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データセンターの 性能を飛躍的に向上させる ブレード・サーバ 作成:Broadcom®社Allen Light氏、Claus Stetter氏 データセンターの効率化を図るため、多くの組織がブレード・サーバに注目しています。ブレード・サーバの採用で管理業務が 簡易化され、少ない設置面積でより多くの処理能力を発揮することができます。Gigabit Ethernet†スイッチが提供するネッ トワーキング機能は、ブレード・サーバの性能向上に貢献し、BaseXを基盤とした物理層インターコネクト(相互接続)の特性 は、ブレード・サーバでの利用に非常に向いています。 データセンター事業を行うには、多大な不動産投資が必要です。この ブレード・サーバで省電力、省スペースを実現 ため企業は、小型化し続けるラックマウント型の高密度サーバを多数購 入しラックに設置していました。その様子はまるで、宅配ピザの箱を2m 近く積み上げたかのようでした。ブレード・サーバとは、このコンソリデーショ ンの概念をさらに推し進めサーバの密度を一層高めたものです。ブレー ド・サーバのシャーシ(筐体)は、複数のブレードを収納することができま す。1台のブレードは、メモリ、CPU、ハードディスクを備えた1枚の回路 基板に相当します。このブレードをそれぞれ並べて設置し、1枚の共通 バックプレーンを中継して一つまたは複数のファブリック(スイッチ)ブレード に相互接続します。複数のブレードが電源装置(パワーサプライ)、ケー ブル、ストレージを共有するため、発熱量を抑えコストとスペースを節約 することができます。 ラックマウント型サーバの場合、メーカーは、各サーバを1台のユニット(製 品単位)として製造し、お客様は、そのラックマウント型サーバを1台ずつ 導入します。各ユニットには、ユニット専用の電源装置、冷却システム、 金属板から成るシャーシ(筐体)、ユーザ・インタフェース(キーボード、ビ デオ、マウス)が装備されています。たとえば、薄型の1U(約4.5 cm = 1 と3/4インチ)を1台のラックに満載した姿を想像してみてください。これら の共通したコンポーネントがサーバの台数分重複して設置されるであろ う事は明らかです。 これらのサーバは、Webページの提供や、セキュリティ対策となるファイ アウォールのホスティングに好んで利用されるようになりました。それは、 従来のサーバをラックで使用するより、設置スペースと消費電力が節約 できるからです。Dell™ PowerEdge™ 1655MCのように、ブレード・サー バの能力がますます強力になるにつれ、ブレード・サーバの用途は他の サーバ・アプリケーションにも広がっていくでしょう。アナリストは、将来、ブ レード製品がサーバ市場全体でもかなり有力な分野になるだろうと予 測しています。図1に示したとおり、1台のDell PowerEdge 1650MCブレ ード・サーバは、6台のDell PowerEdge 1650サーバと同じ処理能力を 提供しますが、ラックへの搭載スペースは、50%削減されています。 従来のサーバと比較すると、ブレード・サーバはインストールが容易な うえ、専用ソフトウェアの使用により性能や信頼性も向上しています。ま た、柔軟性にも富むため、システム管理者はブレード・サーバ・グループ を、現在のコンピューティング・タスクから他のタスクへ、容易に割り当て 直すことができます。 † Dell PowerEdge 1655MCのシャーシには、2台の電源装置を搭載 しています。1台がメインの電力供給源で、もう1台はバックアップ用とな り、6台のサーバ・ブレードで共有することができます。いかなる電源装置 であっても、100%の利用効率で運用できるものはありません。したがっ て、6台のブレードから2台の電源装置を共有させる方が、6台すべて のサーバに専用の電源装置を搭載するよりはるかに消費電力が節約 できますし、信頼性も増します。 図 1. 