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2012年度 事業報告書
2012年度 事業報告書 学校法人 河合塾 Ⅰ.法人の概要 Ⅱ.事業の概要 Ⅲ.財務の概要 Ⅰ.法人の概要 学校法人 河合塾 代表 : 理事長 河合 弘登 所在地 : 〒464-8610 愛知県名古屋市千種区今池 2-1-10 設立 : 1955 年 3 月 14 日(1933 年 11 月 3 日創設) 1.沿革 (2013 年 3 月 31 日時点) 1933 年 河合逸治が「河合英学塾」を創設 1937 年 「河合塾」と改称し、桜山校(名古屋市)開校 1955 年 愛知県から学校法人の認可を受け「学校法人河合塾」設立 1956 年 名駅校開校、以後、名古屋市内に校舎展開 1968 年 チュートリアルシステム誕生 1970 年 美術系大学進学コース(1971 年より河合塾美術研究所)新設 1971 年 夜間部補習科を「グリーンコース」と改称 1972 年 「全国進学情報センター」設立、全国統一模試開始 1974 年 小学生対象事業開始 1970 年 日本初の特定大模試「東大入試オープン(現 東大即応オープン)」 実施 1977 年 駒場校開校(東京進出)、以後、全国各地に校舎展開 1982 年 「財団法人河合記念奨学財団」(2011 年より公益財団法人)設立 1984 年 「河合文化教育研究所」設立 1986 年 留学生対象事業開始 1987 年 社会人・大学生教育事業に本格参入 帰国生への教育事業(2005 年より海外帰国生コース)開始 1988 年 大検(現高卒認定試験) ・通信制高校生支援コース「河合塾 COSMO」 新設 1996 年 トップレベル生対象「K会」新設 2006 年 学校法人札幌予備学院を合併 2006 年 学校法人文理学院との提携強化 2008 年 東大専門特化校舎 本郷校開校 2012 年 浜松校開校 2.設置する学校および所在地 (2013 年 3 月 31 日時点) 河合塾札幌校 (北海道札幌市北区北九条西三丁目 3 番地) 専修学校河合塾大宮校 (埼玉県さいたま市大宮区大門町三丁目 67 番 2) 専修学校河合塾松戸校 (千葉県松戸市松戸 1305 番地9) 専修学校河合塾津田沼校 (千葉県習志野市谷津一丁目 15 番 33 号) 河合塾本郷校 (東京都文京区小石川二丁目 6 番 1 号) 専修学校河合塾新宿校 (東京都新宿区西新宿七丁目 12 番1号) 専修学校河合塾池袋校 (東京都豊島区西池袋一丁目 3 番 12 号) 専修学校河合塾立川校 (東京都立川市曙町一丁目 14 番 13 号) 1 専修学校河合塾町田校 (東京都町田市中町一丁目 18 番 6 号) 専修学校河合塾麹町校 (東京都千代田区六番町 1 番地 3) 河合塾横浜校 (神奈川県横浜市西区南幸二丁目 11 番 9) 専修学校河合塾浜松校 (静岡県浜松市中区田町326番地19) 河合塾岐阜校 (岐阜県岐阜市高砂町一丁目 10 番5) 河合塾千種校 (愛知県名古屋市千種区今池二丁目 1 番 10 号) 河合塾名駅校 (愛知県名古屋市中村区椿町 1 番 8 号) 河合塾名古屋校 (愛知県名古屋市中村区亀島二丁目6番4号) 河合塾豊橋校 (愛知県豊橋市駅前大通一丁目 88 番地 2) 河合塾京都校 (京都府京都市中京区三条東洞院東入菱屋町 41 番地 2) 河合塾大阪校 (大阪府大阪市北区豊崎三丁目 13 番1号) 河合塾上本町校 (大阪府大阪市天王寺区上汐三丁目 1 番 11 号) 河合塾天王寺校 (大阪府大阪市天王寺区南河堀町 3 番 23 号) 河合塾広島校 (広島県広島市南区大須賀町 14 番 20 号) 河合塾福山校 (広島県福山市丸之内一丁目 3 番 1 号) 専修学校河合塾福岡校 (福岡県福岡市中央区渡辺通四丁目 2 番 11 号) 専修学校河合塾北九州校 (福岡県北九州市小倉北区室町二丁目 10 番 8 号) 3.教職員・役員の状況 (2012 年度開講月〔4 月 30 日〕時点) 教員 1,427 名 職員 1,220 名 役員 理事 定数 8 名以上 11 名以内(任期 2 年) 実数 常勤 5 名 非常勤 3 名 河合弘登 坪井勝人 冨岡和隆 村上義則 勅使河原愼吾 高橋一夫(非常勤) 那須國宏(非常勤) 衛藤博啓(非常勤) 監事 定数 3 名(任期 2 年) 実数 非常勤 2 名 計2名 柳澤義一(非常勤) 寺根秀雄(非常勤) 2 計8名 Ⅱ.事業の概要 学校法人河合塾は、河合塾グループの一員として、“私たちは「自らを求め、学びつ づける人」を支援し、一 人ひとりの未来に貢献 します。”という使命のもと、教育 事業、 教育活動支援事業、教育の研究・開発活動に携わっております。また、同時に社会へ 向けた取り組み(SR活動)で、社会と共有できる新たな価値を創造しています。 1.教育事業 塾訓 「汝自らを求めよ」を教育の場に実践してきたのが河合塾の教育事業です。 1933 年、創設者である河合逸治が高卒生に大学受験のための英語教育を行ったこと が河合塾の始まりであり、当時より、高卒生や現 役高校生が志望校に合 格できるよう に、また合格後も知的興味を持ち続けられるようにカリキュラムを組み、テキストを作成 し、授業を行ってきました。