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黒部市観光振興計画(案)
黒部市観光振興計画(案) 感動した、癒された、魅了されたアルプスのショールーム<黒部峡谷> 湯に映る月の都<宇奈月> 湧き出でる水と活力のまち<生地> 平成 28 年 12 月 目 次 第1章 計画の策定にあたって 1.計画の目的‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 2.計画の位置づけ‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 3.計画の期間‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥1 4.計画の策定組織及び策定期間‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥2 第2章 黒部市の観光を取り巻く現状と課題 1.国内の動向と国の取り組み‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥3 2.富山県内の動向と富山県の取り組み‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥8 3.黒部市の現状‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥13 4.調査にみる黒部市の現状と評価‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥21 5.黒部市の取り組み状況‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥30 6.黒部市の課題‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥34 第3章 これからの観光戦略 1.基本目標‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥36 2.施策の体系‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥37 3.個別施策‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥38 第4章 重点プロジェクト 1.重点プロジェクト‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥51 第5章 推進体制 1.取り組み主体と役割‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥54 2.事業を推進する組織の強化と進行管理‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥‥55 第1章 1. 計画の策定にあたって 計画の目的 本市では、合併後の平成 19 年に策定した「黒部市観光振興計画」をもとに、北陸新幹線開業を 見据えた観光振興に取り組んできました。 平成 27 年3月の北陸新幹線開業等の高速交通網の整備が進む中、少子高齢化による人口減少、 インバウンドの増大等の環境変化を踏まえつつ、本市の山・川・海の魅力や恵みを活かした広域 滞在型観光の推進や国際観光が盛んなまちの実現に向けた取り組みによる、交流人口の拡大が求 められます。 このことから、定住、交流人口の拡大や産業の振興、ひいては黒部市の活性化を見据え、戦略 的かつ実践的な「黒部らしい」観光振興計画を策定します。 2. 計画の位置づけ 本計画は、 「第1次 黒部市総合振興計画」 (計画期間 平成 20 年度~平成 29 年度)と「第2次 黒部市総合振興計画」 (計画期間 平成 30 年度~平成 39 年度) 、平成 27 年 10 月に策定した「黒 部市まち・ひと・しごと創生 人口ビジョン・総合戦略」 (平成 27 年度~平成 31 年度)をはじめ、 国や県の関連計画との整合性を図りながら、本市の観光の振興を総合的かつ戦略的に推進するた めの基本目標や施策の方向性、重点的な取り組み、計画推進のための役割分担と推進体制を示し たものです。 3. 計画の期間 本計画の期間は、平成 29 年(2017 年)度から平成 34 年(2022 年)度の6年間とします。 1 4. 計画の策定組織及び策定期間 (1)策定組織 学識経験者や観光・商工関係者等で構成される「黒部市観光振興計画策定委員会」を設置し、 本計画の方針や内容に関する全般的な協議・検討を行います。 (2)策定期間 平成 28 年7月~平成 29 年3月 2 第2章 1. 黒部市の観光を取り巻く現状と課題 国内の動向と国の取り組み (1)国内の動向 ■国内旅行消費額 平成 26(2014)年の国内における旅行消費額は 22.5 兆円と推測され、その市場別構成比は、日 本人宿泊旅行が 63.7%(14.3 兆円)と最も多く、次いで日本人日帰り旅行が 20.1%(4.5 兆円)、 訪日外国人旅行が 9.8%(2.2 兆円)となっています。 国内の旅行消費 22.5 兆円が日本経済にもたらす直接的な経済効果は、付加価値効果が 10.7 兆 円、就業者数が 208 万人と推測され、さらに間接的な効果を含めた経済効果は、生産波及効果が 46.7 兆円、付加価値効果が 23.7 兆円、雇用誘発効果が 394 万人、税収効果試算が 4.5 兆円と推 測されています。 また、国内旅行消費額に占める訪日観光消費の割合は 9.8%となっており、平成 23(2011)年 以降増加傾向にあります。 図.国内における旅行消費 22.5 兆円の市場別構成比と経済効果(2014 年) 訪日外国人 旅行 2.2兆円 9.8% 生産波及効果 日本人海外旅行 1.4兆円 6.3% 46.7 兆円 (うち直接効果 付加価値誘発効果 日本人日帰り旅行 4.5兆円 20.1% 日本人宿泊旅行 14.3兆円 63.7% (うち直接効果 雇用誘発効果 21.3 兆円) 23.7 兆円 10.7 兆円) 394 万人 (うち直接効果 208 万人) 資料:国土交通省観光庁「旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」 表.内部観光消費に対する訪日観光消費の割合の推移 平成 22 年 (2010 年) 平成 23 年 (2011 年) 平成 24 年 (2012 年) 平成 25 年 (2013 年) 平成 26 年 (2014 年) 訪日観光消費(A) 1.3 兆円 1.0 兆円 1.3 兆円 1.7 兆円 2.2 兆円 内部観光消費(B) 23.4 兆円 22.4 兆円 22.5 兆円 23.6 兆円 22.5 兆円 5.8% 4.5% 5.7% 7.0% 9.8% 内部観光消費に対する訪 日観光消費の割合 (A)/(B) 資料:国土交通省観光庁「旅行・観光産業の経済効果に関する調査研究」 3 ■国内旅行市場 国内旅行市場を費用負担者や旅行形態からみると、平成 26(2014)年の市場区分は「個人で 実施する観光旅行」 (53.1%) 、費用負担者は「個人負担」 (74.4%) 、旅行形態は「個人旅行」 (85.5%)が最も多くなっています。 国内旅行の観光旅行について同行者別の市場区分をみると、 「夫婦・カップル旅行」(34.0%) が最も多くなっています。 表.国内旅行市場の推移(単位:%) 平成 22 年 (2010 年) 市場区分 平成 25 年 (2013 年) 平成 26 年 (2014 年) 47.3 45.5 46.3 52.7 53.1 帰省や家事のための旅行 21.7 22.0 20.1 17.2 16.3 組織が募集する団体旅行 3.8 4.5 5.1 3.6 5.0 16.1 16.2 16.3 16.2 16.0 会社がらみの団体旅行 2.7 3.5 3.7 3.4 4.1 その他の旅行 8.4 8.2 8.5 6.9 5.4 個人負担 72.8 72.0 71.5 73.5 74.4 法人負担 18.8 19.8 20.0 19.6 20.2 8.4 8.2 8.5 6.9 5.4 個人旅行 85.1 83.7 82.7 86.1 85.5 団体旅行 6.5 8.0 8.8 7.0 9.1 その他の旅行 8.4 8.2 8.5 6.9 5.4 その他の旅行 旅行形態 平成 24 年 (2012 年) 個人で実施する観光旅行 出張や業務旅行 費用負担者 平成 23 年 (2011 年) 資料:公益財団法人日本交通公社「旅行年報(各年) 」 表.同行者別の国内観光旅行市場の推移(単位:%) 平成 22 年 (2010 年) 平成 23 年 (2011 年) 平成 24 年 (2012 年) 平成 25 年 (2013 年) 平成 26 年 (2014 年) 家族旅行 39.9 37.4 39.4 24.8 夫婦・カップル旅行 24.7 24.0 26.3 34.0 友人旅行 26.8 26.6 25.9 22.5 ひとり旅 8.4 8.5 4.0 15.7 その他 0.2 3.4 4.3 2.9 資料:公益財団法人日本交通公社「旅行年報(各年) 」 4 平成 26(2014)年の観光需要は過去5年間で最も縮小しており、消費税8%への引き上げや 高速道路料金の ETC 割引制度の廃止・変更、消費者物価総合指数の上昇等が要因として挙げられ ます。 旅行者数の推移を旅行の目的別にみると、宿泊旅行・日帰り旅行ともに「観光・レクリエーシ ョン」が5割以上を占めています。 「出張・業務」は宿泊旅行よりも日帰り旅行の割合が多い傾 向にあり、特に平成 26(2014)年の日帰り旅行における「出張・業務」の割合は過去5年間で 最も多くなっています。 同行者別の国内旅行タイプについて全体の割合より1ポイント以上大きい内容をみると、家族 旅行は「温泉に入ること」 「観光・文化施設を訪れること」、夫婦・カップル旅行は「温泉に入る こと」 「おいしいものを食べること」 「文化的な名所を見ること」「自然景観を見ること」 、友人旅 行は「スポーツやアウトドア活動を楽しむこと」 、ひとり旅は「文化的な名所を見ること」 「スポ ーツやアウトドア活動を楽しむこと」 「帰省・冠婚葬祭関連・親族や知人訪問」「街や都市を訪れ ること」 「地域の祭りやイベント」 「買い物をすること」となっています。 表.日本人国内旅行の延べ旅行者数の推移(単位:千人回、%) 宿泊旅行 日帰り旅行 観光・レクリ 帰省・知人訪 出張・業務 エーション 問等 平成22(2010)年 観光・レクリ 帰省・知人訪 出張・業務 エーション 問等 317,533 169,059 90,909 57,565 314,063 202,761 51,812 100 53.2 28.6 18.1 100 64.6 16.5 18.9 平成23(2011)年 313,561 166,678 92,929 53,954 298,964 192,824 51,733 54,407 100 53.2 29.6 17.2 100 64.5 17.3 18.2 平成24(2012)年 315,549 171,759 91,604 52,186 297,201 195,903 46,321 54,977 100 54.4 29.0 16.5 100 65.9 15.6 18.5 平成25(2013)年 320,416 176,421 92,761 51,233 310,534 206,272 48,257 56,006 100 55.1 29.0 16.0 100 66.4 15.5 18.0 297,343 160,026 86,385 50,932 297,878 188,629 47,692 61,557 100 53.8 29.1 17.1 100 63.3 16.0 20.7 平成26(2014)年 59,490 資料:公益財団法人日本交通公社「旅行年報 2015」 表.同行者別の国内旅行タイプ(単位:%) 温 泉 に 入 る こ と お い し い も の を 食 べ る こ と 文 化 的 な 名 所 を 見 る こ と 自 然 景 観 を 見 る こ と 観 光 ・ 文 化 施 設 を 訪 れ る こ と しス むポ こー とツ や ア ウ ト ド ア 活 動 を 楽 人帰 訪省 問・ 冠 婚 葬 祭 関 連 ・ 親 族 や 知 街 や 都 市 を 訪 れ る こ と 自 然 の 豊 か さ を 体 験 す る こ と 地 域 の 祭 り や イ ベ ン ト 買 い 物 を す る こ と 目 当 て の 宿 泊 施 設 に 泊 ま る こ と 地 域 の 文 化 を 体 験 す る こ と そ の 他 全体 16.9 15.9 12.3 11.3 10.3 8.1 5.1 4.0 3.2 3.2 2.9 1.7 0.8 4.4 家族旅行 20.0 15.1 10.4 9.8 15.5 6.5 5.6 3.1 3.6 2.0 3.1 2.3 0.5 2.4 夫婦・カップル旅行 20.0 17.5 13.5 13.9 8.8 5.1 4.3 4.1 3.1 2.2 2.7 1.6 0.6 2.6 友人旅行 15.7 16.1 12.2 11.6 8.5 13.5 2.1 3.2 3.6 3.7 2.1 1.6 1.2 4.9 ひとり旅 6.4 12.4 13.3 8.3 7.9 9.5 10.5 6.7 2.2 6.8 4.1 1.3 1.0 9.6 資料:公益財団法人日本交通公社「旅行年報 2015」 5 ■訪日旅行の動向 訪日外国人旅行者は、平成 21(2009)年のリーマンショック、平成 23(2011)年の東日本大震 災により落ち込む時期もありましたが、総じて増加傾向にあり、平成 27(2015)年の訪日外国人 旅行者数はビジット・ジャパンが開始された平成 15(2003)年の約3倍以上になっています。 