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加賀市小学校中学年授業研究会 要綱 3年フラッグフットボール指導案

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加賀市小学校中学年授業研究会 要綱 3年フラッグフットボール指導案
平成23年度
期
日
平成23年10月28日(金)
会
場
加賀市立勅使小学校
公開授業
第3学年(体育館)
協 議 会
体 育 館
加賀市教育委員会
平成23年度
Ⅰ
日 程
13:05 13:25
受
付
Ⅱ
学
小学校中学年授業研究会
公 開 授 業
(体育館)
公開授業
年
15:40 15:50
移
動
休
憩
開会・全体協議会
(体育館)
13:25~14:10
教
3学年
14:10 14:30
科
体育科
単
元
16:30 16:40
全 体 協 議 会
(体育館)
閉
会
(体育館)
名
指 導 者
フラッグフットボール
Ⅲ 開会・全体協議会・閉会 14:30~16:40
(1)開
会
①挨 拶
加賀市教育委員会
教育長
②助言者・司会者・記録者 紹介
③日程等
(2) 公開授業整理会・授業研究
**
**
場
体育館
(体育館)
司会者
** ** 教諭(加賀市立動橋小学校)
記録者
** ** 教諭(加賀市立片山津小学校)
①勅使小学校の研究について
研究主題「活用力を高める授業~体育科を中心にして~」
提案者
** ** 教諭
②本日の授業について
授業者
** ** 教諭
③授業研究・質疑応答
④指導・助言
小松教育事務所
** ** 指導主事
(3) 研究協議・意見交換
協議題【体育科のねらいに迫るための言語活動のあり方】
指導・助言
小松教育事務所
** ** 指導主事
(4) 閉会挨拶
加賀市教育委員会
加賀市立勅使小学校
学校指導課長
新川 淑惠 校
長
所
学 校 研 究
1.研究主題
「活用力を高める授業づくり」 ~ 体育科を中心に ~
2.研究主題の設定について
<体育科の担う学力>
本校では長年にわたり児童の体力向上をテーマとし研究を蓄積してきた。昨年度は、体力の向上
に加え、今日的教育課題である生涯体育としての体育科の捉え、また体育科における活用力の育成
を柱として、研究実践を進めてきた。しかし、学習形態や児童が主体的に思考・判断する学習過程
の工夫、あるいは活用力を育成するための学習指導と支援,評価のあり方等を振り返ると十分であ
ったとは言えない。
学習指導要領も改訂され、
「体育については、体を動かすことが、身体能力を身に付けさせると
ともに情緒面や知的な発達を促し、
・・・コミュニケーション能力を育成することや、筋道を立て
て練習や作戦を考え、改善の方法などを互いに話し合う活動などを通じて論理的思考力を育むこと
に資することを踏まえ、それぞれの運動が有する特性や魅力に応じて、・・・生涯にわたって運動
に親しむことができるように・・指導内容を整理し体系化を図る。」としている。21世紀を生き抜
く人材の育成に向け、
「生きる力」の柱となる主体的な問題解決能力や言語力の育成、豊かな人間
性、健康・体力といった要素はまさに体育科を通して培うことができる内容と合致している。また
人と上手にかかわれないことに起因する多くの問題が山積する現代、体育科が果たす役割はますま
す大きくなっていると言える。体育科の内容も技能・態度・学び方(思考・判断)の3つの観点で
整理され、教師の下で運動技能を習得するのではなく、児童自らが目標を設定しそのための課題を
選択し、学習内容を工夫決定する中で、運動に対する課題解決能力をつけていかなければならない。
そのようなことを考えたとき、一層の効果的・効率的な授業づくりが私たちに求められており、
教師の指導力向上は必須である。
そこで今年度は「いしかわ学びの指針 12 か条」にもある、
「根拠や筋道を明確に表現する力」
「物
事を多様な観点から考察し、多面的・多角的に思考する力」「習得した知識や技能を活用・応用す
る力」のいわゆる児童の「活用力」を一層高めるための授業づくりを研究のテーマとした。本校児
童は体育科に対する学習意欲が高く、ゲーム等の学習場面ではチームの勝利に向け、率直な自分の
