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資料2-9 栃木県(PDF形式:901KB)

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資料2-9 栃木県(PDF形式:901KB)
暫定版
栃 木 県
EV・PHVタウン推進
アクションプラン
平成23年4月
栃 木 県
目次
アクションプランの概要
県は、EV・PHV の本格普及に向けて、充電インフラの整備や普及啓発などの取組に
加え、日光や那須などの豊かな自然環境を生かした観光モデル事業や中山間地域での
EV 活用事業など、多様な地域特性を考慮したモデル事業を実施することとした。
本プランは、県が平成 25 年度までに実施する予定の取組方針・内容をアクションプ
ランとしてまとめたものである。
Ⅰ.EV・PHVの普及に向けて
1. 背景・目的 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
2. 現状分析 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(1)地域特性 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
(2)自動車の普及状況、CO2の排出実態等 ・・・・・・・・
(3)関係する既存の行政計画 ・・・・・・・・・・・・・・・
1
2
2
3
4
Ⅱ.EV・PHVタウン推進アクションプラン
1. 基本方針 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
2. 目標 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
(1)電気自動車・プラグインハイブリッド自動車 ・・・・・・・ 5
(2)充電インフラ整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 5
3. 取組内容 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
(1)初期需要の創出 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 6
(2)充電インフラの整備 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・ 9
(3)普及啓発 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・13
(4)効果評価 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・15
4. 取組体制 ・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・17
-0-
Ⅰ.EV・PHVの普及に向けて
1
背景・目的
地球温暖化など環境問題への対応が待ったなしの状況となった今、本県の誇りである恵み豊
かな環境を次の世代に引き継ぐため、栃木県では、県民、団体、事業者、行政など県民総ぐ
るみで地域から積極的に地球温暖化対策に取り組んでいくための道筋を示すものとして、2
009年 11 月に「とちぎ環境立県戦略」を策定した。
戦略では、
「地球と人にやさしい“エコとちぎ”」の実現に向けて、とちぎの3つの力(県民、
自然、産業)を活用し、先導的に取り組む事項をリーディングプロジェクトに掲げ、各主体
と協働しながら積極的に推進して行くこととしている。
そのリーディングプロジェクトの一つに「エコカーの普及促進プロジェクト」がある。本県
は、自動車への依存度が高く、CO2 総排出量に占める自動車からの CO2 排出量の割合が
28.9%と全国平均の 16.9%を大きく上回っている(2008 年度)ことなどから、CO2 排出量
削減対策の一つとして、ガソリン自動車等から EV・PHV など次世代自動車への転換を図り、
2020年には新車の 2 台に 1 台を次世代自動車に転換する目標を掲げた。
【自動車への依存度の高い栃木県】
・1 世帯当たりの自家用乗用車の保有台数
・自動車免許保有率
・自家用自動車の分担率(人員ベース)
※全国平均
全国 6 位(平成 20 年度)
全国 2 位(平成 18 年度)
91.7%(平成 17 年度)
67.2%
