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ブラジルの海底油田における原油流出事故の対応策

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ブラジルの海底油田における原油流出事故の対応策
ブラジルの海底油田における
原油流出事故の対応策
環境パート 2 班
田中聡
ファンスヒョン
堀江航一
前川真裕子
目次
序論 ......................................................................................................................................... 2
第 1 章 現状分析................................................................................................................... 3
1-1 石油と石油掘削 .......................................................................................................... 3
1-2 メキシコ湾原油流出事故について ............................................................................. 4
1-2-1 概要 ..................................................................................................................... 4
1-2-2 環境被害 .............................................................................................................. 5
1-2-3 補償 ..................................................................................................................... 6
1-2-4 特徴 ..................................................................................................................... 6
1-3 ブラジルにおける海底油田開発 ................................................................................ 7
1-3-1 プレソルトの概要 .................................................................................................. 8
1-3-2 プレソルトの開発状況 ........................................................................................ 9
1-3-3 プレソルト開発に関わる法案 ........................................................................... 10
1-3-4 外国企業の参入 ................................................................................................. 10
第 2 章 問題提起................................................................................................................. 12
2-1 原油流出事故への対応策 ......................................................................................... 12
2-1-1 アメリカの海底油田における事故対策............................................................. 12
2-1-2 ブラジルの海底油田における事故対策............................................................. 14
2-2 海底油田での油濁事故における補償制度 ................................................................ 14
2-3 ブラジルで補償制度が存在しないことによる弊害 ................................................. 16
第 3 章 政策提言................................................................................................................. 17
3-1
OPOL(沖合汚染責任協定) .................................................................................. 17
