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中国における特定できないソース汚染

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中国における特定できないソース汚染
中国における特定できないソース汚染
―法の視点から考えるー
Legal thoughts on Chinese Non-point source pollution control
冷 羅生
leng luosheng
Abstract : Non-point source pollution hazard is large in scale, and it is difficult to control. Therefore, it has become one of the important factors to do harm to our national as
well as global ecological environment. If we still remain on the technical level and the
level of economic governance to manage and control non-point source pollution, it is difficult and will cause high input costs. Besides, we cannot obtain satisfying result under
the current technical conditions. Therefore, the law must be based on the policies to explore the problem of how to control non-point source pollution. In the field of legislation
of non-point source pollution control, it is of primary importance to define guiding ideology and basic principles. Then, after considering from the two phases---“source”and
“sink”in non-point source pollution, we may put forward a series of proposals to improve non-point source pollution laws and regulations.
Keywords : Non-point source pollution Control Legislation
一、はじめに
中国国家環境保護総局の統計によると、
2
0
0
6年には全国の地表水は中度汚染されている。
中国の環境測定ネットは7
4
5ヶ所あり、その地表水の断面を監視測定した結果、Ⅳ∼Ⅴ類
と程度が高いⅤ類の水質の断面が占める割合はそれぞれ3
2%と2
8%である。七大水系の中
では、珠江、長江の水質は良好であるが、松花江、黄河、淮河は中度汚染、遼河、海河は
重度汚染である。また、太湖、!池、巣湖はⅤ類の水質である。全国的には比較的深刻な
9
8
0年代か
汚染を受けた水域は3分の2近くに及ぶ(1)。水の汚染問題に関して、中国は1
ら相前後して『環境保護法』
、
『水質汚染対策法』などの法律、法規、部門規則と地方の行
政法規を制定した。これらの法律、法規の制定は特定できるソース汚染の悪化を収めるに
は一定の作用を果たすことができたと言える。しかし、管理体制の不備、発生源の複雑化
に伴って、特定できないソース汚染の問題が現れてきている。単純特定できるソース汚染
に比較すると、特定できない汚染は被害を起こす程度が高く、収めるのも困難である。現
在の中国では、特定できないソース汚染は、すでに中国さらには全世界の生態環境に危害
を及ぼす重要な要素の1つになっている(2)。
特定できないソース汚染の予防と管理には、北米、ヨーロッパ諸国と比較すれば遅れて
いるが、専門家らの努力で、技術の面と経済の面では一定の効果をあげている。しかし、
周知のように、特定できないソース汚染は技術と経済だけに頼るならば、管理にも問題が
あるし、コストも高い。その上、現在の技術では理想的な効果をあげられない。そのため、
中国は欧米諸国の経験を参考にし、法律、政策の面から対策を探さなければならない。そ
18
中国における特定できないソース汚染(冷)
して、立法によって特定できないソース汚染の悪化を収めなければならない。本論文は、
中国の特定できないソース汚染の特徴から、その発生、拡散、収束のそれぞれの部分を分
析し、法律の視点から、その予防、管理の対策を考えていく。
二、特定できないソース汚染およびその現状
! 特定できないソース汚染
特定できないソースとは、時空の上では監視、測定ができなく、大気、水体、土壌、植
生、地質、地形および人類の活動に密接に関連しているもので、また、直接に大気、土壌、
水質を汚染する汚染物のソースである。特定できないソース汚染(Non point source pollution)とは溶解性あるいは固体汚染物が雨水と地表を流れる雨水で、特定でない場所から
汚染物を水体
(例えば河川、湖、ダム、海湾など)
を通して、水質を汚染するものである(3)。
