Comments
Description
Transcript
「世界の未来像」をつくる街 「柏の葉スマートシティ」
Case Study 柏の葉スマートシティ http://www.kashiwanoha-smartcity.com/ 「世界の未来像」をつくる街 「柏の葉スマートシティ」 柏の葉スマートシティの 「スマートセンター」 東京・秋葉原からつくばエクスプレスで約30分。 人口約40万人の千葉県柏市に 「柏の葉スマートシティ」 があります。 プロジェクトリーダーである三井不動産と、街づくりのトータルコンサルティングを担当した日建設計それぞれのキー マンに、柏の葉スマートシティの全体像、 そして日立も参画した 「柏の葉AEMS※1」 などについて話をお聞きしました。 ※1 Area Energy Management System 3つのテーマの 最適解を求める街づくり 5 階に入っているのが大きな特長です。 やBCP/LCP※2を現実解として盛り込んだ なかでも世界の都市計画部門やスマー 街全体の機能が、 これからのスマートシ 「当社が進めるスマートシティ構想では トシティ関係者が注目しているのが「環境 ティに欠かせないテーマとなったのです。 『課題解決型』 というコンセプトを掲げてい 共生」 という課題解決に向けたエネルギー そこでわれわれは、 より安全・安心に暮ら ます。つまり、 新たな街づくりの中で世界各 基盤の確立。 この街では、 太陽光発電や せる街づくりの強化プランに取り組みま 国が直面しているさまざまな課題を解決 蓄電池などの分散電源エネルギーを自営 した。その結果として生まれたのが、街 する先進モデルを示していこうというスタ の送電網を使い、 街区間で相互に融通す 区間での電力相互融通や、 地域全体で ンスです」 と語るのは、 三井不動産株式 るスマートグリッドが実用化されています。 エコなライフスタイルを創出する 『柏の葉 会社(以下、 三井不動産)柏の葉街づくり しかし、 そこに至る過程には、 当初の事業 AEMS』だったのです」 と振り返ります。 推進部 事業グループ 統括の近澤 誠氏 プランの大幅な見直しが迫られた1つのド ※2 Business Continuity Plan/Life Continuity Plan です。同社がスマートシティのフラッグシッ ラマがありました。株式会社日建設計(以 ププロジェクトと位置づけている 「柏の葉 下、 日建設計)エンジニアリング部門 設備 住民参加型の 低炭素コミュニティの実現 スマートシティ」でも、 人と地球にやさしく災 設計グループ エネルギー・情報計画部長 三井不動産、 日建設計、 日立が共同開 害にも強い『環境共生』 、 すべての世代が の栄 千治氏は「CO2 削減や自然エネル 発した「柏の葉AEMS」は、 オフィスビル 健康で豊かに暮らせる 『健康長寿』 、 ベン ギーの活用は当初から掲げていたテーマ や商業施設、 住居などから収集した情報 チャーや新産業の創出を地域連携で進 です。 しかしプロジェクトが始動した直後 をもとに、 電力・水・ガスなどの需給を地域 める 『新産業創造』 という3つの課題テー に東日本大震災が発生したことで状況は 全体で「見える化」 し、分散電源や再生 マが設定されました。それぞれ“構想”や 一変しました。耐震設計や防災機能だけ 可能エネルギーも組み合わせた安定運 “実験”ではなく、 街の機能として実装段 でなく、 災害時のエネルギーの適正利用 用を支える基盤です。 はいたっく 2015.9 All Rights Reserved,Copyright ©2015,Hitachi,Ltd. スマートシティ 柏の葉スマートシティ 所 在 地 千葉県柏市若柴178-4 日立はシステム全体の構築と運用サ 民の意識醸成に大きく寄与 ポートを担う一方、 三井不動産および日建 しています。そしてエネル 設計とともに経済産業省との規制緩和調 ギーや防災に関する多様 整に技術面で支援し、 日本で初めて街区 なニーズを運用面も含めて を越えた電力融通を実現。地域レベルで 現実のシステムとして実現 の電力ピークカットと防災力強化を担保す された日立さんの総合的な る重要なインフラを作り上げました。 技術力も称賛に値します」 「電力事業を良く知る日立さんの尽力 と栄氏は評価します。 