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Theinfluenceonthemuscularpowerexertion

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Theinfluenceonthemuscularpowerexertion
兵庫教育大字研究紀要第 42巻 2013年 2月 pp.53-57
静的及び動的ストレッチングによる筋力発揮への影響について
Thei
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山本忠志*
YA
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AMOTOT
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イ次*
秋原
AKIHARA Yu
村上佳司**
MURAKAMIK
e
i
s
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i
本研究は、ウォーミングアップとして、静的ストレッチングを行った場合と勤的ストレッチングを行った場合のその後
の筋力発揮にどのような影響を及ぼすかを明らかにすることを目的とした。健康な成人8名を対象に 6種の静的ストレ
y
チングおよび 3砲の動的ストレッチングを行わせ、その前後の最大の筋力をサイベックスによって測定した。その結巣、
静的ストレッチングの実施によって最大筋力の低十を示し、勤的ストレッチングによって最大筋力の向上を認めた。また、
静的ストレッチングでは動的運動での角速度の増加に伴い段大筋力の低下傾向を認め、動的ストレッチングでは角速度の
じ角速反での個人差が大きく示される結栄であった。
増加に伴って最大筋力の向 k傾向が認められたものの、│ロl
キーワード:ストレッチング,静的,動的,筋 )
J発揮
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g,s
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c ,m
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c
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rpowere
x
e
r
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i
o
n
1
. 目的
る柔軟性の改善効果は、静的ストレッチングとなんら変
ストレッチングは、スポーツを行ううえで主にウォー
わらないことが示されている。
ミングアップおよびクールダウンの中で盛んに取り組ま
また、ウォーミングアップにおけるストレッチングに
れている。それは、筋の余分な緊張を除き、関節可動域
は
、 ROMを広げる効果だけでなく、パフォーマンス向
(ROM) を広げることによって動きを滑らかにし、怪我
上の効果があると信じられていた。しかし近年、静的ス
の予防に効果があるとされている(山口ら 2007)。同じ
トレッチングによる筋力発揮の低下が報告されている O
姿勢を長時間続けるなどすると筋の緊張が高まり、その
3~10分の静的ストレッチングの前後で、最大挙上負荷、
結果 ROMが低下した状態で急に関節を大きく動かすと
等速性筋力などの動的筋力の低下 (Cramerら 2004) な
怪我をしてしまう恐れがあるので、ストレッチングによっ
らぴに等尺性筋力および筋力発揮速度の低下 (Nelson
て筋の緊張を取り除くことは重要で、あると考えられる。
ら 2001)が報告されている。この筋力低下は最大で約
ストレッチングを大きく分けると、静的ストレッチン
30%にも及び、その影響はストレッチング終了後45分間
グと動的ストレッチングに分けられる。静的ストレッチ
ほど持続すると言われている O このような筋力発揮の低
ングとは、関節を動かして目的の筋肉をゆっくりと伸ば
下は、あらゆるスポーツでのパフォーマンスの低下につ
し、自分やパートナーの力、又は床なとミを使って適度に
ながると推測される O そのためスポーツをする前、特に
伸びたところで関節角度を保った状態で筋を伸張させる
筋力発揮が重要なスポーツでのウォーミングアップとし
方法である。動的ストレッチングとは、関節を繰り返し
て、静的ストレッチングを行うことが適していない場合
動かし目的の筋肉の伸張と収縮を繰り返すことにより筋
があると考えられる。また、影響が持続することから、
を伸張させる方法で、個々人の可動域内で動かしながら
スポーツの直前では、静的ストレッチングは禁止した方
伸張させるダイナミックストレッチング、反動を使いな
が良いのではないかという考えが出ている。しかし、前
がら伸張させるパリスティックストレッチングなどがあ
述したように、ストレッチングの効果はスポーツをする
る。静的ストレッチングには ROMを広げるトレーニン
