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民 法 総 則 ①

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民 法 総 則 ①
科目コード
2 0 0 2
科 目 名
民 法 総 則 ①
学習目標
民法は、私たちの身近に発生する売買・貸借などの取引や交通事故の際の損害賠償請求という経済
的生活関係と婚姻・離婚・相続などの家族的生活関係を規律している。前者は財産法(物権法・債権
法)、後者は家族法(親族法・相続法)と呼ばれている。民法総則は、もっぱら、財産法の通則を定め
ているが、民法学習の出発点としてしっかりと学ぶ必要のある科目といえよう。
学習上の留意点
民法総則の内容は、幅広く複雑に関連し、しかも、高度で抽象的な概念と論理性を備えているので、
初学者にとっては、理解することが難しく感じられるかもしれない。この困難性を少しでも緩和し、民
法への興味を深めるためには、民法全般にわたって分かりやすく解説した入門書を読むことも一方法で
ある。また、ある程度学習が進んだ段階で、判例教材などを利用して、具体的な事件において民法がど
のように解釈され適用されるのかを検討することも有意義である。もちろん、基本用語や基本的な制度
を一つ一つ正確に理解することが前提になることを忘れてはならない。
科目終末試験の対策
各試験問題について、意義・要件・効果などをノートに整理するようにしてください。
成績評価方法等
レポートおよび科目終末試験の合格
メッセージ
答案作成に際しては、まず答案構成をし、次に誤字に注意し、丁寧に正確に記述することを心がけて
ください。
科目コード
2 0 0 4
科 目 名
憲 法
概 要
憲法とは、国家の基礎法を意味する。国家の根本的、基礎的、基本的な事項を定めている憲法は、国
家の根本法、基礎法または基本法ともいわれる。即ち、国法の一形式として最高の形式的効力をもつ最
高規範としての憲法は、その規範内容において、国法体系上もっとも根源的な地位を占める法である。
また、憲法規範による授権は、他の国家行為の内容を規律し、それに方向を与え、その限界を画する。
即ち、憲法は、国家権力を制限し、個人の自由を確保するものとして位置づけられ、制限規範としての
憲法の機能が重視される。一方、今世紀に入り、国家の使命は、国民に人間らしい生活の保障をするこ
とであるとする社会国家・福祉国家理念が登場し、国家の権力による国民の経済的・文化的生活への介
入が要求されるようになる。はたして、国家権力が自由権の領域に立ち入り、これを規律することは可
能であろうか。
日本国憲法は、ポツダム宣言の要求に応えるものとして制定されたことからもわかるとおり、何より、
民主主義をその指導原理とする。即ち、内においては民主政治を確立し、外にむかっては平和国家を建
設することが、その根本の狙いである。かような根本的指導原理を実現するために、日本国憲法が採用
した基本原理としては、個人の尊厳(基本的人権の保障)
、国民主権、平和国家(戦争の放棄)をあげ
ることができる。
以上各種の事項を考察し、国家において、誰が、いかなる範囲の人と領域とに対して、いかなる方法
で統治することができるか、また、国民は、いかなる地位で、どのように行動することができるかにつ
いて学ぶことから、21 世紀に生きる人間としての行動の規範を探ってみることも意義あることであろ
う。
学習目標
テキストでは、日本国憲法の全体について通説・判例に則した理解ができるように配慮している。さ
らに、それらの問題点についても、執筆者の率直な見解を披露した部分もある。すなわち、このテキス
トは、日本国憲法についての一般的な理解とそこに含まれる問題点を同時に知ることができるように
なっているので、テキストを学習の中心に据えて理解することを 最優先に取り組んでもらいたい。
学習上の留意点
テキストの全体を通読することが望ましいが、厳しい時間的制約の中で学習時間を捻出している通信
教育部の学生にとっては、酷な要望かもしれない。そこで、まずレポートの設題及び科目終末試験の問
題として出題されている部分をテキストの中に探り、そこから読んでみることが学習上効率的であり、
かつ理解も深まりやすいものと思う。その際、条文が出てくるときは六法で条文を確認することを怠ら
