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1)コンピュータシミュレーションを用いた薬物設計および違法薬物等の
29
Bull. Natl. Inst. Health Sci., 128, 29-33(2010)
Special Report
1)コンピュータシミュレーションを用いた薬物設計および違法薬物等の活性予測
栗原正明
Computational study on drug design and prediction of bioactivity for regulation of
non-controlled psychotropic substances
Masaaki Kurihara
We demonstrated design and synthesis of rescue ligands for agonists of the mutant vitamin D
receptor(Arg274Leu)
, and performed QSAR study of non-controlled psychotropic substances and
docking study of non-approved or unauthorized pharmaceuticals, inhibitors of human phosphodiesterase
5(PDE5)using computer simulation.
Keywords: drug design, mutant vitamin D receptor(Arg274Leu), QSAR, non-controlled psychotropic
substances, non-approved or unauthorized pharmaceuticals
はじめに
病があり,これらの疾病は遺伝子の変異によって起きる
ここでは2つのトピックについて書く.ひとつはコン
もので,難病とされているものが多い.ビタミンDレセ
ピュータシミュレーションによる薬物設計であり,もう
プター(VDR)の変異(Arg274Leu)により遺伝性ビ
一つはQSAR(定量的構造活性相関)等を用いた違法薬
タミンD抵抗性くる病が発症する.
物の規制についてである.共通のキーワードは「予測」
ビタミンDレセプターは核内レセプターのひとつで,
である.薬物を設計するためには,設計した分子が「ど
骨代謝,免疫調節等の作用を転写レベルで制御してい
のような構造をとるか?」
,
「タンパク質とどのような相
る.そのリガンドは活性型ビタミンD3(1a,25(OH)
2D3)
互作用をするか?」を予測しなくてはならない.信頼で
である.(Fig. 1)VDRと活性型ビタミンD3の複合体は
きる予測ができないと,複雑な分子の合成に踏み込む勇
4つの水素結合を形成していることが明らかになってい
気がわかない.薬物設計の例としては変異ビタミンD受
る.
2)
᛫(Fig.
ᕈߊࠆ
∛߇⊒∝ߔࠆ㧚
容体救済型リガンドの設計に絞って述べる.一方,違法
その中でもリガンドの1a-ヒドロキシ基とArg274のグ
ࡆ ࠲ ࡒ ࡦ D ࡟ ࠮ ࡊ ࠲ ࡯ ߪ ᩭ ౝ ࡟ ࠮ ࡊ ࠲ ࡯ ߩ ߭ ߣ ߟ ߢ 㧘㛽
な薬物を迅速に規制するためにはQSARやドッキングス
タディによる活性予測は有効である.動物試験や生物学
ア ジ ノ 基 間 で の 水 素 結 合 が 特 に 重 要 で あ る. 変 異
ઍ⻢㧘఺∉⺞▵╬ߩ૞↪ࠍォ౮࡟ࡌ࡞ߢ೙ᓮߒߡ޿ࠆ㧚ߘ
(Arg274Leu)によりこの水素結合ができずリガンドは
的試験を行うことが最善であるが,それには多くの時間
ߩ ࡝ ࠟ ࡦ ࠼ ߪ ᵴ ᕈ ဳ ࡆ ࠲ ࡒ ࡦ D 3 㧔 1D,25(OH) 2 D 3 㧕 ߢ ޽ ࠆ 㧚
レセプターに結合しにくくなり,遺伝性ビタミンD抵抗
が必要となる.ここでは違法な薬物の活性予測について
㧔 Fig. 1㧕VDR ߣ ᵴ ᕈ ဳ ࡆ ࠲ ࡒ ࡦ D 3 ߩ ⶄ ว ૕ ߪ 4 ߟ ߩ ᳓ ⚛
性くる病が発症する.それを改善するために別の位置で
の実際の例を述べる.
