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Exprep SV Midi Kit

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Exprep SV Midi Kit
GeneAll Exprep ハンドブック
プラスミド精製キット
Plasmid SV MIDI
ハンドブック
東日本
西日本
※
〒162-0805 東京都新宿区矢来町 113 番地
TEL (03)3235-0673 FAX (03)3235-0669
〒532-0005 大阪市淀川区三国本町 2 丁目 12 番 4 号
TEL (06)6396-6616 FAX (06)6396-6644
e-mail; [email protected],jp
会社名および商品名は、各会社の商標または登録商標です。
● 本価格表記載の規格・仕様および価格は、予告なく変更する場合がありますので御諒承下さい。
http://www.technosaurus.co.jp/techno/
150908
1
GeneAll Exprep ハンドブック
目次
ページ
I キット内容と保存条件
3
Ⅱ 製品仕様
5
Ⅲ イントロダクション
6
Ⅳ 大腸菌サンプルについて
7
Ⅴ 精製手順について
9
Ⅵ Gene All Exprep SV MIDI キット精製手順
12
Ⅶ トラブルシューティング
16
Ⅷ 簡易プロトコール
19
2
GeneAll Exprep ハンドブック
I.
キット内容と保存条件
(製品)
MixVu™ (溶菌の際、撹拌の目安となる青い色素・pH 指示薬)
Plasmid SV Midi
サンプル
Size
Midi
精製回数
4
GeneAll SV Colums type T
4
EzClear Filter colums
4
Collection tube
8
Buffer S1
12 ml
Buffer S2
12 ml
Buffer S3
17 ml
Buffer AW
45 ml
Buffer PW
60 ml
Buffer EB
15 ml
RNase A
60 ul
MixVu solution
15 ul
3
GeneAll Exprep ハンドブック
保存条件
GeneAll Exprep Plasmid Kit は室温で輸送されます。キットは製品に記載さ
れている使用期限内は室温で保存できます。
RNase A を添加した後の buffer S1 は冷蔵で 1 年間保存できます。
低温状態では、buffer S2 と S3 に析出がみられることがあります。その場合は
37℃ウォーターバスなどで析出した固体を完全に融かしてからバッファーをお
使いください。
4
GeneAll Exprep ハンドブック
II.
製品仕様
製品仕様
方式
遠心/吸引
精製可能な
培養液量
50mL(標準)
100mL(最大)
ライセートのデブリ除去
EzClear™フィルターで
簡易化
所要時間
<50 分
カラムへの最大ロード量
15mL
結合容量
300ug
回収率
85~95%
最少溶出量
400uL
最適サイズ
20kb 以下
5
GeneAll Exprep ハンドブック
III.
はじめに
GeneAll Exprep プラスミドキットは簡単で迅速に大腸菌からプラスミド DNA
を精製することができるキットです。本キットは、さまざまなプラスミドを精
製単離することができますが、最も効率よく精製ができるプラスミドサイズは
20 kb 以下です。
プラスミド DNA の精製に必要な時間は約 50 分で、最大 300ug のプラスミドを
精製することが可能です。精製されたプラスミド DNA は、PCR、クローニング、
シーケンシング、トランスフォーメーション、制限酵素処理などのアッセイに
ご使用いただけます。
GeneAll Exprep プラスミドキットはグラスマイクロファ
イバーメンブレンをカラムに利用し、アルカリ溶解法をベ
ースにしています。アルカリ溶解によって大腸菌細胞から
プラスミド DNA を取り出し、RNA を分解します。RNase
によってライセートに残った RNA を除去します。細胞残
渣と塩沈殿は EzClear フィルターカラムによって除去さ
れます。
高濃度の塩によって、ライセートに含まれるプラスミド
DNA は選択的にグラスマイクロファイバーメンブレンに
結合します。結合したプラスミドは一連のウォッシュバッ
ファーのステップによって大腸菌の他の成分を取り除かれ
ます。最終的には塩濃度の低いバッファーまたは脱イオン
水によってグラスファイバーメンブレンより溶出されます。
このようなシンプルな方法によって、有機溶媒やアルコー
ル沈殿などの面倒な工程を省くことができます。
6
GeneAll Exprep ハンドブック
IV.
