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武道歌に見る居合術の 理念と技術
1 大学体育の教員養成の課題 -新任教員と大学院生を対象とした 質問紙調査より- 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 小林 勝法 (文教大学) 2011.9.27 木内敦詞 (大阪工業大学) 2 2011.9.27 問題の背景 • 体育学専攻大学院生の増加 • 大学院教育改革:プレFD • 大学教育改革:分野別FD • 弱体化した体育組織 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 3 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 体育学専攻大学院の増加 図 体育学専攻の大学院の推移 1000 900 800 700 600 500 400 300 200 100 0 18 16 14 12 10 8 6 4 2 0 1970 1980 1990 2000 2010 修士課程在籍者数 博士課程在籍者数 研究科数(修士) 研究科数(博士) 4 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 大学院教育改革:プレFD(1/2) 中央教育議会答申(2005年)「新時代の大学院教育-国際 的に魅力ある大学院教育の構築に向けて-」 大学院に求められる人材養成機能 ①創造性豊かな優れた研究・開発能力を持つ研究者等の養成 ②高度な専門的知識・能力を持つ高度専門職業人の養成 ③確かな教育能力と研究能力を兼ね備えた大学教員の養成 ④知識基盤社会を多様に支える高度で知的な素養のある人材 の養成 5 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 大学院教育改革:プレFD(2/2) 中央教育議会答申(2008年)「学士課程教育の構築に向けて」 「大学院における大学教員養成機能(プレFD)の強化を図る」 • 筑波大学や名古屋大学、京都大学など • 名古屋大学では2005年から大学教員準備プログラムを開催 夏目達也ほか(2010)『大学教員準備講座』(玉川大学出版部) 6 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 大学教育改革:分野別FD 「学士課程」答申(2008年) 「学協会による分野別の質保証の仕組みが未発達であり, 分野別FDを展開する基盤が十分に形成されていない」 従来の一般的なFD+分野別FD 教育振興基本計画(2008年) 「大学教育の質の向上・保証」 具体的な施策=「分野別教育の質の保証」 7 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 弱体化した体育組織 退職教員の後任補充は6割 • 後任補充245人/372人退職 (1991年から2006年に、98大学・13短期大学) • 後任補充見込68人/113人退職見込み (2010年度まで、57大学・3短期大学) 小林勝法ほか(2007)「大学保健体育教員の養成・確保に関する調査」『大学 体育学』第4号 教員の分属は →38.8%(2010年) (社)全国大学体育連合調査より 8 2011.9.27 問題の背景 • 体育学専攻大学院生の増加 • 大学院教育改革:プレFD • 大学教育改革:分野別FD • 弱体化した体育組織 新任教員対象調査 大学院生対象調査 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 9 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 調査の概要:新任教員対象(1/2) (1) 調査目的 大学体育の新任教員の意識とニーズを把握する。 (2) 調査対象 2010年度に初めて専任教員として大学・短期大学に就職した体育担 当教員。研究者人材データベース(略称JREC-IN)に2009年度に掲載 された大学・短期大学の体育教員公募のうち、2010度中の採用とし てあった81大学・11短期大学を対象とした。 (3) 調査方法 アンケート用紙を郵送し、回答は無記名で、郵送で受け取った。調査 期間は2010年11月1日から11月30日の1ヶ月。 アンケート用紙の冒頭に研究の趣旨を記述し、回答した内容の秘密性は保持されるこ とと研究倫理基準に基づいて適切に管理・処理することを説明した上で研究への参加 を依頼した。 10 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 調査の概要:新任教員対象(2/2) (4) 有効回答数 37人から回答が得られた。 • 回答者の所属機関 国公立大学 私立大学 国公私立短期大学部 9人 21人 7人 11 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 調査の概要:大学院生対象(1/2) (1) 調査目的 大学体育の充実に必要なプレFDを開発するために大学院生の意 識と実態を把握する。 (2) 調査対象 全国の体育・スポーツ系大学院のうち、収容定員数が30人以上の 研究科あるいは専攻。13大学大学院15研究科・専攻。 (3) 調査方法 アンケート用紙を収容定員数分郵送し、回答は無記名で郵送で受け 取った。 調査期間は2010年12月中旬から2011年2月中旬の2ヶ月。 アンケート用紙の冒頭に研究の趣旨を記述し、回答した内容の秘密性は 保持されることと研究倫理基準に基づいて適切に管理・処理することを説 明した上で研究への参加を依頼した。 12 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 調査の概要:大学院生対象(2/2) (4) 有効回答数・率 10大学大学院12研究科・専攻、517名。 収容定員数を母数とすると有効回答率は40.6%。 表 学年 M1 M2 D1 D2 D3 計 人数 192 256 29 18 22 517 比率 37.1% 49.5% 5.6% 3.5% 4.3% 100.0% 13 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 結果1:非体育系出身者 学部教育で体育を専攻していない者は、 新任教員で22%(8人) 大学院生で23%(115人) 内訳は、経済学、経営学、法学、文学、 医療系、理工、生物、栄養など様々 14 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 結果2:教養体育担当 新任教員のうち、教養体育を担当している教員は 70%(26人)である。 担当科目 教養体育 専門体育 導入教育 教養教育(体育以外) 専門教育(体育以外) 大学院 その他 回答数 26 22 6 8 9 6 1 15 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 結果3:保健体育の教員免許取得 • 保健体育の教員免許を取得していない者は、 新任教員で19%(7人) 大学院生で42%(217人) ・免許取得していない新任教員のうち 3人が教養体育を担当している。 16 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 結果4:免許取得、TA経験と教育意欲 (新任教員) TA経 免許有り 免許無し 有意 験有り 水準 n=30 n=7 n=19 無し n=17 有意 水準 学生とのラポール形成、面 接など学生指導の方法につ いて学びたい 3.6 2.4 p<.05 3.7 3.1 p<.05 成績評価方法について学び たい 3.6 2.7 p<.05 3.8 3.1 p<.05 学生による授業評価の分析 方法について学びたい 3.5 2.6 p<.05 3.3 3.2 体育施設や用具の管理につ いて学びたい 3.3 2.4 p<.05 3.3 3.0 17 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 結果5:免許取得と教育意欲(大学院生) 免許有り n=218 免許無し 有意水準 n=139 大学教員になるため の準備をしたい 3.97 3.55 p<.05 実技指導の種目を広 げたり、指導能力を 高めたい 4.17 3.40 p<.05 大学教育の目的や役 割について学びたい 4.17 3.40 p<.05 18 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 結果6:大学教授職就職へのニーズ 修士課程 n= 博士課程 n= 就職についての考え方や情報の取得 方法を知りたい 4.11 299 4.32 62 大学を取り巻く状況や将来性につい て知りたい 4.10 296 4.43 61 大学教員の生活時間や経済状況につ いて知りたい 3.95 296 4.16 61 就職できなかったときの対処方法 (非常勤職など)について知りたい 3.95 294 4.44 61 大学教員になるための準備をしたい 3.69 296 4.39 61 3.82 296 4.11 61 3.66 295 4.11 61 実技指導の種目を広げたり、指導能 力を高めたい 大学教育の目的や役割について学び たい 19 2011.9.27 日本体育学会(於:鹿屋体育大学) 今後の課題:教養体育の立場から • 新任教員採用やFD 専攻や教員免許取得、TA経験を考慮する必要 ・大学院におけるキャリア教育 プレFD(大学教員準備教育) が必要 (専攻や教員免許取得を考慮する必要) ・分野別FD、プレFD 学協会に期待