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170 - 日本放射線技術学会 東北部会
当施設における全CT装置の画像比較検討 - 頭部CTスキャン岩手医科大学医学部附属病院 中央放射線部 ○佐々木祐輔 長岡 宏明 佐々木忠司 (Sasaki Yusuke) 鎌田 雅義 (Kamata Masayoshi) (Nagaoka Hiroaki) 羽成 孝夫 (Hanari Takao) (Sasaki Tadashi) 嶽間沢 博 (Gakumazawa Hiroshi) 【目的】 当施設において、同一患者様のフォローアップ検査におけるイメージャ装置から出力されたCT画像を 比較した際、異なった画像が出力されていた。当施設では、合計6台のCT装置、接続されたイメージャ装 置が設置稼動していて、CT画像の違いは、各CT装置、イメージャ装置によるものと考えられた。 今回、頭部ルーチン検査における出力される画像について比較検討を行った。 【使用CT装置および接続されているイメージャ装置】 ・GE横河製 Proseed SA Libra-----FUJIFILM DRYPIX 700 ・東芝社製 Aquilion16----------‐Konicaminolta DRY MODEL752 ・東芝社製 Aquilion4-----------‐Konicaminolta DRY MODEL722 ・東芝社製 Asteion4------------ Konicaminolta DRY MODEL752 ・東芝社製 Aquilion16SuperHeart- Konicaminolta DRY MODEL752 ・GE横河製 Proseed Accell------- Konicaminolta DRY MODEL752 岩手医科大学附属病院 高度救命救急センター 循環器医療センター 附属花巻温泉病院 【方法】 各CT装置の頭部ルーチン検査の収集条件、撮像条件の比較を行った。また同一CTテストファントムに おいて、画像ノイズ特性の比較を行うため、各装置のコントラストスケール、ノイズ測定し、各装置間との比 較を行い、頭部CT画像の比較を行った。イメージャ装置から出力されるフィルムの濃度特性は、SMPTEテ ストパターンを用いて違いがあるかを比較した。 【結果】 ・頭部収集条件および頭部撮像条件 各装置の収集条件、撮像条件では、設置当初の条件を使用している事が多いため、調整する必要があ る。また今回、線量測定を行っていないため、今後に検討調整が必要である。 ・ノイズ特性 ノイズを比較するとき、同一ファントムを各 CT装置で撮影し、CT値を測定すると、CT値 %σμwater 0.5 が大きく異なることがあり、これはコントラストス 大脳レベル 0.4 ケールの相違として現れる。このため各装置 後頭蓋レベル のコントラストスケールを用い、ノイズを下記の 0.3 式より計算し、比較検討した。 0.2 %σμwater=σAV・CS・100/μwater 各CT装置における後頭蓋レベル、 大脳レベルのノイズのグラフ(Fig. 1)において、 各社、各CT装置において、ノイズのばらつき が見られると思ったが、予想していたほど見ら れなかった。 0.1 0 GE Proseed GE Proseed Aquilion16 Aquilion16 SA Libra Accell SuperHeart Fig.1 Aquilion4 Asteion4 ・フィルムの濃度特性 各イメージャ装置から出力されるフィルムの濃度特性をSMPTEテストパターン出力したフィルムのLUT、 特性曲線、濃度、コントラストを比較した。比較した特性曲線 (Fig. 2)では、濃度曲線にばらつきがあった。 今回、LUT、特性曲線、濃度、コントラストの調整を行い、各CT装置のイメージャ装置から出力された SMPTE テストパターンのフィルムの状態をあわせることができた(Fig. 3)。 3.5 3.5 濃度 3 3 2.5 2.5 2 1.5 2 濃度 1.5 Aquilion16 Aqilion4 Asteion4 1 0.5 Aquilion16 Aquilion4 Asteion4 1 0.5 0 0 0 20 40 60 輝度値 80 100 Fig.2 0 20 40 60 輝度値 80 100 Fig.3 ・調整前後の頭部画像 濃度特性で変化のおおきかった Asteion4 の画像(Fig.4)を同じウィンドー幅、 ウィンドーレベルにて出力した。画像を比 べると、調整前、調整後では白質、灰白質 の濃度、コントラストに違いがでた。 【まとめ】 出力された画像のばらつきは、各社、各 CT装置によるものと思っていたが、各イメ ージャ装置による影響であることがわかっ 調整前 調整後 た。イメージャ装置の濃度特性を比較調整 することにより、出力されるフィルム上での Fig.4 画像の変化を小さくすることができた。 出力画像の違いを各CT装置、イメージ ャ装置の特性としてかたづけるのではなく、できるだけ収集条件、撮像条件、出力されるイメージャ側の調 整を行うべきである。また、各施設での標準化を進めていく必要があると思われる。 【参考文献・図書】 1) 日本放射線技術学会編 臨床放射線技術実験ハンドブック(上) 通商産業研究社 2) 日本放射線技術学会誌 日本放射線技術学会専門委員会X線CT装置性能評価検討班 X線CT装置性能評価に関する基準〈案〉 47:56-63