考えや意見を積極的に表現しようとする。このことからも、今年度はこの力を他教科でも生かす児
童の育成、また彼らの活用力育成に向け、体育科を中心に研究実践を進めていくこととした。
体育科は教科書のない教科である。指導計画作成から教材づくり、示範まで担任の手によるとこ
ろが多い。また常に事故と隣り合わせで、安全上の配慮も重要である。しっかりと学ばせるには実
に深い教科である。しかし、何より児童が一番好きな教科であり、多様な仲間とともに学ぶ喜びを
享受できるこの教科は、学校生活全般に影響を与え、児童を学級全体を大きく育む可能性を大いに
秘めている。ぜひ体育科の授業づくりから、運動好きで友だちを思いやる児童、学校が大好きで他
の教科への学ぶ意欲も高い児童の育成につなげるために、この主題を設定した。
1
3.めざす児童像
「活用力を高める授業」では,これまで学んできたことの中から、何が必要となるのかを判断し、
仲間と関わり合う中で、学ぶ児童の姿が求められる。このような児童の姿には次の2つがあるので
ないかと考えられる。
①
課題(ねらい)から学びの方向性を探ろうとする姿
課題に対し、仲間の考えや意見を取り入れたり、自分の考えや意見を修正したりしながら、
課題解決しようとする姿
②
課題(ねらい)から学びの意味を探ろうとする姿
課題に対し、これまでの知識と新たに自ら考え出した事柄との関係を探ろうとし、自分なり
に課題解決をしようとする力
以上を踏まえ,具体的な活用力を本校では下記のように捉えた。
体育科における「活用力を高める授業」とは,1 時間の課題(ねらい)が与えられた際、児童が
必要感や切実感をもちながら、これまでに身につけたもの、技術を積極的に活用していく授業とし
て捉え、下記の力を活用力とする。
○ 学んだ動きを次の動きに活かす力②
(例)パワーアップタイムで身に付けた力を、タスクゲームやメインゲームに活かす力
○ 自分や友達の動きの良さや改善点を見つける力①
○ 自分の考えた動きや見つけた動きを自分なりの表現方法で伝える力②
○ 動きや作戦を、根拠や筋道を明確にして伝える力①②
○ 得点に結びつくような効果的なスペースを見つける力①②
○ めあてに応じて、ルールや場、道具を工夫する力①②
○ チームの特長に合った作戦を考え、仲間と考えや意見を出し合い改善していく力①
○ 自分の力にあった技や練習方法、場をこれまでの経験から選ぶ力②
尚,上記の活用力を高める独自の活動として,動きや作戦を言語で価値づける活動を授業で位置
付けなければならない。つまり,身体で表現されたものを見て,すぐにその動きについての気付き
を仲間が言語表現により助言する。そして,それをもとに動きを修正するための身体表現を行う。
このサイクルを繰り返すことにより,運動における自分や仲間の動きのよさや問題点について知識
や技能を深めたり,運動技能を高めたり,さらには運動・スポーツ全体に対する見方や考え方を変
容させることができると考える。
<他教科における活用力>
他教科においても、
「活用力を高める授業づくり」を推進し、
「思考力・判断力・表現力を高める
ための支援」を重点として研究を進めていく。各教科の活用力を下記にまとめた。
・言葉の多様な意味やその使い方を捉えて考える力
・目的や課題に応じて文章を読み,自分なりに考える力
国 ・いくつかの变述や意見を比べたりつなげたりして考える力
語 ・考える根拠となる变述を見つける力
科 ・目的や課題に応じた表現方法を選択する力
・相手意識をもって表現する力
・習得した語彙や文章構成など使って表現する力
社 ・既習や自分の経験、知識から社会的事象の特色や相互の関連や意味を考える力
会 ・社会的事象の特色や相互の関連、意味について調べたり考えたりしたことを表現する力
科
・既習(既に学習した計算方法や定理・概念)を生かして筋道をたてて考える力
算 ・数量や図形などに着目して的確に捉える力
数 ・与えられた情報(課題)を整理分類したり、必要な事柄を選択したりできる力
科 ・操作,数式,図、言葉などを用いて、事象や自分の考えを表現したり説明したりする力
・既習や経験をもとに仮説を立てて根拠のある推論ができる力
理 ・実験や観察結果から自分の考えをもち、課題解決へ導く力
・事実と事実を関連づけて考察していく力