訪日外国人旅行者の日本滞在中の行動の上位5項目は、「日本食を食べること」(95.8%)が最 も多く、次いで「ショッピング」(84.1%)、「繁華街の街歩き」(71.2%)、「自然・景勝地観光」 (64.0%) 、 「日本の酒を飲むこと」 (42.9%)となっています。 図.ビジット・ジャパン開始以降の訪日外国人旅行者数の推移 (万人) 2,500 1,974 2,000 1,500 リーマンショック ビジット・ジャパン 開始 1,000 521 614 673 733 835 835 1,036 861 679 1,341 東日本大震災 836 622 500 0 2003年 2004年 2005年 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 資料:国土交通省観光庁 図.訪日外国人旅行者の日本滞在中の行動(上位項目を抜粋) 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0 100.0(%) 日本食を食べること 95.8 ショッピング 84.1 繁華街の街歩き 71.2 自然・景勝地観光 64.0 日本の酒を飲むこと 42.9 温泉入浴 37.9 旅館に宿泊 34.5 日本の歴史・伝統文化体験 24.1 日本の日常生活体験 22.3 テーマパーク 21.7 美術館・博物館 20.0 日本のポップカルチャーを楽しむ 四季の体感 自然体験ツアー・農漁村体験 映画・アニメ縁の地を訪問 13.8 10.7 6.2 4.7 資料:国土交通省観光庁「訪日外国人の消費動向 平成 27 年 年次報告書」 6 (2)国の取り組み 国は、平成 25(2013)年3月に「観光立国推進閣僚会議」を立ち上げ、成長戦略による日本経 済の立て直しを図り、近隣諸国以上に魅力あふれる観光立国の実現に向けて強力に施策を推進す るため、 「観光立国実現に向けたアクションプログラム」を実行してきています。 また、平成 27 年 11 月には「明日の日本を支える観光ビジョン構想会議」を立ち上げ、平成 28 (2016)年3月に「明日の日本を支える観光ビジョン-世界が訪れたくなる日本へ-」を策定しま した。日本は、自然・文化・気候・食という観光振興に必要な4つの条件を兼ね備えた、世界でも 数少ない国の一つであり、これらの豊富な観光資源を真に開花させることにより、観光を我が国 の基幹産業へと成長させ、 「観光先進国」の実現に向けて攻めの取り組みを進めていくこととして います。 ■明日の日本を支える観光ビジョン(平成 28 年3月策定) 新たな目標へ ●訪日外国人旅行者数 2020 年:4000 万人 2030 年:6000 万人 の挑戦 ●訪日外国人旅行消費額 2020 年:8 兆円 2030 年:15 兆円 ●地方部(三大都市圏以外)での外国人延べ宿泊者数 2020 年:7000 万人 2030 年:1 億 3000 万人泊 ●外国人リピーター数 2020 年:2400 万人 2030 年:3600 万人 ●日本人国内旅行消費額 2020 年:21 兆円 2030 年:22 兆円 3つの視点と 視点1 10 の改革 ①公的施設:魅力ある「公的施設」をひろく国民、そして世界に開放 観光資源の魅力を極め、地方創生の礎に ②文化財:「文化財」を、 「保存優先」から観光客目線での「理解促進」 、そして「活用」へ ③国立公園:「国立公園」を、世界水準の「ナショナルパーク」へ ④景観:おもな観光地で「景観計画」をつくり、美しい街並みへ 視点2 観光産業を革新し、国際競争力を高め、我が国の基幹産業に ⑤観光産業:古い規制を見直し、生産性を大切にする観光産業へ ⑥市場開拓:あたらしい市場を開拓し、長期滞在と消費拡大を同時に実現 ⑦観光地経営:疲弊した温泉街や地方都市を、未来発想の経営で再生・活性化 視点3 すべての旅行者が、ストレスなく快適に観光を満喫できる環境に ⑧滞在環境:ソフトインフラを飛躍的に改善し、世界一快適な滞在を実現 ⑨地方交流:「地方創生回廊」を完備し、全国どこへでも快適な旅行を実現 ⑩休暇:「働き方」と「休み方」を改革し、躍動感あふれる社会を実現 資料:観光庁 7 2. 富山県内の動向と富山県の取り組み (1)富山県内の動向 ■隣接する県との比較 国民の旅行消費額について富山県と隣接する4県(新潟県、石川県、長野県、岐阜県)をみる と、 「長野県」が宿泊・日帰りともに最も高い金額で推移しており、宿泊旅行の消費額はやや減少 傾向、日帰り旅行の消費額は増加傾向になっています。 一方、 「富山県」は最も低く推移していますが、宿泊旅行の消費額と日帰り旅行の消費額は、と もにやや増加傾向にあります。 平成 27(2015)年の旅行消費額をみると、宿泊旅行では2位が石川県、3位が新潟県となって おり、平成 26(2014)年までの2位(新潟県)と逆転する現象が起きています。平成 27 年3月に 北陸新幹線「金沢駅」が開業した石川県は、日帰り旅行の消費額も増加傾向にあります。 図.国民の旅行消費額の推移(宿泊旅行) (千万円) 70,000 62,953 62,110 60,000 58,993 55,707 55,302 50,000 40,000 30,000 36,192 24,440 20,000 21,919 10,000 12,905 31,695 30,419 29,710 22,507 23,289 34,453 29,806 27,454 22,886 20,662 15,076 16,775 15,796 13,137 11,211 11,545 0 2011年 2012年 富山県 新潟県 2013年 石川県 2014年 長野県 2015年 岐阜県 資料:観光庁「旅行・観光消費動向調査」 図.国民の旅行消費額の推移(日帰り旅行) (千万円) 25,000 20,000 15,000 20,814 19,847 16,212 15,165 17,092 12,383 10,000 8,177 5,000 2,432 2,024 0 2011年 富山県 8,192 7,280 2,216 7,604 7,071 3,939 4,088 2012年 2013年 石川県 7,735 5,876 5,702 3,872 2,034 2,190 2,030 新潟県 7,195 6,697 2014年 長野県 2015年 岐阜県 資料:観光庁「旅行・観光消費動向調査」 8 ■県内観光入込数 富山県の観光客入込数(延べ数)は、震災や社会情勢による変動はありますが、概ね増加傾向 にあり、特に、平成 27 年(2015)年の富山県の観光入込客数は北陸新幹線の開業等により平成 26(2014)年に比べて 17.5%増加しています。 平成 27(2015)年の富山県内の主要観光地・観光施設の入込客数は、「富岩運河環水公園」 (1,378 千人)が最も多く、次いで「ひみ番屋街」 (1,239 千人)、 「道の駅福光」 (1,103 千人) 、 「海王丸パーク」 (1,075 千人)と続き、上位には県西部の観光地・施設が多くなっています。 祭り・イベントの入込客数は「となみチューリップフェア」 (321 千人)が最も多く、次いで 「山王まつり」 (250 千人) 、「おわら風の盆」 (220 千人)、 「とやまスノーピアード」(213 千 人) 、と続き、上位には県東部(富山市)の祭り・イベントが多くなっています。 北陸新幹線開業等 図.富山県の観光入込客数の推移 (千人) 34,126 35,000 東日本大震災 30,000 27,702 29,416 29,036 2013年 2014年 27,587 25,955 25,000 20,000 2010年 2011年 2012年 2015年 資料:富山県観光客入込数(推計) 図.富山県の主要観光地等の観光入込客数(2015 年) 0 観 光 地 ・ 施 設 祭 り ・ イ ベ ン ト 富岩運河環水公園 ひみ番屋街(総湯含む) 道の駅福光 海王丸パーク 立山黒部アルペンルート 高岡古城公園 五箇山 県民公園太閤山ランド 道の駅カモンパーク新湊 新湊きっときと市場 黒部峡谷鉄道 宇奈月温泉 瑞龍寺 瑞泉寺 となみチューリップフェア 山王まつり おわら風の盆 とやまスノーピアード 富山まつり 福岡町つくりもんまつり 高岡七夕まつり 高岡御車山祭 戸出七夕まつり 高岡万葉まつり 250 500 750 1,000 1,250 1,500(千人) 1,378 1,239 1,103 1,075 997 846 794 740 718 639 402 375 247 44 321 250 220 213 211 150 148 132 130 130 資料:富山県観光客入込数(推計) 9 ■県内の外国人旅行者の動向 富山県内主要宿泊施設の外国人宿泊者数は、平成 23(2011)年に東日本大震災や超円高の進 行により大きく落ち込みましたが、富山-台北便の就航・増便や東南アジア向け訪日ビザの免 除・緩和等により、概ね増加傾向にあります。特に「台湾」からの宿泊者数は大幅に増加してお り、平成 27(2015)年の富山県内の宿泊者数は「台湾」 (68 千人)が最も多く、次に多い「中 国」 (26 千人)の2倍以上となっています。 また、富山県と隣接する4県の訪日外国人消費動向をみると、「富山県」を訪れる外国人の平 均宿泊数は4位( 「1位:新潟県」 「2位:長野県」 、 「3位:石川県」)になっていますが、一人 1回あたり旅行消費単価は最も低くなっています。 図.富山県内主要宿泊施設の外国人宿泊数 200 (千人) 200 (千人) 100 80 147 150 129 60 56 96 100 68 68 81 25 50 40 59 32 34 14 39 1 10 5 3 2010年 2011年 2012年 総数 台 16 14 12 7 15 13 8 17 15 8 2013年 2014年 2015年 香 タ 12 11 9 2 0 26 24 湾 韓 国 中 国 20 0 港 イ 資料:富山県観光客入込数(推計) 表.富山県と隣接する4県の訪問地別訪日外国人消費動向 全体 平均宿泊数 (泊/人) 旅行消費単価 (円/人回) 富山県 新潟県 石川県 長野県 岐阜県 10.2 2.7 9.5 3.2 4.3 2.5 143,832 15,003 43,206 15,753 31,102 17,398 注)全体の平均泊数、及び旅行消費単価は国籍・地域別訪日外客数をウェイトとする加重平均。 旅行消費単価にはパッケージツアー参加費内訳(27 年:32,335 円/人回)を含まない。 資料:観光庁「平成 27 年(2015 年)訪日外国人消費動向調査」 10 (2)富山県の取り組み 富山県は、観光振興と地域の魅力づくりを一体的に進めるため、平成 20(2008)年4月に観光・ 地域振興局を設置して組織の充実をはかるとともに、同年を「観光振興元年」と位置づけ、積極 的な取り組みを行ってきています。 平成 28(2016)年 3 月に、平成 27 年3月に開業した「北陸新幹線」と、平成 27(2015)年 10 月に策定した「富山県人口ビジョン」や「とやま未来創生戦略」により進めていく「地方創生」を 最大限に活かしながら、 「とやま新時代」にふさわしい今後5年間の新たなプランとしての「新・ 富山県観光振興戦略プラン」を策定し、これまで以上に戦略的に観光振興に取り組むこととして います。 11 ■新・富山県観光振興戦略プラン(平成 28 年3月策定) 基本目標 選ばれ続ける観光地 富山 -『海のあるスイス』を目指して- 将来像 ●「海のあるスイス」 :世界遺産・世界水準の山岳リゾート+世界で最も美しい湾 ●「富山で休もう。 