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IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE

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IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、
Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
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用されています。 説明の中に実際のアドレスが使用されていたとしても、それは意図的なものではなく、偶然の一致によるものです。
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Cisco Systems, Inc. All rights reserved.
目次
IP マルチキャスト テクノロジーの概要 1
機能情報の確認 1
IP マルチキャスト テクノロジーに関する情報 2
情報配信における IP マルチキャストの役割 2
マルチキャスト グループの転送方式 2
IP マルチキャスト ルーティング プロトコル 4
IP マルチキャスト グループ アドレッシング 5
IP クラス D アドレス 5
IP マルチキャスト アドレスのスコーピング 6
レイヤ 2 マルチキャスト アドレス 8
IP マルチキャスト配信モード 8
Any Source Multicast(ASM) 8
Source Specific Multicast 8
プロトコル独立マルチキャスト 9
PIM デンス モード(PIM-DM) 9
PIM スパース モード 10
スパース-デンス モード 11
双方向 PIM 12
マルチキャスト グループ モード 12
双方向モード 13
スパース モード 13
デンス モード 13
ランデブー ポイント 14
Auto-RP 14
Auto-RP のスパース-デンス モード 15
BSR 16
Multicast Source Discovery Protocol 16
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
iii
目次
エニーキャスト RP 17
マルチキャスト転送 18
マルチキャスト配信のソース ツリー 18
マルチキャスト配信の共有ツリー 19
ソース ツリーの利点 20
共有ツリーの利点 21
リバース パス転送 21
RPF チェック 22
PIM デンス モード フォールバック 23
PIM モードの選択に関するガイドライン 24
次の作業 25
その他の関連資料 25
IP マルチキャスト テクノロジーの機能情報の概要 26
用語集 27
基本的な IP マルチキャスト設定 31
機能情報の確認 31
基本的な IP マルチキャスト設定の前提条件 32
基本的な IP マルチキャスト設定に関する情報 32
Auto-RP の概要 32
PIM ネットワークでの AutoRP の役割 32
IP マルチキャスト境界 33
PIM ネットワークでの Auto-RP の利点 33
エニーキャスト RP の概要 34
BSR の概要 34
BSR の選定と機能 34
BSR 境界インターフェイス 35
スタティック RP の概要 35
SSM の概要 36
SSM のコンポーネント 36
Internet Standard Multicast と SSM の違い 36
SSM の動作 37
IGMPv3 ホスト シグナリング 38
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
iv
目次
Source Specific Multicast の利点 38
Bidir-PIM の概要 40
マルチキャスト グループ モード 40
双方向共有ツリー 40
DF 選定 42
双方向グループ ツリー ビルディング 42
パケット転送 43
双方向 PIM の利点 43
基本的な IP マルチキャストの設定方法 43
自動ランデブー ポイント(AutoRP)でのスパース モードの設定 43
次の作業 49
エニーキャスト RP でのスパース モードの設定 50
次の作業 53
ブートストラップ ルータでのスパース モードの設定 53
次の作業 58
単一のスタティック RP でのスパース モードの設定 58
次の作業 61
Source Specific Multicast の設定 61
次の作業 64
双方向 PIM(Bidir-PIM)の設定 64
基本的な IP マルチキャストの設定例 66
例:AutoRP でのスパース モード 66
エニーキャスト RP でのスパース モードの例 67
ブートストラップ ルータでのスパース モードの例 68
BSR および RFC 2362 の相互利用可能な候補 RP の例 69
例:単一のスタティック RP でのスパース モード 70
IGMPv3 を使用した SSM の例 70
SSM フィルタリング例 70
Bidir-PIM の例 71
その他の関連資料 72
IPv4 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報 73
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定 75
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
v
目次
機能情報の確認 75
基本的な IP マルチキャスト設定の前提条件 76
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定に関する情報 76
IPv6 マルチキャスト 76
IPv6 マルチキャストの概要 76
IPv6 マルチキャスト アドレッシング 77
IPv6 マルチキャスト グループ 78
IPv6 マルチキャスト アドレス グループ範囲のサポート 79
限定スコープ アドレス アーキテクチャ 79
MRIB 80
IPv6 マルチキャストのプロセス スイッチングおよび高速スイッチング 80
IPv6 エニーキャスト RP ソリューション 81
PIMv6 エニーキャスト RP ソリューションの概要 81
PIMv6 エニーキャスト RP の通常の動作 82
PIMv6 エニーキャスト RP フェールオーバー 83
IPv6 BSR 83
IPv6 BSR 83
IPv6 BSR:RP マッピングの設定 84
IPv6 BSR:スコープ ゾーン サポート 84
IPv6 マルチキャスト:BSR パケットの RPF フラッディング 85
IPv6 マルチキャスト グループ 85
IPv6 マルチキャスト アドレス グループ範囲のサポート 85
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャストの設定方法 86
IPv6 マルチキャスト ルーティングのイネーブル化 86
デバイスでの未認証マルチキャスト トラフィックの受信のディセーブル化 87
IPv6 マルチキャストのトラブルシューティング 88
PIMv6 エニーキャスト RP の設定 90
BSR の設定および BSR 情報の確認 94
BSR への PIM RP アドバタイズメントの送信 95
限定スコープ ゾーン内で BSR を使用できるようにするための設定 96
BSR デバイスにスコープと RP のマッピングをアナウンスさせるための設定 98
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャストの設定例 99
例:IPv6 マルチキャスト ルーティングのイネーブル化 99
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
vi
目次
例:IPv6 マルチキャスト アドレス グループ範囲のサポートのディセーブル化 99
例:IPv6 MRIB 情報の確認 99
例:PIMv6 エニーキャスト RP の設定 100
例:BSR の設定 100
その他の関連資料 101
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報 102
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続 107
機能情報の確認 107
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続する前提条件 108
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための情報 108
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続することの利点 108
複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための MSDP の使用 108
MSDP メッセージ タイプ 111
SA メッセージ 111
SA 要求メッセージ 111
SA 応答メッセージ 112
キープアライブ メッセージ 112
SA メッセージの発信、受信、および処理 112
SA メッセージの発信 112
SA メッセージの受信 113
RPF チェック ルールを SA メッセージに適用する方法 113
ソフトウェアが RPF チェックに適用するルールを決定する方法 114
MSDP の SA メッセージの RPF チェックのルール 1 114
RPF チェックのルール 1 の MSDP への影響 115
MSDP の SA メッセージの RPF チェックのルール 2 115
RPF チェックのルール 2 の MSDP への影響 115
MSDP の SA メッセージの RPF チェックのルール 3 115
SA メッセージの処理 116
MSDP ピア 117
MSDP MD5 パスワード認証 117
MSDP MD5 パスワード認証の動作 117
MSDP MD5 パスワード認証の利点 117
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
vii
目次
SA メッセージの制限 117
MSDP キープアライブ インターバルおよび保留時間インターバル 118
MSDP 接続再試行インターバル 118
MSDP の IETF RFC 3618 準拠 119
MSDP の RFC 3618 準拠の利点 119
デフォルト MSDP ピア 119
MSDP メッシュ グループ 121
MSDP メッシュ グループの利点 122
SA 発信フィルタ 122
MSDP での発信フィルタ リストの使用 123
MSDP での着信フィルタ リストの使用 124
MSDP の TTL しきい値 125
SA 要求メッセージ 125
SA 要求フィルタ 126
MSDP MIB 126
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続する方法 126
MSDP ピアの設定 127
MSDP ピアのシャットダウン 128
MSDP ピア間の MSDP MD5 パスワード認証の設定 129
トラブルシューティングのヒント 131
SA キャッシュ内で許可される特定の MSDP ピアからの SA メッセージ数の制限
によるサービス拒絶(DoS)攻撃の防止 131
MSDP キープアライブ インターバルおよび保留時間インターバルの調整 133
MSDP 接続再試行インターバルの調整 134
MSDP の IETF RFC 3618 準拠の設定 135
デフォルトの MSDP ピアの設定 136
MSDP メッシュ グループの設定 137
ローカル ソースの RP によって発信された SA メッセージの制御 139
発信フィルタ リストを使用した SA メッセージの MSDP ピアへの転送の制御 140
着信フィルタ リストを使用した MSDP ピアからの SA メッセージの受信の制
御 141
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
viii
目次
TTL しきい値を使用した SA メッセージで送信されたマルチキャスト データの制
限 142
MSDP ピアへのソース情報の要求 143
SA 要求フィルタを使用した MSDP ピアからの発信 SA 要求メッセージに対する応答
の制御 145
境界 PIM デンス モード リージョンの MSDP への包含 146
RP アドレス以外のソース アドレスの設定 147
MSDP のモニタリング 148
MSDP 接続、統計情報、および SA キャッシュ エントリの消去 151
MSDP の簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)モニタリングのイネーブル
化 152
トラブルシューティングのヒント 153
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続する設定例 154
例:MSDP ピアの設定 154
例:MSDP MD5 パスワード認証の設定 154
MSDP の IETF RFC 3618 準拠の設定の例 155
デフォルト MSDP ピアの設定の例 155
例:MSDP メッシュ グループの設定 157
その他の関連資料 157
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための機能情報 159
PIM Allow RP 161
機能情報の確認 161
PIM Allow RP の制約事項 162
PIM Allow RP について 162
ランデブー ポイント 162
PIM Allow RP 162
PIM Allow RP の設定方法 163
PIM-SM への RP 設定 163
PIM Allow RP のイネーブル化 166
PIM-SM および RP に関する情報の表示 167
PIM Allow RP の設定例 168
例:IPv4 PIM Allow RP 168
例:IPv6 PIM Allow RP 170
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
ix
目次
PIM Allow RP の追加情報 171
PIM Allow RP に関する機能情報 172
Source Specific Multicast の設定 175
機能情報の確認 175
Source Specific Multicast の制約事項 176
Source Specific Multicast について 178
SSM の概要 178
SSM のコンポーネント 178
Internet Standard Multicast と SSM の違い 178
SSM の動作 179
IGMPv3 ホスト シグナリング 180
Source Specific Multicast の利点 180
IGMP v3lite ホスト シグナリング 182
URD ホスト シグナリング 182
Source Specific Multicast の設定方法 185
SSM の設定 185
SSM のモニタリング 186
Source Specific Multicast の設定例 186
IGMPv3 を使用した SSM の例 186
IGMP v3lite と URD を使用した SSM の例 187
SSM フィルタリング例 187
その他の関連資料 188
Source Specific Multicast の機能情報 189
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング 191
機能情報の確認 191
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの前提条件 192
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングについて 192
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの利点 192
IP マルチキャスト スタティック ルート 192
非 IP マルチキャスト エリアの接続方法 193
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの設定 193
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの設定例 196
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
x
目次
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの例 196
その他の関連資料 199
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの機能情報 200
マルチキャスト(PIM)の BFD サポート 203
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの制限事項 203
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートに関する情報 203
PIM BFD 203
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの設定方法 204
インターフェイスでの BFD PIM のイネーブル化 204
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの設定例 206
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートのその他の関連資料 206
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの機能情報 207
HSRP Aware PIM 209
機能情報の確認 209
HSRP Aware PIM の制約事項 210
HSRP Aware PIM について 210
HSRP 210
HSRP Aware PIM 211
HSRP Aware PIM の設定方法 212
インターフェイスでの HSRP グループの設定 212
PIM の冗長性の設定 214
HSRP Aware PIM の設定例 215
例:HSRP Aware PIM 215
HSRP Aware PIM の追加情報 216
HSRP Aware PIM に関する機能情報 217
IP マルチキャスト オペレーションの確認 219
機能情報の確認 219
IP マルチキャスト オペレーションの確認の前提条件 220
IP マルチキャスト オペレーションの確認における制限 220
IP マルチキャスト オペレーションに関する情報 220
PIM-SM ネットワーク環境および PIM-SSM ネットワーク環境での IP マルチキャスト
オペレーションの確認に関するガイドライン 220
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
xi
目次
ラスト ホップ ルータでの IP マルチキャスト オペレーションの確認に使用さ
れる一般的なコマンド(PIM-SM および PIM-SSM) 220
SPT が使用されているルータでの IP マルチキャスト オペレーションの確認に
使用される一般的なコマンド(PIM-SM および PIM-SSM) 222
ファースト ホップ ルータでの IP マルチキャスト オペレーションの確認に使
用される一般的なコマンド(PIM-SM および PIM-SSM) 223
IP マルチキャスト オペレーションを確認する方法 224
PIM 対応ルータを使用して IP マルチキャストの到達可能性をテストする方法 224
マルチキャスト ping に応答するルータの設定 224
マルチキャスト ping に応答するように設定されているルータの ping 226
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペ
レーションの確認 227
ラスト ホップ ルータでの IP マルチキャスト オペレーションの確認 227
SPT が使用されているルータでの IP マルチキャストの確認 231
ファースト ホップ ルータでの IP マルチキャストの確認 232
IP マルチキャスト オペレーションの設定例 234
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペ
レーションの確認例 234
ラスト ホップ ルータでの IP マルチキャストの確認例 235
SPT が使用されているルータでの IP マルチキャストの確認例 237
ファースト ホップ ルータでの IP マルチキャストの確認例 238
その他の関連資料 238
IP マルチキャスト オペレーションに関する機能情報 240
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持 241
機能情報の確認 242
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の前提条件 242
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持について 242
IP マルチキャスト ハートビート 242
セッション通知プロトコル(SAP) 243
IP マルチキャストに対する SNMP トラップの PIM MIB 拡張 244
PIM MIB 拡張の利点 244
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の方法 245
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
xii
目次
マルチキャスト ピア、パケット レート、および損失情報を表示し、パスを追跡す
る 245
IP マルチキャスト システムおよびネットワーク統計情報の表示 246
IP マルチキャスト ルーティング テーブルまたはキャッシュのクリア 247
IP マルチキャスト ハート ビートを使用した IP マルチキャスト配信のモニタリン
グ 249
SAP リスナーを使用したマルチキャスト マルチメディア セッションのアドバタイ
ズ 250
IP マルチキャストの高速スイッチングのディセーブル化 252
IP マルチキャストに対する PIM MIB 拡張のイネーブル化 253
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の設定例 255
IP マルチキャスト システムおよびネットワーク統計情報の表示例 255
IP マルチキャスト ハート ビートを使用した IP マルチキャスト配信のモニタリング
例 256
SAP リスナーを使用したマルチキャスト マルチメディア セッションのアドバタイズ
例 256
IP マルチキャスト システムおよびネットワーク統計情報の表示例 257
例:IP マルチキャストに対する PIM MIB 拡張のイネーブル化例 258
その他の関連資料 259
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の機能情報 260
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード 261
機能情報の確認 261
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードに関する情報 261
プロトコル独立マルチキャスト 261
PIM スパース モード 262
指定ルータ 263
ランデブー ポイント 264
PIM 共有ツリーおよび送信元ツリー(最短パス ツリー) 265
リバース パス転送 266
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードの設定方法 267
IPv6 マルチキャスト ルーティングのイネーブル化 267
PIM-SM の設定およびグループ範囲の PIM-SM 情報の表示 268
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
xiii
目次
PIM オプションの設定 270
PIM トラフィック カウンタのリセット 272
指定したインターフェイスでの IPv6 PIM のオフ 273
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードの設定例 274
例:IPv6 マルチキャスト ルーティングのイネーブル化 274
例:PIM の設定 274
例:IPv6 PIM トポロジ情報の表示 274
例:グループ範囲の PIM-SM 情報の表示 275
例:PIM オプションの設定 276
例:PIM トラフィック情報の表示 276
その他の関連資料 276
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードに関する機能情報 278
IPv6 マルチキャスト:IPv6 のスタティック マルチキャスト ルーティング 281
機能情報の確認 281
IPv6 スタティック mroute について 282
IPv6 スタティック マルチキャスト ルートの設定方法 282
スタティック mroute の設定 282
IPv6 スタティック マルチキャスト ルートの設定例 284
例:スタティック mroute の設定 284
その他の関連資料 284
IPv6 マルチキャストの機能情報:IPv6 のスタティック マルチキャスト ルーティン
グ 286
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast 287
機能情報の確認 287
IPv6 マルチキャストの前提条件:PIM Source-Specific Multicast 288
IPv6 マルチキャストについて:PIM Source-Specific Multicast 288
IPv6 マルチキャスト ルーティングの実装 288
プロトコル独立マルチキャスト 289
PIM 送信元固有マルチキャスト 289
PIM 共有ツリーおよび送信元ツリー(最短パス ツリー) 290
リバース パス転送 291
IPv6 マルチキャストの設定方法:PIM Source-Specific Multicast 292
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
xiv
目次
PIM オプションの設定 292
PIM トラフィック カウンタのリセット 294
PIM トポロジ テーブルをクリアすることによる MRIB 接続のリセット 295
IPv6 マルチキャストの設定例:PIM Source-Specific Multicast 297
例:IPv6 PIM トポロジ情報の表示 297
例:Join/Prune 集約の設定 297
例:PIM トラフィック情報の表示 297
その他の関連資料 298
IPv6 マルチキャストの機能情報:PIM Source-Specific Multicast 299
IPv6 Source Specific Multicast マッピング 301
機能情報の確認 301
IPv6 Source Specific Multicast マッピングについて 301
IPv6 Source Specific Multicast マルチキャスト マッピングの設定方法 302
IPv6 SSM の設定 302
IPv6 Source Specific Multicast マッピングの設定例 304
例:IPv6 SSM マッピング 304
その他の関連資料 304
IPv6 Source Specific Multicast マッピングの機能情報 305
IPv6 マルチキャスト:受信側の明示的トラッキング 307
機能情報の確認 307
IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングについて 308
受信側の明示的トラッキング 308
IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングの設定方法 308
受信側の明示的トラッキングによってホストの動作を追跡するための設定 308
IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングの設定例 309
例:受信側の明示的トラッキングの設定 309
その他の関連資料 309
IPv6 マルチキャストに関する機能情報:受信側の明示的トラッキング 311
IPv6 双方向 PIM 313
機能情報の確認 313
IPv6 双方向 PIM の制約事項 313
IPv6 双方向 PIM について 314
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
xv
目次
双方向 PIM 314
IPv6 双方向 PIM の設定方法 314
双方向 PIM の設定および双方向 PIM 情報の表示 314
IPv6 双方向 PIM の設定例 316
例:双方向 PIM の設定および双方向 PIM 情報の表示 316
その他の関連資料 316
IPv6 双方向 PIM に関する機能情報 317
IPv6 PIM パッシブ モード 319
機能情報の確認 319
IPv6 PIM パッシブ モードに関する情報 319
IPv6 PIM パッシブ モードの設定方法 320
その他の関連資料 321
IPv6 PIM パッシブの機能情報 322
IPv6 マルチキャスト:ルーティング可能アドレスの hello オプション 325
機能情報の確認 325
ルーティング可能アドレスの hello オプションについて 326
IPv6 マルチキャストの設定方法:ルーティング可能アドレスの hello オプション 326
ルーティング可能アドレスの hello オプションの設定 326
ルーティング可能アドレスの hello オプションの設定例 327
その他の関連資料 328
IPv6 マルチキャストの機能情報:ルーティング可能アドレスの hello オプション 329
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
xvi
第
1
章
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
IP マルチキャストは、単一の情報ストリームを何千もの潜在的な企業および家庭に同時に配信す
ることによってトラフィックを削減する帯域幅節約テクノロジーです。 マルチキャストを利用
するアプリケーションには、ビデオ会議、企業コミュニケーション、通信教育、およびソフト
ウェア、株価情報、ニュースの配信などが含まれます。
この章では、IP マルチキャストの技術的概要を説明します。 IP マルチキャストは、ネットワー
ク リソース(特に、音声やビデオなどの帯域幅集約型サービス)を効率的に使用する方法です。
IP マルチキャストの設定を開始する前に、このモジュールに示す情報を理解することが重要で
す。
• 機能情報の確認, 1 ページ
• IP マルチキャスト テクノロジーに関する情報, 2 ページ
• 次の作業, 25 ページ
• その他の関連資料, 25 ページ
• IP マルチキャスト テクノロジーの機能情報の概要, 26 ページ
• 用語集, 27 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
1
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
IP マルチキャスト テクノロジーに関する情報
IP マルチキャスト テクノロジーに関する情報
情報配信における IP マルチキャストの役割
IP マルチキャストは、単一の情報ストリームを何千もの潜在的な企業および家庭に同時に配信す
ることによってトラフィックを削減する帯域幅節約テクノロジーです。 マルチキャストを利用す
るアプリケーションには、ビデオ会議、企業コミュニケーション、通信教育、およびソフトウェ
ア、株価情報、ニュースの配信などが含まれます。
IP マルチキャスト ルーティングを使用すると、ホスト(送信元)は IP「マルチキャスト グルー
プ アドレス」と呼ばれる特殊な形式の IP アドレスを使用し、IP ネットワーク内の任意の場所に
あるホスト(レシーバー)のグループにパケットを送信できます。 ソースのホストは、マルチ
キャスト グループ アドレスをパケットの宛先 IP アドレス フィールドに挿入します。IP マルチ
キャスト ルータおよびマルチレイヤ スイッチは、受信した IP マルチキャスト パケットを、マル
チキャストグループのメンバにつながるすべてのインターフェイスから転送します。どのホスト
も、グループのメンバであるかどうかにかかわらず、グループに送信できます。 ただし、グルー
プのメンバだけがメッセージを受信します。
マルチキャスト グループの転送方式
IP 通信は、最初の図に示すように、トラフィックの送信側と受信側として機能するホストで構成
されます。 送信側をソースと呼びます。 従来の IP 通信は、別の単一ホスト(ユニキャスト転送)
またはすべてのホスト(ブロードキャスト転送)に送信する単一ホストによって実現されます。
IP マルチキャストは、1 つのホストがすべてのホストのサブセットにパケットを送信できる 3 番
目の方式(マルチキャスト転送)を提供します。 この受信側ホストのサブセットは、マルチキャ
スト グループと呼ばれます。 マルチキャスト グループに属するホストは、グループ メンバと呼
ばれます。
マルチキャストは、このグループの概念に基づいています。マルチキャストグループは、特定の
データ ストリームを受信するためにグループに加入する任意の数のレシーバです。 このマルチ
キャスト グループには、物理的境界または地理的境界はありません。ホストは、インターネット
上または任意のプライベートインターネットワーク内の任意の場所に配置できます。ソースから
特定のグループへのデータの受信に関与するホストは、そのグループに加入する必要があります。
グループへの加入は、インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)を介してホスト レシー
バによって行われます。
マルチキャスト環境では、どのホストも、グループのメンバであるかどうかにかかわらず、グルー
プに送信できます。 ただし、グループのメンバだけがそのグループに送信されたパケットを受信
できます。 IP ユニキャスト パケットと同様、マルチキャスト パケットは、ベストエフォート型
の信頼性を使用してグループに配信されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
2
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
マルチキャスト グループの転送方式
次の図では、レシーバ(指定されたマルチキャスト グループ)はソースからビデオ データ スト
リームを受信します。 これらのレシーバは、ネットワーク内のルータに IGMP ホスト レポートを
送信することによってその意思を示します。 ルータは、ソースからレシーバへのデータ配信を行
います。 ルータは、Protocol Independent Multicast(PIM)を使用して、マルチキャスト配信ツリー
を動的に作成します。 ビデオ データ ストリームは、ソースとレシーバの間のパスにあるネット
ワーク セグメントだけに配信されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
3
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
IP マルチキャスト ルーティング プロトコル
IP マルチキャスト ルーティング プロトコル
ソフトウェアでは、IP マルチキャスト ルーティングを実装するため、次のプロトコルがサポート
されています。
• IGMP は、ホストがメンバになっているマルチキャスト グループを追跡するために LAN 上
のホストと LAN 上のルータ間で使用されます。
• プロトコル独立マルチキャスト(PIM)は、相互に転送されるマルチキャスト パケット、お
よび直接接続されている LAN に転送されるマルチキャスト パケットを追跡するためにルー
タ間で使用されます。
• ディスタンス ベクトル マルチキャスト ルーティング プロトコル(DVMRP)は、MBONE
(インターネットのマルチキャスト バックボーン)に使用されます。 ソフトウェアは PIM
と DVMRP の相互作用をサポートします。
• Cisco グループ管理プロトコル(CGMP)は、IGMP によって実行される作業と同様の作業を
実行するために、Catalyst スイッチに接続されたルータ上で使用されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
4
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
IP マルチキャスト グループ アドレッシング
図に、これらのプロトコルが動作する IP マルチキャスト環境内の位置を示します。
図 1:IP マルチキャスト ルーティング プロトコル
IP マルチキャスト グループ アドレッシング
マルチキャスト グループは、マルチキャスト グループ アドレスによって識別されます。 マルチ
キャスト パケットは、そのマルチキャスト グループ アドレスに送信されます。 単一のホストを
一意に識別するユニキャスト アドレスとは異なり、マルチキャスト IP アドレスは、特定のホスト
を識別しません。マルチキャストアドレスに送信されたデータを受信するには、ホストは、その
アドレスによって識別されるグループに加入する必要があります。データは、マルチキャストア
ドレスに送信され、そのグループに送信されたトラフィックを受信する意思を示してグループに
加入しているすべてのホストによって受信されます。 マルチキャスト グループ アドレスは、ソー
スでグループに割り当てられます。 マルチキャスト グループ アドレスを割り当てるネットワー
ク管理者は、アドレスが、インターネット割り当て番号局(IANA)によって予約されているマル
チキャスト アドレス範囲の割り当てに準拠していることを確認する必要があります。
IP クラス D アドレス
IP マルチキャスト アドレスは、IANA によって IPv4 クラス D アドレス空間に割り当てられてい
ます。 クラス D アドレスの上位 4 ビットは 1110 です。 したがって、ホスト グループ アドレス
の範囲は 224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 であると考えられます。 マルチキャスト アドレスがソース
(送信側)でマルチキャスト グループの受信先として選択されます。
(注)
クラス D アドレス範囲は、IP マルチキャスト トラフィックのグループ アドレスまたは宛先ア
ドレスだけに使用されます。 マルチキャスト データグラムのソース アドレスは、常にユニ
キャスト ソースアドレスです。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
5
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
IP マルチキャスト アドレスのスコーピング
IP マルチキャスト アドレスのスコーピング
マルチキャスト アドレス範囲は、さまざまなアドレス範囲に対して、およびより小さなドメイン
内でアドレスを再使用する場合に、予測可能な動作を提供するために細分化されています。 表
に、マルチキャストアドレス範囲の概要を示します。それに続いて、各範囲について簡単に説明
します。
表 1:マルチキャスト アドレス範囲の割り当て
名前
範囲
説明
予約済みリンク ローカル アドレス
224.0.0.0 ~ 224.0.0.255
ローカル ネットワーク セグメント上
のネットワークプロトコル用に予約さ
れています。
グローバル スコープ アドレス
224.0.1.0 ~ 238.255.255.255
組織間およびインターネット上でのマ
ルチキャストデータの送信用に予約さ
れています。
Source Specific Multicast
232.0.0.0 ~ 232.255.255.255
明示的にグループに加入している受信
側のみにデータを転送する SSM デー
タグラム配信モデル用に予約されてい
ます。
GLOP アドレス
233.0.0.0 ~ 233.255.255.255
割り当て済みの自律システム(AS)ド
メイン番号をすでに持つ組織によって
静的に定義されるアドレス用に予約さ
れています。
限定スコープ アドレス
239.0.0.0 ~ 239.255.255.255
プライベート マルチキャスト ドメイ
ン用の管理スコープアドレスまたは限
定スコープアドレスとして予約されて
います。
予約済みリンク ローカル アドレス
224.0.0.0 ~ 224.0.0.255 の範囲は、IANA によってローカル ネットワーク セグメント上のネット
ワークプロトコル用に予約されています。この範囲のアドレスを持つパケットのスコープはロー
カルであり、IP ルータによって転送されません。 通常、リンク ローカル宛先アドレスを持つパ
ケットは存続可能時間(TTL)値 1 を使用して送信されるため、ルータによって転送されません。
この範囲内の予約済みリンクローカルアドレスは、それぞれに予約されたネットワークプロトコ
ル機能を提供します。ネットワークプロトコルは、これらのアドレスをルータの自動検出および
重要なルーティング情報の伝達用に使用します。 たとえば、Open Shortest Path First(OSPF)は、
IP アドレス 224.0.0.5 および 224.0.0.6 を使用してリンク ステート情報を交換します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
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IP マルチキャスト テクノロジーの概要
IP マルチキャスト アドレスのスコーピング
IANA は、アドレス範囲 224.0.1.xxx からネットワーク プロトコルまたはネットワーク アプリケー
ションに 1 つのマルチキャスト アドレス要求を割り当てます。 マルチキャスト ルータは、これ
らのマルチキャスト アドレスを転送します。
グローバル スコープ アドレス
224.0.1.0 ~ 238.255.255.255 の範囲のアドレスは、グローバル スコープ アドレスと呼ばれます。
これらのアドレスは、組織間およびインターネット上でのマルチキャスト データの送信に使用し
ます。 これらのアドレスの一部は、IANA によってマルチキャスト アプリケーション用に予約さ
れています。 たとえば、IP アドレス 224.0.1.1 は、ネットワーク タイム プロトコル(NTP)用に
予約されています。
Source Specific Multicast アドレス
232.0.0.0/8 のアドレス範囲は、Source Specific Multicast(SSM)用に予約されています。 Cisco IOS
ソフトウェアでは、ip pim ssm コマンドを使用して任意の IP マルチキャスト アドレスに SSM を
設定することもできます。 SSM は、1 対多の通信で効率的なデータ配信メカニズムを可能にする
Protocol Independent Multicast(PIM)の拡張です。 SSM については、IP マルチキャスト配信モー
ド, (8 ページ)を参照してください。
GLOP アドレス
RFC 2770『GLOP Addressing in 233/8』で提唱されている GLOP アドレッシングでは、予約済みの
AS 番号をすでに持つ組織は、静的に定義するアドレス用に 233.0.0.0/8 の範囲を予約することを推
奨しています。 これは、GLOP アドレッシングと呼ばれます。 ドメインの AS 番号は、233.0.0.0/8
アドレス範囲の 2 番目と 3 番目のオクテットに組み込まれます。 たとえば、AS62010 は 16 進形
式では F23A と記述します。 この 2 つのオクテット F2 および 3A を分割すると、結果は 10 進数
でそれぞれ 242 および 58 となります。 これらの値から 233.242.58.0/24 のサブネットが得られ、
AS62010 用にグローバルに予約されます。
限定スコープ アドレス
239.0.0.0 ~ 239.255.255.255 の範囲のアドレスは、プライベート マルチキャスト ドメイン用の限
定スコープアドレスまたは管理スコープ アドレスとして予約されています。 これらのアドレス
は、ローカルグループまたは組織に使用するように制限されています。会社、大学、およびその
他の組織は、ドメインの外に転送されないローカルマルチキャストアプリケーション用に、限定
スコープ アドレスを使用できます。 通常、このアドレス範囲内のマルチキャスト トラフィック
が自律システム(AS)またはユーザ定義のドメイン外に流出することを防ぐため、ルータにフィ
ルタを設定します。 AS またはドメイン内では、ローカル マルチキャスト境界を定義できるよう
に、限定スコープ アドレス範囲を細分化することもできます。
(注)
ネットワーク管理者は、インターネット上の他のユーザと競合することなく、この範囲のマル
チキャスト アドレスをドメイン内で使用できます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
7
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
レイヤ 2 マルチキャスト アドレス
レイヤ 2 マルチキャスト アドレス
従来、LAN セグメント上のネットワーク インターフェイス カード(NIC)が受信できるのは、
Burned-In MAC Address またはブロードキャスト MAC アドレスを宛先とするパケットに限られて
いました。 IP マルチキャストでは、共通の宛先 MAC アドレスを使用して、複数のホストが単一
のデータ ストリームを受信できる必要があります。 複数のホストが同じパケットを受信する場
合、複数のマルチキャスト グループを区別できるように、何らかの方法を考案する必要がありま
す。 そのための 1 つの方法は、IP マルチキャスト クラス D アドレスを MAC アドレスに直接マッ
ピングすることです。 この方法を使用すると、NIC は多くの異なる MAC アドレスを宛先とする
パケットを受信できます。
Cisco グループ管理プロトコル(CGMP)は、IGMP によって実行される作業と同様の作業を実行
するために、Catalyst スイッチに接続されたルータ上で使用されます。 IP マルチキャスト データ
パケットと IGMP レポート メッセージ(いずれも MAC レベルで同じグループ アドレスにアドレ
ス指定されます)を区別できない Catalyst スイッチの場合、CGMP が必要になります。
IP マルチキャスト配信モード
IP マルチキャスト配信モードは、レシーバ ホストでのみ異なり、ソース ホストでは異なりませ
ん。 ソース ホストは、自身の IP アドレスをパケットの IP ソース アドレスとして、グループ ア
ドレスをパケットの IP 宛先アドレスとして、IP マルチキャスト パケットを送信します。
Any Source Multicast(ASM)
Any Source Multicast(ASM)配信モードでは、IP マルチキャストのレシーバ ホストは、任意の
バージョンの IGMP を使用してマルチキャスト グループに加入できます。 ルーティング テーブ
ル ステート表記では、このグループは G として表記されます。 レシーバ ホストは、このグルー
プに加入することにより、任意のソースからグループ G に送信された IP マルチキャスト トラ
フィックを受信する意思を示します。 ネットワークは、宛先アドレス G を持つ任意のソース ホ
ストから送信された IP マルチキャスト パケットを、グループ G に加入しているネットワーク内
のすべてのレシーバ ホストに配信します。
ASM では、ネットワーク内でグループ アドレスを割り当てる必要があります。 常に、ASM グ
ループは、1 つのアプリケーションでのみ使用される必要があります。 2 つのアプリケーション
が同じ ASM グループを同時に使用する場合は、両方のアプリケーションのレシーバ ホストが両
方のアプリケーションソースからトラフィックを受信します。その結果、ネットワーク内で予期
しない過剰なトラフィックが生成される場合があります。この状況では、ネットワークリンクの
輻輳およびアプリケーションのレシーバ ホストの誤動作が発生する可能性があります。
Source Specific Multicast
Source Specific Multicast(SSM)は、ブロードキャスト アプリケーションとしても知られる 1 対多
アプリケーションをサポートする最善のデータグラム配信モデルです。SSMは、オーディオおよ
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
8
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
プロトコル独立マルチキャスト
びビデオのブロードキャスト アプリケーション環境を対象としたシスコの IP マルチキャスト実装
の中核的なネットワーク テクノロジーです。
SSM 配信モードでは、IP マルチキャストのレシーバ ホストは、IGMP バージョン 3(IGMPv3)を
使用してチャネル(S, G)にサブスクライブする必要があります。 レシーバ ホストは、このチャ
ネルにサブスクライブすることにより、ソース ホスト S からグループ G に送信された IP マルチ
キャスト トラフィックを受信する意思を示します。 ネットワークは、ソース ホスト S からグルー
プ G に送信された IP マルチキャスト パケットを、チャネル (S, G) にサブスクライブしているネッ
トワーク内のすべてのホストに配信します。
SSM では、ネットワーク内でグループ アドレスを割り当てる必要はありません。各ソース ホス
ト内で割り当てるだけです。同じソースホストで実行されている異なるアプリケーションは、異
なる SSM グループを使用する必要があります。 異なるソース ホストで実行されている異なるア
プリケーションは、ネットワーク上で過剰なトラフィックを発生させることなく、任意にSSMグ
ループ アドレスを再利用できます。
プロトコル独立マルチキャスト
プロトコル独立マルチキャスト(PIM)プロトコルは、レシーバによって開始されたメンバーシッ
プの現在の IP マルチキャスト サービス モードを維持します。 PIM は、特定のユニキャスト ルー
ティング プロトコルには依存しません。これは、IP ルーティング プロトコルに依存せず、Enhanced
Interior Gateway Routing Protocol(EIGRP)、Open Shortest Path First(OSPF)、Border Gateway
Protocol(BGP)、スタティック ルートなど、ユニキャスト ルーティング テーブルに入力するた
めに使用されるユニキャスト ルーティング プロトコルをすべて利用できます。 PIM は、ユニキャ
スト ルーティング情報を使用してマルチキャスト転送機能を実行します。
PIM はマルチキャスト ルーティング プロトコルと呼ばれますが、実際は完全な非依存型のマルチ
キャスト ルーティング テーブルを構築するのではなく、ユニキャスト ルーティング テーブルを
使用してリバース パス転送(RPF)チェック機能を実行します。 他のルーティング プロトコルと
は異なり、PIM は、ルータ間のルーティング アップデートを送受信しません。
PIM は、RFC 2362『Protocol-Independent Multicast-Sparse Mode (PIM-SM): Protocol Specification』で
定義されています。
PIM は、デンス モードまたはスパース モードで動作できます。 ルータは、スパース グループと
デンスグループの両方を同時に処理できます。これらのモードは、ルータによるマルチキャスト
ルーティング テーブルの書き込み方法と、ルータが直接接続された LAN から受信したマルチキャ
スト パケットの転送方法を決定します。
PIM の転送(インターフェイス)モードについては、次の項を参照してください。
PIM デンス モード(PIM-DM)
PIM デンス モード(PIM-DM)は、プッシュ モデルを使用してマルチキャスト トラフィックを
ネットワークの隅々にまでフラッディングします。このプッシュモデルは、データを要求するレ
シーバを使用せずにデータをレシーバに配信するための方式です。 この方式は、ネットワークの
あらゆるサブネットにアクティブなレシーバが存在する特定の配置には効率的です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
9
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
プロトコル独立マルチキャスト
デンスモードでは、ルータは、他のすべてのルータが特定のグループのマルチキャストパケット
の転送を求めていると想定します。あるルータがマルチキャストパケットを受信した場合、直接
接続されたメンバまたは PIM ネイバーが存在しないときは、ソースにプルーニング メッセージが
返送されます。 後続のマルチキャスト パケットは、このプルーニングされたブランチ上のこの
ルータにはフラッディングされません。 PIM は、ソース ベースのマルチキャスト配信ツリーを構
築します。
PIM-DM は最初に、ネットワーク全体にマルチキャスト トラフィックをフラッディングします。
ダウンストリームネイバーを持たないルータは、不要なトラフィックをプルーニングします。こ
のプロセスは 3 分ごとに繰り返されます。
ルータはフラッディングおよびプルーニングメカニズムを通じてデータストリームを受信するこ
とにより、ステート情報を蓄積します。 これらのデータ ストリームには、ダウンストリーム ルー
タがマルチキャスト転送テーブルを構築できるように、ソースおよびグループの情報が含まれま
す。 PIM-DM ではソース ツリー、つまり(S, G)エントリしかサポートされないので、共有配信
ツリーは作成できません。
(注)
デンス モードはあまり使用されないため、使用は推奨されていません。 このため、関連モ
ジュールの設定作業では指定しません。
PIM スパース モード
PIM スパース モード(PIM-SM)は、プル モデルを使用してマルチキャスト トラフィックを配信
します。明示的にデータを要求したアクティブなレシーバを含むネットワークセグメントだけが
トラフィックを受信します。
デンスモードのインターフェイスと異なり、スパースモードのインターフェイスは、ダウンスト
リームのルータから定期的に加入メッセージを受信する場合またはインターフェイスに直接接続
のメンバがある場合のみマルチキャスト ルーティング テーブルに追加されます。 LAN から転送
する場合、グループが認識している RP があれば、SM 動作が行われます。 その場合、パケットは
カプセル化され、その RP に送信されます。 認識している RP がなければ、パケットは DM 方式
でフラッディングされます。 特定のソースからのマルチキャスト トラフィックが十分である場
合、レシーバのファースト ホップ ルータは、ソース ベースのマルチキャスト配信ツリーを構築
するために加入メッセージをソースに向けて送信できます。
PIM-SM は、共有ツリー上のデータ パケットを転送することによって、アクティブな送信元に関
する情報を配布します。 PIM-SM は少なくとも最初は共有ツリーを使用するので、ランデブー ポ
イント(RP)を使用する必要があります。 RP は管理上メットワークで設定されている必要があ
ります。 詳細については、ランデブー ポイント, (14 ページ)を参照してください。
スパース モードでは、ルータは、トラフィックに対する明示的な要求がない限り、他のルータは
グループのマルチキャスト パケットを転送しないと見なします。 ホストがマルチキャスト グルー
プに加入すると、直接接続されたルータは RP に PIM 加入メッセージを送信します。 RP はマル
チキャスト グループを追跡します。 マルチキャスト パケットを送信するホストは、そのホスト
のファースト ホップ ルータによって RP に登録されます。 その後、RP は、ソースに加入メッセー
ジを送信します。この時点で、パケットが共有配信ツリー上で転送されます。特定のソースから
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
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IP マルチキャスト テクノロジーの概要
プロトコル独立マルチキャスト
のマルチキャスト トラフィックが十分である場合、ホストのファースト ホップ ルータは、ソー
ス ベースのマルチキャスト配信ツリーを構築するために加入メッセージをソースに向けて送信で
きます。
ソースが RP に登録すると、データは共有ツリーを下方向に転送され、レシーバに到達します。
エッジ ルータは、RP を介してソースから共有ツリーでデータ パケットを受信するときに、その
ソースについて学習します。 次に、エッジ ルータは、そのソースに向けて PIM (S, G)加入メッ
セージを送信します。 リバース パスに沿った各ルータは、RP アドレスのユニキャスト ルーティ
ング メトリックをソース アドレスのメトリックと比較します。 ソース アドレスのメトリックの
方が良い場合は、ソースに向けて PIM(S, G)加入メッセージを転送します。 RP のメトリックと
同じ、または RP のメトリックの方が良い場合は、RP と同じ方向に PIM (S, G)加入メッセージが
送信されます。 この場合、共有ツリーとソース ツリーは一致すると見なされます。
共有ツリーがソースとレシーバの間の最適なパスでない場合、ルータは動的にソース ツリーを作
成し、共有ツリーの下方向へのトラフィックフローを停止します。この動作は、ソフトウェアの
デフォルトの動作です。 ネットワーク管理者は、ip pim spt-threshold infinity コマンドを使用し
て、トラフィックを強制的に共有ツリー上で保持することができます。
PIM-SM は、WAN リンク付きのネットワークを含む、任意のサイズのネットワークに合わせて拡
大または縮小します。 明示的な加入メカニズムによって、不要なトラフィックが WAN リンクで
フラッディングするのを防ぎます。
スパース-デンス モード
インターフェイス上でスパースモードまたはデンスモードを設定すると、そのインターフェイス
全体にスパース性またはデンス性が適用されます。 ただし、環境によっては、単一リージョン内
の一部のグループについては PIM をスパース モードで実行し、残りのグループについてはデンス
モードで実行しなければならない場合があります。
デンス モードだけ、またはスパース モードだけをイネーブルにする代わりに、スパース-デンス
モードをイネーブルにできます。この場合、グループがデンスモードであればインターフェイス
はデンスモードとして処理され、グループがスパースモードであればインターフェイスはスパー
ス モードとして処理されます。 インターフェイスがスパース-デンス モードである場合にグルー
プをスパース グループとして処理するには、RP が必要です。
スパース-デンス モードを設定すると、ルータがメンバになっているグループにスパース性または
デンス性の概念が適用されます。
スパース-デンス モードのもう 1 つの利点は、Auto-RP 情報をデンス モードで配信しながら、ユー
ザ グループのマルチキャスト グループをスパース モード方式で使用できることです。 したがっ
て、リーフ ルータ上にデフォルト RP を設定する必要はありません。
インターフェイスがデンス モードで処理される場合、次のいずれかの条件が満たされると、その
インターフェイスはマルチキャスト ルーティング テーブルの発信インターフェイス リストに追
加されます。
• インターフェイス上にメンバまたは DVMRP ネイバーが存在する。
• PIM ネイバーが存在し、グループがプルーニングされていない。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
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IP マルチキャスト テクノロジーの概要
マルチキャスト グループ モード
インターフェイスがスパース モードで処理される場合、次のいずれかの条件が満たされると、そ
のインターフェイスはマルチキャスト ルーティング テーブルの発信インターフェイス リストに
追加されます。
• インターフェイス上にメンバまたは DVMRP ネイバーが存在する。
• インターフェイス上の PIM ネイバーが明示的な加入メッセージを受信した。
双方向 PIM
双方向 PIM(Bidir-PIM)は、個々の PIM ドメイン内での効率的な多対多通信用に設計された PIM
プロトコルの拡張機能です。双方向モードのマルチキャストグループは、追加オーバーヘッドを
最小限に抑えながら、任意の数のソースに対応できます。
PIM スパース モードで作成される共有ツリーは単方向性です。 これは、データ ストリームが RP
(共有ツリーのルート)にもたらされるようにソース ツリーを作成する必要があることを意味し
ます。これにより、データ ストリームはブランチを下方向に転送され、レシーバに到達できま
す。 ソースのデータは、共有ツリーの上方向にある RP に向かって流れることはできません。こ
れは、双方向共有ツリーと見なされます。
双方向モードでは、トラフィックは、グループの RP をルートとする双方向共有ツリーに沿って
のみ、ルーティングされます。 Bidir-PIM では、RP の IP アドレスは、すべてのルータがその IP
アドレスをルートとするループフリーのスパニングツリー トポロジを確立するうえで重要な役割
を果たします。 この IP アドレスはルータ アドレスである必要はなく、PIM ドメイン内のどこか
らでも到達可能なネットワーク上の任意の未割り当て IP アドレスを使用できます。
Bidir-PIM は PIM スパース モード(PIM-SM)のメカニズムから派生しており、共有ツリー動作の
多くを共有します。 Bidir-PIM にも、共有ツリーのアップストリームにある RP に向けてソース ト
ラフィックを無条件に転送する機能がありますが、PIM-SM のようなソースの登録プロセスはあ
りません。 これらの変更は、すべてのルータで (*, G) マルチキャスト ルーティング エントリだけ
に基づいてトラフィックを転送できるようにするには、必要にして十分なものです。 この機能で
は、ソース固有のステートは不要であり、スケーリング機能を使用して任意の数のソースに対応
できます。
マルチキャスト グループ モード
PIM では、マルチキャスト グループのパケット トラフィックは、そのマルチキャスト グループ
のために設定されたモードのルールに従ってルーティングされます。 PIM の Cisco 実装は、マル
チキャスト グループ用に次の 4 つのモードをサポートしています。
• PIM 双方向モード
• PIM スパース モード
• PIM デンス モード
• PIM Source Specific Multicast(SSM)モード
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
12
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
マルチキャスト グループ モード
ルータは、異なるマルチキャスト グループに対して、4 つのモードすべて、またはそれらの任意
の組み合わせを同時にサポートできます。
双方向モード
双方向モードでは、トラフィックは、グループのランデブー ポイント(RP)をルートとする双方
向共有ツリーに沿ってのみ、ルーティングされます。 Bidir-PIM では、RP の IP アドレスは、すべ
てのルータがその IP アドレスをルートとするループフリーのスパニングツリー トポロジを確立す
るうえで重要な役割を果たします。 この IP アドレスはルータである必要はなく、PIM ドメイン内
のどこからでも到達可能なネットワーク上の任意の未割り当て IP アドレスを使用できます。 この
技術は、Bidir-PIM の冗長 RP 設定を確立するための優先設定方式です。
双方向グループに対するメンバーシップは、明示的な加入メッセージを通じて伝えられます。
ソースからのトラフィックは、無条件で、共有ツリーの上方向にある RP に向けて送信され、ツ
リーの下方向にある各ブランチ上のレシーバに渡されます。
スパース モード
スパース モード動作は 1 つの単方向共有ツリーを中心としており、そのルート ノードは Rendezvous
Point(RP)と呼ばれます。 マルチキャスト トラフィックが RP 経由で共有ツリーを下方向に流れ
るためには、ソースが RP に登録する必要があります。 この登録プロセスでは、ネットワーク内
のグループにアクティブなレシーバが存在すると、実際に RP によって最短パス ツリー(SPT)加
入がソースに向けてトリガーされます。
スパース モード グループは、明示的な相互運用加入モデルを使用します。 レシーバ ホストは、
ランデブー ポイント(RP)でグループに加入します。 異なるグループは、異なる RP を持つ可能
性があります。
マルチキャストトラフィックパケットは、共有ツリーを下方向へ流れ、トラフィックの受信を明
示的に求めたレシーバだけに到達します。
デンス モード
デンスモードは、ブロードキャスト(フラッディング)およびプルーニングモデルを使用して動
作します。
マルチキャスト ルーティング テーブルに値を入力する際には、デンス モード インターフェイス
が常にテーブルに追加されます。 マルチキャスト トラフィックは、発信インターフェイス リス
ト内のすべてのインターフェイスからすべてのレシーバへ転送されます。 インターフェイスは、
プルーニングと呼ばれるプロセスで発信インターフェイス リストから削除されます。 デンス モー
ドでは、直接接続されたレシーバが存在しないなど、さまざまな理由でインターフェイスがプルー
ニングされます。
プルーニングされたインターフェイスは再構築が可能です。つまり、マルチキャスト トラフィッ
クのフローを最小限の遅延で再開できるように再接合できます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
13
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
ランデブー ポイント
ランデブー ポイント
ランデブー ポイント(RP)は、デバイスが Protocol Independent Multicast(PIM)のスパース モー
ド(SM)で動作しているときに実行する役割です。 RP が必要になるのは、PIM SM を実行して
いるネットワークだけです。 PIM SM モデルでは、マルチキャスト データを明示的に要求したア
クティブなレシーバを含むネットワークセグメントだけにトラフィックが転送されます。マルチ
キャスト データを配信するこの方法は、PIM デンス モード(PIM-DM)とは対照的です。 PIM
DM では、マルチキャスト トラフィックは、最初にネットワークのすべてのセグメントにフラッ
ディングされます。 ダウンストリーム ネイバーを持たないルータやレシーバに直接接続された
ルータは、不要なトラフィックをプルーニングします。
RP は、マルチキャスト データのソースとレシーバの接点として機能します。 PIM-SM ネットワー
クでは、ソースは RP にトラフィックを送信する必要があります。 このトラフィックは、それか
ら共有配信ツリーを下ってレシーバに転送されます。 デフォルトでは、レシーバのファースト
ホップ デバイスは、ソースを認識すると、ソースに加入メッセージを直接送信し、ソースからレ
シーバへのソース ベースの配信ツリーを作成します。 ソースとレシーバ間の最短パス内に RP が
存在しない限り、このソース ツリーには RP は含まれません。
ほとんどの場合、ネットワークにおける RP の配置は複雑な判断を必要としません。 デフォルト
では、RP が必要になるのは、ソースおよびレシーバとの新しいセッションを開始する場合だけで
す。 その結果、RP では、トラフィックのフローまたは処理によるオーバーヘッドはほとんど発
生しません。 PIM バージョン 2 では、ステートを作成する RP にソースが定期的に登録するだけ
なので、RP が実行する処理は PIM バージョン 1 より少なくなります。
Auto-RP
PIM-SM の最初のバージョンでは、すべてのリーフ ルータ(ソースまたはレシーバに直接接続さ
れたルータ)は、RP の IP アドレスを使用して手動で設定する必要がありました。 このような設
定は、スタティック RP 設定とも呼ばれます。 スタティック RP の設定は、小規模のネットワーク
では比較的容易ですが、大規模で複雑なネットワークでは困難を伴う可能性があります。
PIM-SM バージョン 1 の導入に続き、シスコは、Auto-RP 機能を備えた PIM-SM のバージョンを実
装しました。 Auto-RP は、PIM ネットワークにおけるグループから RP へのマッピングの配信を
自動化します。 Auto-RP には、次の利点があります。
• さまざまなグループにサービスを提供するために、ネットワーク内で複数の RP を設定する
ことが比較的容易です。
• Auto-RP を使用すると、複数の RP 間で負荷を分散し、グループに加入するホストの場所に
従って RP を配置できます。
• Auto-RP により、接続の問題の原因となる、矛盾した手動 RP 設定を回避できます。
複数の RP を使用して、異なるグループ範囲にサービスを提供したり、互いにバックアップとし
ての役割を果たしたりできます。 Auto-RP が機能するためには、RP 通知メッセージを RP から受
信して競合を解決する RP マッピング エージェントとしてルータが指定されている必要がありま
す。 その後、RP マッピング エージェントは、グループから RP への一貫したマッピングを他のす
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
14
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
ランデブー ポイント
べてのルータに送信するようになります。 これにより、すべてのルータは、サポート対象のグ
ループに使用する RP を自動的に検出します。
(注)
PIM をスパース モードまたはデンス モードに設定し、Auto-RP を設定しない場合は、RP を静
的に設定する必要があります。
(注)
ルータ インターフェイスがスパース モードに設定されている場合、Auto-RP グループに対し
てすべてのルータが 1 つのスタティック アドレスで設定されているときは、引き続き Auto-RP
グループを使用できます。
Auto-RP が機能するためには、RP 通知メッセージを RP から受信して競合を解決する RP マッピ
ング エージェントとしてルータが指定されている必要があります。 その後、RP マッピング エー
ジェントは、デンス モード フラッディングにより、グループから RP への一貫したマッピングを
他のすべてのルータに送信するようになります。 これにより、すべてのルータは、サポート対象
のグループに使用する RP を自動的に検出します。 インターネット割り当て番号局(IANA)は、
224.0.1.39 と 224.0.1.40 という 2 つのグループ アドレスを Auto-RP 用に割り当てています。 Auto-RP
の利点の 1 つは、指定した RP に対するすべての変更は、RP であるルータ上で設定するだけで、
リーフ ルータ上で設定する必要がないことです。 Auto-RP のもう 1 つの利点は、ドメイン内で RP
アドレスのスコープを設定する機能を提供することです。 スコーピングを設定するには、Auto-RP
アドバタイズメントに許容されている存続可能時間(TTL)値を定義します。
RP の各設定方式には、それぞれの長所、短所、および複雑度のレベルがあります。 従来の IP マ
ルチキャスト ネットワーク シナリオにおいては、Auto-RP を使用して RP を設定することを推奨
します。Auto-RP は、設定が容易で、十分にテストされており、安定しているためです。 代わり
の方法として、スタティック RP、Auto-RP、およびブートストラップ ルータを使用して RP を設
定することもできます。
Auto-RP のスパース-デンス モード
Auto-RP の前提条件は、ip pim sparse-dense-mode インターフェイス コンフィギュレーション コマ
ンドを使用して、すべてのインターフェイスをスパース - デンス モードで設定する必要があるこ
とです。 スパース-デンス モードで設定されたインターフェイスは、マルチキャスト グループの
動作モードに応じてスパース モードまたはデンス モードで処理されます。 マルチキャスト グルー
プ内に既知の RP が存在する場合、インターフェイスはスパース モードで処理されます。 グルー
プ内に既知の RP が存在しない場合、デフォルトでは、インターフェイスはデンス モードで処理
され、このインターフェイス上にデータがフラッディングされます (デンス モード フォールバッ
クを回避することもできます。「基本的な IP マルチキャスト設定」モジュールを参照してくださ
い)。
Auto-RP を正常に実装し、224.0.1.39 および 224.0.1.40 以外のグループがデンス モードで動作する
ことを回避するには、「シンク RP」(「ラスト リゾート RP」とも呼ばれます)を設定すること
を推奨します。 シンク RP は、ネットワーク内に実際に存在するかどうかわからない静的に設定
された RP です。 デフォルトでは、Auto-RP メッセージはスタティック RP 設定よりも優先される
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
15
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
ランデブー ポイント
ため、シンク RP の設定は Auto-RP の動作と干渉しません。 未知のソースや予期しないソースを
アクティブにできるため、ネットワーク内の可能なすべてのマルチキャスト グループにシンク RP
を設定することを推奨します。 ソースの登録を制限するように設定された RP がない場合は、グ
ループがデンス モードに戻り、データがフラッディングされる可能性があります。
BSR
PIM-SM バージョン 2 では、Auto-RP に続いてブートストラップ ルータ(BSP)と呼ばれるもう 1
つの RP 選択モデルが導入されました。 BSR は、RP 機能およびグループの RP 情報のリレーに候
補ルータを使用するという点において Auto-RP と同様に動作します。 RP 情報は、PIM メッセー
ジ内で伝送される BSR メッセージを通じて配信されます。 PIM メッセージは、PIM ルータから
PIM ルータに送信されるリンクローカル マルチキャスト メッセージです。 RP 情報を広めるこの
シングル ホップ方式のために、TTL スコーピングは BSR と一緒に使用できません。 デンス モー
ド動作に戻るというリスクを冒さないこと、およびドメイン内でスコープ設定機能を提供しない
ことを除いて、BSR は RP と同様に動作します。
Multicast Source Discovery Protocol
PIM スパース モード モデルでは、マルチキャスト ソースおよびレシーバはローカルのランデブー
ポイント(RP)に登録する必要があります。 実際には、ソースまたはレシーバに最も近いルータ
が RP に登録しますが、注目すべき重要点は、RP が特定のグループのすべてのソースおよびレシー
バを認識していることです。 他のドメインの RP が他のドメインに存在するソースについて知る
方法はありません。 Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)は、この問題を解決するための
洗練された手段です。
MSDP は、アクティブなソースに関する情報を RP が共有できるようにするメカニズムです。 RP
は、ローカル ドメイン内のレシーバを認識しています。 リモート ドメインの RP は、アクティブ
なソースについてヒアリングすると、その情報をそれぞれのローカル レシーバに渡すことができ
ます。 その後、ドメイン間でマルチキャスト データを転送できるようになります。 MSDP の便
利な機能は、他のドメインに依存しない独自の RP を各ドメインが維持することは許可するが、
RP がドメイン間でトラフィックを転送することは許可しないことです。 マルチキャスト ドメイ
ン間でのトラフィックの転送には、PIM-SM が使用されます。
各ドメインの RP は、TCP 接続を使用して、他のドメインの RP または他のドメインに接続する境
界ルータとの MSDP ピアリング セッションを確立します。 RP は、(正規の PIM 登録メカニズム
を通じて)自身のドメイン内にある新しいマルチキャスト ソースについて知ると、Source-Active
(SA)メッセージの最初のデータ パケットをカプセル化し、その SA をすべての MSDP ピアに送
信します。 各受信側ピアは、相互接続されたネットワーク(理論的には、マルチキャスト イン
ターネット全体)内のすべての MSDP ルータに SA が到達するまで、修正されたリバース パス転
送(RPF)チェックを使用して SA を転送します。 受信側の MSDP ピアが RP であり、その RP に
SA 内のグループに対する (*, G) エントリがある(該当する受信先が存在する)場合、RP はソー
スに対して (S, G) ステートを作成し、ソースの最短パス ツリーに加入します。 このカプセル化さ
れたデータはカプセル化解除され、その RP の共有ツリーを下方向に転送されます。 ラスト ホッ
プルータ(レシーバに最も近いルータ)は、マルチキャストパケットを受信すると、ソースへの
最短パス ツリーに加入できるようになります。 MSDP スピーカーは、その RP のドメイン内のす
べてのソースを含む SA を定期的に送信します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
16
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
ランデブー ポイント
MSDP は、インターネット サービス プロバイダー(ISP)間のピアリングを実現するために開発
されました。 ISP は、競合する ISP によって管理された RP に依存して顧客にサービスを提供する
ことを望んでいませんでした。 MSDP により、各 ISP は独自のローカル RP を持ちながら、イン
ターネットに対してマルチキャスト トラフィックを送受信できます。
エニーキャスト RP
エニーキャスト RP は、MSDP の有益な応用です。 本来、MSDP は、ドメイン間マルチキャスト
アプリケーション用に開発されたものですが、冗長性および負荷分散機能を提供するドメイン間
機能としてエニーキャスト RP にも使用されます。 エンタープライズ カスタマーは、通常、単一
のマルチキャスト ドメイン内の耐障害性要件を満たすために、エニーキャスト RP を使用して
Protocol Independent Multicast スパース モード(PIM-SM)ネットワークを設定します。
エニーキャスト RP では、ループバック インターフェイス上で同じ IP アドレスを使用して複数の
RP を設定します。 エニーキャスト RP ループバック アドレスは、32 ビット マスクを使用して設
定し、ホスト アドレスにする必要があります。 すべてのダウンストリーム ルータは、このエニー
キャスト RP ループバック アドレスがローカル RP の IP アドレスであることを認識するように設
定する必要があります。 IP ルーティングでは、トポロジ的に最も近い RP が各ソースおよびレシー
バに自動的に選択されます。 ソースはネットワークの周囲に等間隔に配置されていると仮定する
と、各 RP には同数のソースが登録されます。 つまり、ソースを登録するプロセスは、ネットワー
ク内のすべての RP によって均等に共有されます。
ソースは 1 つの RP に登録でき、レシーバは異なる RP に加入できるため、RP にはアクティブな
ソースに関する情報を交換するための手段が必要です。 この情報の交換は、MSDP を使用して行
われます。
エニーキャスト RP では、すべての RP が互いに MSDP ピアになるように設定されます。 ソース
が 1 つの RP に登録すると、特定のマルチキャスト グループにアクティブなソースが存在するこ
とを通知する SA メッセージが他の RP に送信されます。 その結果、各 RP は、他の RP のエリア
内に存在するアクティブなソースを認識します。 いずれかの RP で障害が発生すると、IP ルーティ
ングが収束し、他の RP のいずれかが複数のエリアのアクティブ RP になります。 新しいソース
は、バックアップ RP に登録します。 レシーバはこれらの新しい RP に加入し、接続が維持されま
す。
(注)
RP は、通常、ソースおよびレシーバとの新しいセッションを開始するためだけに必要になり
ます。 RP は、ソースとレシーバがマルチキャスト データ フローを直接確立できるように、
共有ツリーを支援します。 すでにソースとレシーバの間にマルチキャスト データ フローが確
立されている場合、そのセッションは RP 障害による影響を受けません。 エニーキャスト RP
を使用すると、いつでもソースおよびレシーバとの新しいセッションを開始できます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
17
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
マルチキャスト転送
マルチキャスト転送
マルチキャストトラフィックの転送は、マルチキャスト対応ルータによって行われます。このよ
うなルータは、すべてのレシーバにトラフィックを配信するために、IP マルチキャストがネット
ワーク上でたどるパスを制御する配信ツリーを作成します。
マルチキャスト トラフィックは、すべてのソースをグループ内のすべてのレシーバに接続する配
信ツリー上で、ソースからマルチキャストグループに流れます。このツリーは、すべてのソース
で共有できます(共有ツリー)。または、各ソースに個別の配信ツリーを作成することもできま
す(ソース ツリー)。 共有ツリーは一方向または双方向です。
ソース ツリーと共有ツリーの構造を説明する前に、マルチキャスト ルーティング テーブルで使
用する表記について触れておきます。 これらの表記には次のものが含まれます。
• (S, G) = (マルチキャスト グループ G のユニキャスト ソース, マルチキャスト グループ G)
• (*, G) = (マルチキャスト グループ G のすべてのソース, マルチキャスト グループ G)
(S, G) という表記(「S カンマ G」と読みます)は、最短パス ツリーの列挙です。S はソースの
IP アドレス、G はマルチキャスト グループ アドレスを表します。
共有ツリーは (*, G) で表されます。ソース ツリーは (S, G) で表され、常にソースでルーティング
されます。
マルチキャスト配信のソース ツリー
マルチキャスト配信ツリーの最も単純な形式は、ソース ツリーです。 ソース ツリーは、ソース
ホストをルートとし、ネットワークを介してレシーバに接続するスパニングツリーを形成するブ
ランチを持ちます。このツリーはネットワーク上での最短パスを使用するため、最短パスツリー
(SPT)とも呼ばれます。
図に、ソース(ホスト A)をルートとし、2 つのレシーバ(ホスト B およびホスト C)に接続す
るグループ 224.1.1.1 の SPT の例を示します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
18
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
マルチキャスト転送
標準表記を使用すると、図の例の SPT は(192.168.1.1, 224.1.1.1)となります。
(S, G)という表記は、各グループに送信する個々のソースに個別の SPT が存在することを意味
します。
マルチキャスト配信の共有ツリー
ソースをルートとするソース ツリーとは異なり、共有ツリーはネットワーク内の選択されたポイ
ントに配置された単一の共通ルートを使用します。この共有されたルートは、ランデブーポイン
ト(RP)と呼ばれます。
マルチキャスト配信の共有ツリー に、ルータ D にルートが配置されたグループ 224.2.2.2 の共有
ツリーを示します。 この共有ツリーは一方向です。 ソース トラフィックは、ソース ツリー上の
RP に向けて送信されます。 このトラフィックは、次に RP から共有ツリーを下方向に転送され、
すべてのレシーバに到達します(レシーバがソースと RP の間に配置されていない場合は、直接
サービスが提供されます)。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
19
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
マルチキャスト転送
この例では、ソース(ホスト A およびホスト D)からのマルチキャスト トラフィックは、ルート
(ルータ D)に送信された後、共有ツリーを下方向に転送され、2 つのレシーバ(ホスト B およ
びホスト C)に到達します。 マルチキャスト グループ内のすべてのソースが同じ共有ツリーを使
用するため、このツリーは、(*, G)というワイルドカード表記(「スター カンマ G」と読みま
す)を使用して表されます。 この場合、* はすべてのソースを意味し、G はマルチキャスト グ
ループを表します。 したがって、マルチキャスト配信の共有ツリー の共有ツリーは(*, 224.2.2.2)
と表記します。
ソースツリーと共有ツリーは、どちらもループフリーです。ツリーが分岐する場所でのみ、メッ
セージが複製されます。マルチキャストグループのメンバは常に加入または脱退する可能性があ
るため、配信ツリーを動的に更新する必要があります。 特定のブランチに存在するすべてのアク
ティブ レシーバが特定のマルチキャスト グループに対してトラフィックを要求しなくなると、
ルータは配信ツリーからそのブランチをプルーニングし、そのブランチから下方向へのトラフィッ
ク転送を停止します。そのブランチの特定のレシーバがアクティブになり、マルチキャストトラ
フィックを要求すると、ルータは配信ツリーを動的に変更し、トラフィック転送を再開します。
ソース ツリーの利点
ソースツリーには、ソースとレシーバの間に最適なパスを作成するという利点があります。この
利点により、マルチキャスト トラフィックの転送におけるネットワーク遅延を最小限に抑えるこ
とができます。ただし、この最適化は代償を伴います。ルータがソースごとにパス情報を維持す
る必要があるのです。 何千ものソース、何千ものグループが存在するネットワークでは、この
オーバーヘッドがすぐにルータ上でのリソースの問題につながる可能性があります。 ネットワー
ク設計者は、マルチキャストルーティングテーブルのサイズによるメモリ消費について考慮する
必要があります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
20
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
マルチキャスト転送
共有ツリーの利点
共有ツリーには、各ルータにおいて要求されるステートの量が最小限に抑えられるという利点が
あります。 この利点により、共有ツリーだけが許容されるネットワークの全体的なメモリ要件が
緩和されます。 共有ツリーの欠点は、特定の状況でソースとレシーバの間のパスが最適パスでは
なくなり、パケット配信に遅延を生じる可能性があることです。 たとえば、上の図の場合、ホス
ト A(ソース 1)とホスト B(レシーバ)の間の最短パスは、ルータ A およびルータ C であると
考えられます。 ここでは、ルータ D を共有ツリーのルートとして使用しているため、トラフィッ
クは、ルータ A、ルータ B、ルータ D、ルータ C の順に通過する必要があります。 共有ツリーだ
けの環境を実装する場合、ネットワーク設計者は、Rendezvous Point(RP)の配置を慎重に検討す
る必要があります。
ユニキャスト ルーティングでは、トラフィックは、ネットワーク上でソースから宛先ホストまで
の単一パスに沿ってルーティングされます。 ユニキャスト ルータは、ソース アドレスを考慮せ
ず、宛先アドレスおよびその宛先へのトラフィックの転送方法だけを考慮します。 ルータは、
ルーティング テーブル全体をスキャンして宛先アドレスを取得し、適正なインターフェイスから
宛先の方向へユニキャスト パケットのコピーを転送します。
マルチキャスト転送では、ソースは、マルチキャストグループアドレスによって表される任意の
ホスト グループにトラフィックを送信します。 マルチキャスト ルータは、どの方向が(ソース
へ向かう)アップストリーム方向で、どの方向(1 方向または複数の方向)が(レシーバへ向か
う)ダウンストリーム方向であるかを決定する必要があります。複数のダウンストリームパスが
ある場合、ルータはパケットを複製し、それを適切なダウンストリーム パス(最善のユニキャス
ト ルート メトリック)で下方向に転送します。これらのパスがすべてであるとは限りません。
レシーバの方向ではなく、ソースから遠ざかる方向へのマルチキャスト トラフィック転送は、リ
バース パス転送(RPF)と呼ばれます。 RPF については、次の項を参照してください。
リバース パス転送
ユニキャスト ルーティングでは、トラフィックは、ネットワーク上でソースから宛先ホストまで
の単一パスに沿ってルーティングされます。 ユニキャスト ルータは、ソース アドレスを考慮せ
ず、宛先アドレスおよびその宛先へのトラフィックの転送方法だけを考慮します。 ルータは、
ルーティング テーブル全体をスキャンして宛先ネットワークを取得し、適正なインターフェイス
から宛先の方向へユニキャスト パケットのコピーを転送します。
マルチキャスト転送では、ソースは、マルチキャストグループアドレスによって表される任意の
ホスト グループにトラフィックを送信します。 マルチキャスト ルータは、どの方向が(ソース
へ向かう)アップストリーム方向で、どの方向(1 方向または複数の方向)が(レシーバへ向か
う)ダウンストリーム方向であるかを決定する必要があります。複数のダウンストリームパスが
ある場合、ルータはパケットを複製し、それを適切なダウンストリーム パス(最善のユニキャス
ト ルート メトリック)で下方向に転送します。これらのパスがすべてであるとは限りません。
レシーバの方向ではなく、ソースから遠ざかる方向へのマルチキャスト トラフィック転送は、リ
バース パス転送(RPF)と呼ばれます。 RPF は、マルチキャスト データグラムの転送に使用され
るアルゴリズムです。
Protocol Independent Multicast(PIM)は、ユニキャスト ルーティング情報を使用して、レシーバか
らソースへ向かうリバース パスに沿って配信ツリーを作成します。 その後、マルチキャスト ルー
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
21
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
マルチキャスト転送
タは、その配信ツリーに沿ってソースからレシーバにパケットを転送します。 RPF は、マルチ
キャスト転送における重要な概念です。 RPF により、ルータは、配信ツリーの下方向へ正しくマ
ルチキャスト トラフィックを転送できます。 RPF は、既存のユニキャスト ルーティング テーブ
ルを使用して、アップストリーム ネイバーとダウンストリーム ネイバーを決定します。 ルータ
は、アップストリームインターフェイスで受信した場合にのみ、マルチキャストパケットを転送
します。 この RPF チェックにより、配信ツリーがループフリーであることを保証できます。
RPF チェック
マルチキャスト パケットがルータに到達すると、ルータはそのパケットに対して RPF チェックを
実行します。 RPF チェックが成功すると、パケットが転送されます。 そうでない場合、パケット
はドロップされます。
ソース ツリーを下方向へ流れるトラフィックに対する RPF チェック手順は次のとおりです。
1 ルータは、ユニキャスト ルーティング テーブルでソース アドレスを検索して、ソースへのリ
バース パス上にあるインターフェイスにパケットが到達したかどうかを判定します。
2 ソースに戻すインターフェイスにパケットが到達した場合、RPF チェックは成功し、マルチ
キャスト ルーティング テーブル エントリの発信インターフェイス リストに示されているイン
ターフェイスからパケットが転送されます。
3 ステップ 2 で RPF チェックに失敗した場合は、パケットがドロップされます。
図に、RPF チェックの失敗例を示します。
図 2:RPF チェックの失敗
図では、ソース 151.10.3.21 からのマルチキャスト パケットはシリアル インターフェイス 0(S0)
上で受信されています。 ユニキャスト ルート テーブルのチェック結果は、このルータが 151.10.3.21
にユニキャスト データを転送するために使用するインターフェイスは S1 であることを示してい
ます。 パケットはインターフェイス S0 に到達しているため、このパケットは廃棄されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
22
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
PIM デンス モード フォールバック
図に、RPF チェックの成功例を示します。
図 3:RPF チェックの成功
この例では、マルチキャスト パケットはインターフェイス S1 に到達しています。 ルータはユニ
キャスト ルーティング テーブルを参照し、S1 が適正なインターフェイスであることを知ります。
RPF チェックが成功し、パケットが転送されます。
PIM デンス モード フォールバック
ミッション クリティカルなネットワークで IP マルチキャストを使用する場合は、PIM-DM(デン
ス モード)の使用を回避する必要があります。
デンス モード フォール バックとは、(RP が必要になる)スパース モードから(RP を使用しな
い)デンス モードに PIM モードを変更(フォールバック)するイベントです。 デンス モード
フォールバックは、RP 情報が失われると発生します。
スパース モード用に設定されたインターフェイス上ではデンス モード グループを作成できない
ため、ip pim sparse-mode コマンドを使用してすべてのインターフェイスを設定している場合はデ
ンス モード フォールバックは発生しません。
デンス モード フォールバックの原因と結果
PIM は、マルチキャスト グループが PIM-DM モードで動作するか、PIM-SM モードで動作するか
を、グループから RP へのマッピング キャッシュ内の RP 情報の存在だけに基づいて決定します。
Auto-RP を設定している場合やブートストラップ ルータ(BSR)を使用して RP 情報を配信する場
合には、ネットワークの輻輳が原因ですべての RP、Auto-RP、またはグループの BSR に障害が発
生すると RP 情報が失われる可能性があります。 この障害により、ネットワークの一部または全
部が PIM-DM にフォールバックすることがあります。
ネットワークが PIM-DM にフォールバックした場合、AutoRP または BSR が使用されているとき
は、デンス モード フラッディングが発生します。 RP 情報が失われたルータがデンス モードに
フォールバックし、障害が発生したグループに対して作成される必要がある新しいステートがデ
ンス モードで作成されます。
デンス モード フォールバックを回避することによる効果
PIM-DM フォールバックを回避するまでは、グループから RP へのマッピングを使用しないすべて
のマルチキャスト グループはデンス モードで処理されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
23
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
PIM モードの選択に関するガイドライン
PIM-DM フォールバックを回避すると、デンス モード フラッディングを回避するように PIM-DM
フォールバック動作が変更されます。 デフォルトでは、(ip pim sparse-mode コマンドを使用し
て)すべてのインターフェイスが PIM スパース モードで動作するように設定する場合は、no ip
pim dm-fallback コマンドを設定する必要はありません(つまり、PIM-DM フォールバック動作が
デフォルトでイネーブルになります)。 ip pim sparse-mode コマンド(たとえば、ip pim
sparse-dense-mode コマンド)を使用して設定したインターフェイスがない場合は、no ip pim
dm-fallback コマンドを使用して PIM-DM フォールバック動作を明示的にディセーブルにできま
す。
no ip pim dm-fallback コマンドを設定している場合、またはすべてのインターフェイス上で ip pim
sparse-mode を設定している場合、スパース モードで実行されている既存のグループは引き続き
スパース モードで動作しますが、0.0.0.0 に設定された RP を使用します。 RP アドレスが 0.0.0.0
に設定されたマルチキャスト エントリは、次のように動作します。
• 既存の (S, G) ステートを維持します。
• (*, G) または (S, G, RPbit) の PIM 加入またはプルーニング メッセージは送信しません。
• 受信した (*, G) または (S, G, RPbit) 加入またはプルーニング メッセージは無視します。
• 登録は送信せず、ファースト ホップのトラフィックはドロップします。
• 受信した登録には、登録停止で応答します。
• 資産は変更しません。
• (*, G) 発信インターフェイス リスト(olist)は、インターネット グループ管理プロトコル
(IGMP)ステートに対してのみ維持します。
• RP 0.0.0.0 グループに対する Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)Source-Active(SA)
メッセージは、引き続き受信して転送します。
PIM モードの選択に関するガイドライン
設定プロセスを開始する前に、どの PIM モードを使用する必要があるかを決定する必要がありま
す。 この決定は、ネットワーク上でサポートするアプリケーションによって異なります。
基本的なガイドラインには次のものが含まれます。
• 一般に、本質的な 1 対多または多対多アプリケーションでは PIM-SM を正常に使用できま
す。
• 1 対多アプリケーションで最適なパフォーマンスを得るには、SSM が適しています。ただ
し、IGMP バージョン 3 サポートが必要です。
• 多対多アプリケーションで最適なパフォーマンスを得るには、双方向 PIM が適しています。
ただし、ハードウェア サポートは、シスコ デバイスおよび Sup720 を搭載した Catalyst 6000
シリーズ スイッチに制限されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
24
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
次の作業
次の作業
• 基本 IP マルチキャストの設定については、「基本的な IP マルチキャスト設定」モジュール
を参照してください。
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』
標準
標準
タイトル
新しい規格または変更された規格はサポートさ -れていません。また、既存の規格に対するサ
ポートに変更はありません。
MIB
MIB
MIB のリンク
CISCO-PIM-MIB
選択したプラットフォーム、Cisco ソフトウェ
ア リリース、およびフィーチャ セットの MIB
を検索してダウンロードする場合は、次の URL
にある Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
RFC
RFC
タイトル
RFC 2934
『Protocol Independent Multicast MIB for IPv4』
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
25
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
IP マルチキャスト テクノロジーの機能情報の概要
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IP マルチキャスト テクノロジーの機能情報の概要
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
26
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
用語集