水素結合を形成するようリガンドを設計すれば失われた
⚿ ว ࠍ ᒻ ᚑ ߒ ߡ ޿ ࠆ ߎ ߣ ߇ ᣿ ࠄ ߆ ߦ ߥ ߞ ߡ ޿ ࠆ 㧚㧔 Fig. 2㧕
1.変異ビタミンD受容体救済型リガンドの設計
1−1 2位a置換活性型ビタミンD3誘導体リガンド
25
近年,癌の分子標的薬等の様にタンパク質の変異によ
H
って引き起こされる様々な疾病に対する薬物の開発が注
目されている.核内レセプターの変異によって起こる疾
To whom correspondence should be addressed:
Masaaki Kurihara: 1-18-1 Kamiyoga, Setagaya-ku, Tokyo
158-8501, Japan; Tel: +81-3-3700-1141; Fax: +81-3-3707-6950;
E-mail: [email protected]
H
1
3
HO
2
OH
Fig. 1 VDR-LBD
and and
1a,25
(OH)
Fig. 1. VDR-LBD
1D,25(OH)
2D32 D 3
OH
ߪ ߓ ߼ ߣ ߒ ߡ ᐞ ߟ ߆ ߩ ࡝ ࠟ ࡦ ࠼ ࠍ ⸳ ⸘ 㧘 ว ᚑ ߒ ߚ 㧚 2,
1
3
HO
2
OH
3)
޿
ߕࠇ߽㧘ᄌ⇣ߦࠃߞߡᄬࠊࠇߚ⋧੕૞↪ࠍ⵬߁ࠃ߁ߦಽሶ
30
国
Fig. 1. VDR-LBD and 1D,25(OH) 2 D 3
立
ߣߦࠃࠅ⚿วࠍᒝ߼ࠆᢇᷣ
ဳߩ࡝ࠟࡦ࠼ߢ޽ࠆ㧚
衛⸳ ⸘ ߔ
研ࠆ ߎ 報
第128号(2010)
Ser237
Ser278
ߘ ߩ ਛ ߢ ߽ ࡝ ࠟ ࡦ ࠼ ߩ 1Į-ࡅ ࠼ ࡠ ࠠ ࠪ ၮ ߣ Arg274 ߩ ࠣ ࠕ ࠫ
HO
ࡁ ၮ 㑆 ߢ ߩ ᳓ ⚛ ⚿ ว ߇ ․ ߦ ㊀ ⷐ ߢ ޽ ࠆ 㧚ᄌ ⇣㧔 Arg274Leu㧕
2
OH
X
O
Tyr143
Leu274
ߦࠃࠅߎߩ᳓⚛⚿ว߇ߢ߈ߕ࡝ࠟࡦ࠼ߪ࡟࠮ࡊ࠲࡯ߦ⚿ว
Arg274
ߜ㧚ߥ ߺ ߦ 㧘 2 ૏ Į ⟎ ឵ ᵴ ᕈ ဳ ࡆ ࠲ ࡒ ࡦ D 3 ⺃ ዉ ૕ ߪ ᱜ Ᏹ ߥ
ߒ ߦ ߊ ߊ ߥ ࠅ 㧘ㆮ વ ᕈ ࡆ ࠲ ࡒ ࡦ D ᛶ ᛫ ᕈ ߊ ࠆ ∛ ߇ ⊒ ∝ ߔ ࠆ
Asp144
HO
Fig. 2 1a,25
(OH)
bound
totoVDR
Fig. 2. 1D,25(OH)
VDR
2D32 D
3 bound
ߘࠇࠍᡷༀߔࠆߚ߼ߦ೎ߩ૏⟎
ߢ᳓
⚛ ⚿ ว ࠍ ᒻ ᚑ ߔ ࠆ ࠃ VDR
߁
ߦ ߽ ᒝ ޿ ᵴ ᕈ ࠍ ᜬ ߞ ߚ ࡝ ࠟ ࡦ ࠼ ߣ ߥ ࠆ 㧚 3)
࡝ࠟࡦ࠼ࠍ⸳⸘ߔࠇ߫ᄬࠊࠇߚ᳓⚛⚿วࠍ⵬߁ߎߣ߇ߢ߈
水素結合を補うことができると考えた.そのためにA環
ࠆの2位に3-ヒドロキシプロポキシ基を導入した.
ߣ ⠨ ߃ ߚ 㧚ߘ ߩ ߚ ߼ ߦ A Ⅳ ߩ 2 ૏ ߦ 3-ࡅ ࠼ ࡠ ࠠ ࠪ
ࡊࡠࡐ
(Fig.
ߜ ߥ ߺ ߦ 㧘 2 ૏ Į ⟎ ឵ ᵴ ᕈ ဳ ࡆ ࠲ ࡒ ࡦ D3 ⺃ ዉ ૕ ߪ ᱜ Ᏹ ߥ
VDR ߦ ߽ ᒝ ޿ ᵴ ᕈ ࠍ ᜬ ߞ ߚ ࡝ ࠟ ࡦ ࠼ ߣ ߥ ࠆ 㧚 3 )
chain
㧝 㧙 㧞 ࡁ ࡦanchor
࠮ ࠦ ࠬside
࠹ࡠ
ࠗ࠼ဳ࡝ࠟࡦ࠼
ࠠ3)
ࠪ ၮ ࠍ ዉ ౉ ߒ ߚ 㧚㧔 Fig. 3㧕
at C2 D on t he A-ring
⪺ ⠪㧝╬
࠮ࠦ
ࠬࠦ
࠹ࠬࡠ
࠼࠼
㛽ဳᩰ
࠲ࡒ ࡦ D ߩ ၮ ᧄ 㛽 ᩰ 㧕
㧙ߪ
㧞 ࡁ
ࡦ࠮
࠹ࠗ
ࡠࠗ
࡝㧔
ࠟࡆ
ࡦ࠼
⪺࡝
⠪╬
ࠦߩ
ࠬ࠹
࠼⸳
㛽ᩰ
࠲ᚑ
ࡒ㧕
ࡦࠍ
Dߩ
ᧄߡ
㛽޿
ᩰ㧕
D144
ࠍᜬߚߥ
ࠟߪ
ࡦ࠮࠼
ഃࡠ
⵾ࠗ㧔
⸘㧔
ߣࡆว
ⴕၮߞ
ࠆ㧚ߔ
4
OH
H
ࠍᜬߚߥ࡝ࠟࡦ࠼ߩഃ⵾㧔⸳⸘ߣวᚑ㧕ࠍⴕߞߡ޿ࠆ㧚ߔ
ߢ ߦ YR301㧔 Fig. 5㧕 ߇ ᵴ ᕈ ဳ ࡆ ࠲ ࡒ ࡦ D 3 ߦ ඘ ᢜ ߔ ࠆ ォ ౮
ߢ ߦ YR301㧔 Fig. 5㧕 ߇ ᵴ ᕈ ဳ ࡆ ࠲ ࡒ ࡦ D 3 ߦ ඘ ᢜ ߔ ࠆ ォ ౮
R274L
ne w
ᵴᕈ߇޽ࠆߎ
ࠍg en
⷗ ޿ ߛ ߒ ߚ 㧚4 )4 ) ߐ ࠄ ߦ VDR-LBD ߣ
hyߣ
dro
H
ᵴᕈ߇޽ࠆߎߣࠍ⷗޿ߛߒߚ㧚
3
HO
A
2
b on ds
ߐ ࠄ ߦ VDR-LBD ߣ
5)
)
ߘ⚿ߩว⚿
᭽੐ᑼ ߪ ੐
YR301YR301
ߩ X ߩ✢X᭴✢ㅧ
ᨆᨆߦߦ߽
ഞߒ
ߒߚߚ
ߘߩ
᭽ว
ᑼߪ
᭴⸃
ㅧ⸃
߽ᚑ
ᚑഞ
㧚5㧚
1
Fig.
