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郊外を継承するのは誰か
郊外を継承するのは誰か 150217 ハイライフセミナー 九州大学 柴田建 2 「郊外の縮退」先進国で起きていること • • 「郊外の縮退」先進国 • ⻘青森市郊外:コンパクトシティ政 策で,捨てられる郊外NT • ⼤大分市:⼯工業都市の衰退:値の付 かない郊外住宅宅地 • 佐賀市:駅前が100円パーキング だらけ 若若い世代による「ルーズな活⽤用」の ポテンシャル • 低コスト ☓ ⾏行行動⼒力力のある移住 者 1 リノベ世代を受け入れる 街の再ブランディング 「今どき,新築よりも中古のリノ ベのほうが居心地の良い家になる よね」 5 1-‐‑‒1 「望ましい住宅宅イメージ」としてのリノベーション • • • 30代の所得↓☓空き家↑ • 35年年ローンを組めない30代 • 空き家の増加 ⽅方程式の解=中古流流通? • マイホーム=新築,中古は「残念念」 • 望ましい中古住宅宅像の⽋欠如 リフォームからリノベーション へ • 新築へ近づきたいリフォーム • 新たな住まいを創造するリノベ • デザイナーからセルフリノベへ 築40 年のボロ家にほれ込んで購入し、建築現場 の廃材や拾った板で改装。 「『こんなボロ家、買ってどうするんね?』っ て この家を買うとき、両親はあきれ顔」、 「でも私たち夫婦には自信がありました この 家なら、きっと楽しく暮らせるぞ! って」 11 1−2 リノベ世代への再ブランディング(コモンライフ新宮浜) • • • 松林林の中に開発 • 1982年年開発,82⼾戸,積⽔水ハウス開発 • 宅宅地内に3本程度度の松を残す • 建築家宮脇檀による街並みデザイン リノベ⼈人気の⾼高まり • ⾃自然豊かでゆとりのある街並み • シンプルなデザイン,平屋 中古住宅宅地の再ブランディン グ • HPでリノベ素材としての魅⼒力力を発信 2 住宅地のカフェ街化 「家のようなカフェは居心地がい いね」「カフェのような家も居心 地が良いね」 18 2-‐‑‒1 住宅宅からカフェへのコンバージョン • 鎌倉のカフェブーム • • 中古住宅宅のコンバージョン • • 「友⼈人宅宅でほっこり過ごす」ような インテリア リビングのようなカフェ 「カフェ的な場」を求めて • 雑貨屋・古本屋・パン屋・・・ • お茶茶が出てきてゆっくり話し込む • →「カフェ的な場」 鎌倉の庭先のケーキ屋 20 2-‐‑‒2 住宅宅地内での店舗の増加(福岡市⻑⾧長住地区) 1970年年代:団地開発と商店 街 • • 表通りに個人店舗で商店街形成 1990年年代:ロードサイド化 • • 幹線道路沿いにチェーン店立地 • 個人店舗の激減 住宅宅地内店舗の復復活 • • 住宅地内の店舗:ご近所向け • 2000年代後半∼:カフェ等の立地 ( 店舗個数 ) 160 140 120 100 80 60 40 20 0 1973 1982 1990 ( 通り側・個人 ) は開発当初か ○ 通り側 ・ 個人 ら数多く存在しており,戸建て □ 通り側 ・ チェーン の増加と共に大池通り沿いや, ☆ 内側 ・ 個人 市道長丘皿山線沿いの長住商店 街に増加した。 ( 通り側・チェーン ) は開発当 初は数軒だが,元々整備され ていた大池通り沿いと後に発 展してくる県道 555 線沿いに 急激に増加する。 (内側・個人)は緩やかに減少 しているが,2000 年以降増加 2000 2010 ( 年代 ) に転じた。 