表 2:IP マルチキャスト テクノロジーの機能情報の概要
機能名
リリース
ネットワークにおける RP 情報 12.3(4)T
損失後の PIM デンス モード
フォールバック回避
機能の設定情報
ネットワークにおける RP 情報
損失後の PIM デンス モード
フォールバック回避機能は、す
べての RP で障害が発生したと
きに PIM-DM のフォールバッ
クを回避できるようにします。
信頼性が重大な意味を持つマル
チキャストネットワークにとっ
て、デンス モードの使用を回
避することは非常に重要です。
この機能は、スパース モード
でマルチキャスト グループを
保持するためのメカニズムを提
供し、それによってデンスモー
ド フラッディングを回避しま
す。
用語集
基本マルチキャスト:インタラクティブなドメイン内マルチキャスト。 企業キャンパス内でマル
チキャストアプリケーションをサポートします。信頼性の高いマルチキャスト転送であるPragmatic
General Multicast(PGM)を含めることにより、ネットワークに追加の完全性を提供できます。
bidir PIM:双方向 PIM は、双方向のデータ フローを提供する共有スパース ツリーを実装するプロ
トコルの PIM スイートに対する拡張機能です。 PIM-SM とは対照的に、Bidir-PIM ではソース固
有のステートをルータに保持することを回避できるため、ツリーを拡張して任意の数のソースに
対応できます。
ブロードキャスト:ノードが受信することを求めているかどうかに関係なく、すべてのノードに
対してメッセージのコピーを 1 つ送信する 1 対全の通信。
Cisco グループ管理プロトコル(CGMP):レイヤ 2 スイッチが Cisco ルータ上の IGMP 情報を利
用してレイヤ 2 転送の決定を行うことを可能にする、シスコによって開発されたプロトコル。 こ
れにより、スイッチは、トラフィックを必要としているポートだけにマルチキャスト トラフィッ
クを転送できます。
デンス モード(DM)(インターネット ドラフト仕様):すべての潜在的なレシーバに対してマ
ルチキャスト データの送信をアクティブに試行し(フラッディング)、セルフプルーニング(グ
ループからの削除)に依存して目的の配信を行います。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
27
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
用語集
指定ルータ(DR):IGMP ホストから受信した IGMP メンバーシップ情報に応えて、加入/プルー
ニング メッセージのカスケードをアップストリームの RP にルーティングする、PIM-SM ツリー
上のルータ。
配信ツリー:マルチキャスト トラフィックは、すべてのソースをグループ内のすべてのレシーバ
に接続する配信ツリー上で、ソースからマルチキャストグループに流れます。このツリーをすべ
てのソース(共有ツリー)で共有したり、ソース(ソース ツリー)ごとに個別の配信ツリーを構
築したりできます。 共有ツリーは一方向または双方向です。
IGMP メッセージ:IGMP メッセージは、IP プロトコル番号 2 および IP ルータ アラート オプショ
ン(RFC 2113)を使用して標準 IP データグラムにカプセル化されます。
IGMP スヌーピング:IGMP スヌーピングは、LAN スイッチに対して、ホストからルータに送信
された IGMP パケットに含まれるレイヤ 3 情報を検査(「スヌーピング」)することを要求しま
す。 特定のマルチキャスト グループのホストからの IGMP レポートをヒアリングすると、スイッ
チは、そのホストのポート番号を関連するマルチキャスト テーブル エントリに追加します。 ホ
ストからの IGMP グループ脱退メッセージをヒアリングすると、スイッチは、そのホストのポー
トをテーブル エントリから削除します。
IGMP 単方向リンク ルーティング(UDLR):シスコの他の UDLR ソリューションでは、IP マル
チキャスト ルーティングを、UDLR に対応するように強化された IGMP と組み合わせて使用しま
す。 このソリューションは、多くの衛星リンクに対する優れた拡張性を備えています。
インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)v2:IP ルータおよびそれらに直接接続された
ホストがマルチキャスト グループ メンバーシップ ステートをやりとりするために使用します。
インターネット グループ管理プロトコル(IGMP)v3:IGMP は、隣接するマルチキャスト ルー
タに IP マルチキャスト グループ メンバーシップを報告するために IPv4 システムが使用するプロ
トコルです。 IGMP バージョン 3 では、「ソース フィルタリング」のサポートが追加されていま
す。これは、特定のマルチキャストアドレスに送信された特定のソースアドレスからのみ(また
は、特定のソース アドレスを除くすべてのアドレスから)パケットを受信するかどうかを報告す
るためのシステム機能です。
マルチキャスト:IP トラフィックを 1 つのソースまたは複数のソースから送信し、複数の宛先に
配信できるルーティング手法。 各宛先に、個々のパケットを送信する代わりに、マルチキャスト
グループと呼ばれる宛先のグループに 1 つのパケットが送信されます。このグループは 1 つの IP
宛先グループ アドレスで識別されます。 マルチキャスト アドレッシングは、複数ホストへの 1
つの IP データグラムの転送をサポートします。
Multicast Routing Monitor(MRM):大規模マルチキャスト ルーティング インフラストラクチャ
においてネットワーク障害検出および分離機能を提供する管理診断ツール。マルチキャストルー
ティングの問題をほぼリアルタイムでネットワーク管理者に通知するように設計されています。
Multicast Source Discovery Protocol(MSDP):複数の PIM スパース モード(PIM-SM)ドメインを
接続するためのメカニズム。 MSDP により、異なるドメインのすべての Rendezvous Point(RP)
がマルチキャスト グループのソースを認識できます。 各 PIM-SM ドメインは自身の RP を使用す
るため、他のドメインの RP に依存する必要はありません。 RP は、MSDP を TCP 上で実行して
他のドメインのマルチキャスト ソースを検出します。 MSDP は、グループを送信する送信元のア
ナウンスにも使用されます。 これらのアナウンスは、ドメイン RP で発信する必要があります。
MSDP は、ドメイン間の動作に関して Multicast BGP(マルチキャスト BGP)に大きく依存してい
ます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
28
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
用語集
Protocol Independent Multicast(PIM):既存の IP ネットワークでの IP マルチキャスト ルーティン
グを可能にする、IETF によって規定されたマルチキャスト ルーティング アーキテクチャ。 OSPF
や BGP などの基礎となるユニキャスト プロトコルから独立している点が重要です。
プルーニング:マルチキャスト対応ルータが適切なマルチキャスト メッセージを送信して、特定
のマルチキャスト グループのマルチキャスト ツリーから自身を削除することを意味するマルチ
キャスト ルーティング用語。 そのグループにアドレス指定されたマルチキャスト データの受信
を停止するため、グループに再加入するまで、接続先のホストにデータを配信できません。
クエリー:接続先のホストからマルチキャスト グループ メンバーシップ情報を引き出すために
ルータから送信される IGMP メッセージ。
ランデブー ポイント(RP):PIM-SM 共有マルチキャスト配信ツリーのルートとなるマルチキャ
スト ルータ。
レポート:マルチキャスト グループにおいてメンバーシップの加入、維持、または脱退を行うホ
ストから送信される IGMP メッセージ。
ソース ツリー:ソースとレシーバの指定ルータ(またはランデブー ポイント)を直接接続し、
ネットワークの最短パスを取得するマルチキャスト配信パス。 ソースとレシーバの間で最も効率
的にデータをルーティングできますが、RP 以外のデバイスで構築されると、ネットワーク全体で
不要なデータ重複が発生する可能性があります。
スパース モード(SM)(RFC 2362):マルチキャスト グループのレシーバへのマルチキャスト
データの送信を試行するまで、明示的な加入方式に依存します。
UDLR トンネル:バック チャネル(別のリンク)を使用して、ルーティング プロトコルが一方向
のリンクを双方向として認識するようにします。バックチャネル自体は、特殊な単方向総称ルー
ティング カプセル化(GRE)トンネルであり、これによってユーザ データ フローの反対方向の
トラフィック フローを制御します。 この機能により、IP および関連するユニキャスト/マルチキャ
スト ルーティング プロトコルは、単方向リンクを論理的な双方向リンクとして認識できます。
このソリューションでは、プロトコルを変更せずに、すべての IP ユニキャストおよびマルチキャ
スト ルーティング プロトコルに対応できます。 ただし、拡張性がないため、20 を超えるトンネ
ルをアップストリーム ルータにフィードできません。 単方向 GRE トンネルの目的は、制御パケッ
トをダウンストリーム ノードからアップストリーム ノードに移動することです。
ユニキャスト:各要求者に個別にメッセージのコピーを送信するようにソースに要求するポイン
トツーポイント送信。
単方向リンク ルーティング プロトコル(UDLR):物理的な単方向インターフェイス(広帯域幅
の衛星リンクなど)上で、バック チャネルを持つスタブ ネットワークにマルチキャスト パケッ
トを転送するための手段を提供するルーティング プロトコル。
URL Rendezvous Directory(URD):URD は、コンテンツ ストリームの特定のソースに関する情
報をネットワークに直接提供する Multicast-Lite ソリューションです。 これにより、ネットワーク
は、ソースからレシーバへの最も直接的な配信パスをすばやく確立できるため、ストリーミング
メディアの受信に必要な時間と労力が大幅に削減されます。 URD により、アプリケーションは、
Web ページ リンクまたは Web を介してコンテンツ ストリームのソースを直接識別できます。 こ
の情報は、アプリケーションに戻された後、URD を使用して再びネットワークに伝送されます。
この機能では、URD 対応の Web ページは、Web ページ上のソース、グループ、およびアプリケー
ションに関する情報を(media-type 経由で)提供します。 関心のあるホストは、Web ページをク
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
29
IP マルチキャスト テクノロジーの概要
用語集
リックして HTTP トランザクション内の情報をプルします。 レシーバへのラスト ホップ ルータ
は、このトランザクションを代行受信し、IANA によって割り当てられた特別なポートに送信し
ます。 ラスト ホップ ルータも URD に対応し、この情報を使用して、PIM ソースであるグループ
(S, G) 加入をホストに代わって開始します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
30
第
2
章
基本的な IP マルチキャスト設定
IP マルチキャストは、単一の情報ストリームを何千もの潜在的な企業および家庭に同時に配信す
ることによってトラフィックを削減する帯域幅節約テクノロジーです。 マルチキャストを利用
するアプリケーションには、ビデオ会議、企業コミュニケーション、通信教育、およびソフト
ウェア、株価情報、ニュースの配信などが含まれます。 このモジュールでは、基本的な IP マル
チキャストの設定に使用する作業について説明します。
• 機能情報の確認, 31 ページ
• 基本的な IP マルチキャスト設定の前提条件, 32 ページ
• 基本的な IP マルチキャスト設定に関する情報, 32 ページ
• 基本的な IP マルチキャストの設定方法, 43 ページ
• 基本的な IP マルチキャストの設定例, 66 ページ
• その他の関連資料, 72 ページ
• IPv4 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報, 73 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
31
基本的な IP マルチキャスト設定
基本的な IP マルチキャスト設定の前提条件
基本的な IP マルチキャスト設定の前提条件
• このモジュールに含まれているどの作業を実行する必要があるかを判断するには、使用する
Protocol Independent Multicast(PIM)モードを決定する必要があります。 この決定は、ネッ
トワーク上でサポートするアプリケーションによって異なります。
• このモジュールの作業で使用するアクセス リストはすべて、設定作業を開始する前に設定し
ておく必要があります。 アクセス リストの設定方法については、『Security Configuration
Guide: Access Control Lists』の「Creating an IP Access List and Applying It to an Interface」モ
ジュールを参照してください。
基本的な IP マルチキャスト設定に関する情報
Auto-RP の概要
PIM ネットワークでの AutoRP の役割
AutoRP は、PIM ネットワークにおけるグループからランデブー ポイント(RP)へのマッピング
の配信を自動化します。 AutoRP が機能するためには、RP アナウンスメント メッセージを RP か
ら受信して競合を解決する RP マッピング エージェントとしてデバイスが指定されている必要が
あります。 その後、RP マッピング エージェントは、デンス モード フラッディングにより、グ
ループから RP への一貫したマッピングを他のすべてのデバイスに送信するようになります。
これにより、すべてのルータは、サポート対象のグループに使用する RP を自動的に検出します。
インターネット割り当て番号局(IANA)は、224.0.1.39 と 224.0.1.40 という 2 つのグループ アド
レスを AutoRP 用に割り当てています。
マッピング エージェントは、候補 RP から RP になる意図の通知を受信します。 その後、マッピ
ング エージェントが RP 選定の結果を通知します。 この通知は、他のマッピング エージェントに
よる決定とは別に行われます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
32
基本的な IP マルチキャスト設定
Auto-RP の概要
IP マルチキャスト境界
図に示すように、アドレス スコーピングは、同じ IP アドレスを持つ RP が含まれるドメインが相
互にデータを漏出させることのないように、ドメイン境界を定義します。 スコーピングは、大き
なドメイン内のサブネット境界や、ドメインとインターネットの間の境界で実行されます。
図 4:境界でのアドレス スコーピング
ip multicast boundary コマンドと access-list 引数を使用して、マルチキャスト グループ アドレス
に対してインターフェイス上で管理用スコープの境界を設定できます。 影響を受けるアドレス範
囲は、標準アクセス リストによって定義されます。 境界が設定されると、マルチキャスト デー
タパケットは境界を越えて出入りできなくなります。境界を定めることで、同じマルチキャスト
グループ アドレスをさまざまな管理ドメイン内で使用できます。
インターネット割り当て番号局(IANA)は、マルチキャスト アドレス範囲 239.0.0.0 ~
239.255.255.255 を管理用スコープのアドレスとして指定しました。 この範囲のアドレスは、さま
ざまな組織で管理されるドメイン内で再使用されます。 これらは、グローバルに一意ではなく
ローカルとみなされます。
filter-autorp キーワードを設定して、管理用スコープの境界で Auto-RP 検出と通知メッセージを検
査し、フィルタできます。 境界のアクセス コントロール リスト(ACL)に拒否された Auto-RP
パケットからの Auto-RP グループ範囲通知は削除されます。 Auto-RP グループ範囲通知は、Auto-RP
グループ範囲のすべてのアドレスが境界 ACL によって許可される場合に限り境界を通過できま
す。 許可されないアドレスがある場合は、グループ範囲全体がフィルタリングされ、Auto-RP メッ
セージが転送される前に Auto-RP メッセージから削除されます。
PIM ネットワークでの Auto-RP の利点
• Auto-RP では、指定した RP に対するすべての変更は、RP であるデバイス上で設定すること
ができ、リーフ ルータ上で設定する必要がありません。
• Auto-RP では、ドメイン内で RP アドレスをスコーピングできます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
33
基本的な IP マルチキャスト設定
エニーキャスト RP の概要
エニーキャスト RP の概要
エニーキャスト RP は、MSDP の有益な応用です。 本来、MSDP は、ドメイン間マルチキャスト
アプリケーション用に開発されたものですが、冗長性および負荷分散機能を提供するドメイン間
機能としてエニーキャスト RP にも使用されます。 エンタープライズ カスタマーは、通常、単一
のマルチキャスト ドメイン内の耐障害性要件を満たすために、エニーキャスト RP を使用して
Protocol Independent Multicast スパース モード(PIM-SM)ネットワークを設定します。
エニーキャスト RP では、ループバック インターフェイス上で同じ IP アドレスを使用して複数の
RP を設定します。 エニーキャスト RP ループバック アドレスは、32 ビット マスクを使用して設
定し、ホスト アドレスにする必要があります。 すべてのダウンストリーム ルータは、このエニー
キャスト RP ループバック アドレスがローカル RP の IP アドレスであるように設定する必要があ
ります。 IP ルーティングでは、トポロジ的に最も近い RP が各ソースおよびレシーバに自動的に
選択されます。 ソースはネットワークの周囲に等間隔に配置されていると仮定すると、各 RP に
は同数のソースが登録されます。 つまり、ソースを登録するプロセスは、ネットワーク内のすべ
ての RP によって均等に共有されます。
ソースは 1 つの RP に登録でき、レシーバは異なる RP に加入できるため、RP にはアクティブな
ソースに関する情報を交換するための手段が必要です。 この情報の交換は、MSDP を使用して行
われます。
エニーキャスト RP では、すべての RP が互いに MSDP ピアになるように設定されます。 ソース
が 1 つの RP に登録すると、特定のマルチキャスト グループにアクティブなソースが存在するこ
とを通知する SA メッセージが他の RP に送信されます。 その結果、各 RP は、他の RP のエリア
内に存在するアクティブなソースを認識します。 いずれかの RP で障害が発生すると、IP ルーティ
ングが収束し、他の RP のいずれかが複数のエリアのアクティブ RP になります。 新しいソース
は、バックアップ RP に登録します。 レシーバはこれらの新しい RP に加入し、接続が維持されま
す。
RP は、通常、ソースおよびレシーバとの新しいセッションを開始するためだけに必要になりま
す。 RP は、ソースとレシーバが直接マルチキャスト データ フローを確立できるように、共有ツ
リーを支援します。 すでにソースとレシーバの間にマルチキャスト データ フローが確立されて
いる場合、そのセッションは RP 障害による影響を受けません。 エニーキャスト RP を使用する
と、いつでもソースおよびレシーバとの新しいセッションを開始できます。
BSR の概要
BSR の選定と機能
PIM は BSR を使用して各グループ プレフィックスの RP 設定情報を検出し、PIM ドメイン内のす
べてのルータにアナウンスします。 これは、Auto-RP によって行われるのと同じ機能ですが、BSR
は PIM バージョン 2 仕様の一部です。 BSR メカニズムは、Cisco ルータ上の Auto-RP と相互運用
します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
34
基本的な IP マルチキャスト設定
スタティック RP の概要
シングル ポイント障害を回避するために、1 つの PIM ドメインに複数の候補 BSR を設定できま
す。 BSR は候補 BSR の中から自動的に選定されます。これらはブートストラップ メッセージを
使用して、最も優先度の高い BSR を検出します。 その後、このルータが BSR であると PIM ドメ
イン内のすべての PIM ルータに通知します。
BSR の選定の後、候補 RP はユニキャストを使用して RP になりたいという要求を BSR に通知し
ます。 BSR は、グループと RP のマッピングセット全体をルータ リンク ローカル アドレス
224.0.0.13 にアドバタイズします。 RP を選択するために Auto-RP によって使用される Auto-RP の
RP マッピング エージェントとは異なり、BSR ネットワークのすべてのルータが、RP の選択を行
います。
BSR には RP アドバタイズメントをスコーピングする機能が欠けていますが、BSR はベンダー相
互運用性またはオープン スタンダードの遵守が必要な場合に使用されます。
BSR 境界インターフェイス
PIM スパース モードのドメインの境界インターフェイスには、特にそのインターフェイスによっ
て到達可能な隣接ドメインも PIM スパース モードを実行している場合、そのドメインとの特定の
トラフィックのやりとりを阻止する防止策が必要です。 一方のドメインにあるルータは他方のド
メインにある RP を選択し、その結果ドメイン間でプロトコルが誤動作したり分離が行われない
可能性があるため、BSR および Auto-RP メッセージを異なるドメイン間で交換しないでください。
インターフェイスでの BSR メッセージの送受信を防ぐために BSR 境界インターフェイスを設定
します。
スタティック RP の概要
PIM スパース モードを設定している場合、マルチキャスト グループに PIM RP を設定する必要が
あります。 RP は各デバイスで静的に設定するか、ダイナミック メカニズムによって学習できま
す。 この作業は、Auto-RP のようにダイナミック メカニズムによってルータが RP を学習するの
ではなく、RP を静的に設定する方法を説明しています。
PIM 指定ルータ(DR)は共有ツリーに分散するために、直接接続されたマルチキャスト ソースか
ら RP にデータを転送します。 データは次の 2 つの方法のいずれかを使用して RP に転送されま
す。 データは登録パケットにカプセル化され、直接 RP にユニキャストされます。または、RP が
ソース ツリーに参加している場合は、RPF 転送アルゴリズムによってマルチキャスト転送されま
す。 レシーバに直接接続されたラスト ホップ ルータは、それぞれの判断でソース ツリーに参加
し、共有ツリーから自身をプルーニングできます。
アクセス リストによって定義された複数のグループに単一の RP を設定できます。 グループに RP
が設定されていない場合、ルータは PIM デンス モード技術を使用してグループをデンスとして処
理します (no ip pim dm-fallback コマンドを設定するとこれを防げます)。
ダイナミックとスタティックのグループと RP のマッピングが共に使用され、RP アドレスが競合
している場合、スタティックのグループと RP のマッピングに設定された RP アドレスが(ip pim
rp-address override コマンドによって)優先されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
35
基本的な IP マルチキャスト設定
SSM の概要
(注)
override キーワードが指定されておらず、RP アドレスが競合している場合、ダイナミックの
グループと RP のマッピングがスタティックのグループと RP のマッピングに優先されます。
SSM の概要
Source Specific Multicast(SSM)。 SSM は、レシーバが明示的に参加したマルチキャスト ソース
からのみデータグラム トラフィックがレシーバに転送される IP マルチキャストの拡張機能です。
SSM 用に設定されたマルチキャスト グループは、(共有ツリーではなく)ソース固有のマルチ
キャスト配信ツリーのみが作成されます。
SSM のコンポーネント
Source Specific Multicast(SSM)は、ブロードキャスト アプリケーションとしても知られる 1 対多
アプリケーションをサポートする最善のデータグラム配信モデルです。SSMは、オーディオおよ
びビデオ ブロードキャスト アプリケーション環境を対象とした IP マルチキャスト ソリューショ
ンの Cisco 実装のコア ネットワーキング テクノロジーで、RFC 3569 に説明されています。 次の
2 つのコンポーネントは共に SSM の実装をサポートします。
• Protocol Independent Multicast Source-Specific Mode(PIM-SSM)
• インターネット グループ管理プロトコル バージョン 3(IGMPv3)
Protocol Independent Multicast(PIM)SSM(PIM-SSM)は、SSM の実装をサポートするルーティ
ング プロトコルで、PIM スパース モード(PIM-SM)から派生しました。 IGMP は、ホストがルー
タにマルチキャストグループメンバーシップを伝えるために使用するインターネット技術特別調
査委員会(IETF)標準トラック プロトコルです。 IGMP バージョン 3 は、SSM に必要なソース
フィルタリングをサポートします。 SSM を IGMPv3 と共に実行するには、SSM がデバイス、ア
プリケーションが実行されるホスト、およびアプリケーション自体でサポートされる必要があり
ます。
Internet Standard Multicast と SSM の違い
インターネットと多くの企業イントラネットの標準 IP マルチキャスト インフラストラクチャは、
PIM-SM プロトコルと Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)に基づいています。 これらの
プロトコルは信頼でき、広範で、効率的であることが証明されています。 しかし、インターネッ
ト標準マルチキャスト(ISM)サービス モデルの複雑さと機能性の制限があります。 たとえば、
ISM では、ネットワークは、実際にマルチキャスト トラフィックを送信しているホストについて
の情報を維持する必要があります。 SSM では、この情報は IGMPv3 によってラスト ホップ デバ
イスにリレーされるソース アドレスを通してレシーバによって提供されます。 SSM は、ISM に
関連付けられた問題への対応を強化し、ネットワーク内で ISM 用に開発されたプロトコルと共存
することを目的としています。 一般に、SSM は SSM を使用するアプリケーションに IP マルチ
キャスト サービスを提供します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
36
基本的な IP マルチキャスト設定
SSM の概要
ISM サービスについては RFC 1112 で説明されています。 このサービスは、任意のソースからマ
ルチキャスト ホスト グループと呼ばれるレシーバのグループへの IP データグラムの配信によっ
て構成されています。 マルチキャスト ホスト グループのデータグラム トラフィックは、任意の
IP ユニキャスト送信元アドレス S と IP 宛先アドレスとしてのマルチキャスト グループ アドレス
G のデータグラムで構成されます。 システムはホスト グループのメンバになることによってこの
トラフィックを受信します。 ホスト グループのメンバーシップには IGMP バージョン 1、2、ま
たは 3 によるホスト グループのシグナリングが必要です。
SSM では、データグラムは(S, G)チャネルに基づいて配信されます。 1 つの (S, G) チャネルの
トラフィックは、IP 宛先アドレスとして IP ユニキャスト ソース アドレス S とマルチキャスト グ
ループ アドレス G を持つデータグラムで構成されています。 システムは、(S, G)チャネルのメ
ンバになることによって、このトラフィックを受信します。 SSM と ISM のどちらでも、ソース
になるためにシグナリングは必要ありません。ただし、SSMでは、レシーバーは特定の送信元か
らのトラフィックの受信または非受信を決めるために(S, G)への加入または脱退を行う必要が
あります。 つまり、レシーバーは加入した(S, G)チャネルからだけトラフィックを受信できま
す。一方、ISM では、レシーバーは受信するトラフィックの送信元の IP アドレスを知る必要はあ
りません。 提案されているチャネル加入シグナリングの標準的な方法では、IGMP INCLUDE モー
ド メンバーシップ レポートを使用します。これは、IGMP バージョン 3 でのみサポートされてい
ます。
IP マルチキャスト グループ アドレス範囲の設定済みのサブセットに SSM 配信モデルを適用する
ことにより、SSMとISMサービスを一緒に使用できます。インターネット割り当て番号局(IANA)
は、SSM アプリケーションおよびプロトコル用に 232.0.0.0 ~ 232.255.255.255 のアドレス範囲を
確保しています。 ソフトウェアでは、224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 の IP マルチキャスト アドレス
範囲の任意のサブセットの SSM 設定を許可します。 SSM 範囲が定義されると、(アプリケーショ
ンが明示的な(S, G)チャネル加入を使用するように変更されているか、URL Rendezvous Directory
(URD)によって SSM に対応していない限り)SSM 範囲内でアドレスを使用しようとする場合
に既存の IP マルチキャスト レシーバ アプリケーションはトラフィックを受信しません。
SSM の動作
確立されているネットワークは、IP マルチキャスト サービスが PIM SM に基づいているので、
SSM サービスをサポートできます。 SSM は、ドメイン間の PIM-SM に必要なプロトコルがすべ
て揃っていないネットワークで単独で配備することもできます。 つまり、SSM には RP が必要で
はないため、Auto-RP、MSDP、ブートストラップ ルータ(BSR)などの RP メカニズムは必要あ
りません。
SSM がすでに PIM-SM 用に設定済みのネットワークで配備されている場合、ラスト ホップ デバ
イスのみを、SSMをサポートするソフトウェアイメージにアップグレードする必要があります。
レシーバに直接接続されていないルータを SSM をサポートするソフトウェア イメージにアップ
グレードする必要はありません。 一般的に、これらのラスト ホップではないデバイスは、SSM
範囲で PIM-SM のみを実行する必要があります。 これらは、MSDP シグナリング、登録、または
PIM-SM 共有ツリー動作が SSM 範囲内で発生することを抑制するために、追加のアクセス コント
ロール設定を必要とする場合もあります。
SSM モードの動作は、ip pim ssm グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して SSM
範囲を設定することによってイネーブルにできます。 この設定による影響は次のとおりです。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
37
基本的な IP マルチキャスト設定
SSM の概要
• SSM 範囲内のグループの場合、(S, G) チャネル加入は IGMPv3 INCLUDE モード メンバーシッ
プ レポートによって受け入れられます。
• SSM 範囲のアドレスの PIM 動作は、PIM-SM の派生モードである PIM-SSM に変更されます。
このモードでは、PIM(S, G)加入およびプルーニング メッセージのみがデバイスによって
生成されます。 ランデブー ポイント ツリー(RPT)動作に関連した着信メッセージは無視
されるか、拒否され、着信 PIM 登録メッセージは登録停止メッセージによってただちに応答
されます。 ラストホップ デバイス以外のデバイスでは、PIM-SSM は PIM-SM と下位互換性
を保ちます。 したがって、ラストホップ デバイス以外のデバイスは SSM グループに PIM-SM
を使用できます(SSM をサポートしていない場合など)。
• SSM 範囲内のグループの場合、SSM 範囲内の MSDP Source-Active(SA)メッセージは受け
入れ、生成、または転送されません。
IGMPv3 ホスト シグナリング
IGMPv3 は、ホストがマルチキャスト グループのラスト ホップ デバイスにメンバーシップを伝え
る IETF 標準トラック プロトコルの第 3 バージョンです。 IGMPv3 は、グループ メンバーシップ
を伝える能力をホストに与えます。これによってソースに関するフィルタリングが可能になりま
す。 ホストは、特定のソースを除いて、グループに送信するすべてのソースからトラフィックを
受信したい(EXCLUDE と呼ばれるモード)、またはグループに送信する特定のソースからのみ
トラフィックを受信したい(INCLUDE と呼ばれるモード)と伝えることができます。
IGMPv3 は、ISM および SSM と同時に動作可能です。 ISM では、EXCLUDE モードと INCLUDE
モードの両方のレポートがラスト ホップ ルータによって受け入れられます。 SSM では、INCLUDE
モード レポートのみがラスト ホップ ルータによって受け入れられます。
Source Specific Multicast の利点
IP マルチキャスト アドレス管理が不要
ISM サービスで、トラフィック ディストリビューションは使用する IP マルチキャスト グループ
アドレスにのみ基づくため、アプリケーションは一意の IP マルチキャスト グループ アドレスを
取得する必要があります。 異なるソースとレシーバを持つ 2 つのアプリケーションが同じ IP マル
チキャストグループアドレスを使用すると、両方のアプリケーションのレシーバが両方のアプリ
ケーションのソースからトラフィックを受信します。 適切にプログラムしている場合、レシーバ
は不要なトラフィックをフィルタできますが、この状態は一般的に許容できないレベルの不要な
トラフィックを生み出します。
アプリケーションへの一意の IP マルチキャスト グループ アドレスの割り当ては問題となります。
最も短期のアプリケーションはセッション記述プロトコル(SDP)やセッション通知プロトコル
(SAP)のようなメカニズムを使用して、ランダムアドレスを取得します。これは、インターネッ
ト内のアプリケーションの増加によってうまく機能しないソリューションです。 長期アプリケー
ションの現在のベスト ソリューションは、RFC 2770 に説明されていますが、このソリューション
は各自律システムが 255 の使用可能な IP マルチキャスト アドレスのみに限定される制限の影響を
受けます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
38
基本的な IP マルチキャスト設定
SSM の概要
SSM で、他のソースからのトラフィックとは関係なく、各ソースからのトラフィックはネット
ワーク内のデバイス間で転送されます。 このため、異なるソースが SSM 範囲のマルチキャスト
グループ アドレスを再利用できます。
望ましくないソースからのサービス拒否攻撃の阻止
SSM で、個別の各ソースからのマルチキャスト トラフィックは、(IGMPv3、IGMP v3lite、また
は URD メンバーシップによって)レシーバから要求された場合にのみネットワーク中に転送され
ます。 これに対し、ISM はマルチキャスト グループに送信するアクティブなソースからそのマル
チキャストグループを要求するすべてのレシーバにトラフィックを転送します。インターネット
ブロードキャストアプリケーションで、トラフィックを同じマルチキャストグループにただ送信
するだけで、望ましくないソースが実際のインターネットブロードキャストソースを簡単に妨害
できるため、この ISM の動作は非常に望ましくありません。 この状況は、レシーバ側で不要なト
ラフィックによって帯域幅を消耗させるため、インターネット ブロードキャストの無停止の受信
を妨害します。 SSM では、トラフィックをマルチキャスト グループにただ送信するだけでは、
このような種類の DoS 攻撃は行えません。
インストールと管理が容易
ネットワークがマルチキャストグループに送信しているアクティブソースについての情報を維持
する必要がないため、SSM は簡単にインストールし、ネットワークでプロビジョニングできま
す。 この要件は、(IGMPv1、IGMPv2、または IGMPv3 を使用する)ISM でのみ存在します。
ISM サービスの現在の標準ソリューションは PIM-SM と MSDP です。 PIM-SM(Auto-RP または
BSR の必要性を含む)および MSDP での Rendezvous Point(RP)管理は、ネットワークがアクティ
ブ ソースについて学習するためにのみ必要です。 この管理は SSM では必要ありません。このた
め、SSM は ISM よりインストールや管理が簡単で、配備での動作面の拡張も ISM より簡単です。
SSM のインストールが簡単であるその他の要素は、既存の PIM-SM ネットワークを活用でき、ラ
スト ホップ デバイスをアップグレードするだけで IGMPv3、IGMP v3lite、または URD をサポー
トできる点です。
インターネット ブロードキャスト アプリケーションに最適
上記の 3 つの利点により、次の理由で SSM はインターネット ブロードキャスト スタイルのアプ
リケーションに理想的です。
• 一意の IP マルチキャスト アドレスなしで SSM によって、インターネット ブロードキャスト
サービスを提供できるため、コンテンツ プロバイダーはサービスを簡単に提供できます(コ
ンテンツ プロバイダーにとって、IP マルチキャスト アドレス割り当てはこれまで深刻な問
題でした)。
• インターネット ブロードキャスト サービスは多数のレシーバに公開されることにより、DoS
攻撃の最も一般的な対象となるため、このような攻撃の阻止はインターネット ブロードキャ
スト サービスの重要な要素です。
• SSM はインストールや動作が簡単なため、特に、コンテンツを複数の独立した PIM ドメイ
ン間で転送する必要のある場合(SSM のために PIM ドメイン間で MSDP を管理する必要が
ないため)、ネットワーク オペレータにとって理想的です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
39
基本的な IP マルチキャスト設定
Bidir-PIM の概要
Bidir-PIM の概要
Bidir-PIM は最短パス ツリー(SPT)動作の多くを PIM-SM と共有します。 Bidir-PIM にも、共有
ツリーのアップストリームにある RP に向けてソース トラフィックを無条件に転送する機能があ
りますが、PIM-SM のようなソースの登録プロセスはありません。 これらの変更によって、(*, G)
マルチキャストルーティングエントリのみに基づいてすべてのルータでトラフィックを転送でき
ます。 この転送形式では、ソース固有のステートは不要であり、スケーリング機能を使用して任
意の数のソースに対応できます。
マルチキャスト グループ モード
PIM では、マルチキャスト グループのパケット トラフィックは、そのマルチキャスト グループ
のために設定されたモードのルールに従ってルーティングされます。 PIM の Cisco 実装は、マル
チキャスト グループ用に次の 4 つのモードをサポートしています。
• PIM 双方向モード
• PIM デンス モード
• PIM スパース モード
• PIM Source Specific Mode(SSM)
ルータは、異なるマルチキャスト グループに対して、4 つのモードすべて、またはそれらの任意
の組み合わせを同時にサポートできます。
双方向共有ツリー
双方向モードでは、トラフィックは、グループのランデブー ポイント(RP)をルートとする双方
向共有ツリーに沿ってのみ、ルーティングされます。 Bidir-PIM では、RP の IP アドレスは、すべ
てのルータがその IP アドレスをルートとするループフリーのスパニングツリー トポロジを確立す
るうえで重要な役割を果たします。 この IP アドレスはルータである必要はなく、PIM ドメイン内
のどこからでも到達可能なネットワーク上の任意の未割り当て IP アドレスを使用できます。 この
技術は、Bidir-PIM の冗長 RP 設定を確立するための優先設定方式です。
双方向グループのメンバーシップは、明示的な加入メッセージによって伝えられます。 ソースか
らのトラフィックは、無条件で、共有ツリーの上方向にある RP に向けて送信され、ツリーの下
方向にある各ブランチ上のレシーバに渡されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
40
基本的な IP マルチキャスト設定
Bidir-PIM の概要
下の図は、単方向共有ツリーおよびソース ツリーに対する双方向共有ツリーのルータごとの状態
の違いを示しています。
図 5:単方向共有ツリーおよびソース ツリー
図 6:双方向共有ツリー
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
41
基本的な IP マルチキャスト設定
Bidir-PIM の概要
RP からレシーバ方向へダウンストリームで転送されるパケットの場合、Bidir-PIM と PIM-SM 間
の基本的な違いはありません。 ソースからアップストリームで RP 方向に渡されるトラフィック
の場合、Bidir-PIM は実質的に PIM-SM から逸脱します。
PIM-SM は、トラフィックを 1 つのリバース パス転送(RPF)インターフェイスからのみ受け入
れるため、ツリーのアップストリーム方向にトラフィックを転送できません。 (共有ツリーの)
このインターフェイスは RP 方向を指し、そのため、ダウンストリーム トラフィック フローのみ
を許可します。アップストリームトラフィックはまずユニキャスト登録メッセージにカプセル化
され、これがソースの指定ルータ(DR)から RP に渡されます。 次に、RP がソースをルートと
する SPT に参加します。 このため、PIM-SM で RP 方向のソースからのトラフィックは共有ツリー
でアップストリームにはフローせず、RP に達するまで、ソースの SPT に沿ってダウンストリーム
にフローします。 RP から、トラフィックは共有ツリーに沿ってすべてのレシーバに向けてフロー
します。
Bidir-PIM では、パケット転送ルールが PIM-SM から改善され、トラフィックを共有ツリーで RP
方向にアップストリームに渡せるようになりました。 マルチキャスト パケット ルーピングを避
けるために、Bidir-PIM は指定フォワーダ(DF)選定と呼ばれる新しいメカニズムを導入します。
これは、RP をルートとするループフリー SPT を確立します。
DF 選定
すべてのネットワーク セグメントとポイントツーポイント リンクで、PIM ルータはすべて指定
フォワーダ(DF)選定と呼ばれる手順に参加します。 この手順では、双方向グループのすべての
RP で DF としてルータを 1 つ選定します。 このルータは、そのネットワークで受信されたマルチ
キャスト パケットの転送を担当します。
DF 選定は、ユニキャスト ルーティング メトリックに基づきます。 RP への最も望ましいユニキャ
スト ルーティング メトリックを持つルータが DF になります。 この方法を使用することによっ
て、RP へのパラレル等コスト パスがある場合にも、すべてのパケットのコピー 1 つだけが RP に
送信されます。
DF は双方向グループのすべての RP に対して選定されます。 結果として、ネットワーク セグメ
ント上で各 RP に 1 つずつ複数のルータが DF として選定されます。 複数のインターフェイスで
特定のルータが DF として選定される場合があります。
双方向グループ ツリー ビルディング
双方向グループの共有ツリーに参加する手順は、PIM-SM での手順とほとんど同じです。 1 つ大
きな違いは、双方向グループの場合、DR のロールが RP の DF によって仮定される点です。
ローカル レシーバを持つネットワークでは、DF として選定されたルータのみがインターネット
グループ管理プロトコル(IGMP)加入メッセージの受信時に発信インターフェイスリスト(olist)
を読み込み、(*, G) 加入および脱退メッセージを RP 方向にアップストリームに送信します。 ダウ
ンストリーム ルータが共有ツリーに参加したい場合、PIM 加入および脱退メッセージの RPF ネイ
バーが常に RP に向かうインターフェイスの DF に選定されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
42
基本的な IP マルチキャスト設定
基本的な IP マルチキャストの設定方法
ルータが加入または脱退メッセージを受け取り、ルータが受信インターフェイスの DF でない場
合、メッセージは無視されます。そうでない場合、ルータは共有ツリーをスパースモードと同じ
ように更新します。
ルータがすべて双方向共有ツリーをサポートしているネットワークでは、(S, G) 加入および脱退
メッセージは無視されます。 DF 選定手順は RP からパラレル ダウンストリーム パスをなくすた
め、PIM アサート メッセージを送信する必要もありません。 RP はソースへのパスに参加するこ
となく、登録停止も送信しません。
パケット転送
ルータは双方向グループに対してのみ (*, G) エントリを作成します。 (*, G) エントリの olist には、
ルータが選定された DF であり、IGMP または PIM 加入メッセージを受信したインターフェイス
がすべて含まれます。 ルータが送信者専用ブランチにある場合、(*, G) ステートも作成されます
が、olist にはいずれのインターフェイスも含まれません。
パケットを RP 方向の RPF インターフェイスから受信した場合、(*, G) エントリの olist に従って、
パケットはダウンストリームに転送されます。 それ以外の場合、受信インターフェイスの DF で
あるルータのみがパケットを RP 方向にアップストリームに転送します。その他のルータはすべ
てパケットを廃棄する必要があります。
双方向 PIM の利点
• Bidir-PIM は、多数のソースのルーティング ステート テーブルを維持するパフォーマンス コ
ストをなくします。
• Bidir-PIM は、各 PM ドメイン内の多対多のアプリケーションで使用するよう設計されていま
す。 双方向 PIM モードのマルチキャスト グループは、ソースの数によりオーバーヘッドを
引き起こすことなく、任意の数のソースに拡張できます。
基本的な IP マルチキャストの設定方法
この項で説明する作業では、基本的な IP マルチキャスト モードを設定します。 ここでの作業は
どれも必須ではありません。しかし、ネットワーク内の IP マルチキャストを設定するためには、
少なくとも 1 つは作業を実行する必要があります。 複数の作業が必要な場合もあります。
自動ランデブー ポイント(AutoRP)でのスパース モードの設定
はじめる前に
• スパース-デンス モードで設定されたインターフェイスは、マルチキャスト グループの動作
モードに応じてスパース モードまたはデンス モードで処理されます。 インターフェイスを
設定する方法を決定する必要があります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
43
基本的な IP マルチキャスト設定
自動ランデブー ポイント(AutoRP)でのスパース モードの設定
• AutoRP の設定時に必要なアクセス リストすべてを、設定作業の開始前に設定する必要があ
ります。
(注)
• グループ内に既知の RP が存在せず、インターフェイスがスパース-デンス モードに設定
される場合、インターフェイスはデンス モードであるかのように処理され、データがイ
ンターフェイスにフラッディングされます。 このデータのフラッディングを回避するに
は、AutoRP リスナーを設定し、スパース モードとしてインターフェイスを設定します。
• AutoRP を設定する場合は、AutoRP リスナー機能を設定し(ステップ 5)、スパース モー
ドを指定する(ステップ 7)か、デンス モードを指定する(ステップ 8)必要がありま
す。
• スパース-デンス モードを指定する場合、デンス モードのフェールオーバーがネットワー
クのデンス モードのフラッディングを引き起こす可能性があります。 この状態を回避す
るために、AutoRP リスナー機能では PIM スパース モードを使用します。
自動ランデブー ポイント(AutoRP)を設定するには、次の手順に従ってください。 AutoRP は、
任意でエニーキャスト RP で使用することもできます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
44
基本的な IP マルチキャスト設定
自動ランデブー ポイント(AutoRP)でのスパース モードの設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip multicast-routing [distributed]
4. ステップ 5~7 またはステップ 6 ~ 8 を実行します。
5. ip pim autorp listener
6. interface type number
7. ip pim sparse-mode
8. ip pim sparse-dense-mode
9. exit
10. すべての PIM インターフェイス上でステップ 1 ~ 9 を繰り返します。
11. ip pim send-rp-announce {interface-type interface-number | ip-address} scope ttl-value [group-list
access-list] [interval seconds] [bidir]
12. ip pim send-rp-discovery [interface-type interface-number] scope ttl-value [interval seconds]
13. ip pim rp-announce-filter rp-list access-list group-list access-list
14. no ip pim dm-fallback
15. interface type number
16. ip multicast boundary access-list [filter-autorp]
17. end
18. show ip pim autorp
19. show ip pim rp [mapping] [rp-address]
20. show ip igmp groups [group-name | group-address| interface-type interface-number] [detail]
21. show ip mroute [group-address | group-name] [source-address | source-name] [interface-type
interface-number] [summary] [count] [active kbps]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
45
基本的な IP マルチキャスト設定
自動ランデブー ポイント(AutoRP)でのスパース モードの設定
ステップ 3
コマンドまたはアクション
目的
ip multicast-routing [distributed]
IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにします。
• distributed キーワードを使用して、マルチキャスト分散スイッ
例:
チングをイネーブルにします。
Device(config)# ip
multicast-routing
ステップ 4
ステップ 5~7 またはステップ 6 ~ -8 を実行します。
ステップ 5
ip pim autorp listener
例:
2 つの AutoRP グループ 224.0.1.39 と 224.0.1.40 の IP マルチキャス
ト トラフィックを PIM スパース モードで動作しているインター
フェイスでフラッディングされる PIM デンス モードにします。
Device(config)# ip pim autorp
listener
ステップ 6
interface type number
• ステップ 8 でスパース-デンス モードを設定している場合、
このステップはスキップします。
PIM をイネーブルにできるホストに接続されているインターフェ
イスを選択します。
例:
Device(config)# interface
Gigabitethernet 1/0/0
ステップ 7
ip pim sparse-mode
例:
インターフェイスで PIM スパース モードをイネーブルにします。
スパース モードで AutoRP を設定している場合、次のステップで
AutoRP リスナーも設定する必要があります。
Device(config-if)# ip pim
sparse-mode
ステップ 8
ip pim sparse-dense-mode
• ステップ 8 でスパース-デンス モードを設定している場合、
このステップはスキップします。
インターフェイスで PIM スパース-デンス モードをイネーブルに
します。
例:
• ステップ 7 でスパース モードを設定した場合、このステップ
Device(config-if)# ip pim
sparse-dense-mode
ステップ 9
exit
はスキップします。
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了し、グ
ローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
例:
Device(config-if)# exit
ステップ 10
すべての PIM インターフェイス上 -でステップ 1 ~ 9 を繰り返します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
46
基本的な IP マルチキャスト設定
自動ランデブー ポイント(AutoRP)でのスパース モードの設定
コマンドまたはアクション
ステップ 11
目的
ip pim send-rp-announce
RP アナウンスメントをすべての PIM 対応インターフェイスに送信
{interface-type interface-number |
します。
ip-address} scope ttl-value [group-list
• RP デバイスでのみこのステップを実行します。
access-list] [interval seconds] [bidir]
• RP アドレスとして使用する IP アドレスを定義するには、
例:
interface-type 引数と interface-number 引数を使用します。
Device(config)# ip pim
send-rp-announce loopback0 scope
31 group-list 5
• 直接接続されている IP アドレスを RP アドレスとして指定す
るには、ip-address 引数を使用します。
(注)
このコマンドに ip-address 引数が設定されている場合、
RP 通知メッセージがこのアドレスが接続されているイ
ンターフェイスによって送信されます(つまり、RP 通
知メッセージの IP ヘッダーのソース アドレスがそのイ
ンターフェイスの IP アドレスです)。
• この例は、最大ホップ数が 31 でインターフェイスがイネーブ
ルであることを示します。 デバイスを RP として識別するた
めに使用される IP アドレスは、ループバック インターフェ
イス 0 に関連付けられた IP アドレスです。 アクセス リスト
5 はこのデバイスが RP として機能しているグループを示して
います。
ステップ 12
ip pim send-rp-discovery
デバイスを RP マッピング エージェントとして設定します。
[interface-type interface-number] scope
• RP マッピング エージェント デバイスまたは複合 RP/RP マッ
ttl-value [interval seconds]
ピング エージェント デバイスでこのステップを実行します。
例:
(注)
Device(config)# ip pim
send-rp-discovery loopback 1 scope
31
AutoRP により、RP 機能を 1 台のデバイスで別々に実行
できるようになり、RP マッピング エージェントを 1 台
または複数のデバイスで実行できるようになります。 複
合 RP/RP マッピング エージェント デバイスに、RP およ
び RP マッピング エージェントを展開することができま
す。
• RP マッピング エージェントのソース アドレスとして使用す
る IP アドレスを定義するには、オプションの interface-type 引
数と interface-number 引数を使用します。
• AutoRP 検出メッセージの IP ヘッダーで存続可能時間(TTL)
値を指定するには、scope キーワードと ttl-value 引数を使用し
ます。
• AutoRP 検出メッセージが送信される間隔を指定するには、オ
プションの interval キーワードと seconds 引数を使用します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
47
基本的な IP マルチキャスト設定
自動ランデブー ポイント(AutoRP)でのスパース モードの設定
コマンドまたはアクション
目的
(注)
AutoRP 検出メッセージが送信される間隔をデフォルト
値の 60 秒から減らすと、group-to-RP マッピングのより
頻繁なフラッディングが発生します。 一部のネットワー
ク環境では、間隔を短縮する欠点(コントロール パケッ
ト オーバーヘッドの増加)が利点(グループと RP の
マッピングのより頻繁な更新)を上回る場合がありま
す。
• 例では、ループバック インターフェイス 1 で AutoRP 検出メッ
セージを 31 ホップに制限していることを示しています。
ステップ 13
ip pim rp-announce-filter rp-list
access-list group-list access-list
例:
候補 RP(C-RP)から RP マッピング エージェントに送信される着
信 RP 通知メッセージをフィルタリングします。
• RP マッピング エージェントでのみこのステップを実行しま
す。
Device(config)# ip pim
rp-announce-filter rp-list 1
group-list 2
ステップ 14
no ip pim dm-fallback
例:
Device(config)# no ip pim
dm-fallback
ステップ 15
interface type number
(任意)PIM デンス モードのフォールバックを防ぎます。
• すべてのインターフェイスが PIM スパース モードで動作する
よう設定されている場合、このステップはスキップします。
(注)
(ip pim sparse-mode コマンドを使用して)すべてのイ
ンターフェイスが PIM スパース モードで動作するよう
設定されている場合、no ip pim dm-fallback コマンド動
作はデフォルトでイネーブルになります。
PIM をイネーブルにできるホストに接続されているインターフェ
イスを選択します。
例:
Device(config)# interface
gigabitethernet 1/0/0
ステップ 16
ip multicast boundary access-list
[filter-autorp]
例:
Device(config-if)# ip multicast
boundary 10 filter-autorp
管理用スコープの境界を設定します。
• このステップは、他のデバイスとの境界であるインターフェ
イス上で実行します。
• この作業ではアクセス リストは表示されません。
• deny キーワードを使用するアクセス リスト エントリはその
エントリに一致するパケットのマルチキャスト境界を作成し
ます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
48
基本的な IP マルチキャスト設定
自動ランデブー ポイント(AutoRP)でのスパース モードの設定
ステップ 17
コマンドまたはアクション
目的
end
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
例:
Device(config-if)# end
ステップ 18
show ip pim autorp
(任意)AutoRP 情報を表示します。
例:
Device# show ip pim autorp
ステップ 19
show ip pim rp [mapping]
[rp-address]
(任意)ネットワークで既知の RP を表示し、デバイスが各 RP に
ついて学習する方法を示します。
例:
Device# show ip pim rp mapping
ステップ 20
show ip igmp groups [group-name |
group-address| interface-type
interface-number] [detail]
• レシーバ情報が結果の画面に表示されるには、レシーバがこ
例:
Device# show ip igmp groups
ステップ 21
(任意)デバイスに直接接続されている、インターネット グルー
プ管理プロトコル(IGMP)を通じて学習されたレシーバを持つマ
ルチキャスト グループを表示します。
のコマンドが発行された時点でネットワーク上でアクティブ
である必要があります。
show ip mroute [group-address |
(任意)IP マルチキャスト ルーティング(mroute)テーブルの内
group-name] [source-address |
容を表示します。
source-name] [interface-type
interface-number] [summary] [count]
[active kbps]
例:
Device# show ip mroute cbone-audio
次の作業
「IP マルチキャスト オペレーションの確認」モジュールに進みます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
49
基本的な IP マルチキャスト設定
エニーキャスト RP でのスパース モードの設定
エニーキャスト RP でのスパース モードの設定
ここでは、RP 冗長性のためにエニーキャスト RP でスパース モードを設定する手順について説明
します。
エニーキャスト RP は静的に設定され、インターフェイスは Protocol Independent Multicast スパー
ス モード(PIM-SM)で動作するように設定されます。 エニーキャスト RP 設定では、ループバッ
ク インターフェイス上で同じ IP アドレスを使用して複数の RP を設定します。 エニーキャスト
RP ループバック アドレスは、32 ビット マスクを使用して設定し、ホスト アドレスにする必要が
あります。 エニーキャスト RP 設定は、設定されているルータに関係なく、同じホスト アドレス
が RP アドレスとして使用されるため、設定やトラブルシューティングが容易です。
エニーキャスト RP では、ソース登録のための負荷を複数の Rendezvous Point(RP)で共有でき、
互いのホット バックアップ ルータとして機能できます。 Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)
は、エニーキャスト RP を可能にするキー プロトコルです。
図 7:各ドメインの RP 間でソース情報を共有する MSDP
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
50
基本的な IP マルチキャスト設定
エニーキャスト RP でのスパース モードの設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip multicast-routing [distributed]
4. interface type number
5. ip pim sparse-mode
6. ip pim rp-address rp-address
7. それぞれに同じ RP アドレスを割り当てる複数のルータでステップ 1 ~ 6 を繰り返します。
8. interface loopback [interface-number] ip address [ip-address] [mask]
9. interface loopback [interface-number] ip address [ip-address] [mask]
10. exit
11. ip msdp peer {peer-name | peer-address} [connect-source interface-type interface-number] [remote-as
as-number]
12. ip msdp originator-id loopback [interface]
13. 冗長 RP 上でステップ 8 ~ 12 を繰り返します。
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始
します。
例:
Router# configure terminal
ステップ 3
ip multicast-routing [distributed]
例:
• distributedキーワードを使用して、マルチキャ
Router(config)# ip multicast-routing
ステップ 4
IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにし
ます。
interface type number
スト分散スイッチングをイネーブルにします。
PIM をイネーブルにできるホストに接続されてい
るインターフェイスを選択します。
例:
Router(config)# interface gigabitethernet
1/0/0
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
51
基本的な IP マルチキャスト設定
エニーキャスト RP でのスパース モードの設定
ステップ 5
コマンドまたはアクション
目的
ip pim sparse-mode
スパース モードをイネーブルにします。
例:
Router(config-if)# ip pim sparse-mode
ステップ 6
ip pim rp-address rp-address
特定のグループの PIM RP のアドレスを設定しま
す。
例:
Router(config-if)# ip pim rp-address 10.0.0.1
ステップ 7
それぞれに同じ RP アドレスを割り当てる複数 -のルータでステップ 1 ~ 6 を繰り返します。
ステップ 8
interface loopback [interface-number] ip address RP ルータにインターフェイス ループバック IP ア
[ip-address] [mask]
ドレスを設定します。
例:
• RP ルータでこのステップを実行します。
Router(config-if)# interface loopback 0
例:
ip address 10.0.0.1 255.255.255.255
ステップ 9
interface loopback [interface-number] ip address MSDP ピアリングにインターフェイス ループバッ
[ip-address] [mask]
ク IP アドレスを設定します。
例:
Router(config-if)# interface loopback 1
例:
ip address 10.1.1.1 255.255.255.255
ステップ 10
exit
例:
インターフェイス コンフィギュレーション モード
を終了し、グローバル コンフィギュレーション
モードに戻ります。
Router(config-if)# exit
ステップ 11
ip msdp peer {peer-name | peer-address}
MSDP ピアを設定します。
[connect-source interface-type interface-number]
• RP ルータでこのステップを実行します。
[remote-as as-number]
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
52
基本的な IP マルチキャスト設定
ブートストラップ ルータでのスパース モードの設定
コマンドまたはアクション
目的
例:
Router(config)# ip msdp peer 10.1.1.2
connect-source loopback 1
ステップ 12
ip msdp originator-id loopback [interface]
例:
SA メッセージのソースの MSDP スピーカーがイ
ンターフェイスの IP アドレスを SA メッセージ内
で RP アドレスとして使用できるようにします。
Router(config)# ip msdp originator-id
loopback 1
ステップ 13
• RP ルータでこのステップを実行します。
冗長 RP 上でステップ 8 ~ 12 を繰り返します。 --
次の作業
「IP マルチキャスト オペレーションの確認」モジュールに進みます。
ブートストラップ ルータでのスパース モードの設定
ここでは、ルータがグループと RP のマッピングを動的に学習するように、耐障害性、自動 RP 検
出、および配布メカニズム備えたブートストラップ ルータ(BSR)を設定する方法について説明
します。
(注)
Auto-RP と BSR の同時配備はサポートされていません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
53
基本的な IP マルチキャスト設定
ブートストラップ ルータでのスパース モードの設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip multicast-routing [distributed]
4. interface type number
5. ip pim sparse-mode
6. end
7. すべてのルータのすべてのマルチキャスト対応インターフェイス上でステップ 1 ~ 6 を繰り返
します。
8. ip pim bsr-candidate interface-type interface-number [hash-mask-length [priority]]
9. ip pim rp-candidate interface-type interface-number [group-list access-list] [interval seconds] [priority
value]
10. すべての RP および BSR ルータ上でステップ 8 ~ 9 を繰り返します。
11. interface type number
12. ip pim bsr-border
13. end
14. メッセージを送受信すべきではない境界インターフェイスを持つすべてのルータでステップ 11
から 13 を繰り返します。
15. show ip pim rp [mapping] [rp-address]
16. show ip pim rp-hash [group-address] [group-name]
17. show ip pim bsr-router
18. show ip igmp groups [group-name | group-address| interface-type interface-number] [detail]
19. show ip mroute
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Router# configure terminal
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
54
基本的な IP マルチキャスト設定
ブートストラップ ルータでのスパース モードの設定
ステップ 3
コマンドまたはアクション
目的
ip multicast-routing [distributed]
IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにします。
• distributed キーワードを使用して、マルチキャスト分散スイッ
例:
チングをイネーブルにします。
Router(config)# ip
multicast-routing
ステップ 4
interface type number
PIM をイネーブルにできるホストに接続されているインターフェイ
スを選択します。
例:
Router(config)# interface
gigabitethernet 1/0/0
ステップ 5
ip pim sparse-mode
スパース モードをイネーブルにします。
例:
Router(config-if)# ip pim
sparse-mode
ステップ 6
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
end
例:
Router(config-if)# end
ステップ 7
すべてのルータのすべてのマルチ -キャスト対応インターフェイス上
でステップ 1 ~ 6 を繰り返しま
す。
ステップ 8
ip pim bsr-candidate interface-type ルータがブートストラップ ルータ(BSR)として候補であることを
interface-number [hash-mask-length アナウンスするよう設定します。
[priority]]
• RP または複合 RP/BSR ルータでこのステップを実行します。
例:
(注)
Router(config)# ip pim
bsr-candidate gigibitethernet
0/0/0 0 192
BSR により、RP 機能を 1 つのルータで別々に実行できる
ようになり、BSR を 1 つまたは複数のルータで実行でき
るようになります。 複合 RP/BSR ルータに、RP および
BSR を展開することができます。
• このコマンドは、(interface-type および interface-number 引数
に設定された)BSR アドレスとして指定されたインターフェイ
スのアドレスで、すべての PIM ネイバーに BSR メッセージを
送信するようにルータを設定します。
• PIMv2 ハッシュ関数が呼び出される前にグループ アドレスと
AND 連結されるマスクの長さ(最大 32 ビット)を設定するに
は、オプションの hash-mask-length 引数を使用します。 ハッ
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
55
基本的な IP マルチキャスト設定
ブートストラップ ルータでのスパース モードの設定
コマンドまたはアクション
目的
シュ元が同じであるすべてのグループは、同じ RP に(対応)
します。 たとえば、マスク長が 24 の場合、グループ アドレス
の最初の 24 ビットだけが使用されます。 ハッシュ マスク長に
より、1 つの RP を複数のグループで使用できるようになりま
す。 デフォルトのハッシュ マスク長は 0 です。
• BSR の C-RP としてのプライオリティを指定するには、オプ
ションの priority 引数を(ハッシュ マスク長を設定した後に)
使用します。 プライオリティの範囲は 0 ~ 255 です。 最もプ
ライオリティの高い(プライオリティ値が最も小さい)BSR
C-RP がより優先されます。 プライオリティ値が同じ場合は、
IP アドレスがより高位であるルータが優先されます。 デフォ
ルトのプライオリティ値は 0 です。
(注)
ステップ 9
Cisco IOS および Cisco IOS XE に PIM BSR を実装する場
合は、候補 RP および BSR のデフォルト プライオリティ
として値 0 が使用されます。 この実装は、デフォルト優
先値として 192 を指定する最初の IETF ドラフトである
draft-ietf-pim-sm-bsr IETF ドラフト以前から存在します。
このため、Cisco IOS および Cisco IOS XE の実装は IETF
ドラフトに反します。 ドラフトで指定されたデフォルト
のプライオリティに準拠するには、プライオリティ値を
明示的に 192 に設定する必要があります。
ip pim rp-candidate interface-type ルータが自身を PIM バージョン 2 の候補 RP として BSR にアドバ
interface-number [group-list
タイズするよう設定します。
access-list] [interval seconds]
• RP または複合 RP/BSR ルータでこのステップを実行します。
[priority value]
例:
Router(config)# ip pim
rp-candidate gigabitethernet
2/0/0 group-list 4 priority 192
(注)
BSR により、RP 機能を 1 つのルータで別々に実行できる
ようになり、BSR を 1 つまたは複数のルータで実行でき
るようになります。 複合 RP/BSR ルータに、RP および
BSR を展開することができます。
• 間隔が指定されている場合、候補 RP アドバタイズメント間隔
は指定された秒数に設定されます。 デフォルト インターバル
は 60 秒です。 この間隔を短くすると、PIMv2 メッセージの発
生を増加させて、セカンダリ RP へのフェールオーバーに必要
な時間が短縮できます。
• Cisco IOS および Cisco IOS XE に PIM BSR を実装する場合は、
RFC 2362 の仕様に準拠しない方法を使用して、1 組の候補 RP
から RP を選択します。 設定の回避策については、BSR および
RFC 2362 の相互利用可能な候補 RP の例, (69 ページ)を参
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
56
基本的な IP マルチキャスト設定
ブートストラップ ルータでのスパース モードの設定
コマンドまたはアクション
目的
照してください。 詳細については、Cisco Bug Toolkit を使用し
て CSCdy56806 を参照してください。
(注)
ステップ 10
すべての RP および BSR ルータ上 -でステップ 8 ~ 9 を繰り返しま
す。
ステップ 11
interface type number
Cisco IOS および Cisco IOS XE に PIM BSR を実装する場
合は、候補 RP および BSR のデフォルト プライオリティ
として値 0 が使用されます。 この実装は、デフォルト優
先値として 192 を指定する最初の IETF ドラフトである
draft-ietf-pim-sm-bsr IETF ドラフト以前から存在します。
このため、Cisco IOS および Cisco IOS XE の実装は IETF
ドラフトに反します。 ドラフトで指定されたデフォルト
のプライオリティに準拠するには、プライオリティ値を
明示的に 192 に設定する必要があります。
PIM をイネーブルにできるホストに接続されているインターフェイ
スを選択します。
例:
Router(config)# interface
gigabitethernet 1/0/0
ステップ 12
ip pim bsr-border
インターフェイスでのブートストラップ ルータ(BSP)メッセージ
の送受信を防ぎます。
例:
• 詳細については、BSR 境界インターフェイス, (35 ページ)
を参照してください。
Router(config-if)# ip pim
bsr-border
ステップ 13
現在のコンフィギュレーション セッションを終了して、特権 EXEC
モードに戻ります。
end
例:
Router(config-if)# end
ステップ 14
メッセージを送受信すべきではな -い境界インターフェイスを持つす
べてのルータでステップ 11 から
13 を繰り返します。
ステップ 15
show ip pim rp [mapping]
[rp-address]
(任意)関連付けられたマルチキャスト ルーティング エントリで
キャッシュされたアクティブなランデブー ポイント(RP)を表示
します。
例:
Router# show ip pim rp
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
57
基本的な IP マルチキャスト設定
単一のスタティック RP でのスパース モードの設定
コマンドまたはアクション
ステップ 16
目的
show ip pim rp-hash [group-address] (任意)指定されたグループに対して選択されたランデブー ポイン
[group-name]
ト(RP)を表示します。
例:
Router# show ip pim rp-hash
239.1.1.1
ステップ 17
show ip pim bsr-router
(任意)ブートストラップ ルータ(BSP)情報を表示します。
例:
Router# show ip pim bsr-router
ステップ 18
show ip igmp groups [group-name | (任意)ルータに直接接続されているレシーバと IGMP によって学
group-address| interface-type
習されたレシーバを持つマルチキャスト グループを表示します。
interface-number] [detail]
• レシーバ情報が結果の画面に表示されるには、レシーバがこの
コマンドが発行された時点でネットワーク上でアクティブであ
例:
る必要があります。
Router# show ip igmp groups
ステップ 19
show ip mroute
(任意)IP mroute テーブルの内容を表示します。
例:
Router# show ip mroute
cbone-audio
次の作業
「IP マルチキャスト オペレーションの確認」モジュールに進みます。
単一のスタティック RP でのスパース モードの設定
ランデブー ポイント(RP)は Protocol Independent Multicast Sparse Mode(PIM-SM)を実行してい
るネットワークで必要です。 PIM-SM でトラフィックは、明示的にマルチキャスト データを要求
したアクティブなレシーバを持つネットワーク セグメントにのみ転送されます。
ここでは、単一のスタティック RP でスパース モードを設定する手順について説明します。
はじめる前に
単一のスタティック RP でのスパース モードの設定時に必要なアクセス リストすべてを、設定作
業の開始前に設定する必要があります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
58
基本的な IP マルチキャスト設定
単一のスタティック RP でのスパース モードの設定
(注)
双方向とスパース モード PIM グループの両方に同じ RP アドレスは使用できません。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip multicast-routing [distributed]
4. interface type number
5. ip pim sparse-mode
6. IP マルチキャストを使用するすべてのインターフェイスでステップ 1 ~ 5 を繰り返します。
7. exit
8. ip pim rp-address rp-address [access-list] [override]
9. end
10. show ip pim rp [mapping] [rp-address]
11. show ip igmp groups [group-name | group-address| interface-type interface-number] [detail]
12. show ip mroute
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Router# configure terminal
ステップ 3
ip multicast-routing [distributed]
IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにします。
• distributed キーワードを使用して、マルチキャスト分散
例:
スイッチングをイネーブルにします。
Router(config)# ip
multicast-routing
ステップ 4
interface type number
PIM をイネーブルにできるホストに接続されているインター
フェイスを選択します。
例:
Router(config)# interface
gigabitethernet 1/0/0
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
59
基本的な IP マルチキャスト設定
単一のスタティック RP でのスパース モードの設定
ステップ 5
コマンドまたはアクション
目的
ip pim sparse-mode
インターフェイス上の PIM をイネーブルにします。 スパース
モードを使用する必要があります。
例:
Router(config-if)# ip pim
sparse-mode
ステップ 6
IP マルチキャストを使用するすべて -のインターフェイスでステップ 1 ~
5 を繰り返します。
ステップ 7
exit
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
例:
Router(config-if)# exit
ステップ 8
ip pim rp-address rp-address
[access-list] [override]
例:
Router(config)# ip pim rp-address
192.168.0.0
特定のグループの PIM RP のアドレスを設定します。
• マルチキャスト グループを RP に静的にマッピングされ
るよう定義する標準アクセス リストに名前を付けたり、
番号を指定するために、オプションの access-list 引数が使
用されます。
(注)
アクセス リストが定義されていない場合、RP がす
べてのマルチキャスト グループ 224/4 にマッピング
されます。
• ダイナミックとスタティックのグループと RP のマッピン
グが共に使用され、RP アドレスが競合している場合、ス
タティックのグループと RP のマッピングに設定された
RP アドレスが優先されるよう指定するには、オプション
の override キーワードを使用します。
(注)
ステップ 9
end
override キーワードが指定されておらず、RP アドレ
スが競合している場合、ダイナミックのグループと
RP のマッピングがスタティックのグループと RP の
マッピングに優先されます。
現在のコンフィギュレーション セッションを終了して、EXEC
モードに戻ります。
例:
Router(config)# end
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
60
基本的な IP マルチキャスト設定
Source Specific Multicast の設定
コマンドまたはアクション
ステップ 10
目的
show ip pim rp [mapping] [rp-address] (任意)ネットワークで既知の RP を表示し、ルータが各 RP
について学習する方法を示します。
例:
Router# show ip pim rp mapping
ステップ 11
show ip igmp groups [group-name |
group-address| interface-type
interface-number] [detail]
• レシーバ情報が結果の画面に表示されるには、レシーバ
例:
Router# show ip igmp groups
ステップ 12
(任意)ルータに直接接続されているレシーバと IGMP によっ
て学習されたレシーバを持つマルチキャスト グループを表示
します。
show ip mroute
がこのコマンドが発行された時点でネットワーク上でア
クティブである必要があります。
(任意)IP mroute テーブルの内容を表示します。
例:
Router# show ip mroute
次の作業
「IP マルチキャスト オペレーションの確認」モジュールに進みます。
Source Specific Multicast の設定
ここでは、Source Specific Multicast(SSM)の設定方法を説明します。
はじめる前に
SSM 範囲の定義にアクセス リストを使用したい場合、ip pim ssm コマンドでアクセス リストを参
照する前にアクセス リストを設定します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
61
基本的な IP マルチキャスト設定
Source Specific Multicast の設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip multicast-routing [distributed]
4. ip pim ssm {default | range access-list}
5. interface type number
6. ip pim sparse-mode
7. IP マルチキャストを使用するすべてのインターフェイスでステップ 1 ~ 6 を繰り返します。
8. ip igmp version 3
9. ホスト方向のインターフェイスすべてでステップ 8 を繰り返します。
10. end
11. show ip igmp groups [group-name | group-address| interface-type interface-number] [detail]
12. show ip mroute
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip multicast-routing [distributed]
例:
IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにします。
• distributed キーワードを使用して、マルチキャスト分
散スイッチングをイネーブルにします。
Device(config)# ip multicast-routing
ステップ 4
ip pim ssm {default | range access-list}
例:
SSM サービスを設定します。
• default キーワードは SSM 範囲のアクセス リストを
232/8 と定義します。
Device(config)# ip pim ssm default
• range キーワードは標準の IP アクセス リスト番号ま
たは SSM 範囲を定義する名前を指定します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
62
基本的な IP マルチキャスト設定
Source Specific Multicast の設定
ステップ 5
コマンドまたはアクション
目的
interface type number
IGMPv3 をイネーブルにできるホストに接続されているイ
ンターフェイスを選択します。
例:
Device(config)# interface
gigabitethernet 1/0/0
ステップ 6
ip pim sparse-mode
インターフェイス上の PIM をイネーブルにします。 スパー
ス モードを使用する必要があります。
例:
Device(config-if)# ip pim sparse-mode
ステップ 7
IP マルチキャストを使用するすべての -インターフェイスでステップ 1 ~ 6 を繰
り返します。
ステップ 8
ip igmp version 3
例:
このインターフェイス上で IGMPv3 をイネーブルにしま
す。 デフォルトでは、IGMP のバージョン 2 が設定されま
す。 SSM にはバージョン 3 が必要です。
Device(config-if)# ip igmp version 3
ステップ 9
ホスト方向のインターフェイスすべてで -ステップ 8 を繰り返します。
ステップ 10
end
現在のコンフィギュレーション セッションを終了して、
特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config-if)# end
ステップ 11
show ip igmp groups [group-name |
group-address| interface-type
interface-number] [detail]
• レシーバ情報が結果の画面に表示されるには、レシー
例:
Device# show ip igmp groups
ステップ 12
(任意)デバイスに直接接続されているレシーバと IGMP
によって学習されたレシーバを持つマルチキャストグルー
プを表示します。
show ip mroute
バがこのコマンドが発行された時点でネットワーク
上でアクティブである必要があります。
(任意)IP mroute テーブルの内容を表示します。
• このコマンドは、マルチキャスト グループが SSM
例:
Device# show ip mroute
サービス用に設定されているのか、ソース固有のホ
スト レポートを受信しているのかを示します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
63
基本的な IP マルチキャスト設定
双方向 PIM(Bidir-PIM)の設定
次の作業
「IP マルチキャスト オペレーションの確認」モジュールに進みます。
双方向 PIM(Bidir-PIM)の設定
ここでは、双方向 PIM(Bidir-PIM)の設定方法について説明します。
はじめる前に
双方向 PIM の設定時に必要なアクセス リストすべてを、設定作業の開始前に設定する必要があり
ます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip multicast-routing [distributed]
4. interface type number
5. ip pim sparse-mode
6. exit
7. ip pim bidir-enable
8. ip pim rp-address rp-address [access-list] [override] bidir
9. end
10. すべてのルータのすべてのマルチキャスト対応インターフェイス上でステップ 2 ~ 9 を繰り返
します。
11. show ip pim rp [mapping] [rp-address]
12. show ip mroute
13. show ip pim interface [type number] [df | count] [rp-address]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Router# configure terminal
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
64
基本的な IP マルチキャスト設定
双方向 PIM(Bidir-PIM)の設定
ステップ 3
コマンドまたはアクション
目的
ip multicast-routing [distributed]
IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにします。
• distributed キーワードを使用して、マルチキャスト分
例:
散スイッチングをイネーブルにします。
Router(config)# ip multicast-routing
ステップ 4
interface type number
PIMをイネーブルにできるホストに接続されているインター
フェイスを選択します。
例:
Router(config)# interface
gigabitethernet 1/0/0
ステップ 5
ip pim sparse-mode
スパース モードをイネーブルにします。
例:
Router(config-if)# ip pim sparse-mode
ステップ 6
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
exit
例:
Router(config-if)# exit
ステップ 7
ip pim bidir-enable
ルータの Bidir-PIM をイネーブルにします。
• すべてのルータでこのステップを実行します。
例:
Router(config)# ip pim bidir-enable
ステップ 8
ip pim rp-address rp-address [access-list] 特定のグループの PIM RP のアドレスを設定します。
[override] bidir
• すべてのルータでこのステップを実行します。
例:
• このコマンドは、RP を双方向に定義し、アクセス リ
Router(config)# ip pim rp-address
10.0.1.1 45 bidir
ストの方法で双方向グループを定義します。
• ダイナミックとスタティックのグループと RP のマッ
ピングが共に使用され、RP アドレスが競合している場
合、スタティックのグループと RP のマッピングに設
定された RP アドレスが優先されるよう指定するには、
オプションの override キーワードを使用します。
(注)
override キーワードが指定されておらず、RP アド
レスが競合している場合、ダイナミックのグルー
プと RP のマッピングがスタティックのグループ
と RP のマッピングに優先されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
65
基本的な IP マルチキャスト設定
基本的な IP マルチキャストの設定例
ステップ 9
コマンドまたはアクション
目的
end
インターフェイス コンフィギュレーション モードを終了
し、特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Router(config-if)# end
ステップ 10
すべてのルータのすべてのマルチキャ -スト対応インターフェイス上でステッ
プ 2 ~ 9 を繰り返します。
ステップ 11
show ip pim rp [mapping] [rp-address]
(任意)関連付けられたマルチキャスト ルーティング エン
トリでキャッシュされたアクティブな RP を表示します。
例:
Router# show ip pim rp
ステップ 12
show ip mroute
(任意)IP mroute テーブルの内容を表示します。
例:
Router# show ip mroute
ステップ 13
show ip pim interface [type number] [df (任意)DF に関連付けられたユニキャスト ルーティング
| count] [rp-address]
メトリックと共に、インターフェイスの各 RP の選定された
DF についての情報を表示します。
例:
Router# show ip pim interface
基本的な IP マルチキャストの設定例
例:AutoRP でのスパース モード
次の例では、AutoRP でスパース モードを設定しています。
ip multicast-routing
ip pim autorp listener
ip pim send-rp-announce Loopback0 scope 16 group-list 1
ip pim send-rp-discovery Loopback1 scope 16
no ip pim dm-fallback
access-list 1 permit 239.254.2.0 0.0.0.255
access-list 1 permit 239.254.3.0 0.0.0.255
.