科 ・自分の考えを言葉で表現したり、イメージ図で表したりすることでより明確にできる力
2
4.研究構想図
<教育目標>
言葉豊かに心豊かに,未来をたくましく生き抜く勅使っ子の育成
<研究主題>
活用力を高める授業づくり~体育科を中心に~
<めざす児童像>
・課題(ねらい)から学びの方向性と意味を探ろうとし、
①積極的に取り組む子 ②必要な知識や技能から思考・判断力を身につける子
③仲間とともに学び合い高め合う子
児童の姿
・考える
・既習を活かす
・表現する
活用力を高める授業
パワーアップタイム
(タスクゲームとの関連)
↓
学習課題の確認(考える・
活かす・表現)
↓
課題解決(話し合い・挑戦)
活用の場面(思考・判断⇒学び合
う・高め合う⇒再度挑戦・表現)
↓
ふりかえり(認め合う)
・話し合う
・挑戦する
・確かめ合う
・認め合う
教師の支援
・課題意識を深める
工夫
・児童の思考・判断
を把握する工夫
・思考の流れをつな
ぐ発問の工夫
・板書の工夫
・認め合う場の工夫
(ほめる・励ます)
<基盤となる教育活動>
言語活動の充実
考える・聞く・話す・読む・書く・話し合う・確かめ合う
読書活動の充実
朝読書「かぞく読書」(いしかわ学校読書の日)自動車文庫 地域の方の読み聞かせ
基礎基本の学び力の向上
チャレンジタイム 家庭学習 学習規律 学習環境
体力の向上
スポチャレ 勅使っ子タイム 外遊び 一輪車 体力テスト
温かな学級づくり
あいさつ
地域・家庭との連携
かぞく読書
縦割り活動
道徳教育の推進
家庭学習推進週間
<児童の学習における実態>
積極的な生徒指導
食・生活日記 体力貯金通帳 あいさつ運動
<昨年度の研究の課題>
・体育科における活用力の具体化
・学習用語のさらなる定着
・課題にせまるための言語活動の活かし方
⇒運動量と技能を保証するための言語活動(ポイントを活かした話し合い等)
・他教科に広める「思考の流れを大切にし,活用力
を育成する力」の育成
・基礎基本は概ね定着しているが、活用問題が苦
手な児童が多い。
・授業で積極的に発言しようとする児童が多い。
・論理立てて話したり書いたりする力が弱い。
・体育好きの児童が多い。
3
5.1時間の授業の流れ
学習課題(学習のめあて)
「活用させたい知識・技能等」(教師側)
導 入 の工 夫な ど学
既習の確認等
パワーアップタイム(タスクゲームとの関連)
習 意 欲の 向上 を図
る支援
学習課題の確認
前時との関連を意
識化させる支援
課題提示や発問の工夫
課題解決(深める)
【活用の場面の設定】
動 き やそ の
身体表現
動きの
特性の確認
【言語を動きで確認】
実感
言語表現
【動きを言語で確認】
思考をゆさ
ぶる発問等
動きに対する考えや意見の交流(課題にせまるための言語活動)
活用のポイント
【低学年】 仲間や教師の動きに自分の動きを近づける。
【中学年】 仲間の運動のよさをポイントにそって見つけ,自分の動きと比較する。
【高学年】 技能を高めるためのポイントを自分たちで発見し,自分のでき具合との違いを見つ
ける。確かめ合う。
これまでの運動(基礎基本)
ふりかえりをする
『活用した意識』をもたせ『学
の深まりを意識させる支援
びの高まり』を確認させる支援
身につける「新たな知識・技能等」
(児童)
○
○
○
○
○
○
○
○
<本校の体育科における活用力>
パワーアップタイムで身に付けた力を、主運動に活かす力
自分や友達の動きの良さや改善点を見つける力
考えた動きや見つけた動きを、自分なりの表現方法で伝える力
動きや作戦について、根拠や筋道を明確にして伝える力
得点に結びつくような効果的なスペースを見つける力
めあてに応じて、ルール(規則)や場、道具を工夫する力
チームの特長に合った作戦を考え、改善していく力
自分の力にあった練習方法、場を選ぶ力
4
◎体育用語一覧(ゴール型バスケットボール型)
一
年
二
年
【宝取りゲーム・鬼遊び】
【なげっこ・捕りっこ・並びっこ】
ゲーム・ボール・ルール・コート・ライン ゲーム・ボール・ルール・投げる・捕る
タッチ・陣地・鬼・攻め・守り・ゴール
キャッチ・蹴る・仲間・攻め・守り・並ぶ
スタート・隙間・走る・よける・かわす
仲間・敵(相手)・反則・得点
得点
【スーパー宝取り・しっぽ取りゲーム】
ゲーム・ボール・ルール・反則・ライン
