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東京教区ニュース第92号

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東京教区ニュース第92号
東京教区ニュース第92号
ナイス2に向けて活発な話し合い −東京教区第7回総会-
3月20日(金)
四谷・雙葉小学校において、 東京教区第7回総会が開催
された。
テーマは、 昨年に引き続き「 家庭
総会司会は、 黒川恒雄氏(麹町
教会)と稲留敦子氏(高円寺教会)であった。
まず、 森一弘司教が「 全国会議の理解のために−準備をすすめてい
くための参考として−」と 題する総会挨拶を行った後
東京ナイス
準備委員会の塚本伊和男神父による趣旨説明が行われた。その 後
出席者340余名が、15の グループに分かれ、 午前1時間30分
午後1時
間40分にわたるグループ・ワーキングを行った。
グループの代表による報告の後
91年度決算及び、92 年度予算報告
がなされた。
終わりに、 白柳誠一大司教から、 五十嵐秀和
ディン新司祭の紹介
があり、 午後4時30分過ぎ、 祈りのうちに散会した。
森司教総会挨拶
全国会議の理解のために−準備をすすめていくための参考として−
1993年秋に「 家庭
をテーマとして、 福音宣教推進全国会議が開催さ
れる。 現在この会議の実行委員会は、 各教区にどのような角度から
「 家庭
をとりあげていくかを諮問している段階である。 今回の教
区総会はそれに答申するため開催されたもので、 出席者の積極的な
参加をお願いしたい。
全国会議とは?
家庭や家庭の問題は、 複雑でいろいろな側面がある。もし、
全国会
議を具体的な問題のためだと仮定して、すべての 問題をあらゆる角
度から総花的にすべてを取り上げようとするならば、 教会のイニシ
アティブによって専門の方々に呼びかけて協力を願った方がよいだ
ろうし、また 特別研究機関を設けたりする方がより効果的
より合
理的だと思う。
全国会議への参加者の資格について、 前回と同じように、 小教区の
教会のメンバーを中心に招集する限り、 ナイスから具体的な問題に
対しての具体的な回答を期待することは無理かもしれない。たとえ、
若干の専門家を加えたとしても全国会議は、 専門家たちが集まって
具体的な方策を検討していく会議とは、 別の性格のものになってい
くだろう。
全国会議が、 現代の人々が置かれている具体的な状況や問題にふれ
ないということではない。 準備の過程で、「
聴き、 吸い上げ、 活か
す」という 姿勢を取る限りは、 会議は現状を踏まえた上でのものに
なるだろうし、 究極的には、そこに 希望の光を与えようとするもの
になることは、 否定できない。しかし、
全国会議そのものが直接的
に具体的な方策を見出すことに方向づけられているものであるとは
言えない。
全国会議の目的
全国会議は、 家庭・家族の現実を直視し、そこに 信仰の光をあて、
一人一人を含めた教会共同体のあり方を刷新し、 同時に複雑な状況
にある家庭あるいは家族
そしてその背後にある現代日本社会全体
に向かって福音的なメッセージを投げかけることを目指した、 教会
を構成するすべてのメンバー、 即ち信徒・司祭・修道者・司教たち
による共同作業であると考えている。
全国会議を成功させるためのポイント
(1)現代の家庭・家族がおかれている状況
その光と影の認識
(2)現状とその問題点に信仰の光を当てる。
(3)どうすれば、それを 克服し、 福音の光にそった家庭になるのか、
福音にそった生き方が可能となるか、 積極的に考える。
(4)個々の問題への対応は、 恐らく全国会議後
そこでまとめられ
た基本線にそって行われると考えられる。
こうした信仰の光の原点に戻り、 家庭・家族に真の希望を与えよう
とする日本カトリック教会共同体の営みが究極的には、 日本社会に
対して真の福音宣教推進の道をひらいていくのだと、 確信している。
塚本伊和男神父趣旨説明
ナイス2に向かってのアンケート中間報告
1月27日から3月15日までの期間に行われた「 ナイス2に向かってのア