大腸菌サンプルについて
プラスミド DNA の収量と純度はプラスミドコピー数、大腸菌株の種類、抗生物
質、培養条件などによって変化します。大腸菌培養は、寒天培地上のシングル
コロニーから植菌された培養であるべきです。通常、コロニーは少量の培地に
植えられて増殖します。少量の培養液から抽出されたプラスミドはアッセイへ
の使用やさらに大容量の培地への植菌用として使用されます。
大容量の培養の増殖スピードは、抗生物質の条件などに左右されます。
プラスミドのコピー数は、通常の培養条件化で、細胞の中に含まれている平均
プラスミド数として定義されます。プラスミドは特定のコピー数があり、レプ
リコンの複製起点とプラスミド DNA のサイズに依存します。
プラスミドレプリコンは、自発的に複製され、コピー数を保つプラスミド DNA
の最少断片です。
プラスミドには 30 種類のレプリコンが特定されています。しかしながら、クロ
ーニングで一般的に使用されているほとんどすべてのプラスミドは pMB1 に由
来します。pUC プラスミドは pMB1 レプリコンをもっており relaxed 制御をう
ける。そしてコピー数が非常に多く複製される。一方 pSC101 は stringent 制御
をされており低いコピー数を保ちます。一般的に、High コピー数のプラスミド
は高収量が得られます。
サイズが大きいプラスミドは細胞内で Low コピー数を保つことが多いです。
GeneAll Exprep Plasmid Kit の手順は High コピー数用として最適化されて
おります。そのため Low コピー数のプラスミド精製のためには、必要な培養液
の量が多く必要となります。
table 1. さまざまなプラスミドベクターとそのレプリコン
7
GeneAll Exprep ハンドブック
多くの大腸菌株はプラスミドを増やし、単離することができます。DH5αと
XL1-Blue のような菌株は高品質な DNA を得ることができます。しかし、HB101
から派生した TG1 や JM シリーズのような菌株は溶菌時に糖質を排出します。
これらの糖質が残っていると、その後の制限酵素処理や PCR の活性を阻害する
ことがあります。
endA+株はエンドヌクレアーゼを産生し、2 本鎖 DNA を分解します。
(table 2)
精製過程でエンドヌクレアーゼを除去できてない場合、溶出されてきた DNA は
その後のアッセイ時、Mg2+の存在下で分解されてしまいます。これは、DH5
αや XL1-Blue のような endA-株を選ぶことで回避できます。また、buffer AW
を使ったオプションの洗い工程を行うことで、DNA の分解を予防することがで
きます。
GeneAll Exprep シ リ ー ズ は 大 腸 菌 用 培 地 と し て も っ と 普 及 し て い る
Luria-Bertani broth (LB)培地に最適化されています。Terrific Broth(TB)また
は 2×YT のような培地を使用すると、細胞濃度が非常に高くなります。これら
の培地を使用する場合は、サンプル量をあらかじめ減らしておき、GeneAll
Exprep Pllasmid SV カラムやバッファーシステムに対してオーバーロードしな
いようにする必要があります。または、バッファーS1, S2, S3 の使用量を増やす
ことが必要です。TB や 2xYT 培地での培養を一晩行うと、LB 培地にくらべて
2~5 倍の大腸菌数になります。TB や 2xYT 培地は、Low コピー数プラスミドを
得る場合の培養時に使うと高収量が期待できます。
8
GeneAll Exprep ハンドブック
Ⅴ. 精製手順について
アルカリ溶菌
集菌後、RNase 添加後のバッファーS1 で懸濁します。高い pH のもと、強い陰
イオン性界面活性剤で処理をすることで(バッファーS2 SDS/NaOH)、大腸菌
の細胞を破壊し、染色体 DNA やタンパク質を変性させます。
そして、プラスミド DNA は上清に溶け出します。バッファーS2 のようなアル
カリは塩基対を分断させますが、プラスミド DNA は位相的により合わされてい
るため、ばらばらになることはありません。