うえで重要であるので、より筋力発揮に適したウォーミ
グとしての効果、クールダウンで筋の緊張を解く効果が
ングアップとしてのストレッチングが必要で、ある。そこ
期待できる。動的ストレァチングにも、ストレッチング
で、動的ストレッチングによる筋力発揮はどうなのだろ
後の動的な競技動作での ROMを広げる効果が静的スト
うか。静的ストレッチングと同様に筋力発揮の低下を招
レッチングと同様に期待できる。動的ストレッチングは、
いてしまうのだろうか。先行研究では、静的ストレッチ
柔軟性の向上効果が静的ストレッチングに比べ劣るので
ングよりも報告が少なく、一致した見解には至っていな
はないかとの疑問が持たれているが、数編の研究(山口
し
ミO
ら 2007、内海ら 2010) により動的ストレッチングによ
そこで本研究は、ウォーミングアップとして、静的ス
*兵庫教育大学大学院教育内容-方法開発専攻行動開発系教育コース
**天理大学体育学部
5
3
半成 2
4年 1
1月1
6日受理
悠 村 上 位 司
1
1
1 本 忠 志 秋 以
トレッチングを行った場合と動的ストレッチングを行っ
意する O ⑥ベンチの上で仰向けになり自重と腕の力で伸
た場合での最大筋力を比較して、ストレッチングの違い
ばし更にパートナーの力を加える。このときも⑤と同様
による筋力発揮への影響について明らかにすることを目
0
秒間連続して行い,それを 2セッ
の注意をする。)を各 3
的とした。
ト実施した。セット聞の休息は 2
0秒間とした。
I
I
. 方法
3
. 動的ストレッチングの方法(図 2)
動的ストレッチングでは、 3種類の右膝関節伸筋群の
1.被験者
、
被験者は普段から運動を実践している健康な男性 6名
ストレッチング(①椅子に座り膝を伸展させ、伸びきっ
たところから屈曲する O ②仰向けになり膝の角度を 9
0度
女性 2名の計 8名で実施した。
にして前方に脚を押し出し、伸びきったところから引き
すべての被験者に対して事前に研究の目的等の説明を
行い、承諾をとった。
戻す。③立位で脚を右足が後ろに来るように前後に聞き
右脚のつま先を上げ、垂直に膝をかかとの位置まで下ろ
2
. 静的ストレッチングの方法(図1)
したら膝をもとの位置に戻す。膝をかかとの位置まで下
静的ストレッチングとして、 6種類の右膝関節伸筋群
ろしたとき、左膝がつま先の前に出ないように注意する。)
のストレッチング(①立位で右足を後ろに引き上げ右手
を 2セット行う
で足首を持つ。このとき、バランスが崩れないように左
0回繰り返し、 2セット日は l秒上げ l秒下げの動
を各 1
手は壁につけておくこと、しっかりと右膝関節伸筋群を
0回繰り返した。セット聞の休息は 2
0
秒とした。
作を各 1
伸ばすために右膝を左膝より前に出さないことに注意す
すべて個々人の可動域内で行うものとした。
o
1セット目は 2秒上げ 2秒下げの動作
る。②うつ伏せになりパートナーが右膝を持ち上げ足首
4
. 最大筋力の測定
を前方に押す。このとき、骨盤が浮かないように注意す
被験者に対し、静的ストレッチングならびに動的スト
る。腰に負担がかかる場合があるからである。③後ろに
振り上げた脚を椅子か何かでおしりの高さくらいに固定
レッチングを、 1日 l種目のストレッチングを 1週間の
する。このとき、しっかりと右膝関節伸筋群を伸ばすた
間隔をあげ、合計 2日間で施行した。各ストレッチング
めに前傾姿勢にならないように注意する。④後ろに振り
の前に、軽く準備運動を行い、最大筋力の測定、ストレッ
上げた足をパートナーが固定する。このとき、被験者は
チングの実施、終了 3分後速やかに最大筋力の測定を行っ
両手を壁につけておき、前傾姿勢になりすぎないように
た。最大筋力測定については、 CYBEX (酒井医療社製)
体勢を安定させておく。⑤ベンチの上で仰向けになり自
を使用して膝伸展時の最大筋力を測定した。最大筋力の
重と腕の力で伸ばす。このとき、しっかりと右膝関節伸
測定は、静的最大筋力として角速度 O度と動的最大筋力
①
②
③
⑤
⑥
図 1 静的ストレッチングの方法(① ⑥)
5
4
静的及ぴ動的ストレッチングによる筋力発揮への影響について
として角速度 3
0度
、 9
0度
、 1
8
0度での測定を行った。角
認められたことと関係する可能性がある。また、角速度
速度 O度については、膝角度 9
0度に維持した状態で 5秒
3
0度での減少が最も小さく認められている。これは、ゆっ
間筋力発揮をさせ、最高値の記録を用いた。動的最大筋
くりした動きでは静的ストレッチングの影響が少ない可
力については、それぞれの角速度での膝伸屈運動を 3回
能性があるが、パフォーマンスが低下する恐れは十分に
行い、最高値の記録を用いた。測定順序は、角速度 O度
、
考えられる。
図 3は静的ストレッチング前後における最大筋力の増
3
0度
、 9
0度
、 1
8
0度で行った。角速度聞の休息は 1分間
とした。筋力の比較には、各被験者の各角速度での増減
減率を個人および平均で示したものである O 動的最大筋
率を求め、被験者 8名の平均値並びに標準偏差を求めた。
力における角速度での違いは、平均増減率でみると静的