ないようにしてもらいたい。
科目終末試験の対策
答案を採点していて感じる点は、まともにテキストすら読むことなく受験している学生が多数いると
いうことである。この傾向はここ数年著しい。あらかじめ、試験問題が示されているのであるから、テ
キストを読んで解答を準備することがどうしてできないのであろうか。毎回半数程度の答案が不合格と
なっているが、これは採点者ではなく、受験者に問題があるといわざるを得ない。各問題に対し 1000
〔次ページに続く〕 字程度で解答を記述できるように準備してもらいたい。
また、この憲法は法律学の科目としてあることを忘れないようにしてもらいたい。憲法の条文や判例
を無視して、自分の思想や政治論をいくら展開しても合格点にはならない。拙くても、条文をふまえな
がら書かれた答案にすることが合格への第一歩である。
成績評価方法等
レポートおよび科目終末試験の合格
(レポートについて)
ときに全く同一の記述内容のものが見受けられるが、これは「再提出」
。それから、全く段落分けも
なく、何枚にもわたって参考文献を書き写したものも同様である。では、どのように書けばよいのか。
⑴ 自分で苦労して書いたものであること。
明らかに集団で指導を受けて書かれたと思われるものがある。それもときに必要ではあろうが、
自分なりに消化しないまま書いたのでは、他人のレポートの丸写しとどれほどの違いがあるとい
うのか。しかも、それがテキストを全く無視した内容のものであるなら、近畿大学通信教育部に学
ぶ意義が疑われる。
⑵ 原稿用紙の使い方がきちんとしていること。
たとえば、段落のはじめは1マスあけること、句読点や「 」は1マス使うこと。小学校で習っ
たことである。小論文の書き方について書かれた本はいくらでもある。是非、1冊は手元に置いて
折に触れ参照してもらいたい。
⑶ 法律学のレポートになっていること。
条文の引用が必要な内容であるのに条文の引用がなかったり、また条文にふれているにもかかわ
らず憲法何条と明記されていない答案が見られる。これでは法律学の答案として失格である。条文
の引用と何条であるかの明記を忘れないように。
⑷ テキストがあっての参考文献であること。
テキストを無視して、別の参考文献のみに依拠して書かれたレポートがある。憲法にはいろんな
学説があり、学者によって考え方の違いが大きい。当然テキストの考え方とは異なる学説の参考文
献もある。しかし、先にもふれたように近畿大学通信教育部で学ぶ以上は、まずテキストの考え方
をふまえて、反対説に言及するという姿勢が必要ではないだろうか。採点者は、反対説にはきわめ
て寛容ではあるが、はなからテキストを無視したものに対してまで寛容であり続けることはできな
いかもしれない。
(科目終末試験について)
ほんの数行で解答になるはずもないのだが、そんな答案が多数ある。また、設問の趣旨に答えず、
勝手な持論を展開したものも少なからずある。これは言うまでもなく不可。次の点を心がけて、答案
を書くこと。難しいことではないはずである。
⑴ テキストで勉強し、設問に答えること。
設問に対する解答が、テキストに沿って勉強したと分かるように科目終末試験答案用紙に 15 行
程度で書かれていれば、最低 60 点は間違いない。80 点以上の評価を得ようとするなら、答案用紙
の表側が埋まる程度の記述量で、テキストの内容を十分に理解していることが採点者に分かるよう、
きちんとした構成の答案を書くことである。
〔次ページに続く〕 ⑵ 法律学としての憲法の答案を書くこと。
科目終末試験対策でもふれたように、憲法という法律学の答案になっていないものはすべて不可。
各人の思想信条と関係なく、憲法の条文・判例をきちんと押さえながら論理的な答案を構成するこ
と。条文にふれた部分は条文を、例えば(憲法9条1項)
、というように明記し、有名な判例につ
いてはその事件名を書くこと。こうした基本を忠実に守ってもらいたい。いくら「平和憲法」のす
ばらしさを書き連ねても答案にはならない。学問と政治は違う。
以上、2点を満たすだけで不可をとることはない。テキスト中心に法律学としての憲法学を学習し、
科目終末試験問題の設問についての簡単なまとめを自分でつくって試験に臨むこと。これに尽きる。
科目コード
2 0 0 6
科 目 名