基本的には、アルカリ条件下で環状プラスミド構造が壊されることは起こりま
せんが、長時間アルカリバッファー中に晒されすぎると、プラスミド DNA が不
可逆的に変性してしまうことがあります。その結果、コイル状になった DNA は
制限酵素が反応しなくなり、アガロース電気泳動でふつうのプラスミド DNA と
比べて 2 倍の移動度を示し、核酸に結合して染める色素にも染まりにくくなっ
てしまいます。
溶菌の際は、タンパク質、壊れた細胞膜、変性した染色体 DNA は dodecyl sulfate
でコートされた複合体になります。これらの複合体はバッファー3 の添加でカリ
ウムイオンによってナトリウムイオンが置換され、高塩濃度状態に調節される
ことで効率的に沈殿されます。
ライセート溶液を荒っぽく扱ってしまうと、染色体 DNA のせん断が起こってし
まい、ゲノム DNA がコンタミしてしまうため、溶液は穏やかに取り扱うことが
大切です。
(MixVu™について)
アルカリ溶菌の際に、撹拌は重要です。Midi サイズのように液量が多い場合は、
pH が不均一になる可能性があります。このことは溶菌の効率を下げ、プラスミ
ド DNA の収量が不十分になるかもしれません。MixVu はこれを防ぐために、
バッファーS1 に添加する指示薬です。バッファーS2 を添加すると、ライセート
溶液中でこの色素は青に変化します。ライセート溶液が均一に青になると、均
一にアルカリ条件になっていることを意味します。その後の中和によって、無
色に変化します。
EzClear フィルターによるライセートのフィルトレーション
バッファーS3 を混合すると、細胞残渣と沈殿物は完全に除去され、Exprep カ
ラムを詰まらせないようにする必要があります。特許を取得している EzClear
フィルターを使うことで、煩雑な遠心の作業が不要になりました。
9
GeneAll Exprep ハンドブック
Washing
endA+株から精製する際には、オプションのバッファーAW で洗いを行うことで、
酵素による分解を妨げることができます。バッファーAW は残存タンパク質を除
去するため、プラスミド DNA の純度を高めます。また、Low コピー数プラス
ミドの場合は培養液の量を増やすことも必要です。バッファーPW はカラムメン
ブレンに非特異的に結合している塩とその他の細胞成分を取り除きます。
Table 2
EndA+
EndA- 大腸菌株
溶出
精製された DNA はその後のアプリケーションによって、低塩濃度のバッファー、
または脱イオン水のどちらかで溶出することができます。バッファーEB は
10 mM TrisCl, pH 8.5 です。脱イオン水で溶出する際は、pH が 7.0 から 8.5 の
間であることを事前に確認してください。
水溶液中のプラスミドは加水分解されやすくなるため、-20℃以下で保存してく
ださい。溶出量は必要に応じて調節できますが、SV カラムメンブレン全体を覆
うだけの量は最低限必要です。総収量を高く得るためには、溶出バッファーの
量を増やし、溶出ステップを繰り返してください。濃度と収量の関係は以下の
図の通りです。
Figure 2 . 溶出量に対する濃度と収量の関係
水色:総収量
緑:濃度
pUC18 プラスミド DNA を mini キットでは 3mL 溶液から、
10
GeneAll Exprep ハンドブック
Midi キットでは 40mL の培養溶液から精製した。
電気泳動は mini キットを使い、プロトコールに準じた量のバッファーEB を使って溶出した。上の数字は
溶出量。
遠心
GeneAll Exprep Plasmid SV Midi の精製では、スイングバケットローターで、
4,000~5,000 x g が使用できる遠心機が必要です。
アングルローターを使用すると、SV カラムメンブレンとサンプル溶液、バッフ
ァーが不適切に接触し、収量が悪くなる可能性があります。
gの値が不十分な場合、エタノールが残るだけでなく DNA 溶出も完全ではなく
なってしまいます。代表的な遠心機とローターは、 ベックマンコールター 機種
Allegra X-15R, Allegra 25R,ローター Sx4750, Sx4750A, TS-5.1-500
エッペンドルフ 機種
