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Page 1 京都大学 京都大学学術情報リポジトリ 紅
Title Author(s) Citation Issue Date Distinct tissue distribution and cellular localization of two messenger ribonucleic acids encoding different subtypes of rat endothelin receptors( Abstract_要旨 ) Hori, Seiji Kyoto University (京都大学) 1994-11-24 URL https://doi.org/10.11501/3098577 Right 本文は出版社の許諾条件により公開していません Type Thesis or Dissertation Textversion author Kyoto University 氏 名 l % A 学位 ( 専攻分野) 博 学 位 記 番 号 学位授与 の要件 1 4 9 1号 1月 2 4日 平 成 6年 1 学 位 規 則 第 4 条 第 2項 該 当 学位論文題 目 Di s t i nctt i s suedi s t r i but i on andcel l ul arl ocal i zat i on oft wo 学位授与 の 日付 士 ; A ( 医 学) 論 医 博 第 mes s engerr i bonucl ei caci dsencodi ngdi f f er entsubt ypesof r atendot hel i nr ecept or s (2種類 のエ ン ドセ リン受容体 メ ッセ ンジャー RNA の異 な る組織 分布 と細胞局在 に関す る研究) ( 主 査) 論文調査委員 教 授 寅 崎知生 論 文 内 教 授 中尾-和 容 の 要 教 授 中西重患 旨 エ ン ドセ リンは強力な血管収縮活性を もつペプチ ドで,血管系以外の組織 において も様 々な生理作用を ETAと ET。 )c DNA を単離 し,各受容体 の性質 を 示す。本研究 はラッ トの 2種類のエ ン ドセ リン受容体 ( 明 らかにす ると共 に, mRNA の組織分布 と細胞局在を明 らかに した ものである。 先 にアフ リカツメガェル卵母細胞遺伝子発現系 を用 いて クローニ ング した ウシ ETA C DNA をプローブ として,ラッ ト肺 c DNA ライブラリーより 4 6個 の c DNA クロー ンを単離 した。制限酵素解析,塩基配列 DNA が コ- ドす る蛋 白は の解析 の結果 これ らは 2つのグループに分類で きた。 それぞれのグループの c 2 6ア いずれ も 7回の細胞膜貫通領域を持つ ロ ドプシンファミリーに属す る受容体 の構造を有 し,一方 は 4 1 . 1 % の高 いホモロジーを示 し, ラッ トETAと結論 された。 もう一方の受 ミノ酸か らな り, ウシ ETAと 9 4 2ア ミノ酸か らな り, ウシ ETAとのア ミノ酸 の一次配列上 のホモロジーは 5 0% 程度で,独立 に 容体 は 4 報告 された ラッ トエ ン ドセ リン受容体, ETBに相当す ることが明 らか とな った。 ラッ トETAと ETB間の 3 . 3 % であった。 ホモロジーは 5 各受容体 を動物細胞 に発現 させ結合様式 を調べ ると, Ⅰ ]で標識 したエ ン ドセ リン 1 ( ET-1)の ETA [1 2 5 細胞膜分画 に対す る結合 を阻害する各 ペプチ ドの活性 は ET-1>ET2>サ ラフォ トキシン S6b>ET-3 の順で差が見 られ,又,ETBに対 しては各 ペプチ ドはほぼ同等の活性で が明か とな った。 Ⅰ ]ET-1の結合を阻害す ること [1 2 5 Ⅰ ]ET1の ETA ,ETBに対す る結合 の Kd値 はそれぞれ 0 . l lnM,0 . 0 4nM であ った。 [1 2 5 ET-1,ET-2,ET-3,サ ラフォ トキシン S6bの ETAに対す る Ki値 はそれぞれ 0 . 2 7nM,1 . 2nM,6 3 8 3 , 2nM であ り,一方,ETBに対 しては 7 1pM, 1 1 3pM, 1 1 3pM, 9 0pM であ った。 nM, 2 ノザ ンプロッ ト法 によって, ETAmRNA の発現 は肺や子宮 といっだ平滑筋 の豊富 な組織 に多 く, 心臓 で も強い発現がみ られ,一方, ETBmRNA は脳や肺,腸,腎臓で発現が多 いことが明 らかにな った。 i ns i t u- イブ リダイゼ-シ ョン法 による mRNA の発現解析 によって, ETAmRNA の主要 な発現部位 -1 2 2 9 - は様 々な組織 の血管平滑筋細胞であるが,この細胞 における ETBの発現 は多 くない。一方 ,ETB mRNA の 発現細胞 は ETAに比 して多岐 に亙 り,脳 の グ リア細胞,脈絡叢 の上皮細胞,心筋細胞,腎糸球体,へ ンレ のループの上皮細胞 などにみ られた。従 って,種 々の組織でみ られ るエ ン ドセ リンによる血管収縮作用 は, ETAを介 していると結論 された。一方 ,ET。 mRNA の発現 は特 に小脳 のプルキニ ェ細胞層 のグ リア細胞 と 腎糸球体 の内皮細胞 には強 い局在 がみ られ これ らの組織 において重要 な役割 を果 た して いると結論 され た。 本研究 によ って, 2 種類 のエ ン ドセ リン受容体 の神経系 や末梢組織 にお ける特徴 的 な分布 を明か と し た。又, これ らの受容体 はエ ン ドセ リンファ ミリーのペプチ ドに対す る親和性 の様式 も異 な っていること か ら, エ ン ドセ リンの多彩 な生理作用 は親和性 と局在 を異 にす る 2種類 の受容体 の役割分担 あるいは共同 作用で担 われていることが示 された。 論 文 審 査 の 結 果 の 要 旨 本研究 はエ ン ドセ リンの生体 内での作用 を明 らか にす る目的で, 2種類 の ラ ッ トエ ン ドセ リン受容体 ETA,ETBを単離 し,その分子的な特徴 を明 らか にす ると共 に,mRNA の分布 を組織 レベルおよび細胞 レ ベルで明 らか に した ものである。 動物細胞 にお ける遺伝子発現系 を用 いて,ETAは ET-1に対す る特異性が高 く,ETBはエ ン ドセ リンの 各 アイ ソペ プチ ドに対 して同程度 の高親和性 を示す ことを明 らか に した。 また, ノザ ンプロ ッ ト法,i n s i t u- イブ リダイゼーシ ョン法を用 いて,ETAは各組織 の血管平滑筋 の他 に心臓,脳下垂体前葉 に強 く発 現 していること, ETB は神経系 の グ リア細胞 や脈絡叢,心臓,腎糸球体 の内皮細胞 などに強 く発現 してい ることを明 らかに した。 以上 の研究 はエ ン ドセ リンの機能 を分子生物学 的に解 明す ることに貢献す ることが多 い。従 って本論文 は博士 ( 医学)の学位論文 として価値 あるもの と認 める。なお,本学位授与 申請者 は平成 施 の論文 内容 とそれに関連 した試問を受 け,合格 と認 め られた ものである。 -1 2 3 0 - 6年 9月 2 6日実