一方、本県には、我が国を代表する自動車メーカーとその関連企業が立地し、2008年度
の自動車関連産業の製造品出荷額等は、1 兆 7 千 2 百億円で県全体の 18.5%を占め、
「本県
の基幹産業」になっている。現在、ガソリン自動車等から EV・PHV など次世代自動車への
転換期であることから、県内自動車関連企業への EV・PHV に関する技術開発や商品開発支
援を行い、本県自動車産業の新たな展開を図っていく必要がある。
こうしたことから、県では、多様な地域特性(平野部から山岳部まで変化に富んだ地形、人
口の多い都市部や里地里山の残る中山間地域、世界文化遺産やラムサール条約による湿地の
登録などに代表される観光地、自動車産業の集積など)を活かした「EV・PHV タウン構想」
を策定し、幅広い企業や団体、県民と協働しながら、「地球と人にやさしい“エコとちぎ”」
の実現と本県の基幹産業である自動車産業の振興に取り組んで行くこととした。
-1-
2
現状分析
(1)地域特性
【地理】
・ 関東地方北部に位置する内陸県で、関東地方で最大の面積を有する。県土は、北西部山岳
地帯、県東部の茨城県境に沿って南北に伸びたなだらかな丘陵地帯、中央平野部の三つに
大きく分けられる。
・ 首都東京からは 60 ㎞~160 ㎞に位置し、東北縦貫自動車道、東北新幹線が南北に貫き、
また、北関東自動車道が東西に貫き、交流・連携の大きな軸の交差部分に位置する恵まれ
た立地条件にある。
【気候】
・寒暖の差が大きい内陸性気候であり、気温平年値の年較差は全国 6 位で、33.6℃と大き
い。
・冬の寒さは厳しく、
「男体おろし」などと呼ばれる季節風が強く吹き、晴天が続くため、
日照時間は全国 3 位の長さで、太陽光発電にとって優位性がある。
・夏は、北西部から南東方向に広がる斜面で、上昇気流が発生し雷雲を発生させ、夏季の雷
発生日数は全国 1 位である。
【人口】
・平成 23年3月 1 日現在で 200万5567人。平成 17 年のピーク以降は緩やかに減少
している。
【経済・産業】
・ 東京圏に近く、自然が豊かで水や土地資源に恵まれていること等の利点を活かし、工業、
農業、観光産業が発展してきた。
・ 県内総生産額の産業別の構成比は、第 2 次産業が 41.7%となっており、第 2 次産業の占
める割合が全国4位と極めて高く、
「ものづくり県」であるといえる。
【電力】
・ 明治 23 年に県内最初の工場用水力発電が行われ、同 26 年には全国で 3 番目となる電気
供給事業用の水力発電所が作られるなど、水力電源開発の先進県である。
【交通】
・鉄道交通は、昭和 55 年から大きな変化はないが、バスについては路線数や便数が減少し、
利用者数も減少している。
・駅周辺に比べ郊外の人口が多く、移動手段としての自動車が欠かせない状況であり、自動
車への依存が高い。
【環境】
・県北西部の山岳地帯を中心とした地域は、我が国の代表的な自然公園である日光国立公園
によって占められ、年間 1,700 万人以上の観光客が訪れる。
・夏休みや紅葉シーズンの入込数は特に多く、マイカー渋滞対策と排気ガスによる環境負荷
の低減が課題となっている。
-2-
(2)自動車の普及状況、CO2の排出実態等
【自動車の普及状況】_(2009年度末)
・自動車保有台数 1,647 千台(内、乗用車 1,235 千台、電気自動車
・新規登録台数
92 千台(内、乗用車
80 千台)
3 台)
今後は、人口の推移にあわせて緩やかに減少して行く見込み。
【CO2 の排出実態等】
・県内の温室効果ガス全体の排出量が減少する中、CO2 の総排出量が 2008 年度は基準年
(1990 年度)と比べ 413 千 t-CO2(2.6%)増加している。
・部門別に見ると、民生部門(家庭)が 36.6%、民生部門(業務)が 39.4%、運輸部門(自
動車)が 19.3%増加している一方で、産業部門(製造業)では 24.3%減少している。
・産業部門(製造業)及び運輸の両部門で排出量の約 6 割を占める。
・排出源別の CO2 排出量の占める割合を全国と比較すると、運輸部門(自動車)の占める割
合が全国と比べて大きく、自動車への依存度が高い本県の特性が表れている。
CO2 部門別排出量
年度
基準年
(1990)
2008
エネル
ギー
転換
製造業
産業
建設業
・鉱業
民生
農林業
(千 t-CO2)
運輸
家庭
業務
自転車
鉄道
工業
プロ
セス
廃棄
物
合計
0
6,871
375
538
1,766
1,595
3,942
119
421
