...

小学校 授業改善の特記ポイント(PDF:663KB)

by user

on
Category: Documents
11

views

Report

Comments

Transcript

小学校 授業改善の特記ポイント(PDF:663KB)
(5) 小学校
国
授業改善の特記ポイント
語
<国語への関心・意欲・態度>
☆単元の「目標」やその時間の「ねらい」を明確にしましょう。
◆この単元でどのようなこと(活動)に取り組むのか。=〈活動のゴール〉
◆この単元でどのような資質・能力を身に付けるのか。=〈学習のゴール〉
年間学習指導計画を基に、この単元はどのような資質・能力を身に付けさせるた
めの単元なのか(目的)を確認します。その上で、教材をどのように活用して、ど
のような活動に取り組ませるのか(手段)や、指導の工夫を考えます。2つのゴー
ルを明確にして、目的意識と到達後の自分のイメージをもたせて学習に取り組ませ
ることが大切です。
(例)第4学年〔読むこと〕の単元名と副題
◆単元名「好きな登場人物を中心に物語を紹介しよう」〈活動のゴール〉
◆副題 「登場人物の人物像を複数の叙述を基に捉えよう」〈学習のゴール〉
<話す・聞く能力>
☆インタビューをするときは、話の展開に沿って質問することができているかを確認
するようにしましょう。
一つ一つの質問が、インタビューのゴールに向かったものかどうかを判断しなが
ら、より詳しく聞く質問をしたり新たな質問を追加したりすることが大切です。
(例)1(1)インタビューをする目的を明確にする。
1(2)聞き取る事柄を予想したり必要に応じて聞き方を工夫したりする。
<書く能力>
☆相手や目的に応じた書き方を考える場面を設定しましょう。
相手や目的に応じて、原因や理由を挙げたり事例を挙げたり等の工夫をして、書
きたいことが適切に伝わるようにする中で、その工夫の効果についても考えさせる
ことが大切です。
(例)6(1)相手や目的に応じて、具体的な数値や図表、絵・写真などを用いる。
6(3)図表、絵・写真が、文章だけでは伝えきれないことを補うことができて
いるか確かめる。
<読む能力>
☆目的に応じて、手掛りとなる叙述を文章全体から取り出し、関連させて心情をとら
える学習を取り入れましょう。
物語の面白さと直接関わる登場人物の心情を読むときは、手掛りとなる叙述の見
つけ方を考えさせるとともに、特定の場面の叙述だけでなく、文章全体を通して散
りばめられた複数の叙述を基に考えさせることが大切です。
(例)5(3)登場人物の心情を複数の叙述を基に捉える。
<言語についての知識・理解・技能>
☆指示語の学習では、指示語が指し示す言葉を指示語と入れ換えても文意が変わらな
いことを理解させましょう。他教科等の指導の中でも、機会を捉えて指示語のある
文章で繰り返し確認していくことが大切です。
(例)7(3)指示語が指し示す言葉を的確に捉える。
− 80 −
社
会
<社会的事象への関心・意欲・態度>
☆各単元(小単元)終了後の児童の姿を明確にした指導計画を立てましょう。
指導計画作成時には、単元の終了時に、社会的事象に対して児童にもたせたい考
え(ゴール)を明確にしておき、その考えに到達するために必要な学習方法や資料及
び発問を準備したり、考えをもつまでに至らなかった児童への支援等について検討
したりしておくことが、児童の学習意欲を高め、持続させることにもつながります。
(例)5(1)~(3) 道具のうつりかわりと、それに伴ったくらしの変化の様子の学習
活動の例
・昔の「かまどと羽釜」と現代の炊飯器を取り上げ、
「現代の道具には、昔の道
具に使われていた「知恵や工夫」を取り入れて開発されたものがある」と過
去の生活における人々の知恵や工夫に気付かせる活動。
<社会的な思考・判断・表現>
☆見学等で調べてきた事実を、
「ねらい」等の項目で整理し、目的と手段などの関係か
ら考えさせましょう。
(例)2(2)消防署で働く人々の仕事について調べたあとの活動例
①具体的な仕事内容について「仕事のねらい」の表を作成させる。
②児童に消防署の人の話などを根拠に、完成した表について情報交換させる。
③児童同士の話し合いで結論付けさせる。
など
<観察・資料活用の技能>
☆必要な情報を選んで事実を正確に読み取るように指導しましょう。
地図から方位、記号、高さ、区分などを読み取らせたり、年表から年号や時期、
前後関係などを読み取らせたりすることが大切です。
(例)1(1)地図学習で獲得した知識を、教室外でも活用する体験の例
・校庭や地域の中などで、方位を確認させる。
・身近な題材(北門など)を扱い、その名前と位置の関連を調べさせる。 など
他にも、以下のような点に留意して指導することが重要です。
○位置や分布、広がり、量やその変化など情報全体の傾向性を踏まえる。
○同一の事象に関する異種の資料(グラフと文章など)の情報を見比べたり結
び付けたりするなど、複数の情報を見比べたり結び付けたりする。
○統計等の単位や比率を踏まえるなど、資料の特性に留意する。
<社会的事象についての知識・理解>
☆47都道府県の名称と位置は、繰り返し指導しましょう。
児童が確実に身に付け、活用できるように、5・6年生においても教師が意図的、
計画的に取り上げることが大切です。
(例)3(4)都道府県の名称と位置を取り上げる事例
