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題 目 第 2 世代携帯電話サービス終了に伴う ペースメーカ等の電波干渉
平成 24 年度 (要約) 第 2 世代携帯電話サービス終了に伴う 題 目 氏 名 卒業研究 ペースメーカ等の電波干渉指針見直しの必要性研究 服部 梨乃 (学籍番号 090781101) 1.研究目的 不要電波問題対策協議会(現在の電波環境協 議会)は、1997 年に携帯電話の電波によるペー スメーカ埋込患者への悪影響を「医用電気機器 への電波の影響を防止するための携帯電話端末 等の使用に関する指針」にまとめた。それ以降、 「ペースメーカから携帯電話を 22cm 離す」と いう指針が引き継がれている1)。 総務省では 2003 年度に策定した「周波数の再 編アクションプラン」に基づき、各通信事業者 の第 2 世代移動通信システム(PDC)から第 3 世代移動通信システム(W-CDMA、CDMA 2000) への 800MHz 帯の再編が決まり 2012 年 7 月 24 日で完了した2)。 本研究は、このような「周波数再編アクショ ンプラン」の実施により、各通信事業者におけ る第 2 世代携帯電話サービスの終了時期を確認 するとともに、第 3 世代以降の携帯電話の発信 出力との比較から、電波干渉指針 22cm 見直し とともに、それによる社会影響を検討した。 2.方法 NTT ドコモ(株) 、ソフトバンクモバイル(株) 、 KDDI(株) 、イー・アクセス(株)の 4 社の各 通信事業者が過去 10 年間に販売している携帯 電話の発信方式・出力・出荷年度機種数と加入 世帯数を各通信事業者の Web サイトから検索し た。また、総務省が 2001 年度以降におこなった 「電波の医用機器等への影響に関する調査研究」 の調査データから、最大干渉距離・影響があっ た機種数を調べた。さらに、総務省や社団法人 電気通信事業者協会が提供する Web サイトから 「携帯電話の契約数の推移」も参考にした。 3.結果 携帯電話の出荷状況の確認、最大干渉距離等の 調査から、以下のことがわかった。 1)第 3 世代携帯電話が主流になったことで第 2 世代携帯電話の契約数は減少し、通信サービス も 2012 年 7 月で終了した。 2)周波数再編アクションプランに基づき、各通 信事業者が第 3 世代移動通信方式を使用して いくことから発信出力は 0.8W~0.2~0.25W になることから 1/3~1/4 に減少する 指導教員 酒井 順哉 3)総務省の電波の医用機器等への影響に関す る調査において、2006 年以降の調査では 3cm ~1cm 未満という結果にとどまっている。 4.考察 第2世代通信サービスが完全に終了した 2012 年 7 月 24 日時点において、各通信事業 者の第 2 世代携帯電話の利用がなくなったた め、総務省の電波干渉指針 22cm は意味のな さないことになる。また、各通信事業者の携 帯電話加入契約数、通信方式別携帯電話販売 機種数、総務省における電波の医用機器等へ の影響に関する調査結果から、現在の電波干 渉指針 22cm は見直しが必要と考えられる。 さらに、総務省による実験の調査結果から、 2005 年以降から影響が出た距離は最も遠い 距離で 8cm、最も近い距離で 1cm 未満となっ ているので現在の 22cm ではなく 8cm でも十 分と考えられる。 5.まとめ 第 2 世代移動通信方式の終了時期の確認、各 通信事業者における携帯電話加入契約数の確認、 総務省での「医用電気機器等への電波の影響に 関する調査報告書」から最大干渉距離の確認に より、現在の電波干渉指針による最大干渉距離 22cm は距離の緩和見直しが必要であり、次のよ うな効果が期待できると考える。 電車内優先席、優先席付近での医療機器等へ の注意アナウンスや注意書きの廃止により、電 車内での口論の解消や、通話・イヤホン無しで の音楽鑑賞等以外のメールの送受信やインター ネット閲覧など限定利用の自由度が広がると考 えられる。また、病院等では、入院中の患者さ んに携帯電話の利用が可能となると、家族や仕 事など外部との連絡が容易になり、安心感が得 られるなど患者サービスに役立つと考えられる。 【参考文献】 1)不要電波問題対策協議会(1997) :「医用電 気機器への電波の影響を防止するための携帯 電話端末等の仕様に関する指針」 2)総務省(2011) :「周波数再編アクションプ ラン」http://www.tele.soumu.go.jp/j/adm/freq /search/saihen/index.htm