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特集(447KBytes)

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特集(447KBytes)
特 集
がむしゃらにやってきた
かく たに
のぶ よし
絵付け師 角谷 信吉 さん
中学校を卒業して、兄と一緒に絵付けの仕事をはじ
昭和20年代中頃から昭和40年代中頃までは、
アメリ
めました。両親が絵付けの仕事をしていて、子どもの頃
カやヨーロッパなど海外への輸出品の注文が殺到し、
から親の姿を見ていたので、比較的すんなりとはじめる
夜遅くまで働いていました。自分から仕事を頼んだこと
ことができました。
はなかったぐらい忙しかったものです。同じノベルティ
人形の絵付けを行うときは、まず
「顔」
から始めます。
製品を毎日、毎日窯で焼いていた思い出があります。
人形の顔に絵付けをすることは難しく、体や洋服などに
特にイギリスの紅茶を入れる置き物に、
たくさん転写で
比べると失敗することが多いためです。
絵を付けました。 昭和50年代ごろから注文が減り、平成の時代に入っ
てからは注文がほとんどなくなりました。
しかし、昨年か
ら倉庫に眠っていたノベルティや素焼きの白いノベル
ティを商店街にお渡しして、
飾ってもらっています。
み
りょく
つ た
つ た
今、再び子どもから大人の方までノベルティを見ても
らえるのはうれしいことです。
当時、絵付けをしている様子
(昭和40年代)
瀬戸では、玩具や置物類としてくくられる陶磁器製の
当時、角谷さんが絵付けをされたノベルティ達
人形類や装飾品を総称して
「ノベルティ」
と呼んでいま
す。ノベルティは、
「新案の物」
や
「珍奇な物」
を意味する
英語で、主に海外輸出用に生産された物で、戦後の瀬戸
のめざましい復興は、おもにこのノベルティの生産がけ
ん引してきました。
ノベルティの主な輸出先は、
アメリカ
合衆国でした。ノベルティはヨーロッパで生まれ、欧米
の生活に根ざした製品ですが、日本製品は合衆国市場
で価格と品質を武器に、
ヨーロッパ製品に取って代わっ
ていったものと思われます。
今回の特集は、当時、絵付け師として活躍された方や、
現在、
ノベルティの良さを皆さんに伝えようと活動され
ている方々を紹介します。
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N o v e l t y
http://www.city.seto.aichi.jp
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