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平成27年10月発行(全文) [PDFファイル/1.67MB]
発行 : 宮城県大河原農業改良普及センター 大河原町字南129番1号(宮城県大河原合同庁舎内) 電話 0224-53-3111 (合庁代表)FAX 0224-53-3138 e-mail [email protected] ホームページ http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/oksgsin-n/ 〒989-1243 平成 27 年 10 月1日 普 及 セ ン タ ー だ よ り (1) 大河原農業改良普及センターだより 管内において先進農家体験学習を行っている6名の農大生が,9月18日に開催した『みやぎ農業未来塾』において, 先進農家派遣先の各農家(6経営体)を訪問し,水稲,畜産,果樹及び花きの農業経営について学びました。 撮影場所:菊地哲夫氏(白石市)果樹園 多様な就農者育成に向けて 実りの秋、米を始め、野菜やくだものなどの 収穫時期を迎え、楽しみな時期です。 毎年、九月になると、農業大学校の先進農業 体験学習が始まります。農業大学校の一年生が 農家にやってきて農業や農家生活を体験します が、今年は六名の学生が大河原管内の農家でお 世話になりました。私も平成二二年から三年間、 水田経営学部に勤務しましたが、非農家出身の 学生が増える中で、このカリキュラムが最も気 がかりでした。学生にしてみれば、農業大学校 生活の中で最大級の難所です。その反面、農業 大学校時代の大きな思い出になったり、農業に 興味を持ち始める機会になったりしています。 非農家出身でも、農業法人就農を含め、就農希 望者もおりますので、受け入れ農家の皆さんを はじめ地域の皆様にはご理解、ご支援をよろし くお願いいたします。 また、最近では、青年就農給付金を活用して 研修される方や就農される方がおります。就農 形態が多様化していく中で、普及センターでも、 県 の 各 施 策 と も 連 携 し な が ら、 幅 広 い 支 援 を 行って参りますので、ご理解、ご協力の程、よ ろしくお願いいたします。 大河原地方振興事務所農業振興部 兼大河原農業改良普及センター次長(総括) 伊 藤 修 思いを形に,あなたのチャレンジ支えます,応援します。宮城の農業普及 普及センターでは青年部員の資質向上と 青年部活動の活性化を重点課題に位置づ け、引き続き支援を行います。 【JA蔵王地区なし部会 青年部による視察研修】 【小ぎくの生産拡大に向けて】 JA丸森地区花卉部会では、小ぎくの 産地化を推進するため、育苗の省力化を 無仮植栽培実証ほを五地区に設置しまし た。実証ほでは新たに取り組もうとする セル苗直接定植と慣行の仮植苗定植の生 育状況と切り花品質を比較展示しました。 実証ほの生育と切り花品質は慣行と遜色 なく、担当農家は「仮植無しでも問題な い」、「育苗作業が楽になった」と喜んで いました。普及センターでは、実証ほの 結果を講習会等でお知らせすることによ り小ぎく産地の拡大を支援していきます。 農作業安全運動キャッチフレーズ「老若男女 多様な視点で 安全確認」 特集一 生産技術向上、組織・地域活性化で仙南地域の園芸振興へ 土壌の種類によってpHの上がり方が 大きく異なります。転炉スラグを用い土 壌pHを確実に七・〇~七・五に高めるた 六月三十日にJA蔵王地区なし部会の 青年部は長野県南信農業試験場で行われ 進めています。昨年秋より小ぎく親株の 【転炉スラグを利 用 し た 土壌病 害 被 害 軽 減 技 術 】 して施用量を決定する必要がありますの ている日本なしの研究を視察しました。 めには、土壌を分析し緩衝能曲線を作成 近年、管内においてはキュウリホモプ シス根腐れ病やアブラナ科野菜(ブロッ で、興味のある方や転炉スラグ散布を予 試験場では樹と樹をつなげることによ り、 一 定 面 積 内 の 果 実 生 産 量 を 増 や し、 労働作業が単純化する「梨のジョイント 仕立て」の研究を行っており、その栽培 技術に注目しました。特にこの試験場で 育成された品種「南水」でジョイント仕 立てを行った場合、樹を接合するための 苗木の育成に二年程度必要とすることや、 接合後は枝の伸びが遅く、生産量を上げ 共同育苗を開始するとともに、本年度は、 コリー、キャベツ、はくさい等)根こぶ て下さい。 病等の土壌病害の発生が拡大しています。 定している方は普及センターまで連絡し 対策としては連作の回避や農薬による 土壌消毒が一般的ですが、近年農薬を使 わない土壌病害被害軽減技術の取り組み が拡大しているので紹介します。 資材は転炉スラグ(商品名:てんろ石 灰)を用い、土壌のpHを七・〇~七・五 に高めると、根こぶ病やホモプシス根腐 れ病の被害が軽減されます。 