そして現在も、河合塾は「すべては一人ひとりの生徒のため に」を念頭に、常に生徒や学生たちと真剣に向き合い、一人ひとりとの「つながり」を大 切にした教育を行っています。河合塾の「学び」に対する基本姿勢は「学問の本質を伝 えること」であり、「学ぶことの面白さを実感してもらうこと」にあります。単に受験問題の 解答テクニックを身につけることを目的とするのではなく、生徒一人ひとりの個性を理 解し、将来の進路選択を支援する「学びの場」を提供することによって、生徒の自己実 現を支援していくことに力を注いでいます。河合塾のオリジナルテキストは、入試問題 の分析はもとより、教育課程や入試制度についてまで分析を重ね、毎年改訂を加える ことで構築されています。 ①小学生向け教育事業 ・小学グリーンコース ・河合塾美術研究所(こども教室) 小学グリーンコースの「高校受験ジュニアコース」は難関高校への進学を目標に、小 学校の学習内容を中学校の学習の土台として定着させること、すなわち、中学校の学 習へのスムーズな橋渡しをめざします。「中学校でのどのような学習内容につながるか」 を意識させ、学習内容の定着を図ります。 また、河合塾美術研究所が名古屋地区で開講している「こども教室」は、「絵を描く こと、ものをつくることの愉しさ」を子どもたちに共有しながら、「美術を通じて自ら考え、 自らを表現できる、創造的な人間育成」をめざしています。 ②中学生向け教育事業 ・中学グリーンコース ・MEPLO(本郷校) ・K会 ・河合塾美術研究所(美術系高校進学コース) 中学グリーンコースの「高校受験コース」は難関高校合格をめざし、「私立中学生コ ース」は難関大学へ現役合格するための土台の構築をめざします。いずれも高校入試 や大学入試を熟知した講師が、これらの目標達成のために作成したオリジナルテキス トを使って、わかりやすい授業を展開しています。私立中高一貫校に通う中3生を対象 とした「私立中高一貫コース」では、来るべき大学入試で難関校への現役合格ができ 3 るよう、少人数制の授業で生徒一人ひとりとしっかり向き合いながら学力を伸ばしてい きます。また、広島校・福山校でも中高一貫校生を対象に、大学受験を意識したハイレ ベルな指導を行い、福岡校・北九州校には個別指導講座を設置しています。 本郷校に設置する MEPLO は、東大現役合格はもちろんのこと、さまざまな分野で活 躍する“勇者”の気概を持ったグローバルリーダーを養成しています。 トップレベル生対象のK会は、数学や英語を学問としてより高度に、より深く学ぶこと を目的としたコースです。大学受験を最終目的としたカリキュラムではなく、トップレベ ル生にふさわしい知的刺激に溢れたオリジナルプログラムを提供しています。 河合塾美術研究所では、中学生対象の「専科基礎中学クラス」で高校入試受験対 策としての実技指導を行っています。合わせて受験にとらわれない切り口での美術教 育も行っています。 ③高校生・高卒生向け教育事業 ・高校グリーンコース ・MEPLO(本郷校) ・K会 ・大学受験科 ・海外帰国生コース ・河合塾美術研究所(美術系大学進学コース) 高校グリーンコースは、志望大学現役合格をめざす現役高校生を対象としたコース です。大学入試を目標とした「逆算型カリキュラム」に基づく多彩な講座と、充実したサ ポート体制で、高校生活と両立させながら志望大学現役合格を実現させます。 また、本郷校に設置する MEPLO は、東大現役合格はもちろんのこと、さまざまな分 野で活躍する“勇者”の気概を持ったグローバルリーダーを養成しています。 高卒生対象の大学受験科は、志望大学のコース別に最適化されたカリキュラムと、 講師・チューターが連携したきめ細やかな指導体制で第一志望の大学に再チャレンジ する塾生の真の力を引き出し、1年間で着実に力を伸ばし確実な合格へと導きます。 海外 帰国 生 コースは高卒生と一時 帰国 中の高 校生、日 本 の高校 編入 生を対象 と する大 学 受 験 指 導 コースで、医 学 部 ・薬 学 部 をはじめとする理 系 学 部 や東 大 ・一 橋 大・早大・慶大などで高い合格実績を誇ります。国内の一般生とは別枠で実施される 帰国生入試を利用し、志望大学合格を万全にサポートしています。 トップレベル生を対象としたK会のカリキュラムは、大学入試にとらわれず、各教科で 学問全域を意識してつくられており、一歩先を見据えた内容となっています。 さらに、河合 塾美術 研究 所では高卒 生対象の昼 間部コースである「本 科」と、主に 現役生を対象とした土・日・平日夜間部コースの「専科」を開講し、大学受験対策のた めの実技指導を行っています。ここでは、受験のためのテクニックにとどまらず、作家や デザイナーとしての将来を見据え、基礎を踏まえた実践力までを養います。 ④教育事業の多彩な展開 ・高卒認定受験・通信制・定時制高校生支援コース ・河合塾美術研究所(NAF※社会人美術講座) ※:NAGOYA ART FORUM 東京・名古屋に開講する「河合塾 COSMO」は、中学卒業者、高校中退者、高校卒 4 業者、通信制高校生、定時制高校生が、自分を見つめ将来を考え基礎から学ぶこと で、在籍高校での単位取得・卒業や高卒認定試験合格と大学進学をめざすコースで す。