3-2 油濁法(OPA) ............................................................................................................ 17
3-3 海底資源責任条約(CLEE)................................................................................... 18
3-4 ブラジル版補償制度の構築...................................................................................... 18
終論 ....................................................................................................................................... 21
取材先 ................................................................................................................................... 22
参考資料 ............................................................................................................................... 22
参考文献 ............................................................................................................................ 22
参考 HP............................................................................................................................. 23
1
序論
「エネルギー問題」というと、エネルギーの供給不足や需要側の節約などが
注目されている。しかし、エネルギーにまつわる問題はそのようなものだけで
はない。
2010 年、アメリカのメキシコ湾で過去に例を見ないほどの原油流出事故が発
生した。この事故は、メキシコ湾にある海底油田を掘削する際に起きた事故で
あるが、海底油田が水深 1,000mよりも深いところにある大水深油田であったが
ために、原油流出事故史上最悪の事故となった。このような事故が海洋の生態
系にもたらす被害は計り知れない。現在、世界で大水深が多く存在していて、
その掘削が進んでいるのはブラジルである。特に 2007 年以降、ブラジル沖でプ
レソルトと呼ばれる南米随一の大水深海底油田が発見されてからは、ブラジル
政府とブラジル国営石油会社ペトロブラスがその掘削に注力している。しかし、
現行のブラジルの海底油田掘削事故対策は十分なものであるとはいえない。そ
こで、ブラジル沖の海底油田開発の際に、メキシコ湾の事故のような被害を繰
り返さないようにするために、その対策を提言することを目的に本論文を執筆
することにする。
第 1 章では、石油が海洋に流出することが生態系に及ぼす被害を明らかにし、
2010 年のメキシコ湾で起きた事故について考察する。さらに、ブラジルにおけ
る海底油田開発の現状と現行の事故に対する対策を述べる。
第 2 章では、ブラジルの海底油田掘削時の事故への対策で補償制度がないこ
とを問題提起として挙げる。さらにアメリカの補償制度について紹介し、その
補償制度がないことによる弊害を明らかにする。
第 3 章では、北海油田で実施されている OPOL(沖合汚染責任協定)を参考
に、ブラジルにおける新たな補償制度として「ブラジル版補償制度」を提言す
る。
2
第 1 章 現状分析
本章では、世界でエネルギー消費量が一番多い石油について述べた後、海底
油田に着目する。その後 2010 年にメキシコ湾にて起きた海底油田での原油流出
事故について述べ、大水深に注目する。そこで、現在世界で最も大水深開発が
行われているブラジルのプレソルトと呼ばれる海底油田について言及する。
1-1
石油と石油掘削
図 1 世界の一次エネルギー消費(2011 年)1
エネルギー源として世界的に最も多く使われているのは石油である(図 1)。
石油は一般的に陸上油田と海上油田から採掘されている。特に、海底油田から
の石油採掘は、潜在埋蔵量の面で優れていると評価され今後採掘が伸びていく
と予測されている(図 2)。このように海底油田からの石油採掘が増えている一
方、それに伴う石油流出事故の危険性も高まっている。
株式会社 JX 日鉱日石エネルギー 「世界の一次エネルギー消費の推移」を元に筆者作成
http://www.noe.jx-group.co.jp/binran/data/pdf/1.pdf
1
3
図 2 増加する海上での石油/ガス生産2
1-2
メキシコ湾原油流出事故について
本節では、海底油田からの石油流出事故の代表的な例であるメキシコ湾での
原油流出事故について詳しく説明する。
1-2-1
概要
表 1 世界の石油流出事故3
日本郵船株式会社 「ファクトブック 2013 [ I ] 海洋事業」
http://www.nyk.com/ir/library/fact01/pdf/2013_factbook01_16.pdf
3 日本経済新聞 「原油流出最悪に、米、エネルギー政策修正、沖合油田開発の停滞必至」
2010 年 5 月 29 日 朝刊 p.7 を元に筆者作成
2
4
2010 年、BP 社の石油掘削施設である「ディープウォーター・ホライズン」
で天然ガスが引火爆発し大量の原油がメキシコ湾へ流出した。この事故は米国
史上最悪の原油流出事故とともに世界の歴史上においても最悪の原油流出事故