【なげなげワールド】
タッチ・陣地・鬼・タグ・フラッグ・攻め 1年【なげっこ・捕りっこ・並びっこ】
守り・ゴール・スタート・隙間・走る
と同じ。
よける・かわす・仲間・敵(相手)・得点
【フラッグフットボール】
三
年
四
年
五
年
ゲーム・ボール・ラグビーボール・ルール・反則・コート・ライン・フラッグ(タグ)
攻撃・守備・タッチダウン・ランタッチダウン・パスタッチダウン・パス・キャッチ
得点ゾーン・ブロック・パスカット・作戦・作戦会議・攻撃方向・スペース
フェイント・走りこむ・ハドル
【セストボール】
攻撃・守備・ドリブル・パス・シュート・オーバーハンドパス・チェストパス
リング・セストゴール・コート・センターサークル・ルール・スローイン・サークル
ジャンプボール・ファウル・ダブルドリブル・トラベリング・作戦・作戦会議
スペース・フリー・フェイント・パスカット・おとり
【ハンドボール】
ドリブル・パス・シュート・ステップシュート・ジャンプシュート・バウンドパス
オーバーハンドパス・ゴールキーパー・ゴールエリア・センターライン・エンドライン
スローオフ・スローイン・ファウル・トラベリング・ダブルドリブル・ジャンプボール
ルール・作戦・作戦会議・スペース・フェイント・おとり・パスカット・オフェンス
ディフェンス
【バスケットボール】
ドリブル・パス・シュート・ランニングシュート・ジャンプシュート・フリースロー
六
年
リバウンド・オフェンス・ディフェンス・チェストパス・バウンドパス・ピボット
リング・ボード・コート・オールコート・ハーフコート・センターサークル・ルール
ジャンプボール・ファウル・ダブルドリブル・トラベリング・パスカット・作戦
作戦会議・スペース・フェイント・おとり・サポート
※□は、各学年で新たに使用する用語ですが、他の型の種目において既に使用しているものもあります。
※用語だけを教えるのではなく、用語と動き・物が一致することが重要です。
※チームの作戦会議や全体の話し合いの場で、児童が自然に使えるようになることを目指しましょう!!
5
第3学年体育科指導案
日
時 平成23年10月28日(金)第5時限
場
所 体育館
授業者 ** **
1、単元名 「フラッグフットボール」
2、目標
・ 友達と励まし合いながら練習やゲームに進んで取り組むことができる。
【運動や安全・健康への関心・意欲・態度】
・ 規則を工夫してゲーム作りをし、攻め方を知り簡単な作戦を立てることができる。
【運動や安全・健康への思考・判断】
・ 空いている場所を見つけて走りこむことや、投げる・捕る・手渡すなどの基本的なボール操作
ができる。
【運動の技能】
3、指導にあたって
(1)教材について
①教材のとらえ
フラッグフットボール(以下F.F)は、
「アメリカンフットボール」をもとに誕生したゴール
型ゲームのニュースポーツである。F.Fは侵入系の陣取り型ゲームで、攻撃側は、走り込んだり
パスを受けたりして得点ゾーンにボールを運び、タッチダウン(ゴール)して得点を奪う。守備
側は、タックルの代わりにプレーヤーの腰の左右につけた「フラッグ」を取ったり、ボールをパ
スカットしたりして得点ゾーンへの侵入を防ぐ。得点ゾーンが広く点が得やすいことやパスは1
回でボール操作に関わるプレーが易しいこと、また、身体的接触は禁止で安全であることなどに
より、中学年で攻防を楽しむことができるゲームである。
ゲームの開始は、センター(C)からクォーターバック(QB)へのスナップパスから始まる。
そして、QB自身またはQBからボールを手渡しされた味方は、フラッグを取られないようにし
ながら空いている場所に走り込んでボールを運ぶ。攻撃中に、ボールを落とす・コートから出る・
ボール保持プレーヤーがフラッグを取られる等のことが起きた時点でゲームが止まり、その地点
のコート中央から2回目の攻撃がスタートする。攻撃回数以内でタッチダウンを目指して攻め入
るが、タッチダウンの方法は、得点ゾーンに走ってボールを運ぶ「ランタッチダウン」と得点ゾ
ーンに走り込んだ味方にパスをする「パスタッチダウン」の2種類を示したい。
このような基本のゲームをもとに、攻撃回数・攻守の人数・ボール・得点などの具体的な規則
については、話し合って決めるようにしたい。例えば得点について、「パスタッチダウン」は、