5804, 5804R
ローター
A-4-44 などがあります。
Ⅵ. GeneAll Exprep Plasmid SV Midi キット精製手順
準備
*特に指定の無い場合は、遠心はスイングバケットローターを使った 4,000 ~
11
GeneAll Exprep ハンドブック
5,000 xg で遠心してください。
*RNase 溶液全量をバッファーS1 に加えてください。
*RNase を加えた後のバッファーS1 は冷蔵保存してください。
*気温が低いときには、バッファーS2 と S3 に塩が析出しているかもしれません。
37℃のウォーターバスで塊がなくなるまでインキュベーションを行ってくださ
い。
*MixVu は抽出の際に都度加える方法とキットを使い始める際にあらかじめバ
ッファーS1 のボトルに加えておく方法があります。
あらかじめバッファーS1 に加える場合は、バッファーS1 全量の 1/1000 量加え
てください。
大腸菌の溶解
1. 大腸菌培養液 50mL を 10,000x g、5 分間遠心し、上清をできる限り捨て
てください。
適切な量の培養液からスタートしてください。
OD600<2.0 で 50mL 以下の少ない量の培養液の場合は、ステップ2以下の操作で、バ
ッファーS1 を 2mL, バッファーS2 を2mL, バッファーS3 を 2.8mL 加えてください。
大腸菌の培養は、抗生物質を加えた LB 培地で 16~21 時間行ってください。TB や2xYT
のような培地の場合は、培養液を 100mL に増やした上で、バッファーS1、S2、S3 の
添加量を増やしてください。
2. 大腸菌ペレットを 2.5mL バッファーS1 で完全に再懸濁してください。
2-1
MixVu をあらかじめバッファーS1 に加えていない場合は、ここで加えた S1 バッ
ファーの量の 1/1000 量の MixVu を加えてください。
(2.5mL
S1 バッファーに対して
2.5uL 添加)
*あらかじめバッファーS1 に RNase を添加しておきます。
*ペレットを完全に懸濁することが重要です。
3. 2.5mL のバッファー S2 を加え、チューブを 4 回、転倒混和させてくだ
さい。(ボルテックスにかけないでください)
転倒混和によって MixVu の青い色素が均一になっていることを確認してください。
細胞懸濁液を、溶液が透明に、粘性をもつようになるまで静置します。
このとき、5 分以上時間をおかないでください。
バッファーS2 に析出があった場合は、37℃であたため、固形物を溶かしてからお使い
ください。
12
GeneAll Exprep ハンドブック
4. 3.5mL のバッファーS3 を加えてすぐに、4~6 回の転倒混和によって撹
拌
してください。(ボルテックスをかけないでください)
<ポイント>ここで、バッファーS3 を加えてすぐ、混合し、穏やかにかつ完全に混ぜる
ことが高収量につながります。
5. (オプション)4,500 xg(5000rpm)、20 分遠心をしてください。
または、10,000 xg(9000rpm)で 10 分、アングルローターによる遠心でも
構いません。 このステップは細胞数が多いサンプルの場合に行ってく
ださい。サンプルが濃すぎる、または量が多いために EzClear フィルタ
ーを詰まらせてしまうことを防ぐために行います。
プラスミド DNA の精製と単離
このキットでは、プラスミドの精製のために 2 種類の方法があり、1つを選ん
で以下の手順に進んでください。1 つは、SV カラムにサンプルを通して精製を
行う方法で、もう 1 つは SV カラムを吸引して精製する方法です。
遠心を使った方法
1. 50mL コニカル遠心チューブ(キットに含まれる)に EzClear フィルタ
ー(青のリング)をセットし、細胞懸濁液、また上清を注いでください。
2 分間静置し、1,000 xg(2,200 rpm)で 3 分遠心してください。
細胞残渣は 2 分間静置している間に液の上面に浮かび、その後の EzClear フィルターに
よるろ過をアシストします。
少量の液体がフィルターに残りますが、特別に収量が減ることはありません。