その成因としては、都市の拡大、農薬の過度使用、牧畜や養殖、農業と都市生活から発生
する廃棄物などが考えられる。大量の汚泥や汚染された物を通じて汚染物質は河川、湖沼
に入るため、その結果、浮遊状態の物が多くなり、有機物ばかりでなく無機物も増加し、
酸素の減少によって水質は栄養過剰となり酸化する。これは、水生生物の生存環境と水生
生態の平衡を破壊するばかりか、人類の生活にも影響を及ぼす(4)。
現在、環境学界の研究によれば、特定できないソース汚染の発生には4つの経路がある。
つまり、雨水による土壌の浸食と汚泥の伝送、汚染された物の転化、汚染された物質によ
る川、湖沼の水質への影響である。雨水は地表を流れて、土壌を浸食する。そのため、雨
水で大量の汚泥および汚泥に付け加えられる可溶性がある窒素、燐等の汚染物は水体に
入って、特定できないソース汚染になり、水体の水質に影響を与える。以上のことで、特
定できないソース汚染は空間上では範囲が広く、時間上は不特定で、情報の収集が難しい
という特徴がある。また、被害を及ぼす規模も大きく、研究、管理共に難しい。発生源の
特定できるソース汚染と比較すれば、土地利用の不合理、水土流失の深刻化、農村の生活
汚水や廃棄物などの任意排出、農薬や化学肥料などの使いすぎ等等が指摘されるが、それ
らがより複合的である点に特徴がある。
" 特定できないソース汚染の深刻さ
現在、地球表面の3
0%∼5
0%はすでに特定できないソース汚染の影響下にある。全世界
では、退化された1
2億ヘクタールの耕地の1
2%は特定できないソース汚染によるものであ
る(5)。水への影響もますます深刻になっている。例えば、アメリカでは特定できないソー
ス汚染量の2/3は廃水に関係するものである。特定できるソース汚染が全面的に制御され
たとしても、河川、湖沼、海域の水質が基準に達する率もただ6
5%、4
2%、7
8%のみであ
る(6)。オランダでは、農業だけに特定できるソース汚染によって発生された窒素、燐は
それぞれ水の環境汚染が総量の6
0%と4
0%∼5
0%を占めている(7)。オーストリア北部で
は、水に含まれる特定できないソース窒素は特定できるソースよりずっと大きい。
デンマー
クの2
7
0本の河川では、9
4%の窒素の負荷、5
2%の燐の負荷は特定できないソース汚染で
引き起こされている(8)。
中国では、2
0
0
5年までには、三つの湖(巣湖、!池、太湖)の汚染の中で、特定できな
いソースからの窒素(TN)、燐(TP)と糞尿(COD)はそれぞれ6
0%∼7
0%、5
0%∼6
0%
19
人文社会科学研究 第 16 号
と3
0%∼4
0%を占めている。密雲ダム、天津于橋ダム、安徽巣湖、雲南"海、上海淀山湖
などの水域では、特定できないソース汚染は特定できるソース汚染をすでに上回って、飲
用水の水源に影響を与える主な原因になっている(9)。
中国の農村では、経済の迅速な発展に伴って、生態環境の汚染問題は年々深刻になって
いる。国家環境保護局の統計によれば、以下のことが明らかになった。つまり、1
9
9
9年に
は牧畜の糞尿はおよそ1
9億トンで、当時の工業の固体廃棄物の約2.
4倍である。2
0
0
1年に
なると、糞尿年排出量は2
2億トンに達して、その中の燐は2
2
0.
8万トンで、窒素は l0
5
9.
1
万トンである。牧畜の糞尿はすでに環境の汚染源になっている。報道によれば、1年 l 万
頭の豚の出荷量の養豚場では、その COD の排出量は、人口が5万人の町に相当する。2
0
万羽の鶏の養鶏場では、その COD の排出量は、人口が1
4万人の町に相当する(10)。農村と
都市の生活廃水と人糞尿などの排出量も軽視できない。その利用されるレベルが高くない
ため、処理されていない糞尿およびそれを流す水はいつも気の向くままに近くの水体の中
へ排出される。専門家の計算によると、上海郊外の生活廃水と人糞尿肥料などの排出量は
総 PH 値の2
1%を占めており、牧畜の糞尿の比率に次いでいる(11)。!池流域では、農村
の生活廃水と農村の固体廃棄物による窒素、燐の流失はそれぞれ5%と6%である(12)。
1
9
9
7年、江蘇省太湖地区では水体に排出された窒素の中で、生活廃水と糞尿肥料は3
2%を
占めている(13)。
その他に、農薬による汚染も中国のもう一つの重要な汚染問題である。毎年、農薬が使
用される面積は約2.
8億ヘクタール以上で、使用量は5
0万∼6
0万トンである。その中の3
0%
∼4
0%は植物に吸収されるとされるが、その他の大部分は水体に流されている(14)。
都市では、地表を流れる雨水汚染は、特定できないソース汚染の最も重要な課題である。
雨水は都市の特定できないソース汚染の重要な要素であるが、地表を流れる雨水は特定で
きないソース汚染物を運ぶキャリヤーである。周知のように、都市と町にある商業区、大
通り、駐車場、建築工事現場などには、油、塩分、窒素、燐、有毒物および都市のごみが
集まっている。それらは雨水で地表を流れる雨水によって、排水ルートあるいは河川、湖
などの水体に入って、地表水を汚染する。調査報告によれば、雨水で太湖に持たされた
8%∼1
5.
5%、1.
9%∼2.
2%と3.
5
TIN、PO43と COD がそれぞれ TN、TP、COD 総量の9.
∼6.
0%を占めている(15)。それ以外に、道路交通関係による汚染も深刻である。道路交通
(㎞・台)の固体の粒子状物質が産出される。自動車による排出は約0.
2
関係では約0.
7g/
(㎞・台)の廃物と0.