となり、87 日間で総量 490 万バレル(78 万キロリットル)にも至る原油の噴出
が続いた4(表1)。
図 3 メキシコ湾原油流出事故の原油流出範囲5
1-2-2 環境被害
本節では、石油の海洋流出が生態系に与える影響について述べる。
海底油田から石油が流出する際、海洋へ与える影響が 3 種類ある。まず、固
体レベルの影響がある。このレベルは生育帯の一部が抜け落ち、裸地化する程
度の影響である。次に、個体群レベルの影響がある。このレベルは長期にわた
り続き、重油の滞留することによる影響である。また、群落レベルの影響があ
る。このレベルは直接・間接的に群落構造にさまざまな変化を起こす。以上の
ように、海洋への石油流出は主に生態系への影響を与え、その結果奇形生物が
発生することになる6。
メキシコ湾原油流出事故においてもこのような生態系への被害が発生した。
たとえば、メキシコ湾のカニ・エビ・魚などの海産物に被害が起こり、メキシ
コ湾全体の 37%が漁業閉鎖海域になった。また、鳥類にも被害があり、救助し
た鳥類 8233 匹のうち 614 匹が死亡した。また、深海における原油層であるプル
小塚荘一郎・梅村悠(2012) 「洋上資源開発における海洋環境の保全 : Montara 油井事故と
Deepwater Horizon 号事故を教訓とした立法提案」 新世代法政策学研究 18 pp.1-44
5 朝日新聞「メキシコ湾原油流出、悪化の一途 米また推定値見直し」
http://www.asahi.com/eco/TKY201006160157.html
6 海洋工学研究所出版部 「重油汚染 明日のために―「ナホトカ」は日本を変えられるか」 海洋
工学研究所出版部 1998
4
5
ーム7が発生し、アメリカの政府の報告によると 22%の油が現在にも残存してい
る8。
図 4 海洋への石油流出により発生した奇形生物9
1-2-3 補償
以上のように、史上最悪の事故だったメキシコ湾原油流出事故において BP 社
は被害者に莫大な補償をすることになった。具体的に補償の内容を説明すると、
BP 社は賠償基金として総額 200 億ドルを用意することでオバマ大統領と合意を
したが、この金額はアメリカ油濁法での上限額 7,500 万ドルを非常に上回る金
額である。BP 社は、2013 年時点で 197 億ドルを賠償金としてすでに使用し、
総額で 420 億ドルになると見込まれている10。
1-2-4 特徴
メキシコ湾原油流失事故は、今までに起こった石油の事故の中で、最大規模
の事故であったとされている(表 1)。
また、いまだにすべての問題が解決したわけではなく、原油が環境や生態系
に与える影響は計り知れない。このような、大規模事故につながってしまった
一番の原因は事故現場が大水深であったことがあげられる。一般的に掘削現場
が大水深であると、事故のリスクが高まり、被害も拡大する11。また、今回の事
故で、BP 社が原油・生態系の回収や損害賠償金に費やして額は 424 億ドルであ
る。さらに、現在行われている訴訟で BP 社に、全面的に非があると確定されれ
7
原油流出が原因で深海部に出現する巨大な原油層のこと。
小塚荘一郎・梅村悠(2012) 「洋上資源開発における海洋環境の保全 : Montara 油井事故と
Deepwater Horizon 号事故を教訓とした立法提案」 新世代法政策学研究 18 pp.1-44
9 National Geographic 「メキシコ湾で新種の魚、原油で危機」
http://www.nationalgeographic.co.jp/news/news_article.php?file_id=20100712001
10 ロイター 「米控訴裁、原油流出事故で英BPの賠償支払い基準の見直し指示(2013/10/4)」
http://newsbiz.yahoo.co.jp/detail?a=20131004-00000000-biz_reut-nb
11 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 石油・天然ガス資源情報 「日本上流産業
の大水深チャレンジ! 」http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/3/3617/201007_001a.pdf
8
6
ば、最大 176 億ドルの民事制裁金が科されると言われ、BP 社の経営が傾きかね
ない状況となっている12。
1-3
ブラジルにおける海底油田開発
メキシコ湾の海底油田の事故を踏まえると、ブラジルの海底油田が同様の大
規模事故が発生する可能性が高い。ブラジル沖は基本的に水深 1,000 メートル
を超える大水深であり、油田開発が盛んであるからである。図 4 に示されてい
る通り、他の地域と比べて南米で稼働しているリグ13は多い。さらに、近年、ブ
ラジル沖の岩塩層下の超深海油田地帯では油田が次々と発見されており、現在
の油田の掘削・採取に力を入れている14。特にリーブラ鉱区では、石油埋蔵量
80~120 億バレルと見込まれている15。
図 5
稼働水深 1,000m 以上の大水深リグの稼働水域16
図 5 は現在世界で稼働しているリグの数であり、南米が一番多いことが分か
12
日本経済新聞 「英BP、賠償金増加で苦境、メキシコ湾原油流出、責任範囲、線引き難しく」
2010 年 8 月 1 日 夕刊 p.3
13 移動式海洋掘削装置の一種であり、接地式甲板昇降型海洋掘削装置である。
JOGMEC 石油・天然ガス用語辞典より http://oilgas-info.jogmec.go.jp/dicsearch.pl
14 進展するブラジル石油開発 ―海底油田プレソルト―
http://d-arch.ide.go.jp/idedp/ZLA/ZLA201112_005.pdf
15 国際油濁補償基金事務局「油濁損害賠償に関する国際条約について(現状と展望)」
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4295/201101_027a.pdf