商 法 (総 則 ・ 商 行 為 法 )
学習目標
商法はむずかしい科目といわれますが、私たちの日常生活の中をみて下さい。
「店で買物をする」
「バ
スや電車に乗る」「レストランで食事をする」
・・・。全て、相手側は商人です。そうすると、私たちの
生活と商人が活動するに際し必要な商法がそこにあります。この科目は商法全体の基礎となることを学
習します。
学習上の留意点
商法は、現実の経済活動をしている主体(商人)を対象とするので、生きた法律です。ですから、条
文の解釈だけでなく、多くの事例(判例)も一緒に学習して下さい。
科目終末試験の対策
テキスト通りの文章を暗記しておくのではなく、理解して下さい。そのためには、それぞれの問題の
論点をみつけること。
成績評価方法等
レポートおよび科目終末試験の合格
メッセージ
課題の論点(ポイント)を必ず示すこと。出題者は何を求めているかを考えて学習する。
「なぜ」と
いう文言を頭の中に入れて学習する態度を忘れずに。
科目コード
2 0 0 8
科 目 名
刑 法 総 論
学習目標
刑法は、犯罪と刑罰に関する法であり、現行の刑法典は、総則(第 1 編)と各則(第 2 編・
「罪」
)と
にわけられる。総則では、犯罪の成立・不成立の一般的要件や刑罰に関する一般的事項が規定され、各
則では、個々の犯罪類型と、それに対する刑罰が規定されている。この総則を対象とする刑法学が刑法
総論で、各則を対象とするのが刑法各論である。ところで、諸々の犯罪は、毎日、新聞やテレビなどで
報道され、また、サスペンスドラマの中心となっている。かようなことから、法学部の学生諸君は、最
初は、刑法学に興味を持つようである。しかし、刑法は、人間が一番執着する生命(死刑)や身体の自
由(懲役など)あるいは財産(罰金など)を犯人から強制的に奪うことを規定した法律であるから、そ
れを対象とする刑法学は、公平ないし正義を旨とし、一点の曇りも許されず、そこでは、緻密な論理構
成が要求されることになる。このことは、重箱の隅を楊子でほじくっているような印象を人々に与える。
また、わが国の刑法学は、ドイツ刑法学の影響が強く、ドイツ語を直訳したような難解な用語がたくさ
ん出てくる。学生諸君も、これらのことに嫌気がさし、けっきょく、
「刑法離れ」が生ずることになる。
これは、刑法学の将来にとって由々しいことである。そこで、最近では、わかりやすく書いた刑法学の
教科書が多数出版されている。本通信教育部の刑法総論の教科書も、学生諸君に理解してもらえるよう
にとの意図で書かれたが、それでも、難解な点があるかもしれない。そのような時は、中山研一編『刑
事法小辞典(第2版)』(成文堂)で補っていただきたい。最後に、レポート作成の際に注意すべき点に
ついて、若干、ふれておこう。①レポート設題集の刑法総論のところで出ている各問は、いずれも「・
・
・
正しい文章に書き改めよ」であるから、訂正ないし修正は必要最小限とし、できるだけ各問の文章にし
たがって解答されたい(自分で勝手に文章を作らないこと)
。②文章の表現は正確にすること。たとえ
ば「A、B、Cなど」と表現すると、ABC以外に、DやEもあることが前提とされていることになる。
③「・・・である」とか「・・・となる」といった普通の文章の表現でもよいし、
「・・・です」とか「・・・
であります」といった口述体の表現でもよいが、いずれかに統一されたい。前者の表現方法を使いなが
ら、途中で後者の表現方法に変えているようなレポートが多いが、場合によっては、減点することにし
ている。④特に専門用語の誤字については、かなり減点するので注意されたい。
科目終末試験の対策
教科書を何度も精読し、全体を理解したあとで、自分なりに模範解答を作り、誤りがないか(特に論
理的な矛盾はないか)を確認し、記憶したうえで、試験に臨まれたい。
成績評価方法等
レポートおよび科目終末試験の合格
メッセージ
レポートも終末試験も、教科書を一応理解していると判断できれば、合格とすることにしている。何
度も、教科書を精読し、理解するように努力されることを切に期待している。
科目コード
2 0 1 0
科 目 名
行 政 法 総 論
学習目標
現代行政の対象とする領域は警察、租税、産業、土地、道路・河川等の管理、都市整備、資源エネル
