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5月 - ふくいアグリネット

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5月 - ふくいアグリネット
№35
播
播種
種((平
平成
成 2244 年
年 44 月
月 1177 日
日))
H 24 .5
育
育苗
苗((平
平成
成 2244 年
年 55 月
月 88 日
日))
ポ
ポス
スト
トこ
こし
しひ
ひか
かり
りの
の播
播種
種と
と育
育苗
苗((農
農業
業試
試験
験場
場))
<目
次>
「農業の 6 次産業化と人材育成をめざす新たな拠点『ほやほや』誕生」福井農林総合事務所
「クリムゾンクローバーでめざせ!ブランド米」
坂井農林総合事務所
「奥越のブランド『サトイモ』の産地拡大と農作業の軽労化を支援」 奥越農林総合事務所
「集落リーダーによるサル・イノシシに強い集落づくり」
丹南農林総合事務所
「“マコモ”の産地化に向け本格始動」
丹生技術経営支援課
「自然の恵みに感謝して、おいしく獣害対策に貢献」嶺南振興局二州農林部技術経営支援課
「新規就農者の入門講座『農楽教室』第 1 回開催」
嶺南振興局農業経営支援部
「農業試験場の PR 活動~情報発信の強化~」
農業試験場
「ラッキョウフルクタンの新たな効果~リパーゼ活性阻害~」
農業試験場
「園芸試験場が育成した福井ユリの出荷が始まりました」
園芸試験場
「家畜および畜産加工教室を通じた県民とのふれあい」
畜産試験場
【お知らせ】メールマガジン「e農メール」のご案内
1
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農業の 6 次産業化と人材育成をめざす新たな拠点「ほやほや」誕生!!
1
「ほやほや」誕生
平成 24 年 3 月 30 日、福井市黒丸町の国道 416 号線沿い
に農業の 6 次産業化と人材育成をめざす「アグリスタイ
ル・ほやほや」(株式会社アジチファーム経営)が開業し
ました。
株式会社アジチファームは、福井市を中心に借地による
広域的な稲作経営を進めてきた経営体です。水稲作では主
食用をはじめ新規需要米として米粉や稲発酵粗飼料も手
掛けています。平成 16 年には米粉加工を行う「米パン倶
楽部」を設立し、平成 21 年 1 月に株式会社化し、現在に
アグリスタイル・ほやほや
至っています。社長を除く社員は研修等を通じて入社した
30 代前後の若い世代が主体で、活力にあふれています。
義元孝司社長は、長年描いてきた 6 次産業化の構想を具
現化するため、平成 22 年に国の経営体育成交付金(地域
担い手づくり整備事業)の採択を受け、直売と農家レスト
ラン、農産物加工施設を一体的に整備し、運営体制の構築
を進めてきました。
2
開業までの支援と今後
しかし、農業生産以外の新分野に参入する 6 次産業化に
は多くの課題があります。農業経営支援部では国(地域セ
地域の農家のこだわり農産物を販売
ンター)、市、県の事業担当者、中小企業診断士らで構成
するサポートチームに稲作担当と農産加工担当が参画し、
開業までの 2 年間にわたってさまざまな支援を進めてきま
した。特に飲食店経営や菓子加工等に関しては、各方面の
アドバイザーと連携し、農産加工等の事業計画の具体化に
ついての助言を行ってきました。
開業は一つの通過点でしかありません。今後も当事務所
では、農産加工や食品表示、新規就農支援など加工部門に
対する支援はもちろん、稲作や粗飼料生産、豆腐加工原料
の大豆生産など生産部門の経営向上の支援も進めていき
レストランメニュー「百姓定食」
ます。
「アグリスタイル・ほやほや」営業時間・店舗情報
営業時間:直売所 9:00〜19:00
食堂 11:00〜14:00
定休日 水曜日
住所:〒910-0052 福井市黒丸町 14-48-1
TEL:0776-89-1825
FAX:0776-89-1826
HP:http://ajichi.jp/activity/hoyahoya/
問い合わせ先:福井農林総合事務所農業経営支援部(担当:徳堂)
TEL:0776-21-8212
Mail:[email protected]
2
クリムゾンクローバーでめざせ!ブランド米!!
