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米政策の転換点

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米政策の転換点
mission
02
政策統括官
米 政策の転 換点
大学で、貿易自由化によってどれだけのインパクトが国内
将来にリスクをもたらすと考え、自給率を引き上げるよう
にあるのかという研究を行っていたので、とても興味ある
な政策に取り組みたいと思い、農林水産省を志望しまし
仕事に携わっている実感はあります。
た。入省してから行政実務をいろいろ経験する中で、自給
米政策改革は国の大きな政策課題として
ブレずに進めなければならない
大島 米は全国津々浦々で生産している農作物です。そ
れだけに利害関係も複雑で、関係団体や財政当局等との
折衝も時には困難を極めることがありますが、国民の主
食である米の需給・価格の安定は重要なミッションであ
ると、あらためて思います。また、米の生産・流通に関わる
大きな構造変化の中で、IT技術も活用した水田農業のイ
ノベーション、米輸出の拡大等、新たなフロンティアも広
がっており、このような環境の中で、今後の政策の方向性
を決めるプロジェクトに参画できることは大 変やりがい
ります。最終的な目的を見失わずに着実に進めていくこ
かりやすく説明するとともに、実際の TPP協定の発効に
とが大切です。
に聞こえるかもしれませんが、40年以上続いた生産調
整を見直し、米の生産者、取引関係者の意識改革を求める
重要な政策チャレンジです。
も訪問しましたが、特に農林水産省は職員に温かみのあ
る人が多いと感じたのも入省の決め手でした。
大島 2次産業、3次産業は産業発展の歩みの中で、業
種・業界ごとの栄枯盛衰もありますが、人間社会が続く以
える気概のある若い皆さんのチャレンジを待っています。
重要な米制度の調整がミッション
判断し、生産を行う仕組みに変わります。当たり前のよう
馬場 私は食べることが大好きで、日本の安全でおいし
大島 米政策への取組は、時として状況の変化に対応し
た柔軟さも求められますが、ブレてはならない部分もあ
みならず、麦、大豆、野菜、飼料用米など需要のある作目を
はないかと考え、農林水産省を選びました。
は変わることなく重要です。この1000年産業をともに支
容、それに対する我が国の対策等を生産者の皆さんに分
見直し、生産者が自らマーケットを見ながら、主食用米の
いうことが、回り道かもしれないけど確実な地域振興で
上、食料供給と自然環境の保全を支える 1次産業の役割
ることが大きなテーマとなっていますが、大 筋合意の内
ていたのですが、平成 30年産から、このようなやり方を
域の資源をいかに付加価値を高めて活用していくのかと
る必要があります。
米政策の企画立案や国内外を含めた
作って下さい」という生産数量目標値を生産者まで示し
方法がありますが、農地、森林、食文化、農産物といった地
きたいと考えこの省を志望しました。官庁訪問で他省庁
ず、平成 30年産からの米政策の見直しはしっかりと進め
国が 都道 府県 等を通じて、「あなたはこれくらいお米を
する、地方財政を豊かにするなど、地域振興にはいろいろ
峯村 生産者が、国による生産数量目標の配分に頼らず
かし、TPPへの対策は講じた上で、TPPいかんに関わら
ています。米政策は大きな転換点を迎えています。従来、
にあたってのキーワードでした。道路等のインフラを整備
は馬術部に入っていたので、農業や馬に関する仕事に就
中で、TPPという外的な変化が訪れようとしています。し
と国内外の関係機関・団体との政 策調整を主な仕事とし
峯村 私は地方出身なので、
「地域振興」が就職を考える
い「食」を支えていきたいと思ったからです。また、大学で
長い間の大きな課題でした。この課題に取り組んでいる
大島 農産企画課は、貿易制度を含む米政策の企画立案
は解決しない問題だと思い知りましたが。
を感じています。
とも、需要に応じた生産を行うという米政策の見直しは、
TPP大筋合意を踏まえた米政策の対応が急務
率の背景にある様々な問題・論点を認識し、一朝一夕で
峯村 公務員は、お金だけではない何かを求めることの
できる仕事の一つです。意欲のある若い皆さんの入省を
お待ちしています。
向けて準備を始めたところです。
馬場 入省時配属された農地政 策課では、農地の集 積・
馬場 私は峯村調査官を直接の上司として、海外の米需
集約化を進める農地中間管理機構の立ち上げに携わり、
給状況や価格データ等の情報収 集・分析などを行ってい
現在所属する農産企画課では TPP交渉の大筋合意に立
ます。最近では TPPによって日本の米にどのような影響
ち会う事ができました。係員でまだキャリアも浅いです
があるのかという分析を行いました。
が、この様な大きなプロジェクトに関わることができるの
馬場 ぜひ一度インターンに参加して、農林水産省の雰
囲気を感じてください!
