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海外調査報告会(資料)(PDF:2256KB)
東南アジア調査団 行程 京都府議会海外調査 東南アジア訪問団 報告 月 日 ~シンガポールとマレーシアの視察を終えて~ 場 所 調 1-1 クレアシンガポール事務所 調 査 (移動日) 9月2日(月) シンガポール □クレア シンガポール事務所 □理化学研究所シンガポール事務所 □早稲田バイオサイエンス シンガポール研究所 9月3日(火) シンガポール □ジェトロ シンガポール事務所 □シンガポール政府観光局 □マリーナ・ベイサンズ □リゾート・ワールド・セントーサ 9月4日(水) シンガポール/マレーシア □JTBクアラルンプール支店 9月5日(木) マレーシア □サイバージャヤ □マルチメディア大学 □プトラジャヤ □ジェトロ クアラルンプール事務所 9月6日(金) マレーシア □ナベル □オムロン 9月7日(土) マレーシア/京都 (移動日) 1-2 シンガポールの位置 日 9月2日(月) 調 査 テ ー マ シンガポール事情について 説 明 備 者 クレアシンガポール事務所 次 長 岩井 昌也 氏 調査役 丸山 巌 氏 所長補佐 則松 修 氏 所長補佐 吉本 けい 氏 シンガポール 考 クレアシンガポール事務所を訪問し、説明 聴取・意見交換 (報告者:巽 昭) 1-3 シンガポールの姿(1) 1-4 シンガポールの姿(2) (1) 限られた国土 715.8km² (2) 限られた人口 382万人(外国人を含め531万人) (邦人数27,525人 2012年) (3) 乏しい資源 エネルギー、天然資源は外国から輸入 水も輸入 (4) 気 候 熱帯雨林気候 平均最高気温 31.1℃ 平均最低気温 24.8℃ □淡路島の約1.2倍の国土に 531万人が居住 人 口 面 積 シンガポール 約 531万人 715.8km 淡路島 約 14万人 596.0km 平均湿度 74% 40 35 30 25 京都最高気温 20 京都最低気温 15 シンガポール最高気温 10 シンガポール最低気温 5 0 1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 (ジェトロシンガポール事務所 提供資料に基づき作成) 先 京都/シンガポール 平成25年11月6日 調査団長:巽 昭 団 員:石田 宗久、安田 守、四方源太郎、 松岡 保、松井 陽子、島内 研、 西脇 郁子、迫 祐仁、小鍛治義広 査 9月1日(日) 淡路島 1-6 政治概要(1) 1-5 シンガポールの姿(3) (5)多民族 他宗教 仏教 3.3% 9.2% 13.4% 74.1% 16.9% 0.8% 5.1% 中国系 マレー系 インド系 その他 キリスト教 33.3% イスラム教 (7代目大統領:2011年9月就任、任期6年) 道教 10.9% 18.3% 14.7% ヒンズー教 その他 無宗教 (6)その他 ・平均寿命 ・出 生 率 ・国 語 ・公 用 語 ・時 (1)独立年月日 1965年8月9日 (2)政 体 立憲共和制 (3)元 首 大統領 トニー・タン 81.8歳(男79.3歳、女84.1歳)(2011) 1.20(2011) マレー語 マレー語、中国語(北京語)、英語、タミール語 (英語を行政語としている。) 