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2004年2月:雑貨(拡大する大人用紙おむつ市場)
平成 16 年(2004 年)2 月 【雑貨】拡大する大人用紙おむつ市場 大人用紙おむつ市場が拡大している。大 業体制を敷くことがポイントとなるため、 人用紙おむつとは、主に介護を必要とする 今のところ中小メーカーでも、地域毎に棲 高齢者等が利用する紙おむつのことで、わ み分ける形で相応のシェアを確保している。 が 国 メ ー カ ー の 総 出 荷 額 は 、 95 年 度 以 降 、 しかし、「市販用」での優勝劣敗の構図が 年率 10%のピッチで拡大、2003 年度には 明らかになるなかで、今後は、メーカー各 920 億円に達した模様である(図)。 社が今のところ競合が穏やかな「業務用」 こうした背景に、高齢化の進展があるこ の拡販に注力していくものとみられる。つ とは論をまたない。わが国の 65 歳以上の れて「業務用」の市場でも、いよいよ地域 人口は、95 年以降、年率 3.8%のピッチで を越えた顧客獲得競争が本格化してくる公 増加しており、つれて紙おむつを利用する 算が大きい。実際、足許では、病院や介護 高齢者も増えている。さらに、メーカー各 施設が自らの利用方法に合わせた製品仕 社がユーザーニーズを捉えた商品を開発し、 様・形状の変更や、納入価格の引き下げを 需要を掘り起こしたことも大きい。大人用 求める傾向を強めている。メーカー各社に 紙おむつは、紙おむつを穿くことに対する は、営業力の有無はもとより、ユーザーニ 抵抗感の強さから、幼児用に比べて普及が ーズに的確に応えられる商品開発力や、価 遅れていたが、近年、メーカー各社が、パ 格競争に耐えられる効率的な生産体制が従 ンツ型や薄型など機能面で工夫を凝らした 来以上に求められることになろう。 新商品を矢継ぎ早に商品化したところ、普 及に弾みがついたわけだ。 今後もこうした状況に変わりはなく、大 着実な成長が期待される大人用紙おむつ 市場であるが、業者間競合が本格化するな かで、参入メーカー各社は、真の実力を問 人用紙おむつ市場は堅調に拡大しよう。た われることになりそうだ。 だ、すべての参入メーカーが市場拡大の恩 (1.30 恵を享受できるわけではなさそうだ。大人 用紙おむつは、小売店向けの「市販用」と 病院や介護施設向けの「業務用」に大別さ れる。このうち、「市販用」では、消費者 が商品を購入する際に知名度を重視する傾 向が強く、足許では、知名度で優る大手業 者へのシェア集中が早くも進んでいる。一 方、「業務用」に関しては、知名度の高さ もさることながら、病院や介護施設との取 引ルートを 1 件ずつ開拓し、きめ細かい営 矢田部 充康) 図:大人用紙おむつ市場の推移 (億円) 1,400 (%) 20 15 1,200 10 前年比伸び率(右目盛) 5 1,000 0 ▲5 800 ▲ 10 600 ▲ 15 ▲ 20 400 ▲ 25 市場規模(左目盛) ▲ 30 200 ▲ 35 0 ▲ 40 (年) 95 96 97 98 99 00 01 02 03 (予想) (資料)業界誌、ヒアリングをもとに当室作成