column
米関連食品の輸出拡大に向けた PR
も農林水産省の魅力だと思います。
峯村 馬 場 係員はそうした情 報 分析のスペシャリストな
ので、頼りになります。
1000 年を見据えた産業を共に支える
若い皆さんを待っています
馬場 まだまだスペシャリストと呼ばれるほどでは!実は
大島 私は学生時代に、日本の食料自給率の低さが国の
一方で、昨年10月に TPP(環太平洋戦略的経済連携協
オールジャパンでコメ・コメ関連食品の輸出を促進する全国団体
(全日本コメ・コメ関連食品輸出促進協議会)を平成 26 年 11 月 27 日
に立ち上げ、統一ロゴマークの開発・発表、海外での積極的PRを実
施しています。
定)交渉が大筋合意に至りましたので、交渉結果をどう国
内の輸入制度の中に落とし込んでいくかも、直近の大き
な課題です。峯村調査官を中心に、関係部局と連携を取り
ながら、新しい輸入の運用ルールを組み立てていくことに
なります。米は農林水産省の中でも最重要なセンシティ
大島 英彦
峯村 英児
馬場 莉加
政策統括官付 農産企画課 課長
政策統括官付 農産企画課 調査官
政策統括官付 農産企画課
ブな品目で、検討すべき課題も多いので、大変な仕事では
ありますが、頑張らなければならないと感じています。
峯村 課長から説明があったように、米に関する国際関
係の調整が私の主な仕事です。現在はやはりTPPに関す
9
〈趣味〉
スポーツ観戦、映画鑑賞、
ミステリー小説を読むこと。
〈自分自慢〉 忙しい時でも比較的感情の起伏が少
なく、おおむね冷静でいられます。
生産者や記者への政策説明において、
分かりやすく丁寧な説明が出来てい
ると言われることが多いです。
career
平成 4 年
入省(Ⅰ種 法律)
水産庁漁政部漁政課
平成 24 年 大臣官房政策課
上席企画官
平成 26 年 大臣官房政策課
調査官
平成 27 年 生産局農産部
農産企画課課長
平成 27 年 現職
〈農林水産省の魅力〉
国 際 関 係 から生 産 振 興まで、自己 完
結 型 の 政 策 フィールド を持 って い る
点。例えば、米の海外交渉→交渉結果
の説明→交渉結果への対策の検 討→
現 場 への説明と一気 通 貫した政 策ス
タイルが良いと思います。
〈趣味〉
お酒、特にワインを飲むことが好き
です。産地や銘柄にはそれほどこだ
わりません。
career
平成 9 年
平成 24 年
平成 26 年
平成 27 年
平成 27 年
入省(Ⅰ種 経済)
林野庁林政部林政課
大臣官房政策課企画官
消費・安全局
総務課課長補佐(総括)
生産局農産部
農産企画課食糧調査官
現職
〈趣味〉
海 外 旅 行。地 元 の 人 と 交 流 し な が ら
旅するのが楽しくてやめられませ
ん。最 近 は イ ン ド、モ ロ ッ コ、イ ラ ン
に行きました。
週 末 は、ジ ョ ギ ン グ と ジ ム で 汗 を 流
し、プ ロ テ イ ン を 飲 む の が 楽 し み の
一つです。
〈自分自慢〉声が大きいこと、どこでも寝られること
(仕事でも旅行でも、結構使えます!)。
career
平成 24 年
平成 26 年
平成 27 年
入省(Ⅰ種 農学Ⅰ)
経営局農地政策課
生産局農産部
農産企画課
現職
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