1
2
5g/
(㎞・台)のタイヤの摩耗がある(16)。
g/
三、特定できないソース汚染のコントロールに関する法律の現状
! 国外の現状
悪化しつづける特定できないソース汚染に対して、各国は技術、経済、政策、法律など
の面から対策を考え、予防、制御に尽力している。アメリカは、最も早く特定できないソー
ス汚染に関心を持った国である。1
9
7
2年に改訂された『連邦における水汚染の制御法』は
初めて特定できないソース汚染をコントロールすることを明確にした法律である。さらに、
1
9
7
7年の『水を清潔にする法律』は特定できないソース汚染をコントロールする重要性を
強調し、1
9
7
9年にはアメリカの環境保護局が『汚染物質排出権の取引法』
(ソース汚染、
特定できないソース汚染の排出の取引法)を制定した(17)。それは、特定できないソース
20
中国における特定できないソース汚染(冷)
汚染の問題の解決に有効な道と法律による保障を与えるものである。その後、制定された
『安全に飲水する法律』とその修正案、『海岸地帯の管理法』と修正案、『食品安全法』、『大
統領の水質の動議法』
、
『連邦における環境殺虫剤を制御する法規』
、
『洪水のコントロール
法』と修正案、
『農業、農村の発展法案』
、
『露天採鉱管理、開発に関する法案』
、
『土地政
策と管理に関する連邦法案』などには特定できないソース汚染に関する条項と規則が明記
9
8
7年、アメリカの国会は『水を清潔にする法律』
(修正案)を制定し、
されている(18)。1
特定できないソース汚染を制御する国家計画を示し、更に水資源の保護法を整備している。
現在、アメリカでは特定できないソース汚染の管理は、都市の合流上の汚水システムの管
理、都市の分流上の汚水システムの雨水排出の管理、動物の養殖場の地表を流れる雨水の
管理、鉱山区の地表を流れる雨水の管理、農業地区の地表を流れる雨水の管理などの面に
幅多く関わっている(19)。現在、アメリカ政府は農業における特定できないソース汚染の
予防、管理の法律を検討しているところで、1
0年程度の時間でこの問題を解決する予定で
ある(20)。
1
9
8
9年、EU 委員会は公文書類の中ではじめて特定できないソース汚染の問題を明確に
0
0
0年に
し、水質の問題は、耕地と都市の硝酸塩で引き起こされることを指摘した(21)。2
EU 委員会の公布した『水の骨組みの法規』では、農業からの地表を流れる雨水の汚染は
特に汚染管理の措置に関心するべきこと、また、これらの措置は「範囲が広いこと、予防
性、経済性があること、共同で運営できること」の特徴があると指摘した。その上、監視
測定体制の強化と特定できないソース汚染の水体への影響程度を測定することを強調して
いる(22)。これにより EU 構成国は自身の汚染問題によってそれぞれの政策と要綱を制定
した。例えば、ドイツは1
9
9
6年から『ドイツの肥料の規則』を実行しはじめて、地域別に
有機肥料の使用量と施肥期間を制限している。オランダでは立法を通して、汚染された地
区にある屋内飼育の家畜の増加数と厩肥の使用を制限し、耕地における養分の流失量も明
確に決められている。仮に流失量が規準を超えるならば、一定の費用を納めなければなら
ず、しかも料金基準は養分の流失量の増加に従って増加する。フランスではその農業部と
環境部が硝酸塩の汚染地区について厳格にバランスよく施肥することを要求し、さらに、
肥料の流失を減少するために、また、異なる作物に対する肥料の使用禁止期間が細かく制
定されている。デンマークでは、土壌と耕作の関係を細かく規定し、窒素肥料の最大使用
量を定めている(23)。
! 中国における特定できないソース汚染の管理に関する法律の現状
中国では、特定できないソース汚染の管理に関する現行法律は非常に少ない。中国の
『環境保護法』
の第2
0条では、「各地の人民政府は農業環境に対する保護、土壌汚染の予防、
土壌の砂化、塩類化、地面の沈下などの予防、植生のタイプの破壊、水土流失、水源の枯
渇およびその他の生態のバランスのくずれることに努めるべきである。また、植物の病虫
害の総合的な予防と驅除、化学肥料、農薬と植物の成長ホルモン剤の使用にも注意すべき
である」と指摘している。
『水法』の第3
0条、第3
1条では、
「県レベル以上の地方人民政府
の水の行政主管部門と流域の管理機構は水の機能地区の水質の状況に対して監視測定を行
うべきで、汚染物の排出総量が定められた基準を上回る場合、あるいは水の機能地区の水