坂井地区ではお米の評価を今以上に高めていくために、食味の向上に加えて、高付加価値化が期待で
きる栽培法を導入し、ブランド化を進めています。
坂井農林総合事務所では、JA や市役所等と連携して、クリムゾンクローバー(別名:ストロベリーキ
ャンドル)等を鋤き込んだ緑肥栽培に取り組んでいます。平成 21 年秋から実証圃を設置し、緑肥の生
育の特徴や、緑肥の鋤き込み量と窒素供給量の関係を明らかにしてきました。
1
緑肥栽培の特徴(通常栽培との比較)
・初期の葉色が淡く、茎数の増加が緩やか
・6 月末~7 月上旬の葉色は濃く、慣行より生育が遅い
・収量は 1~2 割少ないが、食味値は高い
2
栽培の技術的ポイント
・緑肥の播種前に排水を徹底し、播種時期・量を厳守
・鋤き込み時期は、緑肥の生草重を調査し決定
・鋤き込んだ後、すぐ入水せず 10 日程度は畑状態に
・稲の生育を見て、追肥を判断する
これらの結果を緑肥栽培の作見会や春季、秋季の稲作
研修会等で説明し、生産者に栽培を働きかけたところ、農業生産法人や担い手農家を中心に、平成 23
年産米は 9.5ha、平成 24 年産米は約 30ha にまで栽培が拡大してきました。
3
緑肥栽培の効果
・化学肥料の使用量を減らすことができるため、資材費の縮減につながる
・環境に優しい取組みとしての PR 効果
・国の「環境保全型農業直接支援対策」で「カバークロップの作付」として支援対象となる(併せて
化学肥料と農薬の 5 割以上の低減、エコファーマーへの認定等が必要)
また、昨年実施した「第 1 回坂井地区美味い!米コンテスト」の最優秀賞が、緑肥栽培を行った圃
場で栽培したお米であったことから、食味向上への効果も期待できます。
4
ブランド米に向けて
今後は、生産技術の改善に加えて、県域で進める「こだわり米」ブランドの確立の一環として、①
ブランド米としての栽培技術の統一、②販売手法、③生産者との意見交換やマーケティングなどを関
係機関と話し合いを継続し、地域の特色ある米づくりを推進していきます。
あわら市轟木新田におけるクリムゾンクローバーの鋤き込み作業(4 月上旬~5 月上旬)
4~5 分咲きのクリムゾンクローバー
モアで地上部を切断
問い合わせ先:坂井農林総合事務所農業経営支援部(担当:林)
TEL:0776-84-8043
Mail:[email protected]
3
ロータリで鋤き込み
奥越ブランド「サトイモ」の産地拡大と農作業の軽労化を支援!!
1
「サトイモプロジェクトチーム」立ち上げ
奥越のサトイモは、ブランド農産物として全国的に高い
評価を得ています。しかし、高齢化や後継者不足などによ
り栽培面積は年々減少し、平成 10 年のピーク時と比べる
と約半分の 108ha となっています。
このため、市や JA 等の関係機関と一丸となり「サトイ
モプロジェクトチーム」を立ち上げ、機械化による産地拡
大を図っています。
2
機械化省力栽培の効果
農業経営支援部は、その対策の一つとして、機械を活用
定植機での植え付け(大野市平沢)
したサトイモの省力栽培体系を確立するため、機械化栽培
の実証圃を設けて作業時間や収量等の調査を行っていま
す。
今年は例年よりやや遅い 4 月下旬から、大野市、勝山市
の 4 か所で施肥・畦立て・マルチ作業が同時にできる作業
機や定植機の実証を行いました。昨年度までの実証結果か
ら、圃場準備と定植作業の労働時間は機械化により 75%削
減できることや、局所施肥により施肥量を 2 割削減できる
ことなどメリットが明らかになりました。実証した生産者
からは、「いつもは何日もかかる作業があっという間に終
施肥畝立てマルチャーでの圃場準備
わった」、
「体への負担が少なくて楽だった」など、機械導
(勝山市岩ヶ野)
入に前向きな意見をいだだきました。
3
今後の推進計画
今後 6 月下旬には、機械化と麦跡を有効利用したサ
トイモ作付を推進するため、集落営農組織による実証
圃場準備
機械化
定植
試験を実施し、麦跡での作業性やその後の生育、収量
などを調査する予定です。
今年は機械化栽培の実証に、新たに 3 か所の経営体
慣行
が取組むことになっており、産地での機械化栽培への
関心の高さが伺え、これからの作付面積の拡大につな
がるものと期待しています。
機械化実証を各地で継続してきた成果として、規模
0
10
20
30
労働時間(時間/10a)
図
機械化による圃場準備、定植
作業の労働時間の削減効果
拡大を目指す大規模農家や集落営農組織が、平成 24 年度
の県事業を活用して、定植機 6 台、施肥畝立てマルチャー3 台を導入することになっています。
機械化については圃場準備や定植作業のほか、収穫作業についても検討しており、現在農機具メー
カーと協力して「サトイモ専用収穫機」の開発に取り組んでいます。今年の 9 月には製品化される予
定で、大規模生産者が 1 台導入することになっています。
今後も当支援部では、機械化による省力栽培の普及・拡大を進めていきます。
問い合わせ先:奥越農林総合事務所農業経営支援部(担当:瀬野、加藤)
TEL:0779-65-1282
Mail:[email protected]
4
40
集落リーダーによるサル・イノシシに強い集落づくり!!
