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NPOとの共働による不登校児童生徒の保護者支援事業

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NPOとの共働による不登校児童生徒の保護者支援事業
平成25年度 事業の進捗状況
NPOとの共働による不登校児童生徒の保護者支援事業
(呼称:不登校よりそいネット)事業(中間報告)
不登校よりそいネット実行委員会
(1)共働のきっかけ・必要性
①NPO と市との「共働」の必要性
学校を中心に不登校児童生徒に対する支援策が進められる一方で、
その保護者に対する支援策が遅れている。児童生徒と保護者への支
援は車の両輪であり、並行して進めることで効果は格段に向上する。
そのために、保護者が、学校や公的機関だけでなく、地域やこの問
題に専門性を有するNPOから支援を受けることが出来る、信頼される
ネットワークづくりが求められている。
②NPO の提案理由
・支援活動を当事者が安心して利用できるための信頼を得るため
・教育委員会及び学校と連携した保護者への支援を行うため
・個々に活動する NPO 団体がネットワークを組み、連携して対応
することで、系統的でより幅の広い支援体制をつくるため
・市からの財政的援助や広報の支援を得るため
③市担当課の取組理由
■今年3月に福岡市立小・中学校に
・孤立しがちな不登校児童生徒の保護者支援には地域での支援
配布されたチラシ
が有効であり、その活動を進めている NPO と連携することで、
支援者の増加や当事者目線の支援事業が推進されるため
・本事業を通して、行政の関係各課と緊密な連携を図り,より効果的な支援を進めるため
・ネットワーク化で、行政施策の周知や関連するNPOの情報収集、官民が連携した保護者支援事業
が可能となるため
(2)事業目的
不登校児童生徒の保護者支援のために、福岡市全域をカバーするネットワークを構築し、
行政、市民、NPO団体等の横断的な連携を実現し、当事者への効果的な支援を行う。
(3)事業目標
①不登校ホットラインの周知、利用促進
②不登校フォーラムの開催(2日間)ほか研修・啓発事業の実施
③ネットワーク会議(兼研修会)の開催(年6回以上)
④学校との連携 「不登校保護者の会」の開催への協力
(4)事業内容
①不登校ほっとライン (不登校に関するワンストップ問合せ電話)
の運営と個別相談への対応
・ワンストップ電話の常設
・不登校に関する問合せ電話への応対
■不登校ほっとライン対応の様子
1
・個別相談への対応
※市事業として「不登校に悩む保護者支援サポーター
養成講座」修了生が事務局スタッフとして電話対応
②当事者、支援者及び関心のある市民への不登校理解
のための啓発・研修活動
・当事者研修「不登校の悩み語り合いませんか」の毎月開催
※毎月第4土曜日14:00-16:30定例開催
・不登校支援啓発事業「不登校のセミナー」の開催(年2回)
※10月5日(第1回)、1月18日(第2回)
・ふくおか不登校フォーラムの開催(6月開催2日間)
・支援者研修の開催(毎月連絡協議会を兼ねて開催)
■6月15日 ふくおか不登校フォーラム
③不登校支援に関して市及びその周辺で活動している
NPO等民間団体・個人(専門家)と行政各部署によ
るネットワークの構築
・ネットワーク連絡協議会の開催による各団体との
情報交換及び協力の推進
・ふくおか不登校フォーラムの開催 (6月開催2日間)
・ネットワーク連絡協議会への参加団体募集 (随時)
④学校との連携
学校指導課と連携し、「不登校保護者の会」
の開催への協力 (スタッフ派遣)
1日目 (あいれふ)
■不登校よりそいネット連絡協議会
(5)NPO と市(担当課)の役割分担
役 割
実行委員会( 6名体制)
事 務 局 (19名体制)
事業1(不登校ほっとライン)
事業2(啓発・研修)
事業3(ネットワークづくり)
NPO(不登校サポートネット)
実行委員長、実行委員2名
事務局担当 (19名)
①不登校に関する問合電話の常設
092-406-8815
②担当者の養成・研修
③報告書の作成
④事業費の収支管理
①講座、セミナーの企画・実施
②広報
・チラシの作成・配布
・マスコミプレビュー
・ホームページの開設
③アンケートの実施、報告書の作成
④事業費の収支管理
①ネットワーク構築の企画・運営
②不登校フォーラム開催
③NPO 等民間との連絡調整
④報告書等の作成
⑤事業費の収支管理
市 (教育委員会生涯学習課)
副実行委員長、実行委員2名
①行政関連部署との調整及び