235
15,862
1
5,201
310
328
2,412
2,224
4,701
98
673
327
16,275
-3-
排出源別の CO2 排出量の占める割合(2008 年度)
部門
全国
32.5
産業(製造業)
1.0
産業(建設業・鉱業)
1.0
産業(農林業)
14.0
民生(家庭)
19.4
民生(業務)
16.9
運輸(自動車)
2.5
運輸(鉄道・その他)
12.7
その他
(%)
栃木県
32.0
1.9
2.0
14.8
13.7
28.9
0.6
6.1
(3)関係する既存の行政計画
計画の名称及び策定時期
栃木県生活環境の保全等
に関する条例
平成 16 年 10 月
とちぎ環境立県戦略
平成 21 年 11 月
栃木県環境基本計画
平成23年 3 月
栃木県地球温暖化対策実
行計画
平成23年 3 月
内
容
公害の防止その他事業活動及び日常生活に伴う環境への負荷
の低減を図るための措置について定めたもの。
◆県は、自ら低公害車を使用すること等により、低公害車の普及
を促進するよう努めるものとする。
◆自動車を購入し、又は使用しようとする者は、低公害車を購入
し、又は使用するよう努めなければならない。
県民協働により、地域から積極的に地球温暖化対策に貢献して
行くための道筋を示したもの。
◆「10 年後の“エコとちぎ”のイメージ」
県内で購入される新車の 2 台に 1 台は次世代自動車。
◆「エコカー普及促進プロジェクト」をリーディングプロジェク
トの一つに掲げる。県の一般公用車の次世代自動車等への転換
及び事業者等の次世代自動車導入の促進を図る。
本県の環境の保全に関する基本的な計画であり、基本目標及び
長期的な施策の方向等を明らかにしたもの。
◆重点的な取組「再生可能エネルギーの利活用と EV・PHV タ
ウンの構築による地球温暖化防止の取組」
地球温暖化対策の推進に関する法律に基づき策定。本県の温室
効果ガスの排出抑制と、県自らの事務事業の中で生じる環境への
負荷の低減など、総合的な地球温暖対策を定めたもの。
◆重点プロジェクト「EV・PHV タウン構想推進プロジェクト」
※ 旧「栃木県地球温暖化対策地域推進計画(改定計画)」、「栃
木県庁環境保全率先実行計画<二期計画>」、
「栃木県地域新エ
ネルギー-ビジョン」を統合
-4-
Ⅱ
EV・PHVタウン推進アクションプラン
1
基本方針
2010年度は、4月に三菱自動車工業(株)「アイ・ミーブ」の一般向け販売が開始された
のに続き、12 月には日産自動車(株)「リーフ」の一般向け発売が開始された。また、自動車
メーカーが相次いで EV や PHV の市場投入を発表するなど、正に EV・PHV ブームというよ
うな状況であった。
しかし、3 月 11 日に発生した東北地方太平洋沖地震後は、被災地のみならず首都圏でもガ
ソリン不足が起こり、EV への期待が高まる一方で、福島第一原子力発電所の事故による電力
不足への懸念から、EV の普及に懐疑的な意見も散見され、EV・PHV タウン構想の推進を図
る今後3年間は、EV が本格的な普及に向かうのか否かを決める重要な3年間になると考えら
れる。
こうしたことから、初期需要の創出、充電インフラの整備、普及啓発など、普及に当たり基
本となる取組に加え、「中山間地域に豊富にある再生可能エネルギー資源を活用して電力の地
産地消を目指す実証事業」や「EV・PHV を家庭用蓄電池とし生活に組み込み、住宅に電力を
供給できるシステム構築の検討」など、電力不足への貢献や停電対策に有効と考えられる取組
を行うこととする。
さらに、本県の有する優れた大自然を活かして、
「鉄道と EV・PHV を組み合わせたエコツ
アー」を日光・那須地域で行い、寒冷・急峻な山岳地域への普及と課題の把握を行うとともに、
このモデル事業を震災による風評被害等で打撃を受けている観光地域の活性化にもつなげる
こととする。
こうした、多様な取組を通し、EV・PHV を全県に普及させて行くものとし、自動車産業に
加え、電気や住宅など幅広い企業や団体等で構成する『(仮称)とちぎ電気自動車等普及促進
協議会』において効果を検証しながら、取組の拡大・充実を図って行く。
2 目標
(1)電気自動車・プラグインハイブリッド自動車
2013年度(平成25年度)までに、県内1,000台の EV・PHV の普及を目指す。
県内には、2010年度末時点で EV・PHV が112台導入されており、2013年
度までに1,000台の普及を目指す。
(2)充電インフラ整備