」 :上質なライフスタイルブランド 施策 ●マーケティングに基づく観光地域・ブランドづくり ●質の重視と地域内経済循環の促進 ●世界水準に相応しい旅行者の受入体制整備 重点的に取り 組む施策 (1)戦略的な観光地域づくり ①戦略的な観光地域づくりの体制整備(日本版 DMO) ②グローバル化に対応した次世代の観光を担う人づくり ③地域の観光を支える人づくり ④旅行者の満足度を向上させる受入環境の整備・支援 ⑤観光産業と他産業の連携による域内経済循環の促進 ⑥観光の担い手としての事業者・県民の意識醸成 (2)広域観光の拠点化 ①広域観光ハブ(交通結節点)としての優位性を活かした拠点整備 ②主要駅・空港と観光地を結ぶ二次交通の整備・利便性向上 ③広域観光の拠点としての賑わい創出・魅力向上 (3)富山らしい魅力創出 ①世界水準の観光資源「世界遺産五箇山」 「立山黒部」の高付加価値化 ②世界で最も美しい富山湾の魅力を活かした観光資源の発掘・磨き上げ ③豊かな食の磨き上げ ④伝統文化、工芸品等上質な富山を提供する観光商品の開発 ⑤産業観光、ロケ地、スポーツ等多様なツーリズムの展開 ⑥冬季の魅力創出による通年観光の促進 (4)戦略的なプロモーション ①「海のあるスイス」のイメージ醸成 ②ターゲットの特性に応じ、リピーターや定住をも意識した効果的な情報発信 ③交通事業者、大手旅行会社、近隣自治体等と連携したプロモーション ④映画等の誘致や多様なメディアの活用・連携 (5)国際観光の推進 ①広域観光周遊ルートの形成促進 ②外国人個人旅行者(FIT)の受入環境の整備 ③欧米豪など新規市場に向けた効果的な情報発信 ④東アジア・東南アジアからのリピーター拡大 (6)コンベンションの誘致促進 ①国際会議の誘致強化 ②本県の特色等を活かした戦略的なコンベンション誘致 ③主催者のニーズに配慮した支援制度の充実 ④富山の魅力を活かしたユニークベニューやアフターコンベンション等の提案 資料:富山県 12 3. 黒部市の現状 (1)黒部市の概要 ■土地利用 本市は富山県北東部に位置し、北は日本海に面し、東は北アルプスの山々を仰ぎ、南は立山連 峰をはじめとする中部山岳国立公園がひかえています。地勢は平坦部に比べて山岳部が比較的多 く、3,000m級の立山連峰から水深 1,000m以上の富山湾にいたる急峻な地形を黒部川、布施川等 の河川が流れ、黒部川流域には広大で肥沃な黒部扇状地が広がっています。年間平均気温は平野 部で 14℃、年間降水量は平野部で 2,300mm程度、山間部で 4,000mm以上と、我が国屈指の多雨 多雪地帯となっています。新市の行政区域は、東西約 27km、南北約 35km、面積は 427.96 ㎡ で、富山県全体の面積の約 10%を占めています。 本市の地目別面積をみると、市域の約9割を山林及びその他(国有林等)が占めています。 図.黒部市の位置 資料:黒部市ホームページ 表.地目別土地利用現況(平成 26 年 1 月 1 日現在) 面積(k㎡) 総数 田 427.96 30.22 畑 1.69 宅地 11.66 山林 17.83 原野 4.13 雑種地 2.98 その他 359.45 資料:平成 26 年版「統計黒部」 13 ■人口 本市の人口は減少傾向にあります。 年齢別人口をみると、老齢人口は増加傾向にある一方で、年少人口や生産年齢人口は減少傾向 にあり、少子高齢化が進展しています。 本市では 2060 年の目標人口を『33,000 人』とし、その達成に向けて各種施策・事業を推進し ていくこととしています。 図.年齢3区分人口の推移 (人) 50,000 40,000 43,751 43,439 43,084 42,691 41,768 6,721 8,139 9,305 10,264 11,108 28,562 27,716 26,670 25,091 7,726 6,738 6,063 5,757 5,569 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 30,000 20,000 29,304 10,000 0 年少人口 (14歳以下) 生産年齢人口 (15~64歳) 老齢人口 (65歳以上) 資料:国勢調査 図.年齢3区分人口の推計 (人) 50,000 40,000 30,000 20,000 11,130 12,476 12,845 12,778 12,563 12,322 12,537 12,272 11,783 11,188 10,449 25,152 23,280 22,332 21,613 20,887 20,071 18,783 18,085 17,759 17,629 17,638 10,000 0 5,569 5,348 5,091 4,939 4,980 4,902 5,125 5,189 5,142 5,009 4,923 2010年 2015年 2020年 2025年 2030年 2035年 2040年 2045年 2050年 2055年 2060年 年少人口 (14歳以下) 生産年齢人口 (15~64歳) 老齢人口 (65歳以上) 資料:まち・ひと・しごと創生 黒部市人口ビジョン 14 ■産業 本市の産業(3部門)別人口割合は、第1次、第2次産業が減少傾向にあり、第3次産業が増 加傾向にあります。 産業(大分類)別にみると、製造業の従業者数が突出しており、黒部市の基幹産業となってい ることがわかります。 図.産業(3部門)別従業者数の構成比 100.0% 90.0% 80.0% 70.0% 60.0% 50.0% 40.0% 30.0% 20.0% 10.0% 0.0% 45.2% 46.8% 46.6% 49.1% 45.3% 51.1% 45.9% 53.0% 43.9% 43.0% 8.2% 7.9% 5.0% 4.9% 4.0% 1990年 1995年 2000年 2005年 2010年 第1次産業 62.4% 第2次産業 70.6% 34.0% 25.2% 4.2% 3.5% 富山県 全国 第3次産業 資料:国勢調査 図.産業(大分類)別人口(2010 年) (人) 8,000 7,158 7,000 6,000 5,000 4,000 2,597 3,000 2,254 1,967 2,000 1,000 1,324 813 801 54 25 漁 業 鉱 業 、 採 石 業 、 砂 利 採 取 業 142 168 1,006 624 738 381 125 334 248 534 89 0 農 業 、 林 業 建 設 業 製 造 業 電 気 ・ ガ ス ・ 熱 供 給 ・ 水 道 業 情 報 通 信 業 運 輸 業 、 郵 便 業 卸 売 業 、 小 売 業 金 融 業 、 保 険 業 不 動 産 業 、 物 品 賃 貸 業 学 術 研 究 、 専 門 ・ 技 術 サ ー ビ ス 業 宿 泊 業 、 飲 食 サ ー ビ ス 業 生 活 関 連 サ ー ビ ス 業 、 娯 楽 業 教 育 、 学 習 支 援 業 医 療 、 福 祉 複 合 サ ー ビ ス 事 業 サ ー ビ ス 業 ( 他 に 分 類 さ れ な い も の ) 公 務 ( 他 に 分 類 さ れ る も の を 除 く ) 分 類 不 能 の 産 業 資料:国勢調査 15 (2)黒部市の観光の現状 黒部市の観光客入込数(主要4施設合計)の年次推移は、平成 21(2009)年以降減少傾向に ありましたが、平成 27(2015)年は前年比 18.5%の増加となっています。 平成 27(2015)年の市内主要観光施設入込客数は、5月及び7月から 11 月が 200 千人以上、 1月から2月は 100 千人以下となっています。 図.黒部市の観光客入込数の推移(主要4施設合計) (千人) 1,400 1,300 1,196 1,187 1,200 1,204 1,159 1,143 1,101 1,055 1,100 1,035 962 1,000 929 900 800 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 注 1.対象にしている主要 4 施設は次のとおりです。 宇奈月温泉(入湯客数)、黒部峡谷、魚の駅「生地」、宇奈月麦酒館 資料:黒部市 図.市内主要観光施設入込客数の月別推移(2015 年) (千人) 400 305 272 272 300 243 207 172 200 100 87 97 1月 2月 203 173 167 126 0 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 注 1.対象にしている市内 22 施設は次のとおりです。 石田フィッシャリーナ、大島キャンプ場及びパークゴルフ場、嘉例沢森林公園、吉田科学館、黒部市美術館、 石田浜海水浴場、魚の駅「生地」、宇奈月温泉、宇奈月麦酒館、明日キャンプ場、宇奈月温泉スキー場、山本家、 とちの湯、くろべ牧場まきばの風、宇奈月国際会館、宮野運動公園、黒部市総合公園、YKKセンターパーク、 あこや~の(黒部市ふれあい交流館)、生地まち歩き観光、生地温泉、コラーレ 注 2.9 月の数値には、黒部市総合体育センター(黒部市総合公園内)で開催されたくろべフェアの来場者数が含まれて います。 資料:黒部市 16 ■宇奈月温泉 宇奈月温泉の入湯人員の年次推移は減少傾向にありましたが、平成 27(2015)年は前年比 26.8%の増加となっています。 宇奈月温泉の平成 27(2015)年の宿泊者数は、5月及び8月から 11 月が 30,000 人以上、1 月から4月は 20,000 人以下となっています。 図.宇奈月温泉入湯人員の年次推移 (人) 450,000 400,000 350,000 300,000 250,000 342,199 324,366 330,438 317,314 296,845 200,000 150,000 335,198 267,717 280,099 273,643 259,512 100,000 50,000 0 46,189 48,768 43,379 40,100 39,355 40,743 36,608 32,514 32,230 34,671 2006年 2007年 2008年 2009年 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 日帰り 宿泊 (注) 注.宿泊の数値には、宇奈月温泉旅館(11 館)と新川荘(2015 年 3 月廃業)、ホテル渓仙、明日温泉山荘、黒薙温泉が含 まれています。 資料:黒部市 図.宇奈月温泉の宿泊者数の月別推移(2015 年) (人) 50,000 43,005 40,715 40,000 35,658 34,223 33,394 29,922 30,000 25,929 20,000 11,661 13,801 16,760 21,520 18,815 10,000 0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 資料:黒部市 17 ■黒部峡谷鉄道 黒部峡谷鉄道の訪日団体観光客は、毎年増加傾向にあります。特に、台湾や韓国からの訪日団 体観光客数は平成 23(2011)年に比べて平成 27(2015)年は3倍以上となっています。 図.黒部峡谷鉄道の訪日団体観光客数の推移 (総数:人) (各国:人) 12,000 25,000 10,000 20,000 8,000 15,000 6,000 10,000 4,000 5,000 2,000 0 0 総 数 台 湾 韓 国 中 国 香 港 タ イ 小 計 2011年 5,764 3,126 2,226 81 298 0 5,731 中 国 韓 湾 台 総数 2013年 14,554 6,088 7,326 536 445 42 14,437 2012年 10,223 4,013 5,383 227 384 11 10,018 2015年 2014年 2013年 2012年 2011年 香 国 タ 港 イ 対前年比 111.6% 96.7% 152.9% 19.6% 58.3% 255.3% 110.1% 2015年 20,562 10,667 8,856 175 293 120 20,111 2014年 18,431 11,034 5,793 891 503 47 18,268 資料:黒部市 ■コンベンション コンベンションの開催状況は以下のとおりです。 表.コンベンション件数・参加者数・延泊数の推移 2008年 参加者 2010年 2011年 2012年 2013年 2014年 2015年 件数 7 4 8 7 5 5 7 10 合計 1,446 586 2,082 4,132 994 519 1,661 2,399 国外 49 0 48 0 1 0 48 0 県外 708 370 952 2,879 565 405 1,398 1,364 県内 689 216 1,082 1,253 428 114 215 1,035 752 341 1,084 1,217 605 556 1,944 1,385 海外 69 0 118 0 1 0 179 0 県外 683 341 966 1,217 604 556 1,765 1,385 合計 延泊 2009年 資料:黒部市 18 ■黒部市内の交通手段 黒部市内の主な交通手段は、北陸新幹線、富山地方鉄道、あいの風とやま鉄道、民間路線バス、 タクシー等があります。 図.黒部宇奈月温泉駅発着のバス路線 A :新幹線市街地線(黒部市街地、黒部駅方面) B(上):新幹線生地線 (YKK センターパーク、魚の駅「生地」方面) B(下):アルペンライナー(立山室堂行き) C(上):入善新幹線ライナー C(中):おもてなし魚津直行便【予約式】 C(下):あさひまちエクスプレス【予約式】 D・E :観光バス【許可車両限定】 資料:黒部市公共交通ガイド 19 (3)黒部市を取り巻く環境変化 <北陸新幹線の開業> 平成 27(2014)年3月 14 日の北陸新幹線の開業により、黒部宇奈月温泉駅は北陸地域の玄関口 としての役割を期待されるとともに、新幹線の持つ「高速・定時・大量」といった旅客力が発揮 され、時間距離の大幅な短縮により、黒部市と首都圏の交流が拡大しました。 