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第3回会議録(要旨)(PDF形式:224KB)
第3回 神戸市人権教育・啓発に関する基本計画有識者検討会 会議録要旨 日時:平成27年8月3日(月)13:00~15:00 場所:市役所2号館2階2022会議室 会議次第 開会 議題 (1) 性の多様性について報告 (2) 意見交換 閉会 出席者 (委員) 土屋委員 西片委員、藤井委員、松原委員 (人権教育・啓発部会) 職員研修所副所長、市長室広報課長、男女共同参画課長、計画調整課係長 保護課保護係長、予防衛生課長、健康づくり支援課長、障害福祉課長 教育委員会生涯学習課長、産業振興局総務課担当者、西区総務課長 (事務局) 保健福祉局人権推進担当部長、人権推進課担当係長、人権推進課担当者 教育委員会人権教育課長、人権教育課首席指導主事、人権教育課担当係長 (報告者) LGBTの家族と友人をつなぐ会、QWRC(くぉーく)、BASE KOBE 開会(13:00) (1)性の多様性について報告 ●報告者 ・性的マイノリティであることを子供からカミングアウトされ、受け止める事の困難さ を経験した親達が集まって始めた会で、約10年間活動を続けている。 ・自分の子供のことが発端だったが、あらゆる人が自分を認められる社会をめざしてい る。 ・年間10回ほどの活動を神戸でやっている。 ・当事者の会はあるが、家族の会は少ないので遠方からも来られる。 ・家族以外でも、友達、支援者、研究者、当事者等さまざまな方が来られる。 ・カミングアウトについて相談の場にもなっている。 ・神戸、東京、福岡、名古屋でも活動しているが、福岡が熱心である。 1 ・主な活動は4つで①サポート事業 ②普及啓発事業 ③提言事業 ④調査事業 ・提言活動は、社会的影響の大きい議員等の不適切発言に対する要望、避難所での配慮 申し入れ等。 ・調査研究では、2011年に兵庫県議、神戸市議にアンケートを実施。 (医療関係、カウンセラー、行政職員への研修が必要。教育現場での対応等) つなぐ会参加者へのアンケート(教育現場での啓発が必要、性が多様であることを小 さい時から教えてほしい。行政に相談窓口をつくってほしい。多くの人に人権課題と して認識してほしい等) ・行政の職員向けに、当事者の声を活かす研修会を実施してほしい。 ・2011年春、神戸市と連携して市内中高生向きにパンフレットを7万枚配布した。 ・関東の団体とも協力して、親の声を届けるための教職員用冊子の作成に協力した。 ・九州の小さな自治体いくつかが共同で独自の副読本を作成している。 ・文科省が性同一性障害の子供達への配慮の文書を出したが、性同一性障害だけでない 多様な性という言葉も入れてもらった。 ・神戸市もできるところから、ぜひ取り組んでほしい。 ●報告者 ・2003年に大阪市で開設したLGBTのリソースセンターで、LGBT当事者、学校関 係、行政等が参加している。 ・主な活動は、①学校、自治体、医療・福祉機関への啓発活動、②自助活動 ・啓発活動は、小学校から大学まで、年間30~40件の研修、授業 福祉団体への講演、行政との連携。 ・自助活動としては、当事者や関係者向けのお茶会、孤立している子供達をサポートす るためのグループワーク。 ・淀川区から委託の電話相談。 ・メンタルヘルスに悩んでいるLGBTのために、安心して自分の事を考えられる場所 の提供。 ・子供と生活している、しようとしているLGBT同士の出会い、問題共有の場提供。 ・次に今日、言いたい事は、 ・どこにでもLGBTはいる。普通に生活している。いない事にされているだけ。 ・いないことにされているのが辛い、いることを知ってほしい。 ・そのためにどうしたらいいのか。 書類の性別欄の見直し、だれでもトイレの表示、市民病院への研修(病状説明や性別 の取扱い、緊急連絡先カードによる本人の意思表示の尊重)、同性間パートナーから のDV、保育園への同性パートナー存在の周知、未婚世帯のみなし寡婦控除の導入、 2 性別にこだわらず柔軟な制服着用をみとめてほしい(性別による制服着用の違和感→ 不登校→低学歴→低収入のおそれがある)、就活の困難さ(男女別スーツ着用困難、 履歴書の性別欄記載について、ハローワーク職員へのLGBT研修)、市教育委員会、 市役所職員への研修、リーフレットの作成、相談窓口の改善(LGBTからの相談受 付)、いじめの指針への盛り込み、(大阪では大阪市の担当課が同性カップルも里親 登録当然できると明言する嬉しいニュースがあったが)LGBTの人の里親・養育里 親への登録、などの改善を考えてほしい。 ・LGBTにも合理的配慮は必要、国に対して働きかけをしている。 ・大阪では淀川区がLGBT宣言をして、積極的に取り組んでいる。 ・計画の理念に性指向や性自認によって差別されない、という文言がはいると嬉しい。 ●報告者 ・2001年7月から神戸という地域に根ざして活動している。 ・エイズの活動から始め、ともに生きるという事を発信している団体である。 ・神戸から活動を始めたが、現在は全国的に活動を広げている。 ・主な活動は、シェルター運営による生活困窮に陥った若者等の相談・支援事業 (全国的にも珍しいメンズシェルターを設けている)、東中・四国ブロックの各県と 協働したHIV陽性者ミーティング、兵庫県教委との協働による性的マイノリティの 人権教育推進事業(4月の文科省通知の実施に関する提言等)、神戸市保健所、兵庫 県疾病対策課との協働によるHIV陽性者支援事業、兵庫県弁護士会との協働による 研修企画など。 ・多くの人は知らないが、世界的にみるとパートナーシップ制度や同性婚はほとんどの 先進国が取り入れている。日本の国内では、そういう情報が流れないし、国がさまざ まな施策を打ち出しても、県民・市民に届いていない。当事者はその施策を知ってい ても、教育啓発が行き届いていないために理解されず、苦しい思いをしている。ぜひ 神戸市の担当者は世界の流れ、日本の流れを理解してほしい。 ・同性婚についても認められていないため、婚姻による法的権利が受けられない実情を 知ってほしい。 ・親にも言えず死んでいく人もいる。 ・家族の理解を得られず経済的に苦しいLGBTの若者の支援をしている。 ・神戸市への要望。人権推進課に対しては、計画での詳細な記述、研修の実施。男女共 同参画課へは、差別禁止の条項制定。教育委員会へは、神戸独自のマニュアル作成、 各校への指導、進捗確認。保護課へは、保護申請担当者への研修。予防衛生課には宿 泊業者への指導等をお願いしたい。 ・観光コンベンションの関係からもLGBTが快適に過ごせるようにして、それを打ち 3 出す形で誘致していいのではないか。 ・HIV感染(男性とセックスする男性に偏って広がっている状況)についての正確な 啓発をしてほしい。 (2)意見交換 ●事務局 非常に基本的なことですが、実際私達のまわりにもどのくらいの数の方がいらっしゃ るのか、実感としては分からない。調査によると5%~7%、いや実際はそれ以上の 方がいらっしゃるけれど、言えないのでわからないだけ、という事なのでしょうか。 ●報告者 言えていないから見えなくなっているだけだと思います。 自分から言うと、私もそうです、と言われますし、この会議の人数では2人くらいい らっしゃるかと。 ●委員 本人が気づかないというケースもあるでしょう。 ●報告者 気づいても、悪い情報が多いと、自分は違うと思いたい、気づかないふりをしておこ うという事で、30か40歳くらいになってもう一度ふたを開けるという事もあります。 ●委員 性別が不明のケースも必ずあることは産科の医療者は誰でも知っていますが、インフ ォームド・コンセントをどの時点で誰にどうするかが難しい。 ●報告者 学校の先生もそういう事を知ってほしい。教育・啓発は重要だと思います。 ●報告者 私の方で面談した方の中にも、60代既婚者でお子さんもいらっしゃるけれど、最近に なって初めて自分はゲイであることに気づいた、これからでも自分らしく生きたいと いう方もいらっしゃいました。 ●委員 FTM(事務局註:女性から男性への性別適合手術)とMTF(事務局註:男性から女性への性別適 合手術)の割合はどのくらいですか。 ●報告者 性同一性障害学会では、FTMの方が多いようですが、海外や、学会に入っていない 医療機関での数は入っていません。手術を受けても戸籍は変えない人もいらっしゃる ので、本当のところの数はわかりません。 4 ●委員 今日もいろいろな要望を具体的に言っていただいているのですが、今回の計画のなか に、実際どれぐらい盛り込めるものか、どんなことを工夫すると盛り込みやすいか、 というのはどうなんでしょう。 ●事務局 現時点では、計画の中でどういう記述ができるかは具体的に想定できていないのです が、やれるけれどもできていない事がいろいろあります。 ですから、行政としてできる事は盛り込んでいって、今日集まっている啓発部会のメ ンバーと一緒にやっていきたいと思います。 ●委員 今日のお話しで気になるのは、複合差別という状態。社会の制度、社会関係からの排 除されている社会的排除をどう克服していくか。 社会の弱みが差別や人権侵害としてあらわれていると思うので、都市としての品格を どう高めていくかを考えていかないといけない。 ●委員 いわゆる先進国の中で、同性婚や性自認について全く法的にふれていないのは日本だ けになっています。性だけの話ではなく生活の話だと思います。 ●報告者 東京オリンピックを控えて、この5年の間に国としての動きもあると思うので、計画 の中にもLGBTとオリンピック憲章について触れてほしいと思います。 閉会(15:00) 5