パスという技能を使ってチームプレーで得点するので高得点になるとか、ボールを持っていなく
ても得点ゾーンに走り込むことができたら得点になるというようにして、全員が積極的に攻撃に
参加することができるようにしたい。また、守備チームにも、フラッグを取ると得点が入るとい
うようにして、シンプルでより多くの得点が入るようなルールを作るようはたらきかけていきた
い。実際にゲームを進める中で、問題点・改善点があれば話し合ってルールの修正を行い、実態
に合うように自分たちでゲームを作っていき、より楽しくゲームすることができるようにしたい。
F.Fは技術的に易しく、作戦を考えるという課題に焦点をあてることができる。侵入系のゴー
ル型の球技は、サッカーやバスケットボールのように戦術的には複雑であるが、F,Fは、ゲー
ムがワンプレーごとに止まり、一回一回の攻守がはっきりしているため、作戦が立てやすい。そ
こで、教師の例示を基に、動きの作戦を考えてゲームを楽しむことができるようにしたい。作戦
6
を話し合うという言語活動では、単元のはじめの段階で基本的な用語や簡単な規則を理解させ、
その語を使って話し合えるようにしたい。作戦を考える時は、経験を活かすことや自分達の特徴
をいかした攻め方を考えることが必要であり、活用力をのばすことにもつながると考える。
F.Fでは、ボールを持たない児童の動きも大切なので、空いている場所を利用することが意識
され、この経験が、高学年でのゴール型のゲームの動きや作戦に活きると考える。そして、役割
分担が明確で、一人ひとりの動きのよさをいかした作戦を考えることは、友達のよさを認め合い
協力し合うことにつながる。
本単元を通して、
「みんなで知恵を出し合う楽しさ」「みんなが活躍できる楽しさ」「みんなで
協力して取り組む楽しさ」を味わわせたいと考えている。
②パワーアップタイムについて
ランアンドパスキャッチ
次の3つの種目をローテーションして行う。
(左右とも)
ア. シャトルボール…ボールを正確に投げる,捕る。
回数を数えながらする。
イ. フラッグ取り…相手をかわし、機敏に動く。
二人で対峙して行う。
ウ. ランアンドパスキャッチ…走りながらボールを捕る。
ボールから目を離さないで捕る。
相手の動きに合わせて投げる。
(2)児童について
①運動全般について
(省略)
②単元と関連して
(省略)
7
パス
走る
4、活用力を高めるための指導と支援
次の2点本単元での活用力ととらえる。
① チームの特長に合った作戦を考え,改善していく力
作戦を考えてゲームに取り組む支援として、3年生では経験が少ないので作戦を例示する。
例示した作戦の中から、選択して話し合うときは、どんな作戦にするか、どんな動き方をする
か、作戦カードを利用しながらチーム内の相手に伝わるようにする。その際、その作戦にする
理由も話すようにさせ、相手によくわかるように説明させたい。また、守備がいない状態で作
戦の動きを試して話し合ったことをゲームに活かしたり、その結果から改善した作戦を考えた
りできるようにしたい。振り返りにおいては、よかった点や改善点を次につなげて話せるよう
言語活動を充実させながら、活用力を高めていきたい。その手立てとして、F.Fの重要な動き
の言葉(キーワード)を提示し、単元を通してキーワードを使って話し合いや振り返りができ
るようにする。また、話し合いの視点を与え、話し合いを焦点化できるようにしていく。
② パワーアップタイムで身に付けた力を主運動に活かす力
本単元のパワーアップタイムでは、F.Fのゲームにおいて必要となる個人技能の向上を目指
し、
「シャトルボール」
「フラッグ取り」
「ラン&パスキャッチ」の 3 種目をチーム毎にローテー
ション形式で行う。
「シャトルボール」では、ゲームにおける局面を考慮し、ボールスピードや
投げる素早さよりも正確に投げたり捕ったりすることの方が重要であることを、全体で確認して
から行うようにする。
「フラッグ取り」では、ゲームにおける守備をかわす動きにつなげるため、
相手の動きをよく見て判断し動くこと意識させて行いたい。「ラン&パスキャッチ」では動きな
がらボールを捕る技能と、相手が捕りやすいボールを投げる技能の向上を目指し、走る際の目線
