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水素関連ビジネス展開促進 可能性調査報告

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水素関連ビジネス展開促進 可能性調査報告
参考資料3
水素関連ビジネス展開促進
可能性調査報告
平成27年12月14日
1
水素エネルギーについて
●水素は、多種多様なエネルギー源からの製造が可能で燃焼し
ても水しかできないため、地球環境への負荷が少ない、優れ
たエネルギーといった特徴
●現在、水素は、石油精製における原油に含まれる硫黄分の
除去で利用されているほか、半導体の製造工程などで利用
●今後、定置用燃料電池や燃料電池自動車、水素ステーション
等の生産・販売台数の拡大や利用、輸送・貯蔵技術の進展に
よりエネルギーとしての水素の利活用が一層期待
従来の水素の利活用
■工業用途
・エレクトロニクス(半導体等)
・ガラス(光ファイバー等)
・化学(石油精製等)
・金属(金属熱処理等)
など
これからの水素の利活用
■エネルギー利用
・燃料電池自動車(FCV)
・定置用燃料電池
(家庭用、業務産業用)
・燃料電池バス、フォークリフト
・水素発電
など
2
水素エネルギーについて
●水素は、化石燃料やバイオマスから発生したメタンガスの
改質、再生可能エネルギーなどから製造可能
●特に北海道では、より低環境負荷な再生可能エネルギー源
による水素の製造が、豊富に賦存する再生可能エネルギー
のポテンシャルを十分に発揮可能
風力、水力、太陽光
自然エネルギー
バイオマス
水
素
天然ガス等の
化石燃料
製鉄所等の
副生水素
風力発電
年間平均風速6.5m/s以上の適地は、本道が全国の45%を占める。
地熱発電
熱水資源150℃以上での導入ポテンシャル量は、全国の58%を占める
中小水力発電
導入ポテンシャル量が都道府県別で1位(全国の約10%)
太陽光発電
導入ポテンシャル量が都道府県別で2位(全国の約5%)
北海道における新エネルギーのポテンシャル例
資料:「新エネルギー導入拡大に向けた基本方向(平成26年4月)」(北海道)
3
水素エネルギーについて
政府は、成長戦略の一つとして「燃料電池・水素に関わる規制については関係省庁を横断
する 形で一挙に見直す」と明言、2015年を「水素元年」と位置付け。
4
出典:経済産業省「水素・燃料電池戦略ロードマップ」
水素エネルギーについて
●道内で水素社会を実現するためには、地域に適した水素の
製造から貯蔵・輸送、利用に至るまでの水素サプライチェー
ンの構築・拡大を図ることが必要
●各部門での技術開発の進展や、燃料電池車や家庭用燃料電
池以外の利用用途の拡大が重要
→今後、道内企業の参入が大いに期待
水素社会のイメージ
出典:北海道
5
企業向けアンケート調査
水素関連ビジネス発展可能性調査
調査期間:平成27年7月中旬~7月31日
調査対象:道内環境産業関連企業(886社)、道内自治体(179市町村)
貴社の水素関連ビジネスの参入状況および今後の意向(SA) N:379
既に参入してい
る, 3.4% 今後具体的な参
入計画がある,
2.9%
今後参入するか
もしれない,
23.0%
無回答, 4.0%
分からない,
25.3%
今後も参入する
予定はない,
41.4%
「既に参入している」が13社(回答率3.4%)、「今後具体的な参入計画がある」が11社
(回答率2.9%)であり、「今後も参入する予定はない」が41.4%との回答であった。
自社に関する水素ビジネスの分野について(MA) N:27
製造/供給分野
40.7%
貯蔵/運搬分野
22.2%
利用分野
14.8%
その他
無回答
18.5%
3.7%
6
「既に参入している」企業で関係している水素関連ビジネス分野
企業での主な取組み事例
水素関連ビジネスに取組んでいる主な企業は、道央圏に集中している。
記述回答
A
親会社で製造・販売している水素ステーション用の材械加工及び耐圧気密テストを行っている。
B
水素蓄圧器の非破壊検査
C
水素環境下での各種材料での調査
D
①水素ステーション(愛知県) ②製造に関しても一部実証実験中(九州、道内(苫前))