1 台の Dell PowerEdge 1655MC ブレード・サーバが、6 台の Dell PowerEdge 1650 サーバと同等の処理能力を提供 Gigabit Ethernetという語は、IEEE 802.3abに準拠していることを示しているのであって、必ずしもGbpsの速度で稼動することを保証しているわけではありません。 www.dell.com/powersolutions P/N: 2CR3A(1-1) 1 BLADE SERVER ENVIRONMENT プロセッサ、ドライブ、メモリ、ネットワーク接続 などのコンピューティング機能は、 ブレード側に移動 ブレードをシャーシに差し込むと、 冗長電源装置および冷却ファンと Ethernetスイッチが、 各ブレード間で共有される 各機能を「統合した」典型的なサーバ 電源、管理、ネットワーキング、 冷却に関わるインタフェース コンポーネントは、 シャーシ側に移動 図 2. ブレード・サーバにおけるブレード間の相互接続 ラック型サーバの場合、それぞれのサーバで金属板シャーシや冷却チ ャネル(空気の対流経路)を確保する必要がありましたが、ブレードでは これらを省くことができるため一つの共用シャーシにより多くのブレードを 収納することができます。各ブレードでファンを共有しブレード間で空気 の対流経路を確保するため、スペースが効率良く使えます。一般的な6 フィートのサーバ・ラックは、現在、42台もの1Uサーバを搭載できるまで に至っています。しかし、この同じラックを使用してブレード・サーバ・シャ ーシを搭載すれば最大84台ものブレードを収納することができるので す。 ネットワークの複雑さを緩和 冗長データ・ネットワーク、管理ネットワーク、ストレージ・ネットワーク、高 性能クラスタリング・ネットワーク、I/O を相互接続するにはおびただしい 量のケーブル配線が必要となります。このケーブルの密集は、障害を招 きかねませんし、メンテナンスも困難なうえ、実質かたまりとなったケーブ ルが、サーバの冷却システムを妨害してしまうことも数多く見受けられま す。 シャーシ内では、情報がバックプレーンの回路基板トレース上を流れ ます。その伝送効率はケーブルと変わりなく、これらのバックプレーンは上 記で触れたすべてのインターコネクト・テクノロジに対応することができま す。共通のバックプレーン・コネクタが多くのケーブル・コネクタの代わりを 務め、サーバ・ブレードのサイズ削減に貢献し多くの状況で各ブレード間 の相互接続性も向上します。 サーバ・ブレードをバックプレーンに差し込むと、シャ ーシ内にあるスイッチ、ストレージ、その他のブレードへ 即座に接続されます。このスイッチ・ブレードには、 Dell PowerEdge 1655MCのシャーシをその他すべて のネットワークに相互接続するBroadcom®社の Gigabit Ethernet接続機能が搭載されています。 サーバ管理をシンプルにするリモート機能 ラックに搭載したサーバの管理は、42台でも大きな挑 戦となりますが、より多くのサーバを1台のラックで管理 するとなると、もはや不可能に思えるかもしれません。 幸いなことに、デルのブレード・サーバは、リモートから 運用や管理ができるよう設計されています。 2 P/N: 広範にわたる技術がリモート管理を可能にし、個々のブレード上とブ レード・サーバ・シャーシの主要コンポーネント内には、システム・クリティカ ル・センサーを搭載しています。これらのセンサーにより、ブレード・サーバ はシステムの温度が定められたしきい値を超えてしまったときや、冷却フ ァンが事前に決められた速度で回転していないときなど、特定のイベント の発生を検出することができるため電子メール、ポケットベル、電話を介 して、ネットワーク管理者に警告を送ることができます。これを受け取った ネットワーク管理者は、Webブラウザからブレード・サーバの構成を確認 して問題を特定し作業負荷をそれ以外のサーバに移すことができます。 この機能により、システムの連続稼働時間は飛躍的に向上しますし、 サーバ・ハードウェアにおける致命的な障害に発展する前に問題を早 期発見するため、損害の拡大も防げるようになります。 ブレード・サーバの高度な管理機能により、ネットワーク管理者は 個々のサーバをリモートから立ち上げたり、オペレーティング・システムやア プリケーションをアップグレードしたりすることができます。