や投げるボールの軌道を意識させて行うようにする。いずれの種目も児童がそれぞれのポイント
を意識して取り組むことを重視し、単にこなすだけの時間にならないよう留意したい。
ステージ1、2ともにタスクゲームを行った際には、ゲームをしてみて得点のためにはどんな
技能が必要であるか、また「もっとこんな風になりたい。」などのそれぞれの思いについて話し
合う時間を確保し、実感を伴った課題意識から、児童自身が必要感を持ってパワーアップタイム
に取り組むようにさせたい。
5、単元の学習計画・評価規準(全8時間)
時 学習課題
1
学習内容
学習内容の進め方を ・フラッグフットボー
理解し,見通しを持 ルについて、基本的な
つ。
(オリエンテーシ ルールや用語を知る。
ョン)
・パワーアップタイム
の進め方を知る。
評価規準[評価方法]
運動や安全・健康への関
心・意欲・態度
・学習の内容と進め方を
理解し、興味を持って意
欲的に取り組もうとし
ている。
[行動観察]
・友達と協力して、用具
の準備や後片付けをし
ようとしている。
[行動観察]
8
運動や安全・健康
への思考・判断
運動の技能
2
<ステージ1>
・ランゲームでの基本
ランのみでタッチダ のルールを知る。
ウンするゲームに挑 ・試しのゲームをしな
戦する。
がら、作戦を知る。
・走りこんでタッチダ
ウンを決めるゲームに
挑戦しよう。
3
・友達と励まし合って、
意欲的に練習やゲーム
に取り組もうとしてい
る。
[行動観察]
・ゲームを行う場や、用
具の使い方などの安全
を確かめようとしてい
る。
[行動観察]
・ゲームの行い方
を知り、ゲームを
楽しく行うための
規則を選んでい
る。
[発言・行動観察]
【タスクゲーム1】
・ランのみのタッチダ
ウンのゲームをする。
・フラッグ取りをねら
う。
4
<ステージ2>
・パスのみのルールで
パスのみでタッチダ タッチダウンする作
ウンするゲームに挑 戦を知ったり、練習を
戦する。
したりする。
5
・走りこんだ味方に 【 タ ス ク ゲ ー ム 2 】
パスしてタッチダウ (4対2)
ンを成功させる動き ・パスでタッチダウン
を考えよう。
のゲームをする。
・フラッグ取りとパス
カットをねらう。
6
<ステージ3>
・パスとランを使った
パスとランを使って 試しのゲームをしな
タッチダウンするゲ がら、作戦を知る。
ームをする。
7
本
時
・パスとランを組み 【メインゲーム】
合わせた作戦を選ん ・自分たちに合った作
で、ゲームを楽しも 戦を選んで、ゲームを
う。
する。
・ボールを持ってゴ
ールに向かうことが
できる。
[行動観察]
・友達と励まし合って、
意欲的に練習やゲーム
に取り組もうとしてい
る。
[行動観察]
・規則を守り、友達と励
まし合って、練習やゲー
ムに取り組もうとして
いる。
[行動観察]
8
・ゲームの行い方
やゲームの特徴に
合った作戦を知
る。
[発言・行動観察]
・基本的な作戦か
ら、作戦を選ぶこ
とができる。
[発言・行動観察]
・ゲームの行い方
やゲームの特徴に
合った作戦を知
る。
[発言・行動観察]
・これまで学習し
た作戦から、作戦
を選ぶことができ
る。
[発言・行動観察]
・守備者がいない場
所に移動する(走り
込む)ことができる。
[行動観察]
・味方にパスを出す
ことができる。
[行動観察]
・味方にボールを手
渡したり、パスを出
したりすることがで
きる。
[行動観察]
・守備者がいない場
所に移動する(走り
込む)ことができる。
[行動観察]
6、学習過程
ステージ1
1
2
3
ステージ2
4
ステージ3
5
6
7
ボール操作を意図した準備運動
パワーアップタイム(ゲームに生きる動きを高める運動)
本時のめあての確認
オリエン
テーショ
ン
ランゲーム
パスゲーム
パス&ランゲーム
・試しのゲーム
・試しのゲーム
・試しのゲーム
・作戦を知り、チーム
・作戦を知り、チーム
・作戦を知り、チーム練習
練習
・4対2のゲーム
練習
・4対3のゲーム
・4対2のゲーム
振り返り
9
8
7、本時の展開
(1)本時の目標
・これまで学習したフラッグフットの作戦から、作戦を選ぶことができる。
(思考・判断)
(2)準備・資料
・ワークシート
・作戦カード
・タイマー
・フラッグ(タグ) ・ボール