E
①小型水素発生器(HD-08、HD-540) ②水素発生器(HD-102L、SH5L)
③ポータブル水素 燃料電池装置 ④ハイドロパック(水素発生材)
⑤水素・窒素マイクロナノバブル水
F
水素容器設置工事を受注
G
水素用圧縮機(コンプレッサー)の販売 ※北海道では業績はないが、全国レベル。
H
工業ガスメーカーの販社として、水素はもちろん供給装置等も販売している。また、親会社(メー
カー)では、水素の製造技術開発も実設している。
I
①有機ハイドライドによる水素貯蔵・脱水素技術を用いた製品
②水素装置(気体の水素を液体の有機ハイドライドに変換する)
③脱水素装置(有機ハイドライドから水素を取り出す)
※風力発電等の電気を、水電気分解を経て水素化して、その水素を貯蔵輸送するモデル
J
産業アルミから水素を取り出す技術
K
FCV(ミライ)が親会社のトヨタ自動車から発売されている。水素ステーション次第で北海道で
も販売可能となる。
L
自社で開発した球状太陽電池を活用して、直接水電解水素を発生させる高効率・低コストの水素製
造技術を開発中。
7
企業での取組み事例
A社の場合
出典:A社親会社ホームページ
●水素ステーション用の高容量鋼製蓄圧器を製造
●高強度鋼を選定、高耐久化加工技術を確立し、コストを大幅
に削減した300L蓄圧器の商用化
8
企業での取組み事例
E社の場合
ポータブル水素燃料電池装置
水素水
出典:E社ホームページ
●アルミニウム廃材を利用して、水を分解することで水素製造
技術を開発
●その水素を利用して、医療向け、生鮮食品の長期保存への活
用を検討する一方、ファインバブル(微小気泡)水素水を製造
●ドローン用のポータブル水素製造機を開発中
9
企業での取組み事例
L社の場合
水電解水素発生技術
出典:L社
●自社で開発した球状太陽電池を活用した、直接水電解水素を
発生させる高効率・低コストの水素製造技術を開発
●ポータブルな小型水電解水素発生システムと大規模水素製造
に適した基幹部品開発、事業化に向けた取組みを実施中
10
企業での取組み事例
I 社の場合
出典:新エネルギー・産業技術総合開発機構
出典:I 社ホームページ
●苫前町の風力を活用して、水の電気分解による水素製造装置や、製造し
た水素をトルエン等と結合させて液状の水素化合物 「有機ハイドライド」
に変換する実証実験を共同で実施中
●約1キロ離れた町営施設に車両で運び、脱水素装置によって気化した水
素は発電用燃料電池の燃料にして、電気は温泉施設の照明の一部に使う
ほか、非常用電源として利用予定
11
企業からの要望
1.技術開発
2.購入者への補助
3.企業マッチング
販路開拓
ネットワーク形成
12
北海道での取組み事例
苫前町
鹿追町
白糠町/釧路市
室蘭市
13
北海道での取組み事例
苫前町(出典:新エネルギー・産業技術総合開発機構)
鹿追町 (出典:北海道)
14
白糠町/釧路市(出典:東芝)
室蘭市(出典:室蘭市)
先進地域での取組み
●福岡県、山口県、山口県周南市の取組み状況について調査を実施
●ヒアリング先の各地域においては、水素社会の実現に向け、主に副生水素由来の
水素エネルギーの利活用の可能性や課題などについて産学官が連携して取組み、
普及に向けた計画、プロジェクトの共有化を実施
■福岡県の取組み
・福岡水素エネルギー戦略会議については、産学官の連携組織として平成16年からスタートしており、水素プロジェクト
については、オールジャパンとして推進
・研究開発、社会実証、人材育成をはじめ水素エネルギーの開発・普及を総合的に推進する福岡水素戦略(Hy-lifeプロジ
ェクト)を展開し、水素エネルギー新産業の育成・集積を目指す
15
福岡水素戦略(Hy-Lifeプロジェクト)の全体概要について
出典:福岡県ホームページ
まとめ
・北海道内では、道央圏を中心に製造分野、貯蔵/供給分野に
おいて、既に事業化、または、事業化に向けての取組みが
実施済み
・国等の事業を活用して、地域の特性を活かした水素関連の
実証実験が推進中
・先進的な取組みを行っている企業には、道内の大学で培っ
た水素技術を活用した大学発ベンチャー企業が存在