ンケート」 に対して、2928 通の回答が寄せられた。 ナイス2に対す
る関心の高さを示すものだと言えよう。
回答者の内訳は、
男子信徒 581
女子信徒 1296
男子修道者 40
女子修道者 433
司祭 70
無記名 508
である。
詳細については、 後日報告する予定であるが、 修道女パワーという
か、 実に修道女の5人に1人が回答をよせてくださったことは、 注目
に値する。
教区総会の開催趣旨
すでに森司教も述べたように、 司教団・第2回福音宣教推進全国会議
事務局は、 ナイス2の課題設定のため、 各教区から3ないし4課題案
を92年5月5日までに提出するように求めている。そのために 東京教
区としては、 宣教司牧評議会およびナイス2準備委員会で検討した結
果
1、アンケート調査によりひろく意見を聞き、さらに 2、総会を
通して生の声を聞き、あわせて 検討することにした。
(1)ナイス2のテーマ「 家庭 をどのような視点から眺め、どんな
課題を取り上げるのが、 福音宣教を推進する全国会議にふさわしい
かをともに考える。
(2)話し合いを通して「 家庭 を取り巻く諸問題の広がりを知ると
ともに、 相互の関連の深さを把握する。
(3)現代の社会構造の中で、 歪められがちな家庭を立て直すには、
どんなみことばを思い起こしたら良いかを分かち合う。
(4)このc総会で話し合い、 分かち合った「 家庭
を取り巻く諸問
題を、 各小教区・各グループに持ち帰り、さらに 福音の光に照らし
て家庭のあり方を考える。
以上のような趣旨にそって、 話し合いを進めていただくために参考
になることをいくつか述べておきたい。
★ ★
第2バチカン公会議の後
20年の月日を経て、 日本の教会の基本的姿
勢と優先課題が発表され、 ナイス1が開かれた。
〔A〕ナイス1の準備の中で明らかになってきたもの
1、福音宣教推進全国会議(ナイス)は、 日本における福音宣教推進の
ために開く。
2、ナイスは、 日本における神の民が、その 姿を具体的に表現し、 責
任を分かち合う場である。
3、21世紀に向かって日本の教会があたらしい展望を開き、その 突破
口を見出したいとの願いからナイスは開催される。
4、司教団の基本的姿勢は、「 聴き、 吸い上げ、 活かす」である。
5、会議員は司教団の諮問に答申する。
6、開かれた教会づくりには、 意識の改革
発想の転換
視野の拡大
が必要である。
〔B〕ナイス1後の司教団声明
ともに喜びをもって生きよう」が 打ち
出した姿勢
1、ともに 社会と
弱い立場に置かれている人々と
アジア・世界の人々と
2、喜びをもって
神から呼ばれ、 召されている意識
ほこりをもって。
積極的に神のみ旨に応える喜びをもって。
福音に生きるものとしての自覚をもって。
3、生きる
生活に密着した信仰をもって。
社会的課題に関わりながら。
すべての人々と連帯して。
東京教区聖堂老朽度調査報告
-親建会1級建築士事務所による−
昨年の暮
白柳大司教様の御依頼により、 東京大司教区の聖堂及び
附属棟の老朽度を調べはじめました。
調査の方法
今回の調査の方法は、 建物を壊すことなく、 外部よりの判断にとど
めました。 建物の骨であり力となる構造体(土台
柱
梁等)は内外共
に殆ど仕上材によって被われています。 構造体の老朽度を調べる事
は、 外部よりの判断では難しいのですが、 仕上材の状態
の程度などによりある程度は解ります。 又
しみ及び水平度
内外壁
わせて設備関係(電気
ひび割れ
雨漏りの有無
床のき
天井の状態等を調査事項としました。 合
給排水衛生
冷暖房)も調査しました。
老朽度に違い
まだか所程度しか、 調査していませんが、 同時期に建築された建物
でも、 老朽度に著しい違いが見られます。なぜこの 様なことになる
のでしょうか。 地盤が非常に軟弱
海に近い、 雪が多いという様な
外力条件に因る事はある程度はあります。 又
その建物にどれだけ
の建築費をかけることができたかという事も、やはりあります。し
かし一番の原因は、 建物を維持していく上での必要な修理を、どの
様に施してきたかということです。 建物は竣工したら、 永久にその
形を保つ訳ではありません。 年を重ねるごとに、 適切な改修