.
.
access-list 10 permit 224.0.1.39
access-list 10 permit 224.0.1.40
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
66
基本的な IP マルチキャスト設定
エニーキャスト RP でのスパース モードの例
access-list 10 permit 239.254.2.0 0.0.0.255
access-list 10 permit 239.254.3.0 0.0.0.255
エニーキャスト RP でのスパース モードの例
エニーキャスト RP 実装の主な目的は、ダウンストリーム マルチキャスト ルータが RP に対して
アドレスを 1 つだけ持つことです。 下の図の例は、RP(RP1 および RP2)のループバック イン
ターフェイス 0 が 10.0.0.1 IP アドレスで設定される方法を示しています。 この 10.0.0.1 アドレス
がすべての RP でループバック インターフェイス 0 のアドレスとして設定され、RP アドレスとし
て設定される場合、IP ルーティングが最も近い RP 上で収束します。 このアドレスは、ホスト
ルートである必要があります。255.255.255.255 サブネット マスクです。
ダウンストリーム ルータは 10.0.0.1 RP アドレスについて通知される必要があります。 下の図で、
ルータは ip pim rp-address 10.0.0.1 グローバル コンフィギュレーション コマンドによって静的に
設定されます。 この設定は、Auto-RP またはブートストラップ ルータ(BSR)機能を使用して行
うこともできます。
図の RP は MSDP を使用してソース情報を共有する必要もあります。 この例で、RP(RP1 および
RP2)のループバック インターフェイス 1 は MSDP ピアリング用に設定されています。 MSDP ピ
アリング アドレスはエニーキャスト RP アドレスとは異なる必要があります。
図 8:エニーキャスト RP の設定
多くのルーティング プロトコルがルータ ID に対してループバック インターフェイス上で最も高
い IP アドレスを選択します。 ルータがルータ ID に対してエニーキャスト RP アドレスを選択す
ると、問題が発生する場合があります。 RP 上でルータ ID を MSDP ピアリング アドレスと同じ
アドレスに手動で設定して、この問題を回避することを推奨します(たとえば、上の図のループ
バック 1 アドレス)。 Open Shortest Path First(OSPF)では、ルータ ID は router-id ルータ コン
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
67
基本的な IP マルチキャスト設定
ブートストラップ ルータでのスパース モードの例
フィギュレーションコマンドを使用して設定されます。ボーダーゲートウェイプロトコル(BGP)
では、ルータ ID は bgp router-id ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用して設定されま
す。 多くの BGP トポロジでは、RPF チェックをパスするために、MSDP ピアリング アドレスと
BGP ピアリング アドレスが同じである必要があります。 BGP ピアリング アドレスは、neighbor
update-source ルータ コンフィギュレーション コマンドを使用して設定できます。
上記のエニーキャスト RP の例は、RFC 1918 からの IP アドレスを使用します。 これらの IP アド
レスは通常ドメイン間の境界でブロックされ、このため、他の ISP にはアクセスできません。 RP
に他のドメインから到達できるようにするには、有効な IP アドレスを使用する必要があります。
次の例は、エニーキャスト RP 設定の実行方法を示しています。
RP 1 上で
ip pim rp-address 10.0.0.1
interface loopback 0
ip address 10.0.0.1 255.255.255.255
!
interface loopback 1
ip address 10.1.1.1. 255.255.255.255
!
ip msdp peer 10.1.1.2 connect-source loopback 1
ip msdp originator-id loopback 1
RP 2 上で
ip pim rp-address 10.0.0.1
interface loopback 0
ip address 10.0.0.1 255.255.255.255
interface loopback 1
ip address 10.1.1.2. 255.255.255.255
!
ip msdp peer 10.1.1.1 connect-source loopback 1
ip msdp originator-id loopback 1
その他のすべてのルータ
ip pim rp-address 10.0.0.1
ブートストラップ ルータでのスパース モードの例
次の例は、候補 BSR の設定です。これは、候補 RP の場合も同様です。
!
ip multicast-routing
!
interface GigabitEthernet0/0/0
ip address 172.69.62.35 255.255.255.240
ip pim sparse-mode
!
interface GigabitEthernet1/0/0
ip address 172.21.24.18 255.255.255.248
ip pim sparse-mode
!
interface GigabitEthernet2/0/0
ip address 172.21.24.12 255.255.255.248
ip pim sparse-mode
!
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
68
基本的な IP マルチキャスト設定
BSR および RFC 2362 の相互利用可能な候補 RP の例
ip pim bsr-candidate GigabitEthernet2/0/0 30 10
ip pim rp-candidate GigabitEthernet2/0/0 group-list 5
access-list 5 permit 239.255.2.0 0.0.0.255
BSR および RFC 2362 の相互利用可能な候補 RP の例
シスコ製およびシスコ製以外のルータが PIM バージョン 2 BSR を備えた単一の PIM ドメイン内で
動作している場合、BSR RP 選択の Cisco 実装は RFC 2362 と完全には互換性がないため候補 RP
の設定時には注意が必要です。
RFC 2362 は BSR RP が次のように選択されるよう指定しています(RFC 2362, 3.7)。
1 最も高い優先度(最も低く設定された優先値)の候補 RP を選択します。
2 優先度が同点の場合、ハッシュ関数値が最も高い候補 RP を選択します。
3 ハッシュ関数値が同点の場合、IP アドレスが最も高い候補 RP を選択します。
Cisco ルータは、優先度、ハッシュ関数、IP アドレスに基づいて RP を選択する前に、常に通知さ
れたグループ アドレス プレフィックスの最長一致に基づいて候補 RP を選択します。
部分的に重複するグループ アドレス範囲で複数の候補 RP が設定されると、同じドメイン内のシ
スコ製およびシスコ製以外の RFC 2362 互換ルータ間で候補 RP 選択が矛盾する可能性がありま
す。 候補 RP 選択の矛盾は、PIM ドメイン内のソースとレシーバ間の接続を妨げる可能性があり
ます。 ソースがある候補 RP を登録し、レシーバが同じグループ内であっても別の候補 RP に接続
する可能性があります。
次の例は、PIM バージョン 2 BSR を備えた単一の PIM ドメイン内のシスコ製およびシスコ製以外
のルータ間で RP 選択の矛盾を招く可能性のある設定を示しています。
access-list 10 permit 224.0.0.0 7.255.255.255
ip pim rp-candidate gigabitethernet1/0/0 group-list 10 priority 20
access-list 20 permit 224.0.0.0 15.255.255.255
ip pim rp-candidate gigabitethernet2/0/0 group-list 20 priority 10
この例では、GigabitEthernet インターフェイス 1/0/0 の候補 RP がより低い優先度 20 を持つより長
いグループ プレフィックス 224.0.0.0/5 を通知します。 GigabitEthernet インターフェイス 2/0/0 の
候補 RP がより高い優先度 10 を持つより短いグループ プレフィックス 224.0.0.0/4 を通知します。
両方の範囲に一致するすべてのグループで、イーサネット インターフェイス 1 の候補 RP はより
長いグループ プレフィックスを通知するため、Cisco ルータは常にこれを選択します。
GigabitEthernet インターフェイス 2/0/0 の候補 RP はより高い優先度で設定されているため、シス
コ製以外の RFC 2362 に完全準拠したルータは常にこれを選択します。
この相互運用性の問題を避けるには、部分的に重複するグループアドレスプレフィックスを通知
する別の候補 RP を設定しないでください。 同じグループ プレフィックス長を持つ複数の候補 RP
から通知する場合は、任意のグループ プレフィックスを設定します。
次の例は、PIM バージョン 2 BSR を備えた単一の PIM ドメイン内の Cisco ルータとシスコ製以外
のルータの間に互換性が生じるように以前の例を設定する方法を示します。
access-list 10 permit 224.0.0.0 7.255.255.255
ip pim rp-candidate gigabitethernet1/0/0 group-list 10 priority 20
access-list 20 permit 224.0.0.0 7.255.255.255
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
69
基本的な IP マルチキャスト設定
例:単一のスタティック RP でのスパース モード
access-list 20 permit 232.0.0.0 7.255.255.255
ip pim rp-candidate gigabitethernet2/0/0 group-list 20 priority 10
この設定では、イーサネット インターフェイス 2 の候補 RP がグループ アドレス 224.0.0.0/5 と
224.0.0.0/4 に等しい 232.0.0.0/5 を通知しますが、インターフェイスにイーサネット 1 の候補 RP と
同じグループ プレフィックス長(5)を与えます。 結果として、Cisco ルータと RFC 2362 互換ルー
タの両方が RP イーサネット インターフェイス 2 を選択します。
例:単一のスタティック RP でのスパース モード
次に、すべてのマルチキャスト グループの PIM RP アドレスを 192.168.1.1 に設定し、すべてのグ
ループがスパース モードで動作するように定義する例を示します。
ip multicast-routing
interface gigiabitethernet 1/0/0
ip pim sparse-mode
ip pim rp-address 192.168.1.1
(注)
双方向モードおよびスパース モードの両方のグループに対して同じ RP は使用できません。
次に、マルチキャスト グループ 225.2.2.2 についてのみ PIM RP アドレスを 172.16.1.1 に設定する
例を示します。
access list 1 225.2.2.2 0.0.0.0
ip pim rp-address 172.17.1.1
IGMPv3 を使用した SSM の例
次の例は、SSM 用に(IGMPv3 を実行する)デバイスを設定する方法を示しています。
ip multicast-routing
!
interface GigabitEthernet3/1/0
ip address 172.21.200.203 255.255.255.0
description backbone interface
ip pim sparse-mode
!
interface GigabitEthernet3/2/0
ip address 131.108.1.2 255.255.255.0
ip pim sparse-mode
description ethernet connected to hosts
ip igmp version 3
!
ip pim ssm default
SSM フィルタリング例
次の例は、SSM ルーティングをサポートしないソフトウェア リリースを実行しているレガシー
RP ルータでフィルタリングを設定する方法を示しています。 このフィルタリングは SSM 範囲で
不要な PIM-SM および MSDP トラフィックをすべて抑制します。 このフィルタリングがなくても
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
70
基本的な IP マルチキャスト設定
Bidir-PIM の例
SSM は動作しますが、レガシーのファースト ホップ ルータとラスト ホップ ルータがネットワー
クに存在する場合、追加の RPT トラフィックがある場合があります。
ip access-list extended no-ssm-range
deny
ip any 232.0.0.0 0.255.255.255 ! SSM range
permit ip any any
! Deny registering in SSM range
ip pim accept-register list no-ssm-range
ip access-list extended msdp-nono-list
deny
ip any 232.0.0.0 0.255.255.255 ! SSM Range
! .
! .
! .
! See ftp://ftpeng.cisco.com/ipmulticast/config-notes/msdp-sa-filter.txt for other SA
! messages that typically need to be filtered.
permit ip any any
! Filter generated SA messages in SSM range. This configuration is only needed if there
! are directly connected sources to this router. The “ip pim accept-register” command
! filters remote sources.
ip msdp redistribute list msdp-nono-list
! Filter received SA messages in SSM range. “Filtered on receipt” means messages are
! neither processed or forwarded. Needs to be configured for each MSDP peer.
ip msdp sa-filter in msdp-peer1 list msdp-nono-list
! .
! .
! .
ip msdp sa-filter in msdp-peerN list msdp-nono-list
Bidir-PIM の例
デフォルトで、双方向 RP はすべてのグループを双方向としてアドバタイズします。 RP 上のアク
セス リストは、双方向とアドバタイズされるグループのリストを指定するために使用できます。
deny キーワードを持つグループはデンス モードで動作します。 単一のアクセス リストでは、
permit キーワードまたは deny キーワードのどちらかだけを使用できるため、スパースモードで動
作するグループには、非双方向の異なる RP アドレスが必要です。
次の例は、スパース モードと双方向モードの両方のグループで RP を設定する方法を示していま
す。 224/8 および 227/8 と特定されたグループは双方向グループで、226/8 はスパース モード グ
ループです。 RP は、スパース モード動作と双方向モード動作に異なる IP アドレスを使用するよ
う必要があります。 2 つのループバック インターフェイスはこの設定を許可するよう使用しま
す。 これらのループバック インターフェイスのアドレスは、PIM ドメイン内の他のルータが RP
と通信できる方法で、PIM ドメイン中にルーティングする必要があります。
ip multicast-routing
!
.
.
.
!
interface loopback 0
description One loopback address for this router’s Bidir Mode RP function
ip address 10.0.1.1 255.255.255.0
!
interface loopback 1
description One loopback address for this router’s Sparse Mode RP function
ip address 10.0.2.1 255.255.255.0
!
.
.
.
!
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
71
基本的な IP マルチキャスト設定
その他の関連資料
ip pim bidir-enable
ip pim rp-address 10.0.1.1 45 bidir
ip pim rp-address 10.0.2.1 46
!
access-list 45 permit 224.0.0.0 0.255.255.255
access-list 45 permit 227.0.0.0 0.255.255.255
access-list 46 permit 226.0.0.0 0.255.255.255
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
draft-kouvelas-pim-bidir-new-00.txt
『A New Proposal for Bi-directional PIM』
RFC 1112
『Host Extensions for IP Multicasting』
RFC 1918
『Address Allocation for Private Internets』
RFC 2770
『GLOP Addressing in 233/8』
RFC 3569
『An Overview of Source-Specific Multicast
(SSM)』
MIB
MIB
MIB のリンク
この機能によってサポートされる新しい MIB
または変更された MIB はありません。またこ
の機能による既存 MIB のサポートに変更はあ
りません。
選択したプラットフォーム、Cisco ソフトウェ
ア リリース、およびフィーチャ セットの MIB
を検索してダウンロードする場合は、次の URL
にある Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
72
基本的な IP マルチキャスト設定
IPv4 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IPv4 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の
機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 3:IPv4 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報
機能名
リリース
機能情報
Auto RP の拡張機能
Cisco IOS XE Release 2.1
Auto-RP は、PIM ネットワーク
におけるグループからランデ
ブー ポイント(RP)へのマッ
ピングの配信を自動化します。
Auto-RP が機能するためには、
RP 通知メッセージを RP から
受信して競合を解決する RP
マッピング エージェントとし
てルータが指定されている必要
があります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
73
基本的な IP マルチキャスト設定
IPv4 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報
機能名
リリース
機能情報
双方向 PIM
Cisco IOS XE Release 2.2
双方向 PIM は、双方向のデー
タフローを提供する共有スパー
ス ツリーを実装するプロトコ
ルの PIM スイートに対する拡
張機能です。 PIM スパース
モードとは対照的に、双方向
PIM ではソース固有のステート
をルータに保持することを回避
できるため、ツリーを拡張して
任意の数のソースに対応できま
す。
ネットワークにおける RP 情報 12.3(4)T
損失後の PIM デンス モード
12.0(28)S
フォールバック回避
12.2(33)SRA
12.2(33)SXH
Cisco IOS XE Release 2.1
15.0(1)S
ネットワークにおける RP 情報
損失後の PIM デンス モード
フォールバック回避機能は、す
べての RP で障害が発生したと
きに PIM-DM のフォールバッ
クを回避できるようにします。
信頼性が重大な意味を持つマル
チキャストネットワークにとっ
て、デンス モードの使用を回
避することは非常に重要です。
この機能は、スパース モード
でマルチキャスト グループを
保持するためのメカニズムを提
供し、それによってデンスモー
ド フラッディングを回避しま
す。
次のコマンドがこの機能により
導入されました。ip pim
dm-fallback。
Source Specific Multicast(SSM) 12.3(4)T
12.2(25)S
12.0(28)S
12.2(33)SXH
12.2(33)SRA
15.0(1)S
Cisco IOS XE Release 2.1
Cisco IOS XE 3.1.0SG
SSM は、レシーバが明示的に
参加したマルチキャスト ソー
スからのみデータグラム トラ
フィックがレシーバに転送され
る IP マルチキャストの拡張機
能です。 SSM 用に設定された
マルチキャスト グループは、
(共有ツリーではなく)ソース
固有のマルチキャスト配信ツ
リーのみが作成されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
74
第
3
章
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチ
キャスト設定
このモジュールでは、IPv6 ネットワークで基本的な IP マルチキャストを設定する方法について
説明します。
• 機能情報の確認, 75 ページ
• 基本的な IP マルチキャスト設定の前提条件, 76 ページ
• IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定に関する情報, 76 ページ
• IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャストの設定方法, 86 ページ
• IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャストの設定例, 99 ページ
• その他の関連資料, 101 ページ
• IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報, 102 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
75
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
基本的な IP マルチキャスト設定の前提条件
基本的な IP マルチキャスト設定の前提条件
• このモジュールに含まれているどの作業を実行する必要があるかを判断するには、使用する
Protocol Independent Multicast(PIM)モードを決定する必要があります。 この決定は、ネッ
トワーク上でサポートするアプリケーションによって異なります。
• このモジュールの作業で使用するアクセス リストはすべて、設定作業を開始する前に設定し
ておく必要があります。 アクセス リストの設定方法については、『Security Configuration
Guide: Access Control Lists』の「Creating an IP Access List and Applying It to an Interface」モ
ジュールを参照してください。
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定に
関する情報
IPv6 マルチキャスト
IPv6 マルチキャストの概要
IPv6 マルチキャスト グループは、特定のデータ ストリームを受信する受信側の任意のグループで
す。 このグループには、物理的境界または地理的境界はありません。受信側は、インターネット
上または任意のプライベートネットワーク内の任意の場所に配置できます。特定のグループへの
データ フローの受信に関与する受信側は、ローカル デバイスに対してシグナリングすることに
よってそのグループに加入する必要があります。 このシグナリングは、MLD プロトコルを使用
して行われます。
デバイスは、MLD プロトコルを使用して、直接接続されているサブネットにグループのメンバが
存在するかどうかを学習します。 ホストは、MLD レポート メッセージを送信することによって
マルチキャスト グループに加入します。 ネットワークでは、各サブネットでマルチキャスト デー
タのコピーを 1 つだけ使用して、潜在的に無制限の受信側にデータが伝送されます。 トラフィッ
クの受信を希望する IPv6 ホストはグループ メンバと呼ばれます。
グループ メンバに伝送されるパケットは、単一のマルチキャスト グループ アドレスによって識
別されます。 マルチキャスト パケットは、IPv6 ユニキャスト パケットと同様に、ベストエフォー
ト型の信頼性を使用してグループに伝送されます。
マルチキャスト環境は、送信側と受信側で構成されます。 どのホストも、グループのメンバであ
るかどうかにかかわらず、グループに送信できます。 ただし、グループのメンバだけがメッセー
ジを受信します。
マルチキャスト アドレスがマルチキャスト グループの受信先として選択されます。 送信者は、
データグラムの宛先アドレスとしてグループのすべてのメンバに到達するためにそのアドレスを
使用します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
76
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 マルチキャスト
マルチキャスト グループ内のメンバーシップはダイナミックです。ホストはいつでも加入および
脱退できます。 マルチキャスト グループ内のメンバの場所または数に制約はありません。 ホス
トは、一度に複数のマルチキャスト グループのメンバにすることができます。
マルチキャスト グループがどの程度アクティブであるか、その期間、およびメンバーシップはグ
ループおよび状況によって異なります。 メンバを含むグループにアクティビティがない場合もあ
ります。
IPv6 マルチキャスト アドレッシング
IPv6 マルチキャスト アドレスは、FF00::/8(1111 1111)というプレフィックスを持つ IPv6 アドレ
スです。 IPv6 マルチキャスト アドレスは、通常は異なるノードに属するインターフェイス セッ
トの識別子です。 マルチキャスト アドレスに送信されたパケットは、マルチキャスト アドレス
が示すすべてのインターフェイスに配信されます。 プレフィックスに続く 2 番めのオクテット
で、マルチキャスト アドレスのライフタイムとスコープが定義されます。 永久マルチキャスト
アドレスはライフタイム パラメータが 0 に等しく、一時マルチキャスト アドレスのライフタイム
パラメータは 1 に等しくなっています。 ノード、リンク、サイト、組織のスコープ、またはグ
ローバル スコープを持つマルチキャスト アドレスのスコープ パラメータは、それぞれ 1、2、5、
8、または E です。 たとえば、プレフィックスが FF02::/16 のマルチキャスト アドレスは、リンク
スコープを持つ永続マルチキャスト アドレスです。 下の図は、IPv6 マルチキャスト アドレスの
形式を示しています。
図 9:IPv6 マルチキャスト アドレス形式
IPv6 ノード(ホストとルータ)は、(受信パケットの宛先となる)次のマルチキャスト グループ
に加入する必要があります。
• 全ノード マルチキャスト グループ FF02:0:0:0:0:0:0:1(スコープはリンクローカル)
• 割り当てられたユニキャスト アドレスおよびエニーキャスト アドレスごとの送信要求ノー
ド マルチキャスト グループ FF02:0:0:0:0:1:FF00:0000/104
IPv6 ルータは、全ルータ マルチキャスト グループ FF02:0:0:0:0:0:0:2(スコープはリンクローカ
ル)にも加入する必要があります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
77
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 マルチキャスト
送信要求ノード マルチキャスト アドレスは、IPv6 ユニキャスト アドレスまたはエニーキャスト
アドレスに対応するマルチキャスト グループです。 IPv6 ノードは、割り当てられているユニキャ
スト アドレスおよびエニーキャスト アドレスごとに、関連付けられた送信要求ノード マルチキャ
スト グループに加入する必要があります。 IPv6 送信要求ノード マルチキャスト アドレスには、
対応する IPv6 ユニキャスト アドレスまたは IPv6 エニーキャスト アドレスの下位 24 ビットに連
結されたプレフィックス FF02:0:0:0:0:1:FF00:0000/104 があります(下の図を参照)。 たとえば、
IPv6 アドレス 2037::01:800:200E:8C6C に対応する請求ノード マルチキャスト アドレスは
FF02::1:FF0E:8C6C です。 送信要求ノード アドレスは、ネイバー送信要求メッセージで使用され
ます。
図 10:IPv6 送信要求ノード マルチキャスト アドレス形式
(注)
IPv6 にはブロードキャスト アドレスはありません。 ブロードキャスト アドレスの代わりに
IPv6 マルチキャスト アドレスが使用されます。
IPv6 マルチキャスト グループ
インターフェイスで IPv6 トラフィックを転送できるようにするには、そのインターフェイスで
IPv6 アドレスを設定する必要があります。 インターフェイスでサイトローカルまたはグローバル
IPv6 アドレスを設定すると、リンクローカル アドレスが自動的に設定され、そのインターフェイ
スに対して IPv6 がアクティブになります。 また、設定されたインターフェイスは、そのリンクに
必要な次のマルチキャスト グループに自動的に加入します。
• インターフェイスに割り当てられたユニキャスト アドレスおよびエニーキャスト アドレス
ごとの請求ノード マルチキャスト グループ FF02:0:0:0:0:1:FF00::/104
(注)
送信要求ノード マルチキャスト アドレスは、ネイバー探索プロセスで使用さ
れます。
• 全ノード リンクローカル マルチキャスト グループ FF02::1
• 全ルータ リンクローカル マルチキャスト グループ FF02::2
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
78
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 マルチキャスト
IPv6 マルチキャスト アドレス グループ範囲のサポート
この機能は、IPv6 マルチキャスト エッジ ルーティングにアクセス コントロール メカニズムを提
供します。 ACL では、許可または拒否されるマルチキャスト グループまたはチャネルを指定し
ます。拒否されたグループまたはチャネルについて、デバイスはプロトコルトラフィックおよび
アクションを無視し(たとえば、MLD ステートは作成されず、mroute ステートは作成されず、
PIM join は転送されません)、システムのすべてのインターフェイス上でデータ トラフィックを
ドロップし、ACL によって拒否されたグループまたはチャネルのマルチキャストをディセーブル
にします。
限定スコープ アドレス アーキテクチャ
IPv6 では、グローバル アドレスと非グローバル アドレスがサポートされています。 ここでは、
異なるスコープの IPv6 アドレスの使用方法について説明します。
スコープ ゾーン(簡単にはゾーン)とは、特定のスコープのトポロジの、接続されているリー
ジョンです。 たとえば、特定のサイト内のデバイスが接続しているリンクのセット、およびこれ
らのリンクに接続されているインターフェイスは、サイトローカル スコープの単一のゾーンを構
成します。
ゾーンはトポロジ リージョンの特定のインスタンス(たとえば、ゾーン 1 のサイトまたはゾーン
2 のサイト)であるのに対し、スコープはトポロジ リージョンの規模(たとえば、サイトまたは
リンク)です。特定の非グローバルアドレスに関連するゾーンは、アドレス自体では符号化され
ません。ただし、その代わりに、その送受信を行うインターフェイスなどのコンテキストによっ
て判別されます。したがって、特定の非グローバルスコープのアドレスは、そのスコープの別々
のゾーンで再利用される場合があります。 たとえば、ゾーン 1 のサイトとゾーン 2 のサイトのそ
れぞれに、サイトローカル アドレス FEC0::1 を持つノードが含まれている場合があります。
異なるスコープのゾーンは、次のようにインスタンス化されます。
• 各リンク、およびそのリンクに接続されているインターフェイスは、リンクローカル スコー
プの単一のゾーン(ユニキャストおよびマルチキャストの両方に使用)を構成します。
• インターネットのすべてのリンクおよびインターフェイスで構成されるグローバル スコープ
の単一のゾーン(ユニキャストおよびマルチキャストの両方に使用)もあります。
• インターフェイスローカル、リンクローカル、およびグローバル以外のスコープのゾーンの
境界については、ネットワーク管理者が定義および設定する必要があります。 ユニキャスト
およびマルチキャストの両方で、サイト境界が境界として機能します。
ゾーン境界は、比較的スタティックな機能であり、トポロジにおける短期的な変更に応じて変化
することはありません。 したがって、ゾーン内のトポロジが「接続されている必要がある」とい
う要件は、一時的にだけ接続されることがあるリンクとインターフェイスを含めるためのもので
す。たとえば、ダイヤルアップにより従業員のサイトへのインターネットアクセスを取得するレ
ジデンシャルノードまたはネットワークは、ダイヤルアップリンクが切断された場合でも、従業
員のサイトローカル ゾーンの一部として扱われることがあります。 同様に、ゾーンのパーティ
ション化を引き起こすデバイス、インターフェイス、またはリンクの障害が発生しても、そのゾー
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
79
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 マルチキャスト
ンが複数のゾーンに分割されることはありません。厳密には、別個のパーティションが引き続き
同じゾーンに属しているものと見なされます。
ゾーンには、他にも次の特性があります。
• ゾーン境界はリンクではなくノードを横断します(グローバル ゾーンには境界はなく、イン
ターフェイスローカル ゾーンの境界には 1 つのインターフェイスだけが含まれています)。
• 同じスコープのゾーンは重なることができません。つまり、共通のリンクまたはインター
フェイスを持つことはできません。
• (グローバルより小さい)特定のスコープのゾーンは、それより大きいスコープのゾーン内
に完全に含まれます。つまり、小さいスコープのゾーンには、リンクまたはインターフェイ
スを共有する大きいスコープのゾーンを超えるトポロジを含めることはできません。
• 各インターフェイスは、それぞれのスコープの 1 つのゾーンに厳密に属しています。
MRIB
マルチキャストルーティング情報ベース(MRIB)は、マルチキャスト ルーティング プロトコル
(ルーティング クライアント)によってインスタンス化されるマルチキャスト ルーティング エ
ントリのプロトコル非依存リポジトリです。その主要機能は、ルーティングプロトコルとマルチ
キャスト転送情報ベース(MFIB)間の非依存性を実現することです。 また、クライアント間の調
整および通信ポイントとしても機能します。
ルーティング クライアントは、MRIB が提供するサービスを使用して、ルーティング エントリを
インスタンス化し、他のクライアントによってルーティング エントリに加えられた変更を取得し
ます。 MRIB では、ルーティング クライアント以外に、転送クライアント(MFIB インスタンス)
や特別なクライアント(MLD など)も扱われます。 MFIB は、MRIB からその転送エントリを取
得し、パケットの受信に関連するイベントについて MRIB に通知します。 これらの通知は、ルー
ティング クライアントによって明示的に要求されることも、MFIB によって自発的に生成される
こともあります。
MRIB のもう 1 つの重要な機能は、同じマルチキャスト セッション内でマルチキャスト接続を確
立する際に、複数のルーティング クライアントの調整を可能にすることです。 また、MRIB で
は、MLD とルーティング プロトコル間の調整も可能です。
IPv6 マルチキャストのプロセス スイッチングおよび高速スイッチング
統合 MFIB は、IPv6 マルチキャストでの PIM-SM および PIM-SSM に対するファスト スイッチン
グおよびプロセス スイッチングの両サポートを提供するために使用されます。 プロセス スイッ
チングでは、ルート プロセッサが各パケットの調査、書き換え、および転送を行う必要がありま
す。 最初にパケットが受信され、システム メモリにコピーされます。 次に、デバイスがルーティ
ング テーブル内でレイヤ 3 ネットワーク アドレスを検索します。 そのあと、レイヤ 2 フレーム
がネクストホップの宛先アドレスで書き換えられ、発信インターフェイスに送信されます。 ま
た、RP は、巡回冗長検査(CRC)も計算します。 このスイッチング方式は、IPv6 パケットをス
イッチングする方式の中でスケーラビリティが最も低い方式です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
80
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 エニーキャスト RP ソリューション
IPv6 マルチキャストの高速スイッチングを使用すると、デバイスはプロセス スイッチングよりも
高いパケット転送パフォーマンスを実現できます。従来ルートキャッシュに格納される情報は、
IPv6 マルチキャスト スイッチング用にいくつかのデータ構造に格納されます。 これらのデータ構
造では、ルックアップが最適化され、パケット転送を効率的に行えるようになっています。
IPv6 マルチキャスト転送では、PIM プロトコル ロジックで許可されていれば、最初のパケットの
ファスト スイッチングが行われます。 IPv6 マルチキャストの高速スイッチングでは、MAC カプ
セル化ヘッダーが事前に計算されます。 IPv6 マルチキャストの高速スイッチングでは、MFIB を
使用して、IPv6 送信先プレフィックス ベースのスイッチング判定が行われます。 IPv6 マルチキャ
ストの高速スイッチングでは、MFIB に加えて、隣接関係テーブルを使用して、レイヤ 2 アドレッ
シング情報が付加されます。 隣接関係テーブルでは、すべての MFIB エントリのレイヤ 2 ネクス
トホップ アドレスが管理されます。
隣接が検出されると、隣接関係テーブルにそのデータが入力されます。 (ARP などを使用して)
隣接エントリが作成されるたびに、その隣接ノードのリンク層ヘッダーが事前に計算され、隣接
関係テーブルに格納されます。ルートが決定されると、そのヘッダーはネクストホップおよび対
応する隣接エントリを指します。そのあと、そのヘッダーはパケットスイッチング時のカプセル
化に使用されます。
ロード バランシングと冗長性の両方に対応するようにデバイスが設定されている場合など、ルー
トには送信先プレフィックスへの複数のパスが存在することがあります。 解決されたパスごと
に、そのパスのネクストホップ インターフェイスに対応する隣接へのポインタが追加されます。
このメカニズムは、複数のパスでのロード バランシングに使用されます。
IPv6 エニーキャスト RP ソリューション
PIMv6 エニーキャスト RP ソリューションの概要
IPv6 PIM のエニーキャスト RP ソリューションは、IPv6 ネットワークによる PIM-SM RP のエニー
キャスト サービスのサポートを可能にします。 これにより、PIM のみを実行するドメイン内でエ
ニーキャスト RP を使用できるようになります。 エニーキャスト RP は、IPv4 および IPv6 で使用
できますが、IPv4 だけで動作する Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)には依存しません。
この機能は、ドメイン間接続が不要な場合に便利です。
エニーキャスト RP は、PIM RP のデバイスに障害が発生した場合に、高速コンバージェンスを取
得するために ISP ベースのバックボーンが使用するメカニズムです。 受信側および送信元が最も
近くの RP にランデブーできるようにするには、送信元からのパケットがすべての RP に到達し
て、加入している受信側を検出する必要があります。
ユニキャスト IP アドレスは RP アドレスとして選択されます。 このアドレスは、静的に設定され
るか、またはダイナミック プロトコルを使用して、ドメイン全体のすべての PIM デバイスに配信
されます。 ドメイン内の一連のデバイスが、この RP アドレスの RP として動作するように選択さ
れます。これらのデバイスは、エニーキャスト RP セットと呼ばれます。 エニーキャスト RP セッ
ト内の各デバイスは、RP アドレスを使用してループバック インターフェイスで設定されます。
また、エニーキャスト RP セット内の各デバイスには、RP 間の通信に使用する別の物理 IP アドレ
スも必要です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
81
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 エニーキャスト RP ソリューション
RP アドレス、または RP アドレスに対応するプレフィックスは、ドメイン内部のユニキャスト
ルーティング システムに挿入されます。 エニーキャスト RP セット内の各デバイスは、エニー
キャスト RP セット内のその他すべてのデバイスのアドレスで設定されます。また、この設定は、
セット内のすべての RP で一致している必要があります。
PIMv6 エニーキャスト RP の通常の動作
次の図に、PIMv6 エニーキャスト RP の通常の動作を示し、次のように想定します。
• RP1、RP2、RP3、および RP4 は同じエニーキャスト RP グループのメンバです。
• S11 と S31 は、ユニキャスト ルーティング メトリックに基づいて RP1 と RP3 をそれぞれ使
用するソースです。
• R11、R12、R2、R31 および R32 はレシーバです。 ユニキャスト ルーティング メトリックに
基づいて、R11 と R12 は RP1 に加入し、R2 は RP2 と R31 に加入し、R32 は RP3 にそれぞれ
加入します。
S11 がパケットの送信を開始すると、次のイベント シーケンスが発生します。
1 DR1 は(S, G)ステートを作成し、RP1 へ register を送信します。 DR1 はデータ パケットを
register にカプセル化する場合もあります。
2 register を受信すると、RP1 は通常の PIM-SM RP 機能を実行し、パケットを R11 と R12 へ転送
します。
3 RP1 は、register(データ パケットをカプセル化する場合もあります)を RP2、RP3、RP4 にも
送信します。
4 RP2、RP3、RP4 がさらに register を相互に転送することはありません。
5 RP2、RP3、RP4 は通常の PIM-SM RP 機能を実行し、カプセル化されたデータ パケットがある
場合、RP2 はデータ パケットを R2 に転送し、RP3 はデータ パケットを R31 と R32 にそれぞ
れ転送します。
6 DR1 から送信された null registers に対して上記の 5 ステップが繰り返されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
82
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 BSR
PIMv6 エニーキャスト RP フェールオーバー
次の図は、PIM エニーキャスト RP フェールオーバーを示しています。
フェールオーバーでは、RP1 が到達可能な場合、次のことが実行されます。
• DR1 からの register は RP2 にトランスペアレントにルーティングされます。
• R11 は RP として RP2 を使用し、R12 は、RP として RP4 を使用します。
• DR1 からの register は RP2 から RP3 および RP4 にルーティングされます。
このように、RP の損失(この場合は RP1)は DR1、R11、および R12 に対してトランスペアレン
トであり、ネットワークは、IGP が収束するとすぐに収束します。
IPv6 BSR
IPv6 BSR
ドメイン内の PIM デバイスは、各マルチキャスト グループを正しい RP アドレスにマッピングで
きる必要があります。 PIM-SM 対応の BSR プロトコルは、グループと RP のマッピング情報をド
メイン全体に迅速に配布するためのダイナミック適応メカニズムを備えています。 IPv6 BSR 機能
を使用すると、到達不能になった RP が検出され、マッピング テーブルが変更されます。これに
より、到達不能な RP が今後使用されなくなり、新しいテーブルがドメイン全体に迅速に配布さ
れるようになります。
すべての PIM-SM マルチキャスト グループを RP の IP または IPv6 アドレスに関連付ける必要が
あります。 新しいマルチキャスト送信側が送信を開始すると、そのローカル DR がこれらのデー
タ パケットを PIM register メッセージにカプセル化し、そのマルチキャスト グループの RP に送
信します。 新しいマルチキャスト受信側が加入すると、そのローカル DR がそのマルチキャスト
グループの RP に PIM join メッセージを送信します。 PIM デバイスは、(*, G)join メッセージを
送信するとき、RP 方向への次のデバイスを認識して、G(グループ)がそのデバイスにメッセー
ジを送信できるようにする必要があります。 また、PIM デバイスは、(*, G)ステートを使用し
てデータ パケットを転送するとき、G を宛先としたパケットの正しい着信インターフェイスを認
識する必要があります。これは、他のインターフェイスに着信するパケットを拒否する必要があ
るためです。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
83
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 BSR
ドメイン内の少数のデバイスが候補ブートストラップ ルータ(C-BSR)として設定され、単一の
BSR がそのドメイン用に選択されます。 また、ドメイン内の一連のデバイスが候補 RP(C-RP)
として設定されます。通常、これらのデバイスは、C-BSR として設定されているものと同じデバ
イスです。 候補 RP は、候補 RP アドバタイズメント(C-RP-Adv)メッセージをそのドメインの
BSR に定期的にユニキャストし、RP になる意思をアドバタイズします。 C-RP-Adv メッセージに
は、アドバタイズを行っている C-RP のアドレス、およびグループ アドレスとマスク長のフィー
ルドの任意のリストが含まれています。これらのフィールドは、立候補のアドバタイズの対象と
なるグループ プレフィックスを示します。 BSR は、定期的に発信するブートストラップ メッセー
ジ(BSM)にこれらの一連の C-RP とそれに対応するグループ プレフィックスを含めます。 BSM
は、ドメイン全体にホップバイホップで配布されます。
双方向 BSR がサポートされているため、双方向 RP を C-RP メッセージおよび BSM の双方向範囲
でアドバタイズできます。 システム内のすべてのデバイスは、BSM で双方向範囲を使用できる必
要があります。使用できない場合は、双方向 RP 機能が機能しません。
IPv6 BSR:RP マッピングの設定
RP マッピングを設定するための IPv6 BSR 機能を使用すると、スコープと RP のマッピングを候
補 RP メッセージから学習する代わりに、BSR から直接アナウンスするように、IPv6 マルチキャ
スト デバイスをスタティックに設定できます。 BSR から RP マッピングをアナウンスすると、次
のいくつかの状況で役立ちます。
• RP が 1 つしか存在しないか、またはグループ範囲でエニーキャスト RP が使用されているた
めに、RP アドレスが変わらない場合、候補 BSR で RP アドレス通知をスタティックに設定
することは容易になります。
• RP アドレスが仮想 RP アドレスである場合(双方向 PIM を使用している場合など)、BSR
はそのアドレスを候補 RP から学習できません。 その代わりに、候補 BSR で仮想 RP アドレ
スをアナウンス対象 RP として設定する必要があります。
IPv6 BSR:スコープ ゾーン サポート
BSR では、管理用スコープのマルチキャストを使用してネットワークでグループと RP のマッピ
ングを配布することによって、限定スコープゾーンをサポートしています。ユーザは、ドメイン
内の管理用スコープ領域ごとに候補 BSR と一連の候補 RP を設定できます。
BSR が管理用スコープで正しく機能するためには、BSR および少なくとも 1 つの C-RP がすべて
の管理用スコープ領域内に存在している必要があります。管理用スコープゾーンの境界は、ゾー
ン境界デバイスで設定する必要があります。これは、エラー条件が原因で境界を間違って越える
可能性がある PIM join メッセージをフィルタリングする必要があるためです。 また、管理用ス
コープ ゾーン内の少なくとも 1 つの C-BSR が、管理用スコープ ゾーンのアドレス範囲の C-BSR
になるように設定する必要があります。
BSR 選択は、(BSM を使用して)管理用スコープ範囲ごとに 1 回、およびグローバル範囲に対し
て 1 回行われるようになります。 管理用スコープ範囲は BSM で識別されます。これは、特定の
RP セットで処理するように設定されている範囲だけでなく、管理用スコープ範囲であることを示
すように、グループ範囲がマーク付けされているためです。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
84
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 マルチキャスト グループ
C-RP にスコープが設定されていない場合、その C-RP は、スコープ ゾーンのグループ範囲を含む
選択 BSR から BSM を受信することによって、管理用スコープ ゾーンの有無およびそのグループ
範囲を検出します。 C-RP には、各選択 BSR のアドレスとその BSM に含まれる管理用スコープ
範囲が格納されます。 C-RP は、RP として動作する意思のある管理用スコープ範囲ごとに C-RP-Adv
メッセージを適切な BSR に個別にユニキャストします。
管理用スコープ範囲が使用中の PIM ブートストラップ ドメイン内のすべての PIM デバイスが、
BSM を受信し、該当するすべての管理用スコープ ゾーンに対する選択 BSR と RP のセットを格
納できる必要があります。
IPv6 マルチキャスト:BSR パケットの RPF フラッディング
シスコの IPv6 デバイスでは、BSM のフローを妨げることがないように、BSR パケットの RPF フ
ラッディングがサポートされています。 デバイスは、BSM を十分に認識および解析して、BSR
アドレスを識別します。 デバイスは、この BSR アドレスの RPF チェックを実行し、RPF インター
フェイスで受信したパケットだけを転送します。 また、RPF 情報を含む BSR エントリを作成し、
同じ BSR からの今後の BSM に使用できるようにします。 特定の BSR から BSM を今後受信しな
くなると、BSR エントリはタイムアウトします。
IPv6 マルチキャスト グループ
インターフェイスで IPv6 トラフィックを転送できるようにするには、そのインターフェイスで
IPv6 アドレスを設定する必要があります。 インターフェイスでサイトローカルまたはグローバル
IPv6 アドレスを設定すると、リンクローカル アドレスが自動的に設定され、そのインターフェイ
スに対して IPv6 がアクティブになります。 また、設定されたインターフェイスは、そのリンクに
必要な次のマルチキャスト グループに自動的に加入します。
• インターフェイスに割り当てられたユニキャスト アドレスおよびエニーキャスト アドレス
ごとの請求ノード マルチキャスト グループ FF02:0:0:0:0:1:FF00::/104
(注)
送信要求ノード マルチキャスト アドレスは、ネイバー探索プロセスで使用さ
れます。
• 全ノード リンクローカル マルチキャスト グループ FF02::1
• 全ルータ リンクローカル マルチキャスト グループ FF02::2
IPv6 マルチキャスト アドレス グループ範囲のサポート
この機能は、IPv6 マルチキャスト エッジ ルーティングにアクセス コントロール メカニズムを提
供します。 ACL では、許可または拒否されるマルチキャスト グループまたはチャネルを指定し
ます。拒否されたグループまたはチャネルについて、デバイスはプロトコルトラフィックおよび
アクションを無視し(たとえば、MLD ステートは作成されず、mroute ステートは作成されず、
PIM join は転送されません)、システムのすべてのインターフェイス上でデータ トラフィックを
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
85
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャストの設定方法
ドロップし、ACL によって拒否されたグループまたはチャネルのマルチキャストをディセーブル
にします。
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャストの設定
方法
IPv6 マルチキャスト ルーティングのイネーブル化
IPv6 マルチキャストは、MLD バージョン 2 を使用します。 このバージョンの MLD には、MLD
バージョン 1 との完全な下位互換性があります(RFC 2710 で規定)。 MLD バージョン 1 だけを
サポートするホストは、MLD バージョン 2 を実行しているデバイスと相互運用します。 MLD バー
ジョン 1 ホストと MLD バージョン 2 ホストの両方が混在する LAN もサポートされています。
はじめる前に
最初に、IPv6 マルチキャスト ルーティングをイネーブルにするデバイスのすべてのインターフェ
イスで、IPv6 ユニキャスト ルーティングをイネーブルにする必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 multicast-routing [vrf vrf-name]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
86
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
デバイスでの未認証マルチキャスト トラフィックの受信のディセーブル化
ステップ 3
コマンドまたはアクション
目的
ipv6 multicast-routing [vrf
vrf-name]
すべての IPv6 対応インターフェイスでマルチキャスト ルーティン
グをイネーブルにし、イネーブルになっているすべてのデバイス イ
ンターフェイスで PIM および MLD に対してマルチキャスト転送を
イネーブルにします。
例:
Device(config)# ipv6
multicast-routing
• IPv6 マルチキャスト ルーティングは、IPv6 ユニキャスト ルー
ティングがイネーブルの場合、デフォルトでディセーブルで
す。 特定のデバイスでは、IPv6 ユニキャスト ルーティングを
使用するには、IPv6 マルチキャスト ルーティングもイネーブル
にする必要があります。
デバイスでの未認証マルチキャストトラフィックの受信のディセーブ
ル化
状況によっては、アクセスコントロールプロファイルに従って加入者の認証とチャネルの許可が
行われていないかぎり、マルチキャスト トラフィックの受信を防止することが必要となる場合が
あります。 つまり、アクセス コントロール プロファイルで特に指定がなければ、トラフィック
を完全になくす必要があります。
未認証グループまたは未許可チャネルからマルチキャスト トラフィックをデバイスが受信しない
ようにするには、次の作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 multicast [vrf vrf-name] group-range[access-list-name]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
87
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 マルチキャストのトラブルシューティング
ステップ 2
コマンドまたはアクション
目的
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始しま
す。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 multicast [vrf vrf-name]
group-range[access-list-name]
デバイスのすべてのインターフェイスで未許可グループ
またはチャネルのマルチキャスト プロトコル アクショ
ンおよびトラフィック転送をディセーブルにします。
例:
Device(config)# ipv6 multicast
group-range
IPv6 マルチキャストのトラブルシューティング
手順の概要
1. enable
2. debug ipv6 mfib group-name | group-address] [adjacency | signal | db | init | mrib | pak | ps
3. debug ipv6 mld [group-name | group-address | interface-type]
4. debug ipv6 mld explicit [group-name | group-address
5. debug ipv6 pim [group-name | group-address | interface-type | neighbor | bsr
6. debug bgp ipv6 {unicast | multicast} dampening [prefix-list prefix-list-name
7. debug bgp ipv6 {unicast | multicast} updates [ipv6-address] [prefix-list prefix-list-name] [in | out
8. debug ipv6 mrib client
9. debug ipv6 mrib io
10. debug ipv6 mrib issu
11. debug ipv6 mrib proxy
12. debug ipv6 mrib route [group-name | group-address
13. debug ipv6 mrib table
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場
合)。
Device> enable
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
88
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 マルチキャストのトラブルシューティング
ステップ 2
コマンドまたはアクション
目的
debug ipv6 mfib group-name | group-address]
[adjacency | signal | db | init | mrib | pak | ps
IPv6 MFIB に対するデバッグ出力をイネーブルに
します。
例:
Device# debug ipv6 mfib pak FF04::10
ステップ 3
debug ipv6 mld [group-name | group-address |
interface-type]
MLD プロトコル アクティビティに対するデバッ
グをイネーブルにします。
例:
Device# debug ipv6 mld
ステップ 4
debug ipv6 mld explicit [group-name |
group-address
ホストの明示的トラッキングに関連する情報を表
示します。
例:
Device# debug ipv6 mld explicit
ステップ 5
debug ipv6 pim [group-name | group-address |
interface-type | neighbor | bsr
PIM プロトコル アクティビティに対するデバッグ
をイネーブルにします。
例:
Device# debug ipv6 pim
ステップ 6
debug bgp ipv6 {unicast | multicast} dampening IPv6 BGP 減衰のデバッグ メッセージを表示しま
[prefix-list prefix-list-name
す。
例:
Device# debug bgp ipv6 multicast
ステップ 7
debug bgp ipv6 {unicast | multicast} updates
IPv6 BGP アップデート パケットのデバッグ メッ
[ipv6-address] [prefix-list prefix-list-name] [in | out セージを表示します。
例:
Device# debug bgp ipv6 multicast updates
ステップ 8
debug ipv6 mrib client
MRIB クライアント管理アクティビティに対する
デバッグをイネーブルにします。
例:
Device# debug ipv6 mrib client
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
89
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
PIMv6 エニーキャスト RP の設定
ステップ 9
コマンドまたはアクション
目的
debug ipv6 mrib io
MRIB I/O イベントに対するデバッグをイネーブル
にします。
例:
Device# debug ipv6 mrib io
ステップ 10
debug ipv6 mrib issu
MRIB 稼働中ソフトウェア アップデートに対する
デバッグをイネーブルにします。
例:
Device# debug ipv6 mrib issu
ステップ 11
debug ipv6 mrib proxy
例:
分散型デバイスにおけるルート プロセッサとライ
ンカード間の MRIB プロキシ アクティビティに対
するデバッグをイネーブルにします。
Device# debug ipv6 mrib proxy
ステップ 12
debug ipv6 mrib route [group-name |
group-address
MRIBルーティングエントリ関連のアクティビティ
に関する情報を表示します。
例:
Device# debug ipv6 mrib route
ステップ 13
debug ipv6 mrib table
MRIBテーブル管理アクティビティに対するデバッ
グをイネーブルにします。
例:
Device# debug ipv6 mrib table
PIMv6 エニーキャスト RP の設定
このタスクでは、2 つの PIMv6 RP ピアをイネーブル化する方法について説明します。 ステップ
3~11 は RP1 の設定を示し、ステップ 12~19 は RP2 の設定を示しています。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
90
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
PIMv6 エニーキャスト RP の設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 pim [vrf vrf-name] rp-address ipv6-address [group-address-list ] [bidir]
4. interface type number
5. ipv6 address {ipv6-address/prefix-length | prefix-name sub-bits /prefix-length}
6. no shut
7. interface type number
8. ipv6 address {ipv6-address/prefix-length | prefix-name sub-bits /prefix-length}
9. no shut
10. exit
11. ipv6 pim anycast-RP rp-address peer-address
12. ipv6 pim [vrf vrf-name] rp-address ipv6-address [group-address-list ] [bidir]
13. interface type number
14. ipv6 address {ipv6-address/prefix-length | prefix-name sub-bits /prefix-length}
15. no shut
16. interface type number
17. ipv6 address {ipv6-address/prefix-length | prefix-name sub-bits /prefix-length}
18. no shut
19. ipv6 pim anycast-RP rp-address peer-address
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始し
ます。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 pim [vrf vrf-name] rp-address ipv6-address 特定のグループ範囲の PIM RP のアドレスを設定しま
[group-address-list ] [bidir]
す。
例:
Device(config)# ipv6 pim rp-address
2001:DB8::1:1 acl_sparse1
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
91
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
PIMv6 エニーキャスト RP の設定
ステップ 4
コマンドまたはアクション
目的
interface type number
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバイ
スをインターフェイス コンフィギュレーション モー
ドにします。
例:
Device(config)# interface Loopback4
ステップ 5
ipv6 address {ipv6-address/prefix-length |
prefix-name sub-bits /prefix-length}
IPv6 の一般的なプレフィックスに基づいて IPv6 アド
レスを設定し、インターフェイスにおける IPv6 処理
をイネーブルにします。
例:
Device(config-if)# ipv6 address
2001:DB8::4:4/64
ステップ 6
no shut
インターフェイスをイネーブルにします。
例:
Device(config-if)# no shut
ステップ 7
interface type number
例:
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバイ
スをインターフェイス コンフィギュレーション モー
ドにします。
Device(config-if)# interface Loopback5
ステップ 8
ipv6 address {ipv6-address/prefix-length |
prefix-name sub-bits /prefix-length}
IPv6 の一般的なプレフィックスに基づいて IPv6 アド
レスを設定し、インターフェイスにおける IPv6 処理
をイネーブルにします。
例:
Device(config-if)# ipv6 address
2001:DB8:0:ABCD::1/64
ステップ 9
no shut
インターフェイスをイネーブルにします。
例:
Device(config-if)# no shut
ステップ 10
exit
例:
このコマンドを入力してインターフェイス コンフィ
ギュレーション モードを終了し、グローバル コン
フィギュレーション モードを開始します。
Device(config-if)# exit
ステップ 11
ipv6 pim anycast-RP rp-address peer-address
このコマンドを使用して、エニーキャスト グループ
範囲の PIM RP のアドレスを設定します。
例:
Device(config)# ipv6 pim anycast-rp
2001:DB8:0:ABCD::1 2001:DB8::3:3
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
92
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
PIMv6 エニーキャスト RP の設定
コマンドまたはアクション
ステップ 12
目的
ipv6 pim [vrf vrf-name] rp-address ipv6-address 特定のグループ範囲の PIM RP のアドレスを設定しま
[group-address-list ] [bidir]
す。
例:
Device(config)# ipv6 pim rp-address
2001:DB8::1:1 acl_sparse1
ステップ 13
interface type number
例:
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバイ
スをインターフェイス コンフィギュレーション モー
ドにします。
Device(config)# interface Loopback4
ステップ 14
ipv6 address {ipv6-address/prefix-length |
prefix-name sub-bits /prefix-length}
IPv6 の一般的なプレフィックスに基づいて IPv6 アド
レスを設定し、インターフェイスにおける IPv6 処理
をイネーブルにします。
例:
Device(config-if)# ipv6 address
2001:DB8::3:3/64
ステップ 15
インターフェイスをイネーブルにします。
no shut
例:
Device(config-if)# no shut
ステップ 16
interface type number
例:
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバイ
スをインターフェイス コンフィギュレーション モー
ドにします。
Device(config-if)# interface Loopback5
ステップ 17
ipv6 address {ipv6-address/prefix-length |
prefix-name sub-bits /prefix-length}
IPv6 の一般的なプレフィックスに基づいて IPv6 アド
レスを設定し、インターフェイスにおける IPv6 処理
をイネーブルにします。
例:
Device(config-if)# ipv6 address
2001:DB8:0:ABCD::1/64
ステップ 18
インターフェイスをイネーブルにします
no shut
例:
Device(config-if)# no shut
ステップ 19
ipv6 pim anycast-RP rp-address peer-address
このコマンドを使用して、エニーキャスト グループ
範囲の PIM RP のアドレスを設定します。
例:
Device(config-if)# ipv6 pim anycast-rp
2001:DB8::1:1 2001:DB8::4:4
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
93
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
BSR の設定および BSR 情報の確認
BSR の設定および BSR 情報の確認
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr candidate bsr ipv6-address[hash-mask-length] [priority priority-value]
4. interface type number
5. ipv6 pim bsr border
6. end
7. show ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr {election | rp-cache | candidate-rp}
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場
合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開
始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr candidate bsr
ipv6-address[hash-mask-length] [priority
priority-value]
候補 BSR になるようにデバイスを設定します。
例:
Device(config)# ipv6 pim bsr candidate bsr
2001:DB8:3000:3000::42 124 priority 10
ステップ 4
interface type number
例:
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバ
イスをインターフェイス コンフィギュレーション
モードにします。
Device(config)# interface FastEthernet 1/0
ステップ 5
ipv6 pim bsr border
指定したインターフェイスの任意のスコープの全
BSM に対して境界を設定します。
例:
Device(config-if)# ipv6 pim bsr border
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
94
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
BSR への PIM RP アドバタイズメントの送信
ステップ 6
コマンドまたはアクション
目的
end
特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config-if)# end
ステップ 7
show ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr {election |
rp-cache | candidate-rp}
PIM BSR プロトコル処理に関連する情報を表示し
ます。
例:
Device# show ipv6 pim bsr election
BSR への PIM RP アドバタイズメントの送信
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr candidate rp ipv6-address [group-list access-list-name] [priority
priority-value] [interval seconds] [scope scope-value] [bidir]
4. interface type number
5. ipv6 pim bsr border
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場
例:
合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始
します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr candidate rp
BSR に PIM RP アドバタイズメントを送信します。
ipv6-address [group-list access-list-name] [priority
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
95
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
限定スコープ ゾーン内で BSR を使用できるようにするための設定
コマンドまたはアクション
目的
priority-value] [interval seconds] [scope scope-value]
[bidir]
例:
Device(config)# ipv6 pim bsr candidate rp
2001:DB8:3000:3000::42 priority 0
ステップ 4
interface type number
例:
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバ
イスをインターフェイス コンフィギュレーション
モードにします。
Device(config)# interface FastEthernet 1/0
ステップ 5
ipv6 pim bsr border
指定したインターフェイスの任意のスコープの全
BSM に対して境界を設定します。
例:
Device(config-if)# ipv6 pim bsr border
限定スコープ ゾーン内で BSR を使用できるようにするための設定
ユーザは、ドメイン内の管理用スコープ領域ごとに候補 BSR と一連の候補 RP を設定できます。
候補 RP でスコープが指定されている場合、このデバイスは指定されたスコープの BSR に自身を
C-RP 専用としてアドバタイズします。 スコープとともにグループ リストが指定されている場合
は、そのグループリストと同じスコープが指定されたアクセスリスト内のプレフィックスだけが
アドバタイズされます。
ブートストラップ デバイスでスコープが指定されている場合、その BSR はそのスコープに関連付
けられているグループ範囲を含む BSM の起点となり、指定されたスコープに属するグループに対
する C-RP 通知を受け入れます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr candidate bsr ipv6-address [hash-mask-length] [priority priority-value]
4. ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr candidate rp ipv6-address [group-list access-list-name] [priority
priority-value] [interval seconds] [scope scope-value] [bidir]
5. interface type number
6. ipv6 multicast boundary scope scope-value
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
96
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
限定スコープ ゾーン内で BSR を使用できるようにするための設定
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場
例:
合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開
始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr candidate bsr ipv6-address 候補 BSR になるようにデバイスを設定します。
[hash-mask-length] [priority priority-value]
例:
Device(config)# ipv6 pim bsr candidate bsr
2001:DB8:1:1:4
ステップ 4
ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr candidate rp ipv6-address BSR に PIM RP アドバタイズメントを送信する
[group-list access-list-name] [priority priority-value] ように候補 RP を設定します。
[interval seconds] [scope scope-value] [bidir]
例:
Device(config)# ipv6 pim bsr candidate rp
2001:DB8:1:1:1 group-list list scope 6
ステップ 5
interface type number
例:
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デ
バイスをインターフェイス コンフィギュレー
ション モードにします。
Device(config)# interface FastEthernet 1/0
ステップ 6
ipv6 multicast boundary scope scope-value
指定されたスコープのインターフェイスでマル
チキャスト境界を設定します。
例:
Device(config-if)# ipv6 multicast boundary scope
6
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
97
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
BSR デバイスにスコープと RP のマッピングをアナウンスさせるための設定
BSR デバイスにスコープと RP のマッピングをアナウンスさせるため
の設定
IPv6 BSR デバイスは、スコープと RP のマッピングを候補 RP メッセージから学習するのではな
く、直接アナウンスするようにスタティックに設定できます。 ユーザは、スコープと RP のマッ
ピングをアナウンスするように BSR デバイスを設定して、BSR をサポートしていない RP がその
BSR にインポートされるように設定できます。 この機能をイネーブルにすると、ローカルの候補
BSR デバイスの既知のリモート RP が、企業の BSR ドメインの外部に配置されている RP を学習
できるようになります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr announced rp ipv6-address [group-list access-list-name] [priority
priority-value] [bidir] [scope scope-value]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場
合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開
始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 pim [vrf vrf-name] bsr announced rp ipv6-address 指定した候補 RP の BSR からスコープと RP の
[group-list access-list-name] [priority priority-value] マッピングを直接アナウンスします。
[bidir] [scope scope-value]
例:
Device(config)# ipv6 pim bsr announced rp
2001:DB8:3000:3000::42 priority 0
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
98
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャストの設定例
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャストの設定
例
例:IPv6 マルチキャスト ルーティングのイネーブル化
次に、すべてのインターフェイスでマルチキャスト ルーティングをイネーブルにし、イネーブル
になっているすべてのデバイス インターフェイスで PIM および MLD に対してマルチキャスト転
送をイネーブルにする例を示します。
Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# ipv6 multicast-routing
例:IPv6 マルチキャストアドレスグループ範囲のサポートのディセー
ブル化
次の例では、list2 という名前のアクセス リストによって拒否されたグループまたはチャネルのマ
ルチキャストをデバイスでディセーブルにできます。
ipv6 multicast group-range list2
次に、上記の例のコマンドが int2 で指定されたインターフェイス上で上書きされる例を示します。
int2 で、MLD ステートは int-list2 によって許可されるグループまたはチャネルに対して作成され
ますが、int-list2 によって拒否されるグループまたはチャネルに対しては作成されません。 他のす
べてのインターフェイスでは、list2 という名前のアクセスリストがアクセス コントロールに使用
されます。
この例では、すべてあるいはほとんどのマルチキャスト グループまたはチャネルを拒否するよう
に list2 を指定でき、インターフェイス int2 に対してのみ許可グループまたはチャネルを許可する
ように int-list2 を指定できます。
Device(config)# interface int2
Device(config-if)# ipv6 mld access-group int-list2
例:IPv6 MRIB 情報の確認
次の例では、IPv6 MRIB クライアントに関する情報を示します。
Device# show ipv6 mrib client
IP MRIB client-connections
igmp:145
(connection id 0)
pim:146 (connection id 1)
mfib ipv6:3
(connection id 2)
slot 3 mfib ipv6 rp agent:16
(connection id 3)
slot 1 mfib ipv6 rp agent:16
(connection id 4)
slot 0 mfib ipv6 rp agent:16
(connection id 5)
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
99
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
例:PIMv6 エニーキャスト RP の設定
slot 4
slot 2
mfib ipv6 rp agent:16
mfib ipv6 rp agent:16
(connection id 6)
(connection id 7)
次の例では、IPv6 MRIB ルートに関するサマリー情報を示します。
Device# show ipv6 mrib route summary
MRIB Route-DB Summary
No. of (*,G) routes = 52
No. of (S,G) routes = 0
No. of Route x Interfaces (RxI) = 10
例:PIMv6 エニーキャスト RP の設定
RP1
Device1(config)# ipv6 pim rp-address 2001:DB8::1:1 acl_sparse1
Device1(config)# interface Loopback4
Device1(config-if)# ipv6 address 2001:DB8::4:4/64
Device1(config-if)# no shut
Device1(config)# interface Loopback5
Device1(config-if)# ipv6 address 2001:DB8:0:ABCD::1/64
Device1(config-if)# no shut
Device1(config-if)# exit
Device1(config)# ipv6 pim anycast-rp 2001:DB8:0:ABCD::1 2001:DB8::3:3
RP2 (Anycast RP Peer)
Device2(config)# ipv6 pim rp-address 2001:DB8::1:1 acl_sparse1
Device2(config)# interface Loopback4
Device2(config-if)# ipv6 address 2001:DB8::3:3/64
Device2(config-if)# no shut
Device2(config)# interface Loopback5
Device2(config-if)# ipv6 address 2001:DB8:0:ABCD::1/64
Device2(config-if)# no shut
Device2(config)# ipv6 pim anycast-rp 2001:DB8::1:1 2001:DB8::4:4
Device2 show ipv6 pim anycast-rp 2001:DB8::1:1
Anycast RP Peers For 2001:DB8::1:1
2001:DB8::3:3 00:00:00/00:00:00
2001:DB8::4:4 00:00:00/00:00:00
Last Register/Register-Stop received
例:BSR の設定
Device# show ipv6 pim bsr election
PIMv2 BSR information
BSR Election Information
Scope Range List: ff00::/8
This system is the Bootstrap Router (BSR)
BSR Address: 60::1:1:4
Uptime: 00:11:55, BSR Priority: 0, Hash mask length: 126
RPF: FE80::A8BB:CCFF:FE03:C400,Ethernet0/0
BS Timer: 00:00:07
This system is candidate BSR
Candidate BSR address: 60::1:1:4, priority: 0, hash mask length: 126
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
100
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
その他の関連資料
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IPv6 のアドレッシングと接続
『IPv6 Configuration Guide』
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
IPv6 コマンド
『Cisco IOS IPv6 Command
Reference』
Cisco IOS IPv6 機能
『Cisco IOS IPv6 Feature
Mapping』
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
IPv6 用 RFC
『IPv6 RFCs』
MIB
MIB
MIB のリンク
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
101
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の
機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
102
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報
表 4:IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報
機能名
リリース
機能情報
IPv6 マルチキャスト
12.0(26)S
IPv6 マルチキャストを使用する
と、ホストがすべてのホストの
サブセットに同時に単一のデー
タ ストリームを送信できるよ
うになります。
12.2(25)SG
12.2(33)SRA
12.2(18)SXE
12.3(2)T
12.4
12.4(2)T
15.0(2)SE
Cisco IOS XE Release 2.1
次のコマンドが導入または変更
されました。clear ipv6 pim
topology、debug ipv6 mld、
debug ipv6 mrib、debug ipv6
pim、debug ipv6 pim
neighbor、ipv6 mld
join-group、 ipv6 mld
query-interval、ipv6 mld
query-max-response-time、ipv6
mld query-timeout、ipv6 mld
router、ipv6 mld static-group、
ipv6 multicast-routing 、ipv6
pim、ipv6 pim dr-priority、ipv6
pim hello-interval、ipv6 pim
rp-address 、ipv6 pim
spt-threshold infinity 、show
ipv6 mld groups、show ipv6 mld
groups summary、show ipv6
mld interface、show ipv6 mrib
client、show ipv6 mrib route、
show ipv6 mroute、show ipv6
pim group-map、show ipv6 pim
interface、show ipv6 pim
neighbor、show ipv6 pim
range-list、show ipv6 pim
topology、show ipv6 pim
tunnel。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
103
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報
機能名
リリース
機能情報
IPv6 マルチキャスト アドレス
グループ範囲のサポート
15.0(1)M
この機能は、グループ範囲の
ディセーブル化とも呼ばれま
す。
12.2(40)SG
3.2.0SG
15.0(2)SG
12.2(33)SRE
12.2(33)SXI
Cisco IOS XE Release 2.6
IPv6 マルチキャスト:スコープ 12.0(26)S
境界
12.2(18)S
12.2(25)SG
12.2(33)SRA
12.3(2)T
この機能は、IPv6 マルチキャス
ト エッジ ルーティングにアク
セス コントロール メカニズム
を提供します。
次のコマンドが導入または変更
されました。ipv6 mld
access-group、ipv6 multicast
boundary scope、ipv6 multicast
group-range。
IPv6 では、グローバル アドレ
スと非グローバル アドレスが
サポートされています。 ここ
では、異なるスコープの IPv6
アドレスの使用方法について説
明します。
12.4
12.4(2)T
15.0(1)S
PIMv6:エニーキャスト RP ソ 15.1(3)S
リューション
Cisco IOS XE Release 3.4S
15.2(3)T
IPv6 PIM のエニーキャスト RP
ソリューションでは、IPv6 ネッ
トワークで PIM-SM RP に対す
るエニーキャスト サービスの
サポートが可能になり、PIM の
みを実行しているドメイン内で
エニーキャスト RP を使用でき
ます。
次のコマンドが導入または変更
されました。ipv6 pim
anycast-RP、show ipv6 pim
anycast-RP。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
104
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報
機能名
リリース
IPv6 マルチキャスト:ブートス 12.0(28)S
トラップ ルータ
12.2(25)S
12.2(25)SG
12.2(33)SRA
12.2(33)SXH
12.3(11)T
12.4
12.4(2)T
Cisco IOS XE Release 2.4
15.0(1)S
IPv6 BSR:RP マッピングの設 12.2(33)SRE
定
12.2(50)SY
12.4(2)T
Cisco IOS XE Release 2.4
15.0(1)S
機能情報
この機能を使用すると、到達不
能になった RP が検出され、
マッピング テーブルが変更さ
れます。これにより、到達不能
な RP が今後使用されなくな
り、新しいテーブルがドメイン
全体に迅速に配布されるように
なります。
次のコマンドが導入または変更
されました。debug ipv6 pim
bsr、 ipv6 pim bsr border、 ipv6
pim bsr candidate bsr、ipv6 pim
bsr candidate rp、show ipv6 pim
bsr、show ipv6 pim
group-map。
この機能を使用すると、スコー
プと RP のマッピングを候補 RP
メッセージから学習する代わり
に、BSRから直接アナウンスす
るように、IPv6 マルチキャスト
デバイスをスタティックに設定
できます。
次のコマンドが導入または変更
されました。ipv6
multicast-routing、ipv6 pim bsr
announced rp、ipv6 pim bsr
candidate bsr。
IPv6 マルチキャスト:BSR パ
ケットの RPF フラッディング
Cisco IOS XE Release 2.1
BSR パケット機能の RPF フ
ラッディングを使用すると、
Cisco IPv6 デバイスが BSM の
フローを妨げることがなくなり
ます。
次のコマンドが導入されまし
た。show ipv6 pim bsr。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
105
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定
IPv6 ネットワークでの基本的な IP マルチキャスト設定の機能情報
機能名
リリース
機能情報
IPv6 マルチキャスト VRF Lite
15.1(4)M
この機能は、複数の仮想ルー
ティング/転送コンテキスト
(VRF)に対する IPv6 マルチ
キャスト サポートを提供しま
す(これらの VRF のスコープ
は、VRF が定義されているデ
バイスに制限されています)。
Cisco IOS XE Release 3.4S
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
106
第
4
章
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメイン
の相互接続
このモジュールでは、Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)を使用した複数の PIM-SM ド
メインの相互接続に関連する作業について説明します。 作業では、MSDP のピア、メッシュ グ
ループ、およびデフォルト ピアを設定する方法、フィルタを使用して MSDP のアクティビティ
を制御し、範囲を設定する方法、および MSDP をモニタリングし、維持する方法を説明します。
MSDP を PIM-SM と併用することで、複数の PIM-SM ドメインを簡単に接続できます。
• 機能情報の確認, 107 ページ
• MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続する前提条件, 108 ページ
• MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための情報, 108 ページ
• MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続する方法, 126 ページ
• MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続する設定例, 154 ページ
• その他の関連資料, 157 ページ
• MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための機能情報, 159 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
107
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続する前提条件
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続す
る前提条件
MSDP を設定する前に、すべての MSDP ピアのアドレスがボーダー ゲートウェイ プロトコル
(BGP)で認識されている必要があります。
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続す
るための情報
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続することの利点
• ランデブー ポイント(RP)でドメイン外のアクティブなソースを動的に検出できます。
• 複数のドメイン間でマルチキャスト配信ツリーを構築するためのさらに管理しやすいアプ
ローチを導入できます。
複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための MSDP の使用
MSDP は、複数の PIM-SM ドメインを接続するメカニズムです。 MSDP の目的は、他の PIM ドメ
イン内のマルチキャスト ソースを検出することです。 MSDP の主な利点は、PIM-SM ドメインで
(共通の共有ツリーではなく)ドメイン間ソース ツリーを使用することで、複数の PIM-SM ドメ
インを簡単に相互接続できることです。 MSDP がネットワークで設定されている場合、RP は他の
ドメインの RP とソース情報を交換します。 RP は、レシーバがいるグループに送信するソースの
ドメイン間ソース ツリーに参加できます。 これができるのは、RP が、アクティブなレシーバが
存在するドメイン内のすべてのポイントへのブランチがある、ドメイン内の共有ツリーのルート
であるためです。 ラスト ホップ ルータは(共有ツリー下のソースからのマルチキャスト パケッ
トの着信によって)PIM-SM ドメイン外の新しいソースを学習すると、ソースに加入を送信し、
ドメイン間ソース ツリーに参加できます。
(注)
RP に特定のグループの共有ツリーがないか、または RP の共有ツリーの発信インターフェイス
リストが空の場合は、別のドメイン内のソースに加入を送信しません。
MSDP がイネーブルになっている場合、PIM-SM ドメインの RP は、他のドメインの MSDP 対応
ルータとの MSDP ピアリング関係を維持します。 このピアリング関係は TCP 接続を通じて発生
し、主にマルチキャスト グループに送信するソースのリストが交換されます。 MSDP は、ピアリ
ング接続に TCP(ポート 639)を使用します。 BGP と同様に、ポイントツーポイント TCP ピアリ
ングを使用することは、各ピアを明示的に設定する必要があることを意味します。 また、RP 間
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
108
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための MSDP の使用