(3)本時の展開
配
学習活動と児童の思考の流れ
指導(・)支援(○)評価規準(☆)
1.整列,準備運動
パワーアップタイムの準備
活用力を高める指導 or 支援活
・投げる,捕る運動が中心になるため、肩と
指先の準備運動も補足して行わせる。
8
2.パワーアップタイム
① シャトルボール
② フラッグ取り
③ ラン&パスキャッチ
・主運動の中で使う動きに慣れさせる。
・①の結果は記録し、意欲を持たせる。
・チーム毎にローテーションして 3 か所を回
る。
5
3.本時の課題を知る。
時
3
22
・本時の課題を黒板に提示し、全体で確認す
パスとランを組み合わせた作戦を選んで、ゲーム る。
を楽しもう。
・これまで学習したランやパスの作戦を組み
合わせ攻撃できることを伝え、意欲付けを図
4.前時の作戦を思い出す。
る。
チーム別で作戦を確認する。
・前時までに考えた作戦についてチーム毎に
作戦の例(別紙)
確認する。
5.ゲームを行う。
(攻撃 4 対守備3)
○ゲーム中での失敗した時や上手くいった時
の仲間への声かけや相手を意識してゲームを
・45秒のハドルで、どの作戦にするかを決 行うことを,ゲーム前に全体で確認する。
める。
(喜びを表す声かけ、励ましの言葉)
☆どの作戦を使ったら有効か考えながら、作
・最初は、クロス作戦でいこう。
戦をえらんでいる。
【行動観察・発言】
・ランで進めて、最後にパスをねらおう。
・左が空いているから、そっちに走りこもう。
7
6.本時の学習の振り返りをする。
・
「最初は、ランで進めて、最後はクロス作戦でや
ったら、タッチダウンできた。
」
・
「おとりで最初に走ったら、うまくひっかかって
くれて、点数が入った。
」
・
「パスをうまくとれなくて、タッチダウンできな
かったけど、フラッグがたくさんとれて、点数
が入った。
」
・○○さんが、うまくスペースに走ってくれたの
で、パスが通ってうれしかった。
」
10
活○振り返りの視点を「どんな作戦でなぜ成
功したか」
「うまくいかなかったのはなぜか」
とし、内容の焦点化を図る。
○戦術上重要な用語のフラッシュカードを準
備し、その用語を使って話せるようにする。
「パス・タイミング・方向・クロス・ス
ペース・フェイク(だまし)・ガード・
おとり」など
き ほ ん
さ くせ ん
<基本の作戦>
さくせん
ランでの作戦(走る方向と走りだすタイミング・だれがボールを持って進めるかを決める)
① ランの川の字作戦
②ランのクロス作戦
③ランのまわりこみ作戦
パスでの作戦(走る方向と走りだすタイミング・だれにパスを出すかを決める)
① パスの川の字作戦
⑤パスのクロス作戦
その他
⑦ ガード作戦
(ボールを持っている人を守りながら、進む)
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⑥パスのまわりこみ作戦
勅使小学校2011年 フラッグフットボールの基本ルール
ステージ3・・・メインゲーム(ラン&パスゲーム)のルール
◆進行◆
○攻撃側4人 対 守備側3人 で対戦する。
○あいさつ→先攻・後攻のじゃんけん。攻守交代でゲームを進める。
センター
クォーターバック
○攻撃側はスタートラインより、 C から Q B への「エクスチェンジスナップ」で攻めを開始(開
始前に動くとフライング)
審判「セット」
センター
C 「レディー1・2・3」の掛け声
○攻撃側は、ランプレー(ボールを持って前へ走る)か、パスプレー(前方に走り込んだ味方にパスを
通す)のどちらかでボールを前に進める。
○ボールを持った子がエンドラインを越え、得点ゾーンに入ったらタッチダウンとなり得点。3回の攻
撃でタッチダウンを目指す。2回目以降は、前のプレーの終了ラインから開始。
○攻撃側は、前のプレーが終わってから45秒以内に次のプレーを開始する。その間に、作戦会議(ハ
ドル)をする。
○3回の攻撃でタッチダウンできなかったら、攻守交代する。
○前へのパスは1回まで。
(ランプレーの場合は、0回)
○スタートラインより手前なら、1回だけ手渡しパスOK。
◆得点◆
○ランタッチダウン(ボールを持って得点ゾーンに走り込む)・・・1点
パスタッチダウン(得点ゾーンでパスをキャッチする)・・・・・3点