質が基準に達成していない場合は、直ちに関連人民政府に報告し、対策をとるべきである。
21
人文社会科学研究 第 16 号
そして環境保護の行政主管部門に通知する」と定めている。また、
「国家は飲用水の水源
保護区の制度を制定する。省、自治区、直轄市の人民政府は飲用水の水源の保護区を確定
するべきで、措置により、水質源の枯渇と水体汚染を防止し、都市と農村の住民の飲用水
の安全を保証しなければならない」とも定められている。
『農業法』第5
7条では、合理的
に土地、水などの自然資源を利用、保護すること、第5
8条では耕地の保護、合理的な化学
肥料、農薬の使用、第5
9条では小さい流域の総合的管理、水土流失の予防について定めて
いる。しかし、これらは特定できないソース汚染に対しては、大雑把で、具体的な措置は
少ない。そのため、中国の現行『水質汚染対策法』
の条文は依然として主に特定できるソー
ス汚染に対する予防、管理、水質汚染対策法上の企業の建設プロジェクトに対する制御、
生産上の管理、汚染物の処理などである。これらの条文は、主に都市の生活用水の終末管
理、ソース汚染の管理に重点が置かれている。
『水質汚染対策法』の第3
8条と第3
9条は、
農薬に対して制限的に使用することを定めており、第4
0条は船舶による汚染に関して、第
4
4条は非合法的な採鉱の地下水への汚染の予防について定めている。しかし、これらの条
文は「予防を主として、予防と結合する」原則を主張するものである。実際には依然とし
て汚染物質排出の管理に限られ、
「ソースから管理」の原則がまったく見られない。特定
できないソース汚染の管理はまったく考えられていないと言える。
中国の政策、法規では、この数年来、環境保護の行政法規と規則が公布され、農薬、化
学肥料の使用が規制されている。これは、特定できないソース汚染の問題に関わっている
が、その主要な目標は、農産物の安全を保障するものである。また、1
9
9
4年の生態模範地
区の建設における環境保全のための目標数字と1
9
9
0年代末の国家環境保護総局の巣湖、太
湖、!池流域での全面的な燐の使用禁止に関する規制は、特定できないソース汚染を含む
が、内容的には細分化されず、運用が難しいだけでなく、法律の強制力もなく、効果を上
げていない。
ここ数年来、農村の大規模な牧畜の振興によってもたらされている汚染は、政府の関心
を高めた。国家環境保護総局は、2
0
0
2年と2
0
0
3年に『牧畜養殖によって起こされた汚染の
予防に関する技術規範』と『牧畜養殖の汚染物質の排出基準』という規則を公布した。こ
のことは、中国の特定できないソース汚染に対する最も重要な行動である。しかし、ます
ます深刻になっている特定できないソース汚染に対しては、まだ不十分である(24)。
それ以外に、省、直轄市といくつかの都市も特定できないソース汚染の管理に関する規
則を公布している。例えば、2
0
0
6年1
2月2
6日には、深!市政府の第4期第4
9回の常務会議
では審議で『深!生態市の建設計画』の審議を通して、深府〔2
0
0
6〕2
6
4号の法令で公表
した。その第3
9条では、以下のようなことを定めている。特定できないソース汚染を強力
に制御すること、都市の地表を流れる雨水の管理の強化に関係すること、都市の初期雨水
の収集、処理に関すこと、果樹園の化学肥料、農薬の使用制限に関係すること、特定でき
るソース汚染の制御に関することなどである。また、流域内の汚染物質の排出総量のコン
トロール、汚水の切断、排出管網の建設、汚水処理の集中式工場と分散式工事の建設、汚
水処理施設の建設基準を高めることなども書かれている。その他、汚染されている河川の
点検や生態回復などの工事、水を補う工事、工業汚染の制御、水環境の品質を高めること
なども書かれている。しかし、特定できないソース汚染を起こした工場、会社など、特定
できないソース汚染を予防、整備する各部門、機関、会社などの管理体制については明確
22
中国における特定できないソース汚染(冷)
に規定されていない。このような状況から見れば、規制による拘束力は強くないと言える。
悪化しつづけている特定できないソース汚染に対しては、中国における当面の急務は、
特定できないソース汚染の特徴と国情を考える上で、特定できないソース汚染の管理に関
する立法行為が必要不可欠と思われる。また、中国の国情にふさわしい特定できないソー
ス汚染の予防・管理のできる法律、法規の体系が整備できれば、あるいは、環境保護に関
連する法律に特定できないソース汚染の予防・管理に関する条文を加えることができれ