の TCP 接続は、基本的なルーティング システムによって実現されます。 受信側の RP では、送信
元リストを使用して送信元のパスが確立されます。マルチキャストソースがレシーバがいるドメ
インの対象である場合、マルチキャスト データは PIM-SM で提供される通常のソース ツリー構築
メカニズムを使用して配信されます。 MSDP は、グループを送信する送信元のアナウンスにも使
用されます。 これらのアナウンスは、ドメインの RP で発信する必要があります。
(注)
MSDP は、ドメイン間の動作に関して BGP またはマルチプロトコル BGP(MBGP)に依存し
ています。 グローバル マルチキャスト グループに送信する RP で MSDP を実行することを推
奨します。
図に、2 つの MSDP ピア間で動作する MSDP を示します。 PIM では、ドメインの RP に送信元を
登録するための標準メカニズムとして、MSDP が使用されます。
図 11:RP ピア間で動作する MSDP
MSDP が実装されている場合、次のイベント シーケンスが発生します。
1 図に示すように、PIM 指定ルータ(DR)が RP にソースを登録すると、RP はその MSDP ピア
すべてに Source-Active(SA)メッセージを送信します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
109
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための MSDP の使用
(注)
DR は、(ソースがアクティブになると)カプセル化されたデータをソースごとに 1 回だけ RP
に送信します。 ソースがタイムアウトした場合、ソースが再度アクティブになるとこのプロ
セスが実行されます。 この状況は、発信側の RP に登録されたすべてのソースを含む定期的な
SA メッセージとは異なります。 これらの SA メッセージは MSDP の制御パケットで、そのた
め、アクティブなソースからのカプセル化されたデータは含まれません。
1 SA メッセージでは、ソース アドレス、ソースの送信先グループ、および RP のアドレスまた
は発信者 ID が識別されます(設定されている場合)。
2 SA メッセージを受信する各 MSDP ピアは、発信者からのダウンストリームのすべてのピアに
SA メッセージをフラッディングします。 場合によっては(図のように PIM-SM ドメイン B お
よび C に RP がある場合など)、RP は複数の MSDP ピアから SA メッセージのコピーを受信
することがあります。 ループが作成されないように、RP は BGP ネクスト ホップ データベー
スに問い合わせて、SA メッセージの発信者へのネクスト ホップを識別します。 MBGP とユニ
キャスト BGP の両方が設定されている場合、最初に MBGP がチェックされ、次にユニキャス
ト BGP がチェックされます。 そのネクスト ホップ ネイバーは発信者の RPF ピアです。 RPF
ピアとのインターフェイス以外のインターフェイスの発信者から受信した SA メッセージはド
ロップされます。 そのため、SA メッセージ フラッディング プロセスはピア RPF フラッディ
ングと呼ばれます。 ピア RPF フラッディング メカニズムにより、BGP または MBGP は MSDP
とともに実行する必要があります。
(注)
(M)BGP は、MSDP メッシュ グループのシナリオでは必要ありません。 MSDP メッシュ グ
ループの詳細については、MSDP メッシュ グループの設定, (137 ページ)のセクションを参
照してください。
(注)
(M)BGP は、デフォルト MSDP ピアのシナリオまたは MSDP ピアが 1 つだけ設定されてい
るシナリオでは必要ありません。 詳細については、デフォルトの MSDP ピアの設定, (136 ペー
ジ)のセクションを参照してください。
1 RP は SA メッセージを受信すると、グループ(*, G)の発信インターフェイス リストにイン
ターフェイスがあるかどうかを確認して、アドバタイズされたグループのメンバがドメイン内
にあるかどうかを確認します。 グループ メンバが存在しない場合、RP は何も実行しません。
グループ メンバが存在する場合、RP はソースに対して(S, G)加入を送信します。 その結果、
RP へのドメイン間のブランチが自律システムの境界を越えて構築されます。 マルチキャスト
パケットは、RP に着信すると、その共有ツリーを経由して RP のドメイン内のグループ メン
バに転送されます。 メンバの DR は、標準的な PIM-SM 手順を使用してソースへのランデブー
ポイント ツリー(RPT)に加入することもできます。
2 発信側の RP は、ソースがグループにパケットを送信している限り、(S, G)ステートの定期
的な SA メッセージを 60 秒ごとに送信し続けます。 RP は SA メッセージを受信すると、SA
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
110
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP メッセージ タイプ
メッセージをキャッシュします。 たとえば、RP が発信側の RP 10.5.4.3 から(172.16.5.4、
228.1.2.3)の SA メッセージを受信するとします。 RP は mroute テーブルに問い合わせて、グ
ループ 228.1.2.3 にアクティブ メンバがないことを検出するため、10.5.4.3 のダウンストリーム
のピアに SA メッセージを渡します。 ドメイン内のホストがグループ 228.1.2.3 の RP に加入を
送信すると、RP はホストへのインターフェイスを(*, 224.1.2.3)エントリの発信インターフェ
イス リストに追加します。 RP は SA メッセージをキャッシュするため、ルータは (172.16.5.4,
228.1.2.3) のエントリを持ち、ホストが加入を要求するとすぐにソース ツリーに加入できます。
(注)
現行のすべてのサポートされているソフトウェア リリースでは、MSDP SA メッセージのキャッ
シュは必須であり、手動でイネーブルまたはディセーブルにすることはできません。 デフォ
ルトでは、MSDP ピアが設定されると、ip multicast cache-sa-state コマンドが自動的に実行コ
ンフィギュレーションに追加されます。
MSDP メッセージ タイプ
それぞれ独自のタイプ、長さ、値(TLV)データ形式で符号化された 4 つの基本的な MSDP メッ
セージ タイプがあります。
SA メッセージ
SA メッセージは、ドメイン内のアクティブなソースをアドバタイズするために使用されます。
また、これらの SA メッセージには、ソースから送信された初期マルチキャスト データ パケット
が含まれる場合があります。
SA メッセージには、発信側の RP の IP アドレスおよびアドバタイズされる 1 つまたは複数の(S,
G)ペアが含まれます。 また、SA メッセージにはカプセル化されたデータ パケットが含まれる
ことがあります。
(注)
SA メッセージの詳細については、SA メッセージの発信、受信、および処理, (112 ページ)
を参照してください。
SA 要求メッセージ
SA 要求メッセージは、特定のグループのアクティブなソースのリストを要求するために使用され
ます。 これらのメッセージは、SA キャッシュにアクティブな(S, G)ペアのリストを保持する
MSDP SA キャッシュに送信されます。 参加遅延は、発信側の RP によって再度アドバタイズされ
るグループ内のすべてのアクティブなソースに対して最大 60 秒待機するのではなく、SA 要求メッ
セージを使用してグループのアクティブなソースのリストを要求することで低減できます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
111
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
SA メッセージの発信、受信、および処理
(注)
SA 要求メッセージの詳細については、MSDP ピアへのソース情報の要求, (143 ページ)を参
照してください。
SA 応答メッセージ
SA 応答メッセージは、SA 要求メッセージに応じて MSDP ピアによって送信されます。 SA 応答
メッセージには、発信側 RP の IP アドレス、およびキャッシュに格納されている発信側 RP のド
メイン内のアクティブなソースの(S, G)ペアが 1 つまたは複数含まれます。
(注)
SA 応答メッセージの詳細については、SA 要求フィルタを使用した MSDP ピアからの発信 SA
要求メッセージに対する応答の制御, (145 ページ)を参照してください。
キープアライブ メッセージ
キープアライブ メッセージは、MSDP セッションをアクティブにしておくために 60 秒ごとに送
信されます。 キープアライブ メッセージまたは SA メッセージが 75 秒間受信されない場合、MSDP
セッションはリセットされます。
(注)
キープアライブ メッセージの詳細については、MSDP キープアライブ インターバルおよび保
留時間インターバルの調整, (133 ページ)を参照してください。
SA メッセージの発信、受信、および処理
ここでは SA メッセージの発信、受信、および処理について詳しく説明します。
SA メッセージの発信
SA メッセージは、ローカル PIM-SM ドメイン内で新しいソースがアクティブになると、RP によっ
てトリガーされます(MSDP が設定されている場合)。 ローカル ソースは、RP に直接接続され
ているソース、または登録されているファースト ホップ DR です。 RP は、PIM-SM ドメイン内の
ローカル ソース、つまり RP に登録されているローカル ソースの SA メッセージだけを発信しま
す。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
112
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
SA メッセージの発信、受信、および処理
(注)
ローカル ソースは、RP の(S, G)mroute エントリに設定されている A フラグによって示され
ます(show ip mroute コマンドの出力で確認できます)。 このフラグは、ソースが、RP が他
の MSDP ピアにアドバタイズする候補であることを示します。
ソースがローカル PIM-SM ドメイン内にある場合、RP に(S, G)ステートが作成されます。 新し
いソースは、登録メッセージを受信するか、直接接続されているソースから最初の(S, G)パケッ
トが着信することによって RP で検出されます。 ソースから送信された最初のマルチキャスト パ
ケット(登録メッセージにカプセル化されるか、直接接続されているソースから受信します)は、
最初の SA メッセージにカプセル化されます。
SA メッセージの受信
SA メッセージは、発信者への最良パスにある MSDP RPF ピアからに限り受け入れられます。 他
の MSDP ピアから着信する同じ SA メッセージは無視する必要があり、無視しないと、SA ループ
が発生することがあります。 着信 SA メッセージの MSDP RPF ピアを選択するには、MSDP トポ
ロジの知識が必要です。 ただし、MSDP はルーティング アップデートの形式でトポロジ情報を送
信しません。 MSDP は、SA RPF チェック メカニズムに(M)BGP ルーティング データを MSDP
トポロジの最適な近似データとして使用して、この情報を推測します。 したがって、MSDP トポ
ロジは BGP ピア トポロジと同じ汎用トポロジに従う必要があります。 いくつかの例外(デフォ
ルト MSDP ピア、MSDP メッシュ グループの MSDP ピアなど)を除いて、MSDP ピアは、一般に
(M)BGP ピアにする必要があります。
RPF チェック ルールを SA メッセージに適用する方法
SA メッセージの RPF チェックに適用されるルールは、MSDP ピア間の BGP ピアリングによって
異なります。
• ルール 1:送信側の MSDP ピアが Interior (M)BGP(i(M)BGP)ピアでもある場合に適用さ
れます。
• ルール 2:送信側の MSDP ピアが Exterior(M)BGP(e(M)BGP)ピアでもある場合に適
用されます。
• ルール 3:送信側の MSDP ピアが(M)BGP ピアでない場合に適用されます。
RPF チェックは次の場合は実行されません。
• 送信側の MSDP ピアが唯一の MSDP ピアである場合。これは、MSDP ピアが 1 つだけまたは
デフォルト MSDP ピアだけが設定されている場合です。
• 送信側の MSDP ピアがメッシュ グループのメンバである場合。
• 送信側の MSDP ピアのアドレスが SA メッセージに含まれる RP アドレスである場合
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
113
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
SA メッセージの発信、受信、および処理
ソフトウェアが RPF チェックに適用するルールを決定する方法
ソフトウェアは、次の論理で RPF チェックに適用する RPF ルールを決定します。
• 送信側の MSDP ピアと同じ IP アドレスを持つ(M)BGP ネイバーを検索します。
• 一致した(M)BGP ネイバーが Internal BGP(iBGP)ピアである場合、ルール 1 を適用
します。
• 一致した(M)BGP ネイバーが External BGP(eBGP)ピアである場合、ルール 2 を適
用します。
• 一致するネイバーが見つからなかった場合、ルール 3 を適用します。
RPF チェックのルールの選択では、デバイスの MSDP ピアを設定するために使用される IP アドレ
スが同じデバイスの(M)BGP ピアを設定するために使用される IP アドレスと一致していること
が前提になっています。
MSDP の SA メッセージの RPF チェックのルール 1
送信側の MSDP ピアが i(M)BGP ピアでもある場合、MSDP の RPF チェックのルール 1 が適用
されます。 ルール 1 が適用されると、RPF チェックは次のように行われます。
1 ピアは、BGP マルチキャスト ルーティング情報ベース(MRIB)を検索して SA メッセージを
発信した RP への最適パスを探します。 MRIB でパスが検出されなかった場合、ピアはユニキャ
スト ルーティング情報ベース(URIB)を検索します。 それでもパスが検出されなかった場合
は、RPF チェックは失敗します。
2 検索が成功した場合(最適パスが検出された場合)、ピアはこの最適パスの BGP ネイバーの
アドレスを決定します。このアドレスは、ピアに BGP アップデート メッセージでパスを送信
した BGP ネイバーのアドレスになります。
(注)
BGP ネイバー アドレスは、パス内のネクスト ホップ アドレスと同じではありません。 i(M)
BGP ピアはパスのネクスト ホップ属性を更新しないため、ネクスト ホップ アドレスは通常、
パスを送信した BGP ピアのアドレスと同じではありません。
(注)
BGP ネイバー アドレスは、ピアにパスを送信したピアの BGP ID と同じでなくても構いませ
ん。
1 送信側の MSDP ピアの IP アドレスが BGP ネイバー アドレス(ピアにパスを送信した BGP ピ
アのアドレス)と同じである場合、RPF チェックは正常に終了します。同じでない場合は、
RPF チェックは失敗します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
114
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
SA メッセージの発信、受信、および処理
RPF チェックのルール 1 の MSDP への影響
MSDP トポロジでは、(M)BGP トポロジをミラーリングする必要があります。 一般に、2 台の
デバイス間に i(M)BGP ピア接続がある場合は、必ず MSDP ピア接続を設定する必要がありま
す。 つまり、遠端 MSDP ピア接続の IP アドレスは、遠端 i(M)BGP ピア接続と同じにする必要
があります。 自律システム内の i(M)BGP ピア間の BGP トポロジは AS パスでは記述されない
ため、アドレスを同じにする必要があります。 別の i(M)BGP ピアへのアップデートの送信時
に i(M)BGP ピアがパス内のネクスト ホップ アドレスをアップデートした場合、ピアはネクス
ト ホップ アドレスを使用して i(M)BGP トポロジ(したがって MSDP トポロジ)を表すことが
できます。 ただし、i(M)BGP ピアのデフォルトの動作はネクスト ホップ アドレスをアップデー
トしないため、ピアはネクスト ホップ アドレスを使用して(M)BGP トポロジ(MSDP トポロ
ジ)を表すことはできません。 その代わりに、i(M)BGP ピアは、パスを送信した i(M)BGP
ピアのアドレスを使用して、自律システム内の i(M)BGP トポロジ(MSDP トポロジ)を表しま
す。
ヒント
MSDP ピアを設定する場合は、i(M)BGP ピア アドレスと MSDP ピア アドレスの両方に同じ
アドレスが使用されるように注意する必要があります。
MSDP の SA メッセージの RPF チェックのルール 2
送信側の MSDP ピアが e(M)BGP ピアでもある場合、MSDP の RPF チェックのルール 2 が適用
されます。 ルール 2 が適用されると、RPF チェックは次のように行われます。
1 ピアは、BGP MRIB を検索して SA メッセージを発信した RP への最適パスを探します。 MRIB
でパスが検出されなかった場合、ピアは URIB を検索します。 それでもパスが検出されなかっ
た場合は、RPF チェックは失敗します。
2 検索が成功した場合(最適パスが検出された場合)、ピアはパスを検査します。 RP への最適
パス内の最初の自律システムが e(M)BGP ピア(送信側の MSDP ピアでもある)の自律シス
テムと同じである場合、RPF チェックは正常に終了します。同じでない場合は、RPF チェック
は失敗します。
RPF チェックのルール 2 の MSDP への影響
MSDP トポロジでは、(M)BGP トポロジをミラーリングする必要があります。 一般に、2 台の
デバイス間に e(M)BGP ピア接続がある場合は、必ず MSDP ピア接続を設定する必要がありま
す。 ルール 1 とは対照的に、遠端 MSDP ピア接続の IP アドレスは遠端 e(M)BGP ピア接続と同
じである必要はありません。その理由は、2 つの e(M)BGP ピア間の BGP トポロジが AS パス
で記述されないためです。
MSDP の SA メッセージの RPF チェックのルール 3
送信側の MSDP ピアが(M)BGP ピアではない場合、RPF チェックのルール 3 が適用されます。
ルール 3 が適用されると、RPF チェックは次のように行われます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
115
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
SA メッセージの発信、受信、および処理
1 ピアは、BGP MRIB を検索して SA メッセージを発信した RP への最適パスを探します。 MRIB
でパスが検出されなかった場合、ピアは URIB を検索します。 それでもパスが検出されなかっ
た場合は、RPF チェックは失敗します。
2 検索が成功した場合(つまり、SAメッセージを発信したRPへの最適パスが検出された場合)、
ピアは BGP MRIB を検索して SA メッセージを送信した MSDP ピアへの最適パスを探します。
MRIB でパスが検出されなかった場合、ピアは URIB を検索します。 それでもパスが検出され
なかった場合は、RPF チェックは失敗します。
(注)
SA メッセージを送信した MSDP ピアの自律システムは発信元自律システムで、これは MSDP
ピアへの AS パス内にある最後の自律システムです。
1 RP への最適パス内の最初の自律システムが送信側の MSDP ピアの自律システムと同じである
場合、RPF チェックは正常に終了します。同じでない場合は、RPF チェックは失敗します。
SA メッセージの処理
MSDP ピアは、SA メッセージを処理するたびに次の手順を実行します。
1 ピアは SA メッセージの(S, G)ペアのグループ アドレス G を使用して、mroute テーブル内の
関連する(*, G)エントリを見つけます。 (*, G)エントリが検出され、発信インターフェイ
ス リストが空でない場合、SA メッセージでアドバタイズされたソースのアクティブなレシー
バが PIM-SM ドメインにあります。
2 MSDP ピアは、アドバタイズされたソースの(S, G)エントリを作成します。
3 (S, G) エントリがない場合、MSDP ピアはソース ツリーに加入するためにソースへの (S, G) 加
入をただちにトリガーします。
4 ピアは SA メッセージをその他のすべての MSDP ピアにフラッディングします。ただし、次を
除きます。
• SA メッセージを受信した MSDP ピア。
• このデバイスと同じ MSDP メッシュ グループ内の MSDP ピア(ピアがメッシュ グループ
のメンバである場合)。
(注)
SA メッセージは、デバイス SA キャッシュにローカルに保存されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
116
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP ピア
MSDP ピア
BGP と同様に、MSDP は他の MSDP ピアとのネイバー関係を確立します。 MSDP ピアは TCP ポー
ト 639 を使用して接続します。 IP アドレスが小さい方のピアは、TCP 接続を開くアクティブな
ロールを担います。 IP アドレスが大きい方のピアは、他方が接続を確立するのを LISTEN ステー
トで待機します。 MSDP ピアは、60 秒ごとにキープアライブ メッセージを送信します。 データ
が着信すると、キープアライブ メッセージと同じ機能が実行され、セッションがタイムアウトに
ならないようにします。 キープアライブ メッセージまたはデータが 75 秒間受信されない場合、
TCP 接続はリセットされます。
MSDP MD5 パスワード認証
MSDP MD5 パスワード認証機能は、2 つの MSDP ピア間の TCP 接続上で Message Digest 5(MD5)
シグネチャの保護を提供するための拡張です。 この機能は、TCP 接続ストリームに導入されるス
プーフィングされた TCP セグメントの脅威に対して MSDP を保護することにより、追加のセキュ
リティを提供します。
MSDP MD5 パスワード認証の動作
RFC 2385 に準拠して開発された MSDP MD5 パスワード認証機能は、MSDP ピア間の TCP 接続で
送信された各セグメントを確認するために使用されます。 ip msdp password peer コマンドは、2
つの MSDP ピア間の TCP 接続の MD5 認証をイネーブルにするために使用されます。 2 つの MSDP
ピア間で MD5 認証がイネーブルになると、ピア間の TCP 接続で送信された各セグメントが確認
されます。 どちらの MSDP ピアでも同じパスワードを使用して MD5 認証を設定する必要があり
ます。そうしない場合は、これらの間の接続が確立されません。 MD5 認証を設定すると、Cisco
IOS ソフトウェアにより、TCP 接続上で送信される各セグメントについて MD5 ダイジェストが生
成され、検証されるようになります。
MSDP MD5 パスワード認証の利点
• TCP 接続ストリームに入り込むスプーフィングされた TCP セグメントの脅威に対して MSDP
を保護します。
• 業界標準の MD5 アルゴリズムを使用して信頼性およびセキュリティを向上させます。
SA メッセージの制限
デバイスが特定の MSDP ピアから受け入れることができる SA メッセージの総数を制限するには、
ip msdp sa-limit コマンドを使用します。 ip msdp sa-limit コマンドを設定すると、そのピア用に設
定された SA メッセージの制限に到達した場合、デバイスは SA キャッシュに格納されている SA
メッセージのピアごとの数を維持し、ピアからの新規メッセージを無視します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
117
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP キープアライブ インターバルおよび保留時間インターバル
MSDP 対応デバイスをサービス拒否(DoS)攻撃から保護するための手段として、ip msdp sa-limit
コマンドが導入されました。 デバイス上のすべての MSDP ピアリングに対して SA メッセージの
制限を設定することを推奨します。 適度に低い SA 制限をスタブ MSDP リージョンとのピアリン
グに設定する必要があります(たとえば、さらにダウンストリーム ピアを持つが、インターネッ
トの残りの部分で SA メッセージの中継として動作しないピアなど)。 インターネット上の SA
メッセージの中継として動作するすべての MSDP ピアリングに高い SA 制限を設定する必要があ
ります。
MSDP キープアライブ インターバルおよび保留時間インターバル
MSDP ピアがキープアライブ メッセージを送信する間隔、および MSDP ピアがダウンしたと宣言
するまでに他のピアからのキープアライブ メッセージを待機する間隔を調整するには、ip msdp
keepalive コマンドを使用します。
MSDP ピアリング セッションが確立されると、接続の各側はキープアライブ メッセージを送信
し、キープアライブ タイマーを設定します。 キープアライブ タイマーの期限が切れると、ロー
カル MSDP ピアはキープアライブ メッセージを送信し、キープアライブ タイマーを再開します。
この間隔をキープアライブ インターバルといいます。 keepalive-interval 引数がキープアライブ
メッセージの送信間隔を調整するために使用されます。キープアライブタイマーは、ピアがアッ
プ状態のときに keepalive-interval 引数に指定された値に設定されます。 キープアライブ タイマー
は、MSDP キープアライブ メッセージがピアに送信されるたびに keepalive-interval 引数の値にリ
セットされ、タイマーの期限が切れるとリセットされます。 キープアライブ タイマーは、MSDP
ピアリング セッションが終了したときに削除されます。 デフォルトでは、keepalive タイマーは
60 秒に設定されます。
(注)
keepalive-interval 引数に指定される値は、holdtime-interval 引数に指定される値未満にしなけれ
ばならず、また、1 秒以上に設定する必要があります。
保留時間タイマーは、MSDP ピアリング接続が確立されると hold-time-interval 引数の値に初期化
され、MSDP キープアライブ メッセージが受信されると hold-time-interval 引数の値にリセットさ
れます。 保留時間タイマーは、MSDP ピアリング接続が閉じられると削除されます。 デフォルト
では、保留時間インターバルは 75 秒に設定されています。
MSDP ピアが他のピアがダウンしたと宣言するまで他のピアからのキープアライブ メッセージを
待機する間隔を調整するには、hold-time-interval 引数を使用します。
MSDP 接続再試行インターバル
ピアリングセッションがリセットされてからピアリングセッションの再確立が試行されるまです
べての MSDP ピアが待機する間隔を調整できます。 この間隔は、接続再試行インターバルと呼ば
れます。デフォルトでは、ピアリングセッションがリセットされてから他のピアとのピアリング
セッションの再確立が試行されるまで MSDP ピアは 30 秒間待機します。 変更された設定済み接
続再試行インターバルは、デバイス上のすべての MSDP ピアリング セッションに適用されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
118
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP の IETF RFC 3618 準拠
MSDP の IETF RFC 3618 準拠
MSDP の IETF RFC 3618 準拠機能が設定されている場合は、IETF RFC 3618 で定義されているピ
ア RPF 転送ルールが MSDP ピアに適用されます。 IETF RFC 3618 では、MSDP が使用可能なイン
ターネット全体で SA メッセージを転送するために使用されるピア RPF 転送ルールが規定されて
います。 データ パケットの転送時に使用される RPF チェックではパケットのソース アドレスを
パケットを受信したインターフェイスと比較しますが、ピア RPF チェックでは SA メッセージで
送信される RP アドレスをメッセージを受信した MSDP ピアと比較します。 MSDP メッシュ グ
ループを使用されている場合を除き、SA メッセージのループを避けるために RP アドレスからの
SA メッセージは 1 つの MSDP ピアからだけ受け入れます。
(注)
RFC 3618 で定義されている MSDP ピア転送ルールの詳細については、RFC 3618『Multicast
Source Discovery Protocol(MSDP)』を参照してください。
MSDP の RFC 3618 準拠の利点
• BGP ルート リフレクタ(RR)で MSDP を実行しなくても、BGP RR を使用できます。 この
機能は、RR の負荷を軽減する必要があるサービス プロバイダーに役立ちます。
• リバース パス転送(RPF)のチェックに Interior Gateway Protocol(IGP)を使用でき、そのた
め(M)BGP なしでピアリングを実行できます。 この機能は、(M)BGP を実行せず、メッ
シュ グループが提供できるものより大規模なトポロジを必要とする企業に役立ちます。
(注)
IGP ピアリングは直接接続された MSDP ピア間に常に存在する必要があります。そうしない
と、RPF チェックは失敗します。
• 直接接続されていない自律システム(つまり、1 つまたは複数の自律システムがその間に存
在する)のルータ間でピアリングを設定できます。 この機能は、連合設定および冗長性に役
立ちます。
デフォルト MSDP ピア
ほとんどのシナリオでは、MSDP ピアは BGP ピアでもあります。 自律システムがスタブまたは非
中継自律システムであり、特に自律システムがマルチホーム化されてない場合、中継自律システ
ムに BGP を実行する理由は、ほとんどまたはまったくありません。 一般に、スタブ自律システム
のスタティックなデフォルトルート、および中継自律システムのスタブプレフィックスに接続す
るスタティックなルートで十分です。ただし、スタブ自律システムがマルチキャストドメインで
もあり、RP が隣接ドメイン内の RP とピアリングする必要がある場合は、MSDP は BGP ネクスト
ホップ データベースを使用してピア RPF チェックを行います。 ip msdp default-peer コマンドを
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
119
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
デフォルト MSDP ピア
使用して、ピア RPF チェックを実行せずにすべての SA メッセージを受け入れるデフォルト ピア
を定義することにより、この BGP への依存をディセーブルにできます。 デフォルトの MSDP ピ
アは、事前に設定しておく必要があります。
スタブ自律システムには、冗長性を実現するために複数の RP との MSDP ピアリングが必要な場
合もあります。 たとえば、RPF チェック メカニズムがないため、SA メッセージは複数のデフォ
ルト ピアから受け入れられません。 代わりに、SA メッセージは 1 つのピアからのみ受け入れら
れます。 そのピアに障害が発生した場合、SA メッセージは別のピアから受け入れられます。 こ
こでの基本的な前提は、両方のデフォルト ピアが同じ SA メッセージを送信していることです。
図に、デフォルト MSDP ピアが使用されるシナリオを示します。 この図では、ルータ B を所有す
るカスタマーが 2 つのインターネット サービス プロバイダー(ISP)を介してインターネットに
接続されています。一方の ISP はルータ A を所有し、もう一方の ISP はルータ C を所有していま
す。 これらの ISP 間で、BGP または MBGP は動作していません。 カスタマーが ISP ドメインま
たは他のドメイン内のソースについて学習するために、ルータ B はルータ A をデフォルト MSDP
ピアとして識別します。 ルータ B はルータ A とルータ C の両方に SA メッセージをアドバタイズ
しますが、ルータ A だけまたはルータ C だけから SA メッセージを受け入れます。 ルータ A が設
定内の最初のデフォルト ピアである場合、ルータ A が稼働していればルータ A が使用されます。
ルータ A が稼働していない場合に限り、ルータ B がルータ C からの SA メッセージを受け入れま
す。
ISP は、プレフィックス リストを使用して、カスタマーのルータから受け入れるプレフィックス
を定義する場合もあります。カスタマーは、複数のデフォルトピアを定義します。各ピアには関
連するプレフィックスを 1 つまたは複数設定します。
カスタマーは 2 つの ISP を使用しています。 カスタマーはこの 2 つの ISP をデフォルト ピアとし
て定義します。設定内で最初のデフォルトピアとして特定されているピアが稼働している限り、
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
120
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP メッシュ グループ
このピアがデフォルト ピアになり、カスタマーはそのピアから受信するすべての SA メッセージ
を受け入れます。
図 12:デフォルト MSDP ピアのシナリオ
ルータ B はルータ A およびルータ C に SA をアドバタイズしますが、ルータ A またはルータ C
だけを使用して SA メッセージを受け入れます。 ルータ A が設定内の最初のルータである場合、
ルータ A が稼働していればルータ A が使用されます。 ルータ A が稼働していない場合に限り、
ルータ B がルータ C から SA メッセージを受け入れます。 これは、プレフィックス リストがない
場合の動作です。
プレフィックス リストを指定すると、リスト内のプレフィックスに対してだけピアはデフォルト
ピアになります。プレフィックスリストがそれぞれ関連付けられている場合は、複数のアクティ
ブなデフォルト ピアを設定できます。 プレフィックス リストがない場合も、複数のデフォルト
ピアを設定できますが、アクティブなデフォルト ピアになるのは最初のピアだけです(このピア
にルータが接続されていて、ピアがアクティブの場合に限ります)。 最初に設定されたピアがダ
ウンするか、このピアとの接続がダウンした場合、2 番目に設定されたピアがアクティブなデフォ
ルト ピアになります。以下同様です。
MSDP メッシュ グループ
MSDP メッシュ グループは、MSDP によってフル メッシュ型に相互接続された MSDP スピーカー
のグループです。 つまり、グループの各 MSDP ピアには、グループ内の他のすべての MSDP ピア
との MSDP ピアリング関係(MSDP 接続)が必要です。 MSDP メッシュ グループが MSDP ピア
のグループ間に設定されている場合、SA メッセージのフラッディングが削減されます。 グルー
プ内の MSDP ピアがグループ内の別の MSDP ピアから SA メッセージを受信すると、この SA メッ
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
121
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
SA 発信フィルタ
セージはグループ内のその他のすべての MSDP ピアに送信されたとみなされるためです。 その結
果、受信側の MSDP ピアがグループ内の他の MSDP ピアに SA メッセージをフラッディングする
必要はありません。
MSDP メッシュ グループの利点
• SA フラッディングの最適化:グループ内に複数のピアがある場合、SA フラッディングを最
適化するために MSDP メッシュ グループは特に有用です。
• インターネットを通過する SA トラフィック量の削減:MSDP メッシュ グループを使用する
と、SA メッセージは他のメッシュ グループ ピアにフラッディングされません。
• 着信 SA メッセージの RPF チェックの省略:MSDP メッシュ グループが設定されていると、
メッシュ グループ ピアからの SA メッセージは常に受け入れられます。
SA 発信フィルタ
デフォルトでは、MSDP を実行するように設定されている RP は、それが RP であるすべてのロー
カル ソースの SA メッセージを発信します。 そのため、RP に登録されているローカル ソースは
SA メッセージでアドバタイズされますが、これが望ましくない場合もあります。 たとえば、
PIM-SM ドメイン内のソースがプライベート アドレス(たとえば、ネットワーク 10.0.0.0/8)を使
用している場合、SA発信フィルタを設定してこれらのアドレスがインターネット上の他のMSDP
ピアにアドバタイズされないようにする必要があります。
どのソースが SA メッセージでアドバタイズされるかを制御するには、RP に SA 発信フィルタを
設定します。 SA 発信フィルタを作成すると、SA メッセージでアドバタイズされるソースを次の
ように制御できます。
• デバイスが SA メッセージのローカル ソースをアドバタイズしないように、RP を設定でき
ます。 デバイスは引き続き通常の方法で他の MSDP ピアからの SA メッセージを転送し、
ローカル ソースの SA メッセージは送信しません。
• 拡張アクセス リストで定義されている(S, G)ペアと一致する、特定のグループに送信する
ローカル ソースの SA メッセージだけを発信するようにデバイスを設定できます。 その他の
すべてのローカル ソースは SA メッセージでアドバタイズされません。
• AS パス アクセス リストで定義されている AS パスと一致する、特定のグループに送信する
ローカル ソースの SA メッセージだけを発信するようにデバイスを設定できます。 その他の
すべてのローカル ソースは SA メッセージでアドバタイズされません。
• ルート マップで定義されている基準と一致するローカル ソースの SA メッセージだけを発信
するようにデバイスを設定できます。 その他のすべてのローカル ソースは SA メッセージで
アドバタイズされません。
• 拡張アクセス リスト、AS パス アクセス リスト、およびルート マップ、またはその組み合
わせを含む SA 発信フィルタを設定します。 この場合、ローカル ソースが SA メッセージで
アドバタイズされる前に、すべての条件を満たしている必要があります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
122
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP での発信フィルタ リストの使用
MSDP での発信フィルタ リストの使用
デフォルトでは、MSDP 対応デバイスは、受信したすべての SA メッセージをその MSDP ピアす
べてに転送します。 ただし、発信フィルタ リストを作成することで、SA メッセージが MSDP ピ
アに転送されないようにすることができます。発信フィルタリストは、ローカルに発信されたか
別の MSDP ピアから受信したかに関係なくすべての SA メッセージに適用されますが、SA 発信
フィルタはローカルに発信された SA メッセージだけに適用されます。 ローカル デバイスから発
信される MSDP SA メッセージのフィルタを有効にする方法の詳細については、ローカル ソース
の RP によって発信された SA メッセージの制御, (139 ページ)を参照してください。
発信フィルタ リストを作成すると、デバイスがピアに転送する SA メッセージを次のように制御
できます。
• MSDP ピアへの SA メッセージの転送を停止するようにデバイスを設定することにより、特
定の MSDP ピアに転送されたすべての発信 SA メッセージをフィルタリングできます。
• 拡張アクセス リストで許可された(S, G)ペアと一致する SA メッセージだけを MSDP ピア
に転送するようにデバイスを設定することにより、拡張アクセス リストで定義されている
(S, G)ペアに基づいて、特定の MSDP ピアに転送された発信 SA メッセージのサブセット
をフィルタリングできます。 その他のすべての SA メッセージの MSDP ピアへの転送は停止
されます。
• ルート マップで定義されている基準と一致する SA メッセージだけを転送するようにデバイ
スを設定することにより、ルートマップで定義されている一致基準に基づいて、特定のMSDP
ピアに転送された発信 SA メッセージのサブセットをフィルタリングできます。 その他のす
べての SA メッセージの MSDP ピアへの転送は停止されます。
• SA メッセージが 1 つまたは複数の MSDP ピアに転送された後でも、発信元に基づいて発信
SA メッセージをフィルタリングするようにデバイスを設定することにより、SA メッセージ
に含まれる、アナウンスする RP アドレスに基づいて、特定のピアからの発信 SA メッセー
ジのサブセットをフィルタリングできます。 その他のすべての SA メッセージの MSDP ピア
への転送は停止されます。
• 拡張アクセス リスト、ルート マップ、および RP アクセス リストまたは RP ルート マップの
いずれかを含む発信フィルタ リストを設定できます。 その場合、MSDP ピアで発信 SA メッ
セージを転送するにはすべての条件を満たしている必要があります。
注意
SA メッセージの任意のフィルタリングを実行すると、ダウンストリーム MSDP ピアで正当な
アクティブソースの SA メッセージを受信できなくなることがあります。 そのため、このタイ
プのフィルタを使用する場合は注意が必要です。 通常、発信フィルタ リストは、プライベー
ト アドレスを使用するソースなど、望ましくないソースを拒否するためだけに使用します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
123
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP での着信フィルタ リストの使用
MSDP での着信フィルタ リストの使用
デフォルトでは、MSDP 対応デバイスは MSDP ピアからそのデバイスに送信されたすべての SA
メッセージを受信します。 ただし、着信フィルタ リストを作成して、デバイスが MSDP ピアか
ら受信するソース情報を制御できます。
着信フィルタ リストを作成すると、デバイスがピアから受信する着信 SA メッセージを次のよう
に制御できます。
• 特定の MSDP ピアから送信されたすべての SA メッセージを無視するようにデバイスを設定
することにより、特定の MSDP ピアからのすべての着信 SA メッセージをフィルタリングで
きます。
• 拡張アクセス リストで定義されている(S, G)ペアと一致する MSDP ピアからの SA メッ
セージだけを受信するようにデバイスを設定することにより、拡張アクセス リストで定義さ
れている(S, G)ペアに基づいて、特定のピアからの着信 SA メッセージのサブセットをフィ
ルタリングできます。 MSDP ピアからのその他のすべての着信 SA メッセージは無視されま
す。
• ルート マップで定義されている基準と一致する SA メッセージだけを受信するようにデバイ
スを設定することにより、ルート マップで定義されている一致基準に基づいて、特定のピア
からの着信 SA 要求メッセージのサブセットをフィルタリングできます。 MSDP ピアからの
その他のすべての着信 SA メッセージは無視されます。
• 拡張アクセス リストで定義されている(S, G)ペアおよびルート マップで定義されている基
準の両方と一致する着信 SA メッセージだけを受信するようにデバイスを設定することによ
り、拡張アクセス リストで定義されている(S, G)ペアおよびルート マップで定義されてい
る一致基準の両方に基づいて、特定のピアからの着信 SA メッセージのサブセットをフィル
タリングできます。 MSDP ピアからのその他のすべての着信 SA メッセージは無視されま
す。
• SA メッセージが 1 つまたは複数の MSDP ピアに転送された後でも、発信元に基づいて着信
SA メッセージをフィルタリングするようにデバイスを設定することにより、SA メッセージ
に含まれる、アナウンスする RP アドレスに基づいて、特定のピアからの着信 SA メッセー
ジのサブセットをフィルタリングできます。
• 拡張アクセス リスト、ルート マップ、および RP アクセス リストまたは RP ルート マップの
いずれかを含む着信フィルタ リストを設定できます。 その場合、MSDP ピアで着信 SA メッ
セージを受信するにはすべての条件を満たしている必要があります。
注意
SA メッセージの任意のフィルタリングを実行すると、ダウンストリーム MSDP ピアで正当な
アクティブソースの SA メッセージを受信できなくなることがあります。 そのため、このタイ
プのフィルタを使用する場合は注意が必要です。 通常、着信フィルタ リストは、プライベー
ト アドレスを使用するソースなど、望ましくないソースを拒否するためだけに使用されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
124
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP の TTL しきい値
MSDP の TTL しきい値
存続可能時間(TTL)値を使用して、ドロップされる前にパケットが取得できるホップの数を制
限できます。 特定の MSDP ピアに送信された、データがカプセル化された SA メッセージの TTL
を指定するには、ip multicast ttl-threshold コマンドを使用します。 デフォルトでは、パケットの
TTL 値が 0(標準 TTL 動作)より大きい場合は、SA メッセージのマルチキャスト データ パケッ
トは MSDP ピアに送信されます。
一般に、TTL しきい値の問題は、SA メッセージ内でソースの初期マルチキャスト パケットがカ
プセル化されることによって発生することがあります。マルチキャストパケットはユニキャスト
SA メッセージ内部でカプセル化されるため(TTL は 255)、SA メッセージが MSDP ピアに送信
されるときに TTL は減少しません。 さらに、マルチキャスト トラフィックおよびユニキャスト
トラフィックは MSDP ピアへのまったく異なるパスと、その結果としてリモート PIM-SM ドメイ
ンへのまったく異なるパスに従うため、SA メッセージが通過するホップの総数は、通常のマルチ
キャスト パケットとは大きく異なります。 その結果、カプセル化されたパケットは TTL しきい
値に違反することになります。 この問題を解決するには、ip multicast ttl-threshold コマンドを使
用して、特定の MSDP ピアに送信された SA メッセージにカプセル化されているマルチキャスト
パケットに関連付けられた TTL しきい値を設定します。 ip msdp ttl-threshold コマンドを使用す
ると、IP ヘッダーの TTL が ttl-value 引数に指定されている TTL 値未満であるマルチキャスト パ
ケットが、ピアに送信される SA メッセージにカプセル化されないようにすることができます。
SA 要求メッセージ
非キャッシュ デバイスが 1 つ以上の特定の MSDP ピアに SA 要求メッセージを送信するように設
定できます。
非キャッシュ RP に SA をキャッシュする MSDP ピアがある場合、非キャッシュ ピアが SA 要求
メッセージを送信できるようにすると非キャッシュピアの参加遅延を低減できます。ホストが特
定のグループに対して加入を要求すると、非キャッシュ RP は SA 要求メッセージをキャッシュ
ピアに送信します。 ピアがこの特定のグループのソース情報をキャッシュしている場合、SA 応
答メッセージで要求側の RP に情報を送信します。 要求側の RP は SA 応答内の情報を使用します
が、他のピアにメッセージを転送しません。 非キャッシュ RP が SA 要求を受信すると、要求者
にエラー メッセージを返します。
(注)
現行のすべてのサポートされているソフトウェア リリースでは、MSDP SA メッセージのキャッ
シュは必須であり、手動でイネーブルまたはディセーブルにすることはできません。 デフォ
ルトでは、MSDP ピアが設定されると、設定済みコマンドが自動的に実行コンフィギュレー
ションに追加されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
125
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
SA 要求フィルタ
SA 要求フィルタ
デフォルトでは、デバイスはその MSDP ピアからのすべての発信 SA 要求メッセージを受け入れ
ます。つまり、ルータはキャッシュされたソース情報を要求側の MSDP ピアに SA 応答メッセー
ジで送信します。 SA 要求フィルタを作成すると、デバイスが特定のピアから受け入れる発信 SA
要求メッセージを制御できます。 SA 要求フィルタは、デバイスが MSDP ピアから受け入れる発
信 SA 要求を次のように制御します。
• 特定の MSDP ピアからのすべての SA 要求メッセージを無視するようにデバイスを設定する
ことにより、特定のピアからのすべての SA 要求メッセージをフィルタリングできます。
• 標準アクセス リストで定義されているグループと一致する MSDP ピアからの SA 要求メッ
セージだけを受け入れるようにデバイスを設定することにより、標準アクセス リストで定義
されているグループに基づいて、特定のピアからの SA 要求メッセージのサブセットをフィ
ルタリングできます。 その他のグループの指定されたピアからの SA 要求メッセージは無視
されます。
MSDP MIB
MSDP MIB には、SNMP を介して MSDP スピーカーのリモート モニタリングを行う際に使用でき
る管理対象オブジェクトが規定されています。 MSDP MIB モジュールには、スカラ オブジェクト
が 4 つとテーブルが 3 つあります。 このテーブルは、要求テーブル、ピア テーブル、および
Source-Active(SA)キャッシュ テーブルです。 シスコの実装では、ピア テーブルと SA キャッ
シュ テーブルだけがサポートされています。 要求テーブルには、SA 要求の送信先のピアを決定
するために使用される情報が含まれています。 ただし、Cisco IOS ソフトウェアで使用される
MSDP 実装では、ピアへの SA 要求の送信はグループ アドレス(またはグループ アドレス マス
ク)に関連付けられていません。
(注)
MSDP-MIB.my ファイルは、次の URL にある Cisco.com の Cisco MIB Web サイトからダウン
ロードできます。http://www.cisco.com/public/sw-center/netmgmt/cmtk/mibs.shtml。
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続す
る方法
最初の作業は必須で、他の作業はすべて任意です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
126
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP ピアの設定
MSDP ピアの設定
(注)
MSDP ピアをイネーブルにすることで、MSDP は暗黙的にイネーブルになります。
はじめる前に
• IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにし、PIM-SM を設定する必要があります。
• 単一の MSDP ピア、デフォルト MSDP ピア、および MSDP メッシュ グループのシナリオを
除いて、すべての MSDP ピアは、MSDP 用に設定する前に BGP を実行するように設定する
必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp peer {peer-name| peer-address} [connect-source type number] [remote-as as-number]
4. ip msdp description {peer-name| peer-address} text
5. end
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp peer {peer-name| peer-address} MSDP をイネーブルにし、DNS 名または IP アドレスによって指
[connect-source type number] [remote-as 定された MSDP ピアを設定します。
as-number]
(注)
MSDP ピアとして設定するように選択されたデバイス
は、通常 BGP ネイバーでもあります。 そうでない場
合は、デフォルトの MSDP ピアの設定, (136 ページ)
またはMSDP メッシュ グループの設定, (137 ページ)
を参照してください。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
127
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP ピアのシャットダウン
コマンドまたはアクション
目的
• connect-source キーワードを指定した場合、指定したローカ
例:
Device(config)# ip msdp peer
192.168.1.2 connect-source
loopback0
ステップ 4
ip msdp description
peer-address} text
{peer-name|
ル インターフェイスの type および number の値のプライマ
リ アドレスは TCP 接続のソース IP アドレスとして使用さ
れます。 特にリモート ドメイン内のデバイスとピアリング
する境界上の MSDP ピアに対しては、connect-source キー
ワードが推奨されます。
(任意)設定内で、または show コマンド出力内で簡単に識別で
きるように、指定されたピアの説明を設定します。
例:
Device(config)# ip msdp description
192.168.1.2 router at customer a
ステップ 5
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC
モードに戻ります。
end
例:
Device(config)# end
MSDP ピアのシャットダウン
MSDP ピアをシャットダウンするには、次の任意の作業を実行します。
複数の MSDP ピアを設定していて、すべてのピアの設定が完了するまでいずれのピアもアクティ
ブにしない場合は、各ピアをシャット ダウンし、各ピアを設定した後で起動することができま
す。 MSDP ピアの設定を失わずに、MSDP セッションをシャットダウンすることもできます。
(注)
MSDP ピアがシャット ダウンされると、TCP 接続は終了し、(指定されたピアに対して)no
ip msdp shutdown コマンドを使用してピアを再起動するまで再開されません。
はじめる前に
MSDP を実行していること、および MSDP ピアを設定することが必要です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
128
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP ピア間の MSDP MD5 パスワード認証の設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp shutdown {peer-name | peer-address}
4. 別の MSDP ピアをシャットダウンするには、ステップ 3 を繰り返します。
5. end
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場
例:
合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開
始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp shutdown {peer-name | peer-address}
指定された MSDP ピアを管理上シャットダウンし
ます。
例:
Device(config)# ip msdp shutdown
192.168.1.3
ステップ 4
別の MSDP ピアをシャットダウンするには、 -ステップ 3 を繰り返します。
ステップ 5
end
グローバル コンフィギュレーション モードを終
了し、特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# end
MSDP ピア間の MSDP MD5 パスワード認証の設定
MSDP ピア間の MSDP Message Digest 5(MD5)パスワード認証を設定するには、次の任意の作業
を実行します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
129
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP ピア間の MSDP MD5 パスワード認証の設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp password peer {peer-name | peer-address} [encryption-type] string
4. exit
5. show ip msdp peer [peer-address | peer-name]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp password peer
{peer-name | peer-address}
[encryption-type] string
例:
Device(config)# ip msdp password
peer 10.32.43.144 0 test
2 つの MSDP ピア間の TCP 接続で MD5 パスワード暗号化をイネー
ブルにします。
(注)
どちらの MSDP ピアでも同じパスワードを使用して MD5
認証を設定する必要があります。そうしない場合は、これ
らの間の接続が確立されません。
• 2 つの MSDP ピア間の MD5 認証で使用するパスワードやキー
を設定または変更する場合、パスワードを設定した後、ローカ
ル デバイスは既存のセッションを解放しません。 ローカル デ
バイスは、キープアライブ期間が期限切れになるまで新しいパ
スワードを使用してピアリング セッションを維持しようとしま
す。 キープアライブ期間が期限切れになるまでにリモート デ
バイスでパスワードが入力または変更されなかった場合、セッ
ションはタイムアウトし、MSDP セッションはリセットされま
す。
ステップ 4
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権 EXEC
モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
130
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
SA キャッシュ内で許可される特定の MSDP ピアからの SA メッセージ数の制限によるサービス拒絶(DoS)
攻撃の防止
ステップ 5
コマンドまたはアクション
目的
show ip msdp peer [peer-address |
peer-name]
(任意)MSDP ピアに関する詳細情報を表示します。
(注)
例:
このコマンドを使用して、MSDP ピアで MD5 パスワード
認証がイネーブルになっているかどうかを確認します。
Device# show ip msdp peer
トラブルシューティングのヒント
デバイスに MSDP ピアのパスワードが設定されており、MSDP ピアに設定されていない場合、デ
バイスが MSDP ピアとの間にセッションを確立しようとすると、次のようなメッセージがコン
ソールに表示されます。
%TCP-6-BADAUTH: No MD5 digest from [peer's IP address]:11003 to [local router's
IP address]:179
同様に、2 台のデバイスに異なるパスワードが設定されている場合、次のようなメッセージがコ
ンソールに表示されます。
%TCP-6-BADAUTH: Invalid MD5 digest from [peer's IP address]:11004 to [local router's
IP address]:179
debug ip tcp transactions コマンドを使用すると、ステートの変更、再送、重複するパケットなど
の重要な TCP トランザクションに関する情報が表示されます。 MSDP MD5 パスワード認証のモ
ニタリングやトラブルシューティングでは、debug ip tcp transactions コマンドを使用して、MD5
パスワードがイネーブルになっていること、およびキープアライブ メッセージが MSDP ピアに
よって受信されたことを確認します。
SA キャッシュ内で許可される特定の MSDP ピアからの SA メッセージ
数の制限によるサービス拒絶(DoS)攻撃の防止
デバイスが特定の MSDP ピアから受け入れることができる SA メッセージの総数を制限するには、
この任意の作業(ただし強く推奨されます)を実行します。 この作業を実行することで、分散型
サービス拒否攻撃(DoS)から MSDP 対応デバイスを保護します。
(注)
デバイス上のすべての MSDP ピアリングに対してこの作業を実行することを推奨します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
131
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
SA キャッシュ内で許可される特定の MSDP ピアからの SA メッセージ数の制限によるサービス拒絶(DoS)
攻撃の防止
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp sa-limit {peer-address | peer-name} sa-limit
4. 別の MSDP ピアの SA 制限を設定するには、ステップ 3 を繰り返します。
5. exit
6. show ip msdp count [as-number]
7. show ip msdp peer [peer-address | peer-name]
8. show ip msdp summary
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始しま
す。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp sa-limit {peer-address | peer-name} SA キャッシュ内で許可される特定の MSDP ピアからの
sa-limit
SA メッセージの数を制限します。
例:
Device(config)# ip msdp sa-limit
192.168.10.1 100
ステップ 4
別の MSDP ピアの SA 制限を設定するに -は、ステップ 3 を繰り返します。
ステップ 5
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特
権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
ステップ 6
show ip msdp count [as-number]
例:
(任意)MSDP SA メッセージ内で発信されたソースおよ
びグループの数、および SA キャッシュ内の MSDP ピア
からの SA メッセージの数を表示します。
Device# show ip msdp count
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
132
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP キープアライブ インターバルおよび保留時間インターバルの調整
ステップ 7
コマンドまたはアクション
目的
show ip msdp peer [peer-address |
peer-name]
(任意)MSDP ピアに関する詳細情報を表示します。
(注)
例:
このコマンドの出力には、キャッシュに格納さ
れている MSDP ピアから受信した SA メッセー
ジの数が表示されます。
Device# show ip msdp peer
ステップ 8
show ip msdp summary
(任意)MSDP ピアのステータスを表示します。
(注)
例:
Device# show ip msdp summary
このコマンドの出力には、キャッシュに格納さ
れている SA の数を表示するピアごとの「SA
Count」フィールドが表示されます。
MSDP キープアライブ インターバルおよび保留時間インターバルの調
整
MSDP ピアがキープアライブ メッセージを送信する間隔、および MSDP ピアが他のピアがダウン
したと宣言するまでに他のピアからのキープアライブ メッセージを待機する間隔を調整するに
は、次の任意の作業を実行します。 デフォルトでは、MSDP ピアが別の MSDP ピアとのピアリン
グ セッションが停止したことを検出するために 75 秒かかる場合があります。 冗長 MSDP ピアが
あるネットワーク環境では、保留時間インターバルを短くすると、MSDP ピアに障害が発生した
場合に MSDP ピアの再コンバージェンス時間を短縮できます。
(注)
ip msdp keepalive コマンドのデフォルト値は RFC 3618『Multicast Source Discovery Protocol』に
準拠しているため、コマンドのデフォルト値を変更しないことを推奨します。 ネットワーク
環境でデフォルト値を変更する必要がある場合は、MSDP ピアリング セッションの両端で
keepalive-interval および hold-time-interval 引数に同じ時間値を設定する必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp keepalive {peer-address | peer-name} keepalive-interval hold-time-interval
4. 別の MSDP ピアのキープアライブ メッセージの間隔を調整するには、ステップ 3 を繰り返し
ます。
5. exit
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
133
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP 接続再試行インターバルの調整
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始し
ます。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp keepalive {peer-address | peer-name}
keepalive-interval hold-time-interval
例:
MSDP ピアがキープアライブ メッセージを送信する
間隔、および MSDP ピアが他のピアがダウンとした
と宣言するまでに他のピアからのキープアライブメッ
セージを待機する間隔を設定します。
Device(config)# ip msdp keepalive 10.1.1.3
40 55
ステップ 4
別の MSDP ピアのキープアライブ メッセー -ジの間隔を調整するには、ステップ 3 を繰り
返します。
ステップ 5
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを終了
し、特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
MSDP 接続再試行インターバルの調整
ピアリングセッションがリセットされてからピアリングセッションの再確立が試行されるまです
べての MSDP ピアが待機する間隔を調整するには、次の任意の作業を実行します。 SA メッセー
ジの迅速なリカバリが必要なネットワーク環境(金融機関の取引フロアのネットワーク環境など)
では、接続再試行インターバルをデフォルト値の30秒未満に短縮することが必要な場合がありま
す。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
134
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP の IETF RFC 3618 準拠の設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp timer connection-retry-interval
4. exit
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバルコンフィギュレーションモードを開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp timer connection-retry-interval ピアリング セッションがリセットされてからピアリング
セッションの再確立が試行されるまで MSDP ピアが待機
例:
する間隔を設定します。
Device# ip msdp timer 45
ステップ 4
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特
権 EXEC モードに戻ります。
exit
例:
Device(config)# exit
MSDP の IETF RFC 3618 準拠の設定
インターネット技術特別調査委員会(IETF)RFC 3618 の MSDP の仕様に準拠するように MSDP
ピアを設定するには、次の任意作業を実行します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
135
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
デフォルトの MSDP ピアの設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp rpf rfc3618
4. end
5. show ip msdp rpf-peer rp-address
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始しま
す。
例:
Router# configure terminal
ステップ 3
ip msdp rpf rfc3618
IETF RFC 3618 で指定されているピア RPF 転送ルールに
準拠するようにします。
例:
Router(config)# ip msdp rpf rfc3618
ステップ 4
end
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、
特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Router(config)# end
ステップ 5
show ip msdp rpf-peer rp-address
例:
(任意)指定された RP から発信される SA メッセージ
をルータが受け入れる固有の MSDP ピア情報を表示しま
す。
Router# show ip msdp rpf-peer
192.168.1.5
デフォルトの MSDP ピアの設定
デフォルト MSDP ピアを設定するには、次の任意の作業を実行します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
136
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP メッシュ グループの設定
はじめる前に
デフォルト MSDP ピアは、事前に設定されている MSDP ピアでなければなりません。 デフォルト
MSDP ピアを設定する前に、まず MSDP ピアを設定する必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp default-peer {peer-address | peer-name} [prefix-list list]
4. exit
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始し
ます。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp default-peer {peer-address |
peer-name} [prefix-list list]
すべての MSDP SA メッセージの受信元となるデフォ
ルト ピアを設定します。
例:
Device(config)# ip msdp default-peer
192.168.1.3
ステップ 4
グローバルコンフィギュレーションモードを終了し、
特権 EXEC モードに戻ります。
exit
例:
Device(config)# exit
MSDP メッシュ グループの設定
MSDP メッシュ グループを設定するには、次の任意の作業を実行します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
137
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP メッシュ グループの設定
(注)
デバイスごとに複数のメッシュ グループを設定できます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp mesh-group mesh-name {peer-address | peer-name}
4. MSDP ピアをメッシュ グループのメンバとして追加するには、ステップ 3 を繰り返します。
5. exit
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp mesh-group mesh-name
{peer-address | peer-name}
例:
MSDP メッシュ グループを設定し、MSDP ピアがそのメッ
シュ グループに属することを指定します。
(注)
Device(config)# ip msdp mesh-group
peermesh
ステップ 4
MSDP ピアをメッシュ グループのメン -バとして追加するには、ステップ 3 を
繰り返します。
ステップ 5
exit
メッシュ グループに参加するデバイスのすべての
MSDP ピアは、グループ内の他のすべての MSDP
ピアと完全にメッシュ化されている必要がありま
す。 各デバイスの各 MSDP ピアは、ip msdp peer
コマンドを使用してピアとして設定する必要があ
り、また、ip msdp mesh-group コマンドを使用し
てメッシュ グループのメンバとしても設定する必
要があります。
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権
EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
138
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
ローカル ソースの RP によって発信された SA メッセージの制御
ローカル ソースの RP によって発信された SA メッセージの制御
SA メッセージでアドバタイズされる登録ソースを制限するフィルタをイネーブルにして、RP に
よって発信された SA メッセージを制御するには、次の作業を実行します。
(注)
MSDP SA メッセージ フィルタの設定に関するベスト プラクティス情報については、テクニカ
ル ノート『Multicast Source Discovery Protocol SA Filter Recommendations』を参照してください。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp redistribute [list access-list] [asn as-access-list] [route-map map-name]
4. exit
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp redistribute [list access-list] [asn ローカル デバイスによって発信される MSDP SA メッセージ
as-access-list] [route-map map-name]
のフィルタをイネーブルにします。
(注)
例:
Device(config)# ip msdp redistribute
route-map customer-sources
ip msdp redistribute コマンドは、RP で認識されて
いるが登録されていないソースをアドバタイズする
ために使用することもできます。 ただし、RP に登
録されていないソースのアドバタイズメントは発信
しないことを強く推奨します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
139
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
発信フィルタ リストを使用した SA メッセージの MSDP ピアへの転送の制御
ステップ 4
コマンドまたはアクション
目的
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権
EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
発信フィルタ リストを使用した SA メッセージの MSDP ピアへの転送
の制御
発信フィルタ リストを設定して SA メッセージの MSDP ピアへの転送を制御するには、次の任意
の作業を実行します。
(注)
MSDP SA メッセージ フィルタの設定に関するベスト プラクティス情報については、テクニカ
ル ノート『Multicast Source Discovery Protocol SA Filter Recommendations』を参照してください。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp sa-filter out {peer-address | peer-name} [list access-list] [route-map map-name] [rp-list
access-list | rp-route-map map-name]
4. 別の MSDP ピアの発信フィルタ リストを設定するには、ステップ 3 を繰り返します。
5. exit
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場
合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを
開始します。
例:
Device# configure terminal
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
140
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
着信フィルタ リストを使用した MSDP ピアからの SA メッセージの受信の制御
コマンドまたはアクション
ステップ 3
目的
ip msdp sa-filter out {peer-address | peer-name} [list 発信 MSDP メッセージのフィルタをイネーブ
access-list] [route-map map-name] [rp-list access-list ルにします。
| rp-route-map map-name]
例:
Device(config)# ip msdp sa-filter out
192.168.1.5 peerone
ステップ 4
別の MSDP ピアの発信フィルタ リストを設定す
るには、ステップ 3 を繰り返します。
--
ステップ 5
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを
終了し、特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
着信フィルタ リストを使用した MSDP ピアからの SA メッセージの受
信の制御
MSDP ピアからの着信 SA メッセージの受信を制御するには、次の任意の作業を実行します。
(注)
MSDP SA メッセージ フィルタの設定に関するベスト プラクティス情報については、テクニカ
ル ノート『Multicast Source Discovery Protocol SA Filter Recommendations』を参照してください。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp sa-filter in {peer-address | peer-name} [list access-list] [route-map map-name] [rp-list access-list
| rp-route-map map-name]
4. 別の MSDP ピアの着信フィルタ リストを設定するには、ステップ 3 を繰り返します。
5. exit
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
141
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
TTL しきい値を使用した SA メッセージで送信されたマルチキャスト データの制限
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場
例:
合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを
開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp sa-filter in {peer-address | peer-name} [list 着信 MSDP SA メッセージのフィルタをイネー
access-list] [route-map map-name] [rp-list access-list ブルにします。
| rp-route-map map-name]
例:
Device(config)# ip msdp sa-filter in
192.168.1.3
ステップ 4
別の MSDP ピアの着信フィルタ リストを設定す -るには、ステップ 3 を繰り返します。
ステップ 5
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを
終了し、特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
TTL しきい値を使用した SA メッセージで送信されたマルチキャスト
データの制限
存続可能時間(TTL)しきい値を設定して、SA メッセージで送信されるマルチキャスト データを
制限するには、次の任意の作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp ttl-threshold {peer-address | peer-name} ttl-value
4. exit
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
142
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP ピアへのソース情報の要求
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp ttl-threshold {peer-address |
peer-name} ttl-value
ローカル デバイスにより発信される MSDP メッセージの
TTL 値を設定します。
• デフォルトでは、パケットの TTL 値が 0(標準 TTL 動
例:
作)より大きい場合は、SA メッセージのマルチキャス
ト データ パケットは MSDP ピアに送信されます。
例:
Device(config)# ip msdp ttl-threshold
192.168.1.5 8
ステップ 4
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権
EXEC モードに戻ります。
exit
例:
Device(config)# exit
MSDP ピアへのソース情報の要求
デバイスが MSDP ピアにソース情報を要求できるようにするには、次の任意の作業を実行しま
す。
(注)
SA キャッシングはデフォルトでイネーブルになっており、以前の Cisco ソフトウェア リリー
スでは明示的にイネーブルまたはディセーブルにすることができないため、この作業を実行す
る必要はほとんどありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
143
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP ピアへのソース情報の要求
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp sa-request {peer-address | peer-name}
4. デバイスが別の MSDP キャッシュ ピアに SA 要求メッセージを送信するように指定するには、
ステップ 3 を繰り返します。
5. exit
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場
例:
合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開
始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp sa-request {peer-address | peer-name}
デバイスが指定された MSDP ピアに SA 要求メッ
セージを送信するように指定します。
例:
Device(config)# ip msdp sa-request
192.168.10.1
ステップ 4
デバイスが別の MSDP キャッシュ ピアに SA 要 -求メッセージを送信するように指定するには、
ステップ 3 を繰り返します。
ステップ 5
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを終
了し、特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
144
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
SA 要求フィルタを使用した MSDP ピアからの発信 SA 要求メッセージに対する応答の制御
SA 要求フィルタを使用した MSDP ピアからの発信 SA 要求メッセージ
に対する応答の制御
デバイスが MSDP ピアから受け入れる発信 SA 要求メッセージを制御するには、次の任意の作業
を実行します。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp filter-sa-request {peer-address | peer-name} [list access-list]
4. 別の MSDP ピアの SA 要求フィルタを設定するには、ステップ 3 を繰り返します。
5. exit
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始
します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp filter-sa-request {peer-address |
peer-name} [list access-list]
発信 SA 要求メッセージのフィルタをイネーブルに
します。
(注)
例:
MSDP ピアには SA 要求フィルタを 1 つ
だけ設定できます。
Device(config)# ip msdp filter sa-request
172.31.2.2 list 1
ステップ 4
別の MSDP ピアの SA 要求フィルタを設定す -るには、ステップ 3 を繰り返します。
ステップ 5
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを終了
し、特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
145
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
境界 PIM デンス モード リージョンの MSDP への包含
境界 PIM デンス モード リージョンの MSDP への包含
PIM デンス モード(PIM-DM)リージョンでアクティブなソースの SA メッセージを送信するよ
うに境界デバイスを設定するには、次の任意作業を実行します。
PIM-SM リージョンと PIM-DM リージョンの境界にデバイスを設定できます。 デフォルトでは、
PIM-DM ドメインのソースは MSDP に含まれません。 PIM-DM ドメインでアクティブなソースの
SA メッセージを送信するようにこの境界デバイスを設定できます。 その場合、ip msdp redistribute
コマンドを設定してアドバタイズする PIM-DM ドメインのローカル ソースを制御することも非常
に重要です。 このコマンドを設定しないと、PIM-DM ドメインのソースが送信を停止した後も長
時間 (S, G) ステートのままになります。 設定の詳細については、ローカル ソースの RP によって
発信された SA メッセージの制御, (139 ページ)を参照してください。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp border sa-address type number
4. exit
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp border sa-address type number PIM-DM ドメインでアクティブなソースの SA メッセージを
発信するように、PIM-SM および PIM-DM ドメイン間の境界
例:
にデバイスを設定します。
Device(config)# ip msdp border
sa-address gigabitethernet0/0/0
• インターフェイスの IP アドレスは、SA メッセージの
RP フィールドに示されるソース ID として使用されま
す。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
146
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
RP アドレス以外のソース アドレスの設定
ステップ 4
コマンドまたはアクション
目的
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、特権
EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
RP アドレス以外のソース アドレスの設定
SA メッセージを発信する MSDP スピーカーがそのインターフェイスの IP アドレスを SA メッセー
ジ内の RP アドレスとして使用できるようにするには、次の任意の作業を実行します。
また、次のいずれかの理由から、発信 ID を変更できます。
• Anycast RP の MSDP メッシュ グループに複数のデバイスを設定する場合。
• デバイスが PIM-SM ドメインと PIM-DM ドメインの境界にある場合。 デバイスが PIM-SM
ドメインと PIM-DM ドメインの境界にあり、PIM-DM ドメイン内のアクティブなソースをア
ドバタイズする場合は、SA メッセージ内の RP アドレスがソース デバイスのインターフェ
イスのアドレスとなるように設定します。
はじめる前に
MSDP がイネーブルであり、MSDP ピアが設定されている必要があります。 MSDP ピアの設定の
詳細については、MSDP ピアの設定, (127 ページ)を参照してください。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip msdp originator-id type number
4. exit
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
147
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP のモニタリング
ステップ 2
コマンドまたはアクション
目的
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始しま
す。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ip msdp originator-id type number
SA メッセージ内の RP アドレスをソース デバイスのイ
ンターフェイスのアドレスになるように設定します。
例:
Device(config)# ip msdp originator-id
ethernet 1
ステップ 4
exit
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、
特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config)# exit
MSDP のモニタリング
MSDP の SA メッセージ、ピア、ステート、およびピアのステータスをモニタリングするには、
次の任意の作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. debug ip msdp [peer-address | peer-name] [detail] [routes]
3. debug ip msdp resets
4. show ip msdp count [as-number]
5. show ip msdp peer [peer-address | peer-name]
6. show ip msdp sa-cache [group-address | source-address | group-name | source-name] [as-number]
7. show ip msdp summary
手順の詳細
ステップ 1
enable
例:
Device# enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
148
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP のモニタリング
• パスワードを入力します(要求された場合)。
ステップ 2
debug ip msdp [peer-address | peer-name] [detail] [routes]
このコマンドを使用して、MSDP アクティビティをデバッグします。
オプションの peer-address 引数または peer-name 引数を使用して、デバッグ イベントをログに記録するピ
アを指定します。
次に、debug ip msdp コマンドの出力例を示します。
例:
Device# debug ip msdp
MSDP debugging is on
Device#
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.250:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.250:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.250:
MSDP: 224.150.44.250:
MSDP: 224.150.44.250:
MSDP: 224.150.44.250:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.250:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.254:
MSDP: 224.150.44.250:
ステップ 3
Received 1388-byte message from peer
SA TLV, len: 1388, ec: 115, RP: 172.31.3.92
Peer RPF check passed for 172.31.3.92, used EMBGP peer
Forward 1388-byte SA to peer
Received 1028-byte message from peer
SA TLV, len: 1028, ec: 85, RP: 172.31.3.92
Peer RPF check passed for 172.31.3.92, used EMBGP peer
Forward 1028-byte SA to peer
Received 1388-byte message from peer
SA TLV, len: 1388, ec: 115, RP: 172.31.3.111
Peer RPF check passed for 172.31.3.111, used EMBGP peer
Forward 1388-byte SA to peer
Received 56-byte message from peer
SA TLV, len: 56, ec: 4, RP: 192.168.76.241
Peer RPF check passed for 192.168.76.241, used EMBGP peer
Forward 56-byte SA to peer
Received 116-byte message from peer
SA TLV, len: 116, ec: 9, RP: 172.31.3.111
Peer RPF check passed for 172.31.3.111, used EMBGP peer
Forward 116-byte SA to peer
Received 32-byte message from peer
SA TLV, len: 32, ec: 2, RP: 172.31.3.78
Peer RPF check passed for 172.31.3.78, used EMBGP peer
Forward 32-byte SA to peer
debug ip msdp resets
このコマンドを使用して、MSDP ピアのリセット理由をデバッグします。
例:
Device# debug ip msdp resets
ステップ 4
show ip msdp count [as-number]
このコマンドを使用して、MSDP SA メッセージ内で発信したソースおよびグループの数、および SA キャッ
シュ内の MSDP ピアからの SA メッセージの数を表示します。 何らかの出力を得るためには、このコマン
ドに ip msdp cache-sa-state コマンドを設定しておく必要があります。
次に、show ip msdp count コマンドの出力例を示します。
例:
Device# show ip msdp count
SA State per Peer Counters, <Peer>: <# SA learned>
192.168.4.4: 8
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
149
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP のモニタリング
SA State per ASN Counters, <asn>: <# sources>/<# groups>
Total entries: 8
?: 8/8
ステップ 5
show ip msdp peer [peer-address | peer-name]
このコマンドを使用して、MSDP ピアに関する詳細情報を表示します。
オプションの peer-address 引数または peer-name 引数を使用して、特定のピアに関する情報を表示します。
次に、show ip msdp peer コマンドの出力例を示します。
例:
Device# show ip msdp peer 192.168.4.4
MSDP Peer 192.168.4.4 (?), AS 64512 (configured AS)
Connection status:
State: Up, Resets: 0, Connection source: Loopback0 (2.2.2.2)
Uptime(Downtime): 00:07:55, Messages sent/received: 8/18
Output messages discarded: 0
Connection and counters cleared 00:08:55 ago
SA Filtering:
Input (S,G) filter: none, route-map: none
Input RP filter: none, route-map: none
Output (S,G) filter: none, route-map: none
Output RP filter: none, route-map: none
SA-Requests:
Input filter: none
Peer ttl threshold: 0
SAs learned from this peer: 8
Input queue size: 0, Output queue size: 0
MD5 signature protection on MSDP TCP connection: not enabled
ステップ 6
show ip msdp sa-cache [group-address | source-address | group-name | source-name] [as-number]
このコマンドを使用して、MSDP ピアから学習した (S, G) ステートを表示します。
次に、show ip msdp sa-cache コマンドの出力例を示します。
例:
Device# show ip msdp sa-cache
MSDP Source-Active Cache - 8 entries
(10.44.44.5, 239.232.1.0), RP 192.168.4.4,
(10.44.44.5, 239.232.1.1), RP 192.168.4.4,
(10.44.44.5, 239.232.1.2), RP 192.168.4.4,
(10.44.44.5, 239.232.1.3), RP 192.168.4.4,
(10.44.44.5, 239.232.1.4), RP 192.168.4.4,
(10.44.44.5, 239.232.1.5), RP 192.168.4.4,
(10.44.44.5, 239.232.1.6), RP 192.168.4.4,
(10.44.44.5, 239.232.1.7), RP 192.168.4.4,
ステップ 7
BGP/AS
BGP/AS
BGP/AS
BGP/AS
BGP/AS
BGP/AS
BGP/AS
BGP/AS
64512,
64512,
64512,
64512,
64512,
64512,
64512,
64512,
00:01:20/00:05:32,
00:01:20/00:05:32,
00:01:19/00:05:32,
00:01:19/00:05:32,
00:01:19/00:05:32,
00:01:19/00:05:32,
00:01:19/00:05:32,
00:01:19/00:05:32,
show ip msdp summary
このコマンドを使用して、MSDP ピアのステータスを表示します。
次に、show ip msdp summary コマンドの出力例を示します。
例:
Device# show ip msdp summary
MSDP Peer Status Summary
Peer Address
AS
State
Uptime/
Reset SA
Peer Name
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
150
Peer
Peer
Peer
Peer
Peer
Peer
Peer
Peer
192.168.4.4
192.168.4.4
192.168.4.4
192.168.4.4
192.168.4.4
192.168.4.4
192.168.4.4
192.168.4.4
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP 接続、統計情報、および SA キャッシュ エントリの消去
192.168.4.4
4
Up
Downtime Count Count
00:08:05 0
8
?