・道外企業と連携して脱水素装置の開発、製造を既に行って
いる企業もあり
・ものづくりの技術を活用、応用して水素関連ビジネスに取
組んでいる企業もあり
16
北海道における水素関連ビジネスの展開方向について
■前提
道内企業の水素関連ビジネス参入促進においては、道内中小企業単独での参入のハードル
は高いため、産学官が連携して、FCVや水素ステーション導入といったハード面の整備に対
して積極的なアプローチ、また、大手企業の誘致、道外企業とのマッチングを率先して行う
ことが必要
■北海道の現状として
道内では水素関連ビジネスに取組んでいる企業が少ないながらも、独自の技術を活用する
ことによる事業化の取組みが行われていて、時間をかけながら着実に取組みが推進中
■北海道における水素関連ビジネスの発展可能性
4大都市圏中心の水素ステーションの整備がある程度進めば、地方中核都市での整備が今後
行われる可能性も高く、北海道で培った技術等が活かされる可能性
また、既存の技術のみならず、水素ステーション設置に必要な各種部品、例えば、水素ステ
ーションに使用する耐水素用のゴム製品や、水素を安全に取扱う水素認識センサー等々、北海
道の中小技術でも十分対応できる可能性は有り
■支援の仕組み
製品開発、その先の商用化に向けては、完成した製品が市場にマッチングするまでには相
当な時間、開発コストもかかることが予想されるため、産学官連携の支援、補助金等による
17
サポート、金融機関によるサポートなども必要
北海道における水素関連ビジネスについては、一部の地域、企業では既に取組みが進められているが、企業や自治体におい
ての関心はまだ低い状況で、水素ステーション、FCVの導入についてもまだ未整備である。
北海道は、太陽光や風力、バイオマ
ス、といった多様なエネルギー源が豊
富に賦存しており、とりわけ、新エネ
ルギーの活用に向けては、全国随一の
可能性を有している。
●北海道のポテンシャル例
風力:年間平均風速6.5m/s以上の適地は、本道が全国の45%を占める。
太陽光:導入ポテンシャル量が都道府県別で2位(全国の約5%)
水力:導入ポテンシャル量が都道府県別で1位(全国の約10%)
地熱:水資源150℃以上での導入ポテンシャル量は、全国の58%を占める。
風力や水力、太陽光、バイオマスといった多様なエネルギー源が豊富に賦存し、その活用に向けては、全国随一の可能性を
有している北海道は、再生可能エネルギー源による水素製造の可能性を有しており、ポテンシャルを十分に発揮できるもの
と考えられる。
北海道での水素関連ビジネスの推進においては産学官金の連携が必要
産
●水素関連ビジネスの参入、展開に
向けた取組み
・水素関連ビジネス参入意欲の向上
・水素関連ビジネスに必要なシーズ
の検討、洗い出し
・水素関連ビジネス参入、展開に向
けた研究開発の推進、技術や知識
の蓄積
・道外企業との連携促進
学
●研究開発、技術支援
・産学が共同して製品、技術開発を
実施
・水素関連ビジネス参入、展開に向
けた研究開発の推進、技術や知識
の蓄積
・研究会、勉強会の開催による技術
の共有
・企業シーズ育成、技術のレベルア
ップ、技術指導
●人材育成
官
●戦略づくり
・ビジョン、ロードマップ
●リーダーシップ
・連携のリーダーシップ
●水素社会の見える化
・FCV、水素ステーションの導入
●企業誘致
●企業支援
●利用分野に対する助成
●規制緩和に向けた取組み
金
●企業、自治体支援
・中小企業向け投資ファンドの設立
・水素ステーション、FCV導入への
投資ファンド設立
など
など
など
など
18
製造
貯蔵/供給
風力、水力、太陽光
有機
ハイドライド
自然エネルギー
利用
水素
ステーション
FCバス
FCトラック
FCV
バイオマス
高圧ガス水素
FC農機具
スクータ、ドローン
FC小型移動体
水
素
製鉄所等の
副生水素
天然ガス等の
化石燃料
水
素
燃料電池
モバイル用
小型燃料電池
液化水素
ガス溶断機
医療向けの
水素水
パイプライン
水素発電所
19
図:北海道における水素関連ビジネスの展開方向について
一般的に参入可能性のある技術や事業分野
製造
貯蔵/供給
利用
耐性の強いゴム製品
触媒調整技術
エネルギー
制御装置