structure
of the
rescue
to
Fig. 4 Modeling
4. Modeling structure
of the
rescue
ligandligand
bound bound
to mutant
OH
O
anchor side chain
mutant
VDR(Arg274Leu)
ߦߒ
੍᷹
ߒ
ࡕ࡝
࠺࡝
ߩ᭴
᭴ㅧ
ߣࠃ
৻ߊ
⥌ߒ
೨ ߦ ੍೨
᷹
ߚ
ࡕߚ࠺
ࡦࡦ
ࠣࠣߩ
ㅧ㧔
㧔Fig.
Fig.6㧕6㧕
ߣߊࠃ
৻ߚ
⥌㧚ߒ ߚ 㧚
VDR(Arg274Leu)
HO
Fig.Fig.
3 2a(3-Hydroxypropoxy)-1a,25-vitamin
3. 2D-(3-Hydroxypropoxy)-1D,25-vitamin
D 3 D3
(S)
(R)
HO
これはモデリングにより3-ヒドロキシプロポキシ基の
ߎ ࠇ ߪ ࡕ ࠺ ࡝ ࡦ ࠣ ߦ ࠃ ࠅ 3-ࡅ ࠼ ࡠ ࠠ ࠪ ࡊ ࡠ ࡐ ࠠ ࠪ ၮ ߩ ᧃ ┵
(S)
HO
末端水酸基がAsp144と水素結合することを予測したか
OH
O
OH
O
O
O
6
OH
(R)
OH
Fig. 5. Structure of YR301
᳓らである.
㉄ ၮ ߇ Asp144
᳓⚛⚿วߔࠆߎߣࠍ੍᷹ߒߚ߆ࠄߢ޽
(Fig. ߣ
4)タンパク質内のリガンドのコンフォ
Fig. 5 Structure of YR301
ࠆメーションは,プログラムMacroModel(Schrodinger,
㧚㧔 Fig. 4㧕 ࠲ ࡦ ࡄ ࠢ ⾰ ౝ ߩ ࡝ ࠟ ࡦ ࠼ ߩ ࠦ ࡦ ࡈ ࠜ ࡔ ࡯ ࠪ ࡚
Fig. 5. Structure of YR301
ࡦInc.)のコンフォメーショナルサーチ(条件:Mixed
ߪ 㧘ࡊ ࡠ ࠣ ࡜ ࡓ MacroModel㧔 Schrodinger, Inc.㧕ߩ ࠦ ࡦ ࡈ
MCMM/Low Mode, Amber*)を用いて求めた.コンフ
ࠜ ࡔ ࡯ ࠪ ࡚ ࠽ ࡞ ࠨ ࡯ ࠴ 㧔 ᧦ ઙ 㧦 Mixed MCMM / Low Mode,
ォメーショナルサーチで得られた最安定構造を結合モデ
Amber*㧕ࠍ ↪ ޿ ߡ ᳞ ߼ ߚ 㧚ࠦ ࡦ ࡈ ࠜ ࡔ ࡯ ࠪ ࡚ ࠽ ࡞ ࠨ ࡯ ࠴ ߢ
ルとした.実際このリガンドは変異VDR(Arg274Leu)
に対して活性型ビタミンDよりはるかに強く結合するこ
とが明らかとなった1).これをはじめとして幾つかのリ
ガンドを設計,合成した2, 3).いずれも,変異によって
失われた相互作用を補うように分子設計することにより
5
結合を強める救済型のリガンドである.
ちなみに,2位a置換活性型ビタミンD 3 誘導体は正
Fig. 6 Structure of YR301 bound to VDR-LBD.(dark:
x-ray structure, light: modeled structrue)
常なVDRにも強い活性を持ったリガンドとなる3).
は事前に予測したモデリングの構造(Fig. 6)とよく一
1−2 ノンセコステロイド型リガンド
致した.
著者等はセコステロイド骨格
(ビタミンDの基本骨格)
このノンセコ型のリガンドが救済型のリガンドにもな
を持たなリガンドの創製(設計と合成)を行っている.