JR 西日本の発表によると、北陸新幹線の延伸開業後1年間(平成 27(2015)年3月 14 日から 平成 28(2016)年3月 13 日)の利用者数は、上越妙高~糸魚川間で 9,258 千人/年、前年の在来 線特急「はくたか」 「北越」の利用実績(直江津~糸魚川間)に比べて 295%の利用状況となって います。自動改札機を通過した 1 日あたりの乗車人員は、金沢駅(8,600 人)が最も多く、黒部宇 奈月温泉駅は、富山駅(4,700 人)や新高岡駅(1,500 人)に続く乗車人員(800 人)となってい ます。 表.北陸新幹線駅乗車人員(1 日あたり) 駅名 金沢駅 新高岡駅 富山駅 黒部宇奈月温泉駅 糸魚川駅 平均 乗車人員 (人/日) 8,600 1,500 4,700 800 400 3,200 資料:JR 西日本 <人口減少、少子高齢化の進展> 黒部市の人口は、緩やかではあるものの人口減少基調にあり、全国的な動向や黒部市の現状の 年齢構造等を勘案すれば、国立社会保障・人口問題研究所の推計が示すように、将来的にもこの 人口減少は避けられないものと考えられます。 今後は、出生率の向上に向けた取り組みや企業誘致をはじめ、黒部市の豊かな大自然や観光資 源を最大限に活かした移住・定住施策等、各種の施策・事業を推進することで人口の減少を抑制 し、地域の活力を維持していくことが求められています。 <インバウンドの増大(国際観光需要の増加)> 中国をはじめとしたアジア諸国の経済発展や円安の進行、更にはビザの大幅緩和等による国の 施策等を背景に、訪日外国人旅行者は大幅に増加しており、黒部峡谷や宇奈月温泉を訪れる旅行 者も増加の傾向にあります。 平成 32 年(2020 年)の夏季オリンピック・パラリンピックの東京開催を受け、今後の更なる市 場の拡大が見込まれています。 20 4. 調査にみる黒部市の現状と評価 (1)首都圏からの来訪者の現状と評価 ①黒部市を訪れた経験 図.過去5年間に黒部市を訪れた経験 過去5年間に黒部市を訪れた経験をみ 1回訪れた 13.0% ると、 「訪れたことがある」 ( 「1回訪れた」 「2回以上訪れた」 「5回以上訪れた」を含 2回以上訪れた 4.1% む)回答者は 17.9%となっており、8割近 5回以上訪れた 0.8% くが「訪れていない」となっています。 訪れていな い 82.0% N=29,965 資料:首都圏在住者インターネット調査(平成 28 年) ②黒部市を訪れる同行者と目的 黒部市を訪れる同行者は、 「夫婦(2人 図.黒部市を訪れる同行者 子供を連れた家族 (中学生以上) 4.8% のみ) 」 (30.2%)が最も多く、次いで「友 人」 (16.4%) 、 「大人の家族」 (14.9%)と なっており、黒部市を訪れる目的は、 「観 職場等の団 体 5.4% カップル 5.6% 光(合宿を含む) 」が最も多く、 「ビジネス (観光もした) 」 「帰省・知人訪問(観光も した) 」を含めると、目的の9割近くが「観 業前と開業後を比較してみると、開業後 は「ビジネス(観光もした) 」が占める割 夫婦(2人のみ) 30.2% 一人 8.5% 光」で占められています。 黒部市を訪れる目的を北陸新幹線の開 その他 2.7% 子供を連れた家族 (小学生以下) 11.5% 友人 16.4% 大人の家族 (夫婦2人のみを除く) 14.9% 合が開業前の3倍に増加しています。 N=1,047 資料:首都圏在住者インターネット調査(平成 28 年) 21 図.黒部市を訪れる目的 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 北陸新幹線開業前 50.0 60.0 70.0 80.0 90.0 2.7 88.4 100.0 (%) 4.0 N=550 北陸新幹線開業後 N=541 82.6 8.9 観光(合宿を含む) ビジネス(観光もした) 帰省・知人訪問(観光もした) ビジネス(観光はしなかった) 帰省・知人訪問(観光はしなかった) その他 4.4 資料:首都圏在住者インターネット調査(平成 28 年) ③黒部市を訪れたときの消費 黒部市を訪れたときの消費項目は、 「昼食」 (61.8%)が最も多く、次いで「土産の購入」 (56.0%) 、 「トロッコ電車等乗車料」 (41.2%)となっており、「イベント参加費」や「体験プログラム等参 加費」は消費行動につながっていない傾向があります。 黒部市を訪れたときの消費金額は、 「1万円未満」が約4割を占めており、次いで「1万~2万 円未満」 、 「2万~3万円」となっています。 図.黒部市を訪れた時の消費 【消費項目】<複数回答> 0.0 【消費金額】 20.0 40.0 60.0 昼食 61.8 土産の購入 41.2 喫茶・スイーツ 32.9 観光施設等入場料 32.0 夕食 21.4 居酒屋 5千円未満 17.1% 2万~3万円未満 18.2% 11.6 6.2 イベント参加費等 3.8 体験プログラム等参加費 3.7 何もお金を使わなかった 3万~5万円未満 8.0% 26.9 朝食 その他 5万円以上 5.8% 56.0 トロッコ電車等乗車料 日帰り湯の入湯料等 80.0 (%) 1万~2万円未満 25.6% 0.7 4.0 N=1,091 MA 5千~1万円未満 25.2% N=1,047 資料:首都圏在住者インターネット調査(平成 28 年) 22 ④黒部市観光リピート意向 黒部市をまた観光したい( 「是非また観光したい」「機会があれば観光したい」のいずれかを選 択した)回答者は、9割以上を占めており、再訪したい季節は「秋」 (54.7%)が最も多くなって います。 図.黒部市観光リピート意向 【リピート希望】 【再訪したい季節】<複数回答> どちらかと言えば 観光したくない 1.1% どちらとも言えない 5.7% もう観光したくない 0.7% 0.0 20.0 春(3~5月) 是非また観光したい 45.4% 60.0 (%) 40.0 35.5 夏(6~8月) 45.4 秋(9~11月) 54.7 冬(12~2月) 機会があれば観光したい 47.2% 12.4 N=965 N=1,042 資料:首都圏在住者インターネット調査(平成 28 年) ⑤観光情報の収集手段 旅行「前」の情報収集手段は、 「インターネット」 (45.5%)が最も多く、次いで「旅行雑誌・ガ イドブック」 (38.4%) 、 「テレビ・ラジオ」(24.2%)となっています。 旅行「中」の情報収集手段は、旅行「前」と同様に「インターネット」(39.5%)が最も多く、 次いで「観光案内所」 (29.4%) 、 「道の駅」(27.5%)となっています。 図.観光情報の収集手段 【旅行前】<複数回答> 【旅行中】<複数回答> 0.0 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0 (%) インターネット 45.5 旅行雑誌・ガイドブック 17.9 旅行代理店 17.2 駅・車内ポスター・パンフレット 13.7 新聞 一度来てよかった その他 情報収集しなかった 9.4 6.2 0.4 13.0 インターネット 39.5 29.4 道の駅 24.2 友人・家族等の口コミ 10.0 20.0 30.0 40.0 50.0(%) 観光案内所 38.4 テレビ・ラジオ 0.0 宿泊施設 22.2 鉄道の駅 21.5 旅先の旅行代理店 7.7 飲食施設 7.6 タクシー運転手 3.2 黒部市の知人・家族 3.1 黒部市内の新聞 1.8 その他 1.5 情報収集しなかった N=1,042 27.5 24.4 N=1,042 資料:首都圏在住者インターネット調査(平成 28 年) 23 ⑥黒部市を訪れる交通手段 黒部市を訪れる交通手段は、北陸新 図.黒部市を訪れる交通手段 【北陸新幹線開業前】<複数回答> 幹線開業前と開業後で違いがありま 0.0 す。 長野新幹線 社用・公用車」(自宅から黒部市へ: 新幹線以外の鉄道 37.3%、黒部市から自宅へ:37.6%)が 飛行機 最も多く、次いで「貸切バス・観光バス」 貸切バス・観光バス (自宅から黒部市へ:19.3%、黒部市か 高速バス ら自宅へ:19.5%)となっています。 (自宅から黒部市へ:68.0%、黒部市か レンタカー タクシー・ハイヤー その他 「新幹線以外の鉄道」 (自宅から黒部へ: 60.0 80.0 (%) 37.3 37.6 自家用車、社用・公用車 ら自宅へ:64.9%)が最も多く、次いで 23.5%、黒部市から自宅へ:21.3%)と 40.0 15.3 13.3 9.8 11.1 18.5 18.7 7.3 6.9 19.3 19.5 3.1 2.9 2.4 2.2 上越新幹線 「北陸新幹線開業前」は「自家用車、 北陸新幹線開業後は「北陸新幹線」 20.0 1.1 1.1 4.7 4.9 N=550 MA 【北陸新幹線開業後】<複数回答> なっています。 0.0 北陸新幹線開業を機に、黒部市への 20.0 40.0 60.0 68.0 64.9 北陸新幹線 交通手段が高速道路から「北陸新幹線」 23.5 21.3 新幹線以外の鉄道 へと変化しています。 飛行機 貸切バス・観光バス 高速バス レンタカー 自家用車、社用・公用車 タクシー・ハイヤー その他 80.0 (%) 7.0 7.8 10.0 11.3 3.9 4.6 4.4 4.4 13.3 13.5 1.1 1.5 1.5 1.8 自宅から黒部市へ N=541 MA 黒部市から自宅へ 資料:首都圏在住者インターネット調査(平成 28 年) ⑦黒部市を訪れる際に利用する北陸新幹線駅 黒部市を訪れる際に利用する北陸新幹線駅は、「自宅から黒部市に行く際の降車駅」「黒部市か ら自宅に帰る際の乗車駅」ともに「金沢駅」 (降車駅として利用:38.6%、乗車駅として利用:35.9%) が最も多く、次いで「黒部宇奈月温泉駅」 (降車駅として利用:26.9%、乗車駅として利用:25.6%) となっていることから、訪問者は広く回遊すると予測されます。 24 図.黒部市を訪れる際に利用する北陸新幹線駅 0% 降車駅 N=368 N=351 乗車駅 10% 20% 30% 40% 38.6 50% 5.4 35.9 60% 70% 80% 21.2 4.3 90% 100% 26.9 23.9 25.6 資料:首都圏在住者インターネット調査(平成 28 年) ⑧黒部市の観光で最も印象に残っていること 黒部市の観光で最も印象に残っている上位5項目は、「黒部峡谷の自然景観」(37.5%)が最も 多く、次いで「トロッコ電車」 (20.8%) 、 「立山連峰を望む景色」 (14.7%)、 「宇奈月温泉」 (3.9%)、 「富山湾の幸」 (3.3%)となっています。 図.黒部市の観光で最も印象に残っていること<複数回答> 0.0 10.0 20.0 30.0 黒部峡谷の自然景観 20.8 立山連峰を望む景色 14.7 宇奈月温泉 3.9 富山湾の幸 3.3 黒部川扇状地や富山湾を望む景色 3.2 緑や水の豊かさ 3.0 1.7 現地の「名物食」 1.4 くろべ牧場 1.2 ゆっくり流れる時間・癒し 1.2 土産品 1.2 生地中橋 1.1 米 0.6 地元の酒 0.7 特産品(食以外) 0.7 現地の人のもてなしや人のやさしさ 0.6 スポーツやアウトドア 0.5 雪に親しむイベントや遊び 0.5 YKKブランド 0.3 地元の祭りやイベント 0.4 その他 50.0 (%) 37.5 トロッコ電車 まち歩き・散策 40.0 N=1,042 1.6 資料:首都圏在住者インターネット調査(平成 28 年) 25 (2)観光客への対応の現状 ①市内観光関連事業者が望む同行者 市内観光関連事業者が望む同行者は、 「若手の女性グループ」 (62.8%)が最も多く、次いで「中・ 高年の女性グループ」(46.5%) 、「外国人観光客」(41.9%)となっており、女性や外国人観光客 の増加を期待しています。 図.市内観光関連事業者が望む同行者<複数回答> 0.0 20.0 40.0 60.0 80.0(%) 若手の女性グループ 62.8 中・高年の女性グループ 46.5 外国人観光客 41.9 若手の男性グループ 39.5 若い夫婦・カップル旅行 37.2 熟年の夫婦旅行 34.9 子供連れの家族旅行(小学生以下) 32.6 会社等の団体旅行 32.6 中・高年の男性グループ 30.2 子供連れの家族旅行(中学生以上) 27.9 大人の親子旅行 23.3 3世代の家族旅行 23.3 ひとり旅 その他 特にない・わからない 16.3 9.3 7.0 N=54 資料:黒部市観光関連事業者アンケート調査(平成 28 年) ②外国人観光客への対応 図.外国人観光客への対応<複数回答> 市内観光関連事業者による外国 人観光客への対応は、現在、 「外国 0.0 10.0 20.0 30.0 外国語を話す社員を配置 25.8 外国語の館内表示 26.3 ド決済」 「全館 Wi-Fi 整備」 (各々 外国語のパンフレット 26.3 28.9%)となっています。