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NJM3770Aを使用した高電流ドライブ

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NJM3770Aを使用した高電流ドライブ
NJM3770Aを使用した高電流ドライブ
NJM3770Aの絶対最大電流は、1.8Aです。場合によっては、高電流ドライブ機能が必要になります。
この章では、最大3A/相の電流を得られる方法について説明します。これは、各相ごとに、2本の別巻線をもつ
ステッピングモータを使用することで達成できます。各巻線は3770Aで制御され、1 つの相にあるドライバは
並列で駆動されます。これによって、各相の電流ドライブ性能は、約3Aまで向上します。デュアルドライバを含
む、すべてのステッピングモータドライバICを同様に使用できます。
基本設計
この回路(図3参照)は、標準構成(データシート参照)の3770Aを4個と、ステップシーケンス発生器と
して使用される3517で構成されます。このアプリでフルステップまたはハーフステップを実行できます。
Vrefには、5V電源(VCC)または別に用意した基準電圧源が使用できます(別に用意した基準電圧源のほうが
一般により正確です)。Rs=0.33Ω、Vref=5Vとすると、各ドライバのモータ電流は約1200mAにな
り、各相につき2.4Aが得られます(100%レベル)。モータ電流は、VrefおよびRsを変化させることで変
更できます。
修正ハーフステップとするには、図3の点線内にあるトランジスタと抵抗の代わりに、図1の回路を使います。
追加されたロジック回路は、100%と60%の電流レベルを切り換えるために、I0およびI1入力部を使用し
ています。
これら類似の2回路をうまく動作させるには、よく吟味された条件が必要です。モータから可聴域ノイズを発生
させる原因となる、高周波干渉が発生することがあります。この干渉ノイズは、ドライバ回路の非同期定電流ス
イッチングのために起こります。このときモータは非直線ミキサーとして働くため、さまざまな周波数が発生しま
す。したがってこの非同期回路を使用する場合は、モータの選択が重要になります。また非同期スイッチングに
よって、電源から大きな過渡負荷電流を流します。
同期
ノイズを低減または除去し、電源により円滑な負荷を与えるため、同期電流スイッチングが使えます。同期はさ
まざまな方法で行うことができます。このアプリでは、ハーフステップを使用する場合、1つの相が完全にオフに
なるためマスタ/スレーブ同期は使用できません。外部発振器によって、4つすべての駆動回路を制御します(図
2参照)。3775のようなデュアルドライバでは、Dis入力またはVrefがゼロになってモータ電流がオフに
なっても、発振器は動作し続けます。このため、マスタ/スレーブ構成を使用することができます。
I0 1 I1 1
Vcc
10 kΩ
74HC00
Disable
&
ØA
&
&
ØB
&
I0 2
IC 1
I1 2
&
IC 1 C2 R2
&
図1 図3に追加することで修正ハーフ
ステップモードを実行できるロジック
回路
&
C3 R3
+Vcc
D2
R1 P1
表1 図
2で使用された構成要素の値
図2
記号
+Vcc
D1
IC 1 1
C1
68 kΩ
1 kΩ
100 Ω
56 kΩ
C1,C2, C3, C4
C5, C6, C7
820 pF
P1
50kΩ trim
IC1
4093
Oscillator
T
R6
C4
R7
C5
R8
C6
R9
C7
R4
Q2
IC 1 2
R5
&
T
T
Q3
T
Q4
値
R1
R2, R3
R4, R5
R6, R7, R8, R9
Q1
Inverter
HP-filter
Buffer
1
2
Q1, Q2, Q3, Q4 BC547 または同等
D1, D2
IN4148 または同等
図2 図3の設計とその出力信号での電流切り替えの同期に使用される発振器回路
電源に円滑といえる負荷を与えるため、ドライバ回路は対で同期をかけます。すなわち片方の相である2つのド
ライバは並列でスイッチングされ、2つの相は180°位相がずれています。また、各相で1つのドライバを同期
して、他の2つのドライバを180°ずらすことも可能です。(アプリケーションノートの「同期」*を参照して
ください。)
図2は、このアプリでテストされる外部発振器を示しています。4093CMOSシュミットトリガNAND
ゲートといくつかの部品で、2つの出力部をもつ発振器を構成しています。出力は180°位相がずれていて、
HPフィルタとシュミットトリガバッファによって、短い正のパルスを発生します(図2参照)。
3770AのT入力部は、標準NPNトランジスタによって制御されます。T入力部で3770Aを制御する方
法については、アプリケーションノートの「同期」*を参照してください。T入力部の抵抗とコンデンサは、干渉
を抑制するために必要です。
(*:同期によるシングルチャンネルドライバのノイズと干渉の低減)
結論
この対策で、電流スイッチングによる干渉と、その干渉が起こすモータノイズは、劇的に低減されます。電源電
流は円滑になり、過渡電流が減少します。
+V MM
+5 V
11
6
3, 14
V
V
V
8
CC
MM
Phase R
7
I0
9
NJM3770A
I1
1
M
B
M
A
T
GND
2
Vref
C
4, 5
12, 13
56 kΩ
16
1kΩ
820 pF
15
E
10
RS
0.33 Ω
820 pF
+
VCC
11
10 kΩ
6
3, 14
V
V
V
8
CC
MM
Phase R
7
I0
9
NJM3770A
I1
10 kΩ
M
B
M
A
T
I01
GND
2
I11
C
10
4, 5
12, 13
10 kΩ
Step
Half/Full
Step
6
7
10
V
CC
PA1
DIR
STEP
HSM
NJM
3517
ØA
+V
MM
VCC
9
10 kΩ
ØB
INH
0.33 Ω
820 pF
4
8
GND
3
11
6
3, 14
V
V
V
8
CC
MM
Phase R
7
I0
9
NJM3770A
I1
PB1 2
11
STEPPER
MOTOR
RS
47 kΩ
16
Direction
16
1kΩ
820 pF
15
E
56 kΩ
TUN
47 µF
1
47 kΩ
B
M
A
T
TUN
GND
2
C
4, 5
12, 13
I12
16
1kΩ
820 pF
15
E
10
56 kΩ
I02
1
M
RS
0.33 Ω
820 pF
+
VCC
10 kΩ
10 kΩ
11
6
47 µF
3, 14
V
V
V
8
CC
MM
Phase R
7
I0
9
NJM3770A
I1
1
M
B
M
A
T
GND
2
56 kΩ
820 pF
C
15
E
10
4, 5
12, 13
16
1kΩ
820 pF
RS
0.33 Ω
図3 4つのNJM3770Aを使用した高電流設計(2.5A/フェーズ)
Diodes are
UF 4001 or
BYV27
t ≤ 100ns
rr
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