情報提供
②担当者研修への講師派遣
③広報協力(学校等への周知)
④負担金交付
①講座、セミナーの企画・実施
協力(会場確保等)
②広報
・市政だより
・公共施設へのチラシ配布
③負担金交付
①ネットワーク構築に関する協力
②不登校フォーラム開催の協力
(会場確保等)
③行政の関連部署との連携
③負担金交付
2
事業4(学校との連携)
①不登校対応教員連絡会(10.2)で
の講話及び事務局員との意見交換
②各学校での「不登校保護者の会」
へのスタッフ派遣
(6)共働するうえで工夫した点
①工夫した点=意志の疎通
・実行委員会の定例開催(毎月第1木曜日)
毎回2時間半程度、毎月の事業進捗確認やその時点での
課題などを話し合い、常に改善を図っている。
・実行委員会での提案・情報交換のための事前打合せを
メールや電話、面談で随時行っている。
・事務局ミーティングを毎月実行委員会の翌週(毎月第2木
曜日)に開催し、実行委員会での決定事項を確認および検
討し、意志の疎通および実行計画を練っている。
・啓発研修事業及びネットワークづくり事業は両者で協力
して内容検討、会場設営等を実施して、現場の状況を把
握し、話し合って進めている。
②苦労した点
2年目に入って、意志の疎通も円滑に出来ており、NPO
側の事務処理能力が高いこともあり、苦労していることは、
ほとんど無い状況である。逆に、今まで以上に相互の信頼
関係が築けているので、関係各課からの積極的な協力も得
ながら、これまでの工夫改善に加えて新たな事業の取組に
発展している。
①学校校指導課と不登校に関す
る情報共有と支援内容の協議
②学校と不登校サポートネット間
のスタッフ派遣の連絡調整
■7月4日 実行委員会の様子
■9月12日 事務局ミーティング
(7)共働事業の成果(NPO 単独では出来なかったこと)
①不登校支援事業で初めての官民共働の実現
・不登校児童生徒の保護者支援について、NPO と行政
(教育委員会)が同じテーブルで、同じ目的を共有して、
話し合い協力する体制が実現したこと
※行政という信頼感とNPOという親近感とが相まって、これ
までにないサポートセンターが誕生したというイメージが当
事者間で定着しつつあり、問合せ電話や催しへの利用者
や参加者が増え続けている。
■8月29日 ネットワーク連絡協議会
②NPO 団体・民間団体のネットワーク参加が拡大・進展
・現在28団体、行政5部署を加えて33の団体によるネットワークが実現している。
・現在も問合せや参加希望が増え続けている。
・関連団体を加えるとすでに70団体へ不登校よりそいネットの情報が届き、協力が可能になっている。
※小規模なネットワーク団体や中間支援の NPO が参加しているため。
・行政が、事業に公的に関わることにより同じ課題に取組むことで、集まったNPOの孤立感をなくし、
NPO等のエンパワーメントに繋がっている。
3
③事業開始からこれまでの事業実績
別紙参照:「NPOとの共働による不登校児童生徒の
保護者支援事業」 事業実績表
・(事例1)ふくおか不登校フォーラム2013を2日間開催して
800名の参加者があった。講演会4、分科会21と
いう内容で、不登校についていろいろな角度から考
える機会となった。
■6月16日 ふくおか不登校フォーラム(2日目)
・(事例2)「不登校セミナー」では、講演後に「よりそいカフェ」
を開催し、参加者同士や「不登校よりそいネット」の
スタッフと懇談するなど、ほっと和む時間を共有した。
(8)担当者の声・市民の声
①担当者 (実行委員・事務局員)の声
・不登校ほっとラインへかかってくる電話の中には、私たちが
不登校経験のある親だということを御存知で安心してかけ
て来られ、悩みの受容からこれからの連携などについてお
話出来るようになり、利用者の方から感謝の言葉が頂ける
ようになりました。当事者の方のお役に立てたということで、
やり甲斐にもなっています。
・事務局研修など、事務局員をすることで、支援に必要な知
識情報、心がまえなどを学ぶことができ、自分自身の成長
にも結びついています。
・全員の意見を出し合い、話し合って進めているので、自分
の意見も反映させることが出来て満足しています。その分
責任も感じながら関わっています。
■10月5日 不登校セミナー(あいれふ)
参加者との交流会 「よりそいカフェ」
■10月5日 不登校セミナー(あいれふ)
緒方よしみ氏の講演に聞き入る参加者
②市民の声 「ふくおか不登校フォーラム2013」の
参加者アンケートより
・いろんな面でためになるお話で、参加してよかったと思いま
した。来年も是非やってください。楽しみにしています!