修理
工事を施さなければなりません。 外部の鉄部塗装 外壁塗装 防水
屋根等は、10 年位のサイクルで考えなければなりません。 給水
給
湯等の寿命は20年位で更新する必要もあります。 建物の内部に雨漏
りしていたり、 配管が漏水しているのを、ほっておけば 構造体まで
傷み、 修理にもかなりの費用がかかる事になります。 又
電気の使
用量も大きくなっている現在です。 素人が分岐したりしない様これ
は信頼できる専門職に委せて下さい。
計画的な修理工事を
今回の調査でも、30 年以上もたっているのに、 殆ど修理する箇所が
ない教会もあります。 神父様
信者委員の方に聞いてみますと、や
はり計画的かつ定期的に修理工事を施している様です。 計画的な修
理工事の為に、 前もってその資金を積立てる事は必要です。
東京教区の80弱の教会は、 戦前に建築されたものもいくつかは残っ
ていますが、 多くは昭和2
30年代に建てられたものです。 建物の構
造も、 鉄筋コンクリート造り、 鉄筋造り、 木造りといろいろです。
コンクリート造だから強く長持ちし、 木造だから30年で建替えなけ
ればならないと思わないで下さい。 今父の住んでいる高円寺の家は、
60年前に祖父が建てた木造です。
建築に見合う火災保険を
年月を経た教会は、 町の目印にもなっています。 ケルン等諸外国の
貴重な援助によって建てられた聖堂もあります。 古いからといって
簡単に壊してしまうのではなく、 将来にわたりその建物が機能でき
るか判断することは非常に重要なことです。 現在の建築技術からす
れば、 古い建物と寸分たがわぬ建物を建てることもできます。ただ
左官工事他
熟練職人の手により作られた古い聖堂のような建築を
作るということは現在非常にお金がかかります。 各教会は、 物価の
推移を的確に判断し、 建築に見合う火災保険をかけるべきです。 建
築及び消防の法規も大きく変ってきています。 防火地域も増え、こ
こではコンクリート造りの様な耐火建築しか建てられません。 構造
法規も変り、 当時合法的に構造計算された建築も現在の構造法規に
合わず増築することも出来ません。 又
日影の規制も作られ、 新し
く建築しようとすると、ずっと 低い小さな建物になってしまう場合
もあります。この 様に制約されることが増えています。 今ある教会
は手入れしながらなるべく長く有効にお使いになって下さい。
現在の建物を大事に使う
信徒の数が増え、 現在の聖堂では収容しきれない教会もある様です。
調査の結果
修繕するには将来にわたり費用がかかりすぎるため、
解体し新築した方が良い建物もあります。 早急な修理をしなければ
ならない建物もあります。 東京教区が100年の歴史を越えた今
もう
一度私達の教会の建物を大事に使うことを考える時と思います。 又
これから新しく建
(市野 修)
八王子教会本町幼稚園 創立60周年を迎えて盛大な記念式典
故メイラン神父が、 純真な子供たちの心に、 キリストの愛をしっか
りと植えつけるために設立した八王子本町幼稚園は、60 周年を迎え、
3月14日
大司教
市助役
町内会長
歴代の保護者会長や数多くの
卒園児の参加のもとに、 盛大に記念式典を行った。
地元の人々も多数参加した祝賀式典は、 幼稚園がいかに地元に根づ
き、 地元に豊かな影響を与えてきたかを証明するものでもあった。
喜多見サンタマリア幼稚園閉園
世田谷区喜多見のサンタマリア幼稚園(礼拝会経営)が、3 月31日をもっ
て30年の歴史を閉じることとなった。
3月28日(土)
喜多見教会において、 森司教の司式により、 卒園児と
父母約500名の出席のもと、 記念のミサが行われた。 宣教活動として、
また地域への奉仕活動として、 多くの貢献があった同幼稚園の閉園
を惜しむ声もあったが、 今後は礼拝会として、 新しい分野での奉仕
の施設が計画されている。
ズームアップ 黒川恒雄氏(麹町教会所属)
京都大学卒業後
日本銀行に就職
その頃
日本銀行にあったカト
リック研究会で始めてカトリックに触れたという。その 当時の指導
司祭は故今田師 今田師の指導を受けた筋金入りの信徒の1人である。
1958年4月