ひとつの価値観だけでなく、それぞれが自分のペースで自分らしさを取り戻しなが ら本当のやりたいことを見つけ、それぞれの夢の実現をめざします。 「河合塾サポートコース」は、高卒認定生、通信制高校生など全日制普通科高校に 所属していない受験生の大学合格をトータルにサポートしています。河合塾のノウハウ を駆使し、高卒認定試験対策、通信制高校単位取得・卒業対策を含め、基本事項の 習得から大学入試レベルまで幅広くサポートします。浜松校・広島校・福岡校に設置の 「大学受 験 基礎・高卒 認定対 応コース」も高卒 認定試 験をクリアして大学進学をめざ すコースです。基礎学力を身につける独自のカリキュラムで、一から勉強し直し、大学 受験対策へと進めていきます。 一方、河合塾美術研究所では、趣味の一環として絵を描くことをたしなみたいと思っ ておられる方から、本格的に制作活動を行い展覧会への出展も考えておられる方まで、 幅広い層の社会人を対象に、名古屋で「NAF社会人美術講座」を設置しています。 2.中学・高校・大学を対象とした教育活動支援事業 河合塾では、これまで培ってきた教育ノウハウを広く世の中に役立てるため、中学・ 高校・大学に対し、「教育ソリューションの提供」を展開しています。このサービスは、直 接的には法人向けですが、そこに所属する一人ひとりの「生徒(学生)」への教育活動 であり、河合塾の他の事業の意義や目的とも一貫するものです。 これら教育活動支援事業は、年間延べ約281万人の受験者を数える模試事業を中 核に、大学受験の情報プラットフォームである「Kei-Net」の運営や教員研修プログラム の提供など、広範囲に渡る活動を行っています。模試事業における大規模な統計デー タと長年に渡る大学受験指導におけるノウハウの蓄積を生かしたこれらの事業が、中 学・高校・大学における教育活動の一助となることを望みます。 ①中学・高校対象事業 ・模試事業 ・教員研修プログラム ・教育コンサルティング ・進路指導支援(全統模試、河合サテライト講座、Kei-Net など) 高校の先生 方を対象とする教員研 修プログラムは、受験 対策指導を主眼とした教 科指導力向上のための講座です。難関大対策をはじめとするさまざまな講座を用意し、 模擬授業とその解説(問題の出題意図やその解法)を中心に、即時実践可能なノウハ ウを提供しています。 高等学校、中学校を対象とする教育コンサルティングでは、学校変革コンサルティ ング、教育力評価・診断(カリキュラム・授業・教育指導体制・学生支援体制)、セミナ ー開催などを通じ、教育機関がめざす目的を実現するための総合的な支援を行いま す。 さらに、全統模試、河合サテライト講座、Kei-Net など、高校の進路指導支援を行っ ています。 5 ②大学対象事業 ・ジェネリックスキルの評価・育成プログラム「PROG」 ・初年次教育調査 ・アクティブラーニング調査 ・日本語表現デザイン塾 「PROG(Progress Report On Generic skills)」とは、専攻・専門に関わらず、大卒 者として社会で求められる汎用的な能力・態度・志向—ジェネリックスキルを評価・育 成するためのプログラムです。現代の高等教育において、専門的な知識の習得ととも に求められているジェネリックスキルの向上をめざして、株式会社リアセックと共同開発 したPROGは、学生のジェネリックスキルをテストで客観的に評価するとともに、その後 の育成を支援するためのプログラムです。PROGを通じて、大学の教育力の向上と、 これから社会で活躍する学生の成長を支援しています。 「初年次教育調査」は高校までの受動的な学習から、大学での能動的・自律的な学 習への転換を促す取り組みをみるための調査です。スタディスキルやスチューデントス キルの習得に焦点を当てた初年次教育調査はこれまでにも行われてきましたが、本調 査では、学生の態度転換と自立化を問題とし、それをすべての学生に保証しているか を、全大学を俯瞰しつつ問うています。 「教員が何を教えたか」ではなく、「学生が何をできるようになったのか」を基準とする 「学習者中心の教育」で重要な鍵を握るのが「アクティブラーニング」です。アクティブラ ーニングを授業に取り入れることで、専門知識の定着とその活用力を涵養させ、またそ の学習プロセスを通してジェネリックスキルも育成するような効果が認められています。 このアクティブラーニングが、現在の大学の授業の中でどのくらい取り入れられている のかを調査しています。 「日本語表現デザイン塾」では、大学で行われている「文章表現科目」「ライティング 科目」における、その内容、指導 法、カリキュラム上の位 置づけなどについて、授業を デザインするという観点から研究を行っています。さらに研究や実践の成果を踏まえた FD 活動(Faculty Development 授業内容・方法の改善)を普及させることをめざして います。 3.教育の研究・開発活動 河合塾では、求められる教育やその関連サービスを真の顧客視点に立って創造す るために、大学や研究機関の知見を取り入れながら、独自性の高い研究開発に取り組 んでいます。