差 シンガポールの時間は日本より1時間遅れ (例:シンガポールが12時なら日本は13時) (4)行 政 府 内閣(1府14省) (5)首 相 リー・シェンロン (6)立 法 府 一院制議会 (7)議 員 数 選挙区選出議員 87 12単一選挙区、15集団選挙区(各選挙区より4~6名を選出) 上記に加えて、9名まで立法府任命の指名議員及び野党議席を3とするための 非選挙区選出議員(予算、憲法改正、内閣不信任案件以外は議決権あり) (8)議員任期 (9)政 党 選挙後初の議会より5年 与党:人民行動党(PAP)80議席 野党:労働者党(WP)7議席、非選挙区選出議員3 (ジェトロシンガポール事務所 提供資料に基づき作成) (ジェトロシンガポール事務所 提供資料に基づき作成) 1-7 政治概要(2) 1-8 政策の特徴 1 初代首相 リー・クワンユー 1959年~1990年 首相 1990年~2004年 上級相 2004年~2011年 顧問相 (1)唯一の資源 人材の育成 2言語主義(英語+母国語)、実学重視、能力主義 (2)外国の資本、人材導入 例)外国企業・投資の誘致、入国管理の規制緩和 (3)多角的な経済連携、政府の剰余金の活用 例)FTA(Free trade Agreement) 自由貿易協定 ニュージーランド、日本、EFTA、オーストラリア、アメリカ、インド、韓国、中国等 予算・・・原則として黒字予算 剰余金・・・GIC(政府投資会社)が海外資産で運用 2 第2代首相 ゴー・チョク・トン 1990年~2004年 首相 2004年~2011年 上級相 (4)自国の経験を海外での事業展開へ 3 第3代首相 リー・シェンロン 2004年~現在 首相 港湾運営、水・環境ビジネス、都市インフラなど (5)アジアのハブへ ― 観光資源の開発 例)統合リゾートの開発、世界一の観覧車、F1開催、カジノ設置など・・・ (ジェトロシンガポール事務所 提供資料に基づき作成) 1-9 所感・考察 □シンガポールの現状 (ジェトロシンガポール事務所 提供資料に基づき作成) 2-1 早稲田バイオサイエンス シンガポール研究所(WABIOS) 2-2 早稲田バイオサイエンス シンガポール研究所の概要 調 査 日 9月2日(月) □ □ □ □ 調 査 テ ー マ 産官学による研究開発の協力成功事例について 説 明 者 管理部門職員 ツバキ 氏 主任研究員 主任研究員 備 概 要 設立時期 場 所 スタッフ 早稲田大学の在外バイオ系研究所 2009年9月 シンガポール バイオポリス 12名(日本人4名、シンガポール人8名)管理部門の職員含む ※ バイオポリスへの研究所設立は日本の大学として初 北口 哲也 氏 鈴木 団 氏 バイオポリスとは・・・ シンガポールの国際的なバイオ メディカル分野(生体医療工学)の研 究開発拠点。 教育省やシンガポール国立大学にも 程近く、官民連携拠点としても活用 考 WABIOSにおいて説明聴取・意見交換の後、 研究所内や、WABIOSの入るバイオポリスを 視察 (報告者:四方源太郎) 2-3 早稲田バイオサイエンス シンガポール研究所の研究 □早稲田大学の国際的知名度アップ □世界各国の研究者 との交流・共同研究 広報戦略の一環 □早稲田大学の国際ランキングの上昇 シンガポール国立大学、南洋理工大学、 シンガポール科学技術研究庁など 優れた研究者の集まるバイオポリスで研究し、 クオリティの高い論文を発表することにより、大学の評価を上げる □企業との産学連携 □研究グループ 2-4 シンガポール進出のねらい 主任研究員からレクチャーを受ける ・Cell Signaling Group (主任研究員:北口 哲也 氏) 分子プローブの設計と開発 ・Physical Biology Group (主任研究員:鈴木 団 氏) 細胞一個の「温度」や「力」を測定し、細胞でみられる現象を物理的 視点から理解する研究 2-5 所感・考察 □海外に研究所を置くメリットとそのコスト □日本の技術レベルと語学力 □成熟した国シンガポール ◆日本の大学の国際ランキング 東京大学:32位、京都大学: 35位、早稲田大学: 220位(2013年-2014年版) (イギリスの大学評価機関が公表している「QS世界大学ランキング」による) ※研究者同士の交流・研鑽もできている。 (シンガポール国立大学とは大学間協定を締結) 3-1 ジェトロシンガポール事務所 ~JETROシンガポール事務所 調査より~ □高い経済成長率 調 査 日 9月3日(火) ・2000年以降のGDP成長率は5.1% ・20年間でGDPは4.3倍に 調 査 テ ー マ シンガポールの経済事情について □シンガポールの政治 説 明 者 ジェトロシンガポール事務所 次長 石原 賢一 氏 備 3-2 シンガポールについて 考 ジェトロシンガポール事務所を訪問し、説明 聴取・意見交換 ・安定した政権が国を形づくり (建国48年以来、3人の首相) ・役人、軍人、学者から政治家へ ・党が優秀な人物をピックアップ シンガポールのGDP成長率 16% 14% 12% 10% 8% 6% 4% 2% 0% -2% (ジェトロシンガポール事務所 提供資料より作成) □政治を支える官僚組織 (報告者:松岡 保) 3-3 シンガポールへの 投資動向と企業誘致① □金融、流通、製造業を中心に直接投資を誘致 ・シンガポールへの対内直接投資は順調に推移 ・投資残高・・・EU(1,938億Sドル),米国(779億Sドル),日本(525億Sドル) ・小学4年時から選抜が行われ、勝ち残ったものが官僚に ・好待遇。ただし、汚職に対する処罰は厳格 3-4 シンガポールへの 投資動向と企業誘致② □低い法人税率(17%) ・アジア主要国の中では香港 (16.5%)に次ぐ低さ □タイと並ぶ日本の 対アジア直接投資先 □各種優遇税制 パイオニア・インセンティブ → パイオニアステータス認定企業は、最 長15年間にわたる法人所得税の免 税措置が適用 地域統括本部制度 → 海外グループ企業を統轄する地 域統括本部をシンガポールに置いた場 合、最大5年15%の優遇税率が適用 ・シンガポール日本商工会議所は の会員企業数764社 ※これら以外にも、グローバル・トレーダ ー・プログラムなど、様々な優遇策を整備 (ジェトロシンガポール事務所 提供資料より作成) 3-5 その他シンガポールの産業政策 3-6 所感・考察 □航空関連産業の誘致 □世界経済の動向による影響を直接受ける危うさ ・チャンギ国際空港(東南アジア地域のハブ空港)の優位性を活用 □高齢化社会を迎えるシンガポール □産官学研究活動拠点「バイオポリス」 □日本とシンガポールとの関係 ・優秀な研究者を海外から招致 □観光振興 ・国際会議や展示会の開催 ・大規模リゾートホテルや世界一の水族館 ・年間1,400万人の観光客を誘致 ジェトロシンガポール事務所 石原次長 4-1 シンガポール政府観光局 4-2 政府観光局の役割 ① Planner 長期的な計画を 立てる 調 査 テ ー マ シンガポールの観光事情について ② Promoter 隣国にオフィスを構え、 シンガポールを売り込む 説 明 者 シンガポール政府観光局 マネージャー オオイシ 氏 マネジメントアソシエイト ワン 氏 ③ Regulator 観光エージェントを統括する ④ Owner, Manager and Operator of Tourism Assets 観光スポットのオペレーター、 マネージャーとしての運営 備 ⑤ Precinct Development 文化エリアの開発 ⑥ Operation Role 国の主なプロジェクトの運営 (例えばF1) ⑦ Industry Development 投資家に対する投資の相談なども 含めた産業開発 調 査 日 9月3日(火) 考 シンガポール政府観光局を訪問し、 説明聴取・意見交換 (報告者:松井 陽子) 4-3 2013年の戦略 24 4-4 その他特筆すべき点 □考慮すべき前提 ・色々な条件を考慮することの必要性 ・隣国との競争 ・労働力の低下(完全失業率2%) ・観光客の増加によるシンガポール国民に対する圧迫 □質の良い観光を提供 ①Portfolio 観光の中身 例)レジャー、ビジネス、MICE、医療 ②市場に合わせた戦略 -各国の最適なパートナーと連携 ③ターゲットをしっかりと定めること □魅力の向上 ハード面 ・リバーサファリ、ガーデンズバイザベイ など ソフト面 ・各ソフトを組み合わせて観光内容を 4-5 所感・考察 □シンガポール政府の観光に対する考え方 □来訪者の属性や目的等の把握と それを踏まえた観光の提供 □外貨獲得手段としての観光 □観光客1人当たりの消費額を重視 □隣国(マレーシア・インドネシア)から シンガポール観光のロゴ (政府観光局公式ウェブサイトより) のリピーターが多い □空港で調査し、来訪の内容を 把握 充実(フェスティバル×デパート×エリア) 隣国との競争が激しいので、政府との協力 シンガポール全体で観光客を迎える雰囲気づくり □ハード面とソフト面での配慮 □シンガポールを1つのブランドへ □地元の人と観光客との共存 政府観光局 ワン氏からレクチャーを受ける 5-1 マリーナ・ベイサンズ リゾート・ワールド・セントーサ 5-2 マリーナ・ベイサンズ ① 調 査 日 9月3日(火) 場 調 査 テ ー マ 海外からの誘客、統合型リゾートについて 開 説 明 者 マリーナ・ベイサンズ マネージャー ジェラード 氏 リゾート・ワールド・セントーサ シニアマネージャー ウィー 氏 スタッフ ムンクトゥヤ 氏 敷 備 施 業 2010年 地 面 タ ー ゲ ッ ト 客 層 展示会・会議来訪者、観光客 ホ 年 ル 2,561室 テ (客室料 スタンダード400ドル、スイートルーム1,700、特別室20,000ドル程度) 設 間 売 研) 5-3 マリーナ・ベイサンズ ② カジノ、空中庭園(スカイパーク)、アートサイエンス博物館、 劇場、屋内スケートリンク 等 上 29億米ドル(2011年)、28億米ドル(2012年) (ジェトロシンガポール事務所の提供資料、及びスタッフの説明内容から作成) 5-4 リゾート・ワールド・セントーサ① 場 所 南部セントーサ島 開 敷 □カジノ ・シンガポール人は入場料が必要 (1回100シンガポールドル又は年間2,000ドル) ・本人や家族からの入場禁止措置の申請 積 15.5ヘクタール 総工費 ( 土地コスト含む) 55億米ドル 考 2つの統合型リゾートの施設内を視察しなが ら、説明聴取・意見交換 (報告者:島内 所 都心部マリーナ・ベイ 業 2010年 地 面 積 49ヘクタール 総工費 ( 土地コスト含む) 44億米ドル □屋上庭園のプール タ ー ゲ ッ ト 客 層 レジャー・ファミリー客 ホ ・9,000人の雇用創出 ・24時間運営 ・カジノ職員になるには資格が必要 テ ル 1,830室 施 年 □最上級のホテル客室 5-5 リゾート・ワールド・セントーサ② 設 間 売 カジノ、ユニバーサルスタジオ、水族館、 コンベンションホール(アジア最大・8000人収容可) 上 25億米ドル(2011年)、23億米ドル(2012年) (ジェトロシンガポール事務所の提供資料、及びスタッフの説明内容から作成) 5-6 所感・考察 □国家戦略としての観光 のハブ化 □統合型リゾートの一部 であるカジノ □セントーサ島内 はカートで移動 □レストランや客室から 見ることができる水族館 ・観覧車、F1、シアター など ・水族館、ユニバーサルスタジオ、遊園地 など (カジノは総床面積の5%に満たない) □日本における統合型リゾート □ 8,000人収容 できるアジア最大 のコンベンションホール ~メリットと問題点~ 6-1 JTBクアラルンプール支店 6-2 マレーシアの概況 ① □多民族国家、イスラム教国 調 査 日 9月4日(水) 調 査 テ ー マ マレーシアの観光事情について 東南アジアからの日本への観光客誘致について ・民族:マレー系(約67%),中国系(約25%),インド系(約7%) ・言語:マレー語(国語)、 英語、中国語、タミール語 ・国教:イスラム教 (ただし、個人の信仰の自由は保障) (出典:外務省HP 各国地域情勢) 説 明 者 JTBクアラルンプール支店 支店長 作田 修 氏 マネージャー 平田 晴久 氏 備 考 