動的最大筋力を測定しようとした場合、反動の力が加
ストレッチングでは角速度が速くなるにつれて低下する
わった筋力が計測される場合があるため、実際よりも大
傾向が示されており、これは先行研究に一致するもので
きな筋力が測定される可能性があると言われている(平
C
r
a
m
e
rら 2
0
0
4
)。しかし、個人の増減率でみる
ある (
山ら 2
0
1
0
)。そこで、反動の影響を抑えるため、胴と脚
と同じ角速度でも個人差が大きいことから、角速度での
をベルトで固定し、筋力発揮させるスタート位置を決め
一致した変化は認められなかった。以上の結果から、静
る役目と反動防止の役目をする板を設置し、測定した。
的ストレッチングによって静的最大筋力および動的最大
筋力が低下する可能性が大きいことが示された。これは、
,
最大筋力の発揮が重要なスポーツでは、パフォーマンス
皿.結果と考察
.静的ストレッチングにおける最大筋力
の低下する可能性が高いことを示唆しているもので、ウォー
表 lは被験者 8名の静的ストレッチング前後の各角速
、
"
/、、
.‘
、
a
-'
_.'._~-,-,-,一千lIf._
_
.
_
.
_、
、
夢
/
-_
.
.
.
,
.
.
'
:
:-:
---- 置.
'
パ
九
長二,~ム4弘....../、\、ー
、・
ζ
増減率と平均増減率(%)
~-10
-17
B(♂)
-4
一1
1
9
C(♂)
2
5
25
6
D(♂)
7
E(♂)
9
F(♂)
-10
G(♀)
8
90度
1
8
0度
→
幻
。
1
7
。 。
。
。
。
。
1
1
2
9
33
3
0
15
16
26
15
H(早)
2
mean
9
3
9
16
1
0
.
3
1
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.
6
1
6
.
0
1
1
.6
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・
ー
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内ea
-3)
-4)
曜
期支
1
倒支
剣支
焦車主
図
判
ド
1
4
川町
3
0度
-20
G
0度
A(♂)
S.
D
*測定不能
f f 4 4 ¥
巨K
。
表 1 静的ストレッチングによる各角速度での最大筋力の
被験者/角速度
且
,~6.
、
K
α
α
1
0
A W A W A W A W A W山
A 恥恥
び標準偏差を示したものである。
K臥
2)
で官十十世十十
度での最大筋力を比較し、その増減率と平均増減率およ
20
3 静的ストレッチングによる各角速度での筋力の個人
および平均値の増減率の変化
ミングアップでの静的ストレッチングのみは避けたほう
がよいと考えられる O
このような静的ストレッチングによる筋力低下のメカ
静的ストレッチング後、ストレッチング前よりも角速
ニズムについては、筋には、筋紡錘という受容器があり、
度 O度で増加した者は l名、減少した者は 7名であった。
筋の長さを検知している器官がある。筋紡錘が伸張され
0度で増加した者は 2名、減少した者は 3名、増
角速度 3
ると、感覚信号が脊髄や脳の中枢神経系に送られるが、
減なし 3名であった。角速度9
0度で増加した者は l名
、
このとき、脊髄中にある運動神経 (
α 運動神経)の活動
減少した者は 4名、増減なしが 3名であった。角速度
を増強し、伸張された筋の活動を高めるように作用する。
1
8
0度で増加した者は O名、減少した者は 6名、増減な
これを伸張反射といい、筋が伸張されると、これに抗し
しの者は 1名であり、 1名については測定できなかった。
て大きな筋力を意識しなくとも瞬時に発揮できるような
平均の増減率でみてみると全ての角速度でストレッチン
仕組みである。一方、筋紡錘の内部にも、錘内線維と呼
グ前よりも減少し、角速度の増加に応じて減少率が増加
ばれる筋線維があり、運動神経による支配を受けている
8
0度での動的最大筋力の減
する傾向が示され、角速度 1
(
γ 運動神経)。錘内線維は、筋紡錘の感度を調節してい
少が最も大きく認められた。このような減少傾向は先行
て
、 γ運動神経が活動すると筋紡錘の感度が上がる。最
N
e
l
s
o
nら 2
0
0
1
) と一致するものである O また、
研究 (
大筋力を発揮するときには、 α とγの両方の運動神経が
瞬発的なパフォーマンスに及ぼす影響についての先行研
活動し、筋紡錘からの感覚信号によってさらに筋力発揮
C
o
m
w
e
l
lら 2
0
0
1
) でも、パフォーマンスの低下を
究 (
が増強される仕組みがはたらく
5
5
O
これを γ α 共役と呼
悠 村 上 位 司
1
1
1 本 忠 志 秋 以
ぶ。静的ストレッチングにより、筋紡錘の感度が低下し
(脱感作)、その結果、筋の緊張は低減するものの、 γー
:
D
一
t
A
i
.8り
ー+ーB(8
り
α共役がうまくはたらかなくなって筋力も低下する可能
性があると考えられている。
ー
+
ー αd
司
→
←
0
(
の
幻
。区初
'
i
f
.