16 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 石油・天然ガス資源情報 「日本上流産業
の大水深チャレンジ! 」 を元に筆者作成
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/3/3617/201007_001a.pdf
7
る。また、図 6 と合わせて考えると、今後のブラジルでの原油生産量は増えて
いくことが予想され、開発が進むことが見込まれる。
図 6 ペトロブラスのプレソルト開発計画17
以上より、海底油田の大水深開発が世界一盛んなのは南米であることが明ら
かになったので、本節ではブラジル沖で発見された南米随一の大水深海底油田
「プレソルト」に関して言及する。
1-3-1 プレソルトの概要
プレソルトとは、ブラジル沖合のエスピリトサント盆地、カンポス盆地、サ
ントス盆地の大水深に存在し、延長約 1,000km、幅数 100km に及ぶ下部白亜系
岩塩層直下の炭酸塩岩を貯留岩とする大水深・大深度の新プレイの呼称である18。
プレソルトは、図 7 のプレソルトエリアに位置している。
2007 年 11 月、ブラジルの国営石油会社ペトロブラスはサントス盆地 BM-S-11
鉱区の Tupi 油・ガス田の可採埋蔵量は原油換算で 50~80 億バレルであると発
表した。その後、サントス盆地のプレソルトでは Jupiter ガス・コンデンセート
田、原油換算で可採埋蔵量 11~20 億バレルの Guara 油田、30~40 億バレルの
Iara 油田などが発見されている。カンポス盆地のプレソルトでも Marlim、
Albacora Leste など岩塩層の上部、ポストソルトからすでに生産を行っている
17
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 「プレソルト開発で大産油国への躍進を狙
うブラジル」http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4295/201101_027a.pdf
18 JOGMEC 石油・天然ガス用語辞典
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/dicsearch.pl?freeword=%E3%83%97%E3%83%AC%E3%8
2%BD%E3%83%AB%E3%83%88%EF%BC%88%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8
%E3%83%AB%E6%B7%B1%E6%B5%B7%EF%BC%89&target=KEYEQ
8
油田のプレソルトで発見が続いている19。このように油田が相次いで発見されて
いるため、プレソルトは南米随一の大水深海底油田であることが分かる。
図 7 プレソルトの位置20
1-3-2 プレソルトの開発状況
本項では、プレソルトの開発はどの程度進んでいるのかについて言及する。
現在プレソルトの開発は、国営石油会社ペトロブラスが主体となって進めてい
る。まず、2008 年 9 月にカンポス盆地の Jubarte 油田プレソルトの生産が開始
された。カンポス盆地は、元来ブラジルの海底油田開発の中心地であったため、
石油採掘のインフラも整っている。そのため、カンポス盆地での採掘は他の盆
地で採掘するよりは、コストをかけずに短期間で容易に採掘できる。2009 年 5
月には、サントス盆地 Tupi 油・ガス田の生産テストが開始した。プレソルトの
開発において最近一番注目を集めているのはサントス盆地である。サントス盆
地で発見されたプレソルトには、規模の大きいものが多く、これまでに埋蔵量
19
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 石油・天然ガス資源情報 石油・天然ガス
用語辞典「プレソルト(ブラジル深海)」
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/dicsearch.pl?freeword=%E3%83%97%E3%83%AC%E3%8
2%BD%E3%83%AB%E3%83%88%EF%BC%88%E3%83%96%E3%83%A9%E3%82%B8
%E3%83%AB%E6%B7%B1%E6%B5%B7%EF%BC%89&target=KEYEQ
20 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 石油・天然ガス資源情報 「南米の石油地
図は塗り変わるか?」
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4620/201203_051a.pdf
9
が発表されている Tupi 油田、Iara 油田、Guara 油田、Franco 油田、Libra 油
田の埋蔵量を合わせただけでも、ブラジルの 2010 年末の原油確認埋蔵量の 142
億バレルを上回る数字になっている21。
1-3-3 プレソルト開発に関わる法案
2010 年にブラジル政府は、プレソルト開発を促進するためにプレソルト開発
法案を以下の通り作成した22。
・PS 契約導入
・新国営石油会社 Pre-Sal Petroleo SA 創設
・社会事業のための基金設立
・ペトロブラスの増資
一つ目の PS 契約(Production Sharing)は、石油探鉱開発契約でサービス契
約の一種である。従来、石油採掘権を分け合っていたのに対し、PS 契約では生
産物自体を産油国と外国石油会社間で分けあうことが特徴的である。尚、この
場合の生産物というのは石油のことである。
二つ目の新国営石油会社 Pre-Sal Petroleo SA とは、当該生産分与契約の履行
等をモニターする公社である。
三つ目の社会事業のための基金とは、プレソルトで生産された原油・ガスの