ば、中国の環境法の体系が改善されることができるだけではなくて、特定できないソース
汚染管理に対して推進作用を果たすことができると思われる。
四、特定できないソース汚染に対する法律からの考え
北米と西欧の経験から見れば、特定できないソース汚染に対する効果的な管理方法は一
連の法規と規則を制定することである。中国では、これからの特定できないソース汚染に
対する管理の主な手段は、法律による規制が最も効果的ではないかと思われる。しかも立
法によって、関連機関への行政の監督力を強化できる。そのためにも、特定できないソー
ス汚染制御に関する立法にあたっては、まずその指導思想、基本原則を明確にする必要が
ある。それから、特定できないソース汚染の発生、移転、集中、水質への汚染の各プロセ
スを分析し、立法の角度から特定できないソース汚染をコントロールする方法を探る。
! 指導の思想
中国では、特定できないソース汚染のコントロールに関する法律は、
『水法』
、
『水質汚
染の対策法』などの特定項目を主として、他の法律法規、部門の規則の中で関連する条文
(例えば『農業法』の中の第5
9条など)を補佐モードにしている。特定できないソース汚
染に関する立法に際して、特定できるソース汚染の立法を準用し、総合性のある『特定で
きないソース汚染予防・管理法』を制定するべきと提案した学者がおり(25)、さらに、そ
の法律を基礎として、その内容を他の関連する法律、法規にも影響させるべきと主張して
いるが、筆者はこの主張に賛成しがたい。理由は、
『特定できないソース汚染予防・管理
法』
の制定は、社会の各界に関心を持たせ、思想の展開と実行には役立つかもしれないが、
特定できないソース汚染の特徴性は、その立法の複雑性にあると考える。中国では、特定
できないソース汚染の特徴、規則はまだ明確でなく、現状は研究、調査の段階による現在
の技術と環境に関する立法のレベルによれば、このように複雑で、影響が多岐にわたる問
題、つまり、大きい法律を制定するにはより多くの問題について議論、検討する必要があ
る。アメリカ政府の制定している農業に関する特定できないソース汚染の予防・対策法も、
1
0年程度の時間をかける予定であると言われている。特定できないソース汚染の予防・対
策がまだ初歩段階による中国では、もっと時間が必要であると考えるのは当然のことであ
ろう。
そのため、当面の課題としては中国の国情を考えれば、現在の水質汚染に関する法律の
中に特定できないソース汚染の予防・管理に関する条項を加えるべきということを筆者は
提案したい。そのうえで、特定できないソース汚染の予防・管理に関する指導思想と立法
原則を確認し、法律上の関係者の権利と義務をも明確にするべきである。また、
『水質汚
染対策法』は、特定できないソース汚染の監視体制、基準、汚染負荷の分配、排出量減少
の措置などの具体的な事柄について、数字でもって明確に定めるべきである。また、特定
23
人文社会科学研究 第 16 号
できないソース汚染の主要な汚染源(農業における特定ででないソース汚染)
に対しては、
『農業における特定できないソース汚染の予防・対策法』を制定するべきである。
! 立法の原則
中国における特定できないソース汚染に関する法律、法規を整備するためには、以下の
ような立法の原則に従わなければならない。
1.
「予防を主として、源から減少する」原則
特定できないソース汚染の特徴および先進諸国のそれに関する経験を考える上で、特定
できないソース汚染と特定できるソース汚染を区別して考える必要がある。それは、特定
できないソース汚染の発生はその社会に対する影響が特定できるソース汚染と大きく異な
ものであり、そのため、特定できるソース汚染の管理と同様な終末措置は避けるべきであ
る。特定できるソース汚染の管理も特定できないソース汚染の管理も同様に重要視しなけ
ればならない。また、特定できないソース汚染に対しては、
「予防を主として、ソースか
ら減少する」という立法の原則を確立するべきである。特定できないソース汚染の予防、
管理に関するすべての活動は、ソースが最も重要で、発生源の管理ができれば、特定でき
ないソース汚染の予防、管理にも大きな影響を与える。
2.流域を総合的に管理する原則
特定できないソース汚染は平面的には広範囲にわたり、時間上では潜伏性と不確定性な
どの特徴を持っているので、発生源を探し当てにくい。そのため、汚染物質の移動、拡散
による汚染を減少させる流域地区と管理せざるをえない流域地区を確定しなければならな