今までこの種の 作業を行うには、システム管理者がデータセンターまで物理的に足を運 びサーバ上で専用のキーボード、マウス、モニタを使用してローカルのCD ドライブからアプリケーションをロードするという実際の操作が必要でし た。 バックプレーン技術として利用する Gigabit Ethernet Dell PowerEdge 1655MCブレード・サーバのシャーシは、そのバックプレ ーン・インターコネクトにBroadcom社のGigabit Ethernetテクノロジを採 用しています。Broadcom社のGigabit Ethernetテクノロジは、ブレード・ サーバのバックプレーンに使用するうえで他のネットワーク技術に勝る利 点がいくつかあります。たとえば、LANへの統合が容易であり、標準ベー スのインターコネクト技術として実績があるだけでなく、CoS(Class of Service)、ポート結合、冗長構成、管理プロトコルなどの技術もサポー トしています。 ネットワークへの統合が容易な Ethernet 各サーバ・ブレード間にEthernetのスイッチング・ファブリックを採用するこ とで、シャーシをすべてのネットワークへ容易に、そして経済的に接続す ることができます。ほとんどのエンタープライズ・ネットワークは、LANに Ethernetを使用しています。ブレード・サーバの稼動基盤となるファブリッ クと、そのネットワーク・テクノロジが同じであればプロトコルを変換する必 要もありません。 実績ある標準ベースのインターコネクト技術をブレード分野にも応用 様々なメーカーから1ヵ月に数百万ものGigabit Ethernetポートと関連チ ップセットが出荷されています。Ethernetそのものは20 年以上もの間利用されてきた技術で、エンタープライ ズのネットワーク技術としては主流となります。堅牢な ブレード・サーバ Ethernetは、その実用性が認められ広く採用されてき シャーシ内では、情報が ました。 バックプレーンの Ethernetによるバックプレーン技術を採用したブレ 回路基板トレース上を ード・サーバは、規模の経済(スケールメリット、または 流れます。 大量生産によりコストが下がること)による恩恵を受 その伝送効率は けて、低コストの接続を可能にしています。ブレード・ ケーブルと サーバにEthernetを採用すれば、IT要員が新しいネッ 変わりありません。 トワーク・プロトコルを習得する必要もなくなるためトレ ーニングの労力も軽減できます。 2CR3A(1-1) Dell Power Solutions 2002 年 8 月版より抜粋 強力な機能群がネットワークを強化 Dell PowerEdge 1655MCブレード・サーバは、ブ レード・サーバのネットワーク管理と接続を円滑に 行うための強力なEthernet機能群をサポートして います。 ブレード・サーバは、サーバとスイッチ・ブレード間 に小さなLANが存在するため独特な操作環境と Gigabit Ethernetは、 なります。これらのデバイスは、バックプレーンと呼ば ブレード・サーバの れる部品を通して接続され、このバックプレーンは バックプレーンに 通常低コストなFR4という素材を使用し、物理層 採用するうえで、 の設計にはBaseTかBaseXのいずれかを採用しま CoS(Class of Service):CoSは緊急を要す 他のネットワーク技術を す。Gigabit Ethernetを標準化するには、 るトラフィックを、優先度の低いトラフィックより先に 凌ぐ様々な 1000BaseX SerDes物理層デバイスの方が ブレード・サーバのバックプレーンやファブリック経由 1000BaseT物理層デバイスより設計上有利と考 利点があります。 で送信します。 えられます。たとえばAC結合でマグネティクスを使 用する代わりに小さな結合コンデンサを使用してい ポート結合(トランキング):複数のポートをトラ ンキング(結合)することで、ブレードと、スイッチ・ブレードに接続されてい るため、各ブレードの消費電力が抑えられピン1本あたりのバンド幅の利 る他のデバイス間とのバンド幅を1 Gbpsずつ増加させることができます。 