ギー、交通、福祉、医療、教育、環境など拡大する一方であり、それ故に今日ではこのような拡がりを
みせる行政に対応すべく膨大な量の法が制定されている。また、近年においても、行政手続法、行政機
関情報公開法等きわめて重要な意義を有する法律が制定されるなど、今なお行政法は進化しつづけてい
る。行政法総論は、公益を目的とするこれら多種多様な行政法に共通する法理論を体系化したものであ
る。行政法総論を学ぶことにより、社会生活にも密接に関わりをもつ行政法の全体像を把握してもらう
ことを最終目標としたい。
学習上の留意点
行政法総論では、膨大かつ多種多様な行政法を理論体系化するために、行政組織法・行政作用法・行
政救済法の三領域に区分するのが一般的である。とりわけ、行政作用法の領域では、行政活動を行政行
為・行政契約・行政指導・行政立法・行政計画・行政上の強制執行・行政罰・即時強制・行政調査等に
分類してその法的性質を論じることが中心となる。行政作用法を学ぶにあたっては、それぞれの行政活
動の意義・効力等を比較しながら理解することが重要である。また、行政救済法の領域では、行政活動
により不利益を受けた国民を救済するためにどのような法システムが構築されているのかを、行政不服
審査法、行政事件訴訟法、国家賠償法等の条文を解釈しながら学んでもらいたい。さらに、従来はあま
り論じられてこなかった行政組織法の領域も、近時その重要性が再認識されてきているので、行政主体・
行政機関等の概念を中心に学習し、内閣法、国家行政組織法、地方自治法等も参照しておくことが望ま
れる。
科目終末試験の対策
科目終末試験は、すべて論述形式で出題する。出題の意図を十分に汲み取り、関連する論点をすべて
洗い出したうえで、答案を作成するようにしてほしい。その際には、全体の構成、すなわち起承転結も
あらかじめ考えておくことが求められる。冗長な答案や段落のない答案は減点対象となるので注意する
ように。また、個々の論点については、学説・判例をどれだけ理解しているのかを重点的にみることに
する。
成績評価方法
レポートおよび科目終末試験の合格
メッセージ
行政法は、日々刻々と変化する行政需要に応じて激しく変化している法分野である。テキストを精読
するのは当然であるが、それだけで終わることなく、参考書や判例集(民集・刑集・判例時報・判例タ
イムズ)・法律雑誌(ジュリスト・法律時報・法学教室・法学セミナー等)・マスメディア(新聞・テ
レビ・インターネット等)を多角的に利用して学習することが望まれる。
科目コード
2 0 1 2
科 目 名
物 権 法 ①
学習目標
この科目では、物権法および担保物権法の基礎を学習する。一般に物権法というと、技術的な問題ば
かりを取り扱う分野としての印象が強いかもしれない。しかし、実はそうではない。ある財産が私たち
の中のだれのものであるか(所有権)はどのようにして決まるのか、また、ある人のものであるという
ことは、何を意味するのか。このようなことを学ぶのが物権法である。
ところで、物権法は大きく三つの部分に分けることができる。すなわち、物権の変動を中心とする総
論の部分、所有権を中心とする部分、それに抵当権を中心とする担保物権の部分である。担保物権は経
済や産業界の金融政策の実務を担当する場合には欠かすことのできない知識である。この方面の基礎的
知識を十分に習得してほしい。物権法は各種国家試験には多く出題される重要な分野でもある。将来国
家試験を目指そうと考えている人は一人でも多く学習するようにしてほしい。
学習上の留意点
この科目を学習するにあたっては、まず、同じ財産法の債権との異同を理解することである。物権は
人の物に対する権利であり、債権は人の人に対する権利である。そのことから学習を始めてほしい。そ
して、これから物権を学ぶうえで必要となる基礎的な知識をしっかりと身につけることである。すなわ
ち、物権とはどのような権利であり。またどのような性質を備えているかを理解した後、物権の種類と
物権が成立する対象について考察してもらいたい。なお、動産の物権変動、とくに即時取得についても
考察を深めてほしい。さらに、担保物権の分野では、質権や抵当権の意義・性質およびいろいろな効力
についてその基礎を十分に理解してほしいものである。
科目終末試験の対策
科目終末試験を受験するにあたっては、通信授業用テキスト「物権法①」を熟読玩味し、物権法や担