従来の石灰資材に比べると多量施用に なりますが、長期間にわたって効果が持 続することから、県内のキュウリ産地や キャベツ・ブロッコリー産地において導 入が進められています。 「南水」のジョイント仕立てを学ぶ るためには数年かかることなどが大変参 考になったようです。 小ぎく実証ほ 転炉スラグは、製鉄所で銑鉄から鋼を 土壌緩衝能曲線(例)蔵王町Aほ場 転炉スラグを投入する ほ 場 の 土 壌20g に 蒸 留 水50ccを 加 え た も のを準備し,転炉スラ グ を0 ~ 0.8g を 投 入 しpHを 測 定 し た も の をグラフ化したもの。 ( 右 図 で は, 土 壌 を pH7.5まで上げるには 1.5t/10a必要) 製造するための転炉で副成される資材で、 アルカリ成分が四五~五十%で、マンガ ンやホウ素、苦土などの微量要素が含ま れているため、土壌を高pHにした場合 でも生育に支障が出ません。 市販されている転炉スラグには粉状品 と 造 粒 品 が あ り ま す が、 酸 性 改 良 に は 粉 状品を用い、多量散布となるためライムソ ワー等を利用すると 作 業 が 楽 に な り ま す 。 土壌緩衝能曲線 (2) 普 及 セ ン タ ー だ よ り 平成 27 年 10 月1日 つとして「子牛育成マニュアル“JAみ の更なる品質向上と増頭への対応策の一 れており、中でも女性の力は、今後の畜 で、若手生産者グループの活動は期待さ た言葉をよく耳にします。そういった中 近 年 の 畜 産 業 の 間 で は、「 生 産 者 の 高 齢化」や「後継者・担い手不足」といっ とを期待しています。 者の活動が、今後の畜産振興に繋がるこ このような、女性グループや若手生産 実際に現場を見ながら、飼養管理や搾乳 成、 搾 乳 作 業 等 に つ い て 勉 強 し ま し た。 川さんの牧場を訪問し、子牛の哺育や育 研修では、ガールズメンバーでもある市 に活動に取り組んでいます。今回の視察 力的な酪農女性」を目指して明るく元気 女 性 や 女 性 後 継 者 の 集 ま り で、「 賢 く 魅 キャラクターです。二年後の大会に向け 繰り返し考え、よく味わうことのできる 交い、とても有意義な研修となりました。 ん す う )」 と い う こ と で、 皆 様 の お 話 を 作業等に関する質問や意見が活発に飛び て、皆様と一緒に大会を盛り上げてくれ さむね)』くんです。得意技は「反芻(は くるしい容姿が特徴の『牛政宗(うしま 宗」を彷彿とさせる立姿と和牛らしく愛 城県を代表する戦国時代の英雄「伊達政 さらに、今大会のシンボルとなるマス コットキャラクターが決定しました。宮 いでしょうか。 うものが理解される機会になるのではな 特集二 仙南地域の畜産をレベルアップ やぎ仙南バージョン” 」の普及に取り組 産業を支えていく上でとても重要な役割 【 市場性の高い子牛生産を目指して】 【期待される女性の力 ~酪農ガールズ~】 んでいます。現在、二年後の全国和牛能 を担っているとされています。 普及センターではJAみやぎ仙南など とともに、仙南地域から出荷される子牛 力共進会宮城大会に向けて、仙南和牛改 今回は、管内の酪農関係の女性の集ま て紹介します。 ●問合わせ先 夢メッセみやぎ・仙台市中央卸売市場食肉市場 五年に一度の「和牛オリンピック」と も呼ばれる全国和牛能力共進会が、平成 第十一回全国和牛能力共進会宮城県実行委員会 ●開催場所 平成二九年九月七日 (木)~九月十一日(月) ●開催期間 ることを期待しています。 良推進組合やJAみやぎ仙南、全農みや ぎなどとともにその出品牛の選定準備等 繁殖農家巡回と 子牛の体測の様子 二九年九月に本県で開催されます。全国 【第十一回全国和牛能力共進会 を進めています。定期的な現場巡回では、 りである「酪農ガールズ」の活動につい 宮城大会へ向けて準備着々と】 対象となる個体の体測を行い、発育状況 や飼養管理状況を確認しています。今後 も、共進会に向けた技術支援や情報提供 等を行っていきます。 の優秀な和牛が、肉用牛の特徴や種牛性、 【電話】〇二二(七一四)二九八二 遺伝的改良の成果を競い合い、日本一の 和牛を決定する全国大会です。今大会で は、出品頭数五百十七頭という過去最大 和牛の祭典2017 in みやぎ 規模となり、全国各地の生産者や畜産関 感謝と美味しさ牛(ぎゅー)ッと込めて 係団体の皆様にとっても、今後の和牛生 牛政宗(うしまさむね) 産や改良意欲の向上に繋がるのではない 宮城大会マスコットキャラクター 第11回全国和牛能力共進会 か と 考 え ら れ て い ま す。 ま た 本 県 で は、 「仙台牛」ブランドの推進や本県の魅力 をPRするとともに、震災復興支援への トとし、和牛の審査会場のみならず、イ 感謝の気持ちを発信することをコンセプ 去る七月十七日(金)に、七ヶ宿町の 有限会社ファームイチカワにて酪農ガー ベント会場等も設置されるので、一般消 費者の皆様にとっても「和牛生産」とい ル ズ の 視 察 研 修 が 行 わ れ ま し た。 