用率も向上します。ブレード・サーバに1000BaseXを利用すればラックへ の搭載密度が高まるだけでなく、省電力やコスト削減も図れ、さらに 冗長性:トランキングの自動フェイルオーバ機能を使用するポート結 Gigabit Ethernetの利点もすべて活用することができます。 合は、ブレード・サーバで冗長性を提供するためのシンプルなメカニズム となります。トランキングしているポートの一つに障害が発生すると、トラ マグネティクス不要の BaseX デバイス フィックは残りのリンクへ自動的に再分配されます。 BaseT物理層デバイスは、100m以上のカテゴリ5ケーブルで稼動するよ う設計されています。このように距離を保ちながら直流電流(DC)を使 組み込み済みの管理機能:Ethernetスイッチ内のRMON(リモート 用して2個の電気機器を結合すると、一方の地電位(接地またはアー 監視)とSNMP(簡易ネットワーク管理プロトコル)がブレード・サーバに スの電位)が他方の地電位と異なる場合があり、この結果、グラウンド・ 組み込み済みの管理機能を提供します。 ループ(接地ループ)を招く恐れがあります。グラウンド・ループが発生す るとネットワーク・ケーブルを通じて過剰な電流が流れてしまい、接続端 サーバのカスケード:2個(またはそれ以上)のファブリック間を直接 子のどちらか一方でケーブルや回路を損壊する可能性があります。 Ethernetリンクで接続することで、複数のブレード・サーバをカスケードす ることができます。これらのリンクは、低コストなカテゴリ5の銅線ケーブル このような状況を防ぐため、マグネティクスと呼ばれる変圧器を介し物 で接続します。 理層とネットワーク・ケーブルを直接結合しないようにしています。ブレー ド・サーバ・シャーシ内に搭載されたサーバ・ブレードとスイッチ・ブレード コスト面で有利なファブリック・インターコネクト は、同じアースを使用するためマグネティクスを使用する必要はありませ ファブリックを使用したブレード構成は、スタンドアロンのEthernetスイッチ ん。しかし、ほとんどのBaseT物理層デバイスは、マグネティクスの使用を を複数使用するよりはるかにシンプルです。このため、メーカー各社はこ 意図した設計となっているためマグネティクスをシステム設計から取り除く のようなスイッチ・ファブリックを製造する際市販のコンポーネントを流用す ことができません。マグネティクスにより、ブレード・サーバのコンポーネント ることができ、その結果ソフトウェアやボードの設計にはほとんど労力をか にかかるコストが上乗せされ、設置面積も大きくなってしまうためその分 けず、他のファブリック技術より低コストで実現することができます。 スペースを無駄に使い余計なコストが生じることとなります。 Broadcom社のGigabit Ethernetスイッチ・チップセットは、コスト面に優 れるだけでなく、内部バッファ・メモリ、オンチップのアドレス・テーブルや管 BaseX物理層デバイス(SerDes)は、マグネティクスを必要としませ 理カウンタ、内蔵の物理層デバイス(Serializer/Deserializer(並直列 ん。これらのデバイスは、1個のコンデンサを搭載したバックプレーン上で 変換器)、通称SerDes)など、多彩なレベルの統合能力と、総合的な のAC結合が可能なため、システムにブレードをホットプラグで設置できる 機能セットも提供します。 だけでなく非常に低コストで、無駄に貴重なスペースを使用する事もほ とんどありません。 バックプレーンを通した各ブレード・サーバの相互接続 カテゴリ5の銅線ケーブルを使用したネットワークは、通常Ethernet LAN に接続します。このケーブル技術は、企業のオフィス内で広く採用されて おり10BaseT、100BaseT、1000BaseTなどの物理層デバイスとの相互 運用性もあるためネットワークのプロフェッショナル達から好んで使われて きました。1000BaseX仕様の物理層を採用するGigabit Ethernet製品 は、BaseT仕様のEthernetほど広く浸透していません。