2013年度(平成25年度)までに、県内25基の急速充電器の整備を目指す。
急速充電器は、地域バランスを考慮し、20㎞メッシュに 1 箇所以上(人口や観光客
入込数が多い地域は複数)設置することとし、2013年度までに25基の整備を目指
す。
なお、EV の普及にあわせて充電インフラの整備も進んできており、県内には2010
年度末時点で15基の急速充電器が設置されていることから、EV の普及状況や充電設備
の利用状況、協議会での議論等も踏まえ、今後目標値の上方修正を検討する。
-5-
3 取組内容
(1)初期需要の創出
①取組方針
(問題・課題)
EV・PHV は、同格のガソリン車等と比べて高額であることから、イニシャルコストの
軽減に加え、利用時にもメリットが感じられるようなインセンティブが必要である。
(取組方針)
県内の EV・PHV 導入台数は、2009 年度末には 3 台、2010 年度末には112台に
増加しているが、構想の推進期間である 2013 年度末までには、さらに1,000台まで
普及拡大させることを目標とする。
こうしたことから、県及び市町村が率先導入するとともに、購入時の負担軽減を図る取
組として中小企業に対する低利融資を実施するほか、モデル事業を円滑に推進するため、モ
デル事業参加事業者等に対する導入補助制度を創設する。また、県所管駐車場への優先スペ
ースの設置、交通規制箇所等への EV・PHV の乗り入れ許可、自動車税や軽自動車税減免
の検討など、利用者にメリットを与える取組をあわせて実施することにより、民間への普及
を促進し初期需要の創出を図る。
②取組内容
(a) 県及び市町村への EV 率先導入
◇県は、率先して公用車に EV・PHV を導入するとともに、市町村に対して EV・PHV
の導入を働きかける。
(b) 車両導入補助の実施
◇県は、モデル事業を円滑に推進するため、モデル事業実施地域において、モデル事業に
参加する事業者等に対し、国庫補助に上乗せして補助する。
(c) 「とちぎ EV・PHV 普及応援隊」による EV・PHV 導入
◇CO2 削減や環境負荷低減に理解を示す企業、団体が「とちぎ EV・PHV 普及応援隊」
を組織し、社用車として EV・PHV を導入する。
(d) 制度資金を活用した低利融資の実施
◇県は、EV・PHV 及び充電施設を設置する中小企業に対し、長期・低利の融資を行う。
融資利率:1.60%(平成23年 4 月 1 日現在)
融資期間:10年(融資額1,000万円以上)
、7年(融資額1,000万円未満)
(e) EV・PHV の利用者へのインセンティブの付与
◇県は、有料道路料金割引を検討する。
◇県及び市町村は、有料駐車場利用料金割引を検討する。
◇県及び市町村は、EV・PHV 優先駐車スペースの提供を検討する。また、民間事業者に
対し優先駐車スペースの設置を働きかける。
(f) 交通規制箇所への乗り入れ許可の検討
◇県及び市町村は、パーク&ライドの実施路線など一般車両の乗り入れに規制をかけてい
る箇所について、EV・PHV については通行を許可することを検討する。
(g) 自動車税減免の検討
◇県は、EV・PHV の自動車税の減免を検討する。
(h) 軽自動車税減免の検討
-6-
◇県は、EV の軽自動車税の減免について、市町村に検討を働きかける。
(i) 地域内交通への EV タクシーの活用実証実験
◇宇都宮市は、ミニバンのような大きめの EV タクシーを地域内交通として利用する実証
実験を行う。
③取組工程
取組項目
11年度に実施する内容
13年度末までに実施する内容
(a)県及び市町村  県、宇都宮市、日光市、真岡市が  県及び市町村で累計30台の
への EV 率先導
EV を率先導入する。
率先導入を図る。
入
 県は、市町村に対し EV・PHV の
導入を働きかける。
(b) 車 両 導 入 補  県は、モデル事業の具体化に向け
助の実施
た調整状況など取組の進捗を勘案
しながら、モデル事業に参加する
事業者等の EV・PHV の導入に対
する車両導入補助制度の創設に向
けた調整を行う。
(c) 「 と ち ぎ  県は、
「とちぎ EV・PHV 普及応
EV・PHV 普及応
援隊」のスキーム等を検討すると
援隊」による
ともに、結成に向けた調整を行う。
EV・PHV 導入
(d) 制 度 資 金 を  県は、EV・PHV 及び充電施設を
活用した低利融
設置する中小企業に対し、長期・
資の実施
低利の融資を行う。
(e) EV・PHV の  県は、有料道路料金割引を検討す