る こ と を 見 い だ し た 6).YR301 の 立 体 異 性 体 で あ る
すでにYR301(Fig. 5)が活性型ビタミンD3に匹敵する
YR303(Fig. 7)と変位VDR(Arg274Leu)のモデリン
4)
転写活性があることを見いだした .さらにVDR-LBD
5)
とYR301のX線構造解析にも成功した .その結合様式
7
グの結果YR303の左側の末端の水酸基はSer237と水素結
合することが予測された.(Fig. 8)変異VDRを用いて
7
࠶ ࠻ ࠍ ↪ ޿ ߡ ⥸ ൻ ⹜ 㛎 ࠍ ⴕ ߞ ߚ 㓙 ߩ ᭴ ㅧ 㘃 ૃ ൻ ว ‛ 1㨪 10
ߣ ᄌ ૏ VDR㧔 Arg274Leu㧕ߩ ࡕ ࠺ ࡝ ࡦ ࠣ ߩ ⚿ ᨐ YR303 ߩ Ꮐ
ߩ ታ ᷹ ᵴ ᕈ ୯ 㧔 ED 5 0 ୯ 㧕 ࠍ ណ ↪ ߒ 㧘 ߘ ࠇ ߙ ࠇ ߩ ᣇ ᴺ ߢ 4-
஥ ߩ ᧃ ┵ ߩ ᳓ ㉄ ၮ ߪ Ser237 ߣ ᳓ ⚛ ⚿ ว ߔ ࠆ ߎ ߣ ߇ ੍ ᷹ ߐ
ࡔ ࠴ ࡞ ࡔ ࠻ ࠞ ࠴ ࡁ ࡦ 㩿11㪀䈱 ᵴ ᕈ ୯ ࠍ ੍ ᷹ ߒ ߚ 㧚 31
1)コンピュータシミュレーションを用いた薬物設計および違法薬物等の活性予測
ࠇ ߚ 㧚㧔 Fig. 8㧕 ᄌ ⇣ VDR ࠍ ↪ ޿ ߡ ォ ౮ ᵴ ᕈ ࠍ ᷹ ቯ ߒ ߚ ߣ
ߎ ࠈ ߢ ߪ YR303 ߪ ᵴ ᕈ ဳ ࡆ ࠲ ࡒ ࡦ D 3 ࠃ ࠅ ߽ 26 ୚ ߩ ᵴ ᕈ ࠍ
転写活性を測定したところではYR303は活性型ビタミン
␜ߒߚ
Ᏹ ߥ VDR ߦ ߅ ޿ ߡ ߪ Arg274 ߣ ᳓ ⚛ ⚿ ว ߒ ߡ ޿
D㧚ᱜ
3 よりも26倍の活性を示した.正常なVDRにおいては
O
Arg274と水素結合している末端水酸基がSer237と水素
ࠆᧃ┵
᳓ ㉄ ၮ ߇ Ser237 ߣ ᳓ ⚛ ⚿ ว ߔ ࠆ ߎ ߣ ߦ ࠃ ࠅ ᄬ ࠊ ࠇ
結合することにより失われた水素結合を補填していると
ߚ᳓⚛⚿วࠍ⵬Ⴏߒߡ޿ࠆߣ⠨߃ࠄࠇࠆ㧚ߎࠇߪ㎮⁁᭴ㅧ
考えられる.これは鎖状構造の柔軟性によるものであ
NHCH3
る.
ߩᨵエ
ᕈߦࠃࠆ߽ߩߢ޽ࠆ㧚
Fig. 9.
9 Methcathinone
Fig.
Methcathinone
活性予測は2つの方法で行った.ファーマコフォアフィ
ンガープリント法と2D-QSAR(定量的活性相関)であ
(R)
HO
O
(R)
る.
OH
た.活性が既知の化合物として1〜10の化合物を用い
O
OH
いずれも化学計算パッケージMOE(CCG社)を用い
Fig. 7 Structure of YR303
た.(Table 1) 活 性 値 は(+)-ア ン フ ェ タ ミ ン(1 mg/
Fig. 7. Structure of YR303
kg)で弁別したラットを用いて般化試験を行った際の
構造類似化合物1〜10の実測活性値(ED50 値)を採用
し,それぞれの方法で4-メチルメトカチノン(11)の活性
HO
O
O
HO
OH
Arg274
Leu274
Ser237
OH
値を予測した.
Ser237
NH2
NHCH3
1. Amphetamine
2. Methamphetamine
N(CH3)2
3. Dimethylamphetamine
10
O
O
NH2
4. Cathinone
O
NHCH3
NHCH2 CH3
5. Methcathinone
6. Ethcathinone
O
O
NHCH2CH2 CH3
8
O
NH2
O
7. Propylcathinone
8. MDA
NHCH3
O
9. MDMA
O
O
Fig.
8. Modeling
structure
of YR303 of
bound
to mutant
VDR(Arg274Leu)
Fig.
8 Modeling
structure
YR303
bound
to mutant
NHCH3
O
VDR(Arg274Leu)
10. Methylone
Fig. 10
Fig. 10.
ߎߎߢ␜ߒߚᢇᷣဳ࡝ࠟࡦ࠼ߩᣇᴺ⺰ߪઁߩᄌ⇣࠲ࡦࡄࠢ
ここで示した救済型リガンドの方法論は他の変異タン
ߦ߽
ㆡ↪߇น⢻ߢ޽ࠆ㧚ᄌ⇣ߦࠃࠅᒁ߈⿠ߎߐࠇࠆ∔∛ߪ
パクにも適用が可能である.変異により引き起こされる
疾病は難病が多い.患者の数が少ない難病においては,
㔍∛
߇ᄙ޿㧚ᖚ⠪ߩᢙ߇ዋߥ޿㔍∛ߦ߅޿ߡߪ㧘ᴦ≮⮎ߩ
治療薬の開発は製薬メーカーが行いにくい現状もあり,
Table 1 Psychotropic substances
Table 1. Psychotropic substances
No
Psychotropic substances
㐿⊒ߪ⵾⮎ࡔ࡯ࠞ࡯߇ⴕ޿ߦߊ޿⃻⁁߽޽ࠅ㧘ᚒ‫߇ޘ‬ขࠅ
1 No
⚵߻ߴ߈߭ߣߟߩ⺖㗴ߢ޽ࠆߣ⠨߃ߡ޿ࠆ㧚
2
我々が取り組むべきひとつの課題であると考えている.
2. 違法薬物等の活性予測
㧞 2−1 QSARを用いた違法薬物の活性予測
㧚 ㆑ ᴺ ⮎ ‛ ╬ ߩ ᵴ ᕈ ੍ ᷹ 違法ドラッグが大きな社会問題となっている.そこ
㧞㧙
㧝 QSAR ࠍ ↪ ޿ ߚ ㆑ ᴺ ⮎ ‛ ߩ ᵴ ᕈ ੍ ᷹
で,違法ドラッグを速やかに規制するためには,違法ド
㆑ᴺ࠼࡜࠶ࠣ߇ᄢ߈ߥ␠ળ໧㗴ߣߥߞߡ޿ࠆ㧚ߘߎߢ㧘
ラッグの迅速な評価法が必要である.動物実験や生物学
㆑ᴺ࠼࡜࠶ࠣࠍㅦ߿߆ߦⷙ೙ߔࠆߚ߼ߦߪ㧘㆑ᴺ࠼࡜࠶ࠣ
的試験には多くの時間が必要であり,迅速な規制のため
にはコンピュータを用いたインシリコ評価法を開発する
ことが必要である.ここでは実際に行ったひとつの例と
して4-メチルメトカチノン(Fig. 9)の場合を述べる.
9
3
4
5
6
Psychotropic
substances
Amphetamine
(±)
-Methamphetamine
Amphetamine
(+)
-Dimethylamphetamine
2
(±)-Methamphetamine
(±)
-Catinone
3
(+)-Dimethylamphetamine
(±)
-Methcatinone
4
(±)-Catinone
1
*
Activities
Activities*
(ED50, mg/kg)
㧔 ED 5 0 ,
0.71
mg/kg㧕
0.710.49
0.492.92
2.920.71
0.710.37
0.370.77
Ethcathinone
(±)-Methcatinone
Propylcathinone
2.03
6
Ethcathinone
0.77
8
MDA
2.29
7
Propylcathinone
2.03
9
MDMA
1.64
8
MDA
2.29
10
Methylone
2.36
9
MDMA
1.64
*
T. A. Dal Cason et al., Pharmacology Biochemistry and
10
Methylone
2.36
Behavior, 58
(4)
(1997)1109-1116.
7
5
*T. A. Dal Cason et al., Pharmacology Biochemistry and Behavior,
32
58(4) (1997) 1109-1116.
国
立 㤗⮎
衛 㧘ⷡ研
報 㧘ᜰ ቯ ⮎ ‛ ࠍ ฽ ߻ ᭴ ㅧ
第128号(2010)
ߖ޿೷
㘃 ૃ ൻ ว ‛ 10 ൻ ว ‛
Ԙ ࡈࠔ࡯ࡑࠦࡈࠜࠕࡈࠖࡦࠟ࡯ࡊ࡝ࡦ࠻ᴺ
① ファーマコフォアフィンガープリント法