南越前町では、イノシシによる農作物被害に加え、近年サ
ルによる被害も広がっており、農家の生産意欲減退につなが
っています。そこで、12 集落 43 名の獣害対策集落リーダー
を対象に、これまで電気柵と集落環境の点検研修(平成 23
年 7 月)、サル対策研修会(同 9 月)の開催とサルの群れ調
査(同 12 月)を実施してきました。
1
サル対策
今回、平成 24 年 3 月 16 日に獣害対策集落リーダー研修
会を開催し、株式会社野生動物保護管理事務所の清野紘典
【サル】リーダー研修会(3 月 16 日)
主任研究員から、昨年 12 月に実施したサル群れ調査の結
果、群れの加害レベルはやや深刻で、住民の意識や習慣を
変えないと頭数を減らせないという報告と、サルの能力と
生態、追い払いのポイントについて説明を聞きました。丹
南農林総合事務所と町の担当者からは、サルに出てきては
いけない場所を教えるために有効な道具として、電動ガン
の使い方の説明をし、試し打ち実習も行いました。この電
動ガンは、町からリーダーのいる集落に 1 丁ずつ貸与され、
研修を受けた人のみが使える形で、今後の追い払い活動に
【サル】電動ガン操作実習(古木、3 月 21 日)
利用される予定です。
また、同町古木区においても、3 月 21 日にサル対策研修
会を開催し、丹南農林総合事務所と町の担当者が、サル対
策のポイントと電動ガンの使い方を説明しました。野菜の
畑をネットや電気柵で囲うこととあわせて、サルにエサと
なるようなものを放置しないことの重要性を伝えました。
26 名が参加し、サルを寄せ付けない環境を集落ぐるみで作
り上げることの重要性を理解してもらいました。
2
イノシシ対策
【サル】電動ガン試し打ち(古木、3 月 21 日)
一方、イノシシ対策については、4 月 26 日にリーダー研
修会を開催し、鯖江市で実践的な活動をしている「河和田
東部美しい山里の会」の服部義和氏を講師に、イノシシの
電気柵設置のポイントについて、設置実習を交えて説明を
受けました。
丹南農林総合事務所では、このように市町と一緒になっ
て、集落獣害対策リーダーを育成し、リーダーの指導のも
とで集落ぐるみで防除対策を行う体制づくりを支援して
いきます。
【イノシシ】リーダー研修会(4 月 26 日)
問い合わせ先:丹南農林総合事務所農業経営支援部(担当:前川)
TEL:0778-23-4532
Mail:[email protected]
5
“マコモ”の産地化に向け本格始動!!
