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甲斐大智さん(熊本県・熊本大学教育学部附属小学校6年)

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甲斐大智さん(熊本県・熊本大学教育学部附属小学校6年)
第 25 回全国小学生作文コンクール
「わたしたちのまちのおまわりさん」
優秀賞(高学年の部)
タイトル:支え合おう熊本!支えたい僕の家族!
氏
名:甲斐 大智
小学校名:熊本県 国立熊本大学教育学部附属小学校 六年
「早く署に行かんと」
「震度6弱以上は自主参集だよね?」警察署で事務の仕事をしてい
る両親が慌てた様子で話しています。
これは四月十四日に起きた地震直後の両親の会話です。そして、お父さんは、勤務して
いる警察署に電話をし、お母さんは、職場に電話をした後、急いで着替えや食料などをバ
ックに入れて、震源地である益城町近くの勤務する警察署へ出かけて行きました。急いで
仕事に行く様子を見て、とても大きい地震が起きたんだと改めて怖くなりました。僕は、
次から次に起きる余震におびえて、お父さんの近くから離れられませんでした。
翌朝起きたら、お母さんは帰宅していましたので、仕事も地震も落ち着いたのだろうと
少し安心しました。
しかし、その夜、また地震が起きました。前回の地震より強く大きく感じるものでした。
家の中は、落下物で散乱して、泥棒に入られたのかと思うくらい、家の中はぐちゃぐち
ゃになっていました。
前の日の夜と同じように、お父さんは、勤務する警察署に電話し、直ぐに出勤の必要が
ないことを確認し、お母さんは、前回と同じように荷物を持って、職場へ出勤しようと車
庫に行ったら、お父さんの車もお母さんの車も隣の家の石塀が崩れ、二台ともトランクが
つぶれているのを見て、ますます怖くなりました。ぼくは、余震のために朝まで眠ること
は出来ませんでした。
朝早く、お父さんは、勤務する警察署に出勤し、自宅には同居している祖父母と僕の三
人になりました。そんな時、近所の友人がけがをしたと聞いた祖父母が様子を見に出かけ
た少しの間にまた震度六の余震が起きました。怖くて我慢が出来ず、仕事中のお母さんに
電話をしてしまいました。電話に出たお母さんから、「一人じゃ怖いよね。だけど、私達が
住んでいる西部とは違って、こちらの東部の方はね、家が壊れて住めなくなった人や壊れ
そうな家にいることが危険で出来ない大勢の人が小学校とかに避難されていて、もっと怖
い思いをしている人がたくさんおられるのよ。うちは住んでいる家が大丈夫だったから、
怖いだろうけど、もう少し我慢してね。
」とゆっくり諭すようにいわれました。僕は、大変
な思いをしている人がいるとわかって、もう少し我慢しようと思いました。
それからしばらくして、帰宅したお母さんから「今日は、避難されている方の所に仕事
で行ったよ。初めての経験で緊張したけど、避難所の方は、不自由な生活をされていた中
で、それでも助け合って前向きに過ごされていたよ。」と聞かされて、両親が安心して仕事
が出来るように、協力をしたいと思いました。
警察署の方は、何か起きるとすぐに警察署に向かい、対応してくれるから、毎日安全に
過ごすことが出来ていると実感しています。
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