オプションのステップ5を行った場合は、上清のみを EzClear フィルターに通してくだ
さい。
2. SV Midi カラム(赤いリング)にフィルターを通過した液を移します。
1,000 xg(2,200 rpm) 3 分遠心します。SV カラムを取り外し、通過した
液を捨て、SV カラムをコレクションチューブにセットします。
3. 9mL のバッファーAW を加え、1,000 xg(2,200 rpm)で 3 分間遠心し、SV
カラムを取り外し、通過した液をすて、SV カラムをコレクションチュー
ブに戻します。
このステップはカラムに吸着しているタンパク質や糖質など他の細胞成分を除去する
ためです。
4. 12mL のバッファーPW を加え、1,000 xg(2,200 rpm)で 3 分間遠心を行
ってください。SV カラムを取り外し、通過した液を捨て、SV カラムを
コレクションチューブに戻します。
13
GeneAll Exprep ハンドブック
5. 3mL のバッファーPW を加え、4,500 xg(5,000 rpm)で 15 分遠心します。
SV カラムを新しい 50mL コニカルチューブ(キットに含まれません)に
セットしてください。
SV カラムが通過した液に接触しないように、SV カラムを取り扱ってください。精製後
のサンプルにエタノールが残ると、後のアプリケーションを干渉します。エタノールの
キャリーオーバーがあった場合は、SV カラムを室温で 15 分間静置し、エタノールを蒸
発させてください。
6. 0.6mL のバッファーEB または蒸留水を SV カラムメンブレンの中心に載
せます。室温で 5 分間静置し、4,500 xg(5,000rpm)で 5 分間遠心します。
溶出液の量は、400uL 程度となり、高濃度で得られます。
長期の保存の場合は、バッファーEB(10 mLM TrisCl, pH 8.5)で溶出を行い-20℃以
下で保存してください。蒸留水で溶出を行う場合は、水の pH が 7.0~8.5 内であること
を確認してください。
10kb 以上のサイズの大きなプラスミドは、熱した溶出バッファーが適している可能性
があります。この場合は、70℃で温めたバッファーEB または ddH2O をカラムに加え、
2 分静置した後遠心を行ってください。
7. 以下、オプションです
オプション A- 高濃度の溶出サンプルが必要な際は、step 6 で得られた溶
出液を再びカラムにロードし、キャップを閉めて 5 分、室温で静置しま
す。4,500 xg(5,000rpm)で 5 分間遠心します。
オプション B- 全体的な収量を増やしたい場合は、0.6 mL~1mL の新し
いバッファーEB を SV カラムに加え、キャップを閉めて、5 分間室温で
静置します。4,500 xg(5,000rpm)で、5 分間遠心してください。
14
GeneAll Exprep ハンドブック
B バキューム方式での精製
吸引の圧力は左のリストの範囲におさまるように設定して
23 ~ 26 in Hg
ください。吸引圧が低い場合は、収量と純度が損なわれます。
580 ~ 660 mm Hg
また、圧力が高すぎると、カラムのメンブレンが破れてしま
77 ~ 880 mbar
う可能性があります。
11 ~ 12.5 psi
1. カラムスタックアセンブルを作成します。EzClear Midi フィルターユニ
ット(青のリング)を SV Midi カラム(赤のリング)に重ねて入れます。
バキュームマニホールドのポートにカラムスタックアセンブルをきっち
り接続します。
ほとんどの市販バキュームマニホールドにあるルアーコネクターが接続できます。
2. 細胞懸濁液をすべて、EzClear Midi フィルターユニットにアプライし、
1~3分静置します。このときに細胞残渣と破片は液面に浮かびます。
3. 吸引をし、溶液をカラムスタックに通してください。すべての液体が SV
カラムを通って底に到達したら、バキュームをゆっくりと戻してくださ
い。
懸濁液がうまく EzClear フィルターを通らない場合は、EzClear フィルターをユニット
から外して新しい 50mL コニカルチューブにセットし、1,750 xg(3,000rpm)で 3 分遠心