MSDP 接続、統計情報、および SA キャッシュ エントリの消去
MSDP 接続、統計情報、および SA キャッシュ エントリを消去するには、次の任意の作業を実行
します。
手順の概要
1. enable
2. clear ip msdp peer [peer-address | peer-name]
3. clear ip msdp statistics [peer-address | peer-name]
4. clear ip msdp sa-cache [group-address]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
clear ip msdp peer [peer-address |
peer-name]
指定された MSDP ピアへの TCP 接続をクリアし、すべての
MSDP メッセージ カウンタをリセットします。
例:
Device#
ステップ 3
clear ip msdp peer
clear ip msdp statistics [peer-address |
peer-name]
指定された MSDP ピアの統計情報カウンタをクリアし、すべ
ての MSDP メッセージ カウンタをリセットします。
例:
Device# clear ip msdp statistics
ステップ 4
clear ip msdp sa-cache [group-address] SA キャッシュ エントリを消去します。
• clear ip msdp sa-cache コマンドにオプションの
例:
Device# clear ip msdp sa-cache
group-address 引数または source-address 引数を指定した場
合、すべての SA キャッシュ エントリは消去されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
151
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP の簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)モニタリングのイネーブル化
コマンドまたはアクション
目的
• 特定のグループに関連付けられたすべての SA キャッシュ
エントリを消去するには、オプションの group-address 引
数を使用します。
MSDPの簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)モニタリングのイ
ネーブル化
MSDP の簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)モニタリングをイネーブルにするには、次の
任意の作業を実行します。
はじめる前に
• SNMP および MSDP がデバイスに設定されています。
• 各 PIM-SM ドメインには、MSDP スピーカーとして設定されているデバイスが必要です。 こ
のデバイスは、SNMP と MSDP MIB がイネーブルに設定されている必要があります。
(注)
• すべての MSDP-MIB オブジェクトは読み取り専用として実装されます。
• 要求テーブルは、シスコの MSDP MIB の実装ではサポートされていません。
• msdpEstablished 通知は、シスコの MSDP MIB の実装ではサポートされていません。
手順の概要
1. enable
2. snmp-server enable traps msdp
3. snmp-server host host [traps | informs] [version {1 | 2c | 3 [auth| priv | noauth]}] community-string
[udp-port port-number] msdp
4. exit
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
152
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP の簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)モニタリングのイネーブル化
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
snmp-server enable traps msdp
例:
(注)
Device# snmp-server enable traps msdp
ステップ 3
SNMP で使用される MSDP 通知の送信をイネーブルに
します。
snmp-server enable traps msdp コマンドは、
トラップと応答要求の両方をイネーブルにし
ます。
snmp-server host host [traps | informs]
MSDP トラップまたは応答要求の受信者(ホスト)を
[version {1 | 2c | 3 [auth| priv | noauth]}]
指定します。
community-string [udp-port port-number] msdp
例:
Device# snmp-server host examplehost msdp
ステップ 4
グローバル コンフィギュレーション モードを終了し、
特権 EXEC モードに戻ります。
exit
例:
Device(config)# exit
トラブルシューティングのヒント
MSDP MIB 通知の結果とソフトウェアの出力を比較するには、適切なデバイスで show ip msdp
summary コマンドおよび show ip msdp peer コマンドを使用します。 また、これらのコマンドの
結果と SNMP GET 操作の結果を比較することもできます。 SA キャッシュ テーブル エントリを確
認するには、show ip msdp sa-cache コマンドを使用します。 接続のローカル アドレス、ローカル
ポート、リモート ポートなどのその他のトラブルシューティング情報は、debug ip msdp コマン
ドの出力を使用して取得できます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
153
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続する設定例
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続す
る設定例
例:MSDP ピアの設定
次に、3 つの MSDP ピア間で MSDP ピアリング接続を確立する例を示します。
デバイス A
!
interface Loopback 0
ip address 10.220.8.1 255.255.255.255
!
ip msdp peer 10.220.16.1 connect-source Loopback0
ip msdp peer 10.220.32.1 connect-source Loopback0
!
デバイス B
!
interface Loopback 0
ip address 10.220.16.1 255.255.255.255
!
ip msdp peer 10.220.8.1 connect connect-source Loopback0
ip msdp peer 10.220.32.1 connect connect-source Loopback0
!
デバイス C
!
interface Loopback 0
ip address 10.220.32.1 255.255.255.255
!
ip msdp peer 10.220.8.1 connect 10.220.8.1 connect-source Loopback0
ip msdp peer 10.220.16.1 connect 10.220.16.1 connect-source Loopback0
!
例:MSDP MD5 パスワード認証の設定
次に、2 つの MSDP ピア間の TCP 接続の MD5 パスワード認証をイネーブルにする例を示します。
デバイス A
!
ip msdp peer 10.3.32.154
ip msdp password peer 10.3.32.154 0 test
!
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
154
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP の IETF RFC 3618 準拠の設定の例
デバイス B
!
ip msdp peer 10.3.32.153
ip msdp password peer 10.3.32.153 0 test
!
MSDP の IETF RFC 3618 準拠の設定の例
次に、10.10.2.4 および 10.20.1.2 の MSDP ピアを IETF RFC 3618 で指定されているピア RPF 転送
ルールに準拠するように設定する例を示します。
ip msdp peer 10.10.2.4
ip msdp peer 10.20.1.2
ip msdp rpf rfc3618
デフォルト MSDP ピアの設定の例
図に、デフォルト MSDP ピアが使用されるシナリオを示します。 この図では、ルータ B を所有す
るカスタマーが 2 つの ISP を介してインターネットに接続されています。一方の ISP はルータ A
を所有し、もう一方の ISP はルータ C を所有しています。 これらの ISP 間で、(M)BGP は動作
していません。 カスタマーが ISP ドメインまたは他のドメイン内のソースについて学習するため
に、ルータ B はルータ A をデフォルト MSDP ピアとして識別します。 ルータ B はルータ A と
ルータ C の両方に SA メッセージをアドバタイズしますが、ルータ A だけまたはルータ C だけか
ら SA メッセージを受け入れます。 ルータ A が設定内の最初のデフォルト ピアである場合、ルー
タ A が稼働していればルータ A が使用されます。 ルータ A が稼働していない場合に限り、ルー
タ B がルータ C からの SA メッセージを受け入れます。
ISP は、プレフィックス リストを使用して、カスタマーのルータから受け入れるプレフィックス
を定義する場合もあります。カスタマーは、複数のデフォルトピアを定義します。各ピアには関
連するプレフィックスを 1 つまたは複数設定します。
カスタマーは 2 つの ISP を使用しています。 カスタマーはこの 2 つの ISP をデフォルト ピアとし
て定義します。設定内で最初のデフォルトピアとして特定されているピアが稼働している限り、
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
155
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
デフォルト MSDP ピアの設定の例
このピアがデフォルト ピアになり、カスタマーはそのピアから受信するすべての SA メッセージ
を受け入れます。
図 13:デフォルト MSDP ピアのシナリオ
ルータ B はルータ A およびルータ C に SA をアドバタイズしますが、ルータ A またはルータ C
だけを使用して SA メッセージを受け入れます。 ルータ A が設定ファイル内の最初のルータであ
る場合、ルータ A が稼働していればルータ A が使用されます。 ルータ A が稼働していない場合
に限り、ルータ B がルータ C から SA メッセージを受け入れます。 これは、プレフィックス リス
トがない場合の動作です。
プレフィックス リストを指定すると、リスト内のプレフィックスに対してだけピアはデフォルト
ピアになります。プレフィックスリストがそれぞれ関連付けられている場合は、複数のアクティ
ブなデフォルト ピアを設定できます。 プレフィックス リストがない場合も、複数のデフォルト
ピアを設定できますが、アクティブなデフォルト ピアになるのは最初のピアだけです(このピア
にルータが接続されていて、ピアがアクティブの場合に限ります)。 最初に設定されたピアがダ
ウンするか、このピアとの接続がダウンした場合、2 番目に設定されたピアがアクティブなデフォ
ルト ピアになります。以下同様です。
次に、図に示されているルータ A およびルータ C の部分的な設定例を示します。 これらの ISP に
はそれぞれ、図に示すデフォルト ピアリングを使用するカスタマーのような複数のカスタマーが
ある場合があります。 そのようなカスタマーの設定は類似しています。 つまり、SA が対応する
プレフィックス リストによって許可される場合、デフォルト ピアからの SA だけを受け入れま
す。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
156
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
例:MSDP メッシュ グループの設定
ルータ A の設定
ip msdp default-peer 10.1.1.1
ip msdp default-peer 10.1.1.1 prefix-list site-b ge 32
ip prefix-list site-b permit 10.0.0.0/8
ルータ C の設定
ip msdp default-peer 10.1.1.1 prefix-list site-b ge 32
ip prefix-list site-b permit 10.0.0.0/8
例:MSDP メッシュ グループの設定
次に、3 台のデバイスを MSDP メッシュ グループのフル メッシュ メンバになるように設定する
例を示します。
デバイス A の設定
ip
ip
ip
ip
msdp
msdp
msdp
msdp
peer 10.2.2.2
peer 10.3.3.3
mesh-group test-mesh-group 10.2.2.2
mesh-group test-mesh-group 10.3.3.3
デバイス B の設定
ip
ip
ip
ip
msdp
msdp
msdp
msdp
peer 10.1.1.1
peer 10.3.3.3
mesh-group test-mesh-group 10.1.1.1
mesh-group test-mesh-group 10.3.3.3
デバイス C の設定
ip
ip
ip
ip
msdp
msdp
msdp
msdp
peer 10.1.1.1
peer 10.2.2.2
mesh-group test-mesh-group 10.1.1.1
mesh-group test-mesh-group 10.2.2.2
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
157
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
その他の関連資料
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
RFC 2385
『Protection of BGP Sessions via the TCP MD5
Signature Option』
RFC 2858
『Multiprotocol Extensions for BGP-4』
RFC 3618
『Multicast Source Discovery Protocol』
MIB
MIB
MIB のリンク
MSDP-MIB.my
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
158
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための機能情報
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続す
るための機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 5:MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための機能情報
機能名
リリース
機能情報
Multicast Source Discovery
Protocol(MSDP)
Cisco IOS XE Release 2.1
Multicast Source Discovery
Protocol(MSDP)は、複数の
PIM スパース モード(SM)ド
メインを接続するためのメカニ
ズムです。 MSDP を使用する
と、さまざまなドメイン内のす
べてのランデブー ポイント
(RP)に、グループのマルチ
キャスト送信元を通知できま
す。 各 PIM-SM ドメインは自
身の RP を使用するため、他の
ドメインの RP に依存する必要
はありません。 RP は、MSDP
を TCP 上で実行して他のドメ
インのマルチキャスト ソース
を検出します。
Cisco IOS Xe Release 3.5S
Cisco IOS XE Release 3.5S で
は、Cisco ASR 903 ルータのサ
ポートが追加されました。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
159
MSDP を使用しての複数の PIM-SM ドメインの相互接続
MSDP を使用して複数の PIM-SM ドメインを相互接続するための機能情報
機能名
リリース
機能情報
MSDP の IETF RFC 3618 準拠
Cisco IOS XE Release 2.1
MSDP の IETF RFC 3618 準拠機
能は、IETF RFC 3618 仕様で規
定されているピアと RPF 間の
転送ルールに準拠するように
MSDP を設定できるようにしま
す。 MSDP の IETF RFC 3618
準拠機能をイネーブルにする
と、SA メッセージのループを
防止できます。 また、MSDP
の IETF RFC 3618 準拠機能をイ
ネーブルにすることで、BGP
RR で MSDP を実行する必要が
なくなり、RPF チェックに IGP
を使用でき、直接接続されてい
ない自律システムのルータ間で
MSDP ピアリングが可能になり
ます。
この機能により、ip msdp rpf
rfc3618 コマンドおよび show ip
msdp rpf-peer コマンドが導入
または変更されました。
MSDP MD5 パスワード認証
Cisco IOS XE Release 2.5
MSDP MD5 パスワード認証機
能は、2 つの MSDP ピア間の
TCP 接続上で MD5 シグネチャ
の保護を提供するための拡張で
す。 この機能は、TCP 接続ス
トリームに導入されるスプー
フィングされた TCP セグメン
トの脅威に対して MSDP を保
護することにより、追加のセ
キュリティを提供します。
この機能により、ip msdp
password peer コマンドおよび
show ip msdp peer コマンドが
導入または変更されました。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
160
第
5
章
PIM Allow RP
このモジュールでは、IPv4 または IPv6 ネットワークで Protocol Independent Multicast(PIM)ス
パース モード(SM)ドメインを異なるランデブー ポイントで相互接続するための PIM Allow RP
機能を設定する方法について説明します。 PIM Allow RP では、着信(*, G)加入が処理され、
異なる RP が識別されたときに、受信側デバイスで独自の RP を使用してステートを作成し、共
有ツリーを構築することができます。 これにより、受信側デバイスは異なる RP からの(*, G)
加入を受け入れることができます。
• 機能情報の確認, 161 ページ
• PIM Allow RP の制約事項, 162 ページ
• PIM Allow RP について, 162 ページ
• PIM Allow RP の設定方法, 163 ページ
• PIM Allow RP の設定例, 168 ページ
• PIM Allow RP の追加情報, 171 ページ
• PIM Allow RP に関する機能情報, 172 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
161
PIM Allow RP
PIM Allow RP の制約事項
PIM Allow RP の制約事項
• PIM Allow RP では、PIM SM ドメインの接続のみがサポートされます。
• PIM Allow RP はダウンストリーム トラフィックだけに適用可能です。つまり、共有ツリー
の構築だけに適用できます。
• PIM Allow RP は、Auto-RP やブート ストラップ ルータ(BSR)では機能しません。 スタ
ティック設定だけがサポートされています。 ただし、コンシューマ ネットワークの組み込
み RP が、サービス プロバイダー ネットワークに静的に設定されているものと異なることは
可能です。
PIM Allow RP について
ランデブー ポイント
ランデブー ポイント(RP)は、デバイスが Protocol Independent Multicast(PIM)のスパース モー
ド(SM)で動作しているときに実行する役割です。 RP が必要になるのは、PIM SM を実行して
いるネットワークだけです。 PIM SM モデルでは、マルチキャスト データを明示的に要求したア
クティブなレシーバを含むネットワークセグメントだけにトラフィックが転送されます。マルチ
キャスト データを配信するこの方法は、PIM デンス モード(PIM-DM)とは対照的です。 PIM
DM では、マルチキャスト トラフィックは、最初にネットワークのすべてのセグメントにフラッ
ディングされます。 ダウンストリーム ネイバーを持たないルータやレシーバに直接接続された
ルータは、不要なトラフィックをプルーニングします。
RP は、マルチキャスト データのソースとレシーバの接点として機能します。 PIM-SM ネットワー
クでは、ソースは RP にトラフィックを送信する必要があります。 このトラフィックは、それか
ら共有配信ツリーを下ってレシーバに転送されます。 デフォルトでは、レシーバのファースト
ホップ デバイスは、ソースを認識すると、ソースに加入メッセージを直接送信し、ソースからレ
シーバへのソース ベースの配信ツリーを作成します。 ソースとレシーバ間の最短パス内に RP が
存在しない限り、このソース ツリーには RP は含まれません。
ほとんどの場合、ネットワークにおける RP の配置は複雑な判断を必要としません。 デフォルト
では、RP が必要になるのは、ソースおよびレシーバとの新しいセッションを開始する場合だけで
す。 その結果、RP では、トラフィックのフローまたは処理によるオーバーヘッドはほとんど発
生しません。 PIM バージョン 2 では、ステートを作成する RP にソースが定期的に登録するだけ
なので、RP が実行する処理は PIM バージョン 1 より少なくなります。
PIM Allow RP
パブリッシャ、コンシューマ、転送の 3 種類のネットワークがあります。 多くのパブリッシャ
ネットワークは、コンテンツを発信することができ、多くのコンシューマ ネットワークはコンテ
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
162
PIM Allow RP
PIM Allow RP の設定方法
ンツに関心がある場合があります。サービスプロバイダーが所有および運用する転送ネットワー
クは、パブリッシャ ネットワークとコンシューマ ネットワークを接続します。
コンシューマ ネットワークと転送ネットワークは次のように接続されます。
特定のグループ範囲、または全グループ範囲(デフォルトルートと同様)について、サービスプ
ロバイダーは、RP-A などのランデブー ポイント(RP)を定義します。 コンシューマ デバイスか
ら RP-A のリバース パス転送により、(*,G)加入が転送ネットワークに向けて送信されます。
同じグループに対して、サービス プロバイダーは、G の転送ネットワーク内で共有ツリーを構築
するために使用される異なる RP(RP-B など)を定義することができます。 RP-A と RP-B は、通
常異なる RP であり、各 RP は、異なるグループ範囲に対して定義されます。
RFC 4601 では、デバイスが(*, G)加入を受信し、(*, G)加入で指定されている RP が受信側デ
バイスが予想する RP と異なる(不明な RP)場合、着信(*, G)加入を無視する必要があること
を規定しています。 PIM Allow RP 機能では、着信(*, G)加入が処理され、異なる RP が識別さ
れたときに、受信側デバイスで独自の RP を使用してステートを作成し、共有ツリーを構築する
ことができます。 これにより、受信側デバイスは異なる RP からの(*, G)加入を受け入れること
ができます。
PIM Allow RP は、共有ツリーを構築するためのダウンストリーム トラフィックだけに適用できま
す。 Auto-RP や BSR では機能しません。 スタティック設定だけがサポートされています。 ただ
し、PIM Allow RP では、コンシューマ ネットワークの組み込み RP が転送ネットワークに静的に
設定されているものと異なる場合は補正されます。
PIM Allow RP の設定方法
PIM-SM への RP 設定
はじめる前に
すべてのアクセス リストを設定作業の開始前に設定する必要があります。 アクセス リストの設
定方法については、『Security Configuration Guide: Access Control Lists』の「Creating an IP Access
List and Applying It to an Interface」モジュールを参照してください。
IPv6 ネットワーク デバイスの場合は、最初に IPv6 マルチキャスト ルーティングをイネーブルに
するデバイスのすべてのインターフェイスで、IPv6 ユニキャスト ルーティングをイネーブルにす
る必要があります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
163
PIM Allow RP
PIM-SM への RP 設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3.
• ip multicast-routing [vrf vrf-name] distributed
• ipv6 multicast-routing [vrf vrf-name]
4. interface type number
• ip pim sparse-mode
5.
• ipv6 pim enable
6. ipv6 address {ipv6-address | prefix-length | prefix-name sub-bits | prefix-length}
7. no shut
8. exit
9. IP マルチキャストを使用するすべてのインターフェイスでステップ 4 ~ 8 を繰り返します。
• ip pim [vrf vrf-name] rp-address rp-address [access-list] [override]
10.
• ipv6 pim [vrf vrf-name] rp-address ipv6-address [group-address-list]
11. exit
12. show ip pim rp [mapping] [rp-address]
13. show ip mroute
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
• ip multicast-routing [vrf vrf-name]
distributed
• ipv6 multicast-routing [vrf vrf-name]
• IPv4 の場合:デバイスのすべてのインターフェイスで
マルチキャスト ルーティングをイネーブルにします。
Cisco IOS XE Release 3.2S 以前のリリースでは、
distributed キーワードは任意選択です。
• IPv6 の場合:デバイスのすべてのインターフェイスで
例:
Device(config)# ip multicast-routing
Device(config)# ipv6 multicast-routing
マルチキャスト ルーティングをイネーブルにし、デバ
イスのすべてのマルチキャスト対応インターフェイス
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
164
PIM Allow RP
PIM-SM への RP 設定
コマンドまたはアクション
目的
で PIM および MLD に対してマルチキャスト転送をイ
ネーブルにします。
(注)
IPv6 マルチキャスト ルーティングは、IPv6
ユニキャスト ルーティングがイネーブルの
場合、デフォルトでディセーブルです。 特
定のデバイスでは、IPv6 ユニキャスト ルー
ティングを使用するには、IPv6 マルチキャ
スト ルーティングもイネーブルにする必要
があります。
ステップ 4
interface type number
PIMをイネーブルにできるホストに接続されているインター
フェイスを選択します。
例:
Device(config)# interface
gigabitethernet 1/0/0
ステップ 5
• IPv4 の場合:PIM をイネーブルにします。 スパース
• ip pim sparse-mode
モードを使用する必要があります。
• ipv6 pim enable
• IPv6 の場合:IPv6 およびデフォルトで、IPv6 PIM をイ
ネーブルにします。
例:
Device(config-if)# ip pim sparse-mode
Device(config-if)# ipv6 pim enable
ステップ 6
ipv6 address {ipv6-address | prefix-length | IPv6 の場合のみ:IPv6 の一般的なプレフィックスに基づい
prefix-name sub-bits | prefix-length}
て IPv6 アドレスを設定し、インターフェイスにおける IPv6
処理をイネーブルにします。
例:
Device(config-if)# ipv6 address
2001:DB8::4:4/64
ステップ 7
インターフェイスをイネーブルにします。
no shut
例:
Device(config-if)# no shut
ステップ 8
—
exit
グローバル コンフィギュレーション モードに戻ります。
例:
Device(config-if)# exit
ステップ 9
IP マルチキャストを使用するすべてのイ
ンターフェイスでステップ 4 ~ 8 を繰り
返します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
165
PIM Allow RP
PIM Allow RP のイネーブル化
コマンドまたはアクション
ステップ 10
• ip pim [vrf vrf-name] rp-address
rp-address [access-list] [override]
• ipv6 pim [vrf vrf-name] rp-address
ipv6-address [group-address-list]
目的
• IPv4 の場合:PIM RP のアドレスを設定します。 アク
セス リストを指定しなかった場合、RP アドレスはす
べてのマルチキャスト グループ 224/4 に適用されま
す。
• IPv6 の場合:PIM RP のアドレスを設定します。 グルー
例:
Device(config)# ip pim rp-address
192.0.2.1 acl-sparse
プ アドレス リストを指定しなかった場合、FFX[3-f]::/8
から FF3X::/96 の範囲の SSM を除く、ルーティング可
能な IPv6 マルチキャスト グループ範囲全体に RP アド
レスが適用されます。
Device(config)# ipv6 pim rp-address
2001:DB8::1:1 acl_sparse1
ステップ 11
グローバル コンフィギュレーション モードを終了します。
exit
例:
Device(config)# exit
ステップ 12
show ip pim rp [mapping] [rp-address]
(任意)ネットワークで既知の RP を表示し、ルータが各
RP について学習する方法を示します。
例:
Device# show ip pim rp mapping
ステップ 13
show ip mroute
(任意)IP mroute テーブルの内容を表示します。
例:
Device# show ip mroute
PIM Allow RP のイネーブル化
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3.
• ip pim allow-rp [group-list access-list | rp-list access-list [group-list access-list]]
• ipv6 pim allow-rp [group-list access-list | rp-list access-list [group-list access-list]]
4. exit
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
166
PIM Allow RP
PIM-SM および RP に関する情報の表示
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場
例:
合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モード
を開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
• ip pim allow-rp [group-list access-list | rp-list
access-list [group-list access-list]]
PIM Allow RP をイネーブルにします。
• ipv6 pim allow-rp [group-list access-list | rp-list
access-list [group-list access-list]]
例:
Device(config)# ip pim allow-rp
Device(config)# ipv6 pim allow-rp
ステップ 4
特権 EXEC モードに戻ります。
exit
例:
Device(config)# exit
PIM-SM および RP に関する情報の表示
手順の概要
1. enable
• show ip pim [vrf vrf-name] rp [metric] [rp-address]
2.
• show ipv6 pim [vrf vrf-name] interface [state-on] [state-off] [type number]
3.
• show ip pim [ vrf vrf-name] rp mapping [rp-address]
• show ipv6 pim [vrf vrf-name] group-map [group-name | group-address] | [group-range | group-mask]
[info-source {bsr | default | embedded-rp | static}]
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
167
PIM Allow RP
PIM Allow RP の設定例
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された
場合)。
Device> enable
ステップ 2
• show ip pim [vrf vrf-name] rp [metric] [rp-address]
PIM に対して設定されたインターフェイス
に関する情報を表示します。
• show ipv6 pim [vrf vrf-name] interface [state-on]
[state-off] [type number]
例:
Device# show ip pim interface
Device# show ipv6 pim interface
ステップ 3
• show ip pim [ vrf vrf-name] rp mapping [rp-address]
PIM グループとアクティブ ランデブー ポイ
ントのマッピングを表示します。
• show ipv6 pim [vrf vrf-name] group-map [group-name
| group-address] | [group-range | group-mask] [info-source
{bsr | default | embedded-rp | static}]
例:
Device# show ipv6 pim rp mapping
Device# show ipv6 pim group-map static
PIM Allow RP の設定例
例:IPv4 PIM Allow RP
次の例で、
1 ダウンストリーム デバイスのループバック(Loopback100)で、存在しない RP(11.30.3.3)に
対してスタティック(*,239.1.2.3)加入が作成されます。
2 スタティック ルートでは、デバイスがこの RP は 11.10.2.1 経由でアップストリーム デバイス
を介して到達可能であると認識するため、ダウンストリームデバイスはRPアドレス(11.30.3.3)
を持つ(*,239.1.2.3)PIM 加入をアップストリーム ルータに送信します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
168
PIM Allow RP
例:IPv4 PIM Allow RP
3 アップストリーム デバイスは(* 239.1.2.3)PIM 加入を受信すると、加入(11.30.3.3)内の RP
アドレスが既知の(設定済みの)インターフェイスから RP へのアドレス(11.10.3.3)と異な
ることを認識します。
4 アップストリーム デバイス上の PIM Allow RP 設定により(*,239.1.2.3)が処理され、RP
(11.10.3.3)への(239.1.2.3)加入が作成されます。
(注)
アップストリーム デバイスで pim allow-rp コマンドが設定されていない場合、アップストリー
ム デバイスは異なる RP の加入を無視する必要があります。
##################
#
Downstream
##################
!
hostname downstream-router
!
!
ip multicast-routing distributed
!
!
interface Loopback100
ip address 101.10.1.2 255.255.255.0
ip igmp static-group 239.1.2.3
ip pim sparse-dense-mode
no shut
!
interface Ethernet1/2
ip address 11.10.2.2 255.255.255.0
ip pim sparse-dense-mode
no shut
!
router ospf 200
network 11.0.0.0 0.255.255.255 area 1
network 101.0.0.0 0.255.255.255 area 1
!
ip pim rp-address 11.30.3.3
ip mroute 11.30.3.3 255.255.255.255 11.10.2.1
!
end
##################
#
Upstream
##################
!
hostname Upstream-router
!
!
ip multicast-routing distributed
!
!
interface FastEthernet0/0/2
ip address 11.10.2.1 255.255.255.0
ip pim sparse-dense-mode
no shut
!
interface FastEthernet0/0/4
! interface to RP (11.10.3.3)
ip address 10.10.4.1 255.255.255.0
ip pim sparse-dense-mode
no shut
!
router ospf 200
network 10.0.0.0 0.255.255.255 area 1
network 11.0.0.0 0.255.255.255 area 1
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
169
PIM Allow RP
例:IPv6 PIM Allow RP
!
ip pim rp-address 11.10.3.3
ip pim allow-rp
!
end
例:IPv6 PIM Allow RP
次の例で、
1 ダウンストリーム デバイスのループバックで、存在しない RP(80::1:1:3)へのスタティック
(*,FF03::1)加入が作成されます。
2 スタティック ルートでは、デバイスがこの RP は 10::1:1:1 経由でアップストリーム デバイス
を介して到達可能であると認識するため、ダウンストリームデバイスはRPアドレス(80::1:1:3)
を持つ(*,FF03::1)PIM 加入をアップストリーム デバイスへ送信します。
3 アップストリーム デバイスは(*,FF03::1)PIM 加入を受信すると、加入(80::1:1:3)内の RP
アドレスが(既知の)設定されたアドレス(20::1:1:3)とは異なることを認識します。
4 アップストリーム デバイス上の PIM Allow RP 設定により(*,FF03::1)が処理され、RP
(20::1:1:3)への(*,FF03::1)加入が作成されます。
(注)
アップストリーム デバイスで pim allow-rp コマンドが設定されていない場合、アップストリー
ム デバイスは異なる RP の加入を無視する必要があります。
##################
# Downstream
##################
!
hostname downstream-router
!
!
ipv6 unicast-routing
ipv6 multicast-routing
!
!
interface Loopback100
ipv6 address FE80::50:1:2 link-local
ipv6 address 50::1:1:2/64
ipv6 enable
ipv6 ospf 1 area 0
ipv6 mld join-group FF03::1
!
interface Ethernet1/2
ipv6 address FE80::10:1:2 link-local
ipv6 address 10::1:1:2/64
ipv6 enable
ipv6 ospf 1 area 0
no keepalive
!
!
ipv6 pim rp-address 80::1:1:3
ipv6 route 80::1:1:3/128 10::1:1:1 multicast
!
ipv6 router ospf 1
router-id 205.2.0.2
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
170
PIM Allow RP
PIM Allow RP の追加情報
!
!
end
###################
# Upstream
###################
!
hostname Upstream-router
!
!
ipv6 unicast-routing
ipv6 multicast-routing
!
!
interface FastEthernet0/0/2
ipv6 address FE80::10:1:1 link-local
ipv6 address 10::1:1:1/64
ipv6 enable
ipv6 ospf 1 area 0
!
interface FastEthernet0/0/3
! interface to the RP (20::1:1:3)
ipv6 address FE80::20:1:1 link-local
ipv6 address 20::1:1:1/64
ipv6 enable
ipv6 ospf 1 area 0
!
!
ipv6 pim rp-address 20::1:1:3
ipv6 pim allow-rp
!
ipv6 router ospf 1
router-id 205.1.0.1
!
!
end
PIM Allow RP の追加情報
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
171
PIM Allow RP
PIM Allow RP に関する機能情報
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
RFC 4601
『Protocol Independent Multicast - Sparse Mode
(PIM-SM): Protocol Specification (Revised)』
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
PIM Allow RP に関する機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
172
PIM Allow RP
PIM Allow RP に関する機能情報
表 6:PIM Allow RP に関する機能情報
機能名
リリース
機能情報
PIM Allow RP
15.2(4)T
PIM Allow RP 機能では、着信
(*, G)加入が処理され、異な
る RP が識別されたときに、受
信側デバイスで独自の RP を使
用してステートを作成し、共有
ツリーを構築することができま
す。 このプロセスにより、受
信側デバイスは異なる RP から
の(*, G)加入を受け入れるこ
とができます。
Cisco IOS XE Release 3.7S
15.3(1)T
次のコマンドが導入または変更
されました。ip pim allow-rp、
ipv6 pim allow-rp。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
173
PIM Allow RP
PIM Allow RP に関する機能情報
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
174
第
6
章
Source Specific Multicast の設定
このモジュールでは、Source Specific Multicast(SSM)の設定方法を説明します。 Source Specific
Multicast 機能は、レシーバが明示的に参加したマルチキャスト ソースからのみデータグラム ト
ラフィックがレシーバに転送される IP マルチキャストの拡張機能です。 SSM 用に設定されたマ
ルチキャスト グループは、(共有ツリーではなく)ソース固有のマルチキャスト配信ツリーの
みが作成されます。
• 機能情報の確認, 175 ページ
• Source Specific Multicast の制約事項, 176 ページ
• Source Specific Multicast について, 178 ページ
• Source Specific Multicast の設定方法, 185 ページ
• Source Specific Multicast の設定例, 186 ページ
• その他の関連資料, 188 ページ
• Source Specific Multicast の機能情報, 189 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
175
Source Specific Multicast の設定
Source Specific Multicast の制約事項
Source Specific Multicast の制約事項
SSM 範囲のレガシー アプリケーションに関する制約
SSM にまだ対応していない、ネットワーク内の既存のアプリケーションは、(S, G)チャネル加
入をサポートするように変更されているか、URD によってイネーブルになっていない限り、SSM
範囲内では機能しません。 そのため、既存のアプリケーションが指定の SSM 範囲内のアドレス
を使用する場合、ネットワークで SSM をイネーブルにすると問題が発生することがあります。
IGMP v3lite および URD には Cisco ラスト ホップ ルータが必要
SSM および IGMPv3 は IETF で標準化されたソリューションです。 しかし、IGMP v3lite と URD
はシスコが開発したソリューションです。 ホストの IGMP v3lite と URD が正しく動作するには、
そのホスト方向のラスト ホップ ルータが IGMP v3lite または URD がイネーブルになった Cisco
ルータである必要があります。
(注)
ホストが IGMPv3 のカーネル サポートを備えている場合、HSIL は IGMP v3lite の代わりにカー
ネル IGMPv3 を使用するため、この制約は HSIL を使用しているアプリケーションには適用さ
れません。
アドレス管理に関する制約
SSM をレイヤ 2 スイッチング メカニズムとともに使用する場合は、ある程度のアドレス管理が必
要となります。 Cisco Group Management Protocol(CGMP)、IGMP スヌーピング、または Router-Port
Group Management Protocol(RGMP)は現在、(S, G)チャネル固有のフィルタリングではなく、
グループ固有のフィルタリングのみをサポートしています。 スイッチド ネットワークの別のレ
シーバが、同じグループを共有している別の(S, G)チャネルを要求すると、これらの既存のメ
カニズムの利点は活用できません。 代わりに、両方のレシーバが (S, G) チャネル トラフィックを
すべて受信(入力で不要なトラフィックをフィルタリング)します。 SSM は SSM 範囲のグルー
プ アドレスを多くの独立したアプリケーションに再利用できるため、この状況により、スイッチ
ド ネットワークでトラフィック フィルタリングが予想を下回る可能性があります。 このため、
SSM の IETF ドラフトに記載されている推奨事項に従い、SSM 範囲外のランダム IP アドレスをア
プリケーションに使用し、SSM 範囲内で異なるアプリケーションが 1 つのアドレスを再利用する
可能性を最小限に抑えることが重要です。 たとえば、TV チャネル セットを提供するアプリケー
ション サービスで、SSM を使用する場合は、各 TV(S, G)チャネルに異なるグループを使用す
る必要があります。この設定によって、同じアプリケーションサービス内の異なるチャネルの複
数のレシーバがレイヤ 2 スイッチを含むネットワーク内でトラフィックのエイリアスを経験する
ことがなくなります。
IGMP スヌーピングおよび CGMP の制限
IGMPv3 は、古い IGMP スヌーピング スイッチに正しく認識されない可能性のある新しいメンバー
シップ レポート メッセージを使用します。この場合、ホストがトラフックを正しく受信しませ
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
176
Source Specific Multicast の設定
Source Specific Multicast の制約事項
ん。 IGMP v3lite と URD は IGMPv1 または IGMPv2 メンバーシップ レポートのみに依存するた
め、この状況は、URD または IGMP v3lite がオペレーティング システムが IGMPv3 用にアップグ
レードされていないホストで使用されている場合は問題ではありません。
URD インターセプト URL の制約事項
URD インターセプト URL の文字列は 256 バイト未満で、/path 引数で始まる必要があります。
HTTP/TCP 接続では、この文字列は単一の TCP/IP パケット内に含まれている必要もあります。 た
とえば、256 バイトの文字列の場合、ホストと代行受信ルータ間のリンク最大伝送単位(MTU)
が 128 バイトでは、URD が正しく動作しません。
ステート管理の制限事項
PIM-SSM で、適切な(S, G)加入がインターフェイス上にある場合、ラスト ホップ ルータは(S,
G)加入メッセージを定期的に送り続けます。 このため、レシーバが(S, G)加入を送信する限
り、ソースが長時間(または二度と)トラフィックを送信しなくてもレシーバからソースへの最
短パス ツリー(SPT)状態が維持されます。
これは、送信元がトラフィックを送信し、レシーバーがグループに加入している場合にだけ(S,
G)ステートが維持される PIM-SM とは対照的です。 PIM-SM では、送信元がトラフィックの送
信を 3 分間停止すると、(S, G)ステートは削除され、再確立されるのは、その送信元からのパ
ケットが RPT を通じて再度到達した場合だけです。 PI-SSM では、送信元がアクティブであるこ
とをレシーバに通知するメカニズムがないので、レシーバが(S, G)チャネルの受信を要求して
いる限り、(S, G)ステートを維持する必要があります。
HSIL の制限事項
IGMP v3lite ホスト シグナリング, (182 ページ)の概要で説明されているように、HSIL はホスト
オペレーティング システムが IGMPv3 をサポートするかどうかを判別しようとします。 このチェッ
クは、オペレーティング システムが IGMPv3 にアップグレードされているホストとオペレーティ
ング システムが IGMPv1 または IGMPv2 のみをサポートするホストの両方で単一のアプリケー
ションが使用できるように行われます。
HSIL が提供された時点でこのオペレーティング システムの少なくとも 1 つのバージョンに対し
て IGMPv3 カーネル サポートが存在する場合、ホスト オペレーティング システムでの IGMPv3
のアベイラビリティのチェックは、HSIL でのみ実行できます。 このような IGMPv3 カーネル実
装が最近まで使用できなかった場合、HSIL でコンパイルされたアプリケーションが動的に最新
バージョンの HSIL にバインドされるように、ユーザはホストで HSIL もアップグレードする必要
のある場合があります。最新バージョンの HSIL は、オペレーティング システム カーネルで
IGMPv3 のチェックをサポートしています。 HSIL のアップグレードは、アプリケーション自体の
アップグレードとは別に実行できます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
177
Source Specific Multicast の設定
Source Specific Multicast について
Source Specific Multicast について
SSM の概要
Source Specific Multicast(SSM)。 SSM は、レシーバが明示的に参加したマルチキャスト ソース
からのみデータグラム トラフィックがレシーバに転送される IP マルチキャストの拡張機能です。
SSM 用に設定されたマルチキャスト グループは、(共有ツリーではなく)ソース固有のマルチ
キャスト配信ツリーのみが作成されます。
SSM のコンポーネント
SSM は、1 対多のアプリケーション(ブロードキャスト アプリケーション)に最適なデータグラ
ム配信モデルです。 SSM は、オーディオおよびビデオ ブロードキャスト アプリケーション環境
を対象とした IP マルチキャスト ソリューションの Cisco 実装のコア ネットワーキング テクノロ
ジーで、RFC 3569 に説明されています。 次の 2 つのコンポーネントは共に SSM の実装をサポー
トします。
• Protocol Independent Multicast Source-Specific Mode(PIM-SSM)
• インターネット グループ管理プロトコル バージョン 3(IGMPv3)
Protocol Independent Multicast(PIM)SSM(PIM-SSM)は、SSM の実装をサポートするルーティ
ング プロトコルで、PIM スパース モード(PIM-SM)から派生しました。 IGMP は、ホストがルー
タにマルチキャストグループメンバーシップを伝えるために使用するインターネット技術特別調
査委員会(IETF)標準トラック プロトコルです。 IGMP バージョン 3 は、SSM に必要なソース
フィルタリングをサポートします。 SSM を IGMPv3 と共に実行するには、SSM がルータ、アプ
リケーションが実行されるホスト、およびアプリケーション自体でサポートされる必要がありま
す。
Internet Standard Multicast と SSM の違い
インターネットと多くの企業イントラネットの標準 IP マルチキャスト インフラストラクチャは、
PIM-SM プロトコルと Multicast Source Discovery Protocol(MSDP)に基づいています。 これらの
プロトコルは信頼でき、広範で、効率的であることが証明されています。 しかし、インターネッ
ト標準マルチキャスト(ISM)サービス モデルの複雑さと機能性の制限があります。 たとえば、
ISM では、ネットワークは、実際にマルチキャスト トラフィックを送信しているホストについて
の情報を維持する必要があります。 SSM では、この情報は IGMPv3 によってラスト ホップ デバ
イスにリレーされるソース アドレスを通してレシーバによって提供されます。 SSM は、ISM に
関連付けられた問題への対応を強化し、ネットワーク内で ISM 用に開発されたプロトコルと共存
することを目的としています。 一般に、SSM は SSM を使用するアプリケーションに IP マルチ
キャスト サービスを提供します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
178
Source Specific Multicast の設定
SSM の概要
ISM サービスについては RFC 1112 で説明されています。 このサービスは、任意のソースからマ
ルチキャスト ホスト グループと呼ばれるレシーバのグループへの IP データグラムの配信によっ
て構成されています。 マルチキャスト ホスト グループのデータグラム トラフィックは、任意の
IP ユニキャスト送信元アドレス S と IP 宛先アドレスとしてのマルチキャスト グループ アドレス
G のデータグラムで構成されます。 システムはホスト グループのメンバになることによってこの
トラフィックを受信します。 ホスト グループのメンバーシップには IGMP バージョン 1、2、ま
たは 3 によるホスト グループのシグナリングが必要です。
SSM では、データグラムは(S, G)チャネルに基づいて配信されます。 1 つの (S, G) チャネルの
トラフィックは、IP 宛先アドレスとして IP ユニキャスト ソース アドレス S とマルチキャスト グ
ループ アドレス G を持つデータグラムで構成されています。 システムは、(S, G)チャネルのメ
ンバになることによって、このトラフィックを受信します。 SSM と ISM のどちらでも、ソース
になるためにシグナリングは必要ありません。ただし、SSMでは、レシーバーは特定の送信元か
らのトラフィックの受信または非受信を決めるために(S, G)への加入または脱退を行う必要が
あります。 つまり、レシーバーは加入した(S, G)チャネルからだけトラフィックを受信できま
す。一方、ISM では、レシーバーは受信するトラフィックの送信元の IP アドレスを知る必要はあ
りません。 提案されているチャネル加入シグナリングの標準的な方法では、IGMP INCLUDE モー
ド メンバーシップ レポートを使用します。これは、IGMP バージョン 3 でのみサポートされてい
ます。
IP マルチキャスト グループ アドレス範囲の設定済みのサブセットに SSM 配信モデルを適用する
ことにより、SSMとISMサービスを一緒に使用できます。インターネット割り当て番号局(IANA)
は、SSM アプリケーションおよびプロトコル用に 232.0.0.0 ~ 232.255.255.255 のアドレス範囲を
確保しています。 ソフトウェアでは、224.0.0.0 ~ 239.255.255.255 の IP マルチキャスト アドレス
範囲の任意のサブセットの SSM 設定を許可します。 SSM 範囲が定義されると、(アプリケーショ
ンが明示的な(S, G)チャネル加入を使用するように変更されているか、URL Rendezvous Directory
(URD)によって SSM に対応していない限り)SSM 範囲内でアドレスを使用しようとする場合
に既存の IP マルチキャスト レシーバ アプリケーションはトラフィックを受信しません。
SSM の動作
確立されているネットワークは、IP マルチキャスト サービスが PIM SM に基づいているので、
SSM サービスをサポートできます。 SSM は、ドメイン間の PIM-SM に必要なプロトコルがすべ
て揃っていないネットワークで単独で配備することもできます。 つまり、SSM には RP が必要で
はないため、Auto-RP、MSDP、ブートストラップ ルータ(BSR)などの RP メカニズムは必要あ
りません。
SSM がすでに PIM-SM 用に設定済みのネットワークで配備されている場合、ラスト ホップ ルー
タのみを、SSM をサポートするソフトウェア イメージにアップグレードする必要があります。
レシーバに直接接続されていないルータを SSM をサポートするソフトウェア イメージにアップ
グレードする必要はありません。 一般的に、これらのラスト ホップではないルータは、SSM 範
囲で PIM-SM のみを実行する必要があります。 これらは、MSDP シグナリング、登録、または
PIM-SM 共有ツリー動作が SSM 範囲内で発生することを抑制するために、追加のアクセス コント
ロール設定を必要とする場合もあります。
SSM モードの動作は、ip pim ssm グローバル コンフィギュレーション コマンドを使用して SSM
範囲を設定することによってイネーブルにできます。 この設定による影響は次のとおりです。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
179
Source Specific Multicast の設定
SSM の概要
• SSM 範囲内のグループの場合、(S, G) チャネル加入は IGMPv3 INCLUDE モード メンバーシッ
プ レポートによって受け入れられます。
• SSM 範囲のアドレスの PIM 動作は、PIM-SM の派生モードである PIM-SSM に変更されます。
このモードでは、PIM (S, G) 加入およびプルーニング メッセージのみがルータによって生成
されます。 ランデブー ポイント ツリー(RPT)動作に関連した着信メッセージは無視され
るか、拒否され、着信 PIM 登録メッセージは登録停止メッセージによってただちに応答され
ます。 ラストホップ ルータ以外のルータでは、PIM-SSM は PIM-SM と下位互換性を保ちま
す。 したがって、ラストホップ ルータ以外のルータは SSM グループに PIM-SM を使用でき
ます(SSM をサポートしていない場合など)。
• SSM 範囲内のグループの場合、SSM 範囲内の MSDP Source-Active(SA)メッセージは受け
入れ、生成、または転送されません。
IGMPv3 ホスト シグナリング
IGMPv3 は、ホストがマルチキャスト グループのラスト ホップ ルータにメンバーシップを伝える
IETF 標準トラック プロトコルの第 3 バージョンです。 IGMPv3 は、グループ メンバーシップを
伝える能力をホストに与えます。これによってソースに関するフィルタリングが可能になります。
ホストは、特定のソースを除いて、グループに送信するすべてのソースからトラフィックを受信
したい(EXCLUDE と呼ばれるモード)、またはグループに送信する特定のソースからのみトラ
フィックを受信したい(INCLUDE と呼ばれるモード)と伝えることができます。
IGMPv3 は、ISM および SSM と同時に動作可能です。 ISM では、EXCLUDE モードと INCLUDE
モードの両方のレポートがラスト ホップ ルータによって受け入れられます。 SSM では、INCLUDE
モード レポートのみがラスト ホップ ルータによって受け入れられます。
Source Specific Multicast の利点
IP マルチキャスト アドレス管理が不要
ISM サービスで、トラフィック ディストリビューションは使用する IP マルチキャスト グループ
アドレスにのみ基づくため、アプリケーションは一意の IP マルチキャスト グループ アドレスを
取得する必要があります。 異なるソースとレシーバを持つ 2 つのアプリケーションが同じ IP マル
チキャストグループアドレスを使用すると、両方のアプリケーションのレシーバが両方のアプリ
ケーションのソースからトラフィックを受信します。 適切にプログラムしている場合、レシーバ
は不要なトラフィックをフィルタできますが、この状態は一般的に許容できないレベルの不要な
トラフィックを生み出します。
アプリケーションへの一意の IP マルチキャスト グループ アドレスの割り当ては問題となります。
最も短期のアプリケーションはセッション記述プロトコル(SDP)やセッション通知プロトコル
(SAP)のようなメカニズムを使用して、ランダムアドレスを取得します。これは、インターネッ
ト内のアプリケーションの増加によってうまく機能しないソリューションです。 長期アプリケー
ションの現在のベスト ソリューションは、RFC 2770 に説明されていますが、このソリューション
は各自律システムが 255 の使用可能な IP マルチキャスト アドレスのみに限定される制限の影響を
受けます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
180
Source Specific Multicast の設定
SSM の概要
SSM で、他のソースからのトラフィックとは関係なく、各ソースからのトラフィックはネット
ワーク内のルータ間で転送されます。 このため、異なるソースが SSM 範囲のマルチキャスト グ
ループ アドレスを再利用できます。
望ましくないソースからのサービス拒否攻撃の阻止
SSM で、個別の各ソースからのマルチキャスト トラフィックは、(IGMPv3、IGMP v3lite、また
は URD メンバーシップによって)レシーバから要求された場合にのみネットワーク中に転送され
ます。 これに対し、ISM はマルチキャスト グループに送信するアクティブなソースからそのマル
チキャストグループを要求するすべてのレシーバにトラフィックを転送します。インターネット
ブロードキャストアプリケーションで、トラフィックを同じマルチキャストグループにただ送信
するだけで、望ましくないソースが実際のインターネットブロードキャストソースを簡単に妨害
できるため、この ISM の動作は非常に望ましくありません。 この状況は、レシーバ側で不要なト
ラフィックによって帯域幅を消耗させるため、インターネット ブロードキャストの無停止の受信
を妨害します。 SSM では、トラフィックをマルチキャスト グループにただ送信するだけでは、
このような種類の DoS 攻撃は行えません。
インストールと管理が容易
ネットワークがマルチキャストグループに送信しているアクティブソースについての情報を維持
する必要がないため、SSM は簡単にインストールし、ネットワークでプロビジョニングできま
す。 この要件は、(IGMPv1、IGMPv2、または IGMPv3 を使用する)ISM でのみ存在します。
ISM サービスの現在の標準ソリューションは PIM-SM と MSDP です。 PIM-SM(Auto-RP または
BSR の必要性を含む)および MSDP での Rendezvous Point(RP)管理は、ネットワークがアクティ
ブ ソースについて学習するためにのみ必要です。 この管理は SSM では必要ありません。このた
め、SSM は ISM よりインストールや管理が簡単で、配備での動作面の拡張も ISM より簡単です。
SSM のインストールが簡単であるその他の要素は、既存の PIM-SM ネットワークを活用でき、ラ
スト ホップ ルータをアップグレードするだけで IGMPv3、IGMP v3lite、または URD をサポート
できる点です。
インターネット ブロードキャスト アプリケーションに最適
上記の 3 つの利点により、次の理由で SSM はインターネット ブロードキャスト スタイルのアプ
リケーションに理想的です。
• 一意の IP マルチキャスト アドレスなしで SSM によって、インターネット ブロードキャスト
サービスを提供できるため、コンテンツ プロバイダーはサービスを簡単に提供できます(コ
ンテンツ プロバイダーにとって、IP マルチキャスト アドレス割り当てはこれまで深刻な問
題でした)。
• インターネット ブロードキャスト サービスは多数のレシーバに公開されることにより、DoS
攻撃の最も一般的な対象となるため、このような攻撃の阻止はインターネット ブロードキャ
スト サービスの重要な要素です。
• SSM はインストールや動作が簡単なため、特に、コンテンツを複数の独立した PIM ドメイ
ン間で転送する必要のある場合(SSM のために PIM ドメイン間で MSDP を管理する必要が
ないため)、ネットワーク オペレータにとって理想的です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
181
Source Specific Multicast の設定
IGMP v3lite ホスト シグナリング
IGMP v3lite ホスト シグナリング
IGMP v3lite は、SSM アプリケーションのプログラミングをすぐに開始できるように、アプリケー
ション開発者向けにシスコが開発した移行ソリューションです。 これによって、オペレーティン
グ システム カーネルで IGMPv3 をサポートしていないホストで SSM アプリケーションを記述し、
実行できます。
IGMP v3lite の場合、アプリケーションは Host Side IGMP Library(HSIL)でコンパイルする必要が
あります。 このソフトウェアは、SSM アプリケーションの記述に必要な IGMPv3 アプリケーショ
ン プログラミング インターフェイス(API)のサブセットをアプリケーションに提供します。
HSIL は Talarian によってシスコ用に開発され、次の Web ページで入手できます。
http://www.talarianmulticast.com/cgi-bin/igmpdownld
HSIL の一部は SSM アプリケーションにリンクされているクライアント ライブラリです。 これ
は、IGMPv3 API の SSM のサブセットを SSM アプリケーションに提供します。 可能な場合は、
オペレーティング システム カーネルが IGMPv3 をサポートしているかどうかをライブラリがチェッ
クします。 サポートしている場合、API コールはそのままカーネルに渡されます。 カーネルが
IGMPv3 をサポートしない場合、ライブラリは、IGMP v3lite メカニズムを使用します。
IGMP v3lite メカニズムを使用している場合、ライブラリはオペレーティング システム カーネル
にマルチキャストグループ全体に参加するように呼びかけます。これは、(オペレーティングシ
ステム カーネルが IGMPv1 または IGMPv2 のみをサポートしている場合)グループ全体に参加す
ることが、アプリケーションがそのマルチキャスト グループのトラフィックを受信する唯一の方
法であるためです。 また、ライブラリは IGMP v3lite サーバ プロセスに(S, G)チャネル加入を
伝えます。これは HSIL の一部でもあります。 複数の SSM アプリケーションが同じホスト上にあ
る場合があるため、サーバ プロセスが必要です。 このサーバ プロセスは、その後、IGMP v3lite
固有の(S, G)チャネル加入をラスト ホップ Cisco IOS ルータに送信します。これは、IGMP v3lite
用にイネーブルにする必要があります。 このルータは、オペレーティング システム カーネルか
ら IGMPv1 または IGMPv2 グループ メンバーシップ レポートを参照し、HSIL デーモンから(S,
G)チャネル加入も参照します。 ルータが両方のメッセージを参照すると、これらを SSM(S, G)
チャネル加入と解釈して、PIM-SSM によってチャネルに参加します。 お使いのアプリケーション
での IGMP v3lite の使用方法の詳細については、HSIL ソフトウェアに付属しているマニュアルを
参照することを推奨します。
IGMP v3lite は、HSIL から独立したルータの機能としてではなく、HSIL による API を通してのみ
シスコからサポートされます。 デフォルトでは、IGMP v3lite はディセーブルになっています。
IGMP v3lite がインターフェイス上で ip igmp v3lite インターフェイス コンフィギュレーション コ
マンドによって設定されている場合、SSM 範囲の IP マルチキャスト アドレスに対してのみアク
ティブになります。
URD ホスト シグナリング
URD はシスコが開発した移行ソリューションで、アプリケーションを変更したり、アプリケー
ションを実行しているレシーバ ホスト上のソフトウェアを変更または追加することなく、既存の
IP マルチキャスト レシーバ アプリケーションを SSM と共に使用できます。 URD は、Web ブラ
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
182
Source Specific Multicast の設定
URD ホスト シグナリング
ウザからレシーバ アプリケーションを開始したり制御できるコンテンツ プロバイダー ソリュー
ションです。
URD は、特殊な URL を Web ブラウザからラスト ホップ ルータに渡すことによって機能します。
この URL は、URD インターセプト URL と呼ばれます。 URD インターセプト URL は、(S, G)
チャネル加入で符号化され、ラストホップルータが簡単に代行受信できる形式になっています。
アプリケーションがマルチキャスト グループ G のメンバーシップを維持する限り、ラスト ホッ
プ ルータが URD インターセプト URL で符号化された (S, G) チャネル加入を代行受信し、レシー
バ アプリケーションから同じマルチキャスト グループの IGMP グループ メンバーシップ レポー
トを参照するとただちに、ラスト ホップ ルータが PIM-SSM を使用して (S, G) チャネルに参加し
ます。 URD インターセプト URL は、当初、参加のためにソースのアドレスをラスト ホップ ルー
タに提供するためにのみ必要です。
URD インターセプト URL の構文は、次のとおりです。
http://
webserver
:465/
path
?group=
group
&source=
source1
&...source=
sourceN
&
webserver ストリングは、URL がターゲットとする名前または IP アドレスです。 ラスト ホップ
ルータが URD メカニズムをサポートできないことを Web サーバが確認する場合以外は、このター
ゲットは既存の Web サーバの IP アドレスである必要はありません。 465 という番号は URD ポー
トを示します。 ポート 465 は、URD メカニズムのために IANA によってシスコ用に確保されてい
ます。このため、他のアプリケーションはこのポートを使用できません。
ホストのブラウザが URD インターセプト URL を検出すると、ポート 465 上で Web サーバへの
TCP 接続を開こうとします。 ルータがホストから TCP パケットを受信するインターフェイスで
URD 用にラスト ホップ ルータがイネーブルの場合、(Web サーバのアドレスとは関係のない)
TCP 接続の実際の宛先アドレスから独立したポート 465 への TCP 接続のすべてのパケットを代行
受信します。 代行受信すると、ラスト ホップ ルータはこの TCP 接続で HTTP の非常に単純なサ
ブセットを伝え、Web サーバをエミュレートします。 ラスト ホップ ルータが理解し、応答する
唯一の HTTP 要求は、次の GET 要求です。
GET
argument
HTTP/1.0
argument
= /
path
?group=
group
&source=
source1
&...source=
sourceN
&
GET コマンドを受信すると、ルータはこの構文に従って引数を解析し、1 つまたは複数の (S, G)
チャネル メンバーシップを取得しようとします。 引数の path ストリングは、最初の疑問符まで
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
183
Source Specific Multicast の設定
URD ホスト シグナリング
(最初の疑問符を含まない)で無視されます。 group と source1 から sourceN までのストリング
は、この引数が加入要求であるチャネルの IP アドレスまたは完全修飾ドメイン名です。 引数が表
示された構文に一致する場合、ルータは(source1、group)から(sourceN、group)チャネルに加
入する引数を解釈します。
次の条件が満たされると、ルータはチャネル加入を受け入れます。
• マルチキャスト グループの IP アドレスは SSM 範囲内です。
• TCP 接続の元となるホストの IP アドレスはルータに直接接続されます。
チャネル加入が受け入れられると、ルータは次の HTML ページ形式で TCP 接続に応答します。
HTTP/1.1 200 OK
Server:cisco IOS
Content-Type:text/html
<html>
<body>
Retrieved URL string successfully
</body>
</html>
エラー状態が発生すると、返信 HTML ページの <body> 部分が適切なエラー メッセージを表示し
ます。 HTML ページは URD メカニズムの副産物です。 URD インターセプト URL を表示する
Web ページの設計方法に応じて、この返信テキストはユーザに表示されるか、または、実際の返
信 HTML ページが表示されないようにサイズが決定されます。
URD メカニズムの主な影響は、ルータが受信したチャネル加入を記憶し、ホストによって受信さ
れた IGMP グループ メンバーシップ レポートと一致させます。 ルータは、IGMP グループ メン
バーシップ レポートと一致させずに、URD (S, G) チャネル加入を 3 分まで記憶します。 ルータ
は、マルチキャスト グループ G の IGMP グループ メンバーシップ レポートと、同じグループ G
の URD(S, G)チャネル加入の両方を受信したことを確認すると、すぐに PIM-SSM を介して(S,
G)チャネルに参加します。 ルータは、ホストからの継続中の IGMP メンバーシップの存在だけ
に基づいて(S, G)チャネルへの参加を続けます。 このため、当初の URD チャネル加入は、URD
で SSM をイネーブルにするために Web ページ経由で唯一追加される必要があります。
レシーバ ホストからのラスト ホップ ルータが URD に対してイネーブルでない場合、ポート 465
の Web サーバへの HTTP 接続は代行受信されません。 この状況により、Web サーバ上でポート
465 への TCP 接続が発生します。 Web サーバ上でさらにプロビジョニングが行われない場合、
URD インターセプト URL を表示するための Web ページのエリアに(この出力を表示するように
Web ページが設計されている場合)通知(「Connection refused」など)が表示される場合があり
ます。 ポート 465 で Web サーバに要求を「リッスン」させ、Web サーバがチャネル加入が失敗
したかどうかを知る(たとえば、後でより複雑なエラー説明をユーザに返信する)ことができる
Common Gateway Interface(CGI)スクリプトをインストールすることもできます。
ルータはテキストと HTML のコンテンツタイプを返すため、URD インターセプト URL を Web
ページに含める最善の方法は、フレームを使用する方法です。 フレームのサイズを定義すること
によって、表示されているページで URD インターセプト URL を非表示にすることもできます。
デフォルトでは、URD はすべてのインターフェイス上でディセーブルです。 URD がインターフェ
イス上で ip urd インターフェイス コンフィギュレーション コマンドによって設定されている場
合、SSM 範囲の IP マルチキャスト アドレスに対してのみアクティブになります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
184
Source Specific Multicast の設定
Source Specific Multicast の設定方法
Source Specific Multicast の設定方法
SSM の設定
SSM を設定するには、グローバル コンフィギュレーション モードを開始して次のコマンドを使
用します。
手順の概要
1. Router(config)# ip pim ssm [default | rangeaccess-list ]
2. Router(config)# interface type number
3. Router(config-if)# ip pim {sparse-mode | sparse-dense-mode}
4. 次のいずれかを実行します。
• Router(config-if)# ip igmp version 3
•
•
•
• Router(config-if)# ip igmp v3lite
手順の詳細
コマンドまたはアクション
目的
ステップ 1
Router(config)# ip pim ssm [default |
rangeaccess-list ]
IP マルチキャスト アドレスの SSM 範囲を定義します。
ステップ 2
Router(config)# interface type number
IGMPv3、IGMP v3lite、および URD をイネーブルにできるホ
ストに接続されているインターフェイスを選択します。
ステップ 3
Router(config-if)# ip pim {sparse-mode |
sparse-dense-mode}
インターフェイス上の PIM をイネーブルにします。 sparse
mode と sparse-dense mode のどちらかを使用する必要があり
ます。
ステップ 4
次のいずれかを実行します。
このインターフェイス上で IGMPv3 をイネーブルにします。
デフォルトでは、IGMP のバージョン 2 が設定されます。
• Router(config-if)# ip igmp version 3
•
•
•
• Router(config-if)# ip igmp v3lite
または
インターフェイスで IGMP v3lite メンバーシップ レポートの
受け入れと処理をイネーブルにします。
または
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
185
Source Specific Multicast の設定
SSM のモニタリング
コマンドまたはアクション
目的
例:
インターフェイスで確保された URD ポート 465 に送信され
た TCP パケットの代行受信と URD チャネル加入レポートの
処理をイネーブルにします。
例:
例:
例:
Router(config-if)#
ip urd
SSM のモニタリング
SSM をモニタするには、必要に応じて特権 EXEC モードで次のコマンドを使用します。
コマンド
Router#
show ip igmp groups detail
Router#
show ip mroute
目的
IGMPv3、IGMP v3lite、または URD で (S, G)
チャネル加入を表示します。
マルチキャスト グループが SSM サービスをサ
ポートしているかどうか、またはソース固有の
ホスト レポートが受信されたかどうかを表示し
ます。
Source Specific Multicast の設定例
IGMPv3 を使用した SSM の例
次の例は、SSM 用に(IGMPv3 を実行する)ルータを設定する方法を示しています。
ip multicast-routing
!
