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新産業創造に向けた産業技術戦略(705KB)
新産業創造に向けた産業技術戦略 経済産業省 研究開発課長 中村 幸一郎 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 我が国経済・社会が直面する国内外の課題 <今日~将来> (時間軸にかかわらず、普遍的な課題) ・ 国際競争力ある生産活動の確保 ・ 国際競争力ある生産活動の確保(国富の維持、質の高い雇用の確保) 国際競争力ある生産活動の確保(国富の維持、質の高い雇用の確保) ・ 国土・公衆の安全・秩序の維持(脅威への対応、難病克服等) <2005年~2010年> 2005年 ・世界最高水準のIT国家の実現 ・国内人口増加のピーク ・国内人口増加のピーク(国内需要の減少、国民負担率の増大) 国内人口増加のピーク(国内需要の減少、国民負担率の増大) 2007年 ・大学全入時代の到来(大学淘汰の時代) ・団塊の世代の引退(民間企業の技術・技能の継承問題) <2010年~2025年> 2010年代初頭 ・財政プライマリーバランスの黒字化 2012年 ・京都議定書のCO 2012年 ・京都議定書のCO2削減目標の達成 <2025年~2100年以降> ・石油・天然ガス資源枯渇の 石油・天然ガス資源枯渇の危機が顕在化 危機が顕在化※ が顕在化※ ・世界人口90億人を突破 ・全地球平均気温3~4度上昇 ・全地球平均気温3~4度上昇 (出典:産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会資料 一部修正) 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 1 7つの新産業分野と重点施策 【抽出の4条件 抽出の4条件】 抽出の4条件 ①日本経済の将来の発展を支える戦略分野 ②国民ニーズが強く、内需主導の成長に貢献する分野 ③最終財から素材まで、大企業から中堅・中小まで、大都市から地方ま で広範な広がりがあり、我が国の産業集積の強みが活かせる分野 ④市場メカニズムだけでは発展しにくい障壁や制約あり、官民一体の 総合的政策展開が必要な分野 【先端的な新産業分野】 先端的な新産業分野】 燃料電池 ・自動車や家庭用などで大きな市場が期待 ・環境対策の切り札 ・市場創出に向け耐久性・コスト面で課題 情報家電 ・日本が強い擦り合わせ産業 ・たゆまぬ先端技術と市場を創成 ・垂直連携、技術開発、人材、 知的財産保護に課題 ロボット ・介護支援、災害対策、警備など 人を支援・代替したり、 人に出来ないことをさせるニーズ ・技術力に日本の強み ・市場創出、技術開発、規制に課題 コンテンツ ・情報家電ともに大きな成長が期待 ・日本のコンテンツの広がりが 世界の文化や市場にも波及 ・流通、人材、資金調達などに課題 7分野ごとに、具体的な 市場規模、目標年限を 明示した政策のアクショ ンプラン等を明示 【地域再生の産業分野】 地域再生の産業分野】 【市場ニーズの拡がりに対応 する新産業分野】 する新産業分野】 地域を基盤とした先端産業 ・地域環境(産業クラスター)の創出 ・大学からの技術移転の進展 ・横のネットワーク化、産学連携、 伝統と先端技術との融合、人材育成が課題 健康福祉機器・サービス ・健康な長寿社会の構築 ・高齢者の社会参加 ・財政負担少ない福祉 ・健康産業の国際展開 ・制度改革、IT化、バイオ技術等で課題 ものづくり産業の新事業展開 ・地域のものづくりの伝統・文化の潜在力 ・世界に誇る「高度部材産業集積」 ・横のネットワーク、製品化開発、 販路開拓、資金調達に課題 環境機器・サービス ・きれいな水、空気、土壌の回復 ・優れた環境・エネルギー技術による 機器・サービスの開発 ・環境規制、技術開発、情報開示等の課題 地域サービス産業の革新 ・観光や健康などで、独自の魅力持った 付加価値高い事業の展開 ・ブランド作り、外部企業との連携推進に課題 ビジネス支援サービス 食品産業の高付加価値化 ・事業再編に伴う非コア業務分離、外注化 ・ITを柱に新たなサービスが拡大 ・雇用吸収先としての期待 ・人材育成、品質・生産性に課題 ・安全・安心な食品の提供と市場開拓 ・トレイサビリティ、品質管理、ブランド化、 効能に関する分析、技術開発と 産学連携に課題 革新技術(ナノテク、バイオ、IT、環境) 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 