・5年生…各産業に関わる都道府県の位置を地図帳で確認する。
− 81 −
算
数
<算数への関心・意欲・態度>
☆学習したことを活用する学習場面を設定しましょう。
単元の学習終了時に、「学習したことを使ってどのような活動をしたいですか。」
と問いかけ、既習事項の再確認及び定着を図るとともに、児童の学習意欲を向上さ
せることが大切です。
(例)6「いろいろな四角形」の学習内容をより深く理解させるために
・四角形の特徴をもとにして、授業で扱った以外のいろいろな方法で四角形
をかく活動
・いろいろな四角形が、身の回りでどのようなものに使われているか、調べ
る活動
・四角形の特徴をもとにして、四角形を敷き詰めて模様をつくる活動 など
<数学的な考え方>
☆もしも○○が△△だったら…と考える学習場面を設定しましょう。
課題把握の場面や自力解決の場面において、「この数が整数だったら」「違う方法
で解くとしたら」
「この辺を切ったら」と考え、根拠のある立式や複数の解法による
解答、図形の念頭操作などをさせていくことが大切です。
(例)5複合図形をいろいろな見方で捉え、面積の求め方を考えさせるために
・面積を求める考え方の図をいくつもかいて面積を求める活動
・友達が書いた式を、考え方の図を使って説明する活動 など
<数量や図形についての技能>
☆学習の大事な場面で、答えを見積もらせてから計算をさせましょう。
「答えはどれくらいになりそうですか」と問いかけ、見積もらせてから計算させ
ることや、
「予想と同じくらいになりましたか」と、最初に見積もった数値と照らし
合わせて振り返りをさせることが大切です。
(例)1(3)「21.6÷27の計算」で、位取りによるまちがいを防ぐために
・最初に商を見積る活動
『およそ21を27で割るから、答えは1より少し小さくなりそうだ』
・計算結果を、自分の予想と照らし合わせて確認する活動
『答えは8になったけど、1より大きいからおかしいぞ』→再確認
<数量や図形についての知識・理解>
☆数を複数の見方で表現させる学習を取り入れましょう。
ある数について、「○がいくつ集まった数」
「○と△が合わさった数」というよう
な表現を位の表を使って考え、複数の見方ができるようにすることが大切です。
(例)2(2)「410000は、100を□個集めた数か」とみることができるよ
うにさせるために
・位の表に410000を書く
・百の位をもとにして、一、十、百、千と「4」まで数え、4100個だと
分かるようにする
− 82 −
理
科
<自然事象への関心・意欲・態度>
☆学習を通して身に付けた知識を実際の自然や日常生活に当てはめて考えさせる学習
場面の設定をしましょう。
自然事象への関心・意欲・態度をより向上させるためには、観察・実験の結果か
ら結論を導き出してまとめを行うだけでなく、身近な道具や科学技術等との関連を
図り、理科を学ぶ意義や有用性を実感させることが大切です。
(例)3(3)「磁石の性質」の学習内容をより深く理解させるために
・引き付ける力が世界一強い磁石を発明した研究者について調べる活動
・磁石の性質を活用している身近な道具について調べる活動 など
<科学的な思考・表現>
☆観察・実験の結果をグラフや表にまとめ、それらを基に考察して、根拠を示しなが
ら自分の考えを説明する学習場面を設定しましょう。
科学的な思考力・表現力を養うためには、観察・実験の結果をまとめたグラフや
表から、全体の傾向を捉えて考察するとともに、児童に考えを説明させる学習活動
を充実させることが大切です。
(例)6(3)「天気の様子」の学習内容をより深く理解させるために
・6 月 2 日から 6 月 7 日までの気温の変化と天気をグラフ等にまとめさ
せ、気温の変化と天気の様子とを関係付けて考え、分かったこと等を説明
させる活動
・晴れの日と雨の日の 1 日の気温の変化の違いから、6 月 3 日の天気につ
いて考え、考察したこと等を説明する活動 など
<観察・実験の技能>
☆繰り返し操作をする機会、立ち戻る学習場面を設定しましょう。
観察・実験を安全に行い、信頼性の高いデータを得るために必要な技能を確実に
習得するためには、繰り返し操作をする機会を設けるとともに、児童につまずきが
見られた時点で、既習事項にもう一度立ち戻り、全ての児童が「できる」、
「分かる」
ようにすることが大切です。
(例)7(1)「月と星」の学習内容をより深く理解させるために
・星座早見の数を可能な限り整備するとともに、小集団で操作方法や安全な
観察の仕方について話し合う活動
・実際の観察器具を用いて具体的な操作方法を示すとともに、東京ベーシッ
ク・ドリルを活用して、適切な操作について考えさせる活動 など
<自然事象についての知識・理解>
☆観察・実験等の具体的な体験を通して、実感を伴った理解を図ることができる学習
場面を設定しましょう。
自然事象についての知識・理解の定着には、児童が自ら自然の事物・現象に働き
かけ、具体的に調べることにより、実感を伴った理解を図ることが大切です。
(例)4(1)「電気の通り道」の学習内容をより深く理解させるために
・「電気の通り道」と「磁石の性質」との学習を関連させたおもちゃづくり
・鉄、銅、アルミニウム等、磁石に付く物との混同が予想される材質を使っ
て、電気を通す物について調べる活動 など
− 83 −
− 84 −
Fly UP