今後の対 外国語のホームページ 応 は 、「 外 国 語 の 館 内 表 示 」 海外テレビ局の受信放送 (38.7%)が最も多く、次いで「外 クレジットカード決済 国語を話す社員を配置」 (25.8%) 全館Wi-Fi整備 語を話す社員を配置」 (36.8%)が 最も多く、次いで「クレジットカー となっています。 19.4 12.9 40.0 50.0 (%) 36.8 38.7 23.7 0.0 3.2 28.9 9.7 28.9 12.9 一部のWi-Fi整備 9.7 食事メニューの配慮 9.7 15.8 21.1 21.1 22.6 その他 現在 N=38 今後 N=31 資料:黒部市観光関連事業者アンケート調査(平成 28 年) 26 ③外国人観光客へのPR資源 外国人観光客へのPR資源は以下のとおりです。 表.外国人観光客にPRしたら良いと思われる資源 資源 自然 ・立山黒部ジオパーク ・黒部川 ・雪 ・水(水の豊かさ) ・黒部峡谷 ・立山連峰 ・下の廊下 ・温泉とサル ・清水(しょうず) ・生地海岸 ・富山湾から黒部峡谷までの一直線 ・飲めるほど高品質な水が流れる川で遊べる場所であること 文化・芸術 ・黒部峡谷を描いた日本画作品 ・平和の像 産業観光 ・黒部峡谷鉄道「トロッコ電車」車庫見学 ・YKK産業観光 ・細工蒲鉾 ・ものづくりの技術 スポーツ・レクリエーション・温泉 ・宇奈月温泉スキー場 ・キャニオニング、ラフティング、ボートクルーズ ・とちの森遊歩道 ・温泉 買い物 ・魚の駅「生地」 食 ・海産物 ・山の幸 資料:黒部市観光関連事業者アンケート調査(平成 28 年) 27 ④市内観光関連事業者が必要とする取り組み 市内観光関連事業者が必要とする取り組みを業態別にみると以下のとおりです。 表.市内観光事業者が抱える課題 業態 宿泊施設 資源の活用 情報発信 受入体制 インバウンド 観光施設 資源の活用 受入体制 推進体制 飲食・物 資源の活用 販施設 情報発信 受入体制 インバウンド 交通機関 資源の活用 情報発信 インバウンド その他 受入体制 インバウンド 他 課題 ・黒部の食材を活かした料理の開発・提供 ・黒部峡谷の景観や自然を活かした取り組み ・温泉街のにぎわい創出(週末の夜市の開催等) ・異業種と連携した新しい観光サービスの開発 ・SNS・Webサイトの開設・活用 ・客室内の案内に観光案内を詳しく載せる ・旅行会社との契約 ・おもてなし力の向上 ・時代にあった施設の改装(和式トイレを洋式トイレへ、ベッドの増設等) ・交通の利便性の向上 ・主要観光地(金沢、五箇山、白川郷、高山)等へのバス直行便 ・氷見や和倉への船直行便 ・外国人対応の強化(案内サインの外国語表記等) ・海外に向けての知名度向上(立山黒部アルペンルート以外で) ・黒部の食材を活かしたサービスの提供 ・新しい特産品、物産品、サービス、事業の開発 ・冬期期間中の入館者を増やす ・商品価格の再考 ・接客 ・交通の利便性向上(送迎バスの運行、駐車場の圧倒的な不足に対する改善等) ・事業の選択と集中 ・組織の健全化 ・黒部市・富山湾(ブランド・メニュー)の開発 ・黒部市産の特産土産品開発。 「何が有名か」と聞かれて言葉につまる ・オリジナリティー ・商店街の整備 ・販促活動の強化 ・SNS・Webサイトの開設・活用 ・店のアピールの仕方 ・おもてなし力の向上(観光地案内、 ・観光ボランティアと連携した活動等) ・富山・黒部のことをもっと知る ・リピーター獲得策(割引・優待サービス、ポイントカード等) ・指導する人材の不足 ・ハード面の整備 ・交通の利便性の向上 ・案内サインの外国語表記 ・店の前を通る外国人をビジネスに結びつける方策 ・冬季の利用促進策 ・ツイッターやフェイスブック等、SNSの活用による情報発信 ・立山観光は「富山駅」より「黒部宇奈月温泉駅」の方が便利なことを大いに PR ・外国人対応の強化 ・街中の誰もが観光案内できるような体制づくり ・観光地の事業者として職員が観光PRできるよう、施設や名所を覚える ・出来ることを一つひとつ、早急に行っていく ・ATMで海外のキャッシュカードが利用できるようになること ・外国人観光客(富裕層)が求める宿泊先や体験とのコラボレーション ・ホームページと Facebook での情報発信の外国語対応 ・ミニ版6次産業化事業 資料:黒部市観光関連事業者アンケート調査(平成 28 年) 28 ⑤黒部市が「富山県の東の玄関口」として役割を果たすための取り組み 黒部市が「富山県の東の玄関口」としての役割を果たすための取り組みの上位5項目は、 「新幹 線駅と観光地を結ぶ公共交通網の充実」 (57.4%)が最も多く、次いで「通年観光の推進」 (51.9%)、 「新幹線駅周辺における観光施設・案内所の整備」 (40.7%)、 「黒部ならではの食を活かした飲食 店の充実」(3.9%) 、「黒部ブランドの向上」「隣接の観光地を含む広域観光ルートの開発」(各々 31.5%)となっています。 図.黒部市が「富山県の東の玄関口」として役割を果たすための取り組み<複数回答> 0.0 20.0 40.0 60.0 新幹線駅と観光地を結ぶ公共交通網の充実 80.0 57.4 通年観光の推進 51.9 新幹線駅周辺における観光施設・案内所の整備 40.7 黒部ならではの食を活かした飲食店の充実 37.0 黒部ブランドの向上 31.5 隣接の観光地を含む広域観光ルートの開発 31.5 外国人観光客の受入体制強化 25.9 首都圏への観光PRの強化 24.1 特産品や土産品の開発 24.1 歴史・文化を活かした観光資源の発掘 20.4 体験型旅行商品の開発 20.4 魅力的なイベントの実施と継続 18.5 情報発信拠点の連携 18.5 市民のおもてなしの心の醸成 18.5 市内観光地の景観や施設の整備 16.7 タクシーやレンタカーの利便性向上 14.8 まちなか観光の推進 13.0 観光Webサイトの充実 11.1 観光関連組織・団体の強化 9.3 観光ボランティアの育成 9.3 産業観光の振興 5.6 芸術・文化・科学技術を通じた交流 5.6 その他 5.6 N=54 資料:黒部市観光関連事業者アンケート調査(平成 28 年) 29 5. 黒部市の取り組み状況 現在までの黒部市の取り組み状況は次のとおりです。 基本方針1 観光資源の整備・ネットワーク化 施策 主要観光資源の位置づけ 観光資源の整備・更新 まちなか観光の推進 体験観光の推進 広域観光の推進 モデルコースの設定 取り組み内容 ・「黒部峡谷」を市を代表する観光地として、電源開発の歴史と峡谷美を活か した旅行商品の造成とPR ・新幹線開業による首都圏からの時間短縮を売りに、良質な温泉と歴史、新 エネルギーへの取り組みをPR ・市自慢の清水をまち歩きガイドによる紹介で魅力を発信 ・欅平ビジターセンターを平成 25 年にリニューアル。 (27 年度の入館者は約 9.9 千人) ・28 年 4 月に総湯「湯めどころ」が完成し、指定管理による運営を行う。地 元住民と観光客が交流できる賑わい創出拠点となるよう定期的なイベント を実施 ・パノラマ新周遊ルート整備し、そのルートを活用した展望ツアーを実施 (パノラマ展望ツアーの参加者は約 12 千人) ・平成 28 年4月にまち歩き4団体による連絡協議会を結成。相互の研修会や 北陸地区大会でスキルアップを行う。 ・生地・石田・三日市・若栗・下立・浦山・宇奈月のまち歩きマップを各地 域で作成 ・新幹線開業に向けた黒部川を活かしたアクティビティや欅平パノラマ展望 ツアー等を商品化 ・「モノづくり企業とトロッコ電車見学会」と題し、企業主管で3企業及び市 施設を回るバスツアーを実施(産業観光) ・にいかわ観光圏、新川地域観光開発協議会等が中心となり広域観光を推進 ・モデル観光コースをパンフレットにして紹介 ・平成 27 年に室堂直行バスアルペンライナーを運行 ・「にいバス」、 「にいタク」を試験運行 ・観光局の第二種旅行業登録を活かして、コースを設定 ・マネージャー配置事業で評価及び改善を実施 ・平成 28 年に観光ガイド連絡協議会を設立。 「おもてなし」に関する研修を 実施 基本方針2 国際観光の推進 施策 海外メディアの招聘等 外国語による情報提供の推進 取り組み内容 ・名水マラソンや周年イベント等で姉妹都市等と交流 ・海外のマスコミ・旅行エージェント等の招聘 ・取材・PR媒体作成等への協力 ・市ホームページの外国語対応 ・宇奈月温泉多国語版パンフレット(台湾語、英語、韓国語)を作成 基本方針3 情報発信・誘客の促進 施策 ホームページの充実等 旅行商品の共同開発等 取り組み内容 ・ホームページやフェイスブックでの情報発信 ・いきいき富山館や日本橋とやま館を利用して観光情報を発信 ・着地型旅行商品の開発 ・モデルコース等を旅行会社エージェントへ提案 30 基本方針4 もてなし環境の整備 施策 取り組み内容 観光の意義の普及・啓発 ・にいかわ観光圏での講演会、おもてなし講座の実施 ・生涯学習や総合学習と必要に応じて連携 観光まちづくりの推進 ・市民による郷土学習の推進の支援 ・まち歩き団体による市民ボランティアの育成 冬の魅力づくりによる通年化 ・宇奈月温泉雪上花火、宇奈月百名月物語、雪のカーニバル等を地域で実施 ・ヒラメ等の試食会を開催し、ヒラメを使ったファーストフード商品の開発 に取り組む。 リピーターの拡大 ・宇奈月温泉に完成した総湯「湯めどころ」を賑わい拠点として活用 ・ビジターセンター、松桜閣におけるガイドの平日常駐化 観光ビジネスの振興 ・平成 27 年からパノラマ展望ツアーを実施 ・黒部ブランドの位置づけ、観光局推奨品の活用を検討 ・黒部・宇奈月温泉観光局が第二種旅行業登録を活かして着地型商品を取り 扱う。 ・新幹線に連絡する鉄道・バス等の乗り継ぎダイヤについて、公共交通バス の試験運行や関係機関への要望を実施 ・割引切符・フリー切符等の開発し、試験的に実施 ・新川地域対象の「乗合タクシー」や「にいバス」を試験的に運行 ・新しく整備する交通・観光施設等のバリアフリー化を促進 ・駅前駐車場やサイクリングターミナルを魚の駅や駅等に整備。 ・春・秋「くろワンきっぷ」イベントを実施 ・観光関係公共施設や主要ポイントの案内看板を設置 ・デジタルサイネージによる情報提供を開始 ・宇奈月温泉街に低速電気バス「EMU」を運行 市への交通アクセスの改善 市内の周遊の促進 美しい景観づくりの推進 ・主要観光地での景観対策を支援 基本方針5 推進体制の強化 施策 取り組み内容 観光協会の統合等 ・平成 23 年度に黒部市と宇奈月町の両観光協会が統合し、黒部・宇奈月温泉 観光局を設立 ・必要に応じて観光戦略会議を設置 広域観光推進体制の確立 ・越中にいかわ観光圏と連携。 ・北陸新幹線停車駅都市観光推進会議と連携 ・「地域観光ギャラリー」や、魚の駅「生地」等を推進拠点と位置づけ、情報 発信機能、特産品販売、観光ボランティア活動支援機能を整備・充実 推進拠点の整備・充実化 31 重点プロジェクト1:着地型旅行商品の開発と販売 施策 取り組み内容 プログラムの開発と販売 ・旅行業(第二種)の登録を行った黒部・宇奈月温泉観光局が中心となり、 着地型旅行商品の造成に努める。 ・新幹線開業に向けて、関西電力㈱や黒部峡谷鉄道㈱、富山県、黒部・宇奈 月温泉観光局等が連携し、黒部峡谷パノラマ展望ツアーを実現 専門ガイドの育成 ・清水の里「生地」を案内する黒部観光ガイドが中心となり、研修会を開催 し、レベルアップを図る。 ・ガイドの有料化 ・まち歩き団体への支援 ・にいかわ観光圏が中心となり、地域の魅力を満喫できるモニターツアーを 催行 黒部満喫モニターツアーの催 行 重点プロジェクト2:人づくりの推進 施策 専門ガイドの育成 取り組み内容 ・【再掲】清水の里「生地」を案内する黒部観光ガイドが中心となり、研修会 を開催し、レベルアップを図る。 ・【再掲】ガイドの有料化 ・【再掲】まち歩き団体への支援 重点プロジェクト3:推進体制の構築 施策 観光協会の一元化 「企画コアグループ会議(仮 称) 」の設置 広域観光の推進 取り組み内容 ・【再掲】平成 23 年度に黒部市と宇奈月町の両観光協会が統合し、黒部・宇 奈月温泉観光局を設立 ・観光戦略会議として黒部・宇奈月温泉観光局に若手が集まり、局の基本目 標を検討中 ・【再掲】モデル観光コースをパンフレットにして紹介 ・【再掲】平成 27 年に室堂直行バスアルペンライナーを運行 ・【再掲】 「にいバス」 、 「にいタク」を試験運行 32 ■黒部市内の体験型観光商品 これまで進めてきた黒部市の体験型観光商品は以下のとおりです。 図.黒部市の主な体験型観光商品 【愛本~日本海】黒部川ラフティング 【宇奈月温泉街】 ・くろべ・宇奈月食べ歩きクーポン ・ほろ酔いはしごクーポン 【くろべ牧場まきばの風】 手作り体験乳製品他 【弥太蔵谷】黒部川キャニオニング 【セレネ美術館】 芸術体験・学芸員による作品解説 【うなづき湖】ボートクルーズ 【欅平】黒部峡谷パノラマ展望ツアー 【YKK センターパーク】 工場見学・ファスナー手作り体験 【四十物昆布】工場見学 【生地蒲鉾】細工かまぼこ体験 【石田フィッシャリーナ】海釣り体験 【おおしまパークゴルフ場】 レッツ!PLAY パークゴルフ 【その他】 ・まち歩き(市内各所) ・モノづくり企業とトロッコ電車見学会 等 33 6. 黒部市の課題 今後の本市の観光振興における課題は以下のとおりです。 