知識基盤社会を生きるために求められる能力や学力の研究、新しい教育 手法や教育システム、教育アプリケーションの研究開発や教育プラットフォームの基盤 構築など、テーマは多岐にわたります。 ①入試動向調査や教材開発など日々の事業活動を直接的に支える活動 この活動の一つに、毎年行っている各種情報誌の発行が挙げられます。例えば大学 受験情報誌である「栄冠めざして」は年間 3 回の定期刊行、および保護者向けの「栄 冠めざして Family」等を発行し、その他大学受験に関する各種情報を受験生や保護 者、高校教員へお届けしています。また、日々の生徒への学習指導に重要な役割を果 たす教材の開発では、大学受験科はもとより、小学・中学・高校グリーンコースに至るま 6 ですべて自ら開発しており、河合塾の情報と教育ノウハウがつまったこれら教材は、他 の予備校・学習塾へも提供しています。 ②将来的な事業展開の種となる活動 この活動には、大学卒業時の質保証に関する学士力の評価システムや教員教育力 向 上 の研 究 、TOEFL や TOEIC で用 いられている項 目 反 応 理 論 (Item Response Theory : IRT)活用の学力診断テストを使った学習プランを提示する仕組みの研究、 PISA型 学 力など新しい学 力 観に関する実 用 化 研 究 と商 品 開 発、最 適なコンテンツ 提供を可能とする次世代型e-learningシステムの開発などがあります。 4.社会へ向けた取り組み 河合塾では、河合塾グループの一員として、社会へ向けた取り組み(SR活動)を行っ ています。 ①次代を担う人材の育成 ・未来の教育の発展に向けた研究開発(R&D) 幼児から社会人に至るまで、人々が生涯にわたり学習することができる多彩で豊か な教育を展開しています。自ら考えて行動し、未来に新たな価値を創造していく次代 の人材を継続的に育て、支援していく。そんな、社会から必要とされる教育を常に追い 求めています。 ②地球環境の保全 ・環境・資源保護活動の推進 ・地球環境の保全に向けた取り組み 地球に生き自然の豊かさを享受するものとして地球環境の保全を重要な課題と位 置づけています。限りある資 源の保 護、環 境や社 会への負 荷の軽 減に努め、持続 可 能な循環型社会の実現に貢献していくことは、未来社会に向けた責任であると考えて います。教育機関として地球環境のためにできることを考え、豊かな未来の実現に寄 与することを使命とした活動に取り組んでいます。具体的には、「環境理念」と「環境方 針」を明確に定めたうえで、紙の使用量の削減、省エネ(節電)、ゴミの分別などに積極 的に取り組んでいます。 ③地域・社会への貢献 ・カンボジア教育支援活動 ・ペットボトルのキャップを集め、ワクチンを贈る運動 ・児童養護施設の子どもたちへの学習支援活動 ・使用済み切手・カード等を集めて送る教育支援活動 ・東日本大震災被災地での学習支援活動 河 合 塾が贈った机が並ぶ教 室(カンボジア) より良い社会の実現をめざし、社会の責任ある一員としてできる限り地域・社会のコ ミュニティに参画し、地域の発展に貢献するさまざまな活動を推進するとともに、グルー プのスタッフが行う活動を支援しています。国内の地域・社会への貢献はもとより、海外 の教育支援活動にも積極的に取り組み、教育に恵まれない人々を支援する活動に力 7 を注ぐなど、各地域の文化・教育の向上に寄与する地道なコミュニティ活動を行ってい ます。 ④基本となる社会的責任の遂行 次世代を担う人材の育成を行う教育機関として、公正・公平であるための課題発見 に努め、必要かつ適切な取り組みを行っています。お客様の安全管理に万全を期すと ともに、法令や規定を遵守し、常に倫理観、責任感をもって行動することを行動指針と して定め、社会的責任を遂行しています。 (お客様の安心・安全に向けた取り組み) ・校舎・教室の安全対策 「校舎・教室安全対策ガイドライン」 ・災害への備え 「災害対策マニュアル」「地震対策マニュアル」「防火マニュアル」 ・犯罪からのガード 「防犯マニュアル」 ・感染症への対策 「感染症対策マニュアル」 お客様である生徒・学生の方々が、安心して学べる安全な環境を提供するために、 万全を期して安全対策 に取り組んでいます。想定されるさまざまなリスクに対し、対策 ガイドラインやマニュアルを作成し、全スタッフが一丸となって安全第一の運営に努め ています。 (コンプライアンスの徹底に向けた取り組み) ・情報セキュリティの推進 「河合塾グループ情報セキュリティ基本方針」に沿った個 人情報保護、プライバシーマーク取得 ・知的財産権の尊重 ・ハラスメント防止 「ハラスメント防止・対策に関するガイドライン」 ・事業活動の透明化 「事業報告書」の公開 教育という責任の重い事業を柱にしていることを十分に認識し、コンプライアンスの 徹底に取り組んでいます。教育に携わる者として社会から信頼される存在であり続ける ために、法令、社会規範、倫理などを遵守し、社会と共有できる価値観や判断基準に 従って行動することを努めています。 8 5.校舎・教室数/参考 ※ (2013 年 3 月 31 日時点) ※河合塾グループ全体の校舎・教室数を計上しています。 ●高卒生対象 <合計:31> 北 海 道 <1> ・宮 城 <1>・ 埼 玉 <1>・ 千 葉 <2>・ 東 京 <8>・ 神 奈 川 <2> ・岐 阜 <1>・ 静 岡 <1>・愛知<5>・京都<1>・大阪<4>・広島<2>・福岡<2> ●高校生対象 <合計:249>(FC 含む) 北 海 道 <2> ・ 岩 手 <8> ・ 宮 城 <3> ・ 秋 田 <1> ・ 茨 城 <5> ・ 栃 木 <10> ・ 群 馬 <4> ・ 埼 玉 <17>・千葉<13>・東京<31>・神奈川<27>・新潟<2>・富山<1>・石川<1>・福井<2>・ 山梨<1>・長野<2>・岐阜<3>・静岡<9>・愛知<16>・三重<6>・滋賀<8>・京都<9>・大 阪<16>・兵庫<13>・奈良<4>・和歌山<2>・広島<5>・山口<1>・徳島<5>・香川<6>・ 高知<1>・福岡<4>・熊本<9>・大分<1>・宮崎<1>・鹿児島<2> ●中学生対象 <合計:64> 宮 城 <9>・ 埼 玉 <1>・ 千 葉 <1>・ 東 京 <26>・神 奈 川 <4>・愛 知 〈17〉 ・京 都 <1>・ 兵 庫 <1>・広島<2>・福岡<2> ●小学生対象 <合計:43> 宮城<9>・東京<17>・愛知<16>・福岡<1> ●大学生・社会人対象 <合計:9> 東京<2>・神奈川<1>・愛知<5>・大阪<1> ●専門学校 <合計:5> 愛知<5> ●幼児対象 <合計:4> 東京<1>・愛知<3> ●高卒認定・通信制高校生対象 <合計:7> 宮城<1>・東京<1>・静岡<1>・愛知<1>・大阪<1>・広島<1>・福岡<1> ●海外帰国生対象 <合計:1> 東京<1> ※上記は対象別の校舎・教室数であり、一部重複があります。 6.生徒・学生数の状況/参考 ※ (2013 年 3 月 31 日時点在籍の 2012 年度生) ※河合塾グループ全体の人数を計上しています。 ●高卒生 24,100 名 ●高校生 59,500 名 ●小中学生 ●幼児 7,800 名 900 名 ●大学生・社会人 2,900 名 ●専門学校生 2,000 名 ●その他 800 名 ※講習生・別科生・模試受験者等は含めず 9 Ⅲ.財務の概要 1. 資金収支計算書 資金収支計算書 平成24年4月 1日から 平成25年3月31日まで (単位 円) 収 入 の 部 科 目 学生生徒等納付金収入 手数料収入 寄付金収入 補助金収入 資産運用収入 資産売却収入 事業収入 雑収入 前受金収入 その他の収入 資金収入調整勘定 前年度繰越支払資金 収入の部合計 支 出 の 部 科 目 人件費支出 教育研究経費支出 管理経費支出 施設関係支出 設備関係支出 資産運用支出 その他の支出 資金支出調整勘定 次年度繰越支払資金 支出の部合計 △ △ 予 算 32,242,486,000 2,324,000 0 212,000 1,350,000,000 10,000,000 13,787,121,000 419,544,000 13,805,000,000 4,380,909,000 16,482,473,000 △ 31,971,263,000 81,486,386,000 決 算 31,822,428,620 3,153,750 150,000 223,520 1,487,794,066 9,597,807,723 14,162,809,650 540,982,803 14,516,106,243 4,664,127,173 17,313,311,726 31,971,262,894 91,453,534,716 予 算 22,265,523,000 8,971,199,000 11,521,043,000 5,893,900,000 246,000,000 0 8,472,937,000 3,911,530,000 △ 28,027,314,000 81,486,386,000 決 算 22,359,065,742 8,926,423,835 11,435,610,641 4,017,547,087 564,775,511 16,201,450,513 7,879,688,688 6,310,100,790 26,379,073,489 91,453,534,716 差 △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ 異 420,057,380 829,750 150,000 11,520 137,794,066 9,587,807,723 375,688,650 121,438,803 711,106,243 283,218,173 830,838,726 9,967,148,716 差 △ △ △ △ 異 93,542,742 44,775,165 85,432,359 1,876,352,913 318,775,511 16,201,450,513 593,248,312 2,398,570,790 1,648,240,511 9,967,148,716 2012 年度の収支状況を資金収支計算書により資金の流れでみると収入額は、59,482 百万円となり、前年度より繰越された 31,971 百万円を加え、収入合計は 91,454 百万円 となりました。 一方支出額は、人件費、教育研究経費、管理経費、施設・設備関係支出、資産運用 支出等を合わせ、65,074 百万円となり、差引き 26,379 百万円が次年度繰越支払資金と なりました。 