 誤り訂正技術(3重連接FEC) 104 103 102 シャノン限界 100Gb/s 40Gb/s 10Gb/s 本成果 2.5Gb/s 10G 10G 101 2.5G 100 内符号 外符号 復号アルゴリズム 繰返し復号回数 冗長度 ネット符号化利得 Qリミット 100G 40G x1.4/年 硬判定 連接符号 軟判定 ’86 ’90 ’94 ’98 ’02 ’06 ’10 ’14 年 Irregular QC-LDPC (4608, 4080) 硬判定連接符号(ITU-T G,975.1) Variable Offset Belief Propagation 16 20.5% (13% LDPC + 7% 硬判定FEC) 10.8dB @BER=10-15 6.4dB 22 開発した軟判定FECの効果 開発したFECの効果(例) 多数の伝送路で効果を検証.従来FECできなかった距離の伝送が可能に Qバジェットを満たす領域 12 硬判定RS(255,239) 10 8 硬判定 連接符号FEC マージン3dB 本開発の3重連接FEC 6 4 シャノン限界 (20%). 2 0 2000 4000 6000 8000 10000 40G 100G 成果の展開 本研究成果の軟判定FEC技術を搭載した製品の実システムへの導入を開始 23 国際競争力強化に向けた到達点と 今後の展望 Confirmation of interoperability among several vendors. Commercia lization Product developme nt Feasibility study Contribution to the world industry Fast recovery from optical The concept proof route switching 100G 2nd-gen. DSP Standardiz ation Applied Research Basic Research Dispersion compensation Evaluation Polarization control Optical modulation Error correction High-speed ADC 2007 2008 Product development by respective companies Digital signal processing Dispersion estimation 2009 Integration by “open innovation” with a support of MIC key technologies for 100G Digital Coherent Optical Transmission 2010 2011 2012 2013 24 まとめ 100ギガ光通信技術確立に向けたこれまでの取組みをご紹介 しました。 一連の研究開発を通して得られた成果、到達点をご紹介する とともに、今後の展開について言及しました。 今後の継続的な国際競争力強化に向けて引続き各方面のご 支援、ご協力のほどよろしくお願いいたします。 25