売却益を原資として基金を設立し、教育、貧困対策、科学、技術の振興に充て
ることを指す。
最後のペトロブラスの増資とは、ペトロブラスがプレソルトの探鉱・開発に
必要な資金を得るために新株を発行し、政府は同社に対し、Santos 盆地プレソ
ルトの鉱区権益(埋蔵量 50 億バレル)を付与し、この新株の一部を鉱区権益付与
の代わりに政府が取得し、政府のペトロブラス持ち株比率を引き上げることで
ある。
これらの法案は、ペトロブラスへの政府の関与を強めるとともに、同社を中
心にプレソルトの探鉱・開発を進めることが狙いである。実際にペトロブラス
の開発計画によると、図 6 のようにプレソルトの開発を約 5 倍にしようとして
いる。
1-3-4 外国企業の参入
現在、利益の一部をペトロブラスが手に入れることを条件に、リーブラ鉱区
21
日本貿易振興機構 アジア経済研究所 「進展するブラジルの石油開発―海底油田プレソルト―」
http://d-arch.ide.go.jp/idedp/ZLA/ZLA201112_005.pdf
22 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 「プレソルト開発で大産油国への躍進を狙
うブラジル」http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4295/201101_027a.pdf
10
で石油掘削権の公開入札が開始されている23。BP 等の主要欧米メジャーや国際
石油会社が参入している。また、現在ブラジルでは石油掘削権モデルから生産
分与(PS)契約モデルへの移行途上にある。この PS 契約モデルでは、ペトロブラ
スに必要な役割と権益を与える一方で、その他の企業も海域に入り、設備に出
資し既存の鉱区開発免許の権益を購入することができる24。国内での産油州と非
産油州のロイヤルティ法案25が成立すれば、PS 契約に基づくライセンスラウン
ド(入札)が実施されることになっている。このロイヤルティ法案は、産油州から
の批判によって成立していなかった。しかし、このまま石油自体を分け合うラ
イセンスラウンドが実行されないと、外国の石油会社や石油メジャーが他国の
海底油田掘削に目移りしてしまう可能性がある。ブラジル政府はこのことを危
惧しているため、ロイヤルティ法案を成立させて早急にライセンスラウンドを
実行させたいと考えている26。以上より、プレソルトを対象にした初のライセン
スラウンド(入札制度)を行える可能性が高まっており、今後外国企業の参入は増
加する見込みが高いことが分かる。
23
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 「ブラジル:プレソルト入札の動向」
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4935/1307_out_l_br_presalt.pdf
24 ブラジル沖合でのエネルギー探査 「進む深海開発」
http://www.gard.no/ikbViewer/Content/20651895/6_Brazilian_offshore_energy_explorat
ion%20RV.pdf
25 従来よりも石油配分が非産油州に有利になるようにするもの。
26 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 「ブラジル:プレソルト入札の動向」
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4935/1307_out_l_br_presalt.pdf
11
第 2 章 問題提起
第 1 章では、メキシコ湾及びブラジル沖に存在する海底油田について述べ、
メキシコ湾で発生した史上最大級の原油流出事故について言及した。そこで、
第 2 章ではメキシコ湾原油流出事故時の事故対策について述べた上で、ブラジ
ルの海底油田における原油流出事故の対策についても論じる。その上で双方の
事故において補償制度が不十分であったことを示し、ブラジルに補償制度が存
在しないことによる弊害について述べる。
2-1
原油流出事故への対応策
海底油田掘削の際のリスク管理には三つの方法が存在する。一つ目は危険の
緩和と回復への対策、二つ目は緊急対応策、三つ目は補償制度である27。危険の
緩和・回復については災害リスクの減少に関わる計画について定められており、
緊急事態への対応については発生せざるを得ない直接の波及効果に対応する。
さらに、補償においては被害者を完全に原状に回復させるか、それに近い状態
にすることが追及される28。そこで本節では事故対策について、事故発生時にア
メリカで取られていた対策と現在ブラジルで取られている対策について分析す
る。
2-1-1 アメリカの海底油田における事故対策
本項では、2-1 で述べられた 3 つのリスク管理をメキシコ湾原油流出事故に当
てはめてみてみる。
1 つ目の項目である危険の緩和、回復については、事故当初の基準で安全だと
考えられていた基準での安全装置は設備されており、油回収船が常時待機して
いた29。
バーチック=ロバート R.M・ブッソウ=スティーブン・原田一葉(2012) 「BP 社による原油流出事
故 : 補償、予防および回復」 Law & technology : L & T (56) pp.10-21
28 バーチック=ロバート R.M・ブッソウ=スティーブン・原田一葉(2012) 「BP 社による原油流出事
故 : 補償、予防および回復」 Law & technology : L & T (56) pp.10-21
29 藤田勇(2011) 「海上流出油対応技術とメキシコ湾流出事故」 咸臨 : 日本船舶海洋工学会
誌 (35) pp.7-10
27
12
図 8
メキシコ湾原油流出事故時時の ICS 組織図30
2 つ目の項目の緊急対応策については、ICS(インシデント・コマンド・システ