風力、水力、太陽光
水電解による
水素製造装置
自然エネルギー
電解水素発生による
水素製造装置
メタン発酵技術
バイオマス
バイオガスプラント技術
水
素
水素精製装置
水素触媒改質技術
有機
ハイドライド
水素認識センサー
水素
ステーション
水素精製装置
FCトラック
真空断熱技術
FCV
圧力容器製作技術
高圧ガス水素
水素が漏れないための
耐性の強いシール製品
真空断熱技術
圧力容器製作技術
水素精製装置
水素触媒改質技術
FCバス
物流・運搬技術
FC農機具
内燃機関の技術
スクータ、ドローン
FC小型移動体
移動体の周辺部品
水
素
モバイル用
燃料電池
小型燃料電池
燃料電池用の周辺部品
液化水素
物流・運搬技術
ガス溶断機
水素が漏れないための
耐性の強いシール製品
水素ガスを用いた
溶断機の製造
物流・運搬技術
天然ガス等の
化石燃料
インフラ
配管技術
水素計測器
物流・運搬技術
物流・運搬技術
水素改質装置
製鉄所等の
副生水素
水素吸脱水素技術
ステーション
運用技術
パイプライン
設計、施工、維持管理
技術
医療向けの
水素水
水素水の精製技術
水素発電所
周辺部品、プラント技術
運用技術
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図:北海道における水素関連ビジネスの展開方向について
現状の技術レベルなどで、より道内企業が参入可能性が高いと想定される技術や事業分野
製造
貯蔵/供給
利用
耐性の強いゴム製品
水素認識センサー
風力、水力、太陽光
有機
ハイドライド
自然エネルギー
水素
ステーション
水素計測器
FCバス
FCトラック
メタン発酵技術
バイオマス
バイオガスプラント技術
FCV
高圧ガス水素
FC農機具
スクータ、ドローン
FC小型移動体
水
素
製鉄所等の
副生水素
水素が漏れないための
耐性の強いシール製品
水
素
燃料電池
モバイル用
小型燃料電池
液化水素
ガス溶断機
水素が漏れないための
耐性の強いシール製品
天然ガス等の
化石燃料
医療向けの
水素水
パイプライン
水素発電所
21
図:北海道における水素関連ビジネスの展開方向について
今後、道内企業の参入可能性が高いと想定される技術や事業分野(例示)
分野
製造
参入可能性が高いと想定される
技術や製品
・メタン発酵技術
・バイオガスプラント技術
貯蔵/供給 ・水素が漏れないための耐性の強い
シール製品
利用
※主に水素
ステーショ
ンについて
・耐性の強いゴム製品
・水素を安全に取扱える水素認識
センサー
・遠隔地から測定できる水素計測器
・光や音波による水素計測器
想定理由
・家畜ふん尿等からバイオガス(メタンガス)を作り出
す技術については、道内企業はノウハウを有している。
・バイオガス(メタンガス)から水素を製造する際には、
発酵技術、バイオガスプラントに関わる技術や周辺
機器については、道内企業でも対応できる。
・バイオガス(メタンガス)から水素を製造することも、
今後、事業として検討される
・燃料電池向けの高圧容器タンク、バルブ、継手、配管等
にメタルシール、樹脂シールが必要とされる。
・北海道でも各種材料とする工業用シール製品、配管接合
部分に使用するシール材の製造ノウハウがあるので、水
素高圧容器等のプラントでも応用可能
・水素ステーションの水素ディスペンサーに使用する耐水
素用ゴム製品については、ゴムパッキン、工業用精密ゴ
ムの製造技術ノウハウを活かすことができる。
・燃料電池の水素漏れを防ぐセンサー、水素計測器につい
ては、大学が有するノウハウ(水素吸蔵合金のナノ構造
や電子顕微鏡法を用いた研究等)を活用して、共同研究
開発を行うことにより、道内中小企業または大学発ベン
チャーでも対応可能
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道外企業の取組み事例について
■高石工業の取組みについて
ゴム製品が、水素ステーションの水素ディスペンサーに使用される緊急離脱カ
ップリングに採用されている。
出典:高石工業ホームページ
23
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