越前町の新たな特産品として“マコモ”の産地化に向けた取組みが始まりました。
イネ科の多年草であるマコモは、茎の部分が肥大化した「マコモタケ」を食材として用います。水田
で栽培でき、育苗が不要なことなどから、取組みやすい転作作物として注目されています。また、中山
間地域の条件不利地でも栽培可能なことから、耕作放棄地の解消に繋がる作物としても期待されていま
す。
丹生技術経営支援課では、中山間地域の活性化および耕作放棄地の防止、水田を活用した特産振興を
図るため、マコモの生産・販売活動を支援しています。
1
マコモを使った商品化
昨年度は、マコモの販路開拓のため、鮮やかな葉の色を変えることなくパウダー化する加工技術を
製粉業者と確立する一方、マッチング商談会を通して飲食店・加工業者等へのマコモ葉パウダーの
PR・活用支援を行い、福井市内の中華料理店でのデザートメニューへの利用や、越前町内の菓子店で
の「まこもカステラ」の商品化につなげることができました。
しかし、マコモは、県内で栽培事例がないこと、消費者の知名度が低いこと、利用者が特定の飲食
店等に限られることなど、数多くの課題があります。
2
「越前まこもの会」設立
そこで、産地化に向けた第一歩として、生産者の拡大と仲間づくりや消費者への幅広い PR を図る
ため、3 月 20 日に「越前まこもの会」の設立会議を開催しました。
この結果、12 名と 1 組織の農業者が会員となり、マコモの生産・販売・PR 活動を行うことになり
ました。作付面積も昨年の 80a から今年は 130a に拡大しました。
3
新たな産地化に向けて
今後は、丹生地区の風土に応じた栽培体系の確立に向け、肥料試験や除草作業等の機械化に向けた
試験を実施しています。また、
「マコモタケ」の販路を広げるため、市場(利用者)の要望に応じた、
出荷規格の統一や、新たな加工商品の開発に向けた支援を行っていきます。
県民に「越前町はマコモの産地」という認識が高まるよう、産地化に向けた基盤づくりに課員が一
丸となってまい進します。
越前まこもの会の設立会議
まこも会員による株植え
問い合わせ先:丹南農林総合事務所丹生技術経営支援課(担当:藤田)
TEL:0778-34-1790
Mail:[email protected]
6
商品化された「まこもカステラ」
自然の恵みに感謝して、おいしく獣害対策に貢献!!
二州農林部では、市町と協力して農作物に被害を与える野生獣の対策に取り組んでいます。
シカやイノシシを適正な個体数に減らすため、捕獲を推進する一方、捕獲したシカやイノシシを資源
として有効利用するため、調理加工法の普及にも取り組んでいます。
ヨーロッパなどでは、野生鳥獣の肉は「ジビエ」(gibier)と呼ばれ、食材として活用されているこ
とから、二州地区でもそうした価値を見出すため、シカ肉料理専門店のシェフを講師に招いて、独特の
前処理方法と肉の特性を活かした調理技術を重点的に学ぶ研修会を開催し、生産者だけでなく飲食店経
営者等にも受講していただきました。
このような中、研修会の受講者が地域で獣肉料理を普及しようとする動きが出てきています。
その一つに、美浜町の”自然と共に生きる会サンガ(代表 中村俊彦氏)”があります。このグループ
は、イノシシやシカなど自然の恵みと命に感謝し、自然を大いに楽しむ活動をしています。このほど、
ジビエになじみの薄い方にも獣肉を身近に感じてもらうため、4 月 15 日に美浜町新庄の「渓流の里」で
「収穫感謝祭」を開催しました。
参加者は町内外から 120 名が集まり、丁寧に前処理されたシカ肉やイノシシ肉の美味しさを十分に堪
能することができました。
二州農林部は、こうした取り組みが拡大するよう、今後も「ジビエ」に関する情報発信と普及啓発を
行い、より多くの人が獣害対策を考えるきっかけづくりをしていきます。
ジビエ料理を楽しむ参加者
挨拶する代表の中村俊彦氏
問い合わせ先:嶺南振興局二州農林部技術経営支援課(担当:福井)
TEL:0770-22-5027
Mail:[email protected]
7
新規就農者の入門講座「農楽教室」第 1 回開催!!