10 2. 消費収支計算書 消費収支計算書 平成24年4月 1日から 平成25年3月31日まで (単位 円) 消 費 収 入 の 部 科 目 学生生徒等納付金 手数料 寄付金 補助金 資産運用収入 資産売却差額 事業収入 雑収入 帰属収入合計 基本金組入額合計 消費収入の部合計 消 費 支 出 の 部 科 目 人件費 教育研究経費 管理経費 資産処分差額 消費支出の部合計 当年度消費支出超過額 前年度繰越消費収入超過額 基本金取崩額 翌年度繰越消費収入超過額 △ 予 算 32,242,486,000 2,324,000 0 212,000 1,350,000,000 0 13,787,121,000 419,544,000 47,801,687,000 5,531,000,000 △ 42,270,687,000 決 算 31,822,428,620 3,153,750 150,000 223,520 1,480,618,066 853,072,932 14,162,809,650 548,087,573 48,870,544,111 5,324,644,303 43,545,899,808 予 算 22,594,523,000 10,595,598,000 13,522,687,000 159,700,000 46,872,508,000 4,601,821,000 24,632,974,000 1,312,000,000 21,343,153,000 決 算 22,465,234,278 10,713,899,560 △ 13,154,128,813 568,689,748 △ 46,901,952,399 △ 3,356,052,591 24,632,973,581 439,652,088 21,716,573,078 差 異 420,057,380 829,750 150,000 11,520 130,618,066 853,072,932 375,688,650 128,543,573 1,068,857,111 206,355,697 1,275,212,808 差 異 129,288,722 118,301,560 368,558,187 408,989,748 29,444,399 △ △ △ △ △ △ △ △ △ △ 2012 年度の消費収支の概要について予算との対比でみると、まず収入面では、資産 売却差額、事業収入などにより帰属収入合計は、対予算 1,069 百万円の増収、48,871 百万円となりました。 一方支出面では、増収にともなう諸経費の増加と共に、資産処分差額の増により対予 算 29 百万円の増加、46,902 百万円となりました。 また、基本金組入額は、校地・校舎・機器備品・図書等に対する支出額である第1号 基本金への組入のみ 5,325 百万円、予算を 206 百万円下回りました。 以上により、2012 年度の消費支出超過額は予算より 1,246 百万円改善して、3,356 百 万円となり、これに資産処分・売却に伴う基本金取崩額 440 百万円を加え、消費収支超 過額の累計額は、前年度の 24,633 百万円から 21,717 百万円となりました。 11 3.貸借対照表 貸 借 対 照 表 平成25年3月31日 (単位 円) 資 産 の 部 科 目 固定資産 有形固定資産 土 建 構 機 図 建 本 年 度 末 168,455,023,503 79,385,138,617 築 器 設 備 仮 勘 地 物 物 品 書 定 その他の固定資産 借 地 権 電 話 加 入 権 有 価 証 券 退 職 給与 引 当 特定 資産 減 価 償却 引 当 特定 資産 長 期 貸 付 金 入 会 金 保 証 金 奨 学 金 権 利 金 ソ フ ト ウ ェ ア 長 期 前 払 金 流動資産 現 未 貯 有 特 前 立 仮 41,295,936,567 35,843,789,842 269,593,307 1,523,975,361 154,168,540 297,675,000 預 入 蔵 価 定 金 証 外 信 払 替 払 金 金 品 券 託 金 金 金 資産の部合計 負 債 の 部 科 固定負債 目 預 り 保 証 金 退 職 給 与 引 当 金 流動負債 未 前 預 払 受 り 金 金 金 負債の部合計 基 本 金 の 部 科 目 増 40,620,112,979 34,846,190,130 284,128,121 △ 1,366,889,804 141,129,237 314,718,125 △ 89,069,884,886 85,423,055,793 1,595,958,748 78,159,496 25,469,911,176 7,000,000,000 48,027,610,000 2,239,000,000 39,829,808 1,181,828,677 227,502,050 4,790,896 3,018,982,337 186,311,698 1,645,332,248 78,159,496 24,447,353,076 6,996,456,000 46,024,030,000 1,239,000,000 42,329,808 1,420,491,661 