JTBクアラルンプール支店を訪問し、 説明聴取・意見交換 □親日国 ・毎年相当数のマレーシア政府公費留学生を日本に派遣 派遣数はすでに1万人超にのぼる (JETROクアラルンプール事務所資料) ・86%のマレーシア人が日本を「大好き」又は「好き」と回答 ( 2012年 アウンコンサルティング株式会社調べ) (報告者:小鍛治義広) 6-3 マレーシアの概況 ② □東南アジアのほぼ中心 に位置 □高い経済成長率 ・2012年には、実質GDP成長率5.6%を達成 (2011年:5.1%) ・「ビジョン2020」を定め、2020年に先進国入りを目指す □日本人が長期滞在したい国ナンバーワン(7年連続) ・治安良好、豊富な食べ物、温暖な気候 ・物価は日本の約半分 (大卒初任給:約45,000円、ガソリン1L約60円、ランチ300円程度) 6-5 所感・考察 ① (東南アジアからの観光客誘致に向けて) □「雪の京都」の情報発信 ・東南アジアの人々があこがれを持つ「雪」を観光資源に □宗教的・文化的バックグラウンドを理解した おもてなし ・イスラム教徒への日本式ハラールフードの提供 ・ハラールフードの提供店の充実、ハラール対応飲食店の情報提供 ・宗教施設(寺社仏閣)案内時の配慮 など ハラールフードとは、イスラム法にのっとった食べ物。 ハラールは「許された」「合法の」を意味する。ミルクや魚、野菜 や穀類のほか、イスラム教の作法に従って処理された牛肉や鶏 肉などが当たる。それ以外の方法で処理された肉や、豚肉、ア ルコールは禁じられている。 6-4 マレーシアにおける アウトバウンド(海外旅行)の状況 □ 経済成長を背景として海外旅行マーケットは非常に活況 □ 「同じアジア域内で少し遠い国」として、日本は韓国や中国と競合 □ 平成25年7月、訪日ビザ免除。これにより、7月の単月訪日人数は 前年度対比で9,900人(25.2%)増加 □ 日本は、物価が高いという印象は あるものの、LCC(格安航空)によって 航空運賃が下がり、訪日が身近に □ 観光客からのフィードバックでは、 Wi-Fiスポットが少ないことに不満 □ 京都観光は現在でも人気。更に 呼び込むにはハラール対応がポイント JTBクアラルンプール支店 マネージャー マレーシア人の海外旅行を担当 6-6 所感・考察 ② (東南アジアからの観光客誘致に向けて) □2020年東京オリンピックを見据えた取組 □Wi-Fiなど公衆無線LAN環境の整備 □新たな観光ルートの企画 7-1 サイバージャヤ・マルチメディア大学 調 査 日 9月5日(木) 調 査 テ ー マ IT拠点化、産業人材の育成に向けた取組について 説 明 者 サイバージャヤ開発公社 7-2 サイバージャヤ・マルチメディア大学 □ マレーシアは、2020年に先進国入りを目指す国家ビジョン「ビジョ ン2020」を達成するため、製造業と併せて、新たにICT(情報通信技 術)産業を中心とするサービス・知識集約型産業の育成を目標として いる。 アシスタント ジェネラルマネージャー ナザリ氏 マルティメディア大学 アシスタント マネージャー セドリック チャン氏 スタッフ アフザイマ氏 備 考 バス車内から、サイバージャヤやマルチメディア 大学キャンパスを視察しながら、説明聴取・意見 交換 (報告者:西脇 郁子) マルチメディア・ICTの拠点 「サイバージャヤ」 ICT人材育成を担う「マルチメディア大学」 (サイバージャヤ・キャンパス) 7-3 サイバージャヤ ① 7-4 サイバージャヤ ② □アジアで最高のICTハブを目指す都市 □外国企業誘致のための政府の「10の約束」 ・面積約7,000エーカー(約860万坪) (学術研究地域、商業地域、企業地域、行政区に分かれる) ・マルチメディア企業・ICT企業を誘致 企業数 約700社のうち、 ・マルチメディア認証企業 約300社 ・多国籍企業 35社(NTT、富士通、デル、ソニーエリクソン など) ・ヒューレッドパッカー社が経営する大学も ・2010年までは政府主体でインフラ整備。