interface GigabitEthernet3/1/0
ip address 172.21.200.203 255.255.255.0
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
186
Source Specific Multicast の設定
IGMP v3lite と URD を使用した SSM の例
description backbone interface
ip pim sparse-mode
!
interface GigabitEthernet3/2/0
ip address 131.108.1.2 255.255.255.0
ip pim sparse-mode
description ethernet connected to hosts
ip igmp version 3
!
ip pim ssm default
IGMP v3lite と URD を使用した SSM の例
次の例は、SSM 用にホストに接続されたインターフェイス上で IGMP v3lite と URD を設定する方
法を示しています。 IGMP v3lite と URD の設定は、バックボーン インターフェイスでは必須でも
推奨事項でもありません。
interface gigabitethernet 3/1/1
ip address 172.21.200.203 255.255.255.0
ip pim sparse-dense-mode
description gigabitethernet connected to hosts
!
interface gigabitethernet 1/1/1
description gigabitethernet connected to hosts
ip address 131.108.1.2 255.255.255.0
ip pim sparse-dense-mode
ip urd
ip igmp v3lite
SSM フィルタリング例
次の例は、SSM ルーティングをサポートしないソフトウェア リリースを実行しているレガシー
RP ルータでフィルタリングを設定する方法を示しています。 このフィルタリングは SSM 範囲で
不要な PIM-SM および MSDP トラフィックをすべて抑制します。 このフィルタリングがなくても
SSM は動作しますが、レガシーのファースト ホップ ルータとラスト ホップ ルータがネットワー
クに存在する場合、追加の RPT トラフィックがある場合があります。
ip access-list extended no-ssm-range
deny
ip any 232.0.0.0 0.255.255.255 ! SSM range
permit ip any any
! Deny registering in SSM range
ip pim accept-register list no-ssm-range
ip access-list extended msdp-nono-list
deny
ip any 232.0.0.0 0.255.255.255 ! SSM Range
! .
! .
! .
! See ftp://ftpeng.cisco.com/ipmulticast/config-notes/msdp-sa-filter.txt for other SA
! messages that typically need to be filtered.
permit ip any any
! Filter generated SA messages in SSM range. This configuration is only needed if there
! are directly connected sources to this router. The “ip pim accept-register” command
! filters remote sources.
ip msdp redistribute list msdp-nono-list
! Filter received SA messages in SSM range. “Filtered on receipt” means messages are
! neither processed or forwarded. Needs to be configured for each MSDP peer.
ip msdp sa-filter in msdp-peer1 list msdp-nono-list
! .
! .
! .
ip msdp sa-filter in msdp-peerN list msdp-nono-list
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
187
Source Specific Multicast の設定
その他の関連資料
その他の関連資料
ここでは、Source Specific Multicast に関する関連資料について説明します。
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
PIM-SM と SSM の概念および設定例
「基本的な IP マルチキャスト設定」モジュー
ル
IP マルチキャスト コマンド:コマンド構文の 『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』
詳細、コマンド モード、デフォルト設定、コマ
ンド履歴、使用に関する注意事項、および例
標準
標準
タイトル
この機能でサポートされる新規の標準または変 -更された標準はありません。また、既存の標準
のサポートは変更されていません。
MIB
MIB
MIB のリンク
この機能がサポートする新しい MIB または変
更された MIB はありません。また、この機能
で変更された既存規格のサポートはありませ
ん。
選択したプラットフォーム、Cisco IOS XE リ
リース、およびフィーチャ セットの MIB を検
索してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
RFC
RFC
タイトル
この機能がサポートする新しい RFC または変 -更された RFC はありません。また、この機能
は既存の規格に対するサポートに影響を及ぼし
ません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
188
Source Specific Multicast の設定
Source Specific Multicast の機能情報
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポート Web サイトでは、シスコの http://www.cisco.com/en/US/support/index.html
製品やテクノロジーに関するトラブルシュー
ティングにお役立ていただけるように、マニュ
アルやツールをはじめとする豊富なオンライン
リソースを提供しています。
お使いの製品のセキュリティ情報や技術情報を
入手するために、Cisco Notification Service(Field
Notice からアクセス)、Cisco Technical Services
Newsletter、Really Simple Syndication(RSS)
フィードなどの各種サービスに加入できます。
シスコのサポート Web サイトのツールにアク
セスする際は、Cisco.com のユーザ ID およびパ
スワードが必要です。
Source Specific Multicast の機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
189
Source Specific Multicast の設定
Source Specific Multicast の機能情報
表 7:Source Specific Multicast の機能情報
機能名
リリース
Source Specific Multicast(SSM) 12.3(4)T
12.2(25)S
12.0(28)S
12.2(33)SXH
12.2(33)SRA
15.0(1)S
Cisco IOS XE Release 2.1
Cisco IOS XE Release 3.1.0SG
Cisco IOS XE Release 3.5S
機能情報
SSM は、レシーバが明示的に
参加したマルチキャスト ソー
スからのみデータグラム トラ
フィックがレシーバに転送され
る IP マルチキャストの拡張機
能です。 SSM 用に設定された
マルチキャスト グループは、
(共有ツリーではなく)ソース
固有のマルチキャスト配信ツ
リーのみが作成されます。
Cisco IOS XE Release 3.5S で
は、Cisco ASR 903 ルータのサ
ポートが追加されました。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
190
第
7
章
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトン
ネリング
このモジュールでは、非 IP マルチキャスト エリア間で IP マルチキャスト パケットをトンネリ
ングするための総称ルーティング カプセル化(GRE)トンネルの設定方法について説明します。
その利点は、IP マルチキャストをサポートしないエリアを経由して、IP マルチキャスト トラ
フィックをソースからマルチキャスト グループに送信できることです。
• 機能情報の確認, 191 ページ
• 非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの前提条件, 192 ページ
• 非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングについて, 192 ページ
• 非 IP マルチキャスト エリアの接続方法, 193 ページ
• 非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの設定例, 196 ページ
• その他の関連資料, 199 ページ
• 非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの機能情報, 200 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
191
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの前提条件
非 IP マルチキャストエリアを接続するトンネリングの前
提条件
このモジュールでは、「IP マルチキャスト テクノロジーの概要」モジュールの概念を理解してい
ることを前提としています。
非 IP マルチキャストエリアを接続するトンネリングにつ
いて
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの利点
• ソースとグループ メンバ(宛先)間のパスで IP マルチキャストがサポートされていない場
合、それらの間のトンネルで IP マルチキャスト パケットを転送できます。
• パケットごとのロード バランシングを使用できます。 IP マルチキャストのロード バランシ
ングは、通常 (S, G) ごとです。 したがって、X と Y がパラレル リンクである場合、(S1,
G)がリンク X を通過し、(S2, G)がリンク Y を通過します。 ルータ間にトンネルを作成
すると、ロード バランシングはトンネル ユニキャスト パケットで行われるため、ロード バ
ランシングをパケットごとにすることができます。
IP マルチキャスト スタティック ルート
IP マルチキャスト スタティック ルート(mroute)により、ユニキャスト パスを迂回するマルチ
キャスト パスを使用できます。 Protocol Independent Multicast(PIM)を使用する場合、ルータは
ユニキャスト パケットを発信元に返送するときと同じインターフェイスでパケットを受信するこ
とを想定しています。 この予測は、マルチキャスト トポロジとユニキャスト トポロジが一致す
る場合は有益です。しかし、ユニキャストパケットに使用するパスとは別のパスをマルチキャス
トに使用することも考えられます。
別々のユニキャストパスおよびマルチキャストパスを使用する最も一般的な理由はトンネリング
です。ソースと宛先の間のパスでマルチキャストルーティングがサポートされていない場合、解
決策はこれらの間に 2 つのルータと GRE トンネルを設定することです。 図では、各ユニキャス
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
192
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
非 IP マルチキャスト エリアの接続方法
ト ルータ(UR)は、ユニキャスト パケットだけをサポートし、各マルチキャスト ルータ(MR)
はマルチキャスト パケットをサポートします。
図 14:マルチキャスト パケット用のトンネル
図では、Source は MR 1 および MR 2 を使用してマルチキャスト パケットを Destination に伝送し
ます。 MR 2 は、トンネルを経由して Source に到達できることを確信している場合だけ、マルチ
キャスト パケットを受け取ります。 この状態では、Destination が Source にユニキャスト パケッ
トを送信すると、MR2 はトンネルを経由してユニキャスト パケットを送信します。 MR2 がトン
ネルを経由して Source に到達できることのチェックは、リバース パス転送(RPF)チェックで
す。マルチキャストパケットが到着するインターフェイスがソースへのユニキャストパスでない
場合、スタティック mroute によってこのチェックが成功します。 トンネル経由のパケット送信
は、本来の UR 2、UR 1、および MR 1 を経由した送信よりも遅くなることがあります。
スタティック マルチキャスト ルートでは、スタティック マルチキャスト ソースを設定して、図
の設定を使用することができます。 システムは、ユニキャスト ルーティング テーブルの代わり
に設定情報を使用してトラフィックをルーティングします。したがって、ユニキャストパケット
にトンネルを使用させることなく、マルチキャスト パケットがトンネルを使用できます。 スタ
ティック mroute は設定されたルータに対してローカルであり、その他のルータにアドバタイズま
たは再配布されることはありません。
非 IP マルチキャスト エリアの接続方法
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの設定
マルチキャスト パスをユニキャスト パスとは異なるものにする場合は、マルチキャスト スタ
ティック ルートを設定します。 たとえば、ソースと宛先間のユニキャスト パスでマルチキャス
ト ルーティングがサポートされていないために、2 台のルータ間にトンネルを設定する場合があ
ります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
193
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface tunnel number
4. ip unnumbered type number
5. ip pim sparse-mode
6. tunnel source {ip-address | type number}
7. tunnel destination {hostname | ip-address}
8. トンネルの送信元アドレスとトンネルの宛先アドレスを逆にして、トンネルの反対側のルータ
でステップ 1~7 を繰り返します。
9. end
10. ip mroute source-address mask tunnel number [distance]
11. ip mroute source-address mask tunnel number [distance]
12. end
13. show ip mroute [group-address | group-name] [source-address | source-name] [interface-type
interface-number] [summary] [count] [active kbps]
14. show ip rpf {source-address | source-name} [metric]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始しま
す。
例:
Router# configure terminal
ステップ 3
interface tunnel number
トンネル インターフェイスを設定します。
例:
Router(config)# interface tunnel 0
ステップ 4
ip unnumbered type number
インターフェイスに IP アドレスを割り当てないで、IP
処理をイネーブルにします。
例:
Router(config-if)# ip unnumbered
gigabitethernet 0/0/0
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
194
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの設定
ステップ 5
コマンドまたはアクション
目的
ip pim sparse-mode
トンネル インターフェイスで PIM スパース モードをイ
ネーブルにします。
例:
Router(config-if)# ip pim sparse-mode
ステップ 6
tunnel source {ip-address | type number}
トンネル送信元を設定します。
例:
Router(config-if)# tunnel source
100.1.1.1
ステップ 7
tunnel destination {hostname | ip-address}
トンネル宛先を設定します。
例:
Router(config-if)# tunnel destination
100.1.5.3
ステップ 8
トンネルの送信元アドレスとトンネルの宛 ルータ A のトンネルの送信元アドレスは、ルータ B の
先アドレスを逆にして、トンネルの反対側 トンネルの宛先アドレスに一致します。 ルータ A のト
のルータでステップ1~7を繰り返します。 ンネルの宛先アドレスは、ルータ B のトンネルの送信元
アドレスに一致します。
ステップ 9
end
現在のコンフィギュレーション セッションを終了して、
特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Router(config-if)# end
ステップ 10
ip mroute source-address mask tunnel
number [distance]
トンネルの反対側にリバース パス転送するために、スタ
ティック マルチキャスト ルートを設定します。
• トンネルの使用によって、マルチキャスト トポロ
例:
Router(config)# ip mroute 0.0.0.0
0.0.0.0 tunnel 0
ジがユニキャスト トポロジと一致しなくなり、マ
ルチキャスト トラフィックだけがトンネルを通過
できるため、トンネルを正しくリバース パス転送
するようにルータを設定する必要があります。
• 送信元範囲が指定されている場合、mroute はこれら
の送信元にだけ適用されます。
• この例では、source-address および mask は 0.0.0.0、
0.0.0.0 であり、これは任意のアドレスを意味しま
す。
• より短い距離が優先されます。
• デフォルトの距離は、0 です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
195
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの設定例
ステップ 11
コマンドまたはアクション
目的
ip mroute source-address mask tunnel
number [distance]
アクセス ルータからトンネルの反対側にリバース パス
転送するために、スタティック ルートを設定します。
例:
Router(config)# ip mroute 0.0.0.0
0.0.0.0 tunnel 0
ステップ 12
end
(任意)現在のコンフィギュレーション セッションを終
了して、特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Router(config)# end
ステップ 13
show ip mroute [group-address | group-name] (任意)IP マルチキャスト ルーティング(mroute)テー
[source-address | source-name] [interface-type ブルの内容を表示します。
interface-number] [summary] [count] [active
kbps]
例:
Router# show ip mroute
ステップ 14
show ip rpf {source-address | source-name}
[metric]
(任意)IP マルチキャスト ルーティングが RPF を行う
方法を表示します。
例:
Router# show ip rpf 10.2.3.4
非 IP マルチキャストエリアを接続するトンネリングの設
定例
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの例
次の例は、次のオンラインでも表示されます。
http://www.cisco.com/en/US/tech/tk828/tk363/technologies_configuration_example09186a00801a5aa2.shtml
下の図では、マルチキャスト ソース(10.1.1.1)は R102 に接続され、マルチキャスト グループ
239.1.1.20 に対して設定されています。 マルチキャスト レシーバ(10.2.2.3)は R104 に接続され、
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
196
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの例
グループ 239.1.1.20 のマルチキャスト パケットを受信するように設定されています。 R102 と R104
は、マルチキャスト ルーティング用に設定されていない IP クラウドで分離されています。
図 15:非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネル
ループバック インターフェイスによって、R102 と R104 の間にトンネルが設定されています。 ト
ンネル インターフェイス上で ip pim sparse-dense-mode コマンドが設定されており、R102 と R104
でマルチキャスト ルーティングがイネーブルになっています。 トンネル インターフェイスの
sparse-dense-mode 設定により、スパース モード パケットまたはデンス モード パケットをグルー
プのランデブー ポイント(RP)設定に応じて、トンネルを経由して転送できます。
(注)
デンス モードの場合:トンネルに PIM デンス モードを設定し、R104 で ip mroute 10.1.1.0
255.255.255.0 tunnel 0 コマンドを設定すると、マルチキャスト ソース アドレス 10.1.1.1 の RPF
の正常終了が確実になります。 Tunnel0(Tu0)を経由した着信(10.1.1.1、239.1.1.20)マルチ
キャスト パケットは、この mroute ステートメントを使用して、リバース パス転送(RPF)が
チェックされます。 チェックが正常終了すると、発信インターフェイス リスト(OIL)イン
ターフェイスにマルチキャスト パケットが転送されます。
(注)
スパース モードの場合:トンネルに PIM スパース モードを設定し、次の点に確実に対処しま
す。
• RP からの共有ツリー(*,G)上のマルチキャスト トラフィックに対する RPF 確認の正常終了
には、トンネル インターフェイスに接続する RP アドレスに対して ip mroute rp-address
nexthop コマンドの設定が必要です。
この例では、R102 が RP(RP アドレス 2.2.2.2)であることが前提となっており、mroute には、ip
mroute 2.2.2.2 255.255.255.255 tunnel 0 コマンドが設定されています。これによって、共有ツリー
上のトラフィックに対して RPF チェックの正常終了が確実になります。
• 最短パス ツリー(SPT)上のマルチキャスト(S, G)トラフィックに対する RPF 確認の正常
終了には、トンネル インターフェイスに接続するマルチキャスト ソースに対して ip mroute
source-address nexthop コマンドの設定が必要です。
この例では、SPT トラフィックがトンネル インターフェイスを経由する場合、R104 に ip mroute
10.1.1.0 255.255.255.0 tunnel 0 コマンドが設定されます。これによって、Tunnel 0 インターフェイ
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
197
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの例
スを経由する着信(10.1.1.1, 239.1.1.20)マルチキャスト パケットに対する RPF 確認の正常終了が
確実になります。
R102#
version 12.2
hostname r102
ip subnet-zero
no ip domain-lookup
!--- It stops IP domain lookup, which improves the show command response time.
!
ip multicast-routing
!--- Enables IP multicast routing.
!
interface Loopback0
ip address 2.2.2.2 255.255.255.255
!--- Tunnel Source interface.
!
interface Tunnel0
!--- Tunnel interface configured for PIM and carrying multicast packets to R104.
ip address 192.168.24.1 255.255.255.252
ip pim sparse-dense-mode
tunnel source Loopback0
tunnel destination 4.4.4.4
!
interface Ethernet0/0
!--- Interface connected to Source.
ip address 10.1.1.2 255.255.255.0
ip pim sparse-dense-mode
!
interface Serial8/0
ip address 192.168.23.1 255.255.255.252
!--- Note IP PIM sparse-dense mode is not configured on Serial interface.
!
router ospf 1
log-adjacency-changes
network 2.2.2.2 0.0.0.0 area 0
network 10.1.1.0 0.0.0.255 area 0
network 192.168.23.0 0.0.0.255 area 0
!
ip classless
ip pim bidir-enable
!
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
end
R104#
version 12.2
!
hostname r104
!
ip subnet-zero
no ip domain-lookup
!--- It stops IP domain lookup, which improves the show command response time.
!
ip multicast-routing
!--- Enables IP multicast routing.
!
interface Loopback0
ip address 4.4.4.4 255.255.255.255
!--- Tunnel Source interface.
!
interface Tunnel0
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
198
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
その他の関連資料
ip address 192.168.24.2 255.255.255.252
!--- Tunnel interface configured for PIM and carrying multicast packets.
ip pim sparse-dense-mode
tunnel source Loopback0
tunnel destination 2.2.2.2
!
interface Ethernet0/0
ip address 10.2.2.2 255.255.255.0
ip pim sparse-dense-mode
!
interface Serial9/0
ip address 192.168.34.1 255.255.255.252
!--- Note IP PIM sparse-dense mode is not configured on Serial interface.
!
!
router ospf 1
log-adjacency-changes
network 4.4.4.4 0.0.0.0 area 0
network 10.2.2.0 0.0.0.255 area 0
network 192.168.34.0 0.0.0.255 area 0
!
ip classless
no ip http server
ip pim bidir-enable
ip mroute 10.1.1.0 255.255.255.0 Tunnel0
!--- This Mroute ensures a successful RPF check for packets flowing from the source.
!--- 10.1.1.1 over Shared tree in case of Dense more and SPT in case of Sparse mode.
!
ip mroute 2.2.2.2 255.255.255.255 tunnel 0
!--- This Mroute is required for RPF check when Sparse mode multicast traffic is
!--- flowing from RP (assuming R102 with 2.2.2.2 as RP) towards receiver via tunnel
!--- before the SPT switchover.
line con 0
line aux 0
line vty 0 4
login
!
end
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IP マルチキャスト コマンド:コマンド構文の 『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』
詳細、コマンド モード、コマンド履歴、デフォ
ルト設定、使用に関する注意事項、および例
標準
標準
タイトル
なし
--
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
199
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの機能情報
MIB
MIB
MIB のリンク
この機能がサポートする新しい MIB または変
更された MIB はありません。また、この機能
で変更された既存規格のサポートはありませ
ん。
選択したプラットフォーム、Cisco IOS XE リ
リース、およびフィーチャ セットの MIB を検
索してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
RFC
RFC
タイトル
なし
--
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポート Web サイトでは、シスコの http://www.cisco.com/en/US/support/index.html
製品やテクノロジーに関するトラブルシュー
ティングにお役立ていただけるように、マニュ
アルやツールをはじめとする豊富なオンライン
リソースを提供しています。
お使いの製品のセキュリティ情報や技術情報を
入手するために、Cisco Notification Service(Field
Notice からアクセス)、Cisco Technical Services
Newsletter、Really Simple Syndication(RSS)
フィードなどの各種サービスに加入できます。
シスコのサポート Web サイトのツールにアク
セスする際は、Cisco.com のユーザ ID およびパ
スワードが必要です。
非 IP マルチキャストエリアを接続するトンネリングの機
能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
200
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの機能情報
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 8:非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの機能情報\
機能名
リリース
Cisco IOS XE Release 2.1 以降で -導入または修正された機能がな
いため、この表は意図的に空白
にしてあります。 この表は、
このモジュールに機能情報が追
加されると更新されます。
機能の設定情報
--
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
201
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリング
非 IP マルチキャスト エリアを接続するトンネリングの機能情報
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
202
第
8
章
マルチキャスト(PIM)の BFD サポート
このモジュールには、IPv4 および IPv6 ネットワークの Protocol Independent Multicast(PIM)イン
ターフェイスで双方向フォワーディング検出(BFD)の検出プロトコルをイネーブルにするため
の情報が含まれています。 PIM BFD をイネーブルにすると、PIM で BFD の迅速な隣接システム
障害検出を使用し、独自の検出メカニズムの低速なクエリー間隔を回避できます。
• マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの制限事項, 203 ページ
• マルチキャスト(PIM)の BFD サポートに関する情報, 203 ページ
• マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの設定方法, 204 ページ
• マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの設定例, 206 ページ
• マルチキャスト(PIM)の BFD サポートのその他の関連資料, 206 ページ
• マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの機能情報, 207 ページ
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの制限事項
• この機能は、Multicast VPN(MVPN)ではサポートされません。
• この機能は、PIM と BFD の両方がサポートされるインターフェイス上でのみサポートされま
す。
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートに関する情報
PIM BFD
双方向フォワーディング検出(BFD)は、すべてのメディア タイプ、カプセル化、トポロジ、お
よびルーティング プロトコルのために短時間での転送パス障害検出を提供するために設計された
検出プロトコルで、上位層のプロトコルに依存しません。 高速転送パス障害検出に加えて、BFD
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
203
マルチキャスト(PIM)の BFD サポート
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの設定方法
はネットワーク管理者に整合性のある障害検出方法を提供します。 ネットワーク管理者は BFD を
使用することで、さまざまなルーティング プロトコルの HELLO メカニズムにより、変動速度で
はなく一定速度で転送パス障害を検出できるため、ネットワーク プロファイリングおよびプラン
ニングが容易になります。また、再収束時間の整合性が保たれ、予測可能になります。
Protocol Independent Multicast(PIM)では、新しいネイバーを検出するため、および隣接ノード間
のエラーを検出するために hello メカニズムが使用されます。 PIM の最小障害検出時間は、PIM
クエリー間隔の 3 倍です。 迅速な障害検出を有効にするには、インターフェイスで PIM Hello メッ
セージが送信されるレートを設定できます。 ただし、間隔が短いとプロトコルの負荷が増大し、
CPU およびメモリ使用率が増加して、システム全体のパフォーマンスに悪影響を及ぼす可能性が
あります。 また、間隔が短いと、ネイバーから受信した hello メッセージの処理前にネイバーの
期限切れが発生することがあるため、PIM ネイバーが頻繁に期限切れになる可能性もあります。
マルチキャスト(PIM)の BFD サポート機能は PIM BFD とも呼ばれ、PIM は BFD のクライアン
トとして登録されます。 PIM は BFD を使用して隣接する PIM のノードとのセッションを開始し、
プロトコル層で BFD の高速な隣接障害検出をサポートできます。 PIM は PIM と IPv6 PIM の両方
に一度だけに登録されます。
(BFD クライアントとしての)PIM 要求で、BFD は、活性を維持し、隣接ノードへの転送パス障
害を検出するために、隣接ノードとのセッションを確立し、維持します。 PIM hello は、BFD が
ネイバーとの BFD セッションを確立し、維持した後も、ネイバー間で引き続き交換されます。
PIM hello メカニズムの動作は、この機能の導入によって変更されません。
PIM は内部ゲートウェイ プロトコル(IGP)に依存し、BFD は IGP でサポートされていますが、
PIM BFD は IGP の BFD に依存しません。
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの設定方法
インターフェイスでの BFD PIM のイネーブル化
はじめる前に
• IPv4 ネットワークでは、IP マルチキャストをイネーブルにし、Protocol Independent Multicast
(PIM)をインターフェイス上で設定する必要があります。 詳細については、『IP Multicast:
PIM コンフィギュレーション ガイド』の「IPv4 ネットワークでの基本的な IP マルチキャス
ト設定」モジュールを参照してください。
• IPv6 ネットワークでは、IPv6 マルチキャストをイネーブルにし、Protocol Independent Multicast
(PIM)をインターフェイス上で設定する必要があります。 詳細については、『IP Multicast:
PIM コンフィギュレーション ガイド』を参照してください。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
204
マルチキャスト(PIM)の BFD サポート
インターフェイスでの BFD PIM のイネーブル化
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interfacetype number
4. bfd interval milliseconds min_rx milliseconds multiplier interval-multiplier
5. 次のいずれかを使用します。
• ip pim bfd
• ipv6 pim bfd
6. BFD PIM をイネーブルにする各インターフェイスに対して上記のステップを繰り返します。
7. end
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
合)。
グローバル コンフィギュレーション モードを
開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
interfacetype number
例:
指定したインターフェイスに対してインター
フェイス コンフィギュレーション モードを開
始します。
Device(config)# interface fastethernet 1/6
ステップ 4
bfd interval milliseconds min_rx milliseconds
multiplier interval-multiplier
インターフェイスで BFD をイネーブルにしま
す。
例:
Device(config-if)# bfd interval 500 min_rx 500
multiplier 5
ステップ 5
次のいずれかを使用します。
• ip pim bfd
インターフェイス上で PIM BFD をイネーブル
にします。
• ipv6 pim bfd
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
205
マルチキャスト(PIM)の BFD サポート
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの設定例
コマンドまたはアクション
目的
例:
Device(config-if)# ip pim bfd
Device(config-if)# ipv6 pim bfd
ステップ 6
BFD PIM をイネーブルにする各インターフェイス
に対して上記のステップを繰り返します。
ステップ 7
end
特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config-if)# end
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの設定例
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートのその他の関連
資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Command
List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
双方向フォワーディング検出(BFD)検出プロトコル
『IP Routing BFD Configuration
Guide』
IPv4 ネットワークの Protocol Independent Multicast(PIM)
『IP Multicast:PIM コンフィ
ギュレーション ガイド』の
「IPv4 ネットワークでの基本的
な IP マルチキャスト設定」モ
ジュール
IPv6 ネットワークの PIM
『IP Multicast:PIM コンフィ
ギュレーション ガイド』
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
206
マルチキャスト(PIM)の BFD サポート
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの機能情報
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 9:マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの機能情報
機能名
リリース
マルチキャスト(PIM)の BFD 15.3(2)S
サポート
Cisco IOS XE Release 3.9S
機能情報
この機能を使用すると、マルチ
キャスト PIM で BFD の迅速な
隣接システム障害検出を使用
し、独自の検出メカニズムの低
速なクエリー間隔を回避できま
す。
次のコマンドが導入または変更
されました。ip pim bfd、ipv6
pim bfd、show ip pim、show
ipv6 pim interface。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
207
マルチキャスト(PIM)の BFD サポート
マルチキャスト(PIM)の BFD サポートの機能情報
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
208
第
9
章
HSRP Aware PIM
このモジュールでは、ホットスタンバイ ルータ プロトコル(HSRP)アクティブ ルータ(AR)
経由でマルチキャスト トラフィックを転送するための HSRP Aware PIM を設定し、Protocol
Independent Multicast(PIM)で HSRP 冗長性を活用して潜在的な重複トラフィックを回避し、
フェールオーバーをイネーブルにする方法を説明します。
• 機能情報の確認, 209 ページ
• HSRP Aware PIM の制約事項, 210 ページ
• HSRP Aware PIM について, 210 ページ
• HSRP Aware PIM の設定方法, 212 ページ
• HSRP Aware PIM の設定例, 215 ページ
• HSRP Aware PIM の追加情報, 216 ページ
• HSRP Aware PIM に関する機能情報, 217 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
209
HSRP Aware PIM
HSRP Aware PIM の制約事項
HSRP Aware PIM の制約事項
• HSRP IPv6 はサポートされていません。
• ステートフル フェールオーバーはサポートされていません。 PIM ステートレス フェールオー
バー中は、HSRP グループの仮想 IP アドレスがスタンバイ ルータへ転送されますが、mrouting
ステート情報は転送されません。 PIM は、状態変更イベントをリッスンして応答し、フェー
ルオーバーの際に mroute ステートを作成します。
• 各インターフェイスの PIM によって追跡できる HSRP グループの最大数は 16 です。
• PIM DR の冗長性のプライオリティは、同じ HSRP グループがイネーブルになっているデバ
イス上の PIM DR プライオリティの設定済みまたはデフォルトの値(1)より大きくする必要
があります。そうしないと、HSRP アクティブは DR 選択に失敗します。
HSRP Aware PIM について
HSRP
ホットスタンバイ ルータ プロトコル(HSRP)は、フォールトトレラント デフォルト ゲートウェ
イを確立するためのシスコ独自の冗長プロトコルです。
プロトコルは、プライマリ ゲートウェイがアクセス不能になると、デフォルト ゲートウェイの
フェールオーバーを実施するためにネットワーク デバイス間のフレームワークを確立します。 IP
アドレスと MAC(レイヤ 2)アドレスを共有することによって、2 台以上のルータが 1 つの仮想
ルータとして動作できます。 仮想ルータ グループのメンバは、継続的にステータス メッセージ
を交換し、1 台のデバイスは、別のデバイスが計画的または計画外の理由から動作しなくなった
場合、ルーティング引き継ぐことができます。 ホストは同じ IP および MAC アドレスに IP パケッ
トを転送し続け、ルーティングを行うデバイスの切り替えは透過的です。
HSRP は、ホストがルータ ディスカバリ プロトコルをサポートしておらず、選択されたデバイス
のリロードや電源故障時に新しいデバイスに切り替えることができない場合に有効です。 また、
既存の TCP セッションはフェールオーバーが発生しても存続するため、このプロトコルでは IP
トラフィックをルーティングするためにネクスト ホップを動的に選択するホストの回復をさらに
透過的に実行できます。
HSRP をネットワーク セグメントに設定すると、HSRP が動作するデバイスのグループで仮想 MAC
アドレスと IP アドレスを共有できるようになります。 この HSRP ルータ グループのアドレスが
仮想 IP アドレスと呼ばれます。 このようなデバイスの 1 つが、アクティブ ルータ(AR)として
プロトコルによって選択されます。 AR は、グループの MAC アドレス宛てのパケットを受信して
ルーティングします。
HSRP では、プライオリティ メカニズムを使用して、デフォルトの AR にする HSRP 設定済みデ
バイスを決定します。 デバイスを AR として設定するには、他のすべての HSRP 設定済みデバイ
スのプライオリティよりも高いプライオリティをそのルータに割り当てます。 デフォルトのプラ
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
210
HSRP Aware PIM
HSRP Aware PIM
イオリティは 100 です。したがって、100 よりも高いプライオリティを持つデバイスを 1 つだけ
設定した場合、そのデバイスがデフォルトの AR になります。
HSRP を実行しているデバイスは、ユーザ データグラム プロトコル(UDP)ベースのマルチキャ
スト helloメッセージを送信および受信して、デバイスの障害を検出したり、アクティブおよびス
タンバイ デバイスを割り当てたりします。 AR が設定された時間内に hello メッセージを送信でき
なかった場合は、最高のプライオリティのスタンバイ デバイスが AR になります。 このようにパ
ケット転送機能が別のデバイスに移行しても、ネットワークのいずれのホストにもまったく影響
はありません。
複数のホット スタンバイ グループをインターフェイスに設定できるので、冗長デバイスおよび
ロード シェアリングを余すところなく活用できるようになっています。
HSRP は、IP ルートをアドバタイズせず、ルーティング テーブルに影響を与えないため、ルーティ
ング プロトコルではありません。
HSRP は、デバイス上の 1 つ以上のインターフェイスに障害が発生した場合にフェールオーバー
をトリガーすることができます。 これは、それぞれがヘッド エンドへの単一のシリアル リンク
を備えたデュアル ブランチ デバイスに役立つことがあります。 プライマリ デバイスのシリアル
リンクがダウンすると、バックアップデバイスはプライマリ機能を引き継ぎ、ヘッドエンドへの
接続を維持します。
HSRP Aware PIM
Protocol Independent Multicast(PIM)には固有の冗長性機能がなく、その動作は、ホットスタンバ
イ ルータ プロトコル(HSRP)グループの状態から完全に独立しています。 その結果、IP マルチ
キャスト トラフィックは、必ずしも HSRP によって選択されたデバイスと同じデバイスによって
転送されるわけではありません。 HSRP Aware PIM 機能は、仮想ルーティング グループがイネー
ブルの冗長ネットワークで一貫した IP マルチキャスト転送を提供します。
HSRP Aware PIM により、HSRP アクティブ ルータ(AR)を通じてマルチキャスト トラフィック
を転送し、PIM で HSRP 冗長性を活用し、潜在的な重複トラフィックを回避し、デバイスの HSRP
ステートに応じてフェールオーバーをイネーブルにすることができます。 PIM 指定ルータ(DR)
は、HSRP AR と同じゲートウェイ上で実行され、mroute ステートを維持します。
マルチアクセス セグメント(LAN など)では、PIM DR 選択で冗長構成が認識されず、選択され
た DR と HSRP AR が同じルータでない場合があります。 PIM DR が RP または FHR へ PIM Join/Prune
メッセージを常に転送できるようにするため、HSRP AR が PIM DR になります(HSRP グループ
が 1 つだけの場合)。 PIM により、グループの状態に基づいて DR プライオリティが調整されま
す。 フェールオーバーが発生すると、HSRP グループで選択された新しい AR にマルチキャスト
ステートが作成され、AR は HSRP 仮想 IP アドレス宛てのすべてのトラフィックのルーティング
と転送を行います。
HSRP Aware PIM がイネーブルの場合、デバイスが HSRP アクティブになると、PIM は各アクティ
ブ HSRP グループのソース アドレスとして HSRP 仮想 IP アドレスを使用して、追加の PIM Hello
メッセージを送信します。 PIM Hello は、他のルータによるフェールオーバーへの応答をトリガー
するために新しい GenID を送信します。 ダウンストリーム デバイスは、この PIM Hello を受信す
ると、PIM ネイバー リストに仮想アドレスを追加します。 PIM Hello で送信される新しい GenID
は、ダウンストリーム ルータによる仮想アドレスへの PIM Join メッセージの再送信をトリガーし
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
211
HSRP Aware PIM
HSRP Aware PIM の設定方法
ます。 アップストリーム ルータは、HSRP グループの状態に基づいて PIM Join/Prune を処理しま
す(J/P)。
J/P 宛先が HSRP グループの仮想アドレスに一致し、宛先デバイスが HSRP アクティブ状態の場
合、新しい AR が動作中の PIM DR であるため、PIM Join を処理します。 これにより、すべての
PIM Join/Prune が HSRP グループの仮想アドレスに到達することができ、ダウンストリーム ルー
タ側での変更および設定が最小限に抑えられます。
IP ルーティング サービスは既存の仮想ルーティング プロトコルを使用して、PIM などのクライア
ント アプリケーションに基本的なステートレス フェールオーバー サービスを提供します。 ロー
カル HSRP グループの状態およびスタンバイ ルータ役割の変更は、関与するクライアント アプリ
ケーションに伝達されます。クライアントアプリケーションは、ステートフルまたはステートレ
ス フェールオーバーを提供するために IRS 上に構築されることがあります。 PIM は HSRP クライ
アントとして HSRP から状態変更通知をリッスンし、HSRP ステートに基づいて PIM DR のプライ
オリティを自動的に調整します。 PIM クライアントは、新しい AR に mroute ステートを作成する
ために、フェールオーバーの際にアップストリームデバイスとダウンストリームデバイス間の通
信もトリガーします。
HSRP Aware PIM の設定方法
インターフェイスでの HSRP グループの設定
はじめる前に
• IP マルチキャストがすでにデバイスで設定されている必要があります。
• PIM がすでにインターフェイスで設定されている必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number [name-tag]
4. ip address ip-address mask
5. standby [group-number] ip [ip-address [secondary]]
6. standby [group-number] timers [msec] hellotime [msec] holdtime
7. standby [group-number] priority priority
8. standby [group-number] name group-name
9. end
10. show standby [type number [group]] [all | brief]
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
212
HSRP Aware PIM
インターフェイスでの HSRP グループの設定
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始しま
す。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
interface type number [name-tag]
設定するインターフェイスを指定します。インターフェ
イス コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device(config)# interface ethernet 0/0
ステップ 4
ip address ip-address mask
インターフェイスに対するプライマリ IP アドレスまた
はセカンダリ IP アドレスを設定します。
例:
Device(config-if)# ip address 10.0.0.2
255.255.255.0
ステップ 5
standby [group-number] ip [ip-address
[secondary]]
HSRP をアクティブにし、HSRP グループを定義しま
す。
例:
Device(config-if)# standby 1 ip
192.0.2.99
ステップ 6
standby [group-number] timers [msec]
hellotime [msec] holdtime
(任意)hello パケット間の時間と、他のデバイスに
よって HSRP アクティブ ルータまたはスタンバイ ルー
タの停止が宣言されるまでの時間を設定します。
例:
Device(config-if)# standby 1 timers 5 15
ステップ 7
standby [group-number] priority priority
例:
(任意)HSRP アクティブ ルータとスタンバイ ルータ
を選択するために使用される HSRP プライオリティを
割り当てます。
Device(config-if)# standby 1 priority
120
ステップ 8
standby [group-number] name group-name
例:
Device(config-if)# standby 1 name HSRP1
(任意)HSRP グループの名前を定義します。
(注)
HSRP Aware PIM で使用するように HSRP グ
ループを設定する場合は、常に standby ip
nameコマンドを設定することを推奨します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
213
HSRP Aware PIM
PIM の冗長性の設定
ステップ 9
コマンドまたはアクション
目的
end
特権 EXEC モードに戻ります。
例:
Device(config-if)# end
ステップ 10
show standby [type number [group]] [all | brief] 設定を確認するために HSRP グループ情報を表示しま
す。
例:
Device# show standby
PIM の冗長性の設定
はじめる前に
HSRP グループがすでにインターフェイスで設定されている必要があります。 「インターフェイ
スでの HSRP グループの設定」を参照してください。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number [name-tag]
4. ip address ip-address mask
5. ip pim redundancy group dr-priority priority
6. end
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
214
HSRP Aware PIM
HSRP Aware PIM の設定例
ステップ 3
コマンドまたはアクション
目的
interface type number [name-tag]
設定するインターフェイスを指定します。インターフェイス
コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device(config)# interface ethernet
0/0
ステップ 4
ip address ip-address mask
インターフェイスに対するプライマリ IP アドレスまたはセカ
ンダリ IP アドレスを設定します。
例:
Device(config-if)# ip address
10.0.0.2 255.255.255.0
ステップ 5
ip pim redundancy group dr-priority
priority
PIM 冗長性をイネーブルにし、アクティブな PIM 指定ルータ
(DR)に冗長性のプライオリティ値を割り当てます。
• HSRP グループ名では大文字と小文字が区別されるため、
例:
Device(config-if)# ip pim
redundancy HSRP1 dr-priority 60
group 引数の値は standby ip name コマンドを使用して設
定されたグループ名と一致している必要があります。
• PIM DR の冗長性のプライオリティは、同じ HSRP グルー
プがイネーブルになっているデバイス上の PIM DR プラ
イオリティの設定済みの値またはデフォルト値(1)より
大きくする必要があります。
ステップ 6
特権 EXEC モードに戻ります。
end
例:
Device(config-if)# end
HSRP Aware PIM の設定例
例:HSRP Aware PIM
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
215
HSRP Aware PIM
HSRP Aware PIM の追加情報
HSRP Aware PIM の追加情報
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
HSRP コマンド
『First Hop Redundancy Protocol
Command Reference』
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
RFC 2281
『Cisco Hot Standby Router Protocol (HSRP)』
MIB
MIB
MIB のリンク
この機能によってサポートされる新しい MIB
または変更された MIB はありません。またこ
の機能による既存 MIB のサポートに変更はあ
りません。
選択したプラットフォーム、Cisco ソフトウェ
ア リリース、およびフィーチャ セットの MIB
を検索してダウンロードする場合は、次の URL
にある Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
216
HSRP Aware PIM
HSRP Aware PIM に関する機能情報
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
HSRP Aware PIM に関する機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
217
HSRP Aware PIM
HSRP Aware PIM に関する機能情報
表 10:HSRP Aware PIM に関する機能情報
機能名
リリース
機能情報
HSRP Aware PIM
15.2(4)S
HSRP Aware PIM 機能は、マル
チキャストトラフィックをホッ
トスタンバイ ルータ プロトコ
ル(HSRP)アクティブ ルータ
経由で転送できるようにするこ
とによって、仮想ルーティング
グループを含む冗長ネットワー
クで一貫した IP マルチキャス
ト転送を提供します。これによ
り、PIM では、HSRP 冗長性を
活用し、潜在的な重複トラ
フィックを回避し、デバイスの
HSRP ステートに応じてフェー
ルオーバーをイネーブルにする
ことができます。
Cisco IOS XE Release 3.7S
15.3(1)T
15.3(1)SY1
ip pim redundancy コマンドが
導入または変更されました。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
218
第
10
章
IP マルチキャスト オペレーションの確認
このモジュールでは、Protocol Independent Multicast(PIM)スパース モード(PIM-SM)または
Source Specific Multicast(PIM-SSM)の実装後に、ネットワークで IP マルチキャスト オペレー
ションを確認する方法を説明します。 このモジュールの作業では、IP マルチキャストの到達可
能性をテストし、IP マルチキャスト ネットワークでレシーバとソースが想定どおりに動作して
いることを確認できます。
• 機能情報の確認, 219 ページ
• IP マルチキャスト オペレーションの確認の前提条件, 220 ページ
• IP マルチキャスト オペレーションの確認における制限, 220 ページ
• IP マルチキャスト オペレーションに関する情報, 220 ページ
• IP マルチキャスト オペレーションを確認する方法, 224 ページ
• IP マルチキャスト オペレーションの設定例, 234 ページ
• その他の関連資料, 238 ページ
• IP マルチキャスト オペレーションに関する機能情報, 240 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
219
IP マルチキャスト オペレーションの確認
IP マルチキャスト オペレーションの確認の前提条件
IP マルチキャスト オペレーションの確認の前提条件
• このモジュールの作業を実行する前に、「IP マルチキャスト テクノロジーの概要」モジュー
ルで説明している概念をよく理解しておく必要があります。
• このモジュールの作業は、IP マルチキャストがイネーブルに設定され、PIM-SM または SSM
が「基本的な IP マルチキャスト設定」モジュールで説明されている関連タスクを使用して設
定されていることを前提としています。
IP マルチキャスト オペレーションの確認における制限
• PIM-SM については、このモジュールでは、PIM 対応ルータで最短パス ツリー(SPT)しき
い値が値ゼロ(デフォルト)に設定され、無限大ではないことが前提となります。 SPT しき
い値の詳細については、『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』の ip pim spt-threshold
コマンド ページを参照してください。
• 双方向 PIM(Bidir-PIM)ネットワーク、または有限あるいは無限の SPT しきい値が使用され
ている PIM-SM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認は、このモジュー
ルの範囲外です。
IP マルチキャスト オペレーションに関する情報
PIM-SM ネットワーク環境および PIM-SSM ネットワーク環境での IP マ
ルチキャスト オペレーションの確認に関するガイドライン
PIM-SM ネットワーク環境または PIM-SSM ネットワーク環境で IP マルチキャストのオペレーショ
ンを確認するときに、効果的なアプローチは、ラスト ホップ ルータで確認プロセスを開始し、
ファースト ホップ ルータに到達するまで、SPT が使用されているルータ上で確認プロセスを続行
することです。 この確認の目的は、IP マルチキャスト ネットワークを介して IP マルチキャスト
トラフィックが適切にルーティングされていることを確認することです。
ラスト ホップ ルータでの IP マルチキャスト オペレーションの確認に使用される一
般的なコマンド(PIM-SM および PIM-SSM)
表に、PIM-SM ネットワーク環境および PIM-SSM ネットワーク環境のラスト ホップ ルータで IP
マルチキャスト オペレーションの確認に使用される一般的なコマンドについて説明します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
220
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワーク環境および PIM-SSM ネットワーク環境での IP マルチキャスト オペレーションの確
認に関するガイドライン
表 11:一般的な IP マルチキャスト確認コマンド(ラスト ホップ ルータ)
コマンド
説明および目的
show ip igmp groups
ルータに直接接続されているレシーバとイン
ターネット グループ管理プロトコル(IGMP)
によって学習されたレシーバを持つマルチキャ
スト グループを表示します。
• LAN 上のレシーバが加入したグループの
ラスト ホップ ルータ上で、IGMP キャッ
シュが適切に生成されていることを確認す
るには、このコマンドを使用します。
show ip pim rp mapping
(設定、あるいは Auto-RP または BSR からの
学習により)ルータが認識しているグループ-RP
マッピングをすべて表示します。
• グループ-RP 間のマッピングがラスト ホッ
プ ルータで正しく生成されていることを
確認する場合は、このコマンドを使用しま
す。
(注)
show ip mroute
PIM-SSM ではランデブー ポイント
(RP)が使用されないため、show ip
pim rp mapping コマンドは PIM-SSM
ネットワーク内のルータでは動作し
ません。
マルチキャスト ルーティング(mroute)テーブ
ルの内容を表示します。
• mroute テーブルがラスト ホップ ルータで
正しく生成されていることを確認する場合
は、このコマンドを使用します。
show ip interface
設定されているインターフェイスについて、情
報および統計情報を表示します。
• IP マルチキャスト高速スイッチングがラス
ト ホップ ルータの発信インターフェイス
でイネーブルになっていることを確認する
には、このコマンドを使用します。
show ip mfib
IP マルチキャスト転送情報ベース(MFIB)の
転送エントリおよびインターフェイスを表示し
ます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
221
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワーク環境および PIM-SSM ネットワーク環境での IP マルチキャスト オペレーションの確
認に関するガイドライン
コマンド
説明および目的
show ip pim interface count
PIM 対応インターフェイスで送受信されたマル
チキャスト パケットの数に関連する統計情報を
表示します。
• マルチキャストトラフィックがラストホッ
プ ルータに転送されていることを、ラス
ト ホップ ルータ上で確認する場合は、こ
のコマンドを使用します。
show ip mroute active
アクティブなソースがマルチキャスト グループ
に送信しているレートを、キロビット/秒
(kb/s)単位で表示します。
• ラスト ホップ ルータ上のグループに送信
を実行しているアクティブなソースのマル
チキャスト パケット レートに関する情報
を表示する場合は、このコマンドを使用し
ます。
show ip mroute count
mroute テーブルの mroute に関連する統計情報
を表示します。
• マルチキャストトラフィックがラストホッ
プ ルータに転送されていることを、ラス
ト ホップ ルータ上で確認する場合は、こ
のコマンドを使用します。
SPT が使用されているルータでの IP マルチキャスト オペレーションの確認に使用さ
れる一般的なコマンド(PIM-SM および PIM-SSM)
表に、PIM-SM ネットワーク環境および PIM-SSM ネットワーク環境の SPT が使用されているルー
タで IP マルチキャスト オペレーションの確認に使用される一般的なコマンドについて説明しま
す。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
222
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワーク環境および PIM-SSM ネットワーク環境での IP マルチキャスト オペレーションの確
認に関するガイドライン
表 12:一般的な IP マルチキャスト確認コマンド(SPT が使用されているルータ)
コマンド
説明および目的
show ip mroute
mroute テーブルの内容を表示します。
• ソースへのリバース パス転送(RPF)ネイ
バーが、SPT が使用されている各ルータの
想定 RPF ネイバーであることを確認する
には、このコマンドを使用します。
show ip mroute active
アクティブなソースがマルチキャスト グループ
に送信しているレートを、kb/s 単位で表示しま
す。
• SPT が使用されているルータ上のグループ
に送信を実行しているアクティブなソース
のマルチキャスト パケット レートに関す
る情報を表示する場合は、このコマンドを
使用します。
ファースト ホップ ルータでの IP マルチキャスト オペレーションの確認に使用され
る一般的なコマンド(PIM-SM および PIM-SSM)
表に、PIM-SM ネットワーク環境および PIM-SSM ネットワーク環境のファースト ホップ ルータ
で IP マルチキャスト オペレーションの確認に使用される一般的なコマンドについて説明します。
表 13:一般的な IP マルチキャスト確認コマンド(ファースト ホップ ルータ)
コマンド
説明および目的
show ip mroute
mroute テーブルの内容を表示します。
• F フラグがファースト ホップ ルータの
mroute に設定されていることを確認するに
は、このコマンドを使用します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
223
IP マルチキャスト オペレーションの確認
IP マルチキャスト オペレーションを確認する方法
コマンド
説明および目的
show ip mroute active
アクティブなソースがマルチキャスト グループ
に送信しているレートを、kb/s 単位で表示しま
す。
• ファースト ホップ ルータ上のグループに
送信を実行しているアクティブなソースの
マルチキャスト パケット レートに関する
情報を表示する場合は、このコマンドを使
用します。
IP マルチキャスト オペレーションを確認する方法
PIM 対応ルータを使用して IP マルチキャストの到達可能性をテストす
る方法
PIM 対応ルータを使用して IP マルチキャストの到達可能性をテストするには、次の作業を実行し
ます。
管理しているすべての PIM 対応ルータおよびアクセス サーバが、マルチキャスト グループのメ
ンバで、すべてのルータが応答する原因となる ping が送信されます。これは、効果的な管理およ
びデバッグのツールです。
PIM 対応ルータを使用して IP マルチキャストの到達可能性をテストするには、次の作業を実行し
ます。
マルチキャスト ping に応答するルータの設定
ルータをマルチキャスト ping に応答するように設定するには、次の作業を実行します。 この作業
の実行によって、指定されたグループに加入するよう、ルータ上のインターフェイスが設定され
ます。 この作業は、マルチキャスト ネットワークに加入しているルータ上の各インターフェイ
ス、およびマルチキャスト ネットワークに加入しているすべてのルータで実行する必要がありま
す。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
224
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM 対応ルータを使用して IP マルチキャストの到達可能性をテストする方法
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. ip igmp join-group group-address
5. マルチキャスト ネットワークに加入しているルータ上のインターフェイスで、ステップ 3 とス
テップ 4 を繰り返します。
6. end
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Router# configure terminal
ステップ 3
interface type number
例:
• type および number 引数に、ホストに直接接続されている
Router(config)# interface
gigabitethernet 1/0/0
ステップ 4
インターフェイス コンフィギュレーション モードを開始しま
す。
ip igmp join-group group-address
例:
インターフェイスまたはホストに直面しているインター
フェイスを指定します。
(任意)ルータ上のインターフェイスを指定したグループに
参加するように設定します。
• この作業の目的として、マルチキャスト ネットワークに
Router(config-if)# ip igmp
join-group 225.2.2.2
加入しているルータ上のすべてのインターフェイス上
で、group-address 引数に同じグループ アドレスを設定し
ます。
(注)
この方法では、ルータは、マルチキャスト パケット
の転送に加えて、マルチキャスト パケットを受信し
ます。 マルチキャスト パケットを受信することに
より、ルータの高速スイッチングは行われません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
225
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM 対応ルータを使用して IP マルチキャストの到達可能性をテストする方法
コマンドまたはアクション
目的
ステップ 5
マルチキャストネットワークに加入し -ているルータ上のインターフェイス
で、ステップ 3 とステップ 4 を繰り返
します。
ステップ 6
end
現在のコンフィギュレーション セッションを終了して、特権
EXEC モードに戻ります。
例:
Router(config-if)# end
マルチキャスト ping に応答するように設定されているルータの ping
マルチキャスト ping に応答するように設定されているルータをテストするために、ルータ上で
ping を開始するには、次の作業を実行します。 この作業は、ネットワークの IP マルチキャストの
到達可能性をテストするために使用します。
手順の概要
1. enable
2. ping group-address
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Router> enable
ステップ 2
ping group-address
例:
IP マルチキャスト グループ アドレスに ping を実行します。
• 正常な応答は、グループ アドレスが機能していること
を示します。
Router# ping 225.2.2.2
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
226
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャ
スト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークで IP マルチキャスト オペレーションを確認
するには、次の任意の作業を実行します。 ソースとレシーバが期待どおりに動作していない場
合、これらの作業の手順を実行すると、障害が発生したホップの場所を特定できます。
(注)
パケットが想定された宛先に到達していない場合、IP マルチキャスト高速スイッチングをディ
セーブルにすることを検討する必要が生じることがあります。これによって、ルータはプロセ
ス スイッチング モードになります。 IP マルチキャスト高速スイッチングがディセーブルされ
た後で、パケットが適切な宛先に到達し始めた場合、問題は IP マルチキャスト高速スイッチ
ングに関連していた可能性が非常に高くなります。 IP マルチキャスト高速スイッチングをディ
セーブルにする方法の詳細については、「IP マルチキャストのモニタリングおよび保持」モ
ジュールを参照してください。
PIM-SM マルチキャスト ネットワークまたは PIM-SSM マルチキャスト ネットワークで IP マルチ
キャスト オペレーションを確認するには、次の確認作業を実行します。
ラスト ホップ ルータでの IP マルチキャスト オペレーションの確認
ラスト ホップ ルータで IP マルチキャストのオペレーションを確認するには、次の作業を実行し
ます。
(注)
PIM-SSM ネットワークのラスト ホップ ルータを確認する場合は、ステップ 3 を無視します。
手順の概要
1. enable
2. show ip igmp groups
3. show ip pim rp mapping
4. show ip mroute
5. show ip interface [type number]
6. show ip mfib
7. show ip pim interface count
8. show ip mroute count
9. show ip mroute active [kb/s]
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
227
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認
手順の詳細
ステップ 1
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。
Router>
ステップ 2
enable
show ip igmp groups
ラスト ホップ ルータで IGMP メンバーシップを確認するには、このコマンドを使用します。 この情報に
よって、ラストホップルータに直接接続され、IGMPを介して認識されるレシーバが使用されているマル
チキャスト グループが確認されます。
次に、show ip igmp groups コマンドの出力例を示します。
例:
Router# show ip igmp groups
IGMP Connected Group Membership
Group Address
Interface
239.1.2.3
GigabitEthernet1/0/0
224.0.1.39
GigabitEthernet0/0/0
ステップ 3
Uptime
00:05:14
00:09:11
Expires
00:02:14
00:02:08
Last Reporter
10.1.0.6
172.31.100.1
show ip pim rp mapping
グループ-RP 間のマッピングがラスト ホップ ルータで正しく生成されていることを確認する場合は、こ
のコマンドを使用します。
PIM-SSM ネットワークのラスト ホップ ルータを確認する場合は、この手順を無視します。
PIM-SSM では RP が使用されないため、show ip pim rp mapping コマンドは PIM-SSM ネット
ワーク内のルータでは動作しません。 さらに、正しく設定されている場合、show ip pim rp
mapping コマンドの出力には PIM-SSM グループは表示されません。
次に、show ip pim rp mapping コマンドの出力例を示します。
(注)
例:
Router# show ip pim rp mapping
PIM Group-to-RP Mappings
Group(s) 224.0.0.0/4
RP 172.16.0.1 (?), v2v1
Info source: 172.16.0.1 (?), elected via Auto-RP
Uptime: 00:09:11, expires: 00:02:47
ステップ 4
show ip mroute
mroute テーブルがラスト ホップ ルータで正しく生成されていることを確認する場合は、このコマンドを
使用します。
次に、 show ip mroute コマンドの出力例を示します。
例:
Router# show ip mroute
(*, 239.1.2.3), 00:05:14/00:03:04, RP 172.16.0.1, flags: SJC
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
228
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認
Incoming interface: GigabitEthernet0/0/0, RPF nbr 172.31.100.1
Outgoing interface list:
GigabitEthernet1/0, Forward/Sparse-Dense, 00:05:10/00:03:04
(10.0.0.1, 239.1.2.3), 00:02:49/00:03:29, flags: T
Incoming interface: GigabitEthernet0/0/0, RPF nbr 172.31.100.1
Outgoing interface list:
GigabitEthernet1/0, Forward/Sparse-Dense, 00:02:49/00:03:04
(*, 224.0.1.39), 00:10:05/stopped, RP 0.0.0.0, flags: DC
Incoming interface: Null, RPF nbr 0.0.0.0
Outgoing interface list:
GigabitEthernet1/0, Forward/Sparse-Dense, 00:05:15/00:00:00
GigabitEthernet0/0, Forward/Sparse-Dense, 00:10:05/00:00:00
(172.16.0.1, 224.0.1.39), 00:02:00/00:01:33, flags: PTX
Incoming interface: GigabitEthernet0/0/0, RPF nbr 172.31.100.1
ステップ 5
show ip interface [type number]
マルチキャスト高速スイッチングがラスト ホップ ルータの発信インターフェイスで、最適化されたパ
フォーマンスでイネーブルになっていることを確認するには、このコマンドを使用します。
no ip mroute-cache インターフェイス コマンドを使用すると、IP マルチキャスト高速スイッチ
ングをディセーブルにされます。 IP マルチキャスト高速スイッチングがディセーブルの場合、
パケットはプロセス スイッチド パスを使用して転送されます。
次に、特定のインターフェイスに対する show ip interface コマンドの出力例を示します。
(注)
例:
Router# show ip interface GigabitEthernet 0/0/0
GigabitEthernet0/0 is up, line protocol is up
Internet address is 172.31.100.2/24
Broadcast address is 255.255.255.255
Address determined by setup command
MTU is 1500 bytes
Helper address is not set
Directed broadcast forwarding is disabled
Multicast reserved groups joined: 224.0.0.1 224.0.0.22 224.0.0.13
224.0.0.5 224.0.0.6
Outgoing access list is not set
Inbound access list is not set
Proxy ARP is enabled
Local Proxy ARP is disabled
Security level is default
Split horizon is enabled
ICMP redirects are always sent
ICMP unreachables are always sent
ICMP mask replies are never sent
IP fast switching is enabled
IP fast switching on the same interface is disabled
IP Flow switching is disabled
IP CEF switching is disabled
IP Fast switching turbo vector
IP multicast fast switching is enabled
IP multicast distributed fast switching is disabled
IP route-cache flags are Fast
Router Discovery is disabled
IP output packet accounting is disabled
IP access violation accounting is disabled
TCP/IP header compression is disabled
RTP/IP header compression is disabled
Policy routing is disabled
Network address translation is disabled
WCCP Redirect outbound is disabled
WCCP Redirect inbound is disabled
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
229
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認
WCCP Redirect exclude is disabled
BGP Policy Mapping is disabled
ステップ 6
show ip mfib
IP マルチキャスト転送情報ベース(MFIB)の転送エントリおよびインターフェイスを表示するには、こ
のコマンドを使用します。
例:
ステップ 7
show ip pim interface count
マルチキャスト トラフィックがラスト ホップ ルータに転送されていることを確認する場合は、このコマ
ンドを使用します。
次に、show ip pim interface コマンドに count キーワードを指定した場合の出力例を示します。
例:
Router# show ip pim interface count
State: * - Fast Switched, D - Distributed
H - Hardware Switching Enabled
Address
Interface
172.31.100.2
GigabitEthernet0/0/0
10.1.0.1
GigabitEthernet1/0/0
ステップ 8
Fast Switched
FS Mpackets In/Out
*
4122/0
*
0/3193
show ip mroute count
マルチキャスト トラフィックがラスト ホップ ルータに転送されていることを確認する場合は、このコマ
ンドを使用します。
次に、show ip mroute コマンドに count キーワードを指定した場合の出力例を示します。
例:
Router# show ip mroute count
IP Multicast Statistics
6 routes using 4008 bytes of memory
3 groups, 1.00 average sources per group
Forwarding Counts: Pkt Count/Pkts per second/Avg Pkt Size/Kilobits per second
Other counts: Total/RPF failed/Other drops(OIF-null, rate-limit etc)
Group: 239.1.2.3, Source count: 1, Packets forwarded: 3165, Packets received: 3165
RP-tree: Forwarding: 0/0/0/0, Other: 0/0/0
Source: 10.0.0.1/32, Forwarding: 3165/20/28/4, Other: 0/0/0
Group: 224.0.1.39, Source count: 1, Packets forwarded: 21, Packets received: 120
Source: 172.16.0.1/32, Forwarding: 21/1/48/0, Other: 120/0/99
Group: 224.0.1.40, Source count: 1, Packets forwarded: 10, Packets received: 10
Source: 172.16.0.1/32, Forwarding: 10/1/48/0, Other: 10/0/0
ステップ 9
show ip mroute active [kb/s]
ラスト ホップ ルータ上のグループに送信を実行しているアクティブなマルチキャスト ソースに関する情
報を表示する場合は、ラスト ホップ ルータ上でこのコマンドを使用します。 このコマンドの出力では、
アクティブなソースのマルチキャスト パケット レートに関する情報が示されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
230
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認
デフォルトでは、active キーワードを指定した show ip mroute コマンドの出力では、4 kb/s. 以上
のレートでグループにトラフィックを送信しているアクティブなソースに関する情報が表示さ
れます。 より低いレートのトラフィック(4 kb/s 未満のトラフィック)をグループに送信して
いるアクティブなソースに関する情報を表示する場合は、kb/s 引数に 1 の値を指定します。 こ
の引数に 1 の値を指定すると、1 kb/s 以上のレートでグループにトラフィックを送信しているア
クティブなソースに関する情報が表示されます。これによって、存在する可能性があるすべて
のアクティブなソース トラフィックに関する情報が効果的に表示されます。
次に、show ip mroute コマンドに active キーワードを指定した場合の出力例を示します。
(注)
例:
Router# show ip mroute active
Active IP Multicast Sources - sending >= 4 kbps
Group: 239.1.2.3, (?)