利用者へのイン
る。
セ ン テ ィ ブ の 付  県及び市町村は、有料駐車場利用
与
料金割引を検討する。
 県及び市町村は、EV・PHV 優先
駐車スペースの提供を検討する。
また、民間事業者に対し優先駐車
スペースの設置を働きかける。
(f) 交通規制箇所  県及び市町村は、一般車両の乗り
への乗り入れ許
入れ規制箇所への EV・PHV の乗
可の検討
り入れ許可について検討する。
 モデル事業を円滑に推進する
ため、モデル事業参加事業者
等に対する導入補助制度を創
設する。
(g) 自 動 車 税 減  県は、EV・PHV の自動車税の減
免の検討
免を検討する。
 EV・PHV に係る自動車税を
減免する。
 「とちぎ EV・PHV 普及応援
隊」を組織し、隊員等の企業
で累計300台の EV・PHV
の導入を目指す。
 継続して長期・低利の融資を
行い、中小企業の EV・PHV
導入の拡大を図る。
 優先駐車スペースの提供な
ど、EV・PHV 利用者へのイ
ンセンティブ付与する企業等
の拡大を図る。
 EV・PHV であれば乗り入れ
許可とする規制箇所の拡大を
図る。
(h) 軽 自 動 車 税  県は、EV の軽自動車税の減免に  EV に係る軽自動車税を減免
減免の検討
する市町村の拡大を図る。
ついて、市町村に検討を働きかけ
る。
(i) 地域内交通へ  宇都宮市は、EV タクシーの導入  EV タクシーの導入促進を図
の EV タクシー
る。
検討を企業や事業者に働きかけ
の活用実証実験
る。
-7-
④予算措置等
(a)県及び市町村への EV 率先導入
◇県1台、市町村3台
計4台(購入又はリース)
9,400千円
(d) 制度資金を活用した低利融資の実施
◇環境保全資金融資枠
新規 500,000千円
-8-
(2)充電インフラの整備
①取組方針
(問題・課題)
県が実施したアンケートでは、67%の人が電気自動車の普及に充電スタンドの整備が必
要としており、EV 普及のためには、完全放電に対する不安を解消し、安心して EV に乗る
ことができる環境整備が欠かせない。
(取組方針)
県内で一般開放している急速充電器の設置台数は、2009 年度末には1基、2010 年度
末には15基に増加しているが、構想の推進期間である 2013 年度末までに、地域バラン
スを考慮し、20㎞メッシュに 1 箇所以上(人口や観光客入込数が多い地域は複数)、
合計25基整備することを目標とする。
こうしたことから、県は、県有施設に急速充電設備を率先設置するとともに、一般開放
する急速充電設備の設置に対し補助を行い、県内にバランスよく急速充電設備が配備され
るよう誘導する。
さらに、充電インフラの位置情報をホームページ等で公開するとともに、本県の特色で
ある中山間地域の地形勾配を利用した農業用水路の小水力発電や、日照時間の長さを活かし
た太陽光発電など、クリーンエネルギーを EV・PHV に充電する電気の地産地消に向けた
モデル事業を行う。
なお、航続距離への不安解消には、カーナビや Web 経路探索システムなどを用いて充電
残量を考慮した経路案内を行う情報提供も有効であるが、現在、国が統一的な情報集約・提
供システムを研究していることから、これに協力し、その結果を踏まえて対応を検討する。
また、EV の普及にあわせて充電インフラの整備も進んできていることから、EV の普及
状況や充電設備の利用状況、協議会での議論等も踏まえ、今後目標値の上方修正と、目標達
成に向けた新たな取組を検討する。
②取組内容
(a) 電気自動車充電設備設置事業
◇県は、急速充電設備を設置する市町村や民間事業者に対して補助する。
補 助 対 象 者:県内の市町村、県内に事業所を有する法人等
補助対象設備:クリーンエネルギー自動車等導入促進対策費補助金(経済産業省_以下
「国の補助」
)の対象設備
補 助 率 等:
下記①と②の合計の額とし、上限額は 100 万円
① 本体価格 - 国庫補助金及び寄付金等を控除した額の 3 分の 1
② 設置工事費- 寄付金等を控除した額の 3 分の1
-9-
<補助のイメージ>
【本体価格】
1/3
2/3
県の補助
(1/6)
国の補助(1/2)
自己資金
(1/3)
1/2
【設置工事費】
自己資金
(2/3)
県の補助(1/3)
(b) 県有施設等への急速充電設備の率先設置
◇急速充電設備が設置されない地域(20 ㎞メッシュ)等について、県有施設に急速充電
設備を設置する。
(c) 充電インフラマップの公開