現在は民間企業の参入も ・昼間人口 55,000人(うち25,000人~30,000人は区域外の従業者) 夜間人口 18,000人 MSC(マルチメディア)認証企業には、 1)最長10年間法人税を免除 2)外資規制の撤廃(100%外資所有を認める) 3)無停電で安価な電力環境等のインフラ提供 □環境に優しい都市 ・環境に優しい企業のみ立地できる ・バスの停留所への植栽、歩道幅 の拡幅、ソーラーパネルの設置など 環境に配慮した取組を実施 7-5 マルチメディア大学 7-6 所感・考察 □大学の概要 □アジアでのITのハブを 目指すサイバージャヤ □企業誘致のための施策 ・キャンパス:サイバージャヤとマラッカの2箇所 ・学生数:約20,000人 (女子学生が6割) ・学部:マルチメディア学部、工学部、経営学部、情報技術学部 ・教育方針:英語と数学を重視 ・テレコムマレーシアという電話会社が親会社 □低い学費負担 ・学費は、150万円~200万円 (3~4年間) ・学生寮は、月7,000円程度でシェア など ほか □就職率・就職先 ・95%が6ヵ月未満に就職 ・多くの卒業生がMSC(マルチメディア) 認証企業に就職。 □人材育成拠点としての マルチメディア大学 8-2 プトラジャヤの概要 8-1 プトラジャヤ □概 要:マレーシアの新行政都市(連邦直轄領) □場 所:首都クアラルンプールの南方25キロ 調 査 日 9月5日(木) 調 査 テ ー マ プトラジャヤの開発について (クアラルンプールと国際空港の中間に位置) 説 明 者 プトラジャヤ開発公社 コーポレートコミュニケーション部長 サバリヤ 氏 ジェネラルマネージャー ザイニ ムフタール 氏 ジェネラルマネージャー アミナ 氏 備 考 施設視察の後、プトラジャヤ湖の船上からプトラ ジャヤの街を視察しながら、説明聴取・意見交換 (報告者:迫 祐仁) □面 積:約12,000エーカー(約48キロ平米) □人 口:およそ10万人(2012年) 今後35万人都市を目指す ガーデンシティ・インテリジェントシティをテーマに設計 ~背景~ 1970年~1980年に首都クアラルンプールの過密化(人口集中)により、 慢性的な交通渋滞や洪水が発生 この解決を目的として、マハティール第4代首相の強いリーダーシップ により、クアラルンプールの首都機能の移転を決定 当時プランテーション(大規模農園地域)であった地に、新行政都市プト ラジャヤを建設 8-3 新行政都市プトラジャヤ 8-4 プトラジャヤの開発 □政府機関は、3省※を除きすべてプトラジャヤに移転 □ マレーシア最大の国家プロジェクトとして、1995年8月開発に着手 (※ 通産省、国防省、公共事業省) □ただし、国会はクアラルンプールに留まる □マレーシアの首都は、現在でもクアラルンプール □ 迅速な事業遂行のため、公共事業省(政府)ではなく、プトラジャヤ 開発公社(※)を組織し、開発 ペトロナス(国営石油会社)が64%、政府投資機関が16%、国営信託基金が20%を出資して設立 □ 民間金融機関から資金調達 □ 政府機関の建物、公務員宿舎、 住宅、商業地域を建設 □ 移転後、クアラルンプールの政府 機関跡地は再開発し、有効利用 プトラジャヤにある首相府(左)と財務省(右) 8-5 プトラジャヤにおける環境への配慮 □ 都市づくりの企画段階から環境に配慮 □ 都市の約40%を緑地・公園として保存(ガーデンシティがテーマ) □ 公園、湖、湿地などの自然の景観を生かした緑地帯 プトラジャヤ開発公社の部長 8-6 所感・考察 □首都機能の移転 □公共事業のあり方 □環境に配慮した都市づくり □ 環境政策の骨子は、神、人間、自然との調和 (建設・開発には、なるべく造成工事を行わない方針) □人造湖の水質管理 市の中心にあるプトラジャヤ湖(人造湖) プトラジャヤにはモスク(イスラム教徒 