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形状記憶合金を用いた新技術の開発
所属: 宇部工業高等専門学校 機械工学科 研究タイトル: 形状記憶合金を用いた新技術の開発 氏名: 德永 仁夫 / TOKUNAGA Hitoo E-mail: [email protected] 職名: 准教授 学位: 博士(工学) 所属学会・協会: 機械学会,材料学会,形状記憶合金協会,セラミックス協会 キーワード: 形状記憶合金,ガラス,セラミックス 技術相談 提供可能技術: ・高温で形状記憶特性を示す金属材料の開発 ・強度と延性を兼備した TRIP 型 Zr 系合金の開発 ・金属ガラスマトリックス複合材料の機械的性質 ・小規模分散型エネルギー供給を実現するエネルギー変換技術 新しい形状記憶合金の開発 研究内容: 形状記憶合金は、変形させても加熱をすることで元の形に戻るという特性(形状記憶効果)を有するユニークな金属 材料である。材料そのものが温度を感知する「センサ機能」と形状回復によって動きをつくりだす「アクチュエータ機能」 を兼ね備えており、家電製品や自動車、医療用器具など様々な分野にその応用が広がっている。 現在、実用化されている形状記憶合金のほとんどは Ti-Ni 合金である。この合金では Ti と Ni の比率(合金組成)を変 えることで、形状回復が生じる温度をコントロールできる。そのため Ti-Ni 合金は様々な温度域でセンサ&アクチュエー タとして実用化されており、機器の小型化・軽量化・省エネルギー化などに貢献している。しかしながら、Ti-Ni 合金では 使用温度の上限が 80℃程度とされており、これよりも高温の温度域では形状記憶効果を利用することができない。産 業界はもちろん我々の身近な所でも 80℃を超える温度域で駆動する機器が多数存在しており、この高温域で使用でき る形状記憶合金の開発が期待されている。 現在注目しているのは、Zr-Cu 系合金である。図 1 は等原子比近傍で作製した Zr-Cu 合金に対して、示差走査熱量 分析を行った結果を示している。図中の 250℃付近にピークが表れてることから、(1)この合金が形状記憶効果を示す こと、(2)形状回復が生じる温度は 250℃程度であること、が分かる。また図 2 は Zr と Cu と Al の 3 つの元素を用いて 作製した Zr-Cu-Al 合金に対して変形を加えたのち、加熱を施し形状回復の有無を調べた結果を示している。この図に 示すように 50~200℃付近で形状回復が生じており、(1)Zr-Cu-Al 合金が形状記憶合金であること、(2)合金組成を変 化させることで形状回復が生じる温度が変化すること、が分かる。 Zr52Cu48 As Af 3 Residual strain , % Heat flow [a.u.] Exo.→ Zr51Cu49 Zr50Cu50 Zr49Cu51 Zr48Cu52 100 200 Temperature / ℃ 2 1 形状回復が生じる温度域 0 0 300 100 200 300 Temperature T , ℃ 図 1 Zr-Cu 合金の示差走査熱量測定 図 2 Zr-Cu-Al 合金の形状回復挙動 提供可能な設備・機器: オートグラフ・AG-X(島津製作所) オートグラフ・EZ Graph(島津製作所) オートグラフ・EZ S(島津製作所) ビッカース硬度計・HMV(島津製作所) 示差走査熱量計・DSC-60(島津製作所) 名称・型番(メーカー) 示差走査熱分析装置・DTA-50(島津製作所) シャルピー衝撃試験機(米倉製作所)