嶺南振興局農業経営支援部は、新規就農者の育成に重点においた普及指導を行っています。特に若狭
町では、有限会社かみなか農楽舎(以下農楽舎)と平成 14 年の設立当初から連携し、農楽舎研修生や
卒業生を対象に、農業技術や経営管理に関する教室や、地域の先進的な農業者との意見交換等を行う「農
楽教室」を開催するなど、就農者の定着と経営発展を進めてきました。
一方、近年は他の市町でも新規就農者が増えています。しかし、他の市町では若狭町のような充実し
た就農支援体制がないため、効率的な新規就農者の育成が課題となっています。
1
広域の指導機関としての役割
このため、農業経営支援部は、今年 4 月に農楽舎および若狭町
と協議を行い、若狭地域(若狭町から高浜町)における新規就農
者の育成のため、農楽舎を広域の指導育成機関として位置づける
こととし、今年度から、農楽教室に若狭町以外の市町に在住の新
規就農者(おおむね就農 5 年まで)に対しても募集することにな
りました。その結果、管内から 23 名もの申込みがあり、たくさ
んの新規就農者が農楽教室に大きな期待や関心を持っているこ
佐藤主任による第 1 回目の教室
とがわかりました。
5 月 8 日には、今年度の第 1 回目の農楽教室を開催しました。
今回は開講式とともに、当支援部の佐藤主任が野菜栽培の基礎
(施設・座学)について講演しました。15 名の出席者からは活発
な質問が出るなど、初回から活気あふれる教室となりました。
今後はこのような教室を月 2 回程度、年間 22 回開催する予定
です。また、その内容は、水稲栽培 3 回、麦・大豆・そば栽培 1
回、野菜栽培 6 回、農業簿記 2 回、経営・加工 4 回、経営事例研
究・現地研修会 4 回などです。受講者自身の積極性も重視し、座
意見交換の様子
学だけではなく、現場での農業技術習得や先進農家との意見交換
など実践形式の講座も織り交ぜるとともに、体系的にカリキュラ
ムを組み、ステップアップ方式で学習できるのが特徴です。
2
新たな就農システムの支援
また、講師は当支援部からたくさんの普及指導員が対応する予
定です。これによって、受講者にとっては、普及指導員との距離
が一気に縮まり、普段から気軽に栽培技術や経営面の相談ができ
ます。一方、普及指導員にとっては、受講者の個性や能力がより
把握でき、就農計画作成および栽培技術・経営面で的確な指導が
農業者との交流会(昨年度)
できるほか、経営基盤の継承を希望する地域の担い手と新規就農
者をマッチングさせて、地域に合わせた就農システムの構築を図
ることができるなど、様々な効果があります。実際に若狭町では、
このような仕組みが定着し、経営基盤の継承を前提とした法人が
3 つ設立されています。今年度からは、若狭町外の新規就農者も
受講可能になったことから、このような就農システムが、他の市
町にも定着していくことを期待しています。
問い合わせ先:嶺南振興局農業経営支援部(担当:三宅)
TEL:0770-56-2221
Mail:[email protected]
8
現地視察研修会(昨年度)
農業試験場の PR 活動~情報発信の強化~!!
農業試験場は、試験研究の成果や開発した技術を農業関係者に伝えたり、その業務を一般県民の方に
広く知っていただくため、研究情報の発信や施設の見学・体験の受け入れ、一般公開等に取り組んでい
ます。
1
報道機関等を通じた農業技術・研究情報の発信
新聞、テレビ、ラジオ等の媒体を通じ、六条大麦ビールの開発等の
研究成果、ポストこしひかり育成や伝統野菜選抜等の研究プロセス、
一般公開や成果発表会等の情報を積極的に PR しています。平成 23 年
度は 25 回プレスリリースし、新聞記事やニュース報道された件数は
190 件を超えました。現在は、昨年度に報道機関へ積極的に情報提供
伝統野菜「嵐カブ」の優良系統選抜
した効果もあり、今年度も多くの取材を受けています。
2
インターネットを通じた農業技術・研究情報の発信
研究成果はもちろん、水稲の生育状況やこれに基づくタ