ム)と呼ばれる災害時の各組織の行動マニュアルが定められていた。ICS は各関
係機関がスムーズに連携し、対策をとれるよう定められた組織行動の標準化制
度である。このシステムは災害・事件の種類を問わず、日常の事件・事故から
テロ事件・ハリケーン災害などの危機管理まであらゆる緊急事態対応で使用さ
れている。特徴としては、監督管理限界を最大 5 人と定め、それ以上の人数の
チームは二つに分けなければならないとする監督限界制度を設けているところ
がある。このシステムが機能したため、メキシコ湾岸で起きた石油掘削事故は
最小限に収まったと考えられている31。
3 つ目の項目の補償制度に関しては、油濁法(OPA)による補償制度が存在し
ていたもののその内容は不十分であり、結果として石油流失事故を防ぐ抑止効
果は十分ではなかった32。この点に関しては 3-2 において後述する。
30
海洋政策研究財団 「メキシコ湾海底油田流出事故現地視察報告」
http://www.sof.or.jp/jp/forum/pdf/73_03.pdf
31 深見真希(2007) 「アメリカ危機管理における社会化体制-ロサンゼルスの取り組みを事例とし
て」 經濟論叢 180(4) pp.370-382
32 国立国会図書館 国立国会図書館調査及び立法考査局「メキシコ湾原油流出事故対策法案」
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/pdf/02440101.pdf
13
2-1-2 ブラジルの海底油田における事故対策
この項では、ブラジルにおける海底油田開発時の事故対策について、先ほど
と同様に危険の緩和・回復、緊急事態への対応、補償の 3 つの観点から述べる。
まず 1 つ目のブラジルにおける危険の緩和・回復についてであるが、ブラジ
ル政府はアメリカ以上に深海調査を率先して行っており、大水深開発における
リスク拡大に対しても政府として規制を強化している33。そのため、政府はすべ
ての石油関連の探鉱・開発に関する作業について IBAMA34の許可を取得するよ
う義務付けている。その審査は大変厳しく、ブラジルの探鉱・開発は遅れがち
になっているとさえ言われるほどである35。また、ブラジル国営企業のペトロブ
ラス社は最新の安全技術を採用しており、海洋環境センターを 10 ヶ所、緊急事
態に備えて待機している船舶を 3 隻保有し、従業員に対しても安全や環境保護
についての訓練を行っている36。以上より、ブラジルでは危険の緩和・回復につ
いては十分な対策が取られていることが分かる。
2 つ目の緊急事態への対応についてであるが、ブラジルではアメリカと同様危
機対応システムとして ICS を導入しており、これに関しても対策が存在するこ
とが分かる37。
3 つ目の補償に関してであるが、ブラジルでは今も少量の油漏れは発生してい
ており、その際各企業は油漏れの際に高額の補償金の支払いに苦慮している38。
このことから、ブラジルでは海底油田の事故に対して制度による補償は行われ
ておらず、基金も存在しないことがわかる。
2-2
海底油田での油濁事故における補償制度
2-1 より、メキシコ湾原油流出事故時のアメリカ及びブラジルでは共に補償制
33
ブラジル沖合でのエネルギー探査-「進む深海開発」
http://www.gard.no/ikbViewer/Content/20651895/6_Brazilian_offshore_energy_explorat
ion%20RV.pdf
34 ブラジル環境・再生可能天然資源院(IBAMA)は、ブラジルにおける環境政策の実施機関で
あり、環境に係る許認可の発給、EIA(環境影響評価)制度の監督、汚染管理がその責務となって
いる。
経済産業省 環境問題に関する OECD 加盟国等の貿易保険制度調査報告書 PartⅡ より
http://www.meti.go.jp/policy/external_economy/toshi/trade_insurance/pdf/itaku/18-kank
you2.pdf
35 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 「ブラジル:プレソルトを始めとする沖合探
鉱・開発の行方」
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/report_pdf.pl?pdf=1007_out_l_br_presalt%2epdf&id=3629
36 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 調査部 舩木弥和子様(2013/10/8)
37 United States Diplomatic Mission to Brazil
http://brazil.usembassy.gov/securityforcesrj2.html
38 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 調査部 舩木弥和子様(2013/10/8)
14
度が不十分であることが示された。そこで、本節では補償制度がもたらす抑止
効果について言及していく。しばしば、補償制度の議論の中で用いられること
が多いが、責任制度の目的は環境そのものへの損害の補填よりも事故の抑止に
ある39といわれている。また、下記の図はタンカーの油濁事故件数であるが、
「油
濁による汚染損害補償のための国際基金の設立に関する条約」40が 1971 年に策
定され、1992 年にこの条約が改正される過程でタンカーの油濁事故が減ってき
ていることが分かる41。これは、補償制度をはじめとする、油濁事故に対する、
整備が整ってきたことによると考えられる。以上より、補償制度を確立するこ
とで十分な抑止効果が発揮されることが分かる。
図 9
タンカー油濁事故数の推移42
小塚荘一郎・梅村悠(2012) 「洋上資源開発における海洋環境の保全 : Montara 油井事故と
Deepwater Horizon 号事故を教訓とした立法提案」 新世代法政策学研究 Vol.18, pp.1-44
