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◆実施概要 1.実施の目的 最近は料理好き、甘い物好き、など女子に見られていた特徴が、男子にも見られる最近の特徴として取り上げられ、以前と 比べて「男子の女子化」という流れが見られるようになってきた。 その中で、毎日、「お弁当を作る」という男子が増加してきた傾向が見られている。 当調査は、その「弁当男子」を対象に、その人物像、生活背景と思考、今後の消費動向などを理解することを目的とした。 2.実施方法 グループインタビュー 2グループの実施 3.調査対象者 ◆ 毎日自分、または家族のためにお弁当を作っている ◆ 20代~30代の男性 ◆ 未既婚不問 以上の条件を備えた男性 6名 4.実施場所 表参道 グルインルーム SEED P.1 2011年3月 弁当男子に関する調査 ◆調査結果総括 男女意識の性差が限りなく「0」に近くなっていく時代。 『弁当男子』は、「釣りガール」「山ガール」とイメージは似ている。 今まで、女性・主婦領域だった「お弁当づくり」が、男子のココロを捉えた。 考えてみれば、「男だから」「女だから」という役割分担意識は、何故必要なのだろう?それを実践することで、 効果があったり、効率的だったり、楽しかったりすれば、それでいいじゃないかという柔軟な発想と価値感が、彼 らの中にある。 もともと「料理」への嗜好性が高く、興味関心の高い男子たちが、「節約」と「自身の健康づくりの見直し」をきっ かけに、日常の食事と同様にお弁当づくりを始め、それが自然に生活の中に入って行ったと考えられる。 <弁当男子 その人間像> 20代前半 大学生の頃から お弁当を作っている 料理を始め、何で もできる“器用な オトコ”はかっこい い 30代半ば 時々子供のお弁当も一緒に作る 今も、これからも、肥満は絶対避けたい。お 腹が出てる男はみっともない。いつまでも体 型はかっこよくいたい。 友達や先輩と昼に行くと、ラーメンとかマッ クばっかり。たまにはいいけど、脂っこいし、 身体に良くないし、まずいことが多い。 自分で作れば野菜を入れて栄養を考え られるし、カロリーを抑えて味も自分好み に美味しく作れる 料理を作れる女性に越したことはないけど、 彼女に多くは期待しない 昼の外食には、余計なお金がかかります。その 分貯めればもっとイイ家に住める! 上司との昼食は気ばっか使って、リラックスでき ない。お弁当持ってきてるおばちゃん達と会議 室でワイワイ食べたほうが温かくて楽しい!おか ずの情報交換もできるし。 夜遅くまで飲み歩いてつまらないお金を使うより、 早く家に帰って、息子と遊びたい 彼らにとってのサクセスストーリーは「家族を持ち、愛し大切にして、より人間らしく生きる幸せ」の実践。「出 世」や「仕事での自己実現」よりも大切にしたいのは「家族」「堅実な生活」。若年男性にとっての理想の人間像 は、「多趣味」「器用」「優しい」など、明らかにキャラクターが変わってきている。 2011年3月 弁当男子に関する調査 ◆調査結果総括 お弁当作りに当たってのこだわりは、「きちんと丁寧に作る」こと。 弁当男子が作るお弁当はほとんどが“自分のため”。だから主婦のように、「家族に 作る」といった義務感がないため、冷凍食品や手抜き商品は使わない。 食べるのは自分だから、自分のためには、とことん「手作りにこだわる」。 イメージ は「プラモデル」を作る意識に似ているかもしれない。一つずつ作り上げて、しかも短 時間で手際よく、キレイに美味しそうに仕上げられた達成感が、満足につながる。 1から作ることで、調理の仕方を覚え、自分のレパートリーが増えることに楽しみをも 感じている。 対象者の半数は、最も楽しみなのが「食べる時」と応えているように、手をかけて美 味しいものを作ったという自信が生まれ、それが毎日作る原動力となる。 継続して作っている結果、「貯金が増えた」「生活の金銭的余裕ができた」「痩せた」 という実感があり、お弁当づくりの効果が出ている状況も価値につながる。 主婦と比べると、冷凍食品等への印象は若干保守的なイメージを受ける。一昔前の 主婦のように「冷凍食品は美味しくない」という声が聞かれるが、使っていない経験や 理解不足が大きい。 内食化と節約志向から生まれた、“ていねいに、賢く暮らす”という価値観と生き方は 女性だけでなく、確実に、男性にも広がっている。 2011年3月 弁当男子に関する調査