ߩᵴᕈ㧔ᣢ⍮㧕ߣᲧセߔࠆߚ߼ߦ㧘ࡈࠔ࡯ࡑࠦࡈࠜࠕࡈࠖ
−0.0848188 * PEOE_VSA-1
ࡦ࠻ᴺ෸߮
2D-QSAR㧔 ቯ ㊂ ⊛ ᵴ ᕈ ⋧ 㑐 㧕ᴺ ߩ
ൻ ቇ ᭴ ㅧ ߩ 㘃 ૃ ᕈ ߩ ߺ ߦ ࠃ ࠆ ⹏ ଔ ᴺ ߣ ߒ ߡ 㧘 ࡈ ࠔ ࡯ࡦ
ࡑࠟ
ࠦ ࡯ ࡊ ࡝−0.0168429
化学構造の類似性のみによる評価法として,ファーマ
* SMR_VSA2
2
コフォアフィンガープリント法による評価を行った.2
SlogP_VSA5
ࡈࠜࠕࡈࠖࡦࠟ࡯ࡊ࡝ࡦ࠻ᴺߦࠃࠆ⹏ଔࠍⴕߞߚ㧚2 ᣇ
ὐᴺ
ߩ ߢ ⹏ ଔ+0.0168429
ߒ ߚ 㧚4-ࡔ* ࠴
࡞ ࡔ ࠻ ࠞ ࠴ ࡁ ࡦ ߪ 㧘ߤ ߜ ࠄ ߩ ᣇ ᴺ
点のファーマコファアのグラフ距離で分子の類似性を評
ࡈࠔ࡯ࡑࠦࡈࠔࠕߩࠣ࡜ࡈ〒㔌ߢಽሶߩ㘃ૃᕈࠍ⹏ଔߔࠆ
ߢ߽ߎࠇࠄⷙ೙ൻว‛⟲ߣห⒟ᐲߩᵴᕈ߇޽ࠆߎߣ߇੍᷹
価するTGD法を用いた.活性の強い化合物2,5をテン
麻薬,覚せい剤,指定薬物を含む構造類似化合物10化
TGD ᴺ ࠍ ↪ ޿ ߚ 㧚 ᵴ ᕈ ߩ ᒝ ޿ ൻ ว ‛ 2㧘 5 ࠍ ࠹ ࡦ ࡊ ࡟ ࡯ ࠻
プレートとして構造の類似性を算定した.化学構造の類ߐ ࠇ ߚ合物の活性(既知)と比較するために,ファーマコフォ
㧚 ߎ ߩ ࠺ ࡯ ࠲ ߪ 4-ࡔ ࠴ ࡞ ࡔ ࠻ ࠞ ࠴ ࡁ ࡦ 䉕ⷙ ೙ 䈜䉎䈢
ߣߒߡ᭴ㅧߩ㘃ૃᕈࠍ▚ቯߒߚ㧚ൻቇ᭴ㅧߩ㘃ૃᕈߣᵴᕈ
似性と活性値との相関から4-メチルメトカチノンの活性
アフィンガープリント法及び2D-QSAR(定量的活性相
䉄䈱⑼ ቇ ⊛ 䊂䊷䉺䈫䈚䈩૶ 䉒䉏䈢䋮㩷
୯ ߣ ߩ ⋧ 㑐 ߆(Fig.
ࠄ 4-ࡔ
࠴ ࡞ ࡔ ࠻ ࠞ ࠴ ࡁ ࡦ ߩ ᵴ ᕈ ୯ ࠍ ੍ ᷹ ߒ 関)法の2方法で評価した.4-メチルメトカチノンは,
値を予測した.
11,X軸:構造の類似性,Y軸:
活性値)
ߚ 㧚㧔 Fig. 11㧘 X ゲ 㧦 ᭴ ㅧ ߩ 㘃 ૃ ᕈ 㧘 Y ゲ 㧦 ᵴ ᕈ ୯ 㧕
どちらの方法でもこれら規制化合物群と同程度の活性が
あることが予測された.このデータは4-メチルメトカチ
㧞 㧙 㧞 ࠪ ࡞ ࠺ ࠽ ࡈ ࠖ ࡞ 㘃 ૃ ൻ ว ‛ ߩ ᵴ ᕈ ੍ ᷹ ノンを規制するための科学的データとして使われた.
ήᛚ⹺ή⸵นක⮎ຠߢ޽ࠆࠪ࡞࠺࠽ࡈࠖ࡞㘃ૃ‛⾰
2−2 シルデナフィル類似化合物の活性予測
㧔 PDE5 㒖 ኂ ೷ 㧕 ߇ ஜ ᐽ ⵍ ኂ ߩ ෂ 㒾 ᕈ ߇ ޽ ࠅ 㧘 ᄢ ߈ ߥ ໧ 㗴
無承認無許可医薬品であるシルデナフィル類似物質
ߣߥߞ
ߡ޿ࠆ㧚ߎࠇࠄήᛚ⹺ή⸵นක⮎ຠࠍㄦㅦߦⷙ೙㧘
(PDE5阻害剤)が健康被害の危険性があり,大きな問
ᬌ ᜼ ߔ題となっている.これら無承認無許可医薬品を迅速に規
ࠆߚ߼ߦߪ㧘ߎࠇࠄਇㆡಾߥൻว‛ߩㄦㅦߥᵴᕈ⹏
制,検挙するためには,これら不適切な化合物の迅速な
ଔ ࠬ ࠢ活
࡝性࡯評࠾
ⷐン
ߢグ
޽が
ࠆ必㧚要ߒ
㧘し
in かvitro,
価ࡦ
スࠣ
ク߇
リᔅ
ーニ
で߆
あߒ
る.
し,inin vivo
vivo試験では時間がかかり,迅速な対応が困難
⹜ 㛎 ߢvitro,
ߪ ᤨ in
㑆߇
߆߆ࠅ㧘ㄦㅦߥኻᔕ߇࿎㔍ߢ޽ࠆ㧚ߘߎߢ
Fig.Fig.
11 11.
である.そこでin silicoによる評価法について検討し
in silico ߦ ࠃ ࠆ ⹏ ଔ ᴺ ߦ ߟ ޿ ߡ ᬌ ⸛ ߒ ߚ 㧚 た.