2
. 動的ストレッチングにおける最大筋力
日
表 2は被験者 8名の動的ストレッチング前後の各角速
旬
度での最大筋力を比較し、その増減率と平均増減率およ
ー+-H♀
)
。
び標準偏差を示したものである。
動的ストレッチング後、安静時よりも角速度 O度で増
F
(の
一t
r
.
.O
:
早
)
-門BaI
曜
3支
加した者は 8名である。角速度 3
0度で増加した者は 8名
H
I
渡
剣支
角彊
0度で増加した者は 6名で、増減なしが
であり、角速度 9
図 4 動的ストレッチンクによる各角速度での筋力の個人
2名である。角速度 1
8
0度で増加した者は 6名で、増減
および平均値の増減率の変化
なしの者は l名であり、 l名については測定できなかっ
3
. 静的ストレッチングと動的ストレッチングの比較
た
。
表 3は静的ストレッチングと動的ストレッチングの平
表 2 動的ストレッチングによる各角速度での最大筋力の
均増減率を示したものである O
増減率と平均増減率(%)
0度
3
0度
90度
1
8
0度
A(♂)
20
23
1
3
1
4
被験者/角速度
B(♂)
1
5
1
7
28
2
8
C(♂)
1
3
7
24
1
8
D(♂)
1
0
10
25
E(♂)
1
8
1
9
表 3 各ストレッチング前後の各角速度における
平均増減率の比較
角速度
。度
3
0度
静的ストレッチング
9%
3%
動的ストレッチング
16%
16%
9
0度
1
8
0度
9% -16%
F(♂)
20
23
1
7
2
6
G(♀)
1
7
1
3
。
。
H(♀)
1
1
1
5
23
。
動的ストレッチングでは最大筋力の増加傾向がみられた。
l
e
a
n
1
6
1
6
1
6
1
9
そこで、それぞれの角速度の平均値の増減率について t
3
.
9
5
.
8
1
1
.1
1
0
.
0
庁
SD
*測定不能
2
8
2
0
16%
19%
静的ストレッチングでは最大筋力の減少傾向がみられ、
*
検定を行ったところ、すべての角速度で p<0.05を示す
ことから、有意な差が認められた。すなわち、静的スト
図 4は動的ストレッチング前後における最大筋力の増
レッチングよりも動的ストレッチングの方が最大筋力発
減率を個人および平均で示したものである。動的最大筋
揮に効果的であることが認められた。このことは、最大
力における角速度での違いは、平均増減率でみると動的
筋力の発揮が重要なスポーツでは、静的ストレッチング
ストレッチングでは角速度が速くなるにつれて向上する
によりパフォーマンスが低下する恐れがあり、動的スト
傾向を示しており、これは瞬発力を必要とする運動のパ
レッチングによりパフォーマンスが向上する可能性が高
0
1
0
) と
フォーマンス向上を認めた先行研究(石井ら 2
いことを示している O また、動的最大筋力の平均増減率
一致するものである。しかし、個人の増減率でみると同
は、静的ストレッチングでは角速度が速くなるにつれて
じ角速度でも個人差が大きいことから、明らかな角速度
低下し、動的ストレッチングでは角速度が速くなるにつ
での違いは認められていない。このような動的ストレッ
れて向上する傾向を認めているが、同じ角度でも個人差
チングによる筋力向上のメカニズムについては、筋活動
が大きいことから、明らかな違いは認められなかった。
と筋の伸張が組み合わされていること、筋の循環が活性
ところで、今回実施した静的ストレッチングでは、合
化し、温度も上昇すること、などの要因が関連している
計 6分間のストレッチングを行ったが、実際のスポーツ
ものと考えられている。以上の結果から、動的ストレッ
現場では長いものに感じられる。また、一回の伸張時間
チングによって静的最大筋力、動的最大筋力が向上する
3
0
秒についても、スポーツ現場におけるウォーミングアッ
可能性が大きく示された。これは、最大筋力の発揮が重
プ時に利用されている静的ストレッチングの伸張時聞は
要なスポーツでは、動的ストレッチングによりパフォー
2
0秒以下が 73%と
、 2
0秒以上の 27%を大きく上回ってい
マンスが向上する可能性が高いことを示しているので、
D
u
e
h
r
i
n
gら 2
0
0
9
) があることから、
るという調査結果 (
ウォーミングアップでの動的ストレッチングは有効であ
再検討する必要があると考えられる。最近の研究では、
ると考えられる。
スポーツ現場に即した方法、特に lつの筋群に対する伸
5
6
静的及び動的ストレッチングによる筋力発掛への影響について
張時間について考慮した検討が増えてきている o S
i
a
t
r
a
s
平山邦明,杉崎範英,加藤えみか,金久博昭,福永哲夫,
ら (
2
0
0
8
) は膝関節伸筋群に対して 1
0、2
0、3
0秒及び6
0
川上泰雄 (
2
0
1
0
) 臆ステイフネス,筋力および筋活
秒の静的ストレッチングを実施した場合とストレッチン
動が反動動作による機械的仕事量増強の個人差に与え
グを実施しなかった場合とで、等尺性、及び等速性の膝
る影響:体育学研究 5
5(
1
):
3
3
4
3
.
関節伸展トルクに及ぼす影響を検討し、 3
0秒及び6
0秒で
Comwell A,N
e
l
s
o
n AG,
H
e
i
s
e GD,Sidaway B (
2
0
01
)
は筋力が低下したものの、 1
0
秒及び20
秒あるいはストレッ
A
c
u
t
e 巴f
f