◇一般開放している充電インフラの位置、施設名、利用時間等の情報を随時収集し、県の
ホームページ等で公開する。
(d) 充電器や EV・PHV 関連製品の研究開発支援
◇県及び産業支援機関は、県内企業の充電器や EV・PHV 関連製品の研究開発を促進する
ため、公設研究機関や大学等の技術開発力を生かした共同研究を支援するとともに、こ
うした研究に対し、資金的な助成を行う。
(e) ネットワークの構築
◇「とちぎ EV・PHV 普及応援隊」を結成し、充電器の導入を推進するとともに、相互
利用を図る。
(f) 小水力及び太陽光発電を利用した充電設備設置モデル
◇農業関係団体、発電・蓄電・充電・EV関連企業、大学、行政等で構成するスマートビ
レッジモデル研究会を設置し、本県の 3/4 を占める農山村地域、特に中山間地域の地
形勾配を利用した農業用水路の小水力や日照時間が長い太陽光などの豊富な再生可能
エネルギーを、電力に変換し、蓄電・充電施設の設置に関するモデル実証を行う。
- 10 -
【参 考】
20 ㎞
20 ㎞
急速充電設備設置箇所
(※ 2 基/所 設置)
- 11 -
2010 年度末時点
15 基
2013 年度目標
25 基
③取組工程
取組項目
(a) 電 気 自 動 車 
充電設備設置事
業
(b) 県 有 施 設 等 
への急速充電設
備の率先設置
(c) 充 電 イ ン フ 
ラマップの公開
(d) 充 電 器 や 
EV・PHV 関連製
品の研究開発支
援
(e) ネ ッ ト ワ ー 
クの構築
(f) 小水力及び太
陽光発電を利用
した充電設備設
置モデル
11年度に実施する内容
県は、急速充電設備を設置す
る市町村や民間事業者に対し
て補助する。
(補助基数10)
県は、急速充電設備が設置され
ない地域(20 ㎞メッシュ)等
について、県有施設への急速充
電設備の設置を検討する。
県は、一般開放している充電
インフラの情報を、県のホー
ムページ等で公開する。
県は、充電器やEV・PHV
関連製品の研究開発経費を補
助する。
13年度末までに実施する内容
 関係事業者等に働きかけ、25
基の急速充電設備を整備す
る。
 20 ㎞メッシュに1箇所以上
急速充電設備を設置する。
県は、
「とちぎEV・PHV普
及応援隊」のスキーム等を検
討するとともに、結成に向け
た調整を行う。

定期的に情報を集約し、最新
情報に更新する。

継続的に充電器やEV・PH
V関連製品の研究開発経費を
補助する。

「とちぎEV・PHV普及応
援隊」を結成し、隊員企業に
充電器導入を働きかけ、併せ
て相互利用のスキームを構築
する。
小水力や太陽光などの再生可
能エネルギーから発電した電
力の充電設備への供給を検討
する。
 県は、モデル地域において、 
農業用水路に小水力発電施設
を設置し、充電設備への供給
を検討する。(2 地域)
④予算措置等
(a) 電気自動車充電設備設置事業費補助金
10,000千円(10基)
日光市(急速充電施設整備費)
23,750千円( 3基)
(d) とちぎ未来チャレンジファンド(研究開発)
24,000千円
ものづくり技術強化補助金
30,000千円
(f) 小水力及び太陽光発電を利用した充電設備設置モデル 1,343千円(2 地域)
- 12 -
(3)普及啓発
①取組方針
(問題・課題)
2010年度に、国内自動車メーカー2社が相次いで EV の一般向け発売を開始し、EV
は徐々に身近な車になりつつあるが、力強い加速、静粛性、安定性などの走行性能、走行中
に二酸化炭素を出さないクリーンな車であるという環境性能などについて、
未だ十分に認知
されていない状況である。また、PHV は、一般向けに販売されていないことから、より体
感する機会が少ない。
こうしたことから、EV・PHV を「見る」・「乗る」などの機会を創出し、県民の関心を
高める必要がある。
さらに、本県ものづくりの中核をなす自動車関連企業については、EV・PHV への転換
への対応が求められていることから、EV・PHV に関する技術開発や商品開発等への支援
を行う必要がある。
(取組方針)
協議会構成員等と連携し、県内市町村が開催する祭り等での EV・PHV の展示や試乗、
マラソン大会の先導など各種イベントへの参加、カーシェアリング事業等を実施し、見える
化、話題化を図る。
また、企業を対象に、EV の分解展示やシンポジウムの開催等を行い、EV に対する理解
促進を図る。
②取組内容
(a) EV・PHV 普及啓発事業
◇県は、協議会構成員等と連携し、県内市町村が開催する祭り等での展示や試乗、マラソ
