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今後必要な対応(PDF:337KB)

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今後必要な対応(PDF:337KB)
種の小麦に比べて製粉特性がすぐれているため、硬質白色小麦(HWW)、軟質白色
小麦(SWW)、部分的もち(waxy)小麦を主要原材料としている。
b) 有害生物防除措置
FDA 検査官は、製品の品質と残留化学物質の観点から、有害生物防除措置を行な
う可能性がある。環境保護庁も FIFRA による規制を執行しており、植物性製品につ
いて残留農薬の基準を設けている。
c) 表記および表示
原材料ごとの配合率を製品包装に示す必要はないが、1930 年の関税法第 304 条
に従い、消費者のために各原材料の明確な一覧を英語で目立つように表記する必要
がある。ただし、輸入業者はこの基準を適切に守っていないことがある。
また、原産国を製品に英語で明確に表記しなくてはならない。「○○原産」の語
句を含む原産国表示を適格とする。製品が梱包されただけの国については、この語
句を用いることはできない。
d) 製品の取扱いおよび保管
輸入される食料製品の品質劣化を防ぎ、食品安全リスクを抑制するため、適温管
理が必要である。
検査では、輸入される製品の生産から出荷、米国入国までの製品の取扱いと保管
の手順も評価する場合がある。
(3)今後必要な対応
a 現状の評価
日系スーパー、韓国系スーパーでは、日本におけるのと同等かそれ以上のスペー
スで乾麺を売っており、そのうち日本製がかなりのシェアを占め、これらのスーパ
ーでは、日本製の乾麺はすでにある程度の地位を築いている。
米系スーパーでも、有機・自然食品を扱っている一部のスーパーでは、豪州製、
米国製とともに、日本製の乾麺を扱っているが、一般の米系スーパーでは乾麺を置
いていない店もあり、乾麺は米国国内でそれほど広く普及しているわけではない。
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アジア風の麺類は、多数のアジア系レストランで広く扱われているため、米国の
消費者には認知されており、また、日本の食品を含むエスニックフーズに対する消
費者の関心が高まっている。特に、各種のインスタントヌードルは大変な人気であ
り、多くの小売店で売られている。しかし、米国では、日本の乾麺とその料理法に
ついて知っている消費者はまだ少ない。
日本製の乾麺の米国市場における強みと弱み、機会と脅威を整理すると、以下の
通りである。
強 み (Strengths)
弱 み (Weaknesses)
・ 高品質というイメージ
・競合品に比べて値段が高い
・ 一般のスーパーマーケットに出
・調理法があまり知られていない
回っている
機 会 (Opportunities)
脅 威 (Threats)
・ エスニックフードの市場が拡大
・ 以前からあるパスタ製品との競
争
している
・ 自然食やオーガニック食品の市
・ 安い外国産 (ジア各国風の乾麺、外
場が拡大している
国産の日本風乾麺) との競争
b ターゲット市場
米国にはアジア系レストランが多くあり、非アジア系の消費者に麺類を認知させ
るのに一役買っている。日本風の麺類は日本食レストランでは定番メニューであり、
多国籍料理や無国籍料理を供するレストランでも食べられている。日本特有の麺類
を扱うレストランは増えており、日常的に麺類を出す他のアジア系レストランとと
もに、レストランは日本の麺類の重要なターゲットであろう。
しかし、レストランで提供されている麺類は、冷凍麺を使っていることが多く、
またその店で作っている(手打ち)場合もあり、そうめんなどを除いて乾麺を使用
するところは少ない。レストランは消費者の麺類に関する認知度を高める役割は果
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たすかもしれないが、日本の乾麺の市場拡大に直接貢献するとは言えない。したが
って、乾麺の販売増大のためには、乾麺の販売業者は小売部門を第一のターゲット
と考えるべきだろう。
麺類はアジア系米国人にとってはもともと欠かせない食品であるが、店舗調査に