酪 農 市川美智子さんによる搾乳作業の説明 ガールズは、仙南地域の酪農家に嫁いだ 第11回全国和牛能力共進宮城大会 イベントテーマ 平成 27 年 10 月1日 普 及 セ ン タ ー だ よ り (3) 農地の貸し借りの新しい仕組み!農地集積バンク(農地中間管理事業)を活用しよう! 話題&お知らせ 【若手農業者の活動】 村田町で野菜の有機栽培に取 り 組 む 村 岡 次 郎 さ ん は、 東 京、 福岡で農業関連会社に勤めた 後、福岡で半年間の有機農業研 修を行い、さらに半年間アメリ カでの有機農業研修を経て、平 成二六年六月に就農しました。 大学時代から将来は農業にと 考えていたようですが、参加し た有機農業シンポジウムで有機 農業を知り、自然の大切さを考 え農薬等を使わない農業をしよ うと考えました。佐賀県出身の 村岡さんですが、震災復興ボラ ンティアで宮城県との関わりが でき、村田町での就農を決意し たとのことです。 今後は、消費者と顔の見える 関係を深めながら、農業の現状 や有機農業の大切さを伝えたい 【宮城県農業大学校 平成二十八年度学生募集】 宮城県農業大学校では、農業の発展と 豊かな農村社会の形成に資する優れた人 格と高度な知識・技術並びにたくましい 行動力を備えた農業者及び農村社会に貢 献する指導者や農業振興に寄与する人材 育成を目標として、実践的な教育を行っ ています。 ●募集人員 水田経営学部、園芸学部、畜産学部 各 十五名 アグリビジネス学部 十名 ●試験日程 一般入校試験・前期募集 募集期間 平成二七年十一月十三日(金) ~十一月二六日(木)(当日消印有効) 試 験 日 時 平 成 二 七 年 十 二 月 十 日( 木 ) 午前八時四十五分~ 合格発表 平成二七年十二月十八日(金) 午前十時 一般入校試験・後期募集 募 集 期 間 平 成 二 八 年 一 月 十 五 日( 金 ) ~一月二八日(木)(当日消印有効) 試 験 日 時 平 成 二 八 年 二 月 十 六 日( 火 ) 午前八時四十五分~ 合 格 発 表 平 成 二 八 年 二 月 十 九 日( 金 ) 午前十時 ※前期募集の結果によって、後期募集を 実施しない場合があります。 ●問合わせ先 詳細については農業大学校ホームペー ジを御覧頂くか、農業大学校教務部学生 班〇二二(三八三)八一三八までお問い 合わせください。 環境に優しい植物油インキを 使用しております。 ※この用紙は再生紙を 使用しております。 この「麦わらぼうし」 は1,400部作成し1部当たりの印刷単価は32円です。 【農 業 士 紹 介 】 中村守孝さん 岸浪裕樹さん ☆AKOGARE‐navi☆ 去る七月二五日(土)に、AKOGA RE‐naviによる一般消費者との交 流会が開催されました。AKOGARE ‐naviは常に新しいことにチャレン ジし、楽しみながら積極的に農業を行っ て い る 仙 南 地 域 の 若 手 農 業 者 集 団 で す。 彼らの活動の一つである消費者交流会も 今年で三回目になりました。 今年は、角田市と丸森町の若手農家の ほ場見学とメンバーが持ち寄った新鮮な 食材を利用したバーベキューが行われま した。ほ場見学ではトマトなどの旬な野 菜の収穫体験のほか、肉牛や乳牛の飼育 現場を見学しました。また、バーベキュー では参加者からおいしい野菜の見分け方 や、 持 ち 寄 っ た 食 材 へ の 質 問 が 出 さ れ、 メンバーも丁寧に説明するなど交流が図 られました。 仙南地域のNEW FARMER と抱負を語ってくれました。 村岡次郎さん 尾本正寿さん 県では、優れた農業経営を実践し、青 年農業者の育成・指導に取り組む農業者 を「農業士」として認定しています。 本年度、指導農業士として尾本正寿さん (村田町・肉用牛) 、青年農業士として中 村守孝さん(大河原町・野菜)と岸浪裕 樹さん(角田市・花き)の三名が認定さ れました。 尾本さんは肥育牛と水稲の複合経営を 行い、これまでも青年農業士として活躍 していただきました。 中村さんは消費者ニーズに合わせた品 目の軟弱野菜の生産や地域の若手農業者 のけん引役として活躍しています。 出荷 営 ・ 岸浪さんは㈱岸浪園の栽培 ・ 業関係と社内全般の中心的な役割を担 い、県内トップ規模の花苗生産を行って います。 また、長年指 導農業士として 活躍された佐藤 富男さん(大河 原町・養豚)と 青年農業士とし て活躍された佐 久間英明さん (白石市・酪農) の二名が退任さ れました。 参加者によるトマトの収穫体験 (4) 普 及 セ ン タ ー だ よ り 平成 27 年 10 月1日 農薬の正しい知識を身につけ,安全安心な農産物を生産しましょう