40 国際基金条約は、被害者が民事責任条約の下で十分かつ適正な補償が得られない場合に、
当該被害者に対し追加的な補償を行う仕組みを設けることを目的に策定された。また、船舶所有
者に対し、その賠償責任の一部を補填する機能もある。現在、国際油濁補償基金の加盟国は 68
か国である。
石油連盟の油濁対策 「油濁損害賠償に関する国際条約について(現状と展望)」より
http://www.pcs.gr.jp/doc/jsymposium/12170/96_hideo_osuga_j.pdf
41 北海道大学経済学部 「油濁汚染による損害の賠償補償問題 ―ナホトカ号事故を事例として
—」http://www.econ.hokudai.ac.jp/~yoshida/articles/oil.pdf
42 International Tanker Owners Pollution Federation Ltd. 「Statistics」を元に筆者作成
http://www.itopf.com/information-services/data-and-statistics/statistics
39
15
2-3
ブラジルで補償制度が存在しないことによる弊害
1-3-2 で述べた通り、現在プレソルトでの開発は国営企業のペトロブラス社が
中心となっている。しかし、大水深開発には巨額の資金が必要となるため、BP
社を含む石油メジャーや Sinopec43等の中国の石油会社が開発に参入している
4445。そこで、事故が発生した際の責任主体や支払責任を明確にする制度が存在
しないと汚染費用がきちんと支払われない可能性が考えられる。また、万が一
大水深油田で事故が発生した場合、メキシコ湾原油流出事故と同様の数百億ド
ル規模の賠償金の支払い義務が発生するおそれが存在している。そこでその場
合、責任支払制度が確立していないと賠償義務が果たされず企業が倒産して賠
償を逃れるケースが想定される46。
43
中国石油化工集団公司。石油業事業の川上から川下までを一貫して行う中国の三大国有石油
企業のひとつ。
44 国際石油開発帝石株式会社 広報・IR ユニット (2013/10/8)
45 独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 石油・天然ガス資源情報 「プレソルト開発
で大産油国への躍進を狙うブラジル」
http://oilgas-info.jogmec.go.jp/pdf/4/4295/201101_027a.pdf
46 小塚荘一郎・梅村悠(2012) 「洋上資源開発における海洋環境の保全 : Montara 油井事故と
Deepwater Horizon 号事故を教訓とした立法提案」 新世代法政策学研究 Vol.18, pp.1-44
16
第 3 章 政策提言
第 2 章ではブラジルにおいて補償制度が存在しないことを指摘し、その上で
補償制度が存在しないことによる弊害について言及した。そこで、本章ではい
くつかの原油流出についての補償制度について論じ、どの制度がブラジルにお
いてふさわしいのかを検討する。そしてブラジルにおいて新たな補償制度の創
設を提言する。
3-1
OPOL(沖合汚染責任協定)
本節では、北海油田で実施されている OPOL(Offshore Pollution Liability
Agreement)について述べる。
OPOL は北海での洋上石油開発に起因する汚染損害の備えとして 1974 年に締
結された協定である。沖合施設からの油流出のために生じる汚染損害を被った
者に賠償金を支払い、救済措置の費用を負担した国に経費を償還するための手
段を提供することを目的としており、英国、デンマーク、ドイツ、フランス、
アイルランド、オランダ、ノルウェー、マン島、フェロー諸島及びグリーンラ
ンドの管轄下に設置された沖合施設からの油濁を対象としている47。賠償責任は
事業者に集中し、1 事故につき最高 12,000 万ドルまでの賠償金を負担する必要
がある48。そのため、OPOL の加盟者は協定に基づく義務を果たすための金銭的
責任を維持する必要49があり、その上でもし操業者が支払いに応じられない場合
には他の加盟者が補充的に責任を負う事になっており、その意味で相互保険に
近い性質を持っていることが分かる50。
以上より OPOL は事業者間の協定であり、各事業者に賠償責任が求められる
がその賠償額には上限が定められており残りは基金から支払われるということ
が特徴であることが分かる。
3-2
OPA(油濁法)
OPA(Oil Pollution Act of 1990)は 1989 年のエクソン・バルディーズ号事故を
小塚荘一郎・梅村悠(2012) 「洋上資源開発における海洋環境の保全 : Montara 油井事故と
Deepwater Horizon 号事故を教訓とした立法提案」 新世代法政策学研究 Vol.18, pp.1-44
48 佐古田彰(2002) 「海底石油資源開発の際の油流出事故により生じる損害についての国際賠
償責任」北東アジア-サハリン研究会調査研究報告書
49 加盟者の審査時に、支払能力をきちんと有しているかが判断される。
50 小塚荘一郎・梅村悠(2012) 「洋上資源開発における海洋環境の保全 : Montara 油井事故と
Deepwater Horizon 号事故を教訓とした立法提案」 新世代法政策学研究 Vol.18, pp.1-44
47
17
契機に制定され、当時の国際条約と比べ極めて高い賠償・補償水準を定めてい
るが、メキシコ湾原油流出事故を契機に責任制限や基金のあり方についての議
論が行われている。現行法では、責任当事者には 1 事故あたり「全ての除去費
用+7,500 万ドル」の責任制限が認められているが、事故発生後はこの責任限度
額の引き上げまたは撤廃が求められた51。そこでは、賠償額の上限の撤廃及び下
限額を 15 億ドルに引き上げ、またそれに伴い拠出金に関しても現在の 1 バレル
