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日進中 歳時記 - SaaS for NetCommons
日進中 歳時記 【119号】 ハラビロカマキリ(腹広蟷螂) 2015/10/16 撮影 職員室の澤田先生に飛びついてきた。服の上にいるカマキリでは画になら ないので、タカサゴフヨウの上に置いて撮影した。肉食を示す典型的な逆三 角形の頭、獲物を捕らえて放さない強靱な鎌を持つ。その容姿から、捕まえ るのに尻込みをすることがあるが、前肢の付け根を体ごと掴めば、鎌を掛け られることなく、捕まえることができる。 カマキリといえば、ハリガネムシ。子どもの頃、カマキリを見つけると、 足の裏でお腹の膨らみをそっと踏む。ハリガネムシが寄生していると、住み かを追われた彼らがお尻から出てくる。バケツに水を少し入れて、ハリガネ ムシ同士をきつく縛って放っておく。 暫 く時間をおくと、いつの間にか結 び目がほどけている。それで、僕らは「ムスビ」と呼んでいた。 ところが、ハリガネムシの生活史を知って驚いた。彼らはもともと水生生 物。水中で生まれた幼生は、ユスリカやカワゲラなどの水生昆虫の幼虫に寄 生する。その後羽化したカワゲラなどを捕食したカマキリに寄生する。ここ からが恐ろしいところである。カマキリのお腹の中で成熟したハリガネムシ は、特別なタンパク質を出して、カマキリの脳をコントロールし、水辺に誘 い出して溺れさせる。こうして、彼らは、水中生活に戻るのである。我々も、 特別なタンパク質ではないにせよ、世相に脳をコントロールされるのは危険 なことなんだろう。 (写真・文責 山文 10/21 記) つ か しばらく