② 2D-QSAR(定量的活性相関)法
ԙ 2D-QSAR㧔 ቯ ㊂ ⊛ ᵴ ᕈ ⋧ 㑐 㧕 ᴺ
AutoQuaSAR法を使って妥当なQSARモデル式を構築
O
AutoQuaSAR ᴺ ࠍ ૶ ߞ ߡ ᅷ ᒰ ߥ QSAR ࡕ ࠺ ࡞ ᑼ ࠍ ᭴ ▽ ߒ 㧘
し,4-メチルメトカチノンの活性値を予測した.QSAR
࠴式
࡞ࡔ
ࡁ ࡦ述
ߩᵴ
ᕈ
୯ࠍ੍᷹ߒߚ
㧚
ࡕ࠺࡞
モ4-ࡔ
で࠻
用ࠞ
い࠴
子਄
は,MOE
動QSAR
作する
ᑼデߢル
↪޿ߚ
⸥
ㅀ
ሶた
ߪ記
㧘MOE
ߢ േ ૞ ߔ上
ࠆで
AutoQuaSAR
ࡊࡠ
AutoQuaSARプログラムによって,MOEに搭載されて
N
ࠣ ࡜ ࡓ ߦ ࠃ ߞ ߡ 㧘 MOE ߦ ៞ タ ߐ ࠇ ߡ ޿ ࠆ 184 ߩ ߔ ߴ ߡ ߩ
いる184のすべての2D記述子から選択されたものであ
2D ⸥ ㅀ ሶ ߆ ࠄ ㆬ ᛯ ߐ ࠇ ߚ ߽ ߩ ߢ ޽ ࠆ 㧚QSAR ᑼ ߪ ੤ Ꮕ ᬌ ቯ
2
2 ਸ਼ 㧕߇12,X軸:活性値の予測,Y
ᦨ߽⦟޿߽ߩࠍ↪޿ߚ㧔
㧚 Fig. 12㧘
ߩ R㧔 ⋧ 㑐 ଥ ᢙ ߩ (Fig.
良いものを用いた.
N
N
O
Fig. 13.
13 Structure
of Sildenafil
Sildenafil
Fig.
Structure of
軸:活性値)
X ゲ㧦ᵴᕈ୯ߩ੍᷹㧘Y ゲ㧦ᵴᕈ୯㧕
12
S
N
る.QSAR式は交差検定のR2(相関係数の2乗)が最も
N
HN
O O
ここでは,ヒドロキシチオホモシルデナフィル(Fig.
ߎ ߎ ߢ14)について述べる.
ߪ 㧘 ࡅ ࠼ ࡠ ࠠ ࠪ ࠴ ࠝ ࡎ ࡕ ࠪ ࡞ ࠺ ࠽ ࡈ ࠖ ࡞ 㧔 Fig. 14㧕
ߦߟ޿ߡㅀߴࠆ㧚
S
O O
N
HO
N
N
HN
S
N
N
14
O
Fig. 14 Structure of hydroxythiohomosildenafil
Fig.Fig.
12 12.
Fig. 14. Structure of hydroxythiohomosildenafil
シルデナフィルは,生体内で環状グアノシン一リン酸
相関係数の二乗(R22)
=0.84
⋧ 㑐 ଥ ᢙ ߩ ੑ ਸ਼ (R ) = 0.84
交差検定の相関係数の二乗(XR2)
=0.92
੤ Ꮕ ᬌ ቯ ߩ ⋧ 㑐 ଥ ᢙ ߩ ੑ ਸ਼ (XR 2 ) = 0.92
QSAR式
QSAR
ᑼ
pIC50
= 1.40145
−0.0365513
pIC50
= 1.40145 * PEOE_VSA-0
- 0.0365513 * PEOE_VSA-0
- 0.0848188 * PEOE_VSA-1
- 0.0168429 * SMR_VSA2
(cGMP)の分解を行っている5型ホスホジエステラー
ゼ(PDE5)の酵素活性を阻害する.これがNO作動性
ࠪ ࡞ ࠺ ࠽ ࡈ ࠖ ࡞ ߪ 㧘↢ ૕ ౝ ߢ Ⅳ ⁁ ࠣ ࠕ ࡁ ࠪ ࡦ ৻ ࡝ ࡦ ㉄
神経に作用して血管を拡張させ,血流量が増えることに
よって活性を発現すると考えられている.シルデナフィ
㧔 cGMP㧕
ߩಽ⸃ࠍⴕߞߡ޿ࠆ 5 ဳࡎࠬࡎࠫࠛࠬ࠹࡜࡯
ル類似物質とHuman Phosphodiesterase 5(PDE5)と
࠯㧔 PDE5㧕ߩ ㉂ ⚛ ᵴ ᕈ ࠍ 㒖 ኂ ߔ ࠆ 㧚ߎ ࠇ ߇ NO ૞ േ ᕈ ␹
⚻ ߦ ૞ ↪ ߒ ߡ ⴊ ▤ ࠍ ᜛ ᒛ ߐ ߖ 㧘ⴊ ᵹ ㊂ ߇ Ⴧ ߃ ࠆ ߎ ߣ ߦ ࠃ
ߞ ߡ ᵴ ᕈ ࠍ ⊒ ⃻ ߔ ࠆ ߣ ⠨ ߃ ࠄ ࠇ ߡ ޿ ࠆ 㧚ࠪ ࡞ ࠺ ࠽ ࡈ ࠖ ࡞
1)コンピュータシミュレーションを用いた薬物設計および違法薬物等の活性予測
の結合モデルを以下のようにして構築した.PDE5の三
33
(2003)
次元構造はX線構造(PDB ID:1UDT)を用いた.タ
2)(a)Honzawa, S., Yamamoto, Y., Yamashita, A.,
ンパク質内の薬物のコンフォメーションは,プログラム
Sugiura, T., Kurihara, M., Arai, M. A. Kato, S.,
MacroModel(Schrodinger, Inc.)のコンフォメーショ
Kittaka, A., Bioorg. Med. Chem., 16, 3002-3024
