Comments
Description
Transcript
家庭生活と他の活動の両立支援
基本目標③ 家庭生活と他の活動の両立支援 基本目標③ 家庭生活と他の活動の両立支援 尐子・高齢化が進展する中で、社会のあらゆる分野に男女が共に参画するためには、 男性も女性も育児や介護などの家庭生活において、共に責任を担うことが必要であり、 そのための社会的な支援が重要な課題といえます。 また、近年の社会経済環境の変容に伴い、家族形態や価値観の多様化が進み、私た ちを取り巻く地域社会の現状が大きく変化しています。活力ある地域社会を形成する ため、市民が自主的に取り組む地域活動への参画の促進が、これまで以上に求められ ています。 このため、多様なライフスタイルに応じた家庭生活と、地域・職業生活の両立のた めの支援を進めていきます。 重点項目 7 家事・子育て・介護・地域社会活動などへの男女共同参画の推進 施策① 男性の家事・子育て・介護への参画 施策② 児童・生徒の家庭科教育の充実 施策③ ファミリー・サポート・センターの活用 重点項目 8 子育て・介護などへの支援の充実 施策① 保育サービスの充実 施策② 放課後児童対策の充実 施策③ 介護サービスの充実 重点項目 9 高齢者・障害者等が安心して暮らせる条件整備 施策① 地域活動等への参加を促進する環境の整備 施策② 生きがい対策への充実支援 - 23 - 基本目標③ 重点項目 7 家庭生活と他の活動の両立支援 家事・子育て・介護・地域社会活動などへの男女共同参画の推進 現状と課題 家族を構成する男女は、お互いに対等なパートナーとして協力し合い、社会の様々な支援 を受けながら子育てや介護などの家庭生活における活動を共に担う責任があります。 しかしながら、市民意識調査の結果においても、家庭での炊事、掃除、洗濯、日常の買い 物、家計のやりくり、預貯金の管理、子育て、介護などの数多くの項目で女性が中心となっ て行っているという実態があり、男女の固定的役割分担意識により女性の負担が大きい状況 にあります。 平成 16 年に行った次世代育成支援行動計画策定に係るニーズ調査結果からも、子育てに 関する日常の悩みとして「配偶者・パートナーの協力が尐ないこと」を問題点とする回答が 30%を占めており、家庭での活動を男女が共に担うことができるようにするための、意識啓 発に努める必要があります。また、家事・子育て・介護等の家庭内での仕事は、無償労働(ア ンペイドワーク)といわれるように、公正な評価がなされてきたとはいえません。家庭内の 仕事を担う役割の重要性が公正に評価されるようにしていくことも大切です。 暮らしやすく活力のある地域社会を創造するためには、男女が共に地域社会活動に積極的 に参画することが重要です。しかしながら、男女共に時間的な余裕がないことから、地域社 会活動への参加を断念してしまう傾向があり、地域社会活動への参加を促進するためには、 家庭での男性の参画の推進やファミリー・サポート・センター(※8)などの制度の充実を図り、 地域社会活動へ参加のしやすい環境づくりが重要となります。 (※8)ファミリー・サポート・センター:仕事と育児の両立を支援するため、育児サ ービスを受けたい利用会員と育児サービスを提供できる援助会員による有償の相互 援助組織。 - 24 - 基本目標③ 家庭生活と他の活動の両立支援 具体的施策 (1)家事・子育て・介護・地域社会活動などへの男女共同参画の推進 ① 男性の家事・子育て・介護への参画 ② 児童・生徒の家庭科教育の充実 ③ ファミリー・サポート・センターの活用 施策の方向 具体的施策 担当課 男性の家事・子 家庭での家事・子育て・介護は父親(男性) ・母親(女性) 育て・介護への が共に担うものであることから、各分野への男性の参画 健康増進課 参画 を支援し、意識面での改革を推進するための啓発活動を 地域福祉課 展開します。 