店舗個数の変遷 大池通り 3 大池通り 3 2 長丘皿山線 長住商店街 県道 555 線 1 ○通り側 ・ 個人 □通り側 ・ チェーン N ☆内側 ・ 個人 ( ~ 1999) 0 ★内側 ・ 個人 (2000 ~ ) 200 400m 長住地区における店舗の分布 (2010) 主な業種と店舗数 ()内の数字は店舗個数を表す ㏻ࡾ࣭ಶே ⨾ᐜᐊ ㏻ࡾ࣭ࢳ࢙࣮ࣥ ࢥࣥࣅࢽ ෆഃ 㺃 ಶே ⾰ᩱရ ࣮࢝ࢹ࣮࣮ࣛ ⨾ᐜᐊ ࢡ࣮ࣜࢽࣥࢢ ࢫ࣮ࣃ࣮ 㹼 ࢡ࣮ࣜࢽࣥࢢ 㹼 㞧㈌ ࢝ࣇ࢙ ⫗ 㺃 㔝⳯ 㺃 ㇋⭉ ࢻࣛࢵࢢࢫࢺ ᒃ㓇ᒇ 㺃 ࢫࢼࢵࢡ 㝡ჾࢠ࣮ࣕࣛࣜ ࢝ࢪࣗࣝ⾰ᩱ ᪥⏝⏕άရ ᮌ〇⋵ල 㺃 ⤀ኈ᭹ ⾰ᩱရ ⮬㌿㌴ 福岡市香住ヶ丘のベーカリー 24 2-‐‑‒3 カフェ街化した外⼈人住宅宅(沖縄・港川地区) • • • 沖縄の「外⼈人住宅宅」 • 1960年代の米兵向け民間賃貸住宅 • 現在は一般向けの老朽化賃貸 成り⾏行行きとしての住宅宅のカフェ 化 • 当初は家具工房・ホームパーティ • 人が集まるのでカフェ開店 住宅宅地のコンバージョン • 2005年頃からカフェ・工房へのコンバー ジョン(31/61戸がコンバージョン) • 現在では観光名所化 3 異質なものの排除から 弱者連合へ 「あなたが居てくれて良かった」 とお互いが言い合える関係へ 32 3-‐‑‒1 公園での朝市事業(⼤大分市) • • • • ⼤大分市松が丘団地 • 1970年代開発の戸建て住宅地 • 高齢化,スーパーの撤退による買い物難民化 朝市事業(2008年年〜~) • 公園での毎週の朝市 • 八百屋は来てくれない→障害者施設に声をかける 団地間産直交流流モデル事業 • 雇用促進の補助金で若者雇用 • 高齢化した農家から野菜の集荷 • 高齢化した6団地での朝市 弱者連合 • 住宅すごろくの上がりとしての「庭付きい戸建て」 • 気がついたら市場から見放された弱者 • 住宅地+農村,障害者,地方の若者・・これまでとは 異なるパートナーシップ 35 37 3-‐‑‒2 廃校を新たな交わりの場に(札幌市もみじ台) • • 札幌市もみじ台 • 1970年代に開発,4つの小学校 • 現在は少子高齢化:2校を廃校に 通信制⾼高校・フリー・スクール • 不不登校児等の居場所としてのキャンパス • コミュニケーションスキルの獲得の場としての地 域活動 • • デイサービス+障害者サービス事業所 • 知的障害者によるコミュニティカフェ • 体育館・カラオケルーム・集会室等の地域開放 排除から連携へ • 隠された不登校,NIMBYだった障害者施設 • 「時間が再び動き出した」登校風景 4 空き空間の再生と まちの居場所 まち再生の種地としての空き空間 50 4-‐‑‒1 空き地を居場所に(佐賀市わいわいコンテナ) • • • • 空洞洞化する中⼼心市街地 • 店舗の取り壊しと100円パーキング化 • 活性化策としてのイベント 空き地をポジティブに捉える 空き地を芝生の空間に→緑地のネットワーク わいわいコンテナ1&2 • 芝生の空間にコンテナを並べる • 自由に雑誌を読んだりできる居場所 • 街の「基礎体⼒力力」 • 建築家西村浩氏による「空き地リビング」 • 自身のコワーキングスペースも 58 郊外を混ぜる • 世代を混ぜる • • 価値観・ライフスタイルを混ぜる • • カフェ・雑貨屋・学童・etc:→ベッド以外に,集いの場,稼ぎの場 弱者連合 • • リノベーション世代への継承→価値観の異異質な⼈人たちとのミックス 機能を混ぜる • • 若若い核家族への継承→しかし,もはや主流流ではない 勝ち組だけの排他性→弱者同⼠士の相互扶助,「居てくれて良良かった」 場所と活動のシェアのしくみ • 新たな街の価値のリノベーションへ 59 リノベ世代への郊外の継承 • • • 夢の住まい=新築からリノベーションへ • セルフリノベの楽しさ,セルフコンバージョンの世界観の統⼀一 • リノベ素材としての再ブランディングによるリノベ世代の誘致 まちのミックスと脱ベッドタウン • 家族形態のミックス,世代のミックス,機能のミックス • 脱ベッドタウン→まちの中で稼ぐ,まちの中で出会う・・・ 安価な空き空間をまちの財産に • 空き家や空き地をみるとワクワクする • コミュニティカフェ,障がい者カフェ,⾼高齢者・⼦子どもの居場所etc • リノベ世代の⾃自由な構想⼒力力による使い倒し