保物権法の基礎的知識を理解し、身につけることである。そのうえで、20 問すべてを自分なりに整理
しておくとよい。その際、教科書に書かれていることをそのまま、まる覚えして書くのではなく、学習
した内容を自分の言葉で表現し整理しておくことである。また具体的事例問題については、まず、その
問題には、物権法上どのような論点があるかを考え、それについての判例や学説はどうなっているか、
その状況を押さえておくことも必要であろう。
成績評価方法等
レポートおよび科目終末試験の合格
メッセージ
科目終末試験やレポートの採点基準としては、①全体として論文構成がきちんとできているか、②出
題で問われている問題を解答するうえで欠かせない事柄・用語、そしてポイントとなるところを的確に
押さえているか、③問題に対する解答として、自分なりの考えをも交えながら自分の言葉で必要な事項
を無駄なくまとめているか、④誤字や脱字はないか、などが重要な基準となるであろう。
科目コード
2 0 1 4
科 目 名
債 権 法 総 論 ①
学習目標
債権は、特定の人が特定の人に対して特定の行為を請求しうる権利である。物権と異なり、債権には
排他性がなく第三者に対する影響が少ないので、債権法は、多くの任意法規を含み、当事者の意思を尊
重する法体系となっている。債権法総論は、債権一般に共通する規定を対象とするが、その内容は、債
権の目的、債権の効力、多数当事者の債権及び債務、債権の譲渡、債権の消滅である。
学習上の留意点
債権法総論は、債権の一般理論を学習することを内容とした科目であるから、すぐれて理論的、抽象
的である。したがって、教科書を精読したうえで、多くの参考書や判例教材にあたると理解を深めるこ
とができる。なお、教科書を読む際には、六法を常に参照するとともに、制度の趣旨、判例・学説の対
立点、諸見解の根拠づけを理解し、覚えることが大切である。
科目終末試験の対策
各試験問題について、意義・要件・効果などをノートに整理するようにしてください。
成績評価方法等
レポートおよび科目終末試験の合格
メッセージ
答案作成に際しては、まず答案構成をし、次に誤字に注意し、丁寧に正確に記述することを心がけて
ください。
科目コード
2 0 1 6
科 目 名
民 事 訴 訟 法
学習目標
社会において、
“私人”間で利益をめぐる争いが生じることは避けがたい。たとえば、
「AはBに対し
て 100 万円の貸金の返還を求めることができるか」、
「CはDに対して甲土地の所有権が自分にあること
の確認を求めることができるか」、あるいは「CはDと離婚することができるか」などの争いが容易に
思いつきます。こうした争いに対して、それが“私人”間の利益をめぐる争いであるから、もっぱら私
的自治に委ね、国家は一切関与しないとすることができるでしょうか。もし国家がこのような態度を取
るならば、強者が勝ち弱者が負けるという「力が正義」を是認することになってしまいます。そこで、
国家は、私人による自力救済を禁止する一方、その代わりに裁判所を設営し、法を適用した結果として
の「裁判」によって、“私人”間の紛争を解決することにしたのです。
「民事訴訟法」では、
“私人”間の紛争が裁判所によってどのように解決されるのか、また解決される
べきかを学びます。
学習上の留意点
開始から終結に至るまでの訴訟手続の「大枠」を、まず正確に理解することが重要です。その際、そ
うした手続がなされる理由を常に考えることが要求されます。たとえば、民事訴訟においては、なぜ
「弁論主義」が採用されているのか、なぜ確定判決には「既判力」が生じるのか、といったことを考え
ながら学習してください。こうした「理由」を自ら問うことによって、
「眠素法」とも揶揄され、無味
乾燥な学問に思われがちな民事訴訟法も、実は極めて興味深く、わくわくさせられる学問であることに
気づくでしょう。
科目終末試験の対策
教科書を丸写しまたは要約すれば合格するといった問題は、ほとんど出題されていません。教科書を
勉強するに際しては、教科書に書かれている制度や手続を単に覚えることに終始するのではなく、その
ような制度の存在理由や、そのような手続がなされる理由を考えながら熟読してください。勉強の重点
がこうした理由付けに置かれるべきことから、細かい知識を問う問題は出題されていません。