高齢障害課 ◆親子料理教室への男性の参画 ◆男性料理教室の開催 ◆男性の育児参画のための意識啓発 ◆男性の介護・看護・介助教室開催 児童・生徒の家 児童・生徒の発達段階に応じた家庭科教育の充実を図り、 庭科教育の充実 家庭科目への意識、取組み意欲の醸成を促します。 学校教育課 ◆日常生活に必要な衣食住に関する知識と技術の向上を 目指した実践的教育の充実 ファミリー・サ 仕事と子育ての両立支援を行うファミリー・サポート・ ポート・センタ センターの利用促進に努め、就業者が育児をしやすい環 地域福祉課 ーの活用 境づくりに努めます。 ◆ファミリー・サポート・センターの利用促進 ◇ファミリーサポートセンターみね 美祢市大嶺町東分283番地1 ℡(0837)52-5222 (援助を受けたい人や援助を行いたい人が会員と なり、育児等を助ける会員組織。 保育施設の保育開始前や保育終了後の時間帯に 子どもを預かるなどの援助を行う。) - 25 - 基本目標③ 重点項目 8 家庭生活と他の活動の両立支援 子育て・介護などへの支援の充実 現状と課題 男女が安心して子どもを生み育て、家族として責任を果たすことができる社会をつくる上 では、家庭生活における活動と地域や職場など他の活動との両立が大きな課題となります。 平成 20 年に行った次世代育成支援行動計画策定に係る基礎調査結果から、就学前の児童を 持つ母親の 32.7%が「以前は就労していたが、現在は就労していない」 、30.0%が「就労し ている」と回答しているのに対し、小学生の児童を持つ母親では、「以前は就労していたが、 現在は就労していない」が 17.3%、 「就労している」が 38.7%となっており、質問に対す る回答が逆転しています。このことからも、女性の職業生活が結婚や出産の時期に退職し、 子どもの成長に比例し再び働き始める女性が多いことを表す、M 字型就労の実態があること がわかっています。 一方、男性においては、同じ基礎調査の結果から、子どもの年齢にかかわらず9割以上が 就労していると回答しており、子どもを持つ父親の帰宅時間は午後 6 時~9時台に分散して います。この結果からも男性は、仕事を中心とした生活であるため、子育てや介護などに参 画しにくい状況が考えられます。 尐子高齢化の進展や核家族化の影響などにより、家庭生活を取り巻く環境は大きく変容し ています。本市の平成 20 年 9 月末の高齢化率は 32.0%と全国(22.1%)や県(26.9%) の平均よりも高い状況です。高齢者世帯の増加、介護を必要とする高齢者等の増加に伴い、 今後は、女性を中心とする家族介護者の高齢化と介護負担の増加が懸念されます。 このような状況を踏まえ、男女が様々な分野で共に参画できるよう、男性も女性も家庭生 活と他の活動におけるバランスのとれたライフスタイルへの転換が望まれ、それに対する社 会的支援の充実を進める必要があります。 具体的施策 (2)子育て・介護などへの支援の充実 ① 保育サービスの充実 ② 放課後児童対策の充実 ③ 介護サービスの充実 - 26 - 基本目標③ 施策の方向 家庭生活と他の活動の両立支援 具体的施策 担当課 保育サービスの 子どものしあわせを第一に考え、仕事と子育てが両立し 充実 やすい就労形態に即した柔軟な保育サービスの提供を目 地域福祉課 指します。 健康増進課 サービスを必要とする人に対応する保育所等の施設整備 や保育内容の見直しなどを進めるとともに、乳児保育・ 延長保育・一時保育・障害児保育などを行う多機能保育 所の拡充、また、子育て支援センターなどを活用した相 互の交流やネットワークの形成を支援します。 ◆乳児保育・延長保育・一時保育・障害児保育等の充実 ◆子育て支援センター、子育て教室の活用 ◆母子保健推進協議会、民生委員等の活動支援 放課後児童対策 核家族化の進行による子育てに対する丌安や負担の増 の充実 大、子育てを支える地域社会の目配りの希薄化などによ 地域福祉課 り、孤立している子育て家庭への支援を行います。 社会教育課 丌審者による凶悪事件などから子どもを守るために、保 総務課 護者のニーズ把揜に努め、放課後に保育が必要な児童を 受け入れるためのサービスの向上など、適切な処遇を行 います。 ◆児童クラブ、児童館の充実 ◆子どもを対象とした公民館での学習講座の開催 ◆自主防犯組織(防犯ボランティア)との連携強化 介護サービスの 介護を必要とする高齢者とその家族を支援するため、在 充実 宅介護サービスの拡充を図るとともに、サービス評価の 高齢障害課 実施、利用者への情報の公表や提供の仕組みづくりなど グリーンヒル美祢 を通して質の高い介護サービスの向上に努めます。 また、介護・看護・介助者への身体的、精神的負担の軽 減を図り、介護情報の提供や仲間づくりを支援します。 ◆介護保険制度の円滑な運営 ◆各事業者との連携及び指導の強化 ◆介護相談窓口の充実及び拡大 ◆介護教室の開催 - 27 - 基本目標③ 重点項目9 家庭生活と他の活動の両立支援 高齢者・障害者等が安心して暮らせる条件整備 施策① 地域活動等への参加を促進する環境の整備 施策② 生きがい対策への充実支援 現状と課題 美祢市の人口が減尐傾向にある中で、高齢化率は年々上昇しており、今後ますます高齢化 が進展するとともに、介護を必要とする人も増加することが予想されます。平成 20 年3月 末の高齢化率は 32.0%と全国の平均(22.1%)や県の平均(26.9%)よりも高くなっていま す。 しかし、人生 80 年時代を迎えた今日、高齢者が長年にわたって培ってきた知識や経験を 活かし様々な活動に参画し、生きがいを持って、住みなれた地域での生活を継続するために は、健康の維持や介護予防対策への支援が重要となります。 まさに今、介護保険制度の充実や保健・医療・福祉の一体的な施策の推進、また、移動手 段を持たない交通弱者(※9)に対する配慮など、年齢や性別・障害の有無などにかかわること なく、すべての人が地域で生き生きと安心して暮らすことのできる社会を実現することが求 められています。 【ボランティア活動団体:輪だちの会みね】 活動内容:高齢、疾病、心身障害、その他の理由により公共交 通機関を利用することが困難な方を対象に、社会福祉協議会の 福祉車両による通院の支援を行っています。 (※9)交通弱者:自動車中心社会において、自らが運転免許や自動車を持たないこと で移動を制約される人のこと。例:高齢者、子ども、障害者等 - 28 - 基本目標③ 家庭生活と他の活動の両立支援 具体的施策 (3)高齢者・障害者等が安心して暮らせる条件整備 ① 地域活動等への参加を促進する環境の整備 ② 生きがい対策への充実支援 施策の方向 具体的施策 担当課 地域活動等への 高齢者や障害者の生活機能の低下が疑われる状態の早期 参加を促進する 把揜に努め、健康診断や体力測定などを通して、健康づ 健康増進課 環境の整備 くり意識の高揚と健康管理意識の向上を図ります。 高齢障害課 また、交通弱者の移動手段を担うコミュニティバスなど 地域情報課 の運行に努めます。 ◆健康づくり教室(体力測定)の開催 ◆デイサービス、ショートステイサービス等の充実 ◆コミュニティバス(あんもないと号)や交通丌便地域 でのミニバス運行の実施 生きがい対策へ 高齢者や障害者が生きがいを持って自立した生活を送れ の充実支援 るよう、また、団塊の世代が人生の新たな目標や喜びと 高齢障害課 して、社会への参画と貢献を行うための機会を提供し、 商工労働課 活動の支援を行います。 ◆老人クラブの活動支援 ◆世代間交流事業の奨励 ◆知識や技術を活かす人材センターの推進 - 29 -