ン大会の先導など各種イベントに参加し、見える化、話題化を図る。また、アンケー
トを実施し、今後の普及促進に向けた取組に反映させる。
(b) EV の分解展示
◇県は、自動車メーカーや大学の協力を得て電気自動車を分解し、内部構造や使用部品な
どを調査し、中小企業の EV 関連部品開発を促進する。
(c) カーシェアリング(一般)
◇宇都宮市は、主に都市部のマンションなど,比較的自動車保有ニーズの低い箇所におけ
るカーシェアリングの普及促進を検討する。
(d) カーシェアリング(事業所)
◇県は、中小企業に短期で電気自動車を貸出し、EV・PHV や充電器についての普及啓発
を図る。
◇併せて、使用状況のデータ収集と導入可能性に関するアンケートを実施する。
◇この事業で得られたデータを蓄積し、カーシェアリング事業者や今後参入を考えている
者にデータを提供し、普及に向けた動機付けを行う。
(e) シンポジウムの開催
◇県は、次世代自動車フォーラムを開催し、EV・PHV 普及の機運を醸成する。
(f) EV 教室の開催
◇とちぎ電気自動車等普及促進協議会は、小学校等で EV・PHV を使った環境教育教室
を開催する。
- 13 -
③取組工程
取組項目
11年度に実施する内容
(a) EV・PHV 普  県は、協議会構成員等と連携
及啓発事業
し、EV・PHV の展示会や試
乗会等を実施する。
13年度末までに実施する内容
 展示会や試乗会等で実施する
アンケートの結果や県民の認
知度等を勘案しながら、継続の
検討を行う。
 H13年度末まで分解したE
Vを展示し、併せて説明会を実
施する。
(b) EV の分解展 
示
県は、自動車メーカーや大学
等の協力を得て EV の分解
展示を実施する。
(c) カ ー シ ェ ア 
リング(一般)
都市部のマンション等に対
し,カーシェアリングのニー
ズ調査を行う。
県は、中小企業に短期で電気
自動車を貸し出す。
使用状況のデータ収集と導
入可能性に関するアンケー
トを実施する。
県は、次世代自動車フォーラ
ムを開催し、機運の醸成を図
る。

とちぎ電気自動車等普及促
進協議会は、小学校等で
EV・PHV を使った環境教育
教室を開催する。
 学校の要望などを踏まえ、継続
(d) カ ー シ ェ ア
リング(事業所)


(e) シ ン ポ ジ ウ
ムの開催

(f) EV 教室の開 
催
④予算措置等
(b) EV の分解展示
(d) カーシェアリング(事業所)
810千円
4,260千円
- 14 -
マンション管理者及び事業者
に,カーシェアリングの普及な
どを働きかける。
 収集したデータとアンケート
から事業所向けカーシェアリ
ングの可能性について検討す
る。
 フォーラム参加者に対しアン
ケートを実施し、H12年度以
降の事業への参加勧誘を行う。
の検討を行う。
(4)効果評価
①取組方針
(問題・課題)
本県は、平野部から山岳部まで変化に富んだ地形を有し、また、人口の多い都市部や里
地里山の残る中山間地域、
世界文化遺産やラムサール条約に登録された湿地を有する観光地
域などを有することから、多様な地域特性に応じた普及のあり方を検討する必要がある。
(取組方針)
EV・PHV の普及台数、充電インフラの整備状況や活用状況、普及啓発の実施状況など
の基礎データに加え、都市部における効率的な普及施策の検討、農村地域における EV 利
用の検討、山岳地域における走行性能や寒冷・急峻地における EV の利便性等の評価など、
多様な取組を行い、全県に適用可能な普及促進策へ発展させる。
②取組内容
(a)EV・PHV ニーズ調査
◇宇都宮市は、市民や事業者,商業施設等に EV 利用や導入,充電施設の設置等に係るニ
ーズ調査をする。
(b) 農山村地域におけるEV利用の検討
◇農山村地域、特に中山間地域において、過疎化の影響等により、ガソリンスタンドの撤
退が始まり、給油への支障も懸念されるため、県は、ガソリン自動車に代わるEVの
利用をスマートビレッジモデル研究会で検討する。
◇中山間地域の基幹産業である農業での農業機械、トラックの EV 化や生活環境の改善の
ためのコミュニティバスやデマンドタクシー等でのEV利用についても検討する。
(c) レイル&EV 等観光モデル事業
◇県は、日光国立公園の自然環境等に十分配慮しつつ、自然等を満喫できるエコツアーを
推進するため、走行時に CO2 を排出しない鉄道(東北新幹線、日光線(JR,東武)
)と
EV・PHV タクシー、EV・PHV レンタカーを組み合わせたレイル&EV 等観光モデル