してください。遠心後、カラムを通った溶液を SV Midi カラムにアプライします。
吸引を急激にリリースしてしまうと、カラムのメンブレンが剥がれてしまいます。メン
ブレンが分離してしまった場合は、滅菌済みのものでメンブレンを押し戻してください。
4. 上に重なっている EzClear フィルターユニット(青のリング)を取り、
9mL のバッファーAW を SV カラム(赤のリング)にアプライしてくだ
さい。
SV カラムを通して吸引できるよう接続し、吸引を行ってください。吸引
後、ゆっくりと吸引をリリースしてください。
このステップでは、タンパク質と糖質など、非特異的にカラムに吸着している細胞成分
を取り除きます。
5. 14mL のバッファーPW を加え、吸引をスタートします。すべての液体が
カラムを通ったら、ゆっくりと吸引をリリースします。
6. SV カラムを 50mL コニカルチューブ(キットに含まれます)にセットし
ます。
7. 遠心による精製のステップ5へ移動し、手順に従ってください。
15
GeneAll Exprep ハンドブック
VII
原因
トラブルシューティングガイド
考えられる ご提案
原因
プ ラ ス ミ ド 使用する大 16~21 時間、適切な抗生物質を使って培養しま
DNA の 収 量 腸菌細胞数 す。サンプルの量を減らしてください。Terrific
が低い
が多すぎる Broth(TB)または 2xYT を使う場合は、サンプル
量を減らしてください。これらの培地は細胞密度
が LB 培地の2~5倍になります。
Low コ ピ Low コピー数プラスミドは 5mL オーバーナイト
ー数プラス の培養液から、0.5ug のプラスミドが得られま
ミドを使用 す。収量を増やしたい場合は、培養液の量を増や
している
すか、High コピー数プラスミドを使うなどして
ください。
バッファー 大腸菌ペレットは完全に均一に懸濁してくださ
S1 中 で の い。
大腸菌ペレ
ットの懸濁
が不十分。
バッファー 37 度前後のウォーターバスで温めて完全に溶か
S2 が 低 温 してからご使用ください。
のために析
出してい
る。
RNase の 過剰な RNA の存在は、プラスミドが SV カラム
働きが弱い へ結合することを妨害します。
RNase を加えた後は、S1 バッファーは冷蔵庫に
保存してください 。 S1 バッファーに加 えた
RNase は 1 年を経過すると活性が低下します。
溶出バッフ 低塩濃度の条件化でのみ、DNA は溶出されます。
ァーが不適 バッファーEB(10mM TrisHCl, pH 8.5)は溶出
切。
バッファーとして最適ですが、必要があれば他の
バッファーも使用できます。pH が 7.0 から 8.5
の間であることを確認してお使いください。
遠心の設定 スウィングバケットローター(4,000 xg~5,000
が不適切。 xg)をご使用ください。アングルローターを使
用すると、ライセート溶液とカラムメンブレンの
16
GeneAll Exprep ハンドブック
接触に不具合が起こり、DNA の収量に悪影響が
あります。
純度が低い
カラム結合 ライセートを GeneAll Exprep Plasmid SV カラ
時に、沈殿 ムに移す際、沈殿が混ざらないように気を付けて
が混入して ください。
いる。
遠心の設定 スウィングバケットローター(4,000 xg~5,000
が不適切。 xg)をご使用ください。
染 色 体 DNA バッファー バッファーS3 を加えた後に、激しくボルテック
が混入してい S3 を 加 え スなどで撹拌してしまうと、染色体 DNA をせん
る。
た後のライ 断してしまい、染色体 DNA がコンタミします。
セート処理 バッファーS3 を加えた後は、溶液を穏やかに取
を誤った。 り扱ってください。転倒混和など穏やかな方法で
チューブ内を充分に混合してください。
プ ラ ス ミ ド 溶菌のイン S2 バッファーで長時間のインキュベーションを
DNA の バ ン キュベーシ 行うことで、染色体 DNA が混入することがあり
ドが不明瞭
ョン時間が ます。S2 バッファーを加えた後は、ライセート
長すぎる
の中に塊が見えなくなったらすぐに次のステッ
プに移行してください。