【課題1】地域資源を生かした新たな魅力づくりの必要性 ●「黒部峡谷」や「宇奈月温泉」 、 「生地の清水(しょうず)」等の代表的な地域資源はもちろ ん、黒部市民の生活の中に「あたりまえ」に存在している個々の地域資源についても、その 価値を再認識し、差別化とブラッシュアップを図る必要があります。 ●活用されていない観光資源に目を向け、新しい形の地域資源の活用や魅力の創出を検討する など、新たな魅力を発掘する必要があります。 ●観光地に欠かせない魅力の一つである「食」のイメージに乏しいことから、黒部市に訪れる 人のニーズを把握し、市内民間事業者の創意工夫による商品化、ブランド化の支援等、黒部 市ならではの「食」を強化する必要があります。 ●黒部市内の観光資源は自然を活かした旅行商品となっており、天候に左右されずに楽しめる 工夫が必要です。特に、“冬こその魅力”を楽しめる仕掛け・仕組みを強化し、発信するこ とにより、通年観光を図る必要があります。 ●旅行者の多様なニーズ・関心に対応していくため、対象者を意識しながら黒部市内の地域資 源をストーリーでつなぐとともに、黒部市が誇れる大自然をはじめとする「本物」を体験で きる仕掛け・仕組みを検討し、商品化する必要があります。 ●魅力あるイベントや体験プログラムの強化、朝や夜の時間の楽しみ方を創出・提案し、黒部 市内での滞在時間を延ばすとともに、宿泊につなげる必要があります。 ●北陸新幹線開業等により、黒部市を訪れる旅行者は広く回遊すると予測されるため、黒部市 内や隣接市町等との広域観光を進める必要があります。 【課題2】外国人旅行者が一人でも楽しめる環境づくりの必要性 ●今後増加すると考えられる外国人個人旅行者(FIT)に対し、民間事業者や団体と協力し ながら外国人個人旅行者が一人でも安心して楽しめる環境を整備する必要があります。 ●世界に「黒部」の認知度を高めるため、世界ブランドとなる黒部市のコンテンツを検討し、 戦略的な誘客活動を展開する必要があります。 ●飲食店や土産物店の前を通る外国人旅行者をビジネスに結びつけるための支援が必要です。 ●まちなかで外国人旅行者と出会っても、構えることなく対応できるよう、黒部市民の国際感 覚の醸成を図る必要があります。 34 【課題3】積極的な情報発信を通じた“黒部”のブランド化の必要性 ●黒部のことをよく知らない人、まだ黒部市に訪れていない人を黒部市に呼び込むため、黒部 市のイメージを明確にし、黒部市のブランドイメージを大きく高めていく必要があります。 ●情報を発信する際には、対象者に応じて情報を厳選するとともに、対象者が黒部市を選択し 行動するまでの段階に応じて情報を提供する必要があります。特に、旅行者の情報収集ツー ルとして重要性が増してきているインターネットについては、観光ホームページとして利用 者の立場に立った内容の整理と充実を図るとともに、動画や SNS 等の情報ツールを積極的 に活用した交流によって口コミを図る必要があります。 【課題4】観光客の受入体制の整備等による地域全体での“おもてなし”の必要性 ●市民が黒部のことを知らない、黒部の自慢をしないなど、郷土黒部に対する関心の低さ、自 信のなさがみられます。市民が意欲的にイベントに参加・参画することにより郷土を見つめ 直し、磨きをかけていく意識を醸成する必要があります。 ●市民が自ら自信を持って旅行者の立場に立ったサービスができるよう、自主的な活動を支援 するとともに、ネットワーク化によって市民・事業者・行政が一体となった「おもてなし」 を実践していく必要があります。 ●観光振興の推進力(牽引役)となる人づくり・組織づくりを進める必要があります。 ●年齢や国籍、障がい等の有無に関わらず、観光施設間をスムーズに移動できるような交通手 段や観光案内標識・看板の整備、待ち時間を有意義に過ごせる仕組みの提供等、誰もが安心 して一人でも楽しめる受け入れ体制を整備する必要があります。 ●黒部市が“県東部の玄関口”としての役割を担っており、黒部市内の観光関係団体や民間企 業、また隣接市町との広域的な地域連携を進める必要があります。 ●旅行者の観光ニーズについて継続的に調査し、マーケティング分析に基づき、ターゲットを 明確にした対応を図る必要があります。 35 第3章 1. これからの観光戦略 基本目標 本市の山川海がそろった豊かな地域資源とその四季の魅力を最大限に活かし、住民が誇りと自 信をもって来訪者を迎えることができるよう、将来像を掲げるとともに数値目標を設定して、オ ール黒部で観光の振興を進めていきます。 【将来像】 大自然とその四季の魅力を活かし、世界に誇れる観光交流のまち 黒部 【数値目標】 現状値 (平成 27 年) 観光客入込数 宇奈月温泉宿泊者 数 冬(12~3 月)の宇 奈月温泉宿泊者数 一人当たり観光 消費額(宿泊者) 着地型観光商品の 利用者数 ホームページアク セス数 リピート希望率 (宿泊者) 1,101 千人 (主要4施設等) 目標値 (平成 34 年) 1,130 千人 考 新幹線開業効果を持続し、 更に 3 万人の増を目指す。 黒部市総合戦略(戦略 K)で掲げる 335 千人 350 千人 重要業績評価指数(KPI)平成 31 年 度数値目標と同数。 64 千人 80 千人 ― ― (今後調査を実施) 22 千人 (パノラマツアー、 25 千人 冬の宿泊を 2 万人/月まで引き上げ る。 (@20 千人×4ヶ月) (調査結果を基に、今後設定) 既存商品の利用者増及び新たな商品 造成により利用者を増やす。 ラフティングなど) 300,257 件 (観光局) ホームページのリニューアルや情報 350,000 件 の更新頻度を高め、約 5 万件の増を 目指す。 45.4% (是非また観光したい 60.0% 観光客の満足度を高め、 約 15 ポイントの向上を目指す。 との割合) 23,378 人 外国人観光客数 備 (宇奈月温泉 外国人 50,000 人 宿泊者数) 36 国のインバウンド政策に呼応し、 2 倍以上を目指す。 2. 施策の体系 本計画の施策の体系は以下のとおりです。 【 将 来 像 】 大 自 然 と そ の 四 季 の 魅 力 を 活 か し 、 世 界 に 誇 れ る 観 光 交 流 の ま ち 黒 部 方針1 施策1 観光資源の魅力発掘と磨き上げ 観光資源の活用 施策2 冬の魅力づくりによる観光の通年化 施策3 体験・滞在型観光の推進 施策4 広域観光の推進 方針2 施策1 受け入れ環境の整備 外国人旅行者への対応 施策2 誘客促進 施策3 国際感覚の醸成 方針3 施策1 黒部市のブランド化 戦略的なPR 施策2 効果的な情報発信 方針4 施策1 おもてなしの気運醸成 受け入れ体制の強化 施策2 旅行者の利便性の向上 施策3 戦略的に推進するための組織強化 重点プロジェクト 1.連携による観光の通年化 2.外国人旅行者の受け入れ環境の整備と誘客促進 3.戦略的な PR(黒部ブランド) 37 3. 個別施策 本計画の施策の内容は以下のとおりです。 注) 「実施主体」の太字は主催者を示し、 「期間」について「短期」は緊急的な事業、 「中期」は東京オリンピック までに整備する事業、 「長期」は長期的な目線で推進していく事業を示しています。 方針1 観光資源の活用 4つの施策 施策1 観光資源の魅力発掘と磨き上げ ①「黒部峡谷」のキラーコンテンツ化 ②黒部市の魅力を活かした観光の推進 施策2 冬の魅力づくりによる観光の通年化 ①冬季の魅力創出 施策3 体験・滞在型観光の推進 ①体験型観光の推進 ②滞在の長期化 施策4 広域観光の推進 ① 広域連携事業の推進 施策1 観光資源の魅力発掘と磨き上げ ①「黒部峡谷」のキラーコンテンツ化 日本一の V 字峡で知られている「黒部峡谷」は黒部市に訪れた人の印象に最も残る地域資源で す。 「黒部峡谷」を黒部市が世界に誇るキラーコンテンツとして位置づけ、魅力と付加価値の向上 を図っていきます。 期間 No. 1 事業名 内容 実施主体 黒部峡谷パノラマ展望ツアーの魅力アッ 黒部市、 世界ブランド プについて検討するなど、黒部峡谷の露出 黒部・宇奈月温泉観光局 「立山・黒部」の を高め、立山黒部アルペンルートとともに (以下「観光局」と記 PR 「立山・黒部」としてキラーコンテンツ化 載) 、 を図る。 民間事業者 短 中 長 期 期 期 ● 次の頁につづく 38 「黒部峡谷」のキラーコンテンツ化 期間 No. 2 事業名 鐘釣、欅平駅周 辺の整備 内容 実施主体 欅平駅周辺の更なる利便性の向上に努め るとともに、鐘釣の新たな魅力づくりにつ いて検討する。 短 中 長 期 期 期 黒部市、観光局、 ● 民間事業者 宇奈月ダム湖周辺(とちの湯周辺を含む。 ) 3 宇奈月ダム湖周 の環境整備に努めるとともに、冬の散策の 辺の環境整備 誘導、湖面利用について関係機関と調整を 環境整備に 向け検討 黒部市、観光局 図る。 雨天や視界が悪い日、乗継ぎの待ち時間 4 雨天時等の観光 等、黒部峡谷のバーチャルリアリティによ 黒部市、観光局、 推進 る観光体験や施設内での3D映像等、その 民間事業者 サービス 内容を検討 企画やサービスについて検討する。 ②黒部の魅力を活かした観光の推進 黒部市の新たな魅力として、黒部市の歴史文化はもちろん市民の生活やなりわいを観光に結び 付けるとともに、体感した黒部の思い出を持ち帰ることができる商品を開発していきます。 期間 No. 事業名 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 地域の歴史や文化などの魅力をガイドと 5 まち歩き観光の ともに発見する”まち歩き観光”を推進す 観光局、 推進 るとともに、体験宿泊施設の活用による黒 民間事業者 ● 部の生活体験の商品化を図る。 YKKセンターパークをはじめ、水力発電 所等、地域の特徴ある産業の技術見学や体 6 産業観光の推進 験のほか、環境に対する取り組み等が学習 できる観光を推進するとともに、産業観光 黒部市、観光局、 民間事業者 ● のネットワーク化を進める。 7 サイクリング観 光の推進 湾岸サイクリングの推進や、電車への自転 車持ち込みができる環境を利用して地域 の魅力を体感できる商品を造成する。 黒部市、観光局、 ● 民間事業者 若い世代の起業を支援するなど、商店街に 8 商店街、温泉街 の賑わい創出 おける空き店舗対策を推進し、観光客の回 遊性を高めるとともに、湯めどころ宇奈月 を拠点とした交流による賑わいの創出を 黒部市、観光局、 民間事業者 ● 図る。 9 10 11 食べ歩き・呑み 歩きの促進 農林水産物のブ ランド化 飲食店等のネットワークを強化し、旅行者 が安心して黒部の「食」を楽しめる仕組み づくりを促進する。 黒部米や名水ポーク、ヒラメ、カニ、生地 の干物等、普段市民が食する農水産物等の ブランディングを推進する。 コンベンション 国際会館セレネを活用したコンベンショ や合宿、教育旅 ン誘致を進めるとともに、スポーツ合宿や 行の誘致 教育旅行の誘致を進める。 39 黒部市、観光局、 民間事業者 黒部市、観光局、 民間事業者 黒部市、観光局 ● ● ● 施策2 冬の魅力づくりによる観光の通年化 ①冬季の魅力創出 新緑や紅葉の季節に比べて冬季の観光は落ち込む傾向があるため、黒部市の冬の観光素材を発 掘し、魅力創出とストーリー化を通じて、 「冬こそ黒部・宇奈月」と言えるような通年観光につな げていきます。 期間 No. 事業名 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 宇奈月温泉雪のカーニバルや冬物語、百名 1 宇奈月温泉の冬 月物語等、宇奈月温泉の冬の夜を楽しむイ を楽しむイベン ベントに、イルミネーションやライトアッ トの充実 プ等の幻想的な楽しみを加えるなど、イベ 黒部市、観光局、 民間事業者 ● ントの充実を図る。 2 スノーアクティ ビティの推進 宇奈月スノーパ 3 ークの魅力アッ プ 4 5 冬場に実施可能な自然散策ルートの検討 や地元ガイド同行で行うスノーシューツ アー等を商品化する。 が楽しめる、自然公園的な遊雪施設へと魅 黒部市、観光局、民間事 力アップするなど、その活用方針を検討す 業者、市民 ● 早期に方向 性を検討 る。 魚の駅「生地」や市内飲食店、宇奈月温泉 味覚のおもてな 等で、北陸黒部の冬ならではの魚でのもて し なし方を検討する。 業 民間事業者 宇奈月スノーパークを子供連れや外国人 北陸黒部の冬の 冬の生活体験事 黒部市、観光局、 黒部市、観光局、 民間事業者 ● 宇奈月の冬の生活について、他の温泉地に は無い峡谷の雪景色やゆったり感を味わ える体験商品を開発する。 40 観光局、民間事業者 ● 施策3 体験・滞在型観光の推進 ①体験型観光の推進 大勢の人と一緒に見るだけの観光から、本物に出会える自分らしい旅行への関心が高まる中、 黒部市に息づく本物を五感で感じながら知的好奇心も満たされるような、遊び心のある体験メニ ューを開発し、販売していきます。 期間 No. 1 2 3 4 事業名 黒部川アクティ ビティの推進 富山湾アクティ ビティの推進 宇奈月温泉親水 スポットの整備 内容 実施主体 ラフティング、キャニオニング等、黒部川 を生かした体験メニューを造成・PRす る。 