これは、従来か ら、この種の物理層デバイスと共に導入されてきた光ドライバや光ファイ バ・ケーブルのコストが割高になるためです。 www.dell.com/powersolutions P/N: 2CR3A(1-1) 省電力の BaseX デバイス 1000BaseT物理層デバイスの場合、100 mのカテゴリ5 UTP(シールド なしツイスト・ペア)ケーブルを経由した送受信で1,000 Mbpsのデータ転 送速度を達成するには、エコーのキャンセルやクロストーク補正のため複 雑なデジタル信号処理が必要となります。この信号処理は、電力を必 要以上に消費します。 ブレード・サーバのバックプレーンは、カテゴリ5のケーブルとコネクタのパ ッチパネルほど電気的に複雑な構造をしていません。BaseX物理層のコ ンパクトな信号設計により、スイッチ・アプリケーションに特化した集積回 路(ASIC)上に複数の物理層デバイスを直接統合することができ、比 較的多くのポート数を提供することができます。さらに、Broadcom社が 実施したテストによると、1000BaseX物理層デバイスの消費電力は、 1000BaseTデバイスの約5分の1という結果が出ています。消費電力が 少ないということは冷却も容易なうえ、ラックへの搭載密度も高まるた め、まさにブレード・サーバの設計目標を満たすものです。 3 BLADE SERVER ENVIRONMENT 典型的な 4 チャネ ルの SerDes 4 チャネルの 内蔵 SerDes 節減量(12 ポ ート時) 消費電力 3.3 W 1W 6.9W ボードのスペース 23 mm x 23 mm 不要 1,587 mm 2 図 3. 消費電力と省スペースを可能にする内蔵 SerDes 接続数が削減できる BaseX デバイス カテゴリ5のネットワーク・ケーブルは、2本ずつよりあわせた(ツイスト・ペ ア)電線を4組使用しているため、1000BaseT物理デバイスは合計8箇 所の物理接続が必要となります。1000BaseTのデバイスで最大速度を 発揮させるには、8箇所すべての接続点を良好な状態で稼動せる必要 があります。 一方、1000BaseX物理層デバイスは2組の電線しか必要としないた め、4箇所の接続点だけで同じ速度を達成することができます。物理的 な接続数が少なければ、物理層デバイス上のピン数もバックプレーン上 のコネクタ数も少なくなるうえ、バックプレーン上のルーティング(経路選 択)処理も簡明になります。ひいては、バックプレーンの設計もシンプルに なります。 Gigabit Ethernet スイッチ・チップに内蔵された SerDes ホットプラグ機能、省電力、高速なスループットをすべて併せ持つ SerDes(並直列変換機)付きの1000BaseXは、ブレード・サーバに最 適なプロトコルとなります。バックプレーンを駆動するには、同じインタフェ ースを持ったスイッチ・チップが必要です。 サーバ・ブレード環境では、消費電力とボード上のスペースという二つ の設計要素が特に重視されます。この両方とも、最終的には、搭載で きるポート数を制限する要因となりますし、システム・コストの削減額に も限界をもたらします。 多大な電力を消費するシステムは、高額になりますし、適切な冷却 システムを整備することが難しくなります。この結果、冷却ファンのMTBF (平均無故障時間)は、シリコン・デバイスのMTBFより著しく低下してし まい、この最大の弱点となるコンポーネントが、システム全体のMTBFを 引き下げてしまいます。このようなシステムには、より強力で高価な電源 装置も必要となります。 Gigabit Ethernetスイッチのポートを光ファイバ・トランシーバやバックプレ ーンに接続するには、このSerDesコンポーネントが必要です。 省電力は、主に、集積回路上のI/O数を削減することで実現してい ます。ボードの省スペース化には、プリント基板上に書かれたトレース数 の削減分を加味していないため、実際の縮小率は、さらに高まるでしょ う。内蔵したSerDesがもたらすその他の利点には、別パッケージの排 除、供給コンポーネント数の削減、集積回路メーカーの技術力による 問題の排除などが挙げられます。 