いが、流域地区は、伝統的な行政地区と異なる。そのことは特定できないソース汚染の予
防、管理の効果に大きな影響を与える。そのため、流域を総合的に管理することが、立法
化に際して、重要な課題となっている。
3.最新の成果を利用し、特定できないソース汚染の基準を定める原則
特定できないソース汚染の管理に関する立法行為は更に柔軟性が求められるべきであ
り、常時最新の研究状況を把握する必要がある。特定できないソース汚染はすぐ見つから
ず、情報の収集、それに関する研究や調査、管理も難しいという特徴があるので、特定で
きるソース汚染と比較して、その監視測定は更に困難かつ複雑であり複合的である。しか
し、汚染の負荷の定量化という行為はそれを管理する立法には欠くことのできない案件で
ある。現在の技術では、シミュレーションを通して、数学的模型で特定できないソース汚
染の負荷を求めるが、宇宙技術とコンピュータ技術の進歩に従って、ここ数年来、GIS
(地
理情報システム)を中心とする RS 技術(リモート・センシングの技術)、つまり GIS、RS
と GPS(地球プジションシステム)は、複合的に利用されて特定できないソース汚染に
関する研究領域に応用され、特定できないソース汚染を研究する上で重要な手段になって
いる。この傾向は技術の進歩とその導入によって新しい知見が予期されることである。そ
のため、特定できないソース汚染の管理に関する立法や基準の制定には、最新の科学的な
研究成果に依拠するべきである。
24
中国における特定できないソース汚染(冷)
4.行政機関と汚染側は共同で予防、管理する原則
特定できるソース汚染を管理するには、
「誰が汚染すれば、誰が予防、管理する」とい
う原則に基づくので、汚染側は汚染の行為を停止する義務があり、かつその汚染行為の結
果に対して責任をとるのが原則である。汚染側が責任をとることは汚染物質を随意に排出
することを収めることができるということで、特定できないソース汚染にとっては、汚染
側は汚染者の確定が難しく、かつ、複合的汚染についてはだれが責任をとるべきか、どの
程度の負荷を与えているのかの認定はさらに難しく、全体の取りまとめは極めて困難であ
る。であるから、小流域の中では特定できないソース汚染の全体しか確認できない。つま
り、特定できないソース汚染への管理義務の規定は、特定できるソース汚染と同様の対象
とすることは誤りである。特定できないソース汚染の管理においては、行政機関と汚染側
は共に汚染を予防・管理する義務を与える必要がある。その他、特定できないソース汚染
の範囲が広範囲に及ぶ特性からすれば、より広範囲の行政機関の協力が必要である。その
ため、特定できないソース汚染の管理に関しては、一方に汚染側はその自身の行為のため
に汚染が発生していることを認識する必要がある。また、
行政機関は大量の社会資源を持っ
ているだけではなく、それを汚染の管理に利用させることができるので、汚染を起こした
生産者と企業は法律、法規によって、特定できないソース汚染の排出を減少し、また、行
政機関の定めた特定できないソース汚染の管理に関する措置を実施する義務があるべきで
ある。その一方、管理者としての行政機関は、計画、汚染の負荷の監視測定、汚染を削減
する措置を制定する責任を取るべきである。同時に、科学研究機関は基準の制定と管理計
画の立案に行政機関に協力する義務を負うべきである。
! 特定できないソース汚染の管理に関する法律上の整備についての提案
特定できないソース汚染の発生の特徴は「ソース」と「プロセス」の2つの段階に分け
ることができる。
「ソース」は土壌の浸食、農業生産、生活物の廃棄、雨水の洗い流しな
どの理由で汚染物を溶解できる状態にさせる過程、或いは水の流れによって移される過程
である。この過程の中で密接に関連する要因は、主に農業生産、郷鎮企業による汚染物質
の排出、都市と町、農村の生活による汚染物質の排出である。
「プロセス」は水の中に溶
けている汚染物質が水の流れで移され、最後に水体に注ぎ込まれる過程である。この過程
の中では、水の流れによる移動は最も重要な過程である。この過程は、主に自然地理的条
件に関係するが、人為的な要因としては地形の変更、すなわち、耕地の開墾、BMPs の実
施、水利工事の建設が含まれる。そのため、当然「ソース」と「プロセス」が中心となる
が、法律を整備、制定するには発生源の2つの過程、つまり、
「ソース」と「プロセス」
から考えるべきである。この2つの過程が考慮される上で、以下のような法律、措置を整
備しなければならないと主張したい。
1.