で開発された柏の葉AEMSは、住民参 加型の低炭素コミュニティの実現に役 三井不動産株式会社 株式会社日建設計 近澤 誠 氏 栄 千治 氏 「世界の未来像」 につながる プロジェクト とするスマートシティの機 能を街 全 域 (約300万m2)へ広げ、2030年を目標に だっています。オフィスやテナント、 住宅な グランドオープンから1年が経過した柏 次世代ライフサイエンスの産業創造拠点 どには各戸の電気使用量やCO2 排出量 の葉スマートシティでは現在、 先行整備さ の開 発など「イノベーションキャンパス がビジュアルで確認でき、 どうすればよりエ 人々 れた約12.7万m2 の第1ステージで、 構想」の実現に向けた街づくりを進めて ネルギーが削減できるかのアドバイスも配 の暮らしと職場が近接した形で始まって いきます。 信されるタブレット端末を配備しています。 います。持続可能な社会を実現するス 「第1ステージでは日建設計さん、 日立 このためスマートセンターでの自動制御の マートシティのショーケースとなった駅前中 さんらと一緒に悩み、 ともに知恵を絞りな ほか、 一人ひとりが手動、 つまり自分の意 核街区「ゲートスクエア」には世界中から がら、 すばらしい街を作り上げることがで 思で省エネ活動に参加できるのです。居 視察に訪れた多くの方々が、 先端技術だ き本当に感謝しています。新たなステー 住者の方々にはCO2 排出量の削減分に けでなく、 防災対策や住民参加型コミュニ ジでも両社からのサポートは欠かせませ 応じ、 地域のコミュニティ活動や買い物な ティのあり方など、 「世界の未来像」につな ん。また当社が日比谷や日本橋で進めて どに使える “柏の葉ポイント” を付与する がるプロジェクトがリアルに見られるとし いるスマートシティプロジェクトでも、 その など、 楽しみながら省エネに貢献できる仕 て国内外に多大な影響を与えています。 技術やノウハウの継承が必要です。引き 組みも作りました。ただし、 そういったイン 「スマートシティといえば、 最先端のITと 続き息の長いパートナーシップを期待して センティブがなくても、 もともと柏の葉には か未来の街とか、 ともすれば無機質に陥り います」 と笑顔で語る近澤氏。栄氏も 「グ 社会貢献への意識の高い方々が多いた がちなイメージがあります。 しかし『スマー ループ内の総力を結集された“オール め、 予想以上に大きな効果を上げていま トシティの本質』を理解していれば、 そうで 日立”のソリューションは、 日本だけでなく す」 と近澤氏は笑顔で語ります。 はないということがわかります。ここ柏の葉 海外でも大きな価値を生み出していくは 「どうすれば住民の方々に省エネ意識 には、 一人ひとり、 顔が見える住民の方々 ずです。当社が展開する海外プロジェク を高めていただけるか、 それを地域コミュ が実際に街づくりに参加し、 安全・安心で トでも、ぜひご一緒できれば心強いです ニティの活性化にどうつなげられるかと 生き生きとしたコミュニティがあります。海 ね」 とエールを送ります。 いったコアな部分を三井不動産さんは当 外から視察にみえる方々も、 それを実感 その期待に応えるため、 日立はこれか 初から熱心に考え続けてこられました。 し、 感銘を受けたと聞いています」 と栄氏 らもエネルギー分野を中心としたスマート 公・民・学が連携してコミュニティの課題や は話します。 シティとその関連技術に高度なITを組 目標を共有・解決していく柏の葉アーバン 今後、三井不動産は駅前街区で未開 み合わせ、持続可能な社会を実現する デザインセンター(UDCK) という街づくり 発となっている重点エリアと周辺エリアの 社会イノベーション事業にグループの総 の拠点を設立したことも、 こうした地域住 開 発に着 手。スマートグリッドをはじめ 力を挙げて取り組んでいきます。 お問い合わせ先 (株) 日立製作所 社会システム事業部 https://www8.hitachi.co.jp/inquiry/smartcity/general/jp/form.jsp ■ 情報提供サイト http://www.hitachi.co.jp/products/smartcity/ はいたっく 2015.9 All Rights Reserved,Copyright ©2015,Hitachi,Ltd. 6