よると、日本の乾麺は既にアジア系スーパーマーケットでは確固たる地位を築いて
おり、この方面で今後大幅な成長を見込むことはむずかしいことがわかった。した
がって、さらなる市場拡大のためには、非アジア系の消費者をターゲットにしなけ
ればならない。非アジア系の消費者をターゲットにすることによって、ある程度の
市場拡大は期待できる。
非アジア系の消費者にとって、アジアの乾麺はそれほどなじみのある食品とは言
えず、パスタと競合することになろう。しかし、アジア料理は健康的で「体によい」
と認識されており、特に日本食は、健康によく自然で安全、しかも品質が高いとい
うイメージがあるため、これは健康や品質を重視する消費者に対してアドバンテー
ジになるであろう。
2000 年代初めに各種の低炭水化物ダイエットが人気を博し、穀物製品の消費が
軒並み落ち込むという現象があったが、現在では、穀物、特に全粒粉の穀物は健康
食品であり、毎食摂取するのが望ましいというのが広く認識されている。特に、そ
ばは健康食として需要が拡大しつつあり、乾麺の市場拡大を目指す業者は、こうし
た点を利用すべきであろう。
ターゲット市場としては、健康志向が強く、社会的・経済的に中・上流階層に属
する高学歴の消費者が考えられる。また、今回調査した北東部(特にニューヨーク)
と西海岸(特にカリフォルニア)が、人口も多く将来性のある地域であるが、北東
部や西海岸以外の日系人を含むアジア系人種が多く住んでいる地域もターゲット
地域として考えられるであろう。
c 具体的対策
a) 消費者の嗜好と市場実態の調査
市場開拓成功の鍵は、ターゲットとする消費者の趣味、嗜好、食習慣などを知る
ことである。現在、乾麺を誰がどのような食べ方をしているのか、どこで売れてい
るのか、販売会社は綿密な市場調査を行う必要があり、また、 米系スーパー、アジ
ア系スーパーなど流通のチャネルによる違いも把握することが望ましい。 こうした市
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場調査の結果が自社のマーケティング戦略やメッセージを決める際の参考になり、
新製品開発や、プレゼンテーション、パッケージデザイン、妥当な価格帯について
重要な指針を提供してくれるであろう。
b) 米国市場や米国の消費者向けの製品開発
日本の乾麺の現在の形態やパッケージは、米国の一般消費者に受け入れられにく
いものがある。米国の消費者に広く受け入れられるためには、米国の市場を念頭に
置いてパッケージを工夫すべきであろう。
また、乾麺の食べ方、調理法について、英文でわかりやすい説明を示し、米国人
向けの食べ方の提案を行うことも必要であろう。
c) 消費者の教育と宣伝
米国の一般の消費者は、乾麺の食べ方、調理法について、まだよく知らないため、
消費者に広く知らせる必要がある。
販売のプロモーションでは、おいしい料理が簡単に作れることをアピールし、作
り方を教えるため、実演販売が有用な手段であろう。また、そばをはじめとする乾
麺の健康面での利点を強調することも、販売促進のために役立つであろう。
なお、「揖保乃糸」は、東京の銀座等にアンテナショップとして「庵」というレ
ストランを開いているが、米国人の本物のそうめんを味わってもらうため、ニュー
ヨークにそうめんのレストランを設けることも考えられよう。
d)競合商品との差別化
米国市場では、日本製の乾麺以外に、韓国製、中国製、米国製、豪州製の日本風
乾麺も出回っており、その中では、日本製の乾麺は価格が高い。また、ビーフンや
各種中華麺など、アジア各国風の乾麺も広く出回っている。したがって、日本製の乾
麺の販売を伸ばすためには、競合品との明確な差別化を行う必要がある。
その際、日本の乾麺の品質の高さ、安全性を前面にアピールすべきである。米国
では中国産の「讃岐うどん」も出回っているが、本物の「讃岐うどん」との味の差
を理解してもらい、「揖保乃糸」「三輪そうめん」「稲庭うどん」など日本で確立
したブランドとその品質のよさを広めていくことが必要であろう。こうしたブラン
ド製品は日本食レストランでも提供することができるであろうし、冷凍麺や生めん
ではない乾麺の特性をアピールすることが可能であろう。
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