事業を実施する。
◇特に配慮が必要な地域である奥日光小田代原においては、既に実施しているパーク&バ
スライド(HV バス)と連携していくとともに、那須高原においては、実証実験中のパ
ーク&バスライド路線に乗り入れるタクシーの EV 化を図っていく。
(d)車両及び充電インフラの普及状況調査
◇県は、協議会構成員等の協力を得て、車両及び充電インフラの普及状況を調査する。
(e) 充電インフラの利用状況調査
◇県は、一般開放している充電インフラの利用状況を調査する。
- 15 -
③取組工程
取組項目
11年度に実施する内容
(a) EV・PHV ニ  市民や事業者,商業施設等に
ーズ調査
EV 利用や導入,充電施設の
設置等に係るニーズについ
ての効果的,効率的な調査方
法を検討する。
(b) 農 山 村 地 域  県は、起伏の激しい中山間地
におけるEV利
域において EV の走行性等
用の検討
ついて研究する。
13年度末までに実施する内容
 市民や事業者,商業施設等に
EV 利用や導入,充電施設の設
置等に係るニーズ調査をする。
(c) レイル&EV 
等観光モデル事
業
県及び市町村等は、一般車両
乗り入れ規制箇所への乗り
入れ許可及び優先駐車スペ
ースの確保等、モデル事業の
実施に向けた調整を行う。
県は、モデル事業の具体化に
向けた調整状況など取組の
進捗を勘案しながら、モデル
事業参加事業者等の EV・
PHV の導入に対する車両導
入補助制度の創設に向けた
調整を行う。
県は、車両及び充電インフラ
の普及状況を調査する。


調査を継続し、EV・PHV の普
及に向けた取組に反映させる。
県は、充電インフラの利用状
況を調査する。

調査を継続し、EV・PHV の普
及に向けた取組に反映させる。

(d) 車 両 及 び 充 
電インフラの普
及状況調査
(e) 充 電 イ ン フ 
ラの利用状況調
査
 農業機械や軽トラックの EV 化
に備えた農業利用など中山間
地域の活性化に向けた検討を
行う。
日光・那須地域において、走行
時に CO2 を排出しない鉄道
(東北新幹線、日光線(JR,東
武)
)と EV タクシー、EV レン
タカーを組み合わせたレイル
&EV 観光モデル事業を実施す
る。
④予算措置等
(b) 農山村地域におけるEV利用の検討
- 16 -
1,343千円(再掲)
4
取組体制
★『とちぎ環境立県戦略推進プロジェクトチーム会議』
(平成 23 年 3 月 10 日設立)
とちぎ環境立県戦略の推進を図るため、県内のコアな企業等により『とちぎ環境立県戦略推
進プロジェクトチーム会議』を設置し、幅広い角度から提言を得る。
【構成メンバー】
日産自動車株式会社栃木工場
ホンダエンジニアリング株式会社
東京電力株式会社栃木支店
東京ガス株式会社宇都宮支社
東日本電信電話株式会社栃木支店
栃木ミサワホーム株式会社
社団法人栃木県経済同友会
全国農業協同組合連合会栃木県本部
- 17 -
★『
(仮称)とちぎ電気自動車等普及促進協議会』
(H23 年5月設置予定)
本県の「EV・PHV タウン構想」は、観光モデル事業や中山間地域での取組、また EV・PHV
が ICT に組み込まれ、
蓄電池として活用さること等も視野に入れた多様な取組であることから、
自動車産業に加え電気や住宅など幅広い業界の企業や団体等で『(仮称)とちぎ電気自動車等普
及促進協議会』を構成し、構想の推進を図る。
【構成メンバー(予定)
】
○自動車産業:日産自動車株式会社栃木工場、株式会社本田技術研究所四輪 R&D センタ
ー、三菱自動車工業株式会社、トヨタ自動車株式会社、富士重工業株式会
社
○電気事業者:東京電力株式会社栃木支店
○充電設備事業者:株式会社高岳製作所ほか
○運輸事業者:東日本旅客鉄道株式会社大宮支社、東武鉄道株式会社、社団法人栃木県タ
クシー協会、レンタカー(EV・PHV 導入事業者)
○流通事業者:スーパー(ショッピングモール等)
、コンビニ(県との連携協定事業者)
、
道の駅(小山市、佐野市)
○通信事業者:東日本電信電話株式会社栃木支店ほか
○住宅事業者:栃木ミサワホーム株式会社ほか
○旅行事業者:株式会社 JTB 関東ほか
○経済団体:社団法人栃木県経済同友会
○農業関係事業者:株式会社 JA エルサポート
○市町村:市長会、町村会、宇都宮市、日光市、那須塩原市、那須町
- 18 -
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