○守備側がフラッグを取ったら・・・・・ディフェンス側に1点
◆1回の攻撃の終了◆
○ボールを持っている子がフラッグをとられた時
○ボールを持っている子がサイドラインから出た時
○ボールを落とした時
○ボールを持った人のひざや手が地面についた時
◆守備◆
○エンドラインから守る。
○相手の得点を防ぐために、ボールを持っている子のフラッグ取りをねらう。
○パスカットをねらう。
◆反則◆
○相手の体に触れるプレーは禁止。
「押す・たたく・ぶつかる」はファールとなり、反則のあった地点
のコート中央から相手ボールで再開せる。
その他
●攻撃回数、人数、ボール等については、児童の実態に合わせて変えていく。
●シンプルなルールでより多くの得点が入るように、人数やルール等を考えていくようにする。
例 ・得点できない子はフラッグを2本取られるまでプレーできる。
・特に能力の高い子は、タッチされただけでアウトにできるなど。
・攻撃・守備ともローテーションして行う。
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ステージ1・・・ランゲーム(タスクゲーム1)のルール
(メインゲームとの変更点のみ明記)
◆進行◆
○攻撃側4人 対 守備側2人 で対戦する。
○オフェエンスは、ランプレー(ボールを持って前へ走る)のみで得点ゾーンをめざす。
○1回の攻撃ごとに得点ゾーンに入ったら得点とする。
○スタートラインより手前なら、1回だけ手渡しパスOK。
○3回ずつ攻撃し、合計得点で勝敗を決定する。
◆得点◆
○ボールを持った人が得点ゾーンに走り込む・・・・・・・・3点
○ボールを持っていない人が得点ゾーンに走り込む・・・・・1点
○ディフェンス側がフラッグを取ったら・・・・・ディフェンス側に1点(フラッグ1本ごと)
ステージ2・・・パスゲーム(タスクゲーム2)のルール
(メインゲームとの変更点のみ明記)
◆進行◆
○攻撃側4人 対 守備側2人 で対戦する。
○オフェエンスは、パスプレー(前方に走り込んだ味方にパスを通す)のみでボールを前にすすめる。
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フラッグフットボールの「これだけは知ってておこう!」
名前 (
○フラッグフットボールの元になったスポーツ
⇒(
○フラッグフットボールにかんする用語
)
)
① オフェンス
相手チームのとく点ゾーンに向かってこうげきすること。
② ディフェンス
相手のこうげきをまもること。
③ パス
味方のプレーヤーにボールを送ること。
④ タッチダウン
得点ゾーンまでボールを運びこみとく点すること。とく点ゾーン内
でパスをうけてもとく点。
⑤ フラッグ(タグ)
両こしにつける細長いぬの。このフラッグを取ることにより、タッ
しあいていし
クルせいこうとみなし、ボールデッド(試合停止)となる。
⑥ スタートライン
⑦ スクリメージライン
ゲームをはじめるライン。
いこう
実さいはないが、2回目の以降のせめをはじめるライン。
⑧ エンドライン
コートの端にあるライン
⑨ サイドライン
横の線の名前。
⑩ 得点ゾーン
ちいき
エンドラインの先にある地域。ここにボールを持ちこめば、
「タッチ
ダウン」となりとく点。
⑪ ク ウ ォ ー タ ー バ ッ ク こうげきのポジション名。センターのこ間を通してわたされたボー
(QB)
ルをほかのプレーヤーにパスをしてこうげき・作戦を実行する。
⑫ センター(C)
こうげきのポジション名。ボールを持ってこうげき動作の始まりを
受け持つ。
⑬ フォワード(F)
こうげきのポジション名。
⑭ エクスチェンジスナップ
ゲームの開始方法。C から QB へボールをスナップしてわたすこと。
⑮ ファウル
プレーヤー同士のせっしょくによる禁止行為。
⑮ ハドル
さくせん か い ぎ
こうげき間の作戦会議
⑯ フェイク
ボールを手わたすふりをして、自分でボールを持って走るプレー。
だまし。
⑰ フェイント
相手をあざむいたり、けんせいしたりするための見せかけのこうげ
きや動作。
⑱ フライング
エクスチェンジスナップ前に動くこと。
⑲ ガード
じゃまをする。
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