『環境保護法』
、
『水法』
、
『水質汚染対策法』の中に特定できないソース汚染の予
防・対策の決まりをつけ、農村の環境保護を更に改善すること
現在、中国の環境法規の中では、新しく制定された『固体廃棄物の環境汚染対策法』を
除けば、農村の環境問題に関する法律の条文はほとんどない。
『環境保護法』
、
『水法』
、
『水
質汚染対策法』などは、農村の環境の管理と汚染処理の難しさを十分に考慮していない。
例えば、現在、汚染物質の排出総量の制御に関する制度はソース汚染には役立つが、特定
25
人文社会科学研究 第 16 号
できないソース汚染の解決には十分でない。規模が比較的に小さく、さまざまなところに
分散されている郷鎮企業による汚染物質排出への管理は、コストが高すぎるためなかなか
できない。以上のような欠陥は法規の改訂時に補うべきである。そうすれば、関連政府部
門のこの面への強化を促進できるし、法律を運用する場合は、対応できる法律を提供でき
るのである。
2.農業用の化学製品に関する法規の整備
中国では現在、農業用化学製品などの農業残留物に対する汚染の予防、対策の運用に関
する規程がある。例えば、
『環境保護法』
、
『農業法』
、
『グリーン食品の表記管理方法』
、
『基
本耕地の保護区の環境保護規程(試行)および各省(区)の定めた農業環境の保護条例、
規定、管理規則などである。しかし、全体から見れば、具体的な事例を明確に挙げていな
いので、実効性に乏しい。そのため、特定できないソース汚染を含む『全国農業生態環境
保護条例』を制定する必要がある。また、特定できるソース汚染の発生を抑制するための
方策として無公害の農産物、農薬、化学肥料などの使用基準、規定を整備し、農薬、化学
肥料の使用を規制し、生態の要求に合う施肥と薬の使用の技術を広めるべきである(26)。
3.牧畜による汚染管理に関する法規の整備
現在、家畜の飼育場管理においては、先進国は法律、法規をすでに多く制定している。
例えば、日本、アメリカでは大規模な畜牧場、養殖場の新設には審査と許可が必要である。
また、日本では糞尿の排出には、浄化処理が必要とされる。フィンランドも養殖場の新設
にあたっては、糞尿を処理する施設を最初に作らなければならない。中国政府も糞尿の処
理に関連する管理の規則を制定した。たとえば、国家環境保護総局は『牧畜養殖の汚染予
防・対策の管理方法』と国の『牧畜の養殖業の汚染物の排出基準』を公布した。その他、
省レベルにおいても福建省は『九竜江流域の水の汚染の予防・対策と生態保護の方法』を
発表した。これは、流域内で「牧畜養殖が禁止される地区」を確定して、九竜江両岸での
養殖場の新設を厳禁する、と定めている。しかし、現在の養殖業に起因する汚染の現状か
ら見れば、関連の法律、法規は更に改善が急がれ、環境に対する監視・管理も一層の強化
策が必要である。
4.
『環境への影響評価法』は土地利用計画の政策にコントロールされるべきである
耕地の開墾、水利工事の建設、利用などは特定できないソース汚染の影響する最も重要
な要素である。また、土地の利用は気候、水利、土壌、地形、経済、産業、技術、教育水
準などに左右され、加えて、化学物質の流入、地表を流れる雨水、土壌、植生のタイプ、
地形、耕作などによって変化する。両者の関係を分析するに際して、多く使用される方法
は、地区内の(流域あるいは都市)特定できないソース汚染の可能性評価という方法であ
り、これは、リスクの評価とも言われている。2
0
0
3年9月1日に施行された『環境への影
響評価法』
の中には特定できないソース汚染のリスクの評価に関する規定は入っていない。
そのため、予防を主とする趣旨の下で、特定できるソースをコントロールするという原則
によって、耕地の開墾、水利工事の建設、利用などの土地の利用に関する計画、措置に対
して、特定できないソース汚染のリスクの評価を行なわなければならない。そして、科学
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中国における特定できないソース汚染(冷)
的なシミュレーションによる予測の下で、土地利用の計画に特定できないソース汚染の負
荷を分析し、汚染の可能性を予見し、その対策によって変更された土地利用の結果がその
地区の生態環境にどのような影響を与えるのかということを訴えたい。それに基づいて、
『環境への影響評価法』に関連する条項を補うように提案したい。
5.中国の汚染物質排出においての料金徴収制度
汚染物質排出の料金徴収とは国の関連部門が関連する法律、法規と政策によって、環境
を汚染した企業と個人から料金を徴収することである。汚染物質排出に対する料金の徴収
は、環境を保護するための重要な担保手段の一つで、その長所は多い。この制度が実施さ
れゝば、企業は一部分の自主権を持つようになる。次は、政府の管理、監督のコストを下
げることができる。最後は、徴収した料金は国家の財政収入で、汚染処理の公共施設の建
設に用いることができる。それに基づいて、1
9
8
2年、中国の国務院は『汚染物質の排出に
関して料金を徴収する暫定的方法』を制定した。しかし、この法律は、廃水、排気ガス、
固形廃棄物のみに対してのものであり、料金徴収の基準も定めた。1
9
8
9年に制定された
『中
華人民共和国環境保護法』は、原則的にこの制度を追認したものである。1
9
9
1年、雑音に
対する徴収料金の基準を全土で統一し、
1
9
9
2年、二酸化硫黄に対する料金の徴収の試験
(点)
を展開した。1
9
9
3年には、汚水の排出費を徴収し始め、1
9
9
9年と2
0
0
0年、
『海洋環境保護
法』と『大気汚染対策法』を訂正し、中国の汚染物質排出に関する料金徴収制度を大きく
改革し改善した。これは、汚染物質排出費を定めるだけではなく、その基準を超えて汚染
物を排出する行為を違法行為とし、行政処罰を与えると定めたものである。しかし、現在
では、郷鎮企業による汚染物質排出、農村の生活汚染物質排出、都市の地表を流れる雨水
の汚染などの特定できないソース汚染には、まだ効果のある管理方法はない。そのため、
経済的手段を利用して、特定できないソース汚染の制御を強化する必要がある。
6.