2 出所:新産業創造戦略(平成16年5月 経済産業省) 我が国の技術力と国際競争力の評価 総 合 順 位 科学総合ランク(対象47ヶ国) 順位 0 米国(1位) 日本(2位) ドイツ(4位) 5 フランス(7位) 米国(1位) 0 5 10 ドイツ(15位) 15 10 イギリス(14位) 15 イギリス(16位) 20 フランス(22位) 25 30 日 本(30位) 20 91 92 93 94 95 96 97 98 99 00 年 35 97 科学総合ランクでは2位… 科学総合ランクでは2位 科学総合ランクでは2位… 科学総合ランクでは2位 98 99 00 01 02 年 総合ランクでは30位… 総合ランクでは30位 <日本のランクが高い項目> <日本のランクが低い項目> ★特許登録件数(1位) ★特許登録件数(1位) ★海外特許取得件数(2位) ★海外特許取得件数(2位) ★新規企業開業は当たり前に行われているか(48位) ★新規企業開業は当たり前に行われているか(48位) ★大学教育は国際経済競争に対応しているか(49位) ★大学教育は国際経済競争に対応しているか(49位) ★一人当たり民間企業研究開発投資額(3位) ★一人当たり民間企業研究開発投資額(3位) ★一人当たり研究開発投資額(1位) ★一人当たり研究開発投資額(1位) ★経営者に起業家マインドはあるか(49位) ★経営者に起業家マインドはあるか(49位) ★科学技術への若者の関心度(46位) ★科学技術への若者の関心度(46位) ★研究開発従事者数(1位) ★研究開発従事者数(1位) ★企業と大学の技術移転は十分に行われているか(41位) ★企業と大学の技術移転は十分に行われているか(41位) ★技術開発や応用が法的に支援されているか(29位) ★技術開発や応用が法的に支援されているか(29位) (出典:IMD「The World Competiveness Yearbook 2002」(2001年版基準)) (注)国際経営開発研究所(IMD:International Institute for Management Development) スイスに所在するビジネススクール・研究機関。 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 3 産業技術政策の基本的考え方(1) ○中国等の追い上げ、少子高齢化社会の到来、乏しい資源 という逆境の中で、日本はいかに豊かさを維持・向上して いくか。 産業競争力の強化 ○日本は技術力が高いのに、なぜ競争力に活かしきれない のか。 技術革新システムの改革 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 4 産業技術政策の基本的考え方(2) 優先的に取り組むべき課題 (1)研究開発投資の戦略的展開 (2)産学官連携の強化 (2)産学官連携の強化 (3)理工系人材の育成・確保 (4)基礎研究の競争環境・透明性の向上 (4)基礎研究の競争環境・透明性の向上 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 5 我が国のイノベーション・システムと政策課題 国民 国民 説明責任 総合科学技術会議 総合科学技術会議 政府調達 政府研究開発 投資戦略 関係府省 関係府省 規制改革 税制 公的研究の 競争環境 公的研究機関 公的研究機関 資金・人材・知識 の流れ・連携 大学 大学 人材流動化 理工系 教育 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 6 国際標準 知財管理 民間企業 民間企業 ベンチャー 促進 (出典:産業構造審議会産業技術分科会基本問題小委員会資料 一部修正) 技術戦略マップ策定の目的 技術戦略マップ及びその策定プロセスを通じて、 (1)当省が行っている研究開発投資に関し、その考え方、内容、 成果等について国民に説明を行い、理解を求める。 (2)技術動向、市場動向等を把握するとともに、重要技術の 絞り 込み等を行い、当省が研究開発プロジェクトを企画立案するた めの政策インフラを整備する。 (3)専門化する技術、多様化する市場ニーズ・社会ニーズに対応 するため、我が国の研究開発に関し、異分野・異業種の連携、 技術の融合、関連施策の一体的実施等を促進するとともに、 産学官の総合力を結集する。 