ナルサーチ(条件:Mixed MCMM/Low Mode, Amber*)
(2008)
(b)Honzawa, S., Takahashi, N., Yamashita,
を用いて求めた,コンフォメーショナルサーチで得られ
߷ห৻ߩ
㈩ ะ ᕈ ߢ ⚿ ว ߔ ࠆ ߎ ߣ ߇ ᣿ ࠄ ߆ ߣ ߥ ߞ ߚ 㧚ߐ ࠄ
た最安定構造を結合モデルとした.水素結合を中心に結
A., Sugiura, T., Kurihara, M., Arai, M. A., S. Kato,
S., Kittaka, A., Tetrahedron, 65, 7135-7145(2009)
ߦ㧘ࠪ࡞
࠺ ࠽ ࡈ ࠖ ࡞ ߪ ᵴ ᕈ ࠼ ࡔ ࠗ ࡦ ߦ ߅ ޿ ߡ Gln817 ߣ 3)(a) Kittaka, A., Suhara, Y., Takayanagi, H.,
合モデルの評価を行った.ヒドロキシチオホモシルデナ
フィルとPDE5(1UDT)の結合モデルを構築した.(Fig.
Fujishima, T., Kurihara, M., Takayama, H., Org.
15)その結果,これらはシルデナフィルが結合した部位
Lett., 2, 2619-2622(2000)
(b)Fujishima, T., Konno,
᳓ ⚛ ⚿ ว ࠍ ᒻ ᚑ ߔ ࠆ ߇ 㧘 ߎ ࠇ ࠄ ߽ ห ᭽ ߦ Gln817 ߣ ᳓ ⚛
にほぼ同一の配向性で結合することが明らかとなった.
⚿วࠍᒻ
ᚑ ߒ ߁ ࠆ ߎ ߣ ߇ ␜ ߐ ࠇ ߚ 㧚㧔 Fig. 15㧕 ߎ ߩ ߎ ߣ
K., Nakagawa, K., Tanaka, M., Okano, T., Kurihara,
さらに,シルデナフィルは活性ドメインにおいてGln817
M., Miyata, N., Takayama, H., Chem. Biol., 8,
と水素結合を形成するが,これらも同様にGln817と水
1011-1024(2001)
ߦ ࠃ ࠅ 㧘ߎ ࠇ ࠄ ߪ ห ৻ ߩ ૞ ↪ ᯏ ᐨ ߢ ࠪ ࡞ ࠺ ࠽ ࡈ ࠖ ࡞ ߩ ᮡ
素結合を形成しうることが示された.
(Fig.
⊛ಽሶߢ
޽ ࠆ PDE5 ࠍ 㒖 ኂ ߔ ࠆ ߎ ߣ ߇
੍ ᷹15)このこ
ߐ ࠇ ࠆ 㧚 ߎ ߩ 4)Hakamata, W., Sato, Y., Okuda, H., Honzawa, S.,
とにより,これらは同一の作用機序でシルデナフィルの
࠺࡯࠲ߪ
ࡅ ࠼ ࡠ ࠠ ࠪ ࠴ ࠝ ࡎ ࡕ ࠪ ࡞ ࠺ ࠽ ࡈ ࠖ ࡞ 䉕ⷙ ೙ 䈜䉎
標的分子であるPDE5を阻害することが予測される.こ
䈢䉄䈱⑼のデータはヒドロキシチオホモシルデナフィルを規制す
ቇ ⊛ 䊂䊷䉺䈫䈚䈩૶ 䉒䉏䈢䋮
るための科学的データとして使われた.
Saito, N., Kishimoto, S., Yamamoto, A., Sugiura, T.,
Kittaka, A., Kurihara, M.: Bioorg. Med. Chem.
Lett., 18, 120-123(2008)
5)Kakuda, S., Okada, K., Eguchi, H., Takenouchi, K.,
Hakamata, W., Kurihara, M. Takimoto-Kamimura,
M.: Acta Crystallogr. F, 64, 970-973(2008)
6)Demizu, Y., Nakatsu, A., Sato, Y., Honzawa, S.,
Yamashita, A., Sugiura, T., Kittaka, A., Kato, S.,
Okuda, H., Kurihara, M.: Lett. Org. Chem, in press
(2010)
Fig.
Fig. 15 Modeled
15. Modeledstructure
structureofofhydroxythiohomosildenafil
bound to PDE5
文献
1)Kittaka, A., Kurihara, M., Peleg, S., Suhara, Y.,
Takayama, H.: Chem. Pharm. Bull., 51, 357-358
16
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