結婚を前にして現夫人と一緒に上智大学で受洗
2人の娘さんたちがそれぞれ嫁いだ後
夫人と2人だけの静かな生活
というが、 工学院大学の学園統合情報システムセンター所長として、
また同学園常務理事としての重責をこなす他
麹町教会で土曜に開
かれるキリスト教入門講座のお手伝いなど、 多忙の日々を過ごして
いる。
温厚でしかも明るい人柄は多くの人々からも信頼され、 今回教区総
会の議長に推薦された。 宣教司牧評議会議長でもある。(1930 年生ま
れ。)
教会委員の意識改革を求めて 第2回教会委員研修会
3月28日(土)から29日(日)にかけて、 第2回教会委員研修会が、 五反田
の東興ホテルにおいて開催された。
この研修会は、 東京教区生涯養成委員会が「 小教区の教会奉仕にそ
なえた信徒の養成 を目的として企画した第2回研修会で、 今回のテー
マは、「
教会委員の意識改革を求めて」であった。
前回と同様に、 一般公募せず、 小教区の司祭より教会委員に勧めて
もらうという方法を取ったが、 昨年より多い29教会
49名の参加を
みた。
第1日目は、 白柳司教の挨拶の後 3人の講師による発題が行われた。
まず司祭の立場から、 コンベンツアル聖フランシスコ会の川下勝神
父が、 昨年の12月まで、 主任司祭を務めた経験から、 教会委員会の
任務
運営
委員の選出方法について述べ、ともすれば 委員会の議
題が経済的な問題に片寄りがちであるので、 生涯養成
教育
家庭の問題
子供の宗教
典礼等についても今後は話し合う必要があるこ
とを強調した。
次に、 信徒の立場から、 福川正三氏(麻布教会)は、 自身が長い間喜び
をもって、 教会委員を務めた体験を踏まえ、 教会委員を神からの召
し出しだと受け止め、 積極的に受けて立つ姿勢が必要であると述べ
た。
最後に森司教が、 教会委員のあり方についてふれる前に、 小教区共
同体のあり方について確認をしたい、なぜならば 基本的な土台が確
認されていなければ、その 上にたつ議論も空しいと前置きし、 先の
全国会議の最終日の宣言文の中に示される今後の小教区のあり方に
ついて詳しく解説し、 話合いのための問題点を明確化した。
その後
7グループにわかれ、 デイスカッションを行った。
稲川保明神父講演『教会法から見た教会委員の役割』
2日目は稲川保明神父により「 教会法から見た教会委員の役割
と題
する講演が行われた。
今まで「 教会法
を意識したり、もしくは 実際に手に取ったことの
ある人は?との問いかけに、 手をあげたのは5∼6人ということから
もわかるように、 一般信徒にとってなじみのうすい教会法
につい
て、 時にはジョークをまじえながら(1)教会法とはなにか(2)新
教会法典の特色(3)キリスト者として共通
平等の使命(義務と権
利)と信徒・聖職者の固有の義務と権利について、 丁寧にわかりやす
く説明した後
本題に入った。
教会法から見た教会委員会の役割
教会委員会とは
教会委員会という用語は日本の教会の中で生まれた用語で、 教会法
典の示す次の条文との関連で考えなければならない。
小教区における司牧評議会に当たり、 教区長の判断によって設置さ
れ、 主任司祭の主催する諮問機関である。( 第536条、cf.511〜514条)
小教区における経済問題評議会は設置しなければならない。( 第537条、
cf.1281〜1289条)
東京教区の現状
東京教区の小教区の教会委員会には、いろいろな 形態がある。
(1)教会内の各団体や各階層の責任者の集まり(財務担当委員をふく
む)
(2)教会委員会と財務委員会が併立
(3)教会委員会がなく、 信徒会長だけ。
(4)教会委員会という名称がなく、 信徒会として全員が参加
本来の教会委員会の性格から考えると、 次のようなケースは一考を
要するのでは・・・
(1)諮問機関としての性格を逸脱しているケース、 主任司祭の上位
にある機関のように振る舞っているケース
(2)主任司祭のご用機関になっていて、 信徒の意見を反映していな
い。
(3)任期
選出方法があいまいで、 名誉職になっている。
(4)小教区行事ばかりが議題で、 教区全体の姿勢や呼びかけに手が
回らない。
このような現状から、 今後は正しい意味においての教区共通の基準