Dell PowerEdge 1655MCブレード・サーバは、SerDesを内蔵した Broadcom社のスイッチ・チップを搭載することで、ネットワーク機能を完 備した高性能なスイッチが各ブレード・サーバに組み込めるだけでなく、 ラックへの高い搭載密度を保ち、消費電力と冷却要件も軽減していま す。 小さな搭載スペースで非常に優れた性能を発揮 Dell PowerEdge 1655MCブレード・サーバと、Broadcom社が提供する Gigabit Ethernetコントローラやスイッチなどの関連テクノロジは、高密度 と省電力を実現しながらも、インストールに大きな設置スペースを必要 としません。ブレード・サーバを採用すれば、企業は効率的かつ経済的 にデータセンターのコンピューティング密度を高めることができるうえ、リモ ート・ソフトウェアからの障害対策やサーバ管理も行えますし、新しいス ケール・アウト型のアーキテクチャや負荷分散(ロードバランシング)技術 を実装することも可能です。このようなブレード・サーバは、データセンター の設置スペースを節約すると同時に、データセンターに関わる電力や冷 却の必要性も削減できます。 Allen Light氏は、Broadcom CorporationのHigh Speed Networking Line of Businessに所属する製品ライン・マネージャです。カルフォルニア州アーヴァインを 拠点にする同社は、ブロードバンド通信を実現する集積回路メーカーです。 Light氏は、カルフォルニア大学デイヴィス校で電気工学士を取得した後、ニュー メキシコ大学でM.B.A.を取得しています。同氏は、Intel社やPhilips Semiconductors社でマーケティングおよびアプリケーション・エンジニアとしての職 歴も積んできました。 Claus Stetter氏は、Broadcom社に所属するMetroSwitch™ Gigabit Ethernet製品ラインの製品ライン・マネージャです。ドイツで電気工学の修士号を 取得し、Allayer Communications社(後にBroadcomが買収)、Infineon Technologies社、Fujitsu Microelectronics社での職歴があります。 ボードのスペースは、常に貴重なものです。これは特にブレード・サー バのようなシステムの場合顕著です。マザーボードでなく、銘板またはバ ックプレーン上の広さでポート数が決まるのであれば、理想的です。これ により、可能とされる最高の性能と、ラックへの搭載サイズあたり最高の 密度が達成できます。 Broadcom社が採用する現代の0.13ミクロンの半導体製造技術と、 SerDesの中核部における設計能力が、このような制約への取り組みに 役立っています。各ポート用のSerDesコンポーネントは、たとえ10 Gbps のアップリンクを備えた12ポートGigabit Ethernetスイッチのように多数の ポート数を提供する場合でも、スイッチのチップ本体に内蔵することがで きます。SerDesを内蔵するという能力が、ボードに必要とされるスペース と、コンポーネント数の大幅な削減を可能にしています(図3を参照)。 4 P/N: 2CR3A(1-1) PowerEdge、PowerVault、OpenManage、Dell のロゴマークは、米国 Dell Computer Corporation の商標または登録商標です。Intel、インテル、Pentium、Xeon、Celeron は、アメリカ合衆国および他の国におけるインテルコーポレーションおよび子会社の登録商標 または商標です。その他の社名及び製品名は各社の商標または登録商標です。 本資料は、米国 Dell Computer Corporation が発行している「Power Solutions」の翻 訳です。本資料は、参考情報の提供のみを目的とし、本資料に記載されている内容は、 デルコンピュータ株式会社が保証するものではありません。 Dell Power Solutions 2002 年 8 月版より抜粋