Source: 10.0.0.1 (?)
Rate: 20 pps/4 kbps(1sec), 4 kbps(last 50 secs), 4 kbps(life avg)
SPT が使用されているルータでの IP マルチキャストの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークで SPT が使用されているルータ上で IP マル
チキャストのオペレーションを確認するには、次の作業を実行します。
手順の概要
1. enable
2. show ip mroute [group-address]
3. show ip mroute active
手順の詳細
ステップ 1
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。 パスワードを入力します(要求された場合)。
Router>
ステップ 2
enable
show ip mroute [group-address]
特定の 1 つまたは複数のグループのソースへの RPF ネイバーを確認する場合は、SPT が使用されている
ルータでこのコマンドを使用します。
次に、特定のグループに対する show ip mroute コマンドの出力例を示します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
231
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認
例:
Router# show ip mroute 239.1.2.3
(*, 239.1.2.3), 00:17:56/00:03:02, RP 172.16.0.1, flags: S
Incoming interface: Null, RPF nbr 0.0.0.0
Outgoing interface list:
GigabitEthernet0/0/0, Forward/Sparse-Dense, 00:17:56/00:03:02
(10.0.0.1, 239.1.2.3), 00:15:34/00:03:28, flags: T
Incoming interface: Serial1/0, RPF nbr 172.31.200.1
Outgoing interface list:
GigabitEthernet0/0/0, Forward/Sparse-Dense, 00:15:34/00:03:02
ステップ 3
show ip mroute active
グループに送信を実行しているアクティブなマルチキャスト ソースに関する情報を表示する場合は、SPT
が使用されているルータ上でこのコマンドを使用します。 このコマンドの出力では、アクティブなソース
のマルチキャスト パケット レートに関する情報が示されます。
デフォルトでは、active キーワードを指定した show ip mroute コマンドの出力では、4 kb/s. 以上
のレートでグループにトラフィックを送信しているアクティブなソースに関する情報が表示さ
れます。 より低いレートのトラフィック(4 kb/s 未満のトラフィック)をグループに送信して
いるアクティブなソースに関する情報を表示する場合は、kb/s 引数に 1 の値を指定します。 こ
の引数に 1 の値を指定すると、1 kb/s 以上のレートでグループにトラフィックを送信しているア
クティブなソースに関する情報が表示されます。これによって、存在する可能性があるすべて
のアクティブなソース トラフィックに関する情報が効果的に表示されます。
次に、show ip mroute コマンドに active キーワードを指定した場合の出力例を示します。
(注)
例:
Router# show ip mroute active
Active IP Multicast Sources - sending >= 4 kbps
Group: 239.1.2.3, (?)
Source: 10.0.0.1 (?)
Rate: 20 pps/4 kbps(1sec), 4 kbps(last 30 secs), 4 kbps(life avg)
ファースト ホップ ルータでの IP マルチキャストの確認
ファースト ホップ ルータで IP マルチキャストのオペレーションを確認するには、次の作業を実
行します。
手順の概要
1. enable
2. show ip mroute [group-address]
3. show ip mroute active [kb/s]
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
232
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認
手順の詳細
ステップ 1
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Router>
ステップ 2
enable
show ip mroute [group-address]
F フラグがファースト ホップ ルータの mroute に設定されていることを確認するには、ファースト ホップ
ルータでこのコマンドを使用します。
次に、特定のグループに対する show ip mroute コマンドの出力例を示します。
例:
Router# show ip mroute 239.1.2.3
(*, 239.1.2.3), 00:18:10/stopped, RP 172.16.0.1, flags: SPF
Incoming interface: Serial1/0, RPF nbr 172.31.200.2
Outgoing interface list: Null
(10.0.0.1, 239.1.2.3), 00:18:10/00:03:22, flags: FT
Incoming interface: GigabitEthernet0/0/0, RPF nbr 0.0.0.0
Outgoing interface list:
Serial1/0, Forward/Sparse-Dense, 00:18:10/00:03:19
ステップ 3
show ip mroute active [kb/s]
グループに送信を実行しているアクティブなマルチキャストソースに関する情報を表示する場合は、ファー
スト ホップ ルータ上でこのコマンドを使用します。 このコマンドの出力では、アクティブなソースのマ
ルチキャスト パケット レートに関する情報が示されます。
デフォルトでは、active キーワードを指定した show ip mroute コマンドの出力では、4 kb/s. 以上
のレートでグループにトラフィックを送信しているアクティブなソースに関する情報が表示さ
れます。 より低いレートのトラフィック(4 kb/s 未満のトラフィック)をグループに送信して
いるアクティブなソースに関する情報を表示する場合は、kb/s 引数に 1 の値を指定します。 こ
の引数に 1 の値を指定すると、1 kb/s 以上のレートでグループにトラフィックを送信しているア
クティブなソースに関する情報が表示されます。これによって、存在する可能性があるすべて
のアクティブなソース トラフィックに関する情報が効果的に表示されます。
次に、show ip mroute コマンドに active キーワードを指定した場合の出力例を示します。
(注)
例:
Router# show ip mroute active
Active IP Multicast Sources - sending >= 4 kbps
Group: 239.1.2.3, (?)
Source: 10.0.0.1 (?)
Rate: 20 pps/4 kbps(1sec), 4 kbps(last 30 secs), 4 kbps(life avg)
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
233
IP マルチキャスト オペレーションの確認
IP マルチキャスト オペレーションの設定例
IP マルチキャスト オペレーションの設定例
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャ
スト オペレーションの確認例
次に、ネットワークに PIM-SM が導入された後で、IP マルチキャスト オペレーションを確認する
例を示します。 例は、図に示された PIM-SM トポロジに基づいています。
図に示されているラスト ホップ ルータからファースト ホップ ルータで、この特定の PIM-SM ネッ
トワーク トポロジの IP マルチキャスト オペレーションを確認する例を示します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
234
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認例
ラスト ホップ ルータでの IP マルチキャストの確認例
次に、show ip igmp groups コマンドの出力例を示します。 出力例では、図に示されているラスト
ホップ ルータの IGMP メンバーシップが表示されます。 このコマンドは、LAN 上のレシーバが
加入したグループに対して、IGMP キャッシュが適切に生成されていることを確認するために、
この例で使用されています。
Router# show ip igmp groups
IGMP Connected Group Membership
Group Address
Interface
239.1.2.3
GigabitEthernet1/0/0
224.0.1.39
GigabitEthernet0/0/0
Uptime
00:05:14
00:09:11
Expires
00:02:14
00:02:08
Last Reporter
10.1.0.6
172.31.100.1
次に、show ip pim rp mapping コマンドの出力例を示します。 出力例では、RP フィールドに表示
されている RP アドレスに注意してください。 図に示されているラスト ホップ ルータ上でグルー
プから RP へのマッピング適切に生成されたことを確認するには、RP アドレスとグループ情報を
使用します。
(注)
出力の「(?)」は、ルータによって、IP アドレスをホスト名に解決できなかったことを示し
ます。
Router# show ip pim rp mapping
PIM Group-to-RP Mappings
Group(s) 224.0.0.0/4
RP 172.16.0.1 (?), v2v1
Info source: 172.16.0.1 (?), elected via Auto-RP
Uptime: 00:09:11, expires: 00:02:47
次に、show ip mroute コマンドの出力例を示します。 このコマンドは、図に示されているラスト
ホップ ルータ上で mroute テーブルが正しく生成されていることを確認する場合に使用します。
出力例では、(10.0.0.1, 239.1.2.3)mroute の T フラグに注意してください。 T フラグは、SPT ビッ
トが設定されたことを示します。これは、マルチキャスト パケットが特定の mroute の SPT ツリー
で受信されたことを意味します。 また、RPF nbr フィールドは、マルチキャスト ソースへのユニ
キャスト ルーティングによって特定された最上位の IP アドレスを持つ RPF ネイバーを指す必要
があります。
Router# show ip mroute
(*, 239.1.2.3), 00:05:14/00:03:04, RP 172.16.0.1, flags: SJC
Incoming interface: GigabitEthernet0/0/0, RPF nbr 172.31.100.1
Outgoing interface list:
Ethernet1/0, Forward/Sparse-Dense, 00:05:10/00:03:04
(10.0.0.1, 239.1.2.3), 00:02:49/00:03:29, flags: T
Incoming interface: GigabitEthernet0/0/0, RPF nbr 172.31.100.1
Outgoing interface list:
Ethernet1/0, Forward/Sparse-Dense, 00:02:49/00:03:04
(*, 224.0.1.39), 00:10:05/stopped, RP 0.0.0.0, flags: DC
Incoming interface: Null, RPF nbr 0.0.0.0
Outgoing interface list:
Ethernet1/0, Forward/Sparse-Dense, 00:05:15/00:00:00
Ethernet0/0, Forward/Sparse-Dense, 00:10:05/00:00:00
次に、着信インターフェイスに対する show ip interface コマンドの出力例を示します。 図に示さ
れているラスト ホップ ルータ上で IP マルチキャスト高速スイッチングがイネーブルにされてい
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
235
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認例
ることを確認する場合は、この例のこのコマンドを使用します。 IP マルチキャスト高速スイッチ
ングがイネーブルの場合、「IP multicast fast switching is enabled」という行が出力に表示されます。
Router# show ip interface GigabitEthernet 0/0/0
GigabitEthernet0/0/0 is up, line protocol is up
Internet address is 172.31.100.2/24
Broadcast address is 255.255.255.255
Address determined by setup command
MTU is 1500 bytes
Helper address is not set
Directed broadcast forwarding is disabled
Multicast reserved groups joined: 224.0.0.1 224.0.0.22 224.0.0.13
224.0.0.5 224.0.0.6
Outgoing access list is not set
Inbound access list is not set
Proxy ARP is enabled
Local Proxy ARP is disabled
Security level is default
Split horizon is enabled
ICMP redirects are always sent
ICMP unreachables are always sent
ICMP mask replies are never sent
IP fast switching is enabled
IP fast switching on the same interface is disabled
IP Flow switching is disabled
IP CEF switching is disabled
IP Fast switching turbo vector
IP multicast fast switching is enabled
IP multicast distributed fast switching is disabled
IP route-cache flags are Fast
Router Discovery is disabled
IP output packet accounting is disabled
IP access violation accounting is disabled
TCP/IP header compression is disabled
RTP/IP header compression is disabled
Policy routing is disabled
Network address translation is disabled
WCCP Redirect outbound is disabled
WCCP Redirect inbound is disabled
WCCP Redirect exclude is disabled
BGP Policy Mapping is disabled
次に、 show ip pim interface count コマンドの出力例を示します。 図に示されているラスト ホッ
プルータにマルチキャストトラフィックが転送されていることを確認する場合は、この例のこの
コマンドを使用します。 出力例では、Mpackets In/Out フィールドに注意してください。 このフィー
ルドでは、出力に一覧表示されている各インターフェイスで送受信されたマルチキャスト パケッ
トの数が表示されます。
Router# show ip pim interface count
State: * - Fast Switched, D - Distributed
H - Hardware Switching Enabled
Address
Interface
172.31.100.2
GigabitEthernet0/0/0
10.1.0.1
GigabitEthernet1/0/0
Fast Switched
FS Mpackets In/Out
*
4122/0
*
0/3193
次に、show ip mroute コマンドに count キーワードを指定した場合の出力例を示します。 図に示
されているラストホップルータで、アクティブなソースからグループへパケットが送信されてい
るを確認する場合は、このコマンドを使用します。 出力例では、Forwarding フィールドに表示さ
れているパケット数に注意してください。 このフィールドでは、グループに送信を実行している
ソースに対するパケット転送カウントが表示されます。
Router# show ip mroute count
IP Multicast Statistics
6 routes using 4008 bytes of memory
3 groups, 1.00 average sources per group
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
236
IP マルチキャスト オペレーションの確認
PIM-SM ネットワークまたは PIM-SSM ネットワークでの IP マルチキャスト オペレーションの確認例
Forwarding Counts: Pkt Count/Pkts per second/Avg Pkt Size/Kilobits per second
Other counts: Total/RPF failed/Other drops(OIF-null, rate-limit etc)
Group: 239.1.2.3, Source count: 1, Packets forwarded: 3165, Packets received: 3165
RP-tree: Forwarding: 0/0/0/0, Other: 0/0/0
Source: 10.0.0.1/32, Forwarding: 3165/20/28/4, Other: 0/0/0
Group: 224.0.1.39, Source count: 1, Packets forwarded: 21, Packets received: 120
Source: 172.16.0.1/32, Forwarding: 21/1/48/0, Other: 120/0/99
Group: 224.0.1.40, Source count: 1, Packets forwarded: 10, Packets received: 10
Source: 172.16.0.1/32, Forwarding: 10/1/48/0, Other: 10/0/0
次に、show ip mroute コマンドに active キーワードを指定した場合の出力例を示します。 ラスト
ホップルータ上でアクティブなソースがあるマルチキャストグループを確認する場合は、図に示
されているラスト ホップ ルータでこのコマンドを使用します。
(注)
出力の「(?)」は、ルータによって、IP アドレスをホスト名に解決できなかったことを示し
ます。
Router# show ip mroute active
Active IP Multicast Sources - sending >= 4 kbps
Group: 239.1.2.3, (?)
Source: 10.0.0.1 (?)
Rate: 20 pps/4 kbps(1sec), 4 kbps(last 50 secs), 4 kbps(life avg)
SPT が使用されているルータでの IP マルチキャストの確認例
次に、特定のグループに対する show ip mroute コマンドの出力例を示します。 ソースへの RPF ネ
イバーが、図に示されている SPT が使用されているルータで想定されている RPF ネイバーである
ことを確認する場合は、この例のコマンドを使用します。
Router# show ip mroute 239.1.2.3
(*, 239.1.2.3), 00:17:56/00:03:02, RP 172.16.0.1, flags: S
Incoming interface: Null, RPF nbr 0.0.0.0
Outgoing interface list:
Ethernet0/0, Forward/Sparse-Dense, 00:17:56/00:03:02
(10.0.0.1, 239.1.2.3), 00:15:34/00:03:28, flags: T
Incoming interface: Serial1/0, RPF nbr 172.31.200.1
Outgoing interface list:
Ethernet0/0, Forward/Sparse-Dense, 00:15:34/00:03:02
次に、図に示されている SPT が使用されているルータからの、active キーワードを指定した show
ip mroute コマンドの出力例を示します。 このルータでアクティブなソースがあるマルチキャスト
グループを確認する場合は、このコマンドを使用します。
(注)
出力の「(?)」は、ルータによって、IP アドレスをホスト名に解決できなかったことを示し
ます。
Router# show ip mroute active
Active IP Multicast Sources - sending >= 4 kbps
Group: 239.1.2.3, (?)
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
237
IP マルチキャスト オペレーションの確認
その他の関連資料
Source: 10.0.0.1 (?)
Rate: 20 pps/4 kbps(1sec), 4 kbps(last 30 secs), 4 kbps(life avg)
ファースト ホップ ルータでの IP マルチキャストの確認例
次に、特定のグループに対する show ip mroute コマンドの出力例を示します。 図に示されている
ファーストホップルータで、アクティブなソースからグループへパケットが送信されていること
を確認する場合は、この例のこのコマンドを使用します。 出力例では、Forwarding フィールドに
表示されているパケット数に注意してください。 このフィールドでは、ファースト ホップ ルー
タ上のグループに送信を実行しているソースに対するパケット転送カウントが表示されます。
(注)
RPF nbr 0.0.0.0 のフィールドは、mroute のソースが到達したことを示します。
Router# show ip mroute 239.1.2.3
(*, 239.1.2.3), 00:18:10/stopped, RP 172.16.0.1, flags: SPF
Incoming interface: Serial1/0, RPF nbr 172.31.200.2
Outgoing interface list: Null
(10.0.0.1, 239.1.2.3), 00:18:10/00:03:22, flags: FT
Incoming interface: GigabitEthernet0/0/0, RPF nbr 0.0.0.0
Outgoing interface list:
Serial1/0/0, Forward/Sparse-Dense, 00:18:10/00:03:19
次に、図に示されているファースト ホップ ルータからの、active キーワードを指定した show ip
mroute コマンドの出力例を示します。
(注)
出力の「(?)」は、ルータによって、IP アドレスをホスト名に解決できなかったことを示し
ます。
Router# show ip mroute active
Active IP Multicast Sources - sending >= 4 kbps
Group: 239.1.2.3, (?)
Source: 10.0.0.1 (?)
Rate: 20 pps/4 kbps(1sec), 4 kbps(last 30 secs), 4 kbps(life avg)
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IP マルチキャスト テクノロジー分野の概要
「IP マルチキャスト テクノロジーの概要」モ
ジュール
PIM-SM と SSM の概念および設定例
「基本的な IP マルチキャスト設定」モジュー
ル
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
238
IP マルチキャスト オペレーションの確認
その他の関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IP マルチキャスト コマンド:コマンド構文の 『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』
詳細、コマンド モード、コマンド履歴、デフォ
ルト設定、使用に関する注意事項、および例
標準
標準
タイトル
新しい規格または変更された規格はサポートさ -れていません。また、既存の規格に対するサ
ポートに変更はありません。
MIB
MIB
MIB のリンク
新しい MIB または変更された MIB はサポート 選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
されていません。また、既存の MIB に対する ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
サポートに変更はありません。
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
RFC
RFC
タイトル
新しい RFC または変更された RFC はサポート -されていません。また、既存の RFC に対する
サポートに変更はありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
239
IP マルチキャスト オペレーションの確認
IP マルチキャスト オペレーションに関する機能情報
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポート Web サイトでは、シスコの http://www.cisco.com/en/US/support/index.html
製品やテクノロジーに関するトラブルシュー
ティングにお役立ていただけるように、マニュ
アルやツールをはじめとする豊富なオンライン
リソースを提供しています。
お使いの製品のセキュリティ情報や技術情報を
入手するために、Cisco Notification Service(Field
Notice からアクセス)、Cisco Technical Services
Newsletter、Really Simple Syndication(RSS)
フィードなどの各種サービスに加入できます。
シスコのサポート Web サイトのツールにアク
セスする際は、Cisco.com のユーザ ID およびパ
スワードが必要です。
IP マルチキャスト オペレーションに関する機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 14:IP マルチキャスト オペレーションに関する機能情報
機能名
リリース
Cisco IOS XE Release 2(1) 以降 -にこのモジュールで導入または
変更された機能はないため、こ
の表は空白になっています。
この表は、このモジュールに機
能情報が追加されると更新され
ます。
機能情報
--
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
240
第
11
章
IP マルチキャストのモニタリングおよび保
持
このモジュールでは、IP マルチキャスト ネットワークをモニタリングおよび保持する方法につ
いて説明します。
• ローカル ルータとピアリングしている隣接マルチキャスト ルータを表示する方法
• マルチキャスト パケット レートおよび損失情報を表示する方法
• マルチキャスト配信ツリーでソースから宛先ブランチまでのパスを追跡する方法
• IP マルチキャスト ルーティング テーブルの内容、PIM に設定されているインターフェイス
に関する情報、ルータによって検出された PIM ネイバー、および IP 高速スイッチング キャッ
シュの内容を表示する方法
• キャッシュ、テーブル、およびデータベースをクリアする方法
• IP マルチキャスト パケットの配信をモニタリングし、配信によって特定のパラメータが満
たされなかった場合にアラートを受け取る方法(IP マルチキャスト ハートビート)
• セッション記述プロトコル、セッション通知プロトコル、およびアプリケーションを使用
して、マルチキャスト マルチメディア会議および他のマルチキャスト セッションのアドバ
タイズメントを補助し、参加者予定者に対して関連セッションの設定情報を通信する方法
(SAP リスナー サポート)
• IP マルチキャスト パケット ヘッダーをキャッシュに格納する方法、およびネットワーク内
で誰がどのグループに IP マルチキャスト パケットを送信しているかについての情報や、マ
ルチキャスト転送ループなどの情報を検索して表示する方法
• 簡易ネットワーク管理プロトコル(SNMP)を使用して、管理対象オブジェクトをリモート
にモニタリングし、PIM を設定する方法
• デバッグ メッセージを記録するために IP マルチキャストの高速スイッチングをディセーブ
ルにする方法
• 機能情報の確認, 242 ページ
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
241
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
機能情報の確認
• IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の前提条件, 242 ページ
• IP マルチキャストのモニタリングおよび保持について, 242 ページ
• IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の方法, 245 ページ
• IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の設定例, 255 ページ
• その他の関連資料, 259 ページ
• IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の機能情報, 260 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の前提条件
• このモジュールの作業を実行する前に、「IP マルチキャスト テクノロジーの概要」モジュー
ルで説明している概念をよく理解しておく必要があります。
• 使用しているネットワークで IP マルチキャストをイネーブルにし、Protocol Independent
Multicast(PIM)を設定して実行しておく必要もあります。 「基本的な IP マルチキャスト設
定」モジュールを参照してください。
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持について
IP マルチキャスト ハートビート
IP マルチキャスト ハートビート機能を使用すると、IP マルチキャスト パケットの配信をモニタ
リングし、配信によって特定のパラメータが満たされなかった場合にアラートを受け取ることが
できます。
代わりに MRM を使用して IP マルチキャストをモニタリングすることもできますが、MRM で実
行できない IP マルチキャスト ハートビートでは、次の作業を実行できます。
• SNMP トラップの生成
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
242
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
セッション通知プロトコル(SAP)
• 実働マルチキャスト ストリームのモニタリング
IP マルチキャスト ハート ビートがイネーブルの場合、ルータは、特定の間隔で特定のマルチキャ
スト グループ宛ての IP マルチキャスト パケットをモニタします。 観察されたパケット数が設定
された最小量よりも少ない場合、ルータは指定されたネットワーク管理ステーションにハートビー
ト例外の損失を示す SNMP トラップを送信します。
ルータの group に既存のマルチキャスト転送状態がない場合、ip multicast heartbeat コマンドに
よってハートビートは作成されません。このコマンドでは、ルータでのマルチキャスト転送状態
は作成されません。 IP マルチキャスト トラフィックを強制的に転送する場合は、ルータまたはダ
ウンストリーム ルータ上で ip igmp static-group コマンドを実行します。 特定のレシーバ ホスト
への IP マルチキャスト トラップの送信をイネーブルにする場合は、snmp-server host ipmulticast
コマンドを使用します。 マルチキャスト ハート ビート機能をデバッグする場合は、debug ip
mhbeat コマンドを使用します。
セッション通知プロトコル(SAP)
セッション記述プロトコル、セッション通知プロトコル、およびアプリケーションを使用して、
マルチキャストマルチメディア会議および他のマルチキャストセッションのアドバタイズメント
を補助し、参加予定者に対して関連セッション設定情報を通信するには、セッション通知プロト
コル(SAP)リスナー サポートが必要です。
セッションは、RFC 2327 で定義されているセッション記述プロトコル(SDP)で記述されます。
SDP では、存続可能時間(TTL)スコープ、グループ アドレス、およびユーザ データグラム プロ
トコル(UDP)ポート番号などの特定の属性で、セッション(たとえば、音声、ビデオ、ホワイ
トボードなど)で使用されているセッションプロパティ(たとえば、連絡情報、セッションライ
フタイム、メディアなど)の、書式化されたテキスト説明が提供されます。
多くのマルチメディア アプリケーションは、セッションの説明について SDP に依存します。 た
だし、これらは異なる方法を使用してこれらのセッションの説明が配信される場合があります。
たとえば、IP/TV では、Web に依存して、参加者にセッションの説明が配信されます。 この例で
は、参加者は、セッション情報を提供する Web サーバを認識する必要があります。
MBONE アプリケーション(たとえば、vic、vat、wb など)やその他のアプリケーションは、ネッ
トワーク中に送信されるマルチキャスト セッション情報に依存します。 これらの場合、SDP セッ
ション通知の転送に SAP が使用されます。 SAP バージョン 2 では、周知のセッション ディレク
トリ マルチキャスト グループ 224.2.127.254 が使用されて、グローバル スコープ セッションおよ
び管理スコープ セッションのグループ 239.255.255.255 の SDP セッションの説明が配信されます。
(注)
Session Directory(SDR)アプリケーションは、通常、SDP/SAP セッション通知の送受信に使
用されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
243
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャストに対する SNMP トラップの PIM MIB 拡張
IP マルチキャストに対する SNMP トラップの PIM MIB 拡張
Protocol Independent Multicast(PIM)は、マルチキャスト グループにマルチキャスト データ パケッ
トをルーティングするために使用される IP マルチキャスト ルーティング プロトコルです。 RFC
2934 には、IPv4 対応 PIM MIB が定義されています。これは、簡易ネットワーク管理プロトコル
(SNMP)を使用した PIM のリモート モニタリングと設定を可能にする管理対象オブジェクトに
関する記述です。
PIM MIB 拡張は、次の新しいクラスの PIM 通知を導入します。
• neighbor-change:この通知は、次の条件により発生します。
• ルータの PIM インターフェイスが(インターフェイス コンフィギュレーション モード
で ip pim コマンドを使用して)無効化、または有効化されている。
• ルータの PIM ネイバーの隣接関係が失効している(RFC 2934 の定義による)。
• rp-mapping-change:この通知は、自動 RP メッセージまたはブートストラップ ルータ(BSR)
メッセージが原因でランデブー ポイント(RP)マッピング情報が変更された場合に発生しま
す。
• invalid-pim-message:この通知は、次の条件により発生します。
• デバイスが、無効な(*, G)加入またはプルーニング メッセージを受信した場合(たと
えば、パケットで指定された RP がマルチキャスト グループの RP ではない加入または
プルーニング メッセージを、ルータが受信した場合)
• デバイスが、無効な PIM 登録メッセージを受信した場合(たとえば、RP ではないマル
チキャスト グループからの登録メッセージをルータが受信した場合)
PIM MIB 拡張の利点
PIM MIB 拡張:
• RP マッピングの変更点を検出することで、ネットワークにおけるマルチキャスト トポロジ
の変更点を特定できます。
• PIM が有効なインターフェイス上で、PIM プロトコルをモニタリングするトラップを提供し
ます。
• マルチキャスト インターフェイスでマルチキャスト ネイバー隣接関係が失効している場合、
ルーティングの問題の特定に役立ちます。
• RP 設定のエラー(たとえば、Auto-RP のような、ダイナミック RP 割り当てプロトコルにお
けるフラッピングによるエラー)をモニタリングできます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
244
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の方法
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の方法
マルチキャスト ピア、パケット レート、および損失情報を表示し、
パスを追跡する
ローカル ルータとピアリングしている隣接マルチキャスト ルータ、マルチキャスト パケット レー
ト、および損失情報を確認する場合、または、マルチキャスト配信ツリーでソースから宛先ブラ
ンチまでのパスを追跡する場合には、IP マルチキャスト ルーティングをモニタリングします。
手順の概要
1. enable
2. mrinfo [host-name | host-address] [source-address | interface]
3. mstat {source-name | source-address} [destination-name | destination-address] [group-name |
group-address]
4. mtrace {source-name | source-address} [destination-name | destination-address] [group-name |
group-address]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場
例:
合)。
Router> enable
ステップ 2
mrinfo [host-name | host-address] [source-address |
interface]
(任意)ローカル ルータと「ピアリング」してい
る隣接マルチキャスト ルータを問い合わせます。
例:
Router# mrinfo
ステップ 3
mstat {source-name | source-address}
(任意)IP マルチキャスト パケット レートおよ
[destination-name | destination-address] [group-name び損失情報を表示します。
| group-address]
例:
Router# mstat allsource
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
245
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャスト システムおよびネットワーク統計情報の表示
コマンドまたはアクション
ステップ 4
目的
mtrace {source-name | source-address}
(任意)マルチキャスト配信ツリーでソースから
[destination-name | destination-address] [group-name 宛先ブランチへのパスを追跡します。
| group-address]
例:
Router# mtrace allsource
IP マルチキャスト システムおよびネットワーク統計情報の表示
IP マルチキャスト ルーティング テーブルの内容、PIM で設定されているインターフェイスに関す
る情報、ルータによって検出される PIM ネイバー、IP 高速スイッチング キャッシュの内容、およ
び循環キャッシュ ヘッダー バッファの内容を表示する場合は、IP マルチキャスト システム統計
情報を表示します。
手順の概要
1. enable
2. ping [group-name | group-address]
3. show ip mroute [group-address | group-name] [source-address | source-name] [type number] [summary]
[count] [active kbps]
4. show ip pim interface [type number] [df | count] [rp-address] [detail]
5. show ip pim neighbor [type number]
6. show ip pim rp [mapping | metric] [rp-address]
7. show ip rpf {source-address | source-name} [metric]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Router> enable
ステップ 2
ping [group-name | group-address]
例:
(任意)マルチキャスト グループ アドレスまたはグ
ループ名に、ICMP エコー要求メッセージを送信しま
す。
Router# ping cbone-audio
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
246
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャスト ルーティング テーブルまたはキャッシュのクリア
ステップ 3
コマンドまたはアクション
目的
show ip mroute [group-address | group-name]
[source-address | source-name] [type number]
[summary] [count] [active kbps]
(任意)IP マルチキャスト ルーティング テーブルの
内容を表示します。
例:
Router# show ip mroute cbone-audio
ステップ 4
show ip pim interface [type number] [df | count] (任意)PIM に対して設定されたインターフェイスに
[rp-address] [detail]
関する情報を表示します。
例:
Router# show ip pim interface
gigabitethernet1/0/0 detail
ステップ 5
show ip pim neighbor [type number]
(任意)ルータによって検出された PIM ネイバーのリ
ストを表示します。
例:
Router# show ip pim neighbor
ステップ 6
show ip pim rp [mapping | metric] [rp-address] (任意)スパース モード マルチキャスト グループに
関連付けられた RP ルータを表示します。
例:
Router# show ip pim rp metric
ステップ 7
show ip rpf {source-address | source-name}
[metric]
例:
Router# show ip rpf 172.16.10.13
(任意)ルータによる RPF の実行方法(つまり、ユニ
キャスト ルーティング テーブルからか、DVMRP ルー
ティング テーブルからか、またはスタティック mroute
からか)を表示します。 また、ユニキャスト ルーティ
ング メトリックも表示します。
IP マルチキャスト ルーティング テーブルまたはキャッシュのクリア
IP マルチキャスト ルーティング テーブル、Auto-RP キャッシュ、IGMP キャッシュ、および Catalyst
スイッチのキャッシュからエントリを削除する場合は、IP マルチキャスト キャッシュをクリアし
ます。 これらのエントリがクリアされると、再認識、つまり不正確なエントリの削除によって、
情報がリフレッシュされます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
247
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャスト ルーティング テーブルまたはキャッシュのクリア
手順の概要
1. enable
2. clear ip mroute {* | group-name [source-name | source-address] | group-address [source-name |
source-address]}
3. clear ip pim auto-rp rp-address
4. clear ip igmp group [group-name | group-address | interface-type interface-number]
5. clear ip cgmp [interface-type interface-number]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場
合)。
Router> enable
ステップ 2
clear ip mroute {* | group-name [source-name |
source-address] | group-address [source-name |
source-address]}
(任意)IP マルチキャスト ルーティング テー
ブルからエントリを削除します。
例:
Router# clear ip mroute 224.2.205.42 228.3.0.0
ステップ 3
clear ip pim auto-rp rp-address
(任意)Auto-RP キャッシュをクリアします。
例:
Router# clear ip pim auto-rp 224.5.6.7
ステップ 4
clear ip igmp group [group-name | group-address |
interface-type interface-number]
(任意)IGMP キャッシュからエントリを削除
します。
例:
Router# clear ip igmp group 224.0.255.1
ステップ 5
clear ip cgmp [interface-type interface-number]
(任意)Catalyst スイッチのキャッシュから、す
べてのグループ エントリをクリアします。
例:
Router# clear ip cgmp
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
248
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャスト ハート ビートを使用した IP マルチキャスト配信のモニタリング
IP マルチキャスト ハート ビートを使用した IP マルチキャスト配信の
モニタリング
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip multicast-routing distributed
4. snmp-server host {hostname | ip-address} [traps | informs] [version {1 | 2c | 3 [auth | noauth | priv]}]
community-string[udp-port port] [notification-type]
5. snmp-server enable traps ipmulticast
6. ip multicast heartbeat group-address minimum-number window-size interval
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始し
ます。
例:
Router# configure terminal
ステップ 3
ip multicast-routing distributed
IP マルチキャスト ルーティングをイネーブルにしま
す。
例:
Router(config)# ip multicast-routing
distributed
ステップ 4
snmp-server host {hostname | ip-address} [traps SNMP 通知動作の受信者を指定します。
| informs] [version {1 | 2c | 3 [auth | noauth |
priv]}] community-string[udp-port port]
[notification-type]
例:
Router(config)# snmp-server host 224.1.0.1
traps public
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
249
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
SAP リスナーを使用したマルチキャスト マルチメディア セッションのアドバタイズ
ステップ 5
コマンドまたはアクション
目的
snmp-server enable traps ipmulticast
IP マルチキャスト トラップを送信するようにルータ
をイネーブルにします。
例:
Router(config)# snmp-server enable traps
ipmulticast
ステップ 6
ip multicast heartbeat group-address
minimum-number window-size interval
例:
Router(config)# ip multicast heartbeat
224.1.1.1 1 1 10
IP マルチキャスト パケット配信のモニタリングをイ
ネーブルにします。
• マルチキャスト高速スイッチング(MDFS)が使
用されるプラットフォームでは、パケット カウ
ンタは 10 秒ごとにのみ更新されるため、これら
のプラットフォームでは、interval を 10 秒の倍数
で設定する必要があります。他のプラットフォー
ムでは、増分が異なる場合があります。
SAP リスナーを使用したマルチキャストマルチメディアセッションの
アドバタイズ
セッション記述プロトコル、セッション通知プロトコル、およびアプリケーションを使用して、
マルチキャストマルチメディア会議および他のマルチキャストセッションのアドバタイズメント
を補助し、参加予定者に対して関連セッション設定情報を通信する場合は、SAP リスナー サポー
トをイネーブルにします。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ip sap cache-timeout minutes
4. interface type number
5. ip sap listen
6. end
7. clear ip sap [group-address | “ session-name ”]
8. show ip sap [group-address | “ session-name ”| detail]
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
250
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
SAP リスナーを使用したマルチキャスト マルチメディア セッションのアドバタイズ
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始しま
す。
例:
Router# configure terminal
ステップ 3
ip sap cache-timeout minutes
例:
• デフォルトでは、SAP キャッシュ エントリはネッ
Router(config)# ip sap cache-timeout
600
ステップ 4
(任意)SAP キャッシュ エントリがキャッシュ内でア
クティブのままである期間を制限します。
interface type number
トワークから受信した 24 時間後に削除されます。
IGMPv3 をイネーブルにできるホストに接続されてい
るインターフェイスを選択します。
例:
Router(config)# interface
gigabitethernet 1/0/0
ステップ 5
ip sap listen
セッション ディレクトリ通知をリッスンするように、
Cisco IOS XE ソフトウェアをイネーブルにします。
例:
Router(config-if)# ip sap listen
ステップ 6
セッションを終了し、EXEC モードに戻ります。
end
例:
Router(config-if)# end
ステップ 7
clear ip sap [group-address | “ session-name SAP キャッシュ エントリまたは SAP キャッシュ全体を
”]
クリアします。
例:
Router# clear ip sap "Sample Session"
ステップ 8
show ip sap [group-address | “ session-name (任意)SAP キャッシュを表示します。
”| detail]
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
251
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャストの高速スイッチングのディセーブル化
コマンドまたはアクション
目的
例:
Router# show ip sap 224.2.197.250 detail
IP マルチキャストの高速スイッチングのディセーブル化
高速スイッチングがイネーブルの場合、デバッグメッセージは記録されないため、デバッグメッ
セージを記録する場合は高速スイッチングをディセーブルにします。
パケットが宛先に到達していない場合にも、ルータがプロセス スイッチングに置かれる高速ス
イッチングをディセーブルにすると効果的な場合があります。 高速スイッチングがディセーブル
で、パケットが宛先に到達している場合は、スイッチングが原因の可能性があります。
IP マルチキャスト パケットの高速スイッチングは、デフォルトで、1 つの例外を除き、(総称ルー
ティング カプセル化(GRE)および DVMRP トンネルを含む)すべてのインターフェイス上でイ
ネーブルです。例外とは、X.25 カプセル化インターフェイスを介する場合で、この場合、IP マル
チキャストパケットの高速スイッチングはディセーブルにされ、サポートされません。次は、高
速スイッチングのプロパティです。
• マルチキャスト ルーティング テーブル エントリの着信インターフェイス上で高速スイッチ
ングがディセーブルの場合、発信インターフェイス リストのすべてのインターフェイスのプ
ロセス レベルで、パケットが送信されます。
• マルチキャスト ルーティング テーブル エントリの発信インターフェイス上で高速スイッチ
ングがディセーブルの場合、パケットは、そのインターフェイスのプロセス レベルのスイッ
チングですが、発信インターフェイス リストにある他のインターフェイスの高速スイッチン
グの可能性があります。
• 高速スイッチングがイネーブルの場合、デバッグ メッセージのロギングは行われません。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. no ip mroute-cache
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
252
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャストに対する PIM MIB 拡張のイネーブル化
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始
します。
例:
Router# configure terminal
ステップ 3
interface type number
インターフェイスを指定します。
例:
Router(config)# interface gigabitethernet
1/0/0
ステップ 4
no ip mroute-cache
IP マルチキャストの高速スイッチングをディセー
ブルにします。
例:
Router(config-if)# no ip mroute-cache
IP マルチキャストに対する PIM MIB 拡張のイネーブル化
IP マルチキャストの PIM MIB 拡張をイネーブルにするには、この作業を実行します。
(注)
次の MIB テーブルは、Cisco IOS および Cisco IOS XE ソフトウェアではサポートされていませ
ん。
• pimIpMRouteTable
• pimIpMRouteNextHopTable
• pimInterfaceVersion オブジェクトは RFC 2934 から削除されたため、ソフトウェアではサ
ポートされなくなりました。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
253
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャストに対する PIM MIB 拡張のイネーブル化
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. snmp-server enable traps pim [neighbor-change | rp-mapping-change | invalid-pim-message]
4. snmp-server host host-address [traps | informs] community-string pim
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Router> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Router# configure terminal
ステップ 3
snmp-server enable traps pim
ルータを、PIM 通知を送信するようにルータをイネーブルにしま
[neighbor-change | rp-mapping-change す。
| invalid-pim-message]
• neighbor-change:このキーワードは、ルータの PIM インター
フェイスがディセーブル、またはイネーブルである、あるい
例:
はルータの PIM ネイバー隣接関係が失効していることを示
Router(config)# snmp-server enable
す通知をイネーブル化します。
traps pim neighbor-change
• rp-mapping-change:このキーワードは、Auto-RP メッセー
ジまたは BSR メッセージによる RP マッピング情報の変更を
示す通知をイネーブルにします。
• invalid-pim-message:このキーワードは、無効な PIM プロト
コル操作のモニタリングの通知をイネーブルにします(たと
えば、パケットで指定された RP がマルチキャスト グループ
の RP ではない加入またはプルーニング メッセージをルータ
が受信した場合や、RP ではないマルチキャスト グループか
らの登録メッセージをルータが受信した場合)。
ステップ 4
snmp-server host host-address [traps PIM SNMP 通知動作の受信者を指定します。
| informs] community-string pim
例:
Router(config)# snmp-server host
10.10.10.10 traps public pim
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
254
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の設定例
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の設定例
IP マルチキャスト システムおよびネットワーク統計情報の表示例
次に、mrinfo コマンドの出力例を示します。
Router# mrinfo
192.31.7.37 (labs-allcompany) [version cisco 12.3] [flags: PMSA]:
192.31.7.37 -> 192.31.7.34 (lab-southwest) [1/0/pim]
192.31.7.37 -> 192.31.7.47 (lab-northwest) [1/0/pim]
192.31.7.37 -> 192.31.7.44 (lab-southeast) [1/0/pim]
131.119.26.10 -> 131.119.26.9 (lab-northeast) [1/32/pim]
ユーザ EXEC モードで実行した mstat コマンドからの出力例は次のとおりです。
Router> mstat labs-in-china 172.16.0.1 224.0.255.255
Type escape sequence to abort.
Mtrace from 172.16.0.0 to 172.16.0.10 via group 224.0.255.255
>From source (labs-in-china) to destination (labs-in-africa)
Waiting to accumulate statistics......
Results after 10 seconds:
Source Response Dest Packet Statistics For Only For Traffic
172.16.0.0
172.16.0.10 All Multicast Traffic From 172.16.0.0
| __/ rtt 48 ms Lost/Sent = Pct Rate To 224.0.255.255
v / hop 48 ms --------------------- -------------------172.16.0.1
labs-in-england
| ^ ttl 1
v | hop 31 ms 0/12 = 0% 1 pps 0/1 = --% 0 pps
172.16.0.2
172.16.0.3
infolabs.com
| ^ ttl 2
v | hop -17 ms -735/12 = --% 1 pps 0/1 = --% 0 pps
172.16.0.4
172.16.0.5
infolabs2.com
| ^ ttl 3
v | hop -21 ms -678/23 = --% 2 pps 0/1 = --% 0 pps
172.16.0.6
172.16.0.7
infolabs3.com
| ^ ttl 4
v | hop 5 ms 605/639 = 95% 63 pps 1/1 = --% 0 pps
172.16.0.8
172.16.0.9
infolabs.cisco.com
| \__ ttl 5
v \ hop 0 ms 4 0 pps 0 0 pps
172.16.0.0
172.16.0.10
Receiver Query Source
ユーザ EXEC モードで実行した mtrace コマンドからの出力例は次のとおりです。
Router> mtrace 172.16.0.0 172.16.0.10 239.254.254.254
Type escape sequence to abort.
Mtrace from 172.16.0.0 to 172.16.0.10 via group 239.254.254.254
From source (?) to destination (?)
Querying full reverse path...
0 172.16.0.10
-1 172.16.0.8 PIM thresh^ 0 0 ms
-2 172.16.0.6 PIM thresh^ 0 2 ms
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
255
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャスト ハート ビートを使用した IP マルチキャスト配信のモニタリング例
-3
-4
-5
-6
172.16.0.5
172.16.0.3
172.16.0.2
172.16.0.1
PIM
PIM
PIM
PIM
thresh^
thresh^
thresh^
thresh^
0
0
0
0
894
893
894
893
ms
ms
ms
ms
IP マルチキャスト ハート ビートを使用した IP マルチキャスト配信の
モニタリング例
次に、このルータを介してグループ アドレス 244.1.1.1 に転送される IP マルチキャスト パケット
をモニタリングする例を示します。 このグループのパケットが 10 秒間受信されなかった場合、IP
アドレス 224.1.0.1 で SNMP 管理ステーションに SNMP トラップが送信されます。
!
ip multicast-routing
!
snmp-server host 224.1.0.1 traps public
snmp-server enable traps ipmulticast
ip multicast heartbeat 224.1.1.1 1 1 10
SAP リスナーを使用したマルチキャストマルチメディアセッションの
アドバタイズ例
次に、セッション ディレクトリ通知をルータでリッスンできるようにし、SAP キャッシュ タイム
アウトを 30 分に変更します。
ip multicast routing
ip sap cache-timeout 30
interface loopback 0
ip address 10.0.0.51 255.255.255.0
ip pim sparse-dense mode
ip sap listen
次に、マルチキャスト グループ 224.2.197.250 を使用したセッションに対する show ip sap コマン
ドの出力例を示します。
Router# show ip sap 224.2.197.250
SAP Cache - 198 entries
Session Name: Session1
Description: This broadcast is brought to you courtesy of Name1.
Group: 0.0.0.0, ttl: 0, Contiguous allocation: 1
Lifetime: from 10:00:00 PDT Jul 4 1999 until 10:00:00 PDT Aug 1 1999
Uptime: 4d05h, Last Heard: 00:01:40
Announcement source: 128.102.84.134
Created by: sample 3136541828 3139561476 IN IP4 128.102.84.134
Phone number: Sample Digital Video Lab (555) 555-5555
Email: email1 <[email protected]>
URL: http://url.com/
Media: audio 20890 RTP/AVP 0
Media group: 224.2.197.250, ttl: 127
Attribute: ptime:40
Media: video 62806 RTP/AVP 31
Media group: 224.2.190.243, ttl: 127
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
256
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャスト システムおよびネットワーク統計情報の表示例
IP マルチキャスト システムおよびネットワーク統計情報の表示例
show ip mroute
次に、スパース モードで動作しているルータに関する show ip mroute コマンドの出力例を示しま
す。
Router# show ip mroute
IP Multicast Routing Table
Flags: D - Dense, S - Sparse, B - Bidir Group, s - SSM Group, C - Connected,
L - Local, P - Pruned, R - RP-bit set, F - Register flag,
T - SPT-bit set, J - Join SPT, M - MSDP created entry,
X - Proxy Join Timer Running, A - Candidate for MSDP Advertisement,
U - URD, I - Received Source Specific Host Report, Z - Multicast Tunnel,
Y - Joined MDT-data group, y - Sending to MDT-data group
Timers: Uptime/Expires
Interface state: Interface, Next-Hop, State/Mode
(*, 224.0.255.3), uptime 5:29:15, RP is 192.168.37.2, flags: SC
Incoming interface: Tunnel0, RPF neighbor 10.3.35.1, Dvmrp
Outgoing interface list:
GigabitEthernet0, Forward/Sparse, 5:29:15/0:02:57
(192.168.46.0/24, 224.0.255.3), uptime 5:29:15, expires 0:02:59, flags: C
Incoming interface: Tunnel0, RPF neighbor 10.3.35.1
Outgoing interface list:
GigabitEthernet0, Forward/Sparse, 5:29:15/0:02:57
show ip pim interface
次に、インターフェイスを指定した場合の show ip pim interface コマンドのサンプル出力を示しま
す。
Router# show ip pim interface GigabitEthernet1/0/0
Address
Interface
172.16.1.4
GigabitEthernet1/0/0
Ver/
Mode
v2/S
Nbr
Count
1
Query DR
Intvl Prior
100 ms 1
DR
172.16.1.4
次に、show ip pim rp コマンドの出力例を示します。
Router# show ip pim rp
Group:227.7.7.7, RP:10.10.0.2, v2, v1, next RP-reachable in 00:00:48
show ip pim rp
次に、mapping キーワードを指定した show ip pim rp コマンドの出力例を示します。
Router# show ip pim rp mapping
PIM Group-to-RP Mappings
This system is an RP (Auto-RP)
This system is an RP-mapping agent
Group(s) 227.0.0.0/8
RP 10.10.0.2 (?), v2v1, bidir
Info source:10.10.0.2 (?), via Auto-RP
Uptime:00:01:42, expires:00:00:32
Group(s) 228.0.0.0/8
RP 10.10.0.3 (?), v2v1, bidir
Info source:10.10.0.3 (?), via Auto-RP
Uptime:00:01:26, expires:00:00:34
Group(s) 229.0.0.0/8
RP 10.10.0.5 (mcast1.cisco.com), v2v1, bidir
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
257
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
例:IP マルチキャストに対する PIM MIB 拡張のイネーブル化例
Info source:10.10.0.5 (mcast1.cisco.com), via Auto-RP
Uptime:00:00:52, expires:00:00:37
Group(s) (-)230.0.0.0/8
RP 10.10.0.5 (mcast1.cisco.com), v2v1, bidir
Info source:10.10.0.5 (mcast1.cisco.com), via Auto-RP
Uptime:00:00:52, expires:00:00:37
次に、metric キーワードを指定した show ip pim rp コマンドの出力例を示します。
Router# show ip pim rp metric
RP Address
10.10.0.2
10.10.0.3
10.10.0.5
Metric Pref
0
90
90
Metric
0
409600
435200
Flags
L
L
L
RPF Type
unicast
unicast
unicast
Interface
Loopback0
GigabitEthernet3/3/0
GigabitEthernet3/3/0
show ip rpf
次に、show ip rpf コマンドの出力例を示します。
Router# show ip rpf 172.16.10.13
RPF information for host1 (172.16.10.13)
RPF interface: BRI0
RPF neighbor: sj1.cisco.com (172.16.121.10)
RPF route/mask: 172.16.0.0/255.255.0.0
RPF type: unicast
RPF recursion count: 0
Doing distance-preferred lookups across tables
次に、metric キーワードを指定した show ip rpf コマンドの出力例を示します。
Router# show ip rpf 172.16.10.13 metric
RPF information for host1.cisco.com (172.16.10.13)
RPF interface: BRI0
RPF neighbor: neighbor.cisco.com (172.16.121.10)
RPF route/mask: 172.16.0.0/255.255.0.0
RPF type: unicast
RPF recursion count: 0
Doing distance-preferred lookups across tables
Metric preference: 110
例:IP マルチキャストに対する PIM MIB 拡張のイネーブル化例
次に、デバイスの PIM インターフェイスがイネーブルにされたことを示す通知を生成するように
デバイスを設定する例を示します。 最初の行では、PIM トラップが、IP アドレス 10.0.0.1 のホス
トに SNMP v2c として送信されるように設定されます。 2 行目では、トラップ通知の neighbor-change
クラスをホストに送信するように、デバイスが設定されます。
snmp-server host 10.0.0.1 traps version 2c public pim
snmp-server enable traps pim neighbor-change
interface ethernet0/0
ip pim sparse-dense-mode
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
258
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
その他の関連資料
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands List, All Releases』
Cisco IOS IP SLA コマンド
『Cisco IOS IP Multicast Command Reference』
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
RFC 2934
『Protocol Independent Multicast for IPv4 MIB』
MIB
MIB
MIB のリンク
• CISCO-IPMROUTE-MIB
• MSDP-MIB
• IGMP-STD-MIB
選択したプラットフォーム、Cisco IOS XE リ
リース、およびフィーチャ セットの MIB を検
索してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
259
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の機能情報
IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 15:IP マルチキャストのモニタリングおよび保持の機能情報
機能名
リリース
機能の設定情報
PIM MIB 拡張
Cisco IOS XE Release 2.1
Protocol Independent Multicast
(PIM)は、マルチキャスト グ
ループにマルチキャスト デー
タ パケットをルーティングす
るために使用される IP マルチ
キャスト ルーティング プロト
コルです。 RFC 2934 には、
IPv4 MIB 対応 PIM が定義され
ています。これは、簡易ネット
ワーク管理プロトコル
(SNMP)を使用した PIM のリ
モート モニタリングと設定を
可能にする管理対象オブジェク
トに関する記述です。
マルチキャスト ハートビート
Cisco IOS XE Release 2.1
IP マルチキャスト ハートビー
ト機能によって、IPマルチキャ
スト配信のステータスをモニタ
リングし、配信に障害が発生し
た場合に(簡易ネットワーク管
理プロトコル(SNMP)トラッ
プを介して)通知を受ける手段
が提供されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
260
第
12
章
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
• 機能情報の確認, 261 ページ
• IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードに関する情報, 261 ページ
• IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードの設定方法, 267 ページ
• IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードの設定例, 274 ページ
• その他の関連資料, 276 ページ
• IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードに関する機能情報, 278 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードに関する情報
プロトコル独立マルチキャスト
プロトコル独立マルチキャスト(PIM)は、相互に転送されるマルチキャスト パケット、および
直接接続されている LAN に転送されるマルチキャスト パケットを追跡するためにデバイス間で
使用されます。 PIM は、ユニキャスト ルーティング プロトコルとは独立して動作し、他のプロ
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
261
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
プロトコル独立マルチキャスト
トコルと同様に、マルチキャスト ルート アップデートの送受信を実行します。 ユニキャスト ルー
ティング テーブルに値を入力するために LAN でどのユニキャスト ルーティング プロトコルが使
用されているかどうかにかかわらず、Cisco IOS PIM では、独自のルーティング テーブルを構築お
よび管理する代わりに、既存のユニキャスト テーブル コンテンツを使用して、リバース パス転
送(RPF)チェックを実行します。
PIM スパース モード(SM)または PIM 送信元固有マルチキャスト(SSM)動作のいずれかを使
用するように IPv6 マルチキャストを設定することも、ネットワークで PIM-SM と PIM-SSM の両
方を使用することもできます。
PIM スパース モード
IPv6 マルチキャストでは、PIM-SM を使用したドメイン内マルチキャスト ルーティングがサポー
トされています。 PIM-SM は、ユニキャスト ルーティングを使用して、マルチキャスト ツリー構
築用のリバース パス情報を提供しますが、特定のユニキャスト ルーティング プロトコルには依
存しません。
PIM-SM は、トラフィックに対して明示的な要求がある場合を除いて、各マルチキャストに関与
しているデバイスの数が比較的少なく、これらのデバイスがグループのマルチキャスト パケット
を転送しないときに、マルチキャスト ネットワークで使用されます。 PIM-SM は、共有ツリー上
のデータ パケットを転送することによって、アクティブな送信元に関する情報を配布します。
PIM-SM は最初に共有ツリーを使用しますが、これには RP の使用が必要となります。
要求は、ツリーのルート ノードに向けてホップバイホップで送信される PIM join を使用して行わ
れます。 PIM-SM のツリーのルート ノードは、共有ツリーの場合は RP、最短パス ツリー(SPT)
の場合はマルチキャスト送信元に直接接続されているファーストホップ デバイスになります。 RP
はマルチキャストグループを追跡し、マルチキャストパケットを送信するホストはそのホストの
ファーストホップ デバイスによって RP に登録されます。
PIM join がツリーの上位方向に送信されると、要求されたマルチキャスト トラフィックがツリー
の下位方向に転送されるように、パス上のデバイスがマルチキャスト転送ステートを設定します。
マルチキャストトラフィックが不要になったら、デバイスはルートノードに向けてツリーの上位
方向に PIM prune を送信し、不必要なトラフィックをプルーニング(削除)送信します。 この PIM
prune がホップごとにツリーを上位方向に移動する際、各デバイスはその転送状態を適切に更新し
ます。最終的に、マルチキャストグループまたは送信元に関連付けられている転送ステートは削
除されます。
マルチキャストデータの送信側は、マルチキャストグループを宛先としたデータを送信します。
送信側の指定ルータ(DR)は、これらのデータ パケットを受け取り、ユニキャストでカプセル化
し、RP に直接送信します。 RP は、カプセル化されたこれらのデータ パケットを受信し、カプセ
ル化を解除し、共有ツリー上に転送します。 その後、パケットは、RP ツリー上のデバイスの(*,
G)マルチキャスト ツリー ステートに従って、RP ツリー ブランチの任意の場所に複製され、そ
のマルチキャスト グループのすべての受信側に最終的に到達します。 RP へのデータ パケットの
カプセル化のプロセスは登録と呼ばれ、カプセル化されたパケットは PIM レジスタ パケットと呼
ばれます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
262
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
プロトコル独立マルチキャスト
指定ルータ
シスコ デバイスは、LAN セグメント上に複数のデバイスが存在する場合、PIM-SM を使用してマ
ルチキャスト トラフィックを転送し、選択プロセスに従って指定デバイスを選択します。
指定ルータ(DR)は、PIM register メッセージ、PIM join メッセージ、および PIM prune メッセー
ジを RP に送信し、アクティブな送信元およびホスト グループ メンバーシップに関する情報を通
知します。
LAN 上に複数の PIM-SM デバイスが存在する場合は、DR を選択して、接続されているホストに
対するマルチキャスト トラフィックの重複を回避する必要があります。 ipv6 pim dr-priority コマ
ンドを使用して DR の選択を強制することを選択しない限り、最も大きい IPv6 アドレスの PIM デ
バイスが LAN の DR になります。 このコマンドでは、LAN セグメント上の各デバイスの DR プ
ライオリティ(デフォルトのプライオリティ = 1)を指定して、最もプライオリティの高いデバイ
スが DR として選択されるようにすることができます。 LAN セグメント上のすべてのデバイスの
プライオリティが同じ場合にも、最上位 IPv6 アドレスを持つデバイスが選択されます。
下の図に、マルチアクセス セグメントでの動作を示します。 デバイス A およびデバイス B は、
ホスト A をグループ A のアクティブな受信側として使用する共通のマルチアクセス イーサネット
セグメントに接続されます。 DR として動作するデバイス A だけが join を RP に送信して、グルー
プ A の共有ツリーを構築します。 デバイス B も RP への(*, G)join の送信を許可されている場
合は、パラレル パスが作成され、ホスト A が重複マルチキャスト トラフィックを受信します。
ホスト A がグループにマルチキャスト トラフィックを送信し始めたら、DR は register メッセージ
を RP に送信する役割を担います。 両方のデバイスに役割が割り当てられている場合は、RP が重
複マルチキャスト パケットを受信します。
図 16:マルチアクセス セグメントでの代表ルータの選択
DR で障害が発生した場合、PIM-SM はデバイス A の障害を検出し、フェールオーバー DR を選択
する手段を提供します。 DR(デバイス A)が動作不能になった場合、デバイス A とネイバーと
の隣接関係がタイムアウトすると、デバイス B はその状況を検出します。 デバイス B はホスト A
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
263
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
プロトコル独立マルチキャスト
から MLD メンバーシップ レポートを受けているため、このインターフェイスでグループ A の
MLD ステートをすでに持ち、新しい DR になると即座に RP に join を送信します。 この段階で、
デバイス B を経由する共有ツリーの新しいブランチの下位方向へのトラフィック フローが再び確
立されます。 また、ホスト A がトラフィックを送信していた場合、デバイス B は、ホスト A か
ら次のマルチキャストパケットを受信した直後に、新しい登録プロセスを開始します。このアク
ションがトリガーとなって、RP は、デバイス B を経由する新しいブランチを介して、ホスト A
への SPT に加入します。
ヒント
2 つの PIM デバイスが直接接続されている場合、これらのデバイスはネイバーになります。
PIM ネイバーを表示するには、特権 EXEC モードで show ipv6 pim neighbor コマンドを使用し
ます。
(注)
DR 選択プロセスは、マルチアクセス LAN のみで必要です。
ランデブー ポイント
IPv6 PIM では、組み込み RP がサポートされています。 組み込み RP サポートを利用すると、デ
バイスは、スタティックに設定されている RP の代わりに、マルチキャスト グループ宛先アドレ
スを使用して RP 情報を学習できるようになります。 デバイスが RP である場合、RP としてスタ
ティックに設定する必要があります。
デバイスは、MLD レポート内、または PIM メッセージおよびデータ パケット内の組み込み RP
グループアドレスを検索します。このようなアドレスが見つかったら、デバイスはアドレス自体
からグループの RP を学習します。 この学習された RP は、グループのすべてのプロトコル アク
ティビティに使用されます。 デバイスが RP である場合、組み込み RP を RP として設定する必要
があり、デバイスはそのようにアドバタイズされます。
組み込み RP よりも優先するスタティック RP を選択するには、特定の組み込み RP グループ範囲
またはマスクをスタティック RP のアクセス リストに設定する必要があります。 PIM がスパース
モードで設定されている場合は、RP として動作する 1 つ以上のデバイスを選択する必要もありま
す。 RP は、共有配布ツリーの選択ポイントに配置された単一の共通ルートであり、各ボックス
でスタティックに設定されます。
PIM DR は、共有ツリーの下位方向に配布するために、直接接続されているマルチキャスト送信元
から RP にデータを転送します。 データは次の 2 つの方法のいずれかを使用して RP に転送されま
す。
• データは、登録パケットにカプセル化され、DR として動作するファーストホップ デバイス
によって直接 RP にユニキャストされます。
• RP 自身が送信元ツリーに加入している場合は、PIM スパース モードの項で説明したように、
RPF 転送アルゴリズムに従ってマルチキャスト転送されます。
RP アドレスは、パケットをグループに送信するホストの代わりに、ファーストホップ デバイス
で PIM register メッセージを送信するために使用されます。 また、ラストホップ デバイスでも、
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
264
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
プロトコル独立マルチキャスト
PIM join および prune メッセージを RP に送信してグループ メンバーシップについて通知するため
に使用されます。 すべてのデバイス(RP デバイスを含む)で RP アドレスを設定する必要があり
ます。
1 台の PIM デバイスを、複数のグループの RP にできます。 特定のグループの PIM ドメイン内で
一度に使用できる RP アドレスは 1 つだけです。 アクセス リストで指定されている条件によっ
て、デバイスがどのグループの RP であるかが判別されます。
IPv6 マルチキャストでは、PIM accept register 機能がサポートされています。これは、RP で PIM-SM
register メッセージのフィルタリングを実行するための機能です。 ユーザは、アクセス リストを
照合するか、または登録されている送信元の AS パスとルート マップに指定されている AS パス
を比較できます。
PIM 共有ツリーおよび送信元ツリー(最短パス ツリー)
デフォルトでは、グループのメンバは、RP をルートとする単一のデータ配布ツリーを通じて、送
信側からグループへのデータを受信します。 このタイプの配布ツリーは、共有ツリーまたはラン
デブー ポイント ツリー(RPT)と呼ばれます(下の図を参照)。 送信側からのデータは、RP に
配信され、その共有ツリーに加入しているグループ メンバに配布されます。
図 17:共有ツリーおよび送信元ツリー(最短パス ツリー)
データしきい値で保証される場合、共有ツリー上のリーフ デバイスは、送信元をルートとする
データ配布ツリーへの切り替えを開始できます。このタイプの配布ツリーは、最短パスツリーま
たは送信元ツリーと呼ばれます。 デフォルトでは、ソフトウェアが送信元から最初のデータ パ
ケットを受信すると、送信元ツリーに切り替わります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
265
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
プロトコル独立マルチキャスト
次に、共有ツリーから送信元ツリーに切り替わるプロセスの詳細を示します。
1 受信側がグループに加入します。リーフ デバイス C が RP に join メッセージを送信します。
2 RP がデバイス C へのリンクを発信インターフェイス リストに登録します。
3 送信元がデータを送信します。デバイス A が register にデータをカプセル化し、それを RP に
送信します。
4 RP が共有ツリーの下位方向のデバイス C にデータを転送し、送信元に join メッセージを送信
します。 この時点で、データはデバイス C に 2 回(カプセル化された状態で 1 回、ネイティ
ブの状態で 1 回)着信する可能性があります。
5 データがネイティブの(カプセル化されていない)状態で RP に着信すると、RP はデバイス
A に register-stop メッセージを送信します。
6 デフォルトでは、デバイス C は、最初のデータ パケットを受信した時点で、送信元に join メッ
セージを送信します。
7 デバイス C が(S, G)でデータを受信すると、デバイス C は共有ツリーの上位方向にある送信
元に prune メッセージを送信します。
8 RP が(S, G)の発信インターフェイスからデバイス C へのリンクを削除します。
9 RP が送信元への prune メッセージをトリガーします。
送信元および RP に join および prune メッセージが送信されます。 これらのメッセージはホップ
単位で送信され、送信元または RP へのパス上にある各 PIM デバイスで処理されます。 register お
よび register-stop メッセージは、ホップバイホップで送信されません。 これらのメッセージは、
送信元に直接接続されている指定ルータ(DR)によって送信され、グループの RP によって受信
されます。
リバース パス転送
リバース パス転送は、マルチキャスト データグラムの転送に使用されます。 これは、次のよう
に機能します。
• デバイスで送信元へのユニキャスト パケットの送信に使用しているインターフェイスでデー
タグラムを受信すると、パケットは RPF インターフェイスに着信しています。
• パケットが RPF インターフェイスに着信した場合、デバイスは、マルチキャスト ルーティ
ング テーブル エントリの発信インターフェイス リストに存在するインターフェイスにパケッ
トを転送します。
• パケットが RPF インターフェイスに着信しない場合、パケットはループを回避するためにサ
イレントにドロップされています。
PIM では、送信元ツリーと RP をルートとする共有ツリーの両方を使用してデータグラムを転送
します。RPF チェックは、次のようにそれぞれ異なる方法で実行されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
266
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードの設定方法
• PIM デバイスが送信元ツリー ステートである場合(つまり、(S, G)エントリがマルチキャ
スト ルーティング テーブル内にある場合)、マルチキャスト パケットの送信元の IPv6 アド
レスに対して RPF チェックが実行されます。
• PIM デバイスが共有ツリー ステートである場合(および送信元ツリー ステートが明示され
ていない場合)、(メンバがグループに加入している場合は既知である)RP のアドレスに対
して RPF チェックが実行されます。
空間モード PIM では、RPF ルックアップ機能を使用して、join および prune の送信先を決定しま
す。 (S, G)join(送信元ツリー ステート)は送信元に向けて送信されます。 (*, G)join(共有
ツリー ステート)は RP に向けて送信されます。
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードの設定方法
IPv6 マルチキャスト ルーティングのイネーブル化
IPv6 マルチキャストは、MLD バージョン 2 を使用します。 このバージョンの MLD には、MLD
バージョン 1 との完全な下位互換性があります(RFC 2710 で規定)。 MLD バージョン 1 だけを
サポートするホストは、MLD バージョン 2 を実行しているデバイスと相互運用します。 MLD バー
ジョン 1 ホストと MLD バージョン 2 ホストの両方が混在する LAN もサポートされています。
はじめる前に
最初に、IPv6 マルチキャスト ルーティングをイネーブルにするデバイスのすべてのインターフェ
イスで、IPv6 ユニキャスト ルーティングをイネーブルにする必要があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 multicast-routing [vrf vrf-name]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
267
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
PIM-SM の設定およびグループ範囲の PIM-SM 情報の表示
ステップ 2
コマンドまたはアクション
目的
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 multicast-routing [vrf
vrf-name]
例:
Device(config)# ipv6
multicast-routing
すべての IPv6 対応インターフェイスでマルチキャスト ルーティン
グをイネーブルにし、イネーブルになっているすべてのデバイス イ
ンターフェイスで PIM および MLD に対してマルチキャスト転送を
イネーブルにします。
• IPv6 マルチキャスト ルーティングは、IPv6 ユニキャスト ルー
ティングがイネーブルの場合、デフォルトでディセーブルで
す。 特定のデバイスでは、IPv6 ユニキャスト ルーティングを
使用するには、IPv6 マルチキャスト ルーティングもイネーブル
にする必要があります。
PIM-SM の設定およびグループ範囲の PIM-SM 情報の表示
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 pim [vrf vrf-name] rp-address ipv6-address [group-access-list] [bidir]
4. end
5. show ipv6 pim [vrf vrf-name] interface [state-on] [state-off] [type number]
6. show ipv6 pim [vrf vrf-name] group-map [group-name | group-address] | [group-range | group-mask]
[info-source {bsr | default | embedded-rp | static}]
7. show ipv6 pim [vrf vrf-name] neighbor [detail] [interface-type interface-number | count]
8. show ipv6 pim [vrf vrf-name] range-list[config] [rp-address | rp-name]
9. show ipv6 pim [vrf vrf-name] tunnel [interface-type interface-number]
10. debug ipv6 pim [group-name | group-address | interface interface-type | bsr | group | mvpn | neighbor]
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
268
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
PIM-SM の設定およびグループ範囲の PIM-SM 情報の表示
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場
例:
合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを
開始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 pim [vrf vrf-name] rp-address ipv6-address
[group-access-list] [bidir]
特定のグループ範囲の PIM RP のアドレスを設
定します。
例:
Device(config)# ipv6 pim rp-address
2001:DB8::01:800:200E:8C6C acc-grp-1
ステップ 4
特権 EXEC モードに戻ります。
end
例:
Device(config-if)# end
ステップ 5
show ipv6 pim [vrf vrf-name] interface [state-on]
[state-off] [type number]
PIM に対して設定されたインターフェイスに
関する情報を表示します。
例:
Device# show ipv6 pim interface
ステップ 6
show ipv6 pim [vrf vrf-name] group-map [group-name IPv6 マルチキャスト グループ マッピング テー
| group-address] | [group-range | group-mask]
ブルを表示します。
[info-source {bsr | default | embedded-rp | static}]
例:
Device# show ipv6 pim group-map
ステップ 7
show ipv6 pim [vrf vrf-name] neighbor [detail]
[interface-type interface-number | count]
Cisco IOS ソフトウェアで検出された PIM ネイ
バーを表示します。
例:
Device# show ipv6 pim neighbor
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
269
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
PIM オプションの設定
ステップ 8
コマンドまたはアクション
目的
show ipv6 pim [vrf vrf-name] range-list[config]
[rp-address | rp-name]
IPv6 マルチキャスト範囲リストに関する情報
を表示します。
例:
Device# show ipv6 pim range-list
ステップ 9
show ipv6 pim [vrf vrf-name] tunnel [interface-type
interface-number]
インターフェイス上の PIM レジスタのカプセ
ル化およびカプセル化解除トンネルに関する情
報を表示します。
例:
Device# show ipv6 pim tunnel
ステップ 10
debug ipv6 pim [group-name | group-address | interface PIMプロトコルアクティビティに対するデバッ
interface-type | bsr | group | mvpn | neighbor]
グをイネーブルにします。
例:
Device# debug ipv6 pim