イムリーな技術情報、病害虫発生情報、気象災害の緊急技
術対策、地域農業の動き等に関する情報を農業試験場のウ
ェブサイト「ふくいアグリネット」を通じて発信していま
す。(http://www.agri-net.pref.fukui.lg.jp/)
また、この中で、気象の緊急対策などすみやかに農業関
係者に伝えるべき情報については、県のメールマガジンを
活用し、「e農メール」と題した情報を配信しています。
その結果、当サイトのアクセス件数は年々増加しており、
平成 23 年度は 84,000 回に達しました。(平成 22 年度は
59,000 回)
3
ふくいアグリネット
施設体験および視察対応、一般公開
農業関係者や一般県民にも身近に開かれた研究機関として、農業
関係者の視察や中学、高校、大学生の職場体験を数多く受け入れて
います。平成 23 年度の実績は、県内外および海外を含めて 37 団体
のべ 577 人に達しました。
また、一般公開として、平成 23 年度は小学生親子を対象にした「ア
グリチャレンジ LABO クラブ」を開催しました。お米の品種の味比べ
や身近な道具で土の性質を調べる教室などを開き、2 日間で延べ 360
アグリチャレンジ LABO クラブ
人が参加しました。
4
研究成果の発表
農業関係者に研究員が直接研究成果を PR するため、県内数か所で「元気のでる農業新技術・普及
活動発表会」を開催しています。平成 23 年度は 3 日間でのべ 500 人が参加しました。
今年度もプレス報道、インターネット等を活用した迅速な情報発信、加えて視察受け入れ、さらに研
究成果発表会を通して、広く県民の方々に農業試験場の取り組みを知っていだだけるよう努めていきま
す。
問い合わせ先:農業試験場企画・指導部(担当:増田)
TEL:0776-54-5100
Mail:[email protected]
9
ラッキョウフルクタンの新たな効果~リパーゼ活性阻害~!!
ラッキョウに含まれる食物繊維「フルクタン」は、中性脂肪の低下やコレステロールの低下、血糖値
の上昇抑制効果が認められ、肥満や生活習慣病の予防などに役立つものとして期待されています。
1
食品加工研究所におけるフルクタン研究
食品加工研究所は平成 5 年頃から、ラッキョウに多く含まれる食物繊維であるフルクタンについて
の研究を行っています。ラッキョウからフルクタンを抽出する技術を開発後、フルクタンの食品への
利用用途の開発を行ってきました。
これまで県内企業や県内外の大学との共同研究にも取り組み、フルクタンを利用したドリンクやサ
プリメントが商品化されました(写真)。また、フルクタンに係る特許 3 件を取得し、さらに 2 件を
特許として出願中です。
2
フルクタンのリパーゼ活性阻害
このほど、このラッキョウフルクタンに、リパーゼ活性阻害効果があることがわかりました。リパ
ーゼは、ヒトの体内で脂質を分解する酵素で、この活性を阻害することで食品に含まれる脂質の体内
への吸収を抑制することができると考えられます。ウーロン茶をはじめとして食品素材の中には、リ
パーゼ阻害活性をもつものがいくつか知られており、抗肥満作用の面で注目されています。
ラッキョウから調製したフルクタンのリパーゼ阻害効果を調べたところ、他の植物や微生物が作る
フルクタンに比べ、高い阻害活性が認められました(図 1)。他にも、ラッキョウのフルクタンには、
カルシウムや鉄などのミネラルの吸収を高める作用があることが明らかになってきました。
このように、多くの食物繊維が含まれるラッキョウフルクタンに、新たに脂質吸収抑制効果などの
機能を見出すことで、さらに付加価値の高い製品開発が期待されます。
フルクタンを利用したドリンク(左:フルクタン HP)
とサプリメント(右:コレステフリーF)
問い合わせ先:農業試験場食品加工研究所 食品産業支援研究 G(担当:大浦)
TEL:0776-61-3539
Mail:[email protected]
10
園芸試験場が育成した福井ユリの出荷が始まりました!!