海上遊覧、マリンスポーツ、釣り等、富山 湾を生かした体験メニューを造成・PRす る。 黒部市、観光局、 民間事業者 短 中 長 期 期 期 ● 黒部市、観光局、 ● 民間事業者 宇奈月温泉を訪れる多くの旅行者が黒部 川の水に触れることができる親水スポッ 整備箇所・ 手法を検討 黒部市 トの整備について検討する。 くろべ牧場まき 観光・体験牧場としてのメニューを充実す ばの風の魅力拡 るとともに、花畑等の整備を通じた景勝地 大 としての魅力拡大を図る。 黒部市 ● 地域の祭りや伝統行事に地域外の人が参 5 文化体験の推進 加し、体験を通じて地域の人とのコミュニ 黒部市、観光局、 ケーションできる機会を設け、交流の拡大 民間事業者、市民 ● を図る。 ②滞在の長期化 黒部市に観光やビジネスで訪れた人が黒部市で泊まる「必要性」を誘発するとともに、黒部市 で泊まりたくなる「お得感」を演出し、 「もう一日泊まりたくなる」取り組みを支援していきます。 期間 No. 事業名 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 吉田科学館のプラネタリウムやセレネ美 6 既存観光施設等 の連携・活用 術館の日本画、歴史民俗資料館やくろべ牧 場まきばの風等、黒部市ならではの観光施 黒部市、観光局 ● 設を活用し、具体的なプランを提示しなが ら滞在型観光を促進する。 朝の資源・夜の 7 資源の発掘と活 用 朝の散歩や朝食の工夫、夜の楽しみ方の提 黒部市、観光局、 案を通じて宿泊につなげる。 民間事業者 41 ● 施策4 広域観光の推進 ①広域連携事業の推進 黒部市が富山県の東の玄関口としての役割を果たせるよう広域観光を推進するとともに、黒部 市の地域資源と関連性のある地域と連携し、テーマ性を持った広域周遊ルートの企画・商品化を 進めていきます。 期間 No. 事業名 近隣市町、新幹 1 線沿線都市との 連携事業の実施 2 にいかわ観光圏 整備事業の推進 黒部宇奈月温泉 3 駅を拠点とした 広域観光ルート の開発 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 立山黒部ジオパーク協会やにいかわ観光 圏、新川地域観光開発協議会や北陸新幹線 黒部市、観光局、 停車駅都市観光推進会議等と連携し、観光 民間事業者 ● PRや誘客促進事業を実施する。 にいかわ観光圏整備事業を通じて、モデル コースや着地型旅行商品を造成し、誘客を 黒部市、観光局 ● 促進する。 首都圏から黒部宇奈月温泉駅を拠点とし たテーマ別の観光ルートを設定し、パック 旅行商品の開発を促進・支援する。 42 観光局、民間事業者 ● 方針2 外国人旅行者への対応 3つの施策 施策1 受け入れ環境の整備 ①外国人旅行者にやさしい環境づくり 施策2 誘客促進 ①外国人旅行者の誘客促進 施策3 国際感覚の醸成 ①国際化の推進 施策1 受け入れ環境の整備 ①外国人旅行者にやさしい環境づくり 黒部市に訪れる外国人旅行者が、一人でも安心して訪れることができるような受入環境を整備 していきます。 期間 No. 1 2 事業名 多言語による情 報発信の強化 実施主体 観光案内看板の外国語併記やピクトグラ ム表示、多言語によるホームページや観光 パンフレットの作成を推進する。 Free Wi-fi 等受 主要な観光施設内や宇奈月温泉街全体の 入環境の整備 Free Wi-fi 化を推進する。 観光案内所にお 3 内容 ける外国人対応 の充実 黒部市、観光局、 民間事業者 黒部市、民間事業者 短 中 長 期 期 期 ● ● 地域観光ギャラリーをはじめとした市内 の観光案内所において、外国人対応が可能 黒部市、観光局、 となるよう施設の充実、スタッフの育成を 民間事業者 ● 図る。 外国人旅行者が安心・快適に観光が楽しめ 4 外国人旅行者へ るよう、電話や応対、食事メニュー、緊急 黒部市、観光局、 の接遇向上 時対応等について、先進地視察や研修会等 民間事業者 によるスキルアップを図る。 43 ● 施策2 誘客促進 ①外国人観光者向けの誘客促進 平成 22(2020)年に開催される東京オリンピック・パラリンピックに向け、地域が連携し、黒 部市の魅力を外国人旅行者向けにアピールしていきます。 期間 No. 1 2 3 事業名 内容 実施主体 インバウンド受 官民連携による(仮称)インバウンド推進 け入れ推進組織 協議会を設立し、海外からの受入体制の整 黒部市、観光局、 の設立、誘客の 備、外国人個人旅行者を対象とした各種割 民間事業者 促進 引制度の導入等、誘客を促進する。 海外メディアの 招聘 海外のマスコミや旅行エージェント等を 招聘し、TVや雑誌、旅行パンフレットを 通じ、黒部市の魅力を紹介する。 黒部市、観光局、 民間事業者 現地プロモーシ 官民が連携し、トップセールスによる宣 黒部市、観光局、 ョンの展開 伝・誘客活動を行う。 民間事業者 施策3 短 中 長 期 期 期 ● ● ● 国際感覚の醸成 ①国際化の推進 海外姉妹都市との交流はもちろん、在住外国人や留学生との交流機会を創出し、黒部市民の国 際感覚の醸成を図っていきます。 期間 No. 事業名 海外学生のイン 1 ターンシップ受 け入れ 内容 実施主体 交流機会の拡大 中 長 期 期 期 宇奈月温泉旅館協同組合が実施している 台湾やタイからの大学生インターンシッ 黒部市、観光局、 プの受入れを継続するとともに、地域住民 民間事業者 ● との交流を促進する。 国際交流員の活用により幼少期から国際 2 短 感覚を醸成するとともに、海外姉妹都市や 国際友好都市との交流を促進する。 44 黒部市、観光局、 市民 ● 方針3 戦略的なPR 2つの施策 施策1 黒部市のブランド化 ①黒部市のイメージの統一 施策2 効果的な情報発信 ①黒部市の魅力的な情報発信 ②多様なツールの活用 施策1 黒部市のブランド化 ①黒部市のイメージの統一 全国の人から、その目的にあった場所として黒部市が選ばれるため、黒部市そのものの認知度 の向上はもちろん、黒部市民が共感でき、市外の人にも魅力的で印象に残る黒部市の統一イメー ジを明確にしていきます。 期間 No. 1 2 事業名 黒部ブランドの 再構築 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 黒部の景色、食、イベント等をランキング 化し、PR する黒部市の地域資源を選別する 黒部市、観光局 ● など、ブランド化を促進する。 世界ジオパーク 東京オリンピックまでに立山黒部ジオパ の認定に向けた ークの世界ジオパーク認定を目指すとと 取り組みの推進 もに、その魅力を PR する。 黒部市、観光局、 民間事業者 ● “名水の里 黒部”として、黒部の水の価値 3 黒部の“水” の PR を再認識し、飲み水の美味しさや水だんご 黒部市、市民、 の活用と商品展開を検討し、その魅力を PR 民間事業者 ● する。 4 宇奈月温泉の価 未病対策事業を契機に宇奈月温泉の効能 値検証・発信(温 等を検証し、ブランド化を図るとともに、 泉のブランド 総湯を中心とした宇奈月温泉の賑わいを 化) 創出し、その魅力を PR する。 45 黒部市、観光局 ● 施策2 効果的な情報発信 ① 黒部市の魅力的な情報発信 黒部市への訪問経験を持つ首都圏の人は概して少なく、黒部市の位置や魅力が十分に周知され ていないため、首都圏向けの誘客活動や広告展開を強化するとともに、平成 34(2022)年の北陸 新幹線敦賀延伸も視野に入れ、ターゲットを設定した上で、モデルコースを提案するなど、実用 的かつ戦略的な情報を発信していきます。 期間 No. 1 事業名 内容 目的やターゲッ 目的と期待する効果を明確にするととも トを明確にした に、ターゲット別のモデルコースを設定す 情報発信 るなど、誘客方法を検討・促進する。 首都圏等でのミ 2 ニアンテナショ ップの開設 3 観光キャンペー ンの実施 実施主体 黒部市、観光局、 民間事業者 短 中 長 期 期 期 ● 観光誘客のみならず、特産品の PR、移住・ 定住相談等、幅広く地域を紹介する首都圏 でのミニアンテナショップの開設につい 開設場所・ 財源を検討 黒部市、観光局 て検討する。 黒部市の魅力の認知度向上を図るため、県 や近隣市町と連携し、都市圏において効率 的な観光キャンペーンを実施する。 黒部市、観光局、 民間事業者 ● ②多様なツールの活用 黒部市に対する認知度に応じた情報とツールを選択し、魅力的な観光資源を有する黒部市を発 信し、交流を促進していきます。 期間 No. 事業名 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 (カノンを契機として)映画、TVのロケ 4 フィルムコミッ 誘致、雑誌等の取材に対応できるワンスト ションの設立 ップ窓口として、フィルムコミッションの 設立に向け 調整 黒部市、観光局 設立を検討する。 ホームページや 5 パンフレットに よる観光情報の 発信 6 SNSによる発 信と交流 最新情報の掲載に努めるとともに、観光ニ ーズを常に把握し、必要に応じてリニュー アルを進める。 フェイスブック等のSNSを活用し、タイ ムリーな情報提供を行うとともに、観光情 報を通じて人とのつながりを促進する。 46 黒部市、観光局、 民間事業者 黒部市、観光局、 民間事業者 ● ● 方針4 受け入れ体制の強化 3つの施策 施策1 おもてなしの気運醸成 ①観光ガイド等の充実 ②市民の観光に関する意識醸成 施策2 旅行者の利便性の向上 ①二次交通の整備・充実 ②案内機能の強化 施策3 戦略的に観光を推進するための組織強化 ①推進体制の確立 ②推進ネットワークの強化 ③観光データの共有化 施策1 おもてなしの気運醸成 ①観光ガイド等の充実 黒部市を訪れた旅行者へ質の高いサービスを提供するため、観光ガイド等のスキルの向上を図 るとともに、ガイドに役立つコンテンツを収集し、印象に残るガイドを推進していきます。 期間 No. 1 事業名 観光ガイド育成 と組織の充実 まち歩き、食べ 2 歩きマップ等の 充実 内容 実施主体 地域の魅力を再発見し、訪れる人に紹介で きる観光ガイドの育成を図るとともに組 織を強化し、地域間の連携を進める。 黒部市、観光局、 民間事業者 旅行者のニーズに沿った多様なマップを 黒部市、観光局、 作成し、市内の散策を誘導する。 民間事業者 47 短 中 長 期 期 期 ● ● ②市民の観光に関する意識醸成 観光が地域に与える効果や、観光まちづくりの必要性等を市民に広く普及し、市内のどこに行 っても旅行者が満足を得られるよう、地域の温かい「もてなしの心」を醸成していきます。 期間 No. 3 4 事業名 市民の自主的な 活動への支援 内容 実施主体 中 長 期 期 期 市民活動グループや民間事業者が観光振 興につながるイベント等を行う場合、その 黒部市、市民 ● 実現に向けて支援する。 講演会等を通じ 講演会等を開催し、観光が地域に与える効 た観光に関する 果を周知するなど、観光に関する意識の醸 意識の醸成 成を図る。 施策2 短 黒部市、観光局、 民間事業者 ● 旅行者の利便性の向上 ①二次交通の整備・充実 旅行者の拡大を図るため、黒部宇奈月温泉駅における二次交通への接続や、バスやタクシー、 あいの風とやま鉄道、富山地方鉄道等の利便性を向上していきます。 期間 No. 事業名 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 新幹線黒部宇奈月温泉駅を核とした市内 観光スポット等への二次交通の整備・維 1 二次交通の整備 持・改善を図るとともに、近隣市町及び県 内観光地への移動手段充実について検討 公共交通戦略推進協議 更なる充実 に向け検討 会、黒部市、民間事業者 する。 二次交通を活用 2 した旅行商品の 開発 を開発し販売するとともに、旅行者の周 黒部市、観光局、 遊・移動に配慮した割引切符やフリー切符 民間事業者 新たな企画 販売を検討 の企画販売を検討する。 富山地方鉄道宇 3 新幹線及び二次交通を活用した旅行商品 奈月温泉駅のバ リアフリー化 多くの旅行者が利用する地方鉄道宇奈月 温泉駅のバリアフリー化を進める。 民間事業者 ● ②案内機能の強化 旅行者が一人でも安心して黒部市を巡れるよう、市内の観光施設や観光スポット等へ効果的に 誘導できる案内機能を強化していきます。 期間 No. 事業名 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 新たな交流拠点としての「道の駅」を整備 4 道の駅「(仮称) し、点在する地域資源との連携を強化し、 くろべ」の整備 利用者のニーズに対応した様々なサービ 黒部市、民間事業者 計画策定中 スを展開する。 次の頁につづく 48 案内機能の強化 期間 No. 5 6 事業名 広域的な観光案 内の実施 観光案内看板・ 誘導標識の整備 観光拠点の整 7 備、ネットワー ク化 施策3 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 地域観光ギャラリー内の観光案内所を県 東部の玄関口として、その案内機能を強化 観光局 ● 黒部市 ● するとともに、外国人対応を進める。 