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多摩川氾濫原における土地被覆の変遷と地震の揺れ - CSIS
A11 Research Abstracts on Spatial Information Science CSIS DAYS 2013 多摩川氾濫原における土地被覆の変遷と地震の揺れの関係 ゴメス クリストファー カンタベリー大学 自然災害研究所・淡水マネージメントセンター・理学部地理学科 連絡先: <[email protected]> (1) 動機: 2011 年に起きた,東北とカンタベリー(ニ (3) 結果: 多摩川氾濫原に位置する多摩市と世田 ュージーランド)大震災から, 地震の揺れ方を細 谷区は,埋め立てた川,河岸段丘,水田,畑のモ かく知るために,地表の形状とその土地被覆が, ザイクの上に広がっているので,狭い間隔で,地 重要なパラメーターになる.ニュージーランドのク 震の揺れや液状化現象に変化が起きやすくなる ライストチャーチ市で地震が起きた際,河道,放 可能性があることが判明した.第二次世界大戦 棄された旧河道,そして湿地帯は,地震の揺れを 後に土地被覆が大きく変わったとはいえ,それま 強くした.その上に液状化現象が起こったので, では,河川の堆積と侵食,及び農業が西東京の 建物に大きな影響が及んだ.クライストチャーチ 地形を作る三大要素であったため,現在も尚,そ の様に,東京は,第四紀堆積物と扇状地の上に の影響を受けている.特に,もし地震が起きたとし 広がっているため,大地震が起きる時に,同様の たら,その影響は大きいと思われる. 揺れのパターンが出る可能性がある.今回の研 (4) 使用データ: 究の目的は,歴史的な地図と空中写真とを使っ て,19 世紀以降に起きた,地表形状とその土地 ・ 国土地理院提供空中写真データ 被覆の変化を調べることである. ・ ゼンリン Zmap-TOWN II(東京大学空間情報 科学研究センター提供) (2) 方法: 対象地域は,東京都世田谷区と多摩市の 多摩川周辺とする.調査に使われているデータは, ・ 歴史的農業環境 WMS 配信サービス(関東)に 明治時代の東京地図と,1941 年から撮影された よる明治期関東平野迅速測図および東京図 空中写真(1941 年,1948 年,1963 年,1979 年, 測量原図 1989 年,2009 年),2013 年の衛星写真と,GIS デ (5) 謝辞: 東京大学の空間情報科学研究センター ータ(図 1)である.空中写真のオルソ補正とジオリ の共同研究用データを使用した.ここに感謝の意 ファレン スは,SfM(Structure-from-Motion)により を表します. 実施し,他のデータとの重ね合わせを可能にした. この後,ArcGIS を用いて土地被覆をデジタイズし (図 2),揺れの指数と液状化現象の可能性を示 す地図を作成した. 図 2: 登戸駅周辺における明治時代の土地被覆 図 1: 地図,空中写真データと SfM - 17 -