成績評価方法等
レポートは、民事訴訟法の最も重要な制度の一つである既判力について十分理解しているかを試すと
ともに、民事訴訟法の勉強の仕方が身についているかを確認するものです。
科目終末問題は、基礎的な知識の正確さ、制度趣旨などの理解、さらには対立する利益の調整の適切
性に、その評価の重点を置いています。
科目コード
2 0 1 7
科 目 名
会 社 法
学習目標
今日の経済活動を担っているのが会社、とりわけ株式会社です。この科目は会社法をもとに、設立か
ら解散までの間に発生する法律問題を学習します。株式会社以外にも、合名会社、合資会社および合同
会社についても学習します。これらの会社が現実の経済社会でどのように活動しているか、法的側面か
ら検討します。
学習上の留意点
試験の課題の部分だけを学習するのではなく、まずテキスト全体を理解すること。そして、会社法全
体の理解のもとで個別の課題に取り組んでください。個々の問題が全体の中で、どのように位置づけら
れているかが理解できれば、暗記するだけでなく、おのずと理解できるはずです。
専門用語については、必ず、辞典(事典)を用いること。
科目終末試験の対策
課題では何を求められているかを考えてください。必ず、求めているポイントはいくつかあるはずで
す。そのポイントを指摘しなければ採点の対象となりません。
成績評価方法等
レポートおよび科目終末試験の合格
メッセージ
まず、会社法の全体像を理解すること。繰り返してテキストを読み、同時に、会社法の条文にあたる
ことです。
つぎに、課題を作成するにあたって、全体から検討すること。課題の部分だけから解答するのではな
く、全体から課題をみる必要があります。
さらに、会社法は“生きた法(法律)”と言われ、単に条文の解釈だけでなく、現実に生じている事
件や事例を学ぶ必要があります。多くの事例にあたって、会社法の実務における意義を学んでくださ
い。新聞等で取り上げられている実務での問題にも興味を持ってください。
最後に、自分の考えでレポートや課題を作成すること。テキストや参考書を丸暗記するのではなく、
十分に理解して、自己の表現を大切にする心構えを忘れないようにしてください。
科目コード
2 0 2 0
科 目 名
刑 事 訴 訟 法 ①
学習目標
訴訟主体および訴訟関係者・機関、捜査、公訴提起、公判、証拠法等の刑事手続に関する解釈(判例、
学説)について考察検討しつつ、法的思考を養い、刑事訴訟法に関する問題探求能力および問題解決能
力、総じて法的思考力を培うのを目的とします。
学習上の留意点
刑事訴訟法には、法秩序の維持(実体的真実主義−刑事訴訟の目的原理は犯人を捕縛し処罰すること)
と市民(被疑者、被告人)の人権保障(適正手続主義−基本的人権の保障をまっとうしつつ真実を探求
すること)との対抗・緊張関係があります。
これから、裁判員制度も運用されることになります。憲法および刑事訴訟法の精神を十分踏まえて、
この対抗・緊張関係についてどのように具体的に法適用をするべきかを考えてほしい。
科目終末試験の対策
テキストを精読し、関係法規は六法で確認し、法解釈をよく考えてください。そして、テキストの随
所に 76 題の問題を設定していますから、それを解いて理解を深めてください。
科目終末試験問題は、テキスト中の問題から出題しています。
成績評価方法等
レポートおよび科目終末試験の合格
テキストと関係法規の理解度です。
それが解答文によく現れていることが実質的基準です。具体的には、起承転結の要領(問題のありか−
問題に関する学説・判例の解決方法−関連する問題に対する考え方−問題に関する結論とその理由づ
け)で解答できているかです。
6割以上が合格となります。ただし、専門用語に誤字があまりに多い場合は、内容にかかわらず不合
格になります。
メッセージ
テキストを読解し、関係法規の解釈を考察検討することにつきます。問題をテキストと六法を見つつ、
実際に解答してみることも大切でしょう。
また、たとえば、犯罪報道、刑事裁判報道があれば、テキストおよび六法でどのような問題かを考え
ることがテキストと関係法規の理解を深め、刑事訴訟法に関する問題意識を高めることになると思いま
す。
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