旅行形態が団体から個人へと移行してい ることから、観光案内看板、誘導標識を整 備する。 魚の駅「生地」 、黒部宇奈月温泉駅「地域観 光ギャラリー」 、総湯「湯めどころ宇奈月」 、 黒部市、観光局、 道の駅「 (仮称)くろべ」等の連携、ネット 民間事業者 ● ワーク化を図る。 戦略的に観光を推進するための組織強化 ①推進体制の確立 黒部市の観光を戦略的に推進するための組織体制を確立するとともに、その牽引役となるべき 人材を育成していきます。 期間 No. 事業名 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 第2種旅行業を有する黒部・宇奈月温泉観 1 観光局の体制・ 光局の強みを生かし、黒部市及び近隣市町 機能強化 の着地型旅行商品の造成・販売、誘客促進 黒部市、観光局 ● が図れるよう、その体制を強化する。 2 地域観光リーダ ーの育成 黒部市及び富山県東部の観光をリードす るリーダーを育成するとともに、市民ボラ 黒部市、観光局、市民 ● ンティアの育成を図る。 ②推進ネットワークの強化 黒部市及び近隣自治体等の観光に携わる関係者の知恵と情報を結集し、民間主導の新しい試み やプロジェクトが実施されるよう、様々なネットワークを強化していきます。 期間 No. 事業名 市内観光関係団 3 体間の連携強 化、他産業との 連携 内容 実施主体 黒部市内の観光に関する各種の団体間の 連携を強化するとともに、生産者と観光事 業者等、異業種間の連携を促進する。 黒部市、観光局、 民間事業者 短 中 長 期 期 期 ● にいかわ観光圏や新川地域観光開発協議 4 広域観光推進体 会、北陸新幹線停車駅都市観光推進会議 黒部市、観光局、 制の強化 等、県や関係自治体と連携しながら、広域 民間事業者 観光推進体制の強化を図る。 49 ● ③観光データの共有化 黒部市が実施する観光に関する調査データを分析・整理し、適切な管理のもと、観光に携わる 関係者に公開するとともに、計画の進捗管理等に役立てていきます。 期間 No. 5 事業名 観光基礎データ の収集、分析 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 観光主要施設、駅等において旅行者の調査 を実施し、そのデータを分析の上、関係者 間で共有する。 50 黒部市 ● 第4章 重点プロジェクト 第 3 章で明らかにした観光戦略に基づき、計画的に施策を実施していくとともに、特に重点的、 戦略的に取り組むべきテーマを「重点プロジェクト」と位置付け、優先的、重点的に取り組んで いきます。 プロジェクト1 連携による観光の通年化 「黒部市の観光の現状」 (P16~P17)をみると、冬の観光客の入込数の減少が明らかであり、観 光関係団体、事業者が連携して、 “冬こその魅力”を楽しむ仕掛けを強化するなど、 「ON」 「OFF」の ない通年観光を図ることが課題です。 「冬の魅力創出への取り組み」として、ターゲットを定めた上での宇奈月温泉の冬を楽しむイ ベントの充実やその取り組みに対する支援、冬の味覚のおもてなし、天候に影響の少ない産業観 光の推進、商店街・温泉街の賑わい創出等を重点的に進めます。 【主な事業内容】 (一部再掲) 期間 No. 事業名 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 イルミネーションやライトアップ等、宇奈 1 宇奈月温泉の冬 の魅力の充実 月温泉の幻想的な楽しみ方を加えるほか、 冬場に実施可能な自然散策ルートの検討 や地元ガイド同行で行うスノーシューツ 黒部市、観光局、 民間事業者 ● アー等を商品化する。 2 北陸黒部の冬の 魚の駅「生地」や市内飲食店、宇奈月温泉 味覚のおもてな 等で、北陸黒部の冬ならではの“魚”での し もてなし方を検討する。 黒部市、観光局、 民間事業者 ● YKKセンターパークをはじめ、水力発電 所等、地域の特徴ある産業の技術見学や体 3 産業観光の推進 験のほか、環境に対する取り組み等が学習 できる観光を推進するとともに、産業観光 黒部市、観光局、 民間事業者 ● のネットワーク化を進める。 若い世代の起業を支援するなど、商店街に 4 商店街、温泉街 の賑わい創出 おける空き店舗対策を推進し、観光客の回 遊性を高めるとともに、湯めどころ宇奈月 を拠点とした交流による賑わいの創出を 黒部市、観光局、 民間事業者 ● 図る。 5 市内観光関係団 体間の連携強化 黒部市内の観光に関する各種の団体間の 連携を強化するとともに、異業種間の連携 を促進する。 51 黒部市、観光局、 民間事業者 ● プロジェクト2 外国人旅行者の受け入れ環境の整備と誘客促進 今後増加すると考えられる外国人個人旅行者(FIT)に対し、民間事業者や団体と協力しながら、 一人でも安心して楽しめる環境を整備することが課題です。 観光案内看板等の外国語併記や外国語のパンフレットの作成、Wi-Fi 整備、相談窓口や免税店の 設置等、外国人旅行者が一人でも楽しめる受入環境を検討し、整備していきます。 また、外国人旅行者が地域住民に話しかけたときに、黒部市の魅力について、一定程度返事が できることは、最高のおもてなしであり、黒部市の観光の魅力となります。日頃から外国人との 交流機会を拡大し、黒部市の魅力の理解促進が図れる体制づくりに努めるとともに、地域が連携 することにより、黒部市の魅力を外国人旅行者向けにアピールしていきます。 【主な事業内容】 (一部再掲) 期間 No. 1 事業名 多言語による情 報発信の強化 Free Wi-fi 等受 2 入環境の整備と SNSを活用し た情報発信 観光案内所にお 3 ける外国人対応 の充実 内容 実施主体 観光案内看板の外国語併記やピクトグラ ム表示、多言語によるホームページや観光 パンフレットの作成を推進する。 主要な観光施設内や宇奈月温泉街全体の Free Wi-fi 化を推進し、SNSでの動画発 信等を誘導する。 黒部市、観光局、 事業者 黒部市、観光局、 民間事業者 短 中 長 期 期 期 ● ● 地域観光ギャラリーをはじめとした市内 の観光案内所において、外国人対応が可能 黒部市、観光局、 となるよう施設の充実、スタッフの育成を 民間事業者 ● 図る。 外国人旅行者が安心・快適に観光が楽しめ 4 外国人旅行者へ るよう、電話や応対、食事メニュー、緊急 の接遇向上、交 時の対応等について先進地視察や研修会 流機会の拡大 等によるスキルアップや市民意識の醸成 黒部市、観光局、 民間事業者、市民 ● を図る。 5 6 7 インバウンド受 官民連携による(仮称)インバウンド推進 け入れ推進組織 協議会を設立し、海外からの受入体制の整 黒部市、観光局、 の設立、誘客の 備、外国人個人旅行者を対象とした各種割 民間事業者 促進 引制度の導入等、誘客を促進する。 海外メディアの 招聘 海外のマスコミや旅行エージェント等を 招聘し、TVや雑誌、旅行パンフレットを 通じ、黒部市の魅力を紹介する。 黒部市、観光局、 民間事業者 現地プロモーシ 官民が連携し、トップセールスによる宣 黒部市、観光局、 ョンの展開 伝・誘客活動を行う。 民間事業者 52 ● ● ● プロジェクト3 戦略的な PR(黒部ブランド) 「黒部市の食といえば○○」という黒部市のイメージを明確にし、黒部市のブランドイメージ を大きく高めていくことが課題です。 “黒部市”を“逸品”にするためには、黒部市のモノ(ひと)の良さを引き出し、人々の興味関 心をそそる動機づけやポイントを絞った積極的な PR を行うなど、訪れた人の記憶に残る戦略が必 要となります。 特に、黒部峡谷トロッコ電車のような全国に誇れる観光資源について、尖がるものは尖がらせ、 光るものはさらに光らせるような PR 方法を検討し、目的やターゲットを明確にし、個々に合った 情報発信をタイミングよく行うことが大切です。そのため、地域が一体となって黒部市の観光を 推進していくための組織基盤の強化、連携を促進していきます。 【主な事業内容】 (一部再掲) 期間 No. 事業名 黒部峡谷・宇奈 1 月温泉のキラー コンテンツ化 2 3 黒部ブランドの 再構築 内容 実施主体 短 中 長 期 期 期 黒部市が日本全国に誇る観光資源“黒部峡 谷・宇奈月温泉”を積極的に PR し、本市を 黒部市、観光局、 訪れる動機づけとなるよう地域が一体と 民間事業者 ● なって取り組む。 黒部の景色、食、イベント等をランキング 化し、PR する黒部市の地域資源を選別し、 黒部市、観光局 ● ブランド化を促進する。 目的やターゲッ 目的と期待する効果を明確にするととも トを明確にした に、ターゲット別の誘客方法を検討・促進 黒部市、観光局、 情報発信とSN するとともに、ホームページやSNSの活 民間事業者 S等の活用 用を促進する。 ● 第2種旅行業を有する黒部・宇奈月温泉観 4 観光局の体制・ 光局の強みを生かし、黒部市及び近隣市町 機能強化 の着地型旅行商品の造成・販売、誘客促進 が図れるよう、その体制を強化する。 53 黒部市、観光局 ● 第5章 推進体制 1. 取り組み主体と役割 本計画を推進していくには、観光に携わる各主体がそれぞれの役割を明確に理解するとともに、 しっかりした連携体制を構築し、オール黒部で推進していく必要があります。 (1)黒部市の役割 ・地域振興の基本方針・観光戦略の明確化 ・黒部市のブランドイメージ等の対外発信 ・観光振興に資する人材の育成支援 ・観光ビジネス等への支援 ・庁内の横断的な連携による観光振興に関連する基盤整備 ・国や富山県、周辺の自治体等への働きかけ・調整 等 (2)黒部・宇奈月温泉観光局の役割 ・行政と連携した観光振興計画の実現に向けた事業等の展開 ・第二種旅行業による着地型商品の企画・販売 ・市内観光関連事業者の取り組みへの協力・支援 ・地域ブランド品の開発・認定 ・観光宣伝・誘客対策の推進 ・観光全般の窓口(プラットフォーム機能) ・観光に関する調査・研修事業等の実施 ・その他観光振興のための支援 等 (3)民間事業者(NPO を含む)の役割 ・宿泊、交通、飲食等の各々の事業分野の商品・サービスの充実・提供 ・企業・事業所の PR と誘客営業の推進 ・黒部市の地域資源を活用した商品の開発と販売 ・来訪者の受入と顧客満足度の向上 ・黒部・宇奈月温泉観光局との連携による事業やイベントの実施 ・組織のネットワークによる広域的な展開 等 (4)市民(ボランティアを含む)の役割 ・地域の自然や歴史・文化の理解 ・観光によるまちづくりへの参加 ・旅行者(外国人を含む)へのおもてなしの心を持った応接 ・観光ガイド等、各種ボランティア活動への参加 54 等 2. 事業を推進する組織の強化と進行管理 (1)推進組織の強化 黒部市が、旅行者を引き付ける競争力を持つためには、市内民間事業者や市民等の多様な観光 関係者を巻き込み、“思い込み” ではなく“客観的”なデータをもとに黒部市内の資源を最大限 に活用しながら観光市場の変化に対応していくことが必要です。 黒部市内の観光関連組織を強化し、推進体制の最適化を図ることで、成果が生み出せる仕組み へ転換していきます。 ●市が策定した戦略に基づき、第二種旅行業を持つ黒部・宇奈月温泉観光局(以下「観光局」 )を 活かし、民間事業者や市民と連携しながら、本計画の目標の達成に向けて観光振興を図っていき ます。 ●市は、観光振興につながる情報や基礎データを継続的に収集・分析し、その結果を市内の観光 関連事業者や市民等と共有していきます。データの収集・分析にあたっては、マーケティングと ブランディングの視点から調査し、顧客満足度と域内消費額を高める施策につなげていきます。 ●観光局は、着地型旅行商品の企画造成にあたっては、観光客や市内観光関連事業者等のニーズ に基づき、ターゲットやコンセプトが明確な物語性のある旅行商品を開発し、値頃感のある価格 の設定、販売をしていきます。 ●市と観光局は、黒部市内の各々の地域においてツーリズムビジネスを行う人材の育成と起業を 支援し、それらの人のネットワークづくりを支援することで、市内全域の観光資源の活用を図っ ていきます。 ●市と観光局は、市内の多様な観光関係団体を巻き込んだ会議を設置し、戦略的な目標設定のも と、連携できる組織体制を構築していきます。 55 (2)計画の進行管理 本計画期間において、東京オリンピック・ 計 パラリンピックの開催や北陸新幹線の敦賀 画 計画の再策定・修正 実 施 事業の実施 延伸等の外部環境の変化を考慮しながら、短 期、中期、長期のタイミングで計画内容の点 検・評価を行い、庁内関係各課の施策の見直 Plan Do Action Check しを図っていきます。 個別事業の推進においては、計画(Plan) 、 実施(Do) 、評価(Check) 、改善(Action)の 「PDCA サイクル」により、行政評価制度とも 改 連携しながら事業内容の効果的な実施と必 善 事業の継続または 計画事業の見直し 要な財源の確保を図っていきます。 評 価 事業の実施状況の 点検・評価、報告・公開 また、本計画で掲げた様々な指標に対する数値目標について、毎年その状況の把握に努め、適宜 ホームページ等で公表していきます。 東京オリンピック 北陸新幹線 ・パラリンピック 敦賀延伸 56