・もうすぐ進路を決めなければいけないので、今日のことは色
々と勉強になりました。
このようは機会を設けてくださり 本当にありがたく思います。
・不登校当事者、支援者の皆さんが集うこのような機会は少
なく、しかも総合的な催しは初めてだと思います。色々な情
報や知識が得られてこれからが考えやすくなりました。
・たくさんの分科会が開かれていて、活発に活動されているの
が印象に残りました。一度にいろいろな講座に参加できるの
で、ためになります。今後もフォーラムが継続されるといいと
思いました。
・これだけの支援の体制が出来ていることに驚くと同時に、
この支援の力を借りて、子どもも自分も元気になってい
けばいいんだと思えて気が軽くなりました。
■6月16日 ふくおか不登校フォーラム
多くの参加者でにぎわう受付の様子
■6月16日 ふくおか不登校フォーラム
休憩時間中のバイオリン演奏
4
・体験談が子どもの立場、親の立場、支援者の立場などとあって、それぞれの実際の中からのお
話はこれから子どもと接していく上でとても参考になりました。
③不登校対応教員(中学校)の声
これまで開催していた不登校の保護者の会は、学校側と保護者それぞれの思いが伝わりにく
く、相互の意思疎通が図りにくかった。しかし、不登校よりそいネットに来てもらい開催した
ところ、不登校体験を聞くことなどを通して、保護者の表情が柔らかくなり、学校ともっと連
絡をしあっていく姿勢が見られるようになった。
(9)26年度への展開
①26年度の事業継続の必要性
ア)不登校ほっとラインの認知度アップと利用の推進
昨年度末に、福岡市立の全小中学校に不登校ほっとラインのチラシを配布して、認知度は上
がっては来ているが、まだまだ不十分である。広報や不登校フォーラムなどのイベントを通して
周知を図り、利用者を増やしていきたい。不登校についての経験を持つ、不登校よりそいネット
のスタッフが保護者の方に安心感や信頼感を与え、気持ちが軽くなってもらうことで、保護者の
孤立を防ぎ、親子関係の改善を促進したい。
●受付能力に余裕がある:6000分(月間) →現在の対応時間数 500分(月間)
イ)「ふくおか不登校フォーラム2014」の開催による不登校理解の推進
・今年、初めて開催した「ふくおか不登校フォーラム」について
は参加者からも、実行委員会のメンバーからも来年も開催し
たいという要望が強く出されたので、今回の内容を吟味しな
がら、更に充実したものにして、不登校児童生徒の保護者
支援の大事な柱に育てていきたい。
・この催しは当事者を支援する団体や行政部局とも連携を
深めていく場という意味も持っており、更なる共働の推進
に繋げていく必要を感じている。より広範なネットワーク化
を実現していければと思っている。
・このフォーラムと並行して各区で開催される不登校関連の
催しとも連動して、6月を「不登校支援に関する取組を強化
する月間」として定着を図っていきたい。
ふくおか不登校フォーラム チラシ
ウ)学校との連携の更なる強化
現在、学校指導課と連携しながら、学校で開催されている「不登校保護者の会」の開催協力を
始めている。(これまで、3中学校で実施)今後、不登校対応教員配置校を中心により多くの学校
に拡げ、不登校児童生徒の保護者と教師との関係づくりに側面からのアドバイスを行い、学校と
当事者との前向きな関係づくりに貢献していきたい。
②「共働」で事業を継続する必要性
●官民が協力して事業を行うことが前提の事業
この事業への信頼感や安定感には行政の力が必要であり、親近感や安心感にはNPOの存在
が必要である。この両者がうまく機能することでこの事業が成り立っている。委託事業や補助事
業として進めていく可能性もあるが、「不登校よりそいネット」(不登校児童生徒の保護者支援)
の利用の定着化、認知度のアップが現段階では、もっとも必要であるので、当面はこの共働事
業というスタイルが最も適している。
5
③26年度の事業計画
基本的には現在の4本の柱による事業を継続し、内容を充実させる
事業1 不登校ほっとライン事業
・広報・PRの強化(認知度のアップ)
・受付対応能力の強化(スタッフ研修の充実)
・行政の相談窓口や関連部署、団体との連携強化
事業2 不登校理解のための啓発・研修事業
・「ふくおか不登校フォーラム2014」の6月開催による不登校理解の促進
・「不登校の悩み語り合いませんか」の開催の継続
・ネットワーク団体の啓発・研修活動との連携
・支援者の学習機会の拡大
事業3 ネットワーク事業の充実
・支援者間の情報交換及び共有化の推進
・支援団体間の協力関係の促進
事業4 学校との連携
・学校指導課と連携しながら、「不登校保護者の会」の開催協力の推進。
※これらの事業実施にあたっては、不登校傾向(長期欠席、登校しぶりなど)の子どもを持つ
保護者への働きかけにも意を用いる。
以上、現在の事業進捗状況の中間報告です。
【添付資料】
別紙①:平成25年度不登校よりそいネット事業計画及び進捗表
別紙②:平成25年度不登校よりそいネット事業 事業実績表
別紙③:不登校の悩み語り合いませんか案内チラシ
別紙④:不登校ほっとライン案内チラシ
別紙⑤:不登校フォーラム新聞記事
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