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12月の見通し 押し寄せる変化のうねり

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12月の見通し 押し寄せる変化のうねり
2016年
12月8日号
Vol.336
12月の見通し
押し寄せる変化のうねり
 トランプ・ラリー
米大統領選挙で勝利したトランプ氏は、減税
およびインフラ支出の拡大を政策として掲げ
ており、株式市場には追い風と見ています。
米国は、堅調な個人消費や労働市場、消費
者信頼感指数や企業景況感指数の改善が
続いていることもあって特に活況を呈してい
ます。もっともトランプ次期米大統領が掲げる
減税およびインフラ投資の拡大が米国の経
済成長に寄与し始めるのは、早くても2017年
後半以降と見ています。
 トランプ氏の政策ポイント、3つ
米国の大統領選挙は、共和党候補のドナル
ド・トランプ氏が勝利し、上院・下院共に共和
党が過半数を占める結果となりました。
トランプ次期米大統領の政策とその影響を挙
げると3つあります。
① 減税と大規模なインフラ投資
これらの政策を通じて、米国経済の活性化が
期待され、株式市場にはプラスになると見ら
れます。
② 公的債務の拡大
一方、トランプ政権下で米国の公的債務は拡
大していくと予想され、インフレ率と金利の上
昇によって債券市場にはマイナスと予想され
ます。
③ 保護主義
トランプ氏はアメリカ第一主義で、極めて保護
主義色の強い通商政策を主張しています。
米国の内需型企業は恩恵を受ける反面、関
税率の上昇等で米国への輸出企業にはマイ
ナスといえます。また、米国の金利上昇を受
けたドル高の進行によって、ドル建ての負債
を抱える新興国等の企業は、借り入れコスト
の上昇に伴い利益率の縮小に直面すると予
想されます。さらに、対ドルでの通貨防衛の
ために利上げを実施すれば、新興国の景気
には逆風となります。
 木を見て森を見ず
2017年の金融市場は引き続き、トランプ次期
米大統領の政策や欧州の政治情勢次第で大
きく動く局面が多々見られるでしょう。
もっとも、「木を見て森を見ず」という相場の格
言にもある通り、短期的な相場変動に一喜一
憂するのではなく、相場全体を見渡して投資
対象を見極めることがより大切な1年となりそ
うです。
世界情勢には大きな潮目の変化が見られ、
国・地域、セクター別に大きく勝敗が分かれる
可能性があります。
ところで、有望な投資先は意外と身近にある
のかもしれません。日本は、日銀がイールド
カーブのコントロールを目的として、固定金利
で無制限に国債を買い入れる「指値オペ」を
初めて通告するなど量的金融緩和策の継続
が期待される他、政治が安定していることか
ら、投資先としての不安材料が比較的少ない
と見ています。
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