220,924,050 4,995,710 3,090,743,685 213,240,059 40,877,389,957 金 収 前 年 度 末 162,996,224,189 77,573,168,396 減 5,458,799,314 1,811,970,221 675,823,588 997,599,712 14,534,814 157,085,557 13,039,303 17,043,125 3,646,829,093 △ △ △ △ 49,373,500 0 1,022,558,100 3,544,000 2,003,580,000 1,000,000,000 2,500,000 238,662,984 6,578,000 204,814 71,761,348 26,928,361 43,379,266,736 △ 2,501,876,779 △ △ 26,379,073,489 2,830,838,254 71,388,885 3,116,652,413 8,001,000,000 477,123,179 228,027 1,085,710 31,971,262,894 4,069,709,271 86,982,228 4,005,760,000 2,694,921,215 528,547,276 20,836,452 1,247,400 209,332,413,460 206,375,490,925 本 年 度 末 7,457,792,971 前 年 度 末 7,351,624,435 4,000,000 7,453,792,971 4,000,000 7,347,624,435 0 106,168,536 20,571,489,590 19,689,327,303 882,162,287 5,694,571,286 14,516,106,243 360,812,061 4,880,336,605 14,482,473,472 326,517,226 814,234,681 33,632,771 34,294,835 28,029,282,561 27,040,951,738 988,330,823 本 年 度 末 △ △ △ △ 5,592,189,405 1,238,871,017 15,593,343 889,107,587 5,306,078,785 51,424,097 20,608,425 161,690 △ △ △ 前 年 度 末 2,956,922,535 増 増 減 106,168,536 減 第 1 号 基 本 金 第 4 号 基 本 金 155,720,557,821 3,866,000,000 150,835,565,606 3,866,000,000 4,884,992,215 0 基本金の部合計 159,586,557,821 154,701,565,606 4,884,992,215 消費収支差額の部 科 目 本 年 度 末 前 年 度 末 増 減 翌年度繰越消費収入超過額 21,716,573,078 24,632,973,581 △ 2,916,400,503 消費収支差額の部合計 21,716,573,078 24,632,973,581 △ 2,916,400,503 科 目 負債の部,基本金の部及び 消費収支差額の部合計 本 年 度 末 209,332,413,460 12 前 年 度 末 206,375,490,925 増 減 2,956,922,535 2012 年度末現在の財政状態を貸借対照表からみると、資産の総額は 209,332 百万 円で、その内訳は、土地・建物等有形固定資産 79,385 百万円、長期有価証券等その 他の固定資産 89,070 百万円、現金預金等流動資産 40,877 百万円となりました。 一方、負債の総額は、前受金・退職給与引当金等 28,029 百万円となりました。 基本金は、159,587 百万円で、内 155,721 百万円は、校地・校舎・機器備品・図書など 教育・研究 に必要な資 産の自己資 金調達が示す第1号基 本金となっています。翌年度 繰越消費収入超過額は、前年度末に比較し 2,916 百万円減少の 21,717 百万円となり ました。 13 4.財産目録 財 産 目 録 (平成25年3月31日) 資 産 総 額 金 基 本 財 産 金 運 用 財 産 金 負 債 総 額 金 正 味 財 産 金 209,332,413,460 64,697,208,191 144,635,205,269 28,029,282,561 181,303,130,899 円也 円也 円也 円也 円也 一 資産額 (一) 基本財産 1 土地(校舎) 2 建物(校舎) 3 建物附属設備 4 構築物 5 備品類(校具・教具・備品) 6 図書 7 借地権 8 建設仮勘定 9 電話加入権 41,590.61㎡ 169,181.03㎡ 83,670冊 合 計 29,984,785,334 25,768,321,394 5,898,122,882 250,518,539 669,498,258 154,168,540 1,595,958,748 297,675,000 78,159,496 64,697,208,191 (二) 運用財産 1 土地 2 建物 3 建物附属 4 