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 7 技術戦略マップの内容 (1)研究開発とともにその成果を製品、サービス等として社会、国 民に提供していくために取り組むべき関連施策を含めた「導 入シナリオ」 (2)市場ニーズ・社会ニーズを実現するために必要な技術的課題、 要素技術、求められる機能等を俯瞰するとともに、その中で 重要技術を選定した「技術マップ」 (3)研究開発への取り組みによる要素技術、求められる機能等 の向上、進展を時間軸上にマイルストーンとして示した「ロー ドマップ」 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 8 策定分野 ○情報通信分野 ○環境・エネルギー分野 ・半導体 ・ストレージ・不揮発性メモリ ・コンピュータ ・ネットワーク ・ユーザビリティ(ディスプレイ等) ・ソフトウェア ・CO2固定化・有効利用 ・脱フロン対策 ・化学物質総合管理 ・3R ・エネルギー (資源エネルギー庁において策定中) ○ライフサイエンス分野 ○製造産業分野 ・創薬・診断 ・診断・治療機器 ・再生医療 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 ・ロボット ・航空機 ・宇宙 ・ナノテク ・部材 ・MEMS ・グリーンバイオ 9 策定プロセス ○技術マップ及びロードマップについて、策定分野毎にNEDO 等(CO2固定化・有効利用についてはRITE)に設置したタスク フォースにおいて原案を作成。本タスクフォースには、大学、 民間企業(製品、部品、材料、装置メーカー等)、経済産業省、 NEDO、産総研等が参加し、産学官の知見を結集。 ○また、産業構造審議会産業技術分科会研究開発小委員会 (委員長:小宮山宏東大副学長(当時))にて審議(昨年7月か ら4回開催)願うとともに、同小委員会委員による分野別の意 見交換会を実施。 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 10 特徴 (1)技術戦略マップを策定・整備するのは、当省としても、政府としても、初めての 試み。 (2)内容面での大きな特徴は以下のとおり。 ①3部構成とし、研究開発の成果が世の中へ出ていく道筋を階層的に示したこと ②必要となる要素技術、技術的課題、関連施策等を一覧的に取りまとめたこと ③各分野の重要技術の考え方を提示し、重要技術を絞り込んだこと ④市場ニーズ、社会ニーズの実現に必要な技術分野を包括的にカバー(20分野) していること (3)策定プロセスを重視し、タスクフォースの作業に、第一線の若手研究者の参画 とともに、ユーザー・メーカー企業、医療・介護等の現場の方々など製品・サービ スを実際に使用する際の意見を汲み上げるようにし、総勢約300人で検討。ま た、基盤技術、技術融合、横断的課題等を議論できる体制を整備。 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 11 活用方法 ○官民における研究開発の戦略、内容等を検討するための参考 として幅広く産学官の として幅広く産学官の活用に供する。 幅広く産学官の活用に供する。 ○技術マップにおいて重要技術課題を選定したところであり、 今 後、官民の役割分担、個別企業の経営戦略、知財の状況 等 を踏まえ、新規研究開発プロジェクトの企画立案、実施中 プロ ジェクトの検証等に活用していく。 ○政府ベースでの研究開発に係る資源配分のあり方について、 技術戦略マップという手法の活用を提案する。 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 12 運営方針 ○技術動向や市場動向等を踏まえ、内容をブラッシュアップする ため、定期的にローリングする。 ○経済産業省、NEDOのホームページに掲載し、広く外部から のアクセスを可能とする。 ○上記プロセスにより、研究開発に関する情報、知見を継続的に 蓄積するとともに、人的ネットワークを形成する。 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 13 御清聴ありがとうございました。 経済産業省のHPから 技術戦略マップ(編集可能な電子媒体含む)が入手可能です。 http://www.meti.go.jp/report/data/g50330bj.html また、技術戦略マップに関する御意見・御質問は 以下のアドレスまでお寄せ下さい。 [email protected] 2005/05/11 NEDO電子・情報技術ロードマップ成果報告会 14