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より先進的なプロジェクトマネジメント手法の 研究開発・普及

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より先進的なプロジェクトマネジメント手法の 研究開発・普及
特集
顧客企業や社会が抱える課題の解決を目指すNTTデータのR&D
より先進的なプロジェクトマネジメント手法の
研究開発・普及展開を促進
NTTデータは、システム開発におけるプロジェクトマネジメント力を一層強化するため、定量データ・実証に基づいた研究開発を行い、プ
ロジェクトマネジメント手法の革新を推進する専門組織「プロジェクトマネジメント・イノベーションセンタ(以下、PMIセンタ)
」を設
置した。PMIセンタでは現在約40名体制で、プロセス整備・改善、コストおよび人的資源マネジメント手法の研究開発に取り組んでいる。
実証的研究開発で、生産性向上と
不採算プロジェクト抑止に貢献
プロジェクトマネジメント手法の
開発・管理プロセスの高度化、リソ
ースマネジメント、原価見積り手法、
リスクマネジメントなどのプロジェ
クトマネジメント領域における先進
革新を推進する専門組織、PMI セ
的な手法の研究開発を推進している。
ンタは 2010 年7月、技術開発本部
これらの研究成果は、国内外グルー
内に設置された。PMI センタのミ
プ会社に普及展開するのみならず、
ッションは、NTT データグループ
海外グループ会社のノウハウも取り
の強みであるシステム開発のプロジ
入れ、NTTデータにおけるプロジェ
ェクトマネジメント力を一層強化す
クトマネジメント手法のグローバル
るとともに、より先進的なプロジェ
化を促進していく方針だ。
㈱ NTT データ 技術開発本部
プロジェクトマネジメント・イノベーションセンタ
センタ長 戸村 元久氏
士が提唱した TOC(制約条件の理
論)を基にした新手法で、従来型管
クトマネジメント手法を研究開発す
ることで、グローバル環境における
システム開発の生産性を抜本的に向
プロジェクト管理の新手法として
CCPM に着目、ツールも整備
理の様々な問題を解決する手法とし
て注目を集めている。
PMIセンタの現在の取組み内容を
PMIセンタでは、システム開発は
図 1 に示すが、この中で特に注目す
リソース(人)の制約により工期が決
PMI センタの戸村元久センタ長
べきは新しいプロジェクト管理手法
まるというCCPMに着目、すでにこ
は、
「これまで、技術開発本部ソフト
「CCPM(クリティカル・チェーン・
れを実現するツール「Critical Chain
ウェア工学推進センタの中でプロジ
プロジェクトマネジメント)
」を用い
Visualizer(仮称)
」も整備し、いくつ
ェクトマネジメントに関する研究開
た工期短縮への取組みだ。
かの大規模プロジェクトに適用して工
上するとともに、不採算プロジェク
ト抑止に貢献することだ。
発およびプロジェクトへの普及展開
CCPM は、『ザ・ゴール』の著者
期短縮を達成している。戸村センタ長
を行っていたグループが、PMIセン
であるエリヤフ・ゴールドラット博
は、
「2011年度からは全社に本格導入
タとして独立しました。システム開
発プロジェクトと密着した実証的な
手法で、今までの取組みをより強
項目
1
標準手順・開発手順整備
プロセス整備・
2 改善
機能拡充開発プロセス変革
3
CMMIに基づくプロセス改善
化・加速することによって、SI競争
力をさらに強化するとともに、コス
ト低減および納期短縮の要請に応え
4
コスト
マネジメント
原価見積もり手法高度化
ていきます」と抱負を語る。
5
人的資源
マネジメント
SEのストレス診断
PMI センタでは現在、システム
68
概要
ソフトウェア開発とプロジェクト管理に関する全社標準手順
(TERASOLUNA開発手順)を整備している。
現在は、迅速かつ適応的なソフトウェア開発を実現するた
めのアジャイル開発手法の整備に力を入れている。
主に、機能拡充開発・更改における工期短縮を実現するため
のマネジメント手法を開発している。
現在は、CCPM(Critical Chain Project Management)
を用いた工期短縮に注力している。
CMMI_(Capability Maturity Model Integration)に
基づくプロセス改善コンサルティングを通じ、組織のプロジェ
クトマネジメント力を向上する。
システム開発における原価見積り手法の高度化を目指して
いる。
現在は、
ファンクションポイント法に基づく原価見積手法の
洗練や、
システム基盤部分の原価見積り手法を整備してい
る。
仕事上のストレスを軽減し、周囲のサポート等の緩衝要員を
強化することにより、職場のチーム力向上を目指す。
図 1 PMI センタの取組み内容
をしたいと考えて
います。また、今
後は、定量的なリ
スク管理に基づく
QCD の予測手法の
研究開発に力を入
れていくつもりで
す」と述べている。
ビジネスコミュニケーション
2011 Vol.48 No.1
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