園芸試験場では、福井ユリ(リリシリーズ)の品種育成および球根増殖を行っています。
登録品種は LA ハイブリッドユリの「リリブライトレッド」
(赤)、
「リリレモンイエロ-」
(黄)と「リ
リライトピンク」(ピンク)の 3 品種です。色鮮やかな 3 色そろっての登録で花色の組み合わせが多彩
となり、盛り花などのアレンジメントに向きます。LA ハイブリッドとは、球根が小さくても開花するテ
ッポウユリと花色が豊富なスカシユリとを交配して作ったもので、球根が大きくなるまで年数を待たず
に早く開花し、色鮮やかなユリになるのが特徴です。
一方、球根増殖は翌年の春に開花できるような大きさにまで成長させたものを栽培農家へ供給してい
ます。しかし、県内でユリの栽培を推進するためには、安定した球根の供給が必要であることから、園
芸試験場では、球根養成栽培技術マニュアルを作成するとともに、昨年から試験的に一部の栽培農家で
球根養成栽培をしてもらっています。
平成 24 年度出荷目ぞろえ会
リリブライトレッド(赤色)の盛り花
栽培中のリリレモンイエロー
今年の出荷は、昨年から球根増殖が進んだ「リリブライトレッド」
(赤)と「リリレモンイエロ-」
(黄)
の 2 品種が対象で、福井県経済連総合センターにおいて、ユリの生産者と関係者(約 20 名)が集まり、
平成 24 年度の福井ユリ出荷にかかる目ぞろえ会を行いました。
現在、県内のユリ生産者数は約 10 名で、栽培面積は約 1ha、出荷本数は昨年の 1 万本より多く、1 万
5 千本を予定しています。今年の特徴は、昨年の植付前に球根を冷蔵処理して発芽を早くさせたため、
出荷時期が通常の 5 月中旬~6 月より早くなることです。最も早いものだと 5 月の連休前から出荷でき
るため、5 月 13 日の母の日に間に合うものは、高値での販売が可能となりました。
今年は、各農家の栽培技術が向上して収穫を早めることが可能になり、また品質の高いものが採れる
ようになったので、今後、栽培農家も面積を拡大することを期待しています。
園芸試験場では、今後も福井ユリの品種改良や栽培推進に取り組んでいきます。
問い合わせ先:園芸試験場エコ園芸・花き研究 G(担当:前田)
TEL:0770-32-0009
Mail:[email protected]
11
家畜および畜産加工教室を通じた県民とのふれあい!!
畜産試験場では、家畜および畜産加工教室を通じた県民とのふれあいに取り組んでいます。
このほど、一般の方々に畜産を知っていただくため、気軽に来てもらえる研究機関になるよう、ヤギ
や羊と触れ合ったり、芝生広場でのびのびとくつろげる「ふれあい牧場」がオープンしました。4 月 24
日の開所式には、県知事、あわら市・坂井市の両市長、地元県会議員、地元団体代表者など多くの来賓
の方が出席されました。記念の行事として、地元三国町の加戸幼稚園児 23 名が体験学習「めん羊の毛
刈り」に挑戦しました。園児たちは、動物に興味深々で生の羊毛のやわらかさを実感した様子でとても
なごやかな開所式行事となりました。
式典の様子
動物とのふれあい
施設の概要図
施設の紹介
・構
成
ヤギ・羊とのふれあいゾーン(0.8ha)、若狭牛繁殖放牧ゾーン(8.0ha)、
芝生広場(0.6ha)、案内休憩所(120 ㎡)、展望台(高さ 12.5m)
・開園時間
午前 9 時~午後 5 時
・案
専門のちくさんガイド(開園時間常駐)が説明
内
入場無料
また、畜産試験場では、畜産加工体験を通じて県産畜産物の消費拡大につなげるため、3 月 11 日に
JA 花咲ふくい女性部と連携して、「ソーセージ作り」教室を開催しました。
材料となった豚肉は、あわら市滝の杉本正氏が、米くずや生パンく
ずなどの副産物飼料(エコフィード)を積極的に利用して育てたもの
で、生産者のこだわりが伝わるよう参加者(24 人)に説明しました。
その後、家族で手分けして、お肉、卵白やコーンスターチ等をボー
ルに入れ 20 分程度混ぜ合わせ、腸詰め機を使ってソーセージの皮(人
工ケーシング)に詰めました。小学校低学年の男の子は、
「腸詰め機が
ピストルみたいで面白い。」と言って、長さ 50cm 程の超ロングソーセ
ージを作っていました。待ちに待った昼食では、自分で作ったソーセ
ージを堪能し、「肉汁が美味しくて、また挑戦してみたい!」と大変
できた!できた!ロングソーセージ
満足していました。
畜産試験場では、今後も「ふれあい体験」や「畜産物加工教室」を随時計画し、県民の皆さんに畜産
への理解を深めてもらえるよう取り組んでいきます。
問い合わせ先:畜産試験場企画支援室(担当:八木)
TEL:0776-81-3130
Mail:[email protected]
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