溶菌のための時間は 5 分以上かけてはいけませ
ん。
バッファー
S2 中 で 激
しく撹拌し
ている
EzClear フィ
ルターを通し
たライセート
が濁っている
バッファーS2 中で激しく撹拌すると、プラスミ
ドの分解が起こってしまいます。
穏やかに転倒混和などでチューブ全体を混合し
てください。
ライセート アルカリライセートの際に加えるバッファー量
に過剰な塩 を減らしてください。または、スタート時の大腸
析沈殿があ 菌細胞量を増やしてください。
る
RNA が 混 入 RNase を RNase はバッファーS1 に加える必要がありま
している
入れ忘れて す。RNase の混ざったバッファーS1 の使用期限
いる、また は 1 年です。1 年を過ぎると、活性が下がるため、
は使用期限 新 し い RNase を 加 え て く だ さ い 。( 終 濃 度
が切れてい 100ug/mL)RNase を加えた後のバッファーS1
る
は冷蔵保存しておくべきです。
大腸菌の数 サンプル量を減らしてください。細胞数が多すぎ
17
GeneAll Exprep ハンドブック
が多すぎる ると RNase の分解能力を超えてしまいます。
溶出サンプル ウォッシュ プロトコールのウォッシュステップを正しくお
の塩濃度が高 のステップ こなっているかどうか確認してください。また
い
が不適切
は、ウォッシュの際に、バッファーPW を加えて
から、室温で 5 分静置してください。
プラスミドが ヌクレアー HB101 のような endA+や JM 系を扱う場合は、
分解されてい ゼが混入し バッファーAW を使った洗いを正しく行ってく
る
ている
ださい。
精製したプラ ウォッシュ ウォッシュのステップが適切に行われているか
ス ミ ド DNA のステップ どうか確認してください。Exprep Plasmid SV
をアガロース でエタノー カラムメンブレンは、遠心によって完全に乾いて
ゲルにロード ルを完全に いる状態になります。または蒸発させることでも
する際、浮か 除去出来て 良い結果が得られます。
び上がってく いない
る
精製したプラ
ス ミ ド DNA
に対して、制
限酵素が働か
ない。
溶出サンプ ウォッシュのステップが適切に行われているか
ルの塩濃度 どうか確認してください。
が高い
DNA 純度 前ページの「純度が低い」の項をご覧ください
が低い
エタノール ウォッシュのステップが適切に行われているか
が残ってい どうか確認してください。Exprep Plasmid SV
る
カラムメンブレンは、遠心によって完全に乾いて
いる状態になります。または蒸発させることでも
良い結果が得られます。
18
GeneAll Exprep ハンドブック
Ⅷ
1.
2.
3.
4.
5.
6.
簡易プロトコール
遠心で大腸菌を沈殿させる
バッファーS1 を 2.5 mL 使用し、再懸濁する
S2 バッファーを 2.5 mL 加え、転倒混和で混合します。
バッファーS3 を 3.5 mL 加え、転倒混和で混合します。
(オプション)20 分、4,500 xg (5,000rpm)で 20 分遠心します。
ステップ4から続く場合は、ライセートを EzClear カラムに通します。
ステップ5から続く場合は、透明になったライセート溶液を EzClear カ
ラム(青いリング)に通します。2 分静置し、1,000 xg(2,200rpm)で 3 分
遠心します。
7. EzClear カラムを通過した溶液を SV Midi カラム(赤いリング)に移し、
1,000 xg(2,200rpm)で 3 分遠心します。
8. 9mL のバッファーAW を加えて 1,000 xg(2,200rpm)で 3 分遠心します。
9. 12mL のバッファーPW を加えて 1,000 xg(2,200rpm)で 3 分遠心します。
10.3mL のバッファーPW を加えて 4,500 xg (5,000rpm)で 15 分遠心します。
11.500uL のバッファーEB を加えて 5 分静置し、4,500 xg (5,000rpm)で 5
分遠心します。
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