あたり 8 セントから 32 セントへの引き上げが検討されている52。
3-3
CLEE(海底資源責任条約)
CLEE(Convention for Civil Liability for Oil Pollution Damage Resulting
from Exploitation for and Exploration of Seabed Mineral Resources)は「油汚
染による損害を被った者に対し適正な賠償が行われることを確保」し、
「責任に
ついての間題を解決し及び、そのような場合において適正な賠償を行うことに
ついての統一的な規則及び手続を採用する」ことを目的に 1976 年にロンドンで
作成された条約である53。この条約は北海、バルト海及び北西大西洋での汚染損
害を対象とするものであったが、結局どの国も批准することがなく発行は成さ
れなかった54。この条約はいくつかの理由で、発効していない。しかし、現在も
なお、大陸棚資源開発の際の事故により生じる損害についての賠償責任を論じ
るにあたって頻繁に紹介され、また将来の条約を考える上でのモデル条約とし
ても重要な位置づけがなされている。
3-4
ブラジル版補償制度の構築
本節では、3-1、3-2、3-3 で述べられた補償制度を踏まえ、ブラジルで新たに
構築する補償制度について論じる。
まず 1-3-4 で述べたとおり、ブラジル政府はロイヤルティ法案を成立させて早
急にライセンスラウンドを実行させたいと考えており、プレソルトでは今後も
海外企業の参入が増えていくことが予想されている。その際、海外事業者は PS
小塚荘一郎・梅村悠(2012) 「洋上資源開発における海洋環境の保全 : Montara 油井事故と
Deepwater Horizon 号事故を教訓とした立法提案」 新世代法政策学研究 Vol.18, pp.1-44
52 国立国会図書館 国立国会図書館調査及び立法考査局「メキシコ湾原油流出事故対策法案」
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/pdf/02440101.pdf
53 佐古田彰(2002) 「海底石油資源開発の際の油流出事故により生じる損害についての国際賠
償責任」 北東アジア-サハリン研究会調査研究報告書 pp.117-148
54 小塚荘一郎・梅村悠(2012) 「洋上資源開発における海洋環境の保全 : Montara 油井事故と
Deepwater Horizon 号事故を教訓とした立法提案」 新世代法政策学研究 Vol.18, pp.1-44
51
18
契約もしくは入札制度によりプレソルト開発に参加することになる。そのため、
いずれの場合においてもその契約は国営企業のペトロブラス社を介することに
なるため、これらの契約が成される際にも各事業者にブラジル版補償制度への
参加を義務付けるのが妥当である。
次に、具体的な支払額および基金への拠出金について論じる。アメリカでは、
メキシコ湾原油流出事故を受けて議会で油濁法の改正が議会で論じられており、
その中で賠償額の上限額についても述べられている。そこでは、賠償額の上限
の撤廃及び下限額を 15 億ドルに引き上げ、またそれに伴い拠出金に関しても現
在の 1 バレルあたり 8 セントから 32 セントへの引き上げが検討されている55。
そこで、今回のブラジル版補償制度に関しても新油濁法と同様に賠償上限額無
制限・下限額 15 億ドル、支払額は 1 バレルあたり 32 セントとすることが妥当
である。
第 3 章で論じてきたブラジル版補償制度を概念図としてまとめると、図 10 の
ようになる。
55
国立国会図書館 国立国会図書館調査及び立法考査局「メキシコ湾原油流出事故対策法案」
http://www.ndl.go.jp/jp/data/publication/legis/pdf/02440101.pdf
19
図 10
56
ブラジル版 OPOL の概念図56
筆者作成
20
終論
本論文では、世界一大水深海底油田の開発が進んでいるブラジル沖の海底油
田に着目し、原油流出事故対策のうち補償制度が存在しないことを指摘した。
そして、ブラジル沖の原油流出事故対策のための補償制度の構築を提言した。
第 1 章では、石油が海洋に流出することが生態系に及ぼす被害を明らかにし、
2010 年のメキシコ湾で起きた事故について考察した。そこでは、メキシコ湾に
おける事故は史上最悪であり、多大な環境被害を与え、賠償額も膨大になった
ことを示した。さらに、ブラジルにおける海底油田開発の現状と現行の事故に
対する対策を述べた。また、ブラジルにおける海底油田の開発の現状を明らか
にし、その中で最大の海底油田であるプレソルトについて言及した。
第 2 章では、アメリカ及びブラジルで取られている海底油田の原油流出対策
について述べた。そこで、アメリカでは補償制度が不十分であることとブラジ
ルでは補償制度が存在しないことを指摘した。その上で油濁事故における補償
制度の抑止効果について述べ、最後にブラジルに補償制度が存在しないことに
よる弊害を明らかにした。
第 3 章では、世界で実施されている油濁事故対策としてOPOL(沖合汚染責
任協定)、油濁法、CLEEを比較しブラジルにおける新たな補償制度として「ブ
ラジル版補償制度」を提言した。
以上のことから、ブラジル版海底油田補償制度を導入することによって、事
故を防げる事前策と事故が起きた際の被害を減らす事後策にもなることが期待
される。
21
取材先
国際石油開発帝石株式会社 広報・IR ユニット (2013/10/8)
独立行政法人 石油天然ガス・金属鉱物資源機構 調査部 舩木弥和子様
(2013/10/8)
参考資料
参考文献
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油井事故と Deepwater Horizon 号事故を教訓とした立法提案」 新世代法政策
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