e
c
t
so
fp
a
s
s
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チングを実施しなかった場合では低下しなかったことを
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. Jo
f Human Movement S
t
u
d
i
e
s
報告している。しかし、膝関節伸筋群を対象とした研究
4
0
:
3
0
73
2
4
.
(
O
g
u
r
aら 2
0
0
7
) では、 6
0秒の静的ストレッチングを l
D
u
e
h
r
i
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gM D,FeldmannCR
,EbbenWP (
2
0
0
9
)S
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セット実施した場合は等尺性筋力が低下したものの、 3
0
a
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dc
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gp
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秒を 2セット実施した場合では低下がみられなかったこ
s
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hCondR
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.
とを報告している。このように、静的ストレッチングに
2
3(
8
):
2
1
8
8
2
2
0
3
.
よる影響についても一致した見解が出されているとは言
i
t
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iDN,Vamvakoudis EA
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い難いことから、さらに被験者を増やしてデータを積み
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2
0
0
8
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重ねる必要があると思われる。
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n
. J
S
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g
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hCondR
e
s
.2
2(
l
):
40
4
6
町.まとめ
i
y
a
h
a
r
a Y,N
a
i
t
o H,Katamoto S,Aoki J
Ogura Y,M
ウォーミングアップとして、静的ストレッチングのみ
(
2
0
0
7
)D
u
r
a
t
i
o
no
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t
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cs
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f
l
u
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sm
u
s
c
l
e
と動的ストレッチングのみによるストレッチングの違い
f
o
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最大筋力を比較したところ、静的ストレッチングによる
最大筋力の低下傾向、動的ストレッチングによる最大筋
力の向上傾向が示され、静的ストレッチングに比べて動
的ストレッチングでは明らかな最大筋力の増加率が認め
られた。また、ストレッチング後の動的最大筋力の平均
増加率をみると、静的ストレッチングにおける筋力発揮
は角速度が速くなるにつれて平均増加率は低下傾向を示
し、動的ストレッチングでは角速度が速くなるにつれて
増加する傾向を認めたが、同じ角速度での個人差が大き
いことから、明らかな違いを示すのもではなかった。
文献
山口太一,石井好二郎 (
2
0
0
7
) 運動前のストレッチング
がパフォーマンスに及ぼす影響について
トレッチング研究の結果をもとに
近年のス
CREATIVE
STRETCHING 5
:
1
1
8
内海景憲,山口太一,石井好二郎 (
2
0
1
0
) ダイナミック
ストレッチングにスタティックストレッチングを庁並み
合わせたプロトコルが膝関節伸展パワーに及ぼす急性
2(
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.
の効果:トレーニング科学 2
Cramer JT,Housh TJ,J
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