『汚染物質排出権取引条例』を早期に制定すること
汚染物質排出権の取引の考え方は米国の経済学者のデルによって1
9
7
0年代に提案され、
アメリカ環境保護局による河川の汚染と大気の汚染管理に運用されている(27)。現在、水
資源の環境管理には汚染物質排出権の取引ではすでに3種類の方法が使われ、それは、特
定できるソース間の取引、特定できるソースと特定できないソース間の取引、特定できな
いソース間の取引である。その中では、特定できるソースの間の取引は比較的多く、その
結果も比較的に信頼できる。しかし、特定できないソース汚染が深刻な地区では、それが
特殊であるため、取引方法の中の後2種類は理論上で成立するが、現実的にはまだ広く使
用されていない。しかし、1
9
8
0年代の末、アメリカ環境保護局は、ノースカロライナ州
(North Carolina)とコラロド州(Colorado)などで特定できるソースと特定できないソー
スの汚染物質排出の取引を実施した例もある。中国は、1
9
9
1年から包頭、柳州、太原、平
頂山と貴陽などの都市で大気による汚染物質排出権の取引を試みたが、2
0
0
4年になって、
ようやく成功した(28)。初例であるが、汚染物質排出権の取引に関する訴訟の実例が新ら
しく出たのである。しかし、中国の法律、法規の中には、今なお汚染物質排出権の取引に
ついての条文はない。これに類するものの大半は地方の規定、命令であり、体系性の不足、
規範の不整合もあるので、その制度的価値と経済的価値を十分体現できないのが現状であ
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る。当面の急務は、
『水質汚染対策法』の改正を通して、水資源に関係する汚染物質排出
権の取引問題を解決するべきと思われる。それから、少しずつ
『汚染物質排出許可証条例』
、
『汚染物質排出権取引条例』を制定して、法律による汚染物質排出権の取引市場を整備す
ることが望まれる。
7.都市における特定できないソース汚染の立法強化
特定できないソース汚染に対して、各地方は国務院の『都市様子の環境衛生管理条例』
によって、当該に相応しい実施細則を制定し、特定できるソース汚染から都市の衛生を守
り、汚染物の減少を目的とした、都市におけるごみの回収管理を強化する。また、国家レ
ベルの対策として国務院は『都市生活汚水処理費徴収使用管理条例』を制定するべきであ
る。国務院による規定が出来る前に、各地方は当該地の現状を考え、
『都市生活汚水処理
費徴収使用管理方法』などを制定し、水質汚染に関係する汚染防止の方策を講じるべきで
ある。都市について生活汚水に対して処理費を徴収するのは、都市部住民の節水の促進に
寄与することができ、かつ、徴収資金をもって、生活汚水処理施設の建設をすれば、生活
汚水に対する処理率を高めることが可能である。また、国務院あるいは国務院に関連する
部門は早急に『道路交通汚染物質処理方法』を制定し、交通による汚染物質の拡散を制御
する必要がある。道路の管理部門には通交によって生じる汚染物質発生の抑制と拡散防止
に対して適切な措置をとるように責任を与え、汚染物質の地下あるいは地表の水体への排
出の数量を減らすことを考えるべきである。さらに、各種植物による土壌養分の吸収能力
と汚染物質への濾過能力、適切な人工の小河、濡れる土地、砂の濾過帯、植物緩衝帯によ
る拡散防止など、雨水によって、交通道路から生じる汚染物質による特定できないソース
汚染に対して、第一に、拡散防止、次いで、メカニズムの解明が可能となるのではなかろ
うか。
五、結び
中国は土地が広く、各地の自然環境は大いに異なっている。また、経済発展が不均衡で、
特定できないソース汚染という特殊性などを前提に、特定できないソース汚染の制御には
当該地域に適する方法を取らなければならないと思う。中国と同様に広大な国土をもつア
メリカの経験は貴重である。全国的に特定できないソース汚染を制御するには、各該地域
の社会、経済の条件と自然環境を十分に考慮できる柔軟な法律を作り上げる必要があると
同時に、基軸となる法律の整備が必要である。
中国国内の経済の発展、社会の環境問題への関心、技術の進歩に伴い、特定できないソー
ス汚染を管理する法律の立法化は、近い将来において整備されると信じている。また、多
くの専門家、学者は特定できないソース汚染のメカニズムを解明、制御する方策に関心を
持ち、法律の制定に寄与できるものと信じている。
(れい・らせい 北京師範大学法学院準教授)
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中国における特定できないソース汚染(冷)
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