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第 6章 「戦略と計画の管理会計」
戦略と計画の管理会計 戦略とは何か 戦略の計画 戦略の評価、実行、検討 バランス・スコアカード (c) Makoto Tomo, 2007 1 1.戦略とは 企業組織で行われる構造的な変 化を生むためのシステマティックな 事前の計画過程 企業そのものが、市場や環境の変 化に対し、企業内の様々な資源と 組織とを中長期的に適合するため に行う一連の意思決定 (c) Makoto Tomo, 2007 2 参考:戦略と戦術 元来、戦略は軍事用語である。 戦略:目標を効果的に達成するため の大規模かつ長期的な方法(総合 的な準備,計画,運用の方法)。 戦術:戦略に従って実際の作戦を効 果的に実施するための,小規模か つ短期的な方法。 (c) Makoto Tomo, 2007 3 組織的な戦略という意味 経営者を中心に全社の組織構成員が参画 公式的な計画過程で行う 効果とその手段を決めて継続的に行う 内部環境(経営構造)の変化を伴う 外部環境:商品市場、技術の変化など 内部環境:組織、技術、財務資源 (c) Makoto Tomo, 2007 4 2.戦略を計画する 全社戦略 複数事業の間での資源配分 例:ポートフォリオ計画 競争戦略 市場での位置付けを明確化し勝ち残る計画 機能別戦略 開発、生産、物流、販売機能ごとの強化策 (c) Makoto Tomo, 2007 5 製品市場戦略(アンゾフ) 製品 ミッション 市:場 現 新 現 市場浸透 製品開発 新 市場開拓 多角化 出所:H.I. Ansoff, Corporate Strategy(New York: McGrawHIll,1965), p.109 (c) Makoto Tomo, 2007 6 PPM:Product portfolio Management ボストン・コンサルティング・グループが開発 縦軸:市場での売上高成長率(★ライフサイク ル) 横軸:自社製品の相対的なシェア(★経験曲線) 各製品の売上高の絶対的な大きさを円の大きさ で表示 ポジションによる戦略 花形 問題児 金のなる木 負け犬 (c) Makoto Tomo, 2007 7 製品ライフサイクル(売上) 成熟 市場 売上 成長 衰退 導入 時間 (c) Makoto Tomo, 2007 8 経験曲線(コスト) 単位コスト 累積生産量が2倍→単位コストが20%減少 定量的な数字で表しているので予測可能 経験曲線を先取りして原価を見積もれば、 競合他社より低価格を設定できる 累積生産量 (c) Makoto Tomo, 2007 9 ボストン・マトリックス 高 売上高の成長 花形 問題児 A 製品からのキャッ シュフローと その資源配分を 位置づける C 金のなる木 負け犬 B D 低 高 低 主要な競合企業との相対的な市場占有率 (c) Makoto Tomo, 2007 10 PPMの資金面からみた特徴 高 売上高の成長 花形 資金は ー ±? 問題児 製品からのキャッ シュフローと その資源配分を 位置づける 資金は ー ±? 金のなる木 負け犬 資金は + ±? 資金は ー ±? 低 高 低 主要な競合企業との相対的な市場占有率 (c) Makoto Tomo, 2007 11 例:レストラン事業ポートフォリオ 高 1 2 平均成長率6%/年 洋食 和食 ファミリ 3 酒屋 ーレスト 4 低 低 平均利益率 12%/年 高 注)各事業単位の円の大きさは、相対的な売上高の規模 を指している。 (c) Makoto Tomo, 2007 12 戦略ポジション(ポーター) 戦略の有利性 業界全体 特定セグ メントだけ 戦略ターゲット 顧客から特異性が 認められる 差別化 A 低コスト優位 コスト B リーダーシップ 集中 C (c) Makoto Tomo, 2007 13 3.計画を評価する トップダウン型の計画 ボトムアップ型の計画 事業の全体を計画し、個別に下ろす 個別事業を計画し、積み上げて全体にする トップダウンとボトムアップの融合 Topからの指示→各事業で立案→Topの評価、 →承認と各事業への下達 (c) Makoto Tomo, 2007 14 事業戦略立案プロセス 伝達 数値計画 戦略立案 機会、脅威分析 事業使命の定義 外部環境分析 内部環境分析 管理会計手法を用いて分析 (c) Makoto Tomo, 2007 15 内部、外部環境分析 内部環境分析 過去の財務諸表の分析 事業、部門別損益計算書 収益、コスト構造の分析 外部環境分析 業界トレンド 競争環境 社会環境(人口、規制) (c) Makoto Tomo, 2007 16 4.戦略を実行する 戦略を具体的な実行計画に落とし込む 戦略的活動 ROI目標を達成するための計画 投資活動(店舗、工場の新設) 戦術的な活動 個別の改善活動 (c) Makoto Tomo, 2007 17 5.戦略を検討する 総額法と差額法 総額法:全体計画の評価 差額法:個別計画の評価 予算管理との連動 戦略計画→単年度計画→予算化→予算の実 施→予算実績評価→戦略の再検討 (c) Makoto Tomo, 2007 18 戦略の検討2 長期評価と単年度評価のすりあわせ NPV法による投資評価と単年度計画 キャッシュフロー計算は、会計利益目標と単 年度では矛盾することがある点に留意 非財務指標を使った検討 顧客満足度 従業員満足度 品質、環境 (c) Makoto Tomo, 2007 19 補足:バランス・スコアカード 定義:4つの視点に基づいて戦略を評価し、 実行を促す技法 4つの視点 ①財務の視点 ②顧客の視点 ③社内ビジネスプロセスの視点 ④学習と成長の視点 (c) Makoto Tomo, 2007 20 4つの視点を結ぶ因果連鎖の例 財務の視点 目標利益 顧客ロイヤルティ 顧客の視点 顧客満足度 社内ビジネス プロセスの視点 学習と成長の視点 プロセスの質 サイクルタイム 従業員のスキル (c) Makoto Tomo, 2007 21