構築物 5 備品類 6 借地権 7 流動資産(現金、預貯金) 現金 普通預金 振替貯金 定期貯金 8 流動資産(有価証券、その他) 売掛金 有価証券 その他 9 固定資産、繰延資産等 117,194.51㎡ 29,110.16㎡ 11,311,151,233 3,807,752,422 369,593,144 19,074,768 854,477,103 12,703,162 21,221,469,848 144,780,479 5,000,000,000 690,653,004 11,117,652,413 2,690,011,051 87,395,886,642 合 計 144,635,205,269 二 負債額 1 固定負債 預り保証金 退職給与引当金 2 流動負債 買掛金 未払金 前受金 預り金 仮受金 4,000,000 7,453,792,971 2,492,588,181 3,201,983,105 14,516,106,243 314,563,340 46,248,721 合 計 28,029,282,561 14 5.監査報告書 監 査 報 告 書 平成25年5月30日 学校法人 河合塾 理事長 河合 弘登 殿 監事 柳澤 義一 監事 寺根 秀雄 私たち監事は、私立学校法第37条第3項および学校法人河合塾寄附行為第7条第2項 の規程に基づき、平成24年度(平成24年4月1日から平成25年3月31日まで)に おける学校法人の業務および財産の状況について監査を行いましたので、次のとおり報告 いたします。 1.監査の方法の概要 監事は、一般に認められた監査手続きに従い、理事会及びその他重要な会議 に出席するとともに、理事等から業務の報告を聴取し、重要な決済書類等を 閲覧し、学校法人河合塾の業務及び財産の状況を調査しました。 また、帳簿並びに計算書類等(財産目録、貸借対照表、収支計算書及び収益 事業に係る計算書類)の閲覧など、会計書類の正確性につき検討しました。 2.監査の結果 (1)計算書類等は、学校法人の収支の状況および財産の状況を正しく示している ものと認めます。 (2)学校法人の業務または財産の状況に関する不正の行為または法令もしくは寄 附行為に違反する重大な事実はないものと認めます。 以 15 上 【学校法人会計について】 学校法人の財務状態を表す計算書類は、学校会計基準に則って作成されており、上 記「資金収支計算書」「消費収支計算書」「貸借対照表」と大きく分けて3種類あります。 それぞれは企業会計における計算書類とほぼ同じ概念となっています。 しかし学 校 法 人は公 益 法 人であることから、生 徒 への「教 育」の提 供 を第 一 義におき 営利を第一目的にしない点など、計算書類作成における基礎概念が企業会計と異なり ます。そのため計算書類の構成も異なるので、企業会計の財務諸表(計算書類)との比 較は困難となります。以下に各計算書類の特徴を記します。 1.資金収支計算書 企業会計におけるキャッシュフロー計算書に近いもので、1年間(会計年度)に行った教 育研究等の諸活動に関するすべての資金収支の顛末を明らかにしています。資金収支 計算書は、収入の部と支出の部で構成されており、収入の部は前年度繰越資金+当年 度収入分、支出の部は当年度支出分+次年度繰越資金となります。また当年度収入分・ 当年度支出分は、次年度分の入学金など資金収入のなかで当年度収入分に該当しな い前受金や当年度の未払金については、資金収入調整勘定・資金支出調整勘定を設 けて調整することにより、当該会計年度の資金収支状況を示しています。 2.消費収支計算書 企業会計における「損益計算書」と近いもので、1年間(会計年度)に行った教育研究 等の諸活動に関する収入とそれに対する支出(現金の移動を伴わない取引も含む)のバ ランスを見ることにより、経営状況の明らかにすることを目的にしています。消費収支計算 書は、消費収入と消費支出で構成されております。 消費収入は、当年度の帰属収入か ら、決められたルールに従って「基本金」へ組み入れ(帰属収入から減算)した後の収 入 額としています。企業会計上の売上高(事業収入)との違いは、消費収入には、事業収入 の他に資産運用収入・資産売却収入・その他雑収入が加わっている点です。消費支出 は、教育研究経費と管理経費および諸活動に対する経費を合計したものとしています。 消費収入と消費支出の差額は、当該会計年度の収支状況を示しており、帰属収入と消 費支出の差額は、企業会計の損益計算書上の「当期純利益」に相当します。 3.貸借対照表 企業会計における貸借対照表と基本的には同じで、期末時点の財政状況を表した書 類です。企業会計と異なる点は、「資本金」に変わり「基本金」という概念が導入されてい る点、および利益処分ができない点です。学校法人は本来、寄付行為によって設立され ているため、法人の資産の所有権は、誰にも認められていません。従って法人所有の概 念である「資本(=株式)」の考え方はありませんし、利益を処分し配当金を支払うことは できません。基本金は、公益法人として永続的維持を重視しているため、教育活動に供 する固定資産の取得金額を基本金に組み入れて財産の留保をするなど、組み入れのル ールが学校会計基準により厳密に決まっています。 16