PIM オプションの設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 pim [vrf vrf-name] spt-threshold infinity [group-list access-list-name]
4. ipv6 pim [vrf vrf-name] accept-register {list access-list | route-map map-name}
5. interface type number
6. ipv6 pim dr-priority value
7. ipv6 pim hello-interval seconds
8. ipv6 pim join-prune-interval seconds
9. exit
10. show ipv6 pim [vrf vrf-name] join-prune statistic [interface-type]
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
270
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
PIM オプションの設定
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始
します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 pim [vrf vrf-name] spt-threshold infinity
[group-list access-list-name]
PIM リーフ デバイスが指定したグループの SPT に
加入するタイミングを設定します。
例:
Device(config)# ipv6 pim spt-threshold
infinity group-list acc-grp-1
ステップ 4
ipv6 pim [vrf vrf-name] accept-register {list
access-list | route-map map-name}
RP のレジスタを許可または拒否します。
例:
Device(config)# ipv6 pim accept-register
route-map reg-filter
ステップ 5
interface type number
例:
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバイ
スをインターフェイスコンフィギュレーションモー
ドにします。
Device(config)# interface FastEthernet 1/0
ステップ 6
ipv6 pim dr-priority value
PIM デバイスの DR プライオリティを設定します。
例:
Device(config-if)# ipv6 pim dr-priority 3
ステップ 7
ipv6 pim hello-interval seconds
インターフェイスにおける PIM hello メッセージの
頻度を設定します。
例:
Device(config-if)# ipv6 pim hello-interval
45
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
271
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
PIM トラフィック カウンタのリセット
ステップ 8
コマンドまたはアクション
目的
ipv6 pim join-prune-interval seconds
指定したインターフェイスに対して join および prune
の定期的な通知間隔を設定します。
例:
Device(config-if)# ipv6 pim
join-prune-interval 75
ステップ 9
exit
例:
このコマンドを 2 回入力して、インターフェイス
コンフィギュレーション モードを終了し、特権
EXEC モードを開始します。
Device(config-if)# exit
ステップ 10
show ipv6 pim [vrf vrf-name] join-prune statistic 各インターフェイスの最後の集約パケットに関する
[interface-type]
平均 join-prune 集約を表示します。
例:
Device# show ipv6 pim join-prune statistic
PIM トラフィック カウンタのリセット
PIM が誤動作する場合、または予想される PIM パケット数が送受信されていることを確認するた
めに、PIM トラフィック カウンタをクリアします。 トラフィック カウンタがクリアされると、
PIM が正しく動作していること、および PIM パケットが正しく送受信されていることを確認でき
ます。
手順の概要
1. enable
2. clear ipv6 pim [vrf vrf-name] traffic
3. show ipv6 pim [vrf vrf-name] traffic
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場
合)。
Device> enable
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
272
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
指定したインターフェイスでの IPv6 PIM のオフ
ステップ 2
コマンドまたはアクション
目的
clear ipv6 pim [vrf vrf-name] traffic
PIM トラフィック カウンタをリセットします。
例:
Device# clear ipv6 pim traffic
ステップ 3
show ipv6 pim [vrf vrf-name] traffic
PIM トラフィック カウンタを表示します。
例:
Device# show ipv6 pim traffic
指定したインターフェイスでの IPv6 PIM のオフ
特定のインターフェイスだけで IPv6 マルチキャストを実行する必要がある場合、指定したイン
ターフェイスで PIM をオフにすることができます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. no ipv6 pim
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始しま
す。
例:
Device# configure terminal
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
273
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードの設定例
ステップ 3
コマンドまたはアクション
目的
interface type number
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバイス
をインターフェイス コンフィギュレーション モードに
します。
例:
Device(config)# interface FastEthernet
1/0
ステップ 4
指定したインターフェイスで IPv6 PIM をオフにしま
す。
no ipv6 pim
例:
Device(config-if)# no ipv6 pim
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードの設定例
例:IPv6 マルチキャスト ルーティングのイネーブル化
次に、すべてのインターフェイスでマルチキャスト ルーティングをイネーブルにし、イネーブル
になっているすべてのデバイス インターフェイスで PIM および MLD に対してマルチキャスト転
送をイネーブルにする例を示します。
Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# ipv6 multicast-routing
例:PIM の設定
次に、2001:DB8::1 を RP として使用して、PIM-SM を使用するようにデバイスを設定する例を示
します。 ここでは、SPT しきい値を infinity(無制限)に設定して、送信元がトラフィックの送信
を開始したときに送信元ツリーへの切り替えが起こらないようにしています。また、ローカル マ
ルチキャスト BGP プレフィックスを持たないすべての送信元でフィルタを設定しています。
Device(config)#
Device(config)#
Device(config)#
Device(config)#
ipv6
ipv6
ipv6
ipv6
multicast-routing
pim rp-address 2001:DB8::1
pim spt-threshold infinity
pim accept-register route-map reg-filter
例:IPv6 PIM トポロジ情報の表示
Device# show ipv6 pim topology
IP PIM Multicast Topology Table
Entry state:(*/S,G)[RPT/SPT] Protocol Uptime Info
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
274
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
例:グループ範囲の PIM-SM 情報の表示
Entry flags:KAT - Keep Alive Timer, AA - Assume Alive, PA - Probe Alive,
RA - Really Alive, LH - Last Hop, DSS - Don't Signal Sources,
RR - Register Received, SR - Sending Registers, E - MSDP External,
DCC - Don't Check Connected
Interface state:Name, Uptime, Fwd, Info
Interface flags:LI - Local Interest, LD - Local Dissinterest,
II - Internal Interest, ID - Internal Dissinterest,
LH - Last Hop, AS - Assert, AB - Admin Boundary
(*,FF05::1)
SM UP:02:26:56 JP:Join(now) Flags:LH
RP:2001:DB8:1:1:2
RPF:Ethernet1/1,FE81::1
Ethernet0/1
02:26:56 fwd LI LH
(2001:DB8:1:1:200,FF05::1)
SM UP:00:00:07 JP:Null(never) Flags:
RPF:Ethernet1/1,FE80::30:1:4
Ethernet1/1
00:00:07 off LI
例:グループ範囲の PIM-SM 情報の表示
次に、PIM に対して設定されたインターフェイスに関する情報を表示する例を示します。
Device# show ipv6 pim interface state-on
Interface
PIM
Nbr
Hello
Count Intvl
DR
Prior
Ethernet0
on
0
30
1
Address:FE80::208:20FF:FE08:D7FF
DR
:this system
POS1/0
on
0
30
1
Address:FE80::208:20FF:FE08:D554
DR
:this system
POS4/0
on
1
30
1
Address:FE80::208:20FF:FE08:D554
DR
:FE80::250:E2FF:FE8B:4C80
POS4/1
on
0
30
1
Address:FE80::208:20FF:FE08:D554
DR
:this system
Loopback0
on
0
30
1
Address:FE80::208:20FF:FE08:D554
DR
:this system
次に、IPv6 マルチキャスト グループ マッピング テーブルを表示する例を示します。
Device# show ipv6 pim group-map
FF33::/32*
SSM
Info source:Static
Uptime:00:08:32, Groups:0
FF34::/32*
SSM
Info source:Static
Uptime:00:09:42, Groups:0
次に、IPv6 マルチキャスト範囲リストに関する情報を表示する例を示します。
Device# show ipv6 pim range-list
config SSM
FF33::/32
FF34::/32
FF35::/32
FF36::/32
FF37::/32
FF38::/32
FF39::/32
FF3A::/32
Exp:never Learnt from :::
Up:00:26:33
Up:00:26:33
Up:00:26:33
Up:00:26:33
Up:00:26:33
Up:00:26:33
Up:00:26:33
Up:00:26:33
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
275
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
例:PIM オプションの設定
FF3B::/32 Up:00:26:33
FF3C::/32 Up:00:26:33
FF3D::/32 Up:00:26:33
FF3E::/32 Up:00:26:33
FF3F::/32 Up:00:26:33
config SM RP:40::1:1:1 Exp:never Learnt from :::
FF13::/64 Up:00:03:50
config SM RP:40::1:1:3 Exp:never Learnt from :::
FF09::/64 Up:00:03:50
例:PIM オプションの設定
次に、イーサネット インターフェイス 0/0 で DR プライオリティ、PIM hello 間隔、および join/prune
の定期的な通知間隔を設定する例を示します。
Device(config)# interface Ethernet0/0
Device(config)# ipv6 pim hello-interval 60
Device(config)# ipv6 pim dr-priority 3
例:PIM トラフィック情報の表示
Device# show ipv6 pim traffic
PIM Traffic Counters
Elapsed time since counters cleared:00:05:29
Valid PIM Packets
Hello
Join-Prune
Register
Register Stop
Assert
Bidir DF Election
Received
22
22
0
0
0
0
0
Errors:
Malformed Packets
Bad Checksums
Send Errors
Packet Sent on Loopback Errors
Packets Received on PIM-disabled Interface
Packets Received with Unknown PIM Version
Sent
22
22
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
0
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IPv6 のアドレッシングと接続
『IPv6 Configuration Guide』
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
276
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
その他の関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
IPv6 コマンド
『Cisco IOS IPv6 Command
Reference』
Cisco IOS IPv6 機能
『Cisco IOS IPv6 Feature
Mapping』
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
IPv6 用 RFC
『IPv6 RFCs』
MIB
MIB
MIB のリンク
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
277
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードに関する機能情報
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードに関する機能情
報
表 16:IPv6 マルチキャストに関する機能情報:PIM スパース モード
機能名
リリース
機能情報
IPv6 マルチキャスト:PIM
Accept Register
12.0(26)S
PIM accept register は、RP で
PIM-SM register メッセージの
フィルタリングを実行するため
の機能です。
12.3(4)T
12.2(25)S
12.2(25)SG
12.2(33)SRA
12.2(33)SXH
ipv6 pim accept-register コマン
ドが導入または変更されまし
た。
12.4
12.4(2)T
Cisco IOS XE Release 2.1
15.0(1)S
IPv6 マルチキャスト:PIM 組み 12.3(4)T
込み RP サポート
12.4
12.2(40)SG
15.0(2)SG
12.2(33)SRA
12.2(33)SXH
組み込み RP サポートを利用す
ると、ルータは、スタティック
に設定されている RP の代わり
に、マルチキャスト グループ
宛先アドレスを使用して RP 情
報を学習できるようになりま
す。
次のコマンドが導入または変更
されました。ipv6 pim、ipv6
pim rp embedded。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
278
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードに関する機能情報
機能名
リリース
機能情報
IPv6 マルチキャスト:PIM ス
パース モード
12.0(26)S
PIM-SM は、ユニキャスト ルー
ティングを使用して、マルチ
キャストツリー構築用のリバー
ス パス情報を提供します。
PIM-SM は、トラフィックに対
して明示的な要求がある場合を
除いて、各マルチキャストに関
与しているルータの数が比較的
少なく、これらのルータがグ
ループのマルチキャストパケッ
トを転送しないときに、マルチ
キャスト ネットワークで使用
されます。
12.2(18)S
12.2(25)SG
12.2(33)SRA
12.3(2)T
12.4
12.4(2)T
Cisco IOS XE Release 2.4
15.0(1)S
次のコマンドが導入または変更
されました。clear ipv6 pim
topology、debug ipv6 pim、
debug ipv6 pim neighbor、ipv6
pim、ipv6 pim dr-priority、ipv6
pim hello-interval、ipv6 pim
rp-address、ipv6 pim
spt-threshold infinity、show ipv6
mroute、show ipv6 pim
group-map、show ipv6 pim
interface、show ipv6 pim
neighbor、show ipv6 pim
range-list、show ipv6 pim
topology、show ipv6 pim
tunnel。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
279
IPv6 マルチキャスト:PIM スパース モード
IPv6 マルチキャスト PIM スパース モードに関する機能情報
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
280
第
13
章
IPv6 マルチキャスト:IPv6 のスタティック
マルチキャスト ルーティング
IPv6 スタティック マルチキャスト ルート、つまり、mroute は、IPv6 スタティック ルートと同じ
データベースを共有し、リバース パス転送(RPF)チェックに対するスタティック ルート サポー
トを拡張することによって実装されます。
• 機能情報の確認, 281 ページ
• IPv6 スタティック mroute について, 282 ページ
• IPv6 スタティック マルチキャスト ルートの設定方法, 282 ページ
• IPv6 スタティック マルチキャスト ルートの設定例, 284 ページ
• その他の関連資料, 284 ページ
• IPv6 マルチキャストの機能情報:IPv6 のスタティック マルチキャスト ルーティング, 286
ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
281
IPv6 マルチキャスト:IPv6 のスタティック マルチキャスト ルーティング
IPv6 スタティック mroute について
IPv6 スタティック mroute について
IPv6 スタティック mroute は、RPF チェックを変化させるために使用する IPv4 スタティック mroute
とほぼ同様に動作します。 IPv6 スタティック mroute は、IPv6 スタティック ルートと同じデータ
ベースを共有し、RPF チェックに対するスタティック ルート サポートを拡張することによって実
装されます。 スタティック mroute では、等コスト マルチパス mroute がサポートされています。
また、ユニキャスト専用スタティック ルートもサポートされています。
IPv6 スタティック マルチキャスト ルートの設定方法
スタティック mroute の設定
IPv6 のスタティック マルチキャスト ルート(mroute)は、IPv6 スタティック ルートの拡張とし
て実装できます。デバイスを設定する際には、ユニキャストルーティング専用としてスタティッ
ク ルートを使用するか、マルチキャスト RPF 選択専用としてスタティック マルチキャスト ルー
トを使用するか、またはユニキャストルーティングとマルチキャストRPF選択の両方にスタティッ
ク ルートを使用するように設定できます。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 route ipv6-prefix / prefix-length ipv6-address | interface-type interface-number ipv6-address]}
[administrative-distance] [administrative-multicast-distance | unicast| multicast] [tag tag
4. end
5. show ipv6 mroute [vrf vrf-name] [link-local | [group-name | group-address [source-address |
source-name]] [summary] [count]
6. show ipv6 mroute [vrf vrf-name] [link-local | group-name | group-address] active[kbps]
7. show ipv6 rpf [vrf vrf-name] ipv6-prefix
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場
合)。
Device> enable
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
282
IPv6 マルチキャスト:IPv6 のスタティック マルチキャスト ルーティング
スタティック mroute の設定
ステップ 2
コマンドまたはアクション
目的
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開
始します。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 route ipv6-prefix / prefix-length ipv6-address
| interface-type interface-number ipv6-address]}
[administrative-distance]
[administrative-multicast-distance | unicast| multicast]
[tag tag
スタティック IPv6 ルートを確立します。 この例
は、ユニキャスト ルーティングとマルチキャス
ト RPF 選択の両方に使用されるスタティック
ルートを示しています。
例:
Device(config)# ipv6 route 2001:DB8::/64 6::6
100
ステップ 4
特権 EXEC モードに戻ります。
end
例:
Device(config-if)# end
ステップ 5
show ipv6 mroute [vrf vrf-name] [link-local |
[group-name | group-address [source-address |
source-name]] [summary] [count]
IPv6 マルチキャスト ルーティング テーブルの内
容を表示します。
例:
Device# show ipv6 mroute ff07::1
ステップ 6
show ipv6 mroute [vrf vrf-name] [link-local |
group-name | group-address] active[kbps]
デバイス上のアクティブなマルチキャスト スト
リームを表示します。
例:
Device# show ipv6 mroute active
ステップ 7
show ipv6 rpf [vrf vrf-name] ipv6-prefix
特定のユニキャスト ホスト アドレスおよびプレ
フィックスの RPF 情報を確認します。
例:
Device# show ipv6 rpf 2001:DB8::1:1:2
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
283
IPv6 マルチキャスト:IPv6 のスタティック マルチキャスト ルーティング
IPv6 スタティック マルチキャスト ルートの設定例
IPv6 スタティック マルチキャスト ルートの設定例
例:スタティック mroute の設定
show ipv6 mroute コマンドを使用すると、マルチキャスト IPv6 データが流れていることを確認す
ることができます。
Device# show ipv6 mroute ff07::1
Multicast Routing Table
Flags:D - Dense, S - Sparse, B - Bidir Group, s - SSM Group,
C - Connected, L - Local, I - Received Source Specific Host Report,
P - Pruned, R - RP-bit set, F - Register flag, T - SPT-bit set,
J - Join SPT
Timers:Uptime/Expires
Interface state:Interface, State
(*, FF07::1), 00:04:45/00:02:47, RP 2001:DB8:6::6, flags:S
Incoming interface:Tunnel5
RPF nbr:6:6:6::6
Outgoing interface list:
POS4/0, Forward, 00:04:45/00:02:47
(2001:DB8:999::99, FF07::1), 00:02:06/00:01:23, flags:SFT
Incoming interface:POS1/0
RPF nbr:2001:DB8:999::99
Outgoing interface list:
POS4/0, Forward, 00:02:06/00:03:27
次に、show ipv6 mroute active コマンドの出力例を示します。
Device# show ipv6 mroute active
Active IPv6 Multicast Sources - sending >= 4 kbps
Group:FF05::1
Source:2001:DB8:1:1:1
Rate:11 pps/8 kbps(1sec), 8 kbps(last 8 sec)
次に、IPv6 アドレスが 2001:DB8:1:1:2 のユニキャスト ホストの RPF 情報を表示する例を示しま
す。
Device# show ipv6 rpf 2001:DB8:1:1:2
RPF information for 2001:DB8:1:1:2
RPF interface:Ethernet3/2
RPF neighbor:FE80::40:1:3
RPF route/mask:20::/64
RPF type:Unicast
RPF recursion count:0
Metric preference:110
Metric:30
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IPv6 のアドレッシングと接続
『IPv6 Configuration Guide』
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
284
IPv6 マルチキャスト:IPv6 のスタティック マルチキャスト ルーティング
その他の関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
IPv6 コマンド
『Cisco IOS IPv6 Command
Reference』
Cisco IOS IPv6 機能
『Cisco IOS IPv6 Feature
Mapping』
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
IPv6 用 RFC
『IPv6 RFCs』
MIB
MIB
MIB のリンク
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
285
IPv6 マルチキャスト:IPv6 のスタティック マルチキャスト ルーティング
IPv6 マルチキャストの機能情報:IPv6 のスタティック マルチキャスト ルーティング
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IPv6 マルチキャストの機能情報:IPv6 のスタティック マ
ルチキャスト ルーティング
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 17:IPv6 マルチキャストの機能情報:IPv6 のスタティック マルチキャスト ルーティング
機能名
リリース
機能情報
IPv6 マルチキャスト:IPv6 の
スタティック マルチキャスト
ルーティング(mroute)
12.0(26)S
IPv6 スタティック mroute は、
IPv6 スタティック ルートと同
じデータベースを共有し、スタ
ティック ルート サポートを拡
張することによって実装されま
す。
12.3(4)T
12.2(25)S
12.2(33)SRA
12.2(33)SXH
12.4
12.4(2)T
Cisco IOS XE Release 2.4
15.0(1)S
次のコマンドが導入または変更
されました。ipv6 route、show
ipv6 mroute、show ipv6 mroute
active、show ipv6 rpf。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
286
第
14
章
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific
Multicast
• 機能情報の確認, 287 ページ
• IPv6 マルチキャストの前提条件:PIM Source-Specific Multicast , 288 ページ
• IPv6 マルチキャストについて:PIM Source-Specific Multicast, 288 ページ
• IPv6 マルチキャストの設定方法:PIM Source-Specific Multicast, 292 ページ
• IPv6 マルチキャストの設定例:PIM Source-Specific Multicast, 297 ページ
• その他の関連資料, 298 ページ
• IPv6 マルチキャストの機能情報:PIM Source-Specific Multicast, 299 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
287
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
IPv6 マルチキャストの前提条件:PIM Source-Specific Multicast
IPv6 マルチキャストの前提条件:PIM Source-Specific
Multicast
• Source Specific Multicast(SSM)を動作させるには、マルチキャスト リスナー検出(MLD)
バージョン 2 が必要です。
• MLD を使用して SSM を動作させるには、Cisco IPv6 デバイス、アプリケーションが実行さ
れているホスト、およびアプリケーション自体で SSM がサポートされている必要がありま
す。
IPv6 マルチキャストについて:PIM Source-Specific
Multicast
IPv6 マルチキャスト ルーティングの実装
Cisco ソフトウェアでは、IPv6 マルチキャスト ルーティングを実装するため、次のプロトコルが
サポートされています。
• MLD は、直接接続されているリンク上のマルチキャスト リスナー(特定のマルチキャスト
アドレスを宛先としたマルチキャスト パケットを受信するために使用するノード)を検出す
るために IPv6 デバイスで使用されます。 MLD には 2 つのバージョンがあります。
• MLD バージョン 1 は、バージョン 2 の Internet Group Management Protocol(IGMP)for
IPv4 をベースとしています。
• MLD バージョン 2 は、バージョン 3 の IGMP for IPv4 をベースとしています。
• Cisco ソフトウェアの IPv6 マルチキャストでは、MLD バージョン 2 と MLD バージョン 1 の
両方が使用されます。 MLD バージョン 2 は、MLD バージョン 1 と完全な下位互換性があり
ます(RFC 2710 で規定)。 MLD バージョン 1 だけをサポートするホストは、MLD バージョ
ン 2 を実行しているデバイスと相互運用します。 MLD バージョン 1 ホストと MLD バージョ
ン 2 ホストの両方が混在する LAN もサポートされています。
• PIM-SM は、相互に転送されるマルチキャスト パケット、および直接接続されている LAN
に転送されるマルチキャスト パケットを追跡するためにデバイス間で使用されます。
• PIM in Source Specific Multicast(PIM-SSM)は PIM-SM と類似していますが、IP マルチキャ
スト アドレスを宛先とした特定の送信元アドレス(または特定の送信元アドレスを除くすべ
てのアドレス)からのパケットを受信する対象をレポートする機能を別途備えています。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
288
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
プロトコル独立マルチキャスト
下の図に、MLD と PIM-SM が IPv6 マルチキャスト環境で動作する場所を示します。
図 18:IPv6 でサポートされている IPv6 マルチキャスト ルーティング プロトコル
プロトコル独立マルチキャスト
プロトコル独立マルチキャスト(PIM)は、相互に転送されるマルチキャスト パケット、および
直接接続されている LAN に転送されるマルチキャスト パケットを追跡するためにデバイス間で
使用されます。 PIM は、ユニキャスト ルーティング プロトコルとは独立して動作し、他のプロ
トコルと同様に、マルチキャスト ルート アップデートの送受信を実行します。 ユニキャスト ルー
ティング テーブルに値を入力するために LAN でどのユニキャスト ルーティング プロトコルが使
用されているかどうかにかかわらず、Cisco IOS PIM では、独自のルーティング テーブルを構築お
よび管理する代わりに、既存のユニキャスト テーブル コンテンツを使用して、リバース パス転
送(RPF)チェックを実行します。
PIM スパース モード(SM)または PIM 送信元固有マルチキャスト(SSM)動作のいずれかを使
用するように IPv6 マルチキャストを設定することも、ネットワークで PIM-SM と PIM-SSM の両
方を使用することもできます。
PIM 送信元固有マルチキャスト
PIM-SSM は、SSM の実装をサポートするルーティング プロトコルであり、PIM-SM から派生した
ものです。 ただし、PIM-SM では PIM join を受けてすべてのマルチキャスト送信元からデータが
送信されるのに対し、SSM 機能では、受信側が明示的に加入しているマルチキャスト送信元だけ
からその受信側にデータグラム トラフィックが転送されます。これにより、帯域利用率が最適化
され、不要なインターネット ブロードキャスト トラフィックが拒否されます。 さらに、SSM で
は、RP と共有ツリーを使用する代わりに、マルチキャスト グループの送信元アドレスで見つかっ
た情報を使用します。 この情報は、MLD メンバーシップ レポートによってラストホップ デバイ
スにリレーされる送信元アドレスを通して受信側から提供されます。その結果として、送信元に
直接つながる最短パス ツリーが得られます。
SSM では、データグラムは(S, G)チャネルに基づいて配信されます。 1 つの(S, G)チャネル
のトラフィックは、IPv6 ユニキャスト送信元アドレス S とマルチキャスト グループ アドレス G
を IPv6 宛先アドレスとして使用するデータグラムで構成されます。 システムは、(S, G)チャネ
ルのメンバになることによって、このトラフィックを受信します。 シグナリングは不要ですが、
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
289
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
プロトコル独立マルチキャスト
受信側は特定の送信元からのトラフィックを受信する場合は(S, G)チャネルに加入し、トラ
フィックを受信しない場合はチャネルから脱退する必要があります。
SSM を動作させるには、MLD バージョン 2 が必要です。 MLD を使用すると、ホストが送信元の
情報を提供できるようになります。 MLD を使用して SSM を動作させるには、Cisco IPv6 デバイ
ス、アプリケーションが実行されているホスト、およびアプリケーション自体でSSMがサポート
されている必要があります。
PIM 共有ツリーおよび送信元ツリー(最短パス ツリー)
デフォルトでは、グループのメンバは、RP をルートとする単一のデータ配布ツリーを通じて、送
信側からグループへのデータを受信します。 このタイプの配布ツリーは、共有ツリーまたはラン
デブー ポイント ツリー(RPT)と呼ばれます(下の図を参照)。 送信側からのデータは、RP に
配信され、その共有ツリーに加入しているグループ メンバに配布されます。
図 19:共有ツリーおよび送信元ツリー(最短パス ツリー)
データしきい値で保証される場合、共有ツリー上のリーフ デバイスは、送信元をルートとする
データ配布ツリーへの切り替えを開始できます。このタイプの配布ツリーは、最短パスツリーま
たは送信元ツリーと呼ばれます。 デフォルトでは、ソフトウェアが送信元から最初のデータ パ
ケットを受信すると、送信元ツリーに切り替わります。
次に、共有ツリーから送信元ツリーに切り替わるプロセスの詳細を示します。
1 受信側がグループに加入します。リーフ デバイス C が RP に join メッセージを送信します。
2 RP がデバイス C へのリンクを発信インターフェイス リストに登録します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
290
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
プロトコル独立マルチキャスト
3 送信元がデータを送信します。デバイス A が register にデータをカプセル化し、それを RP に
送信します。
4 RP が共有ツリーの下位方向のデバイス C にデータを転送し、送信元に join メッセージを送信
します。 この時点で、データはデバイス C に 2 回(カプセル化された状態で 1 回、ネイティ
ブの状態で 1 回)着信する可能性があります。
5 データがネイティブの(カプセル化されていない)状態で RP に着信すると、RP はデバイス
A に register-stop メッセージを送信します。
6 デフォルトでは、デバイス C は、最初のデータ パケットを受信した時点で、送信元に join メッ
セージを送信します。
7 デバイス C が(S, G)でデータを受信すると、デバイス C は共有ツリーの上位方向にある送信
元に prune メッセージを送信します。
8 RP が(S, G)の発信インターフェイスからデバイス C へのリンクを削除します。
9 RP が送信元への prune メッセージをトリガーします。
送信元および RP に join および prune メッセージが送信されます。 これらのメッセージはホップ
単位で送信され、送信元または RP へのパス上にある各 PIM デバイスで処理されます。 register お
よび register-stop メッセージは、ホップバイホップで送信されません。 これらのメッセージは、
送信元に直接接続されている指定ルータ(DR)によって送信され、グループの RP によって受信
されます。
リバース パス転送
リバース パス転送は、マルチキャスト データグラムの転送に使用されます。 これは、次のよう
に機能します。
• デバイスで送信元へのユニキャスト パケットの送信に使用しているインターフェイスでデー
タグラムを受信すると、パケットは RPF インターフェイスに着信しています。
• パケットが RPF インターフェイスに着信した場合、デバイスは、マルチキャスト ルーティ
ング テーブル エントリの発信インターフェイス リストに存在するインターフェイスにパケッ
トを転送します。
• パケットが RPF インターフェイスに着信しない場合、パケットはループを回避するためにサ
イレントにドロップされています。
PIM では、送信元ツリーと RP をルートとする共有ツリーの両方を使用してデータグラムを転送
します。RPF チェックは、次のようにそれぞれ異なる方法で実行されます。
• PIM デバイスが送信元ツリー ステートである場合(つまり、(S, G)エントリがマルチキャ
スト ルーティング テーブル内にある場合)、マルチキャスト パケットの送信元の IPv6 アド
レスに対して RPF チェックが実行されます。
• PIM デバイスが共有ツリー ステートである場合(および送信元ツリー ステートが明示され
ていない場合)、(メンバがグループに加入している場合は既知である)RP のアドレスに対
して RPF チェックが実行されます。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
291
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
IPv6 マルチキャストの設定方法:PIM Source-Specific Multicast
空間モード PIM では、RPF ルックアップ機能を使用して、join および prune の送信先を決定しま
す。 (S, G)join(送信元ツリー ステート)は送信元に向けて送信されます。 (*, G)join(共有
ツリー ステート)は RP に向けて送信されます。
IPv6 マルチキャストの設定方法:PIM Source-Specific
Multicast
PIM オプションの設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 pim [vrf vrf-name] spt-threshold infinity [group-list access-list-name]
4. ipv6 pim [vrf vrf-name] accept-register {list access-list | route-map map-name}
5. interface type number
6. ipv6 pim dr-priority value
7. ipv6 pim hello-interval seconds
8. ipv6 pim join-prune-interval seconds
9. exit
10. show ipv6 pim [vrf vrf-name] join-prune statistic [interface-type]
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始
します。
例:
Device# configure terminal
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
292
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
PIM オプションの設定
ステップ 3
コマンドまたはアクション
目的
ipv6 pim [vrf vrf-name] spt-threshold infinity
[group-list access-list-name]
PIM リーフ デバイスが指定したグループの SPT に
加入するタイミングを設定します。
例:
Device(config)# ipv6 pim spt-threshold
infinity group-list acc-grp-1
ステップ 4
ipv6 pim [vrf vrf-name] accept-register {list
access-list | route-map map-name}
RP のレジスタを許可または拒否します。
例:
Device(config)# ipv6 pim accept-register
route-map reg-filter
ステップ 5
interface type number
例:
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバイ
スをインターフェイスコンフィギュレーションモー
ドにします。
Device(config)# interface FastEthernet 1/0
ステップ 6
ipv6 pim dr-priority value
PIM デバイスの DR プライオリティを設定します。
例:
Device(config-if)# ipv6 pim dr-priority 3
ステップ 7
ipv6 pim hello-interval seconds
インターフェイスにおける PIM hello メッセージの
頻度を設定します。
例:
Device(config-if)# ipv6 pim hello-interval
45
ステップ 8
ipv6 pim join-prune-interval seconds
指定したインターフェイスに対して join および prune
の定期的な通知間隔を設定します。
例:
Device(config-if)# ipv6 pim
join-prune-interval 75
ステップ 9
このコマンドを 2 回入力して、インターフェイス
コンフィギュレーション モードを終了し、特権
EXEC モードを開始します。
exit
例:
Device(config-if)# exit
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
293
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
PIM トラフィック カウンタのリセット
コマンドまたはアクション
ステップ 10
目的
show ipv6 pim [vrf vrf-name] join-prune statistic 各インターフェイスの最後の集約パケットに関する
[interface-type]
平均 join-prune 集約を表示します。
例:
Device# show ipv6 pim join-prune statistic
PIM トラフィック カウンタのリセット
PIM が誤動作する場合、または予想される PIM パケット数が送受信されていることを確認するた
めに、PIM トラフィック カウンタをクリアします。 トラフィック カウンタがクリアされると、
PIM が正しく動作していること、および PIM パケットが正しく送受信されていることを確認でき
ます。
手順の概要
1. enable
2. clear ipv6 pim [vrf vrf-name] traffic
3. show ipv6 pim [vrf vrf-name] traffic
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場
合)。
Device> enable
ステップ 2
clear ipv6 pim [vrf vrf-name] traffic
PIM トラフィック カウンタをリセットします。
例:
Device# clear ipv6 pim traffic
ステップ 3
show ipv6 pim [vrf vrf-name] traffic
PIM トラフィック カウンタを表示します。
例:
Device# show ipv6 pim traffic
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
294
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
PIM トポロジ テーブルをクリアすることによる MRIB 接続のリセット
PIM トポロジ テーブルをクリアすることによる MRIB 接続のリセット
MRIB を使用するのに設定は不要です。 ただし、特定の状況においては、ユーザは PIM トポロジ
テーブルをクリアして MRIB 接続をリセットし、MRIB 情報を確認する必要がある場合がありま
す。
手順の概要
1. enable
2. clear ipv6 pim [vrf vrf-name] topology [group-name | group-address]
3. show ipv6 mrib [vrf vrf-name] client [filter] [name {client-name | client-name : client-id}]
4. show ipv6 mrib [vrf vrf-name] route [link-local| summary | [sourceaddress-or-name | *]
[groupname-or-address [prefix-length]]]
5. show ipv6 pim [vrf vrf-name] topology [groupname-or-address [sourcename-or-address] | link-local |
route-count [detail]]
6. debug ipv6 mrib [vrf vrf-name] client
7. debug ipv6 mrib [vrf vrf-name] io
8. debug ipv6 mrib proxy
9. debug ipv6 mrib [vrf vrf-name] route [group-name | group-address]
10. debug ipv6 mrib [vrf vrf-name] table
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場
例:
合)。
Device> enable
ステップ 2
clear ipv6 pim [vrf vrf-name] topology [group-name PIM トポロジ テーブルをクリアします。
| group-address]
例:
Device# clear ipv6 pim topology FF04::10
ステップ 3
show ipv6 mrib [vrf vrf-name] client [filter] [name インターフェイスのマルチキャスト関連情報を
{client-name | client-name : client-id}]
表示します。
例:
Device# show ipv6 mrib client
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
295
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
PIM トポロジ テーブルをクリアすることによる MRIB 接続のリセット
ステップ 4
コマンドまたはアクション
目的
show ipv6 mrib [vrf vrf-name] route [link-local|
summary | [sourceaddress-or-name | *]
[groupname-or-address [prefix-length]]]
MRIB ルート情報を表示します。
例:
Device# show ipv6 mrib route
ステップ 5
show ipv6 pim [vrf vrf-name] topology
[groupname-or-address [sourcename-or-address] |
link-local | route-count [detail]]
特定のグループまたはすべてのグループの PIM
トポロジ テーブル情報を表示します。
例:
Device# show ipv6 pim topology
ステップ 6
debug ipv6 mrib [vrf vrf-name] client
MRIB クライアント管理アクティビティに対する
デバッグをイネーブルにします。
例:
Device# debug ipv6 mrib client
ステップ 7
debug ipv6 mrib [vrf vrf-name] io
MRIB I/O イベントに対するデバッグをイネーブ
ルにします。
例:
Device# debug ipv6 mrib io
ステップ 8
debug ipv6 mrib proxy
例:
Device# debug ipv6 mrib proxy
ステップ 9
分散型ルータ プラットフォームにおけるルート
プロセッサとラインカード間の MRIB プロキシ
アクティビティに対するデバッグをイネーブル
にします。
debug ipv6 mrib [vrf vrf-name] route [group-name | MRIB ルーティング エントリ関連のアクティビ
group-address]
ティに関する情報を表示します。
例:
Device# debug ipv6 mrib route
ステップ 10
debug ipv6 mrib [vrf vrf-name] table
MRIB テーブル管理アクティビティに対するデ
バッグをイネーブルにします。
例:
Device# debug ipv6 mrib table
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
296
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
IPv6 マルチキャストの設定例:PIM Source-Specific Multicast
IPv6 マルチキャストの設定例:PIM Source-Specific
Multicast
例:IPv6 PIM トポロジ情報の表示
Device# show ipv6 pim topology
IP PIM Multicast Topology Table
Entry state:(*/S,G)[RPT/SPT] Protocol Uptime Info
Entry flags:KAT - Keep Alive Timer, AA - Assume Alive, PA - Probe Alive,
RA - Really Alive, LH - Last Hop, DSS - Don't Signal Sources,
RR - Register Received, SR - Sending Registers, E - MSDP External,
DCC - Don't Check Connected
Interface state:Name, Uptime, Fwd, Info
Interface flags:LI - Local Interest, LD - Local Dissinterest,
II - Internal Interest, ID - Internal Dissinterest,
LH - Last Hop, AS - Assert, AB - Admin Boundary
(*,FF05::1)
SM UP:02:26:56 JP:Join(now) Flags:LH
RP:2001:DB8:1:1:2
RPF:Ethernet1/1,FE81::1
Ethernet0/1
02:26:56 fwd LI LH
(2001:DB8:1:1:200,FF05::1)
SM UP:00:00:07 JP:Null(never) Flags:
RPF:Ethernet1/1,FE80::30:1:4
Ethernet1/1
00:00:07 off LI
例:Join/Prune 集約の設定
次に、イーサネット インターフェイス 0/0 で join/prune 集約を提供する例を示します。
Device# show ipv6 pim join-prune statistic Ethernet0/0
PIM Average Join/Prune Aggregation for last (1K/10K/50K) packets
Interface
Transmitted
Received
Ethernet0/0
0
/ 0
1
/ 0
例:PIM トラフィック情報の表示
Device# show ipv6 pim traffic
PIM Traffic Counters
Elapsed time since counters cleared:00:05:29
Valid PIM Packets
Hello
Join-Prune
Register
Register Stop
Assert
Bidir DF Election
Errors:
Malformed Packets
Received
22
22
0
0
0
0
0
Sent
22
22
0
0
0
0
0
0
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
297
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
その他の関連資料
Bad Checksums
Send Errors
Packet Sent on Loopback Errors
Packets Received on PIM-disabled Interface
Packets Received with Unknown PIM Version
0
0
0
0
0
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IPv6 のアドレッシングと接続
『IPv6 Configuration Guide』
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
IPv6 コマンド
『Cisco IOS IPv6 Command
Reference』
Cisco IOS IPv6 機能
『Cisco IOS IPv6 Feature
Mapping』
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
IPv6 用 RFC
『IPv6 RFCs』
MIB
MIB
MIB のリンク
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
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IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
298
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
IPv6 マルチキャストの機能情報:PIM Source-Specific Multicast
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
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ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
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的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IPv6 マルチキャストの機能情報:PIM Source-Specific
Multicast
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
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299
IPv6 マルチキャスト:PIM Source-Specific Multicast
IPv6 マルチキャストの機能情報:PIM Source-Specific Multicast
表 18:IPv6 マルチキャストの機能情報:PIM Source-Specific Multicast
機能名
リリース
機能情報
IPv6 マルチキャスト:PIM
Source-Specific Multicast
12.0(26)S
PIM-SSM は、PIM-SM から派生
したものであり、SSM の実装
をサポートしています。 SSM
機能では、受信側が明示的に加
入しているマルチキャスト送信
元だけからその受信側にデータ
グラム トラフィックが転送さ
れます。これにより、帯域利用
率が最適化され、不要なイン
ターネット ブロードキャスト
トラフィックが拒否されます。
12.2(18)S
12.2(25)SG
12.2(33)SRA
12.3(2)T
12.4
12.4(2)T
Cisco IOS XE Release 2.1
15.0(1)S
次のコマンドが導入または変更
されました。clear ipv6 pim
topology、debug ipv6 pim、
debug ipv6 pim neighbor、ipv6
pim、ipv6 pim dr-priority、ipv6
pim hello-interval、ipv6 pim
rp-address、ipv6 pim
spt-threshold infinity、show ipv6
mroute、show ipv6 pim
group-map、show ipv6 pim
interface、show ipv6 pim
neighbor、show ipv6 pim
range-list、show ipv6 pim
topology、show ipv6 pim
tunnel。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
300
第
15
章
IPv6 Source Specific Multicast マッピング
IPv6 用の Source-specific multicast(SSM)マッピングでは、MLD バージョン 1 の受信側用にスタ
ティックとダイナミックの両方のドメイン ネーム システム(DNS)マッピングがサポートされ
ています。 この機能を使用すると、TCP/IP ホスト スタックおよび IP マルチキャスト受信アプリ
ケーションで MLD バージョン 2 サポートを提供できないホストで IPv6 SSM を展開できます。
• 機能情報の確認, 301 ページ
• IPv6 Source Specific Multicast マッピングについて, 301 ページ
• IPv6 Source Specific Multicast マルチキャスト マッピングの設定方法, 302 ページ
• IPv6 Source Specific Multicast マッピングの設定例, 304 ページ
• その他の関連資料, 304 ページ
• IPv6 Source Specific Multicast マッピングの機能情報, 305 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IPv6 Source Specific Multicast マッピングについて
IPv6 用の SSM マッピングでは、MLD バージョン 1 の受信側用にスタティックとダイナミックの
両方のドメイン ネーム システム(DNS)マッピングがサポートされています。 この機能を使用
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
301
IPv6 Source Specific Multicast マッピング
IPv6 Source Specific Multicast マルチキャスト マッピングの設定方法
すると、TCP/IP ホスト スタックおよび IP マルチキャスト受信アプリケーションで MLD バージョ
ン 2 サポートを提供できないホストで IPv6 SSM を展開できます。
SSM マッピングにより、デバイスは実行コンフィギュレーションまたは DNS サーバのいずれか
でマルチキャスト MLD バージョン 1 レポートの送信元を検索できるようになります。 その後、
デバイスは送信元に対する(S, G)join を開始できます。
IPv6 Source Specific Multicast マルチキャスト マッピング
の設定方法
IPv6 SSM の設定
SSM マッピング機能をイネーブルにすると、DNS ベースの SSM マッピングが自動的にイネーブ
ルになります。つまり、デバイスは、マルチキャスト MLD バージョン 1 レポートの送信元を DNS
サーバから検索するようになります。
デバイス設定に応じて、DNS ベースのマッピングまたはスタティック SSM マッピングのいずれ
かを設定できます。 スタティック SSM マッピングを使用する場合は、複数のスタティック SSM
マッピングを設定できます。 複数のスタティック SSM マッピングを設定すると、一致するすべ
てのアクセス リストの送信元アドレスが使用されるようになります。
はじめる前に
(注)
DNS ベースの SSM マッピングを使用するには、デバイスは正しく設定されている DNS サー
バを少なくとも 1 つ見つける必要があります。デバイスは、その DNS サーバに直接接続され
る可能性があります。
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 mld [vrf vrf-name] ssm-map enable
4. no ipv6 mld [vrf vrf-name] ssm-map query dns
5. ipv6 mld [vrf vrf-name] ssm-map static access-list source-address
6. end
7. show ipv6 mld [vrf vrf-name] ssm-map [source-address]
手順の詳細
ステップ 1
enable
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
302
IPv6 Source Specific Multicast マッピング
IPv6 SSM の設定
例:
Device> enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
ステップ 2
configure terminal
例:
Device# configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3
ipv6 mld [vrf vrf-name] ssm-map enable
例:
Device(config)# ipv6 mld ssm-map enable
設定済みの SSM 範囲内のグループに対して SSM マッピング機能をイネーブルにします。
ステップ 4
no ipv6 mld [vrf vrf-name] ssm-map query dns
例:
Device(config)# no ipv6 mld ssm-map query dns
DNS ベースの SSM マッピングをディセーブルにします。
ステップ 5
ipv6 mld [vrf vrf-name] ssm-map static access-list source-address
例:
Device(config)# ipv6 mld ssm-map static SSM_MAP_ACL_2 2001:DB8:1::1
スタティック SSM マッピングを設定します。
ステップ 6
end
例:
Device(config-if)# end
特権 EXEC モードに戻ります。
ステップ 7
show ipv6 mld [vrf vrf-name] ssm-map [source-address]
例:
Device# show ipv6 mld ssm-map
SSM マッピング情報を表示します。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
303
IPv6 Source Specific Multicast マッピング
IPv6 Source Specific Multicast マッピングの設定例
IPv6 Source Specific Multicast マッピングの設定例
例:IPv6 SSM マッピング
Device# show ipv6 mld ssm-map 2001:DB8::1
Group address
Group mode ssm
Database
Source list
:
:
:
:
2001:DB8::1
TRUE
STATIC
2001:DB8::2
2001:DB8::3
Device# show ipv6 mld ssm-map 2001:DB8::2
Group address
Group mode ssm
Database
Source list
:
:
:
:
2001:DB8::2
TRUE
DNS
2001:DB8::3
2001:DB8::1
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IPv6 のアドレッシングと接続
『IPv6 Configuration Guide』
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
IPv6 コマンド
『Cisco IOS IPv6 Command
Reference』
Cisco IOS IPv6 機能
『Cisco IOS IPv6 Feature
Mapping』
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
304
IPv6 Source Specific Multicast マッピング
IPv6 Source Specific Multicast マッピングの機能情報
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
IPv6 用 RFC
『IPv6 RFCs』
MIB
MIB
MIB のリンク
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IPv6 Source Specific Multicast マッピングの機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
305
IPv6 Source Specific Multicast マッピング
IPv6 Source Specific Multicast マッピングの機能情報
表 19:IPv6 Source Specific Multicast マッピングの機能情報
機能名
リリース
機能情報
IPv6 Source Specific Multicast
マッピング
12.2(33)SRA
この機能を使用すると、TCP/IP
ホスト スタックおよび IP マル
チキャスト受信アプリケーショ
ンで MLD バージョン 2 サポー
トを提供できないホストでIPv6
SSM を展開できます。
12.2(18)SXE
12.4(2)T
Cisco IOS XE Release 2.1
15.0(1)S
次のコマンドが導入または変更
されました。ipv6 mld ssm-map
enable、ipv6 mld ssm-map query
dns、ipv6 mld ssm-map static、
show ipv6 mld ssm-map。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
306
第
16
章
IPv6
マルチキャスト:受信側の明示的トラッ
キング
• 機能情報の確認, 307 ページ
• IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングについて, 308 ページ
• IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングの設定方法, 308 ページ
• IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングの設定例, 309 ページ
• その他の関連資料, 309 ページ
• IPv6 マルチキャストに関する機能情報:受信側の明示的トラッキング, 311 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
307
IPv6 マルチキャスト:受信側の明示的トラッキング
IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングについて
IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングについ
て
受信側の明示的トラッキング
明示的トラッキング機能を使用すると、デバイスが IPv6 ネットワーク内のホストの動作を追跡で
きるようになります。 また、この機能により、高速脱退メカニズムを MLD バージョン 2 のホス
ト レポートで使用できるようになります。
IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングの設定
方法
受信側の明示的トラッキングによってホストの動作を追跡するための
設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. ipv6 mld explicit-tracking access-list-name
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
例:
• パスワードを入力します(要求された場合)。
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始し
ます。
例:
Device# configure terminal
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
308
IPv6 マルチキャスト:受信側の明示的トラッキング
IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングの設定例
ステップ 3
コマンドまたはアクション
目的
interface type number
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバイ
スをインターフェイス コンフィギュレーション モー
ドにします。
例:
Device(config)# interface FastEthernet
1/0
ステップ 4
ipv6 mld explicit-tracking access-list-name
ホストの明示的トラッキングをイネーブルにします。
例:
Device(config-if)# ipv6 mld
explicit-tracking list1
IPv6 マルチキャスト受信側の明示的トラッキングの設定
例
例:受信側の明示的トラッキングの設定
Device> enable
Device# configure terminal
Device(config)# interface FastEthernet 1/0
Device(config-if)# ipv6 mld explicit-tracking list1
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IPv6 のアドレッシングと接続
『IPv6 Configuration Guide』
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
309
IPv6 マルチキャスト:受信側の明示的トラッキング
その他の関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IPv6 コマンド
『Cisco IOS IPv6 Command
Reference』
Cisco IOS IPv6 機能
『Cisco IOS IPv6 Feature
Mapping』
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
IPv6 用 RFC
『IPv6 RFCs』
MIB
MIB
MIB のリンク
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
310
IPv6 マルチキャスト:受信側の明示的トラッキング
IPv6 マルチキャストに関する機能情報:受信側の明示的トラッキング
IPv6 マルチキャストに関する機能情報:受信側の明示的
トラッキング
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
表 20:IPv6 マルチキャストに関する機能情報:受信側の明示的トラッキング
機能名
リリース
IPv6 マルチキャスト:受信側の 12.2(25)S
明示的トラッキング
12.2(25)SG
12.2(33)SRA
12.2(33)SXH
12.3(7)T
機能情報
この機能を使用すると、デバイ
スが IPv6 ネットワーク内のホ
ストの動作を追跡できるように
なります。
次のコマンドが導入されまし
た。ipv6 mld explicit-tracking。
12.4
12.4(2)T
Cisco IOS XE Release 2.1
15.0(1)S
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
311
IPv6 マルチキャスト:受信側の明示的トラッキング
IPv6 マルチキャストに関する機能情報:受信側の明示的トラッキング
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
312
第
17
章
IPv6 双方向 PIM
• 機能情報の確認, 313 ページ
• IPv6 双方向 PIM の制約事項, 313 ページ
• IPv6 双方向 PIM について, 314 ページ
• IPv6 双方向 PIM の設定方法, 314 ページ
• IPv6 双方向 PIM の設定例, 316 ページ
• その他の関連資料, 316 ページ
• IPv6 双方向 PIM に関する機能情報, 317 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IPv6 双方向 PIM の制約事項
ネットワークで双方向(bidir)範囲が使用されている場合は、そのネットワーク内のすべてのデ
バイスがブートストラップ メッセージ(BSM)内の双方向範囲を理解できる必要があります。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
313
IPv6 双方向 PIM
IPv6 双方向 PIM について
IPv6 双方向 PIM について
双方向 PIM
双方向 PIM により、マルチキャスト デバイスは、PIM-SM の単方向共有ツリーと比較して、保持
するステート情報を減らすことができます。 双方向共有ツリーは、送信元から RPA にデータを伝
送し、それらを RPA から受信側に配布します。 PIM-SM とは異なり、双方向 PIM は送信元ツリー
への切り替えは実行しません。また、送信元から RP へのデータの登録カプセル化は行われませ
ん。
指定された単一のフォワーダ(DF)が、双方向 PIM ドメイン内のすべてのリンク(マルチアクセ
スおよびポイントツーポイント リンクを含む)の各 RPA 用に存在しています。 唯一の例外は、
DF が存在しない RPL です。 DF は、MRIB が提供するメトリックとの比較で決定される、RPA へ
の最適なルートを持つリンク上のデバイスです。 指定された RPA の DF は、リンクにダウンスト
リーム トラフィックを転送し、リンクからのアップストリーム トラフィックをランデブー ポイ
ント リンク(RPL)に転送します。 DF は、RPA にマップするすべての双方向グループに対して
この機能を実行します。 また、リンク上の DF は、リンク上のダウンストリーム デバイスからの
Join メッセージを処理するとともに、MLD などのローカル メンバーシップ メカニズムによって
検出されたローカル受信者にパケットが転送されることを保証します。
双方向 PIM は、中レートまたは低レートの送信元が多数存在する場合に役立ちます。 ただし、双
方向共有ツリーの遅延特性は、PIM-SM で構築された送信元ツリーよりもさらに劣る可能性があ
ります(トポロジに依存)。
IPv6 では、双方向 RP のスタティック設定だけがサポートされています。
IPv6 双方向 PIM の設定方法
双方向 PIM の設定および双方向 PIM 情報の表示
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 pim [vrf vrf-name] rp-address ipv6-address [group-access-list] [bidir]
4. exit
5. show ipv6 pim [vrf vrf-name] df [interface-type interface-number] [rp-address]
6. show ipv6 pim [vrf vrf-name] df winner[interface-type interface-number] [rp-address]
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
314
IPv6 双方向 PIM
双方向 PIM の設定および双方向 PIM 情報の表示
手順の詳細
ステップ 1
コマンドまたはアクション
目的
enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
例:
Device> enable
ステップ 2
configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始し
ます。
例:
Device# configure terminal
ステップ 3
ipv6 pim [vrf vrf-name] rp-address ipv6-address 特定のグループ範囲の PIM RP のアドレスを設定し
[group-access-list] [bidir]
ます。 bidir キーワードを使用すると、そのグループ
範囲が双方向共有ツリー転送に使用されるようにな
例:
ります。
Device(config)# ipv6 pim rp-address
2001:DB8::01:800:200E:8C6C bidir
ステップ 4
グローバル コンフィギュレーション モードを終了
し、デバイスを特権 EXEC モードに戻します。
exit
例:
Device(config-if)# exit
ステップ 5
show ipv6 pim [vrf vrf-name] df [interface-type
interface-number] [rp-address]
RP の各インターフェイスの Designated Forwarder
(DF)選択ステートを表示します。
例:
Device# show ipv6 pim df
ステップ 6
show ipv6 pim [vrf vrf-name] df
winner[interface-type interface-number]
[rp-address]
各 RP の各インターフェイスの DF 選択ウィナーを表
示します。
例:
Device# show ipv6 pim df winner ethernet
1/0 200::1
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
315
IPv6 双方向 PIM
IPv6 双方向 PIM の設定例
IPv6 双方向 PIM の設定例
例:双方向 PIM の設定および双方向 PIM 情報の表示
次に、DF-election 状態を表示する例を示します。
Device# show ipv6 pim df
Interface
Ethernet0/0
RP :200::1
Ethernet1/0
RP :200::1
DF State
Winner
Timer
4s 8ms
Metrics
[120/2]
Lose
0s 0ms
[inf/inf]
次に、RP に関する情報を表示する例を示します。
Device# show ipv6 pim df
Interface
Ethernet0/0
RP :200::1
Ethernet1/0
RP :200::1
Ethernet2/0
RP :200::1
DF State
Timer
None:RP LAN 0s 0ms
Metrics
[inf/inf]
Winner
7s 600ms
[0/0]
Winner
9s 8ms
[0/0]
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IPv6 のアドレッシングと接続
『IPv6 Configuration Guide』
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
IPv6 コマンド
『Cisco IOS IPv6 Command
Reference』
Cisco IOS IPv6 機能
『Cisco IOS IPv6 Feature
Mapping』
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
316
IPv6 双方向 PIM
IPv6 双方向 PIM に関する機能情報
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
IPv6 用 RFC
『IPv6 RFCs』
MIB
MIB
MIB のリンク
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IPv6 双方向 PIM に関する機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
317
IPv6 双方向 PIM
IPv6 双方向 PIM に関する機能情報
表 21:IPv6 双方向 PIM に関する機能情報
機能名
リリース
機能情報
IPv6 双方向 PIM
12.2(25)SG
双方向 PIM では、マルチキャ
スト ルータで保持するステー
ト情報を減らすことができま
す。 双方向共有ツリーは、送
信元から RP にデータを伝送
し、それらを RP から受信側に
配布します。
12.2(33)SRA
12.2(25)S
12.3(7)T
12.4
12.4(2)T
Cisco IOS XE release 2.3
15.0(1)S
次のコマンドが導入または変更
されました。debug ipv6 pim
df-election、ipv6 pim
rp-address、show ipv6 pim df、
show ipv6 pim df winner。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
318
第
18
章
IPv6 PIM パッシブ モード
この機能を使用すると、PIM パッシブ モードをインターフェイスでイネーブルにして、PIM パッ
シブ インターフェイスを、PIM 制御メッセージは送受信できないが、マルチキャスト ルート エ
ントリのリバース パス転送(RPF)インターフェイスとして機能し、マルチキャスト データ パ
ケットを受信して転送できるようにすることができます。
• 機能情報の確認, 319 ページ
• IPv6 PIM パッシブ モードに関する情報, 319 ページ
• IPv6 PIM パッシブ モードの設定方法, 320 ページ
• その他の関連資料, 321 ページ
• IPv6 PIM パッシブの機能情報, 322 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IPv6 PIM パッシブ モードに関する情報
PIM を使用して設定されたデバイスは、LAN 上のいずれのネイバーからの PIM メッセージも受け
取らないように設定されている場合にも、IPv6 マルチキャスト ルーティングが有効になっている
すべてのインターフェイスに PIM hello メッセージを常に送信します。 IPv6 PIM パッシブ モード
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
319
IPv6 PIM パッシブ モード
IPv6 PIM パッシブ モードの設定方法
機能を使用すると、PIM パッシブ モードをインターフェイスでイネーブルにして、PIM パッシブ
インターフェイスを、PIM 制御メッセージは送受信できないが、マルチキャスト ルート エントリ
の RPF インターフェイスとして機能し、マルチキャスト データ パケットを受信して転送できる
ようにすることができます。
IPv6 PIM パッシブ モードの設定方法
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. ipv6 multicast pim-passive-enable
4. interface type number
5. ipv6 pim passive
手順の詳細
ステップ 1
enable
例:
Device> enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
ステップ 2
configure terminal
例:
Device# configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3
ipv6 multicast pim-passive-enable
例:
Device(config)# ipv6 multicast pim-passive-enable
IPv6 デバイスの PIM パッシブ機能をイネーブルにします。
ステップ 4
interface type number
例:
Device(config)# interface GigabitEthernet 1/0/0
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
320
IPv6 PIM パッシブ モード
その他の関連資料
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバイスをインターフェイス コンフィギュレーション モー
ドにします。
ステップ 5
ipv6 pim passive
例:
Device(config-if)# ipv6 pim passive
特定のインターフェイスの PIM パッシブ機能をイネーブルにします。
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IPv6 のアドレッシングと接続
『IPv6 Configuration Guide』
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IPv6 コマンド
『Cisco IOS IPv6 Command
Reference』
Cisco IOS IPv6 機能
『Cisco IOS IPv6 Feature
Mapping』
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
IPv6 用 RFC
『IPv6 RFCs』
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
321
IPv6 PIM パッシブ モード
IPv6 PIM パッシブの機能情報
MIB
MIB
MIB のリンク
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
シスコのテクニカル サポート
説明
リンク
シスコのサポートおよびドキュメンテーション http://www.cisco.com/cisco/web/support/index.html
Web サイトでは、ダウンロード可能なマニュア
ル、ソフトウェア、ツールなどのオンライン リ
ソースを提供しています。 これらのリソース
は、ソフトウェアをインストールして設定した
り、シスコの製品やテクノロジーに関する技術
的問題を解決したりするために使用してくださ
い。 この Web サイト上のツールにアクセスす
る際は、Cisco.com のログイン ID およびパス
ワードが必要です。
IPv6 PIM パッシブの機能情報
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
322
IPv6 PIM パッシブ モード
IPv6 PIM パッシブの機能情報
表 22:IPv6 PIM パッシブの機能情報
機能名
リリース
機能情報
IPv6 PIM パッシブ
Cisco IOS XE Release 2.6
この機能を使用すると、PIM
パッシブ モードをインター
フェイスでイネーブルにし
て、PIM パッシブ インター
フェイスを、PIM 制御メッ
セージは送受信できないが、
マルチキャスト ルート エン
トリの RPF インターフェイス
として機能し、マルチキャス
ト データ パケットを受信し
て転送できるようにすること
ができます。
次のコマンドが導入または変
更されました。ipv6 multicast
pim-passive-enable、ipv6 pim
passive、show ipv6 pim
interface。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
323
IPv6 PIM パッシブ モード
IPv6 PIM パッシブの機能情報
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
324
第
19
章
IPv6 マルチキャスト:ルーティング可能ア
ドレスの hello オプション
ルーティング可能アドレスの hello オプションを使用すると、PIM hello メッセージがアドバタイ
ズされるインターフェイス上のすべてのアドレスを含む PIM hello メッセージ オプションが追加
されます。
• 機能情報の確認, 325 ページ
• ルーティング可能アドレスの hello オプションについて, 326 ページ
• IPv6 マルチキャストの設定方法:ルーティング可能アドレスの hello オプション, 326 ページ
• ルーティング可能アドレスの hello オプションの設定例, 327 ページ
• その他の関連資料, 328 ページ
• IPv6 マルチキャストの機能情報:ルーティング可能アドレスの hello オプション, 329 ページ
機能情報の確認
ご使用のソフトウェア リリースでは、このモジュールで説明されるすべての機能がサポートされ
ているとは限りません。 最新の機能情報および警告については、Bug Search Tool およびプラット
フォームとソフトウェア リリースのリリース ノートを参照してください。 このモジュールに記
載されている機能の詳細を検索し、各機能がサポートされているリリースのリストを確認する場
合は、このモジュールの最後にある機能情報の表を参照してください。
プラットフォームのサポートおよびシスコソフトウェアイメージのサポートに関する情報を検索
するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
www.cisco.com/go/cfn に移動します。 Cisco.com のアカウントは必要ありません。
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
325
IPv6 マルチキャスト:ルーティング可能アドレスの hello オプション
ルーティング可能アドレスの hello オプションについて
ルーティング可能アドレスの hello オプションについて
IPv6 内部ゲートウェイ プロトコルを使用してユニキャスト ルーティング テーブルを構築する場
合、アップストリーム デバイス アドレスを検出するための手順では、PIM ネイバーとネクスト
ホップ デバイスが同じルータを表している限り、これらのアドレスは常に同じであるものと想定
されます。 ただし、デバイスがリンク上に複数のアドレスを持つ場合は、このことが当てはまる
とは限りません。
この状況は IPv6 において、2 つの一般的な状況で発生することがあります。 1 つめの状況は、ユ
ニキャスト ルーティング テーブルが IPv6 内部ゲートウェイ プロトコル(マルチキャスト BGP な
ど)によって構築されない場合に発生します。 2 つめの状況は、RP のアドレスがダウンストリー
ム アドレスとサブネット プレフィックスを共有している場合に発生します(RP アドレスはドメ
インワイドにする必要があるため、リンクローカル アドレスにはできないことに注意してくださ
い)。
ルーティング可能アドレスの hello オプションによって、PIM プロトコルでこのような状況を回避
できます。このためには、PIM hello メッセージがアドバタイズされるインターフェイス上のすべ
てのアドレスを含む PIM hello メッセージ オプションを追加します。 PIM デバイスが何らかのア
ドレスのアップストリーム デバイスを検出すると、RPF 計算の結果は、PIM ネイバーのアドレス
自体に加えて、このオプションのアドレスとも比較されます。 このオプションにはそのリンク上
の PIM デバイスの考えられるアドレスがすべて含まれているため、対象の PIM デバイスがこのオ
プションをサポートしている場合、常に RPF 計算の結果が含まれます。
PIM メッセージにサイズ制限があることと、ルーティング可能アドレスの hello オプションが単一
の PIM hello メッセージ内に収まる必要があるため、インターフェイスで設定できるアドレスの制
限は 16 個になっています。
IPv6 マルチキャストの設定方法:ルーティング可能アド
レスの hello オプション
ルーティング可能アドレスの hello オプションの設定
手順の概要
1. enable
2. configure terminal
3. interface type number
4. ipv6 pim hello-interval seconds
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
326
IPv6 マルチキャスト:ルーティング可能アドレスの hello オプション
ルーティング可能アドレスの hello オプションの設定例
手順の詳細
ステップ 1
enable
例:
Device> enable
特権 EXEC モードをイネーブルにします。
• パスワードを入力します(要求された場合)。
ステップ 2
configure terminal
例:
Device# configure terminal
グローバル コンフィギュレーション モードを開始します。
ステップ 3
interface type number
例:
Device(config)# interface FastEthernet 1/0
インターフェイスのタイプと番号を指定し、デバイスをインターフェイス コンフィギュレーション モー
ドにします。
ステップ 4
ipv6 pim hello-interval seconds
例:
Device(config-if)# ipv6 pim hello-interval 45
インターフェイスにおける PIM hello メッセージの頻度を設定します。
ルーティング可能アドレスの hello オプションの設定例
次に、show ipv6 pim neighbor コマンドで detail キーワードを指定して、ルーティング可能アドレ
スの helloオプションを通して学習されたネイバーの追加アドレスを識別する場合の出力例を示し
ます。
Device# show ipv6 pim neighbor detail
Neighbor Address(es)
Interface
Uptime
Expires DR pri Bidir
FE80::A8BB:CCFF:FE00:401
60::1:1:3
Ethernet0/0
01:34:16
00:01:16 1
B
FE80::A8BB:CCFF:FE00:501
60::1:1:4
Ethernet0/0
01:34:15
00:01:18 1
B
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
327
IPv6 マルチキャスト:ルーティング可能アドレスの hello オプション
その他の関連資料
その他の関連資料
関連資料
関連項目
マニュアル タイトル
IPv6 のアドレッシングと接続
『IPv6 Configuration Guide』
Cisco IOS コマンド
『Cisco IOS Master Commands
List, All Releases』
IP マルチキャスト コマンド
『Cisco IOS IP Multicast
Command Reference』
IPv6 コマンド
『Cisco IOS IPv6 Command
Reference』
Cisco IOS IPv6 機能
『Cisco IOS IPv6 Feature
Mapping』
標準および RFC
標準/RFC
タイトル
IPv6 用 RFC
『IPv6 RFCs』
MIB
MIB
MIB のリンク
選択したプラットフォーム、Cisco IOS リリー
ス、およびフィーチャ セットに関する MIB を
探してダウンロードするには、次の URL にあ
る Cisco MIB Locator を使用します。
http://www.cisco.com/go/mibs
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
328
IPv6 マルチキャスト:ルーティング可能アドレスの hello オプション
IPv6 マルチキャストの機能情報:ルーティング可能アドレスの hello オプション
シスコのテクニカル サポート
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IPv6 マルチキャストの機能情報:ルーティング可能アド
レスの hello オプション
次の表に、このモジュールで説明した機能に関するリリース情報を示します。 この表は、ソフト
ウェア リリース トレインで各機能のサポートが導入されたときのソフトウェア リリースだけを
示しています。その機能は、特に断りがない限り、それ以降の一連のソフトウェアリリースでも
サポートされます。
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するには、Cisco Feature Navigator を使用します。 Cisco Feature Navigator にアクセスするには、
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表 23:IPv6 マルチキャストの機能情報:ルーティング可能アドレスの hello オプション
機能名
リリース
IPv6 マルチキャスト:ルーティ 12.0(26)S
ング可能アドレスの hello オプ 12.3(4)T
ション
12.2(25)S
12.2(25)SG
12.2(33)SRA
12.2(33)SXH
12.4
12.4(2)T
Cisco IOS XE Release 2.4
機能情報
ルーティング可能アドレスの
helloオプションを使用すると、
PIM hello メッセージがアドバ
タイズされるインターフェイス
上のすべてのアドレスを含む
PIM hello メッセージ オプショ
ンが追加されます。
次のコマンドが導入または変更
されました。ipv6 pim
hello-interval、show ipv6 pim
neighbor。
15.0(1)S
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
329
IPv6 マルチキャスト:ルーティング可能アドレスの hello オプション
IPv6 マルチキャストの機能情報:ルーティング可能アドレスの hello オプション
IP マルチキャスト:PIM コンフィギュレーション ガイド、Cisco IOS XE Release 3S(Cisco ASR 1000)
330
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