が必要な段階に来ているのではないかと思われる。
教会委員会の役割の見直し
<教区共通>
目的:現実的な単位としての教会共同体として
・地域社会への宣教拠点としてのあり方を模索し、 試みる、 教会の
姿勢を検討する場
・大きなレベルでの教会共同体との連携を考える場(教区
日本の教
会)
・小教区共同体を構成する人々の活動を検討する場
性格:諮問機関としての性格を保ちつつも、 聖職者と信徒の「 協力
を実現すること
・小教区としての宣教・司牧の方針・具体案の審議
・主任司祭が提出する議題
信徒が提出する議題
教区が提出する
議題
<小教区の現状にあわせて>
・委員構成と運営
・任期
・選出方法
と、 今後の課題を示して講演をしめくくった。
惜しまれつつ西川神父、館山を去るにあたって
地元自警団から感謝状 町内会から盛大な送別会
感謝状
あなたは永年にわたり三軒町自警団の活動に率先垂範し融和と団結
に貢献されました。ここに 団員一同で記念品を送り感謝の意を表し
ます。
3月15日
三軒町自警団団長 平島守道
人事異動にあたって、 司祭が信徒たちから惜しまれるのは普通のこ
とであるが、 地元の人々から惜しまれるということは珍しい。
この感謝状には、 地元館山の人々の西川哲弥神父への熱い思いがこ
められている。その 背後には地元の人々に溶け込もうとした西川神
父の並々ならぬ苦労があった。
自警団とは、4 町内の青壮年たちが自主的に組織した消防団であ
り、30 名が、12 月から2月にかけて、5 班に分かれて夜8時から12時
まで夜回りをする。 結構厳しい勤めである。
西川神父は、その 役目を積極的に引き受けただけでなく、もって 生
まれた明るさで、 メンバーの親睦や融和を深めるという貴重な役割
も果たしたことが評価されたわけである。
また、3 月29日には、 町内会主催の盛大な送別会が行われた。 町内の
住民に回覧された案内状もいかに西川神父が地元に慕われていたか
を示す。
「かいらん 町内の皆様へ 祭礼世話人 尾崎智信
この度
8年の永きにわたり、 町内
大な貢献をされた教会の「ひげ」の
自警団
そして祭礼役員と、 多
神父さんこと(西川哲弥さん)が、
館山を離れなければならなくなってしまいました。そこで 神父さん
より、 町内の子どもたちのためにと「 ミニ山車
を作って寄付して
くださることになりました。つきましてはその「
ミニ山車
をご披
露いたしたく会を催したいと思いますので、ご 参加下さい。」(
本文
のまま)
西川神父によると、 仕事を求めて故郷を離れる青年たちの心は、お
盆のころの祭りは心のよりどころになるという。そういう 事情を知っ
た神父は、 子供たちにもふるさとのよき思い出が刻まれるようにと、
館山を離れる前に「 ミニ山車
を贈ったという。
教会・修道院巡り(16)『イエズスの聖心会』
1904年2月勃発した日露戦争は、 翌1905年日本の勝利によって終わり
を告げ、 日本は一躍英米の列強諸国に組みすることになった。
ローマ教皇ピオ10世はこの終戦平和を慶賀し、 併せて日本が戦争中
日本・中国特に戦場となった満州において、 カトリック教会を保護
したことに感謝の意を表するため、 米国ポートランドの司教オーコ
ンネルを特派使節として日本に派遣した。 彼は1905年11月
2名の秘
書と共に来日し、 明治天皇に拝謁して教皇の親書を捧呈した。 日本
は皇室をはじめ朝野をあげて使節を歓迎した。 司教は見識者を前に
数回の講演を行ったが、 彼の雄弁は聴衆に大きな感銘を与えた。そ
の席上日本側は、 高等教育を目的とする学校を設立することを特使
に強く要請した。 当時カトリックの高等教育施設は皆無であった。
オーコンネル司教はローマに戻り、 教皇に日本の状況を報告
特に
日本に高等教育の事業を起こす必要があることを力説した。 教皇は
その進言を受入れ、 男子の高等教育のためにイエズス会を、 女子の
高等教育のために聖心会を指名した。
聖心会は聖女マグダレナ=ソフィア=バラによって1800年
スのアミアン市に創立され、 女子教育
フラン
特に指導階級の女子にカト
リック信仰を基礎とする健全な教育を授けることを目的とした。
当時