の礼拝堂)も置かれている 9-1 株式会社ナベル 9-2 ナベル株式会社の概要 調 査 日 9月6日(金) □ナベル本社 調 査 テ ー マ 京都企業のアジア進出に向けた取組について 説 明 者 株式会社ナベル本社 代表取締役社長 丸山 勉 氏 ・本社 ・社員数 ・年間売上 ・製品 ナベルアジア 社長 リー 氏 備 考 説明聴取・意見交換の後、ナベルアジアの 工場を視察 (報告者:石田 宗久) 9-3 ナベル株式会社の製品 □自動洗浄選別包装システム □非破壊検査装置 ひび卵検査装置・異状卵検査装置 ほか 日本 約500台 マレーシア 30台 タイ 19台 韓国 13台 中国 8台 台湾 5台 ベトナム 2台 フィリピン 2台 シンガポール 1台 インドネシア ナベルアジアで生産する鶏卵選別装置 □ナベルアジア ・所在地 ・設立 ・社員数 ・年間売上 マレーシア プチョン 2002年 16名 約3億円 9-4 海外進出について ① □選別包装機械稼働台数 卵をパックに詰めるまでを自動で行うシステム 京都市南区 (国内事業所・・・7箇所、海外法人・・・マレーシア) 126名 約30億円 海外調査事前調査(8/21) ナベル社提供資料より抜粋 鶏卵選別包装装置 非破壊検査装置 1台 東南アジア合計 81台 その他の国 11台 □ナベルのマレーシア進出の経緯 ・ 2002年に進出 ・ 海外の販売先(顧客)からの要望 (アフターフォローのため担当者を常駐させてほしい) ・ マレーシアのルックイースト政策・親日政策も一つの要因 ルックイースト政策 従来の英国重視を見直し、日本等の労働倫理、経営手法、技術 を学んで工業発展と近代化を図ろうとするもの 1981年に、マハティール第4代首相(当時)が提言 9-5 海外進出について ② 9-6 所感・考察 □海外進出に当たって行政に求めること □文化・民族・宗教への理解・配慮 ・ IT化や経営革新に対する支援 ・ 海外の経済事情やノウハウなどの情報提供 ・ 企業間連携に関する支援 ・ナベルアジアでは、イスラム教徒のため、会社に祈りの場所を設け、 就業時間中の祈りを容認 □日本企業の強みである日本式 □東南アジアとの交流 ・連携 ナベル本社 丸山社長、ナベルアジア リー社長 10-1 オムロン 10-2 オムロンマレーシアの概要 調 査 日 9月6日(金) 調 査 テ ー マ 京都企業のアジア進出に向けた取組について 説 明 者 オムロンマレーシア 社長 江崎 雅彦 氏 秘書 ジョアン 氏 備 (マレー系61%、中国系4%、インド系1%、その他) 考 説明聴取・意見交換の後、オムロンマレーシア の工場を視察 (報告者:安田 守) 10-3 オムロンマレーシアの現在と これからの展開 □”ものづくり”技術の深化の展開 ・すりあわせ技術でものづくりを深化 ・蓄積した”ものづくり”技術と、新技術による自動生産 □”ものづくり”人材の育成 ・金型/部品加工技術人材の育成 ・製造現場力づくり →異常を予知し改善できる能力を持つ 設備に強い人材を育成 オムロンマレーシア 江崎社長から説明聴取 京都府議会海外調査 東南アジア訪問団 報告 終わりに シンガポール マレーシア 概 要:インダストリアルオートメーションコンポーネント及びシステムの販売・マーケティング 所在地:マレーシア セランゴール州 創 立:1973年1月 商 品:リレー、リレー用の部品、金型 従業員:813人(男性約37%、女性約63%)、 ※ 工場での組立のほか、製品設計、金型設計、金型製作まで行う ※ 売上は上昇傾向にあるが、特に中国、日本向けが上昇中 リレーとは、電磁継電器のことで、電気信号を受けて機械的な動きに 変える電磁石と電気を開閉するスイッチで構成。 テレビ、電子レンジ、エアコンなど電気を使った機械のほとんどに使 用されている。 10-4 所感・考察 □新興国の消費拡大による ものづくり需要の活性化 □日本企業の海外展開と国内産業