活動に余力のあった聖心会は、 直ちにオーストラリア管区よ
り4人の修道女を派遣した。 彼女らは1907年12月3日
徒聖フランシスコ・ザベリオの祝日に出発し、 長崎
日本宣教の使
神戸を経て1
月1日横浜に着いた。 早速汽車で新橋に向かったが予定より1日早かっ
たため、 教区からの出迎えがなかった。 途方に暮れてロザリオを繰っ
ていると、 白い髭の神父が現れ、 築地の司教館に案内してくれた。
翌日
月28日
麻布笄町27番地に用意された最初の家に落ち着いた。しかし2
第2陣の8人が到着するとこの家は手狭となった。 将来の発
展と学院設立のため広い土地を探す中
5月になって偶然現在の三光
町の土地が見つかり、 教育事業への本格的な一歩が始まった。
学院は順調な歩みを続け、1914 年
来日7年目に生徒数は200名に達
した。15 年には日本創立の目的であった高等専門学校英文科を開校
30年に国文科
1948年
37年に歴史科を設置することができた。
本格的な女子大学を東京女子大
日本女子大
津田塾に次い
で設立した。
イエズスの聖心会は現在もその創立の目的を純粋に受け継ぎ、 東京
静岡
兵庫県に於いて日本の社会に大きく貢献している。
イエズスの聖心会本部修道院
〒150 渋谷区広尾4-3-1
TEL 03-3400-1890
青年ネットワーク事務局だより
前号の教区ニュースでは、 東京教区青年ネットワーク事務局の主旨
などについて触れ、 事務的な側面にとらわれがちで、 聖霊の働きと
祈りを大事に、 信仰を深めていく姿勢を忘れずに運営にあたること
を心がけている、ということを 中心にお話しました。
泊流
そして泊練
4年程前から東京教区青少年担当司祭団の後援のもと半年に1回
東
京教区青年一泊交流会(通称泊流会パクリュウカイ)」 というものが行
われています。 日頃教会に行く事の出来ない青年や他の小教区の青
年同士の出会いの場として提供されてきたこの泊流会がきっかけで、
青年ネットワークが発足し、2 ヶ月に1回
半日交流会
も開かれる
ようになり、 教区100周年記念の青年祭が成功し、 他にも様々なもの
が生み出され、 小教区内外の青年層の活性化が促されてきたように
思われます。
しかしながら、 気軽に青年達が集まりやすいよう、 出会いを中心と
した場だけではなく、もっとお 互いの信仰を深め、 分かち合う事を
中心とした場を求める声は強く、 前回の泊流会は後者の傾向を強く
設定し、 今後は本格的に取り組めるよう「 一泊錬成会
に年に1回開
き、 泊流会との2本立てでやっていく予定です。
情報誌
みのるか」
青年ネットワーク事務局では、 教区内外の青年
に様々な情報を載せた「みのるか」という
学生の活動を中心
情報誌を毎月編集
発行
しています。 泊流会など青年ネットワーク主催の行事に参加した事
のある青年達にダイレクトメールで、また 各小教区にまとめて何部
ずつかお届けしています。
事務局事務室
発足して約2年が経過した東京教区青年ネットワークですが、 去年
の4月より、 高円寺教会の神父様
信徒の方々のご好意によりホール
の一角をお借りして事務室を構えています。いろいろな 方のご協力
ご寄付もあって、 充実した作業を行えるようになってきました。 専
従も置かれ、 以下のような形で開設しています。
☆ ☆ ☆ ☆
開設時間:火
水
土
午前10時より午後6時まで
専従:長渡 陽一
TEL03-3314-6039
FAX03-3314-3982
興味のある方のご連絡
ご訪問をお待ちしています。
(内藤義明)
復活から光と勇気を 白柳大司教イースター・メッセージ
主のご復活 おめでとうございます。
キリストの生涯には、さまざまな 神秘があります。 私たちはそこか
らさまざまな光を、 力を汲み取っております。それは 私たちの信仰
の土台であると同時に私たちの信仰を潤す尽きることのない豊かな
泉でもあります。
今ご復活の神秘を前にして、 私はご復活の神秘が、 キリスト教的な
価値観を証しするものであると同時に私たちに生き方の転換を促す
ものであることを強調したいと思います。
そのために皆様に、 復活前の弟子たちの姿を思い起こして頂きたい
と思います。
皆様もよくご存じのように、ご 復活まえの弟子たちは、 実に俗っぽ
く卑怯で弱い男たちでした。
エルサレムに向かうキリストが人々のためにご自分の命を与えよう
と覚悟しているにもかかわらず、 弟子たちは、 自分たちの中で誰が
一番偉いのかと論じあっています。また「
死にも牢獄にもついてい
きます」と 豪語しておきながら、 十字架に直面する時には、 散りぢ
りに逃げさり、 キリストとのかかわりを否認してしまいます。
最後の晩餐の席でもキリストは、 繰り返し、 弟子たちがキリストの
神秘を理解していないことを明らかにしております。 キリストと共
に歩み、 キリストのそばで生活し、 キリストの説教を身近で聞き、
その奇跡をその目で見ているにもかかわらず、 キリストの神秘 メッ
セージの本質を理解することができず、 生きることもできなかった
のであります。
しかし自己中心で視野の狭い弟子たちが、 復活後大きく変わります。
自分の損得を忘れて真剣に人々を愛し、 命を賭けてキリストの福音
を伝える人間になってしまうのです。
私たちは弱いが、あなたがたは 強い。あながたは 尊敬されている
が、 私たちは侮辱されています。 今の今までわたしたちは飢え、 渇
き、 着る物がなく、 虐待され、 身を寄せるところもなく、 苦労して
自分の手でかせいでいます。 侮辱されても祝福し、 迫害されても耐
え忍び、ののしられては 優しい言葉を返しています。 今にいたるま
で、 私たちは世の屑
すべてのものの滓とされています。」
これはパウロの言葉ですが、このような パウロの生き方の背後にあ
るものは、 キリストの復活の体験です。
キリストのように人々を愛しその救いのために身をささげてしまう、
これは復活前の弟子たちからは想像もできなかったことであります。
このような弟子たちの生き方の180度の転換
このきっかけを与えた
のがキリストの復活です。 弟子たちは、 生き方の転換のための光を
復活の神秘からくみとったのです。
死は最後の敵
とパウロが表現しているように、 キリストの時代
の人々は、 死を克服することができないものとして考えておりまし
た。ですから、
死を前にした時は、 恐れましたし、 命を賭けて自分
を与える勇気もでてこなかったのであります。
しかし、 キリストの復活は、 永遠の神の命の世界があることを証し、
愛は報われるものであることを明らかにしたのであります。この 神
秘を直視した時
弟子たちは、それまでの 価値観を転換するきっか
けを掴んだのです。 損得を越えて人を愛する勇気
命を賭けて福音
を伝えていく勇気を、 汲み取ることができたのです。
弟子たちが復活から汲みとった光は、 福音宣教推進をこころがけよ
うとする現代の日本の教会が最も必要としているものであると同時
に、 物質的な利益を求めて激しい競争に明け暮れずる現代日本の社
会を救う光でもあります。
弟子たちに貴重な恵みを与えられた父なる神が、 私たち一人ひとり
にも聖霊を注ぎ、 私たちの生き方を刷新する光と力を与えてくださ
いますように。
編集部から
3面の東京大司教区統計をまとめられた古賀神父に苦労話をうかがい
ました。
年末年始は教会の年度末にもあたるので、 会計報告
統計調査と
目がまわる程忙しい思いをします。
1月31日に両方の報告を締め切るのですが、 調査対象が81の小教
区 400の修道院 学校 各種施設に及ぶので、 調査数は日本一です。
締切りに遅れたデータを一日千秋の思いで待っていますと、 小さな
教区からは続々と結果が送られてきます。そのうちに 全国の統計を
まとめる中央協議会からは、まだ 提出されていないのは東京だけで
すよと、お 叱りのことば。このころになると 叙階式
教区総会の準
備も加って混乱の極み、いわゆる 4Kに悩んでいます。 締切り厳守に
ご協力を」とのことでした。いつも
発行日に間にあわせるために、
ヒヤヒヤ、ドキドキ している編集部には身につまされるお話しでし
た